元スレ勇者「はじめからから始まるまで」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ○
251 = 1 :
勇者「まとめると、こうだ」
・<解放のとびら>に飛び込む
↓
・もし元の世界で魔王が倒されていたなら、魔王討伐後の時間軸に(勇者以外の存在へ)転生
or
・もし元の世界でまだ魔王が倒されていなかったから
勇者が旅立つ以前の時間軸に(勇者以外の存在へ)転生
のちにプログラムに巻き込まれる ← どうしようもなく、記号化される
勇者「……これが俺の、<解放のとびら>に関する結論だ」
勇者E「……」
女勇者「……」
勇者C「なあ」
勇者「ん」
勇者C「『俺』たちは、どっちの時間に転生したのかな……」
勇者「……」
勇者「俺は、魔王戦をもう一度やるなら、絶対に負けないと思う」
勇者「だからきっと、俺の後に続いた勇者が魔王を討ち果たした……平和な世界だと思う……」
252 = 1 :
勇者「まあ、あれだ!」
勇者「あくまで俺の仮説だから、今の推理が事実かどうかは別の話だ」
勇者C「そ、そうだよな。あくまで証拠のない仮説だよな!」
女勇者「さ、参考にはなったけどね」
勇者E「……話を続けてくれよ」
勇者「え?」
勇者E「もう、粗方考えもまとまってるんだろ?」
勇者E「続きを頼むよ。<転生のとびら>に飛び込んだらどうなるのかを」
勇者C「お、おう、知りたいなそれも」
女勇者「『転生』って言葉、さっきの話にも出てきたけど、それとは別なの?」
勇者「……ああ」
勇者「<転生のとびら>は……まず、立て札の内容をおさらいしてみよう」
<転生のとびら>
・基礎データのみ保持および転送
・新規プログラムの実行
253 :
はっ
254 = 253 :
かっ
255 = 253 :
たっ
256 :
のっ
257 :
のっ
258 = 1 :
勇者C「まず、基礎データってなんだろうね」
女勇者「それを保持はともかく、転送ってどこに?」
勇者E「そりゃ、新規の『プログラム』だろう。つまり」
勇者「『新しい冒険』だ」
勇者C「えっ! 新しい冒険」
勇者「これまでの話をそのまま踏襲したら、すんなり推察できる」
勇者「データというのは多分、プログラム内における『勇者』のことだ」
勇者「つまり、新しい勇者として、新しい冒険の場に転生するってわけだ」
勇者C「さ、最高じゃないのそれ!」
女勇者「ボク決めた!」
勇者E「まぁ待て」
勇者E「『基礎』データ『のみ』ってどういうことだよ」
勇者E「とても『何のリスクもありません』、って響きには聞こえないぞ」
勇者「ああ……多分、察しの通りだ」
勇者「おそらく今の俺たちの……存在性とでもいうのかな。それは全部パァになる」
259 = 116 :
りっ
260 = 244 :
ワっ
261 = 1 :
勇者C「つ、つまりどういうこと?」
女勇者「存在が消えちゃうの?」
勇者「ああ」
勇者「新規プログラムとやらに必要なのは、『魂』だけということだ」
勇者「あとは肉体も記憶もすべて消滅し、新しく組み替えられるだろう」
勇者E「でもそれだったら、さっきの<解放のとびら>と似たようなもんじゃないか」
勇者「あのとびらは、100%元の世界へ帰ることができる点で違う」
勇者「今度の転生は、いつのどこに飛ばされるのかまったく不明だ」
勇者「ただ一つの見当は、転生先が『勇者』であるかもしれない、ということだけだ」
勇者C「え……てことは……」
勇者「選べってことさ」
勇者「元の世界には帰還するが、勇者には戻れない<解放のとびら>か」
勇者「勇者として転生する可能性はあるが、どこに飛ばされるか分からない<転生のとびら>か」
勇者「……いや待て」
勇者「……まさか……この<転生のとびら>は……」
264 :
さる
265 = 142 :
残ってた
266 :
った
267 :
サル判定厳しいな
弾幕相当濃くしないとじゃないか
268 = 142 :
猿避け支援
269 = 266 :
パーフェクトサル
270 :
さるよけ
271 :
272 = 1 :
勇者E「どうした? 何に気付いた?」
勇者「……」
勇者「なあ。俺たち、どこから来たんだ?」
勇者E「はぁ?」
勇者C「突然何を言い出すの」
女勇者「そりゃあ、お母さんのお腹の中からに決まってるでしょ」
勇者「違う。『プログラム』における『俺』だ」
勇者「俺たちには、旅立ちの日の朝、以前の記憶がない」
勇者「そのこと自体は、『プログラム』の設定による改ざんか何かよるものなんだろうが」
勇者「いまこうしてプログラムを経たこの『魂』は、どこから来たんだ?」
勇者C「え、お母さんのお腹の中に宿ったんじゃないの?」
勇者「その魂は……元からその世界にあったその魂はきっと」
勇者「『創造主』による乗っ取りの影響で、弾き飛ばしてしまった……んだと思う……」
女勇者「え、そ、そうなの?」
勇者E「まぁそうとでも解釈しないと、『魂』説が立ち行かなくなるしな。……で、答えは?」
273 = 1 :
勇者「俺たちの世界における『俺』の魂は」
勇者「元をたどれば」
勇者「この<転生のとびら>から来たんじゃないのか?」
勇者E「な、何だと?」
勇者C「はー?」
女勇者「な、何かすごいこと発見した雰囲気?」
勇者「つまり繰り返しているんだよ!」
勇者「いまここに飛び込むとするだろ?」
勇者「すると俺の魂は別世界の勇者に植えつけられ、プログラムを強行される」
勇者「もし……そのプログラム内で、目的を達成できず全滅してしまったら」
勇者「またこの世界、何もない荒野に漂着してしまうんじゃないのか?」
勇者E「……」
勇者C「つ、つまり……?」
勇者「俺たちのそれぞれの『魂』が」
勇者「重ね重ね、再利用されていた可能性があるってことだ」
274 = 142 :
カエサル
275 = 1 :
女勇者「よ、よく分かんないけど、分かんないことがあるよ」
勇者「ん」
女勇者「それじゃあ、最初の『ボク』自身の魂は、どこからきたの?」
女勇者「プログラムとか関与する前の、一番最初の『ボク』は……?」
勇者C「……そ、そうだそうだ。『俺』の原初はどこなんだよ?」
勇者「……それは……」
勇者E「……まさか……」
勇者E「旅立ちの朝を迎える前の、元からその世界にあった『俺』の魂……か?」
勇者E「さっき『創造主』によって弾き飛ばされたって言ってた……」
勇者E「あれ? そうなると矛盾しないか? 今の『俺』が過去の俺の魂で……?」
勇者「……その辺は正直、俺も自信がない。ただ、『創造主』は」
勇者「『プログラム』に関することであれば、時系列を任意にいじることができると思う」
勇者「多分、その世界の乗っ取りさえ成功すれば、死んだ者の魂の在り処は思いのままなんだろう」
勇者「これまで幾度となく、それぞれの世界に存在した適年齢の魂を、適当に抜き取り」
勇者「プログラムのたびに配置を書き換え、あるいは再利用してきた……んだと思う……」
276 = 270 :
バカだけど頑張ってついてく。支援
277 = 1 :
勇者C「なるほど……分からん」
女勇者「分からないけど」
女勇者「なんだか『創造主』ってのに酷いことされてる、って感じは伝わる……」
勇者E「ああ。勝手に人の世界に押し入って、人の魂を弄ぶなんてな……」
勇者「でも、あながち悪い奴とも言い切れない……かもしれない」
勇者C「へ? どうして?」
勇者「そいつによる『プログラム』があれば……少なくとも、その世界で魔王は倒せる」
勇者「『プログラム』なしのその世界の歴史には、勇者という概念はないのかもしれない」
勇者「もし魔王が本気で侵略を考えたら、その世界は魔王に滅ぼされていたかもしれない」
勇者E「その魔王だって、『プログラム』によって生み出された悪役かもしれないだろ!」
勇者「……あくまで仮定の話さ」
勇者「俺が言いたかったのは、『創造主=悪』だとも言い切れないってことだ」
勇者E「……お前が、そいつの肩を持ちたがる理由は何だ?」
勇者「それは……これだ。この3つの旅のとびらだ」
勇者「最後の最後に、この魂の結末を選択する場を与えてくれたことだよ」
278 = 1 :
女勇者「ど、どういう意味?」
勇者C「それが『創造主』がいい奴だってことになるの?」
勇者「だって考えてもみろ」
勇者「こんだけ人様の冒険を『プログラム』として自在に設定できる相手だぞ」
勇者「目的を果たせなかった有象無象の『魂』なんか、好きに処分すればいいじゃないか」
勇者「それを一つ残らず一箇所にかき集めて、最後に行く末をそれぞれに委ねるんだぞ」
勇者「俺には、どことなく親切っていうか――」
勇者E「だったら!」
勇者E「なんで俺たちの望む選択肢がないんだよ!!」
勇者E「帰らせてくれよ! もう一度全滅したところから、『この俺の魂』をさ!」
勇者「……それが」
勇者「できなかったんだと思う」
勇者「さっきも言ったろ。一つの世界に、勇者は一人しか存在できないんだ」
勇者「だからこれは、せめてもの措置……なんじゃないかと思う……」
勇者E「……そんなの、納得できるかよ……」
279 = 1 :
女勇者「えっとじゃあ、何」
女勇者「いまこの光景は、勝手に魂を弄んだ『創造主』からのお詫びの印、ってこと?」
勇者C「それは信じられない! だったらなんで」
勇者C「なんで立て札に、わざわざ意味不明の言葉を選ぶんだよー!」
勇者「……そういう言葉遣いでしか伝えられなかったか、それとも」
勇者「真実に至る手がかりを残し、自分の存在に気付いて欲しかったのかもしれない……」
勇者E「どちらにしろ、結局は手前勝手でとても感心できない奴だぜ」
勇者「……」
女勇者「で、でも、でもさ」
女勇者「さっきちょろっと挙がってて、逸れていっちゃったけどさ」
勇者「なんだ?」
女勇者「なんでその『創造主』は」
女勇者「わざわざ手間をかけて『プログラム』なんてのを創ったのかなーって話」
女勇者「魔王を勇者に倒させるため? みたいなことさっき言ってたけど」
女勇者「それだったら、もっと短くて簡単な旅にしてくれても良かったのにね」
280 = 1 :
勇者C「おーそうだそうだ。最終目標がその世界の魔王を倒すことなら」
勇者C「俺たち勇者一行が全滅するなんておかしいだろー」
勇者E「……言われてみればそうだな。どんな意図があるんだ?」
勇者「それは」
勇者「人類に、試練を乗り越えて魔王を討ち果たして欲しかったため」
勇者「種としての成長を図ったから。それが『プログラム』の主旨――」
勇者C「な、なるほど」
勇者「――と。ここに辿り着くまでは思っていた」
女勇者「え? 今は違うの?」
勇者E「聞かせろ」
勇者「……」
勇者「頭に引っかかって離れないことがあるんだ」
勇者「『全滅してしまうとは情けない!』と」
勇者「『所持金が半分になった事件』」
女勇者「なあにそれ?」
281 = 1 :
勇者C「その二つは、あれだ」
勇者E「先に飛び込んだ『俺』二人の、置き土産だ。だがそれがどうした?」
勇者「……そもそも俺たち、全滅のたびに記憶を受け継いで復活する、みたいな話だったろ」
勇者E「ああ。お前と最初に会ったとき、俺が話したことだな」
勇者「それ、後から疑問に思ってたんだが」
勇者「じゃあ、いったい、俺たちは『どこ』から再開していたんだ?」
勇者C「へ? どこって?」
勇者「全滅の記憶がない以上、その時点より巻き戻ってるのは確実なんだが……」
勇者E「でも俺たちの記憶では、それぞれ旅立って一度しか全滅してないんだぜ」
勇者E「そんなポイント、あったとしても自覚できっこないだろ」
勇者「『できたかもしれなかった奴』が、いた」
勇者「先に飛び込んでしまった、二人の『俺』だ」
勇者E「あの最後の話か? 分からないな。再開のポイントは、いつだっていうんだ」
勇者「『全滅してしまうとは情けない!』って言われた時か」
勇者「『所持金が半分になった』時……あるいは、それらが同時に発生したときだ」
282 = 1 :
勇者E「同時に発生?」
勇者「ああ。この二点はいずれも」
勇者「冒険に深く関わっている俺たちなら、まず忘れるはずがない出来事のはず」
勇者「それなのに酷く曖昧な記憶になってる。恐らくこの再開ポイントと関係がある」
勇者E「でもあれは、二人とも自信なさげだっただろ?」
勇者E「単に勘違いしただけか、その時点でのみ発生した出来事なのかもしれん」
勇者「……『全滅してしまうとはなさけない』」
勇者「勇者である俺に、面と向かってそう言ってのけられる人物といえば?」
勇者E「……まぁ……」
勇者E「勇者である俺を派遣した、王様ぐらいなもんじゃないの?」
勇者「そのときってさ。何となく」
勇者「全滅後に巻き戻って、冒険を再開するには、丁度いい位置だと思わないか?」
勇者E「はあ~?」
勇者「話は変わって、所持金が半分になったってとき」
勇者「それって、全滅直後の話だったら、冒険に失敗したペナルティとして丁度良くはないか?」
283 = 1 :
勇者E「待て待て、いきなり話が飛躍しすぎて訳が分からん」
勇者E「つまり何が言いたいんだ? 結論から言え」
勇者「つまり……」
勇者「これは後から思いついたことなんだが……」
勇者「『創造主』とは別の、『プログラム進行者』が存在するんじゃないかって話だ」
勇者E「進行者……?」
勇者「そいつは、創造主ほど全能ではないけれども」
勇者「俺たち『勇者』を操ることができるんだ」
勇者「でも俺たちは、それに気付くことができない。動かされるままに動いてるだけだ」
勇者E「はあ……また何を言い出すんだ」
勇者「だから!」
勇者「『創造主』は、その『進行者』のために、わざわざプログラムを組み立てたってことだよ!」
勇者E「……その『進行者』に、俺たち『勇者』を使って、魔王を倒させるため?」
勇者「そうだ。操られてるんだ。そいつは俺たちを使って遊んでいるんだ!」
勇者「言うなれば『遊戯者』なんだよ!」
284 = 271 :
これは・・・闇のゲーム!
285 :
ひでぇな遊戯者
あれ?
286 = 163 :
>>285
ほんとひどいよな
…あれれ?
287 :
>>285
全くだな
……あれれれ?
288 = 116 :
あれれ~おっかしいぞぉ~
289 :
マインドクラッシュ!
290 :
これは俺たちにドラクエをやらせないための罠
291 :
FCSFC時代のDQを経験してる人にはドンピシャなSSだな
292 = 143 :
追い付いてしまった…支援
293 = 181 :
あああ
294 :
ああああ
いいいい
ううううう
295 = 287 :
一応出来る限り保守するか
296 :
さるった?
297 = 287 :
>>1はお出かけ
298 = 287 :
あげ
299 = 256 :
SS速報のうrlオネシャス
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