元スレ女「だって、君はボクの友達だろう?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
202 = 70 :
女「えっ……ボクに?」
男「お前の下駄箱に入ってるんだからそうだろ」
女「そ、そうか……そうなんだね」
いきなり顔を赤くして、慌てふためいた。
女「でも、ボクなんかで、いいのかな……」
男「とりあえず、読んでみろよ」
女「ああ、その前に教室に行こう」
そうしないと、ゆっくり読めないからな。俺はさっさと了解した。
204 = 168 :
いいぞ
205 = 70 :
女「……」
机に座って、丁寧にラブレターを読んでいる。
男「誰からだ?」
女「学年が同じようだが、知らない人だね」
男「へー」
こいつ、わりと人気あるのか。
女「違うクラスの人が、どうしてボクに?」
男「知らねえよ」
女「こんなド淫乱雌豚野郎に?」
卑下しすぎだろ
206 = 70 :
男「それで、答えはどうしろって?」
女「屋上に来てくださいと書いてある」
男「屋上か、それっぽいな」
女「それっぽいって?」
男「告白する時とかって、屋上とか、校舎裏がセオリーだからな」
女「君は、告白されたことがあるのかい?」
なんでそんなに焦った感じなんだ。
男「されたことねーよ、悪かったな」
ホッと息を吐かれた。畜生。
俺に先越されるのは嫌か。
208 = 70 :
女「そうか……」
男「で、どうするんだ?」
女「うーん……」
唇に人差し指をあてて、思いふけっている。
女「ふふっ、どうするんだろうね」
他人事みたいに言うなよ。
男「なんだよ、それ」
女「ちょっと、顔が近いかな」
男「んっ……」
確かに、近くになっていた。
すこし、熱中してた。
女「危うく唇を奪うところだったよ」
奪われるんじゃなくて、奪うのかよ。
強引だな。
209 = 68 :
まだ残ってたか、支援
210 = 70 :
それにしても、あっさり受け流されちまった。
まあ気にすることはない。
こいつと付き合うやつの顔が見てみたいが。
放課後になればわかることだ。
女「さて、そろそろみんなが来るね」
男「そうだな」
ホームルーム手前に来る奴が多いので、まだ全然来ていない。
しかし、数分すると、一気に全員集合する。
俺はできるだけ、遅刻ギリギリは避けようと早めに来ているから、そんなことないけどな。
211 :
紫煙
212 = 70 :
たまにノートをとったり、落書きしたり、寝たり。
問題を出されて焦ったりしていると、授業はあっという間に過ぎていった。
昼食は500円しっかり使って食べれるものを食べた。
珍しく、やつは食べている最中、あまり話さなかった。
やっぱり、ラブレターを気にしているらしい。
男「って、わけで、みんなに色々と意見出して欲しいんだけど……」
ホームルームに、時間をもらって、文化祭の出し物を決める。
たくさんの意見の結果、メイド喫茶になった。
しかし、メイド喫茶は他のクラスも何個かあった気がするんだが……参ったな。
213 = 70 :
やつはというと、終始そわそわしていた。
まあ、当然だろう。
やつを見ても、笑顔にならない、手も振らない。
早速嘘をつかれた。
男「それじゃあ、メイド喫茶でいいな。もしも通らなかったら、また今度決めるから、みんな協力頼んだ」
そう言って、ホームルームは終わった。
女「いい指揮だったよ。とてもスムーズに事が運んでいたね」
男「で、お前はいいのかよ、屋上行かねえのか?」
女「ああ、今から行くよ」
男「ついていってやろうか」
冗談で言ってみた。
女「ははは、いいよ」
きっぱりと断られて、
女「これは、ボクの問題だから」
215 = 70 :
男「あ……そうか」
女「だから、ボク一人で解決したい、かな」
なんだか、煮え切らない。
男「まあ、結果は教えてくれよ。今日は先に帰るぞ」
女「待っててくれてもいいんだよ、別に」
男「いや、いい。OKされたらそいつと一緒に帰れよ」
女「……そうか、そうなるんだね」
男「じゃあな、健闘を祈る」
女「はは、まるでボクが告白するみたいだね」
実際は逆だけど、な。
217 = 70 :
女「それじゃあ、また明日」
男「ああ」
そう言って、俺は教室を出た。
男「……」
気持ちが、変だ。
なんだか胸騒ぎがするというか、なんというか。
男「なんだよ、あいつ」
友達だって、言い張るくせに。
自分の問題は、自分一人で解決かよ。
なんか、納得いかねえな。
218 = 70 :
男「ただいま」
昨日とは違って、長く感じた帰り道だった。
黙々と帰ると、歩けど歩けどたどり着かないような気持ちになる。
妹「おかえり、今日は早かったんだね」
男「お前に会いたかったからさ」
妹「だったら昨日も早く帰ってきてよね」
軽く流されたが、まあいい。
妹「ん?」
220 = 168 :
俺は見てるぞ
221 = 70 :
男「なんだ?」
妹「お兄ちゃん、なんかあった?」
男「えっ、なにがだ?」
妹「なんか変な顔してる」
いつもだけど、と。
余計なことを付け加えてきた。
男「悪かったな」
妹「それはいいから、何かあったんなら言ってよ」
男「いや、ないよ」
妹「もしかして、朝食まずかった?」
222 = 72 :
んんwwwww
223 = 180 :
ほ
224 = 70 :
男「そんなことなかったぞ、美味しかった」
妹「感想が『びみ』ってひらがなで書いてあるから、美味なのか微味なのかわかんなかったよ……」
男「それはお前を悩ませるために無理にそうしたんだ」
妹「なによそれ、不安になるからやめてよ」
男「不安なもんを食べさせるなよ」
妹「うっさいなー、作ってもらってるだけ感謝してよね」
まあ、確かに。
妹「……で、なにがあったの?」
男「あくまで聞いてくるんだな……」
225 = 68 :
ざわざわ
227 = 70 :
妹「うん、教えてよ」
男「……えーっとだな」
そして、とりあえず今日あったことを話した。
やつが告白されたこと、文化祭の出し物がメイド喫茶に決まったこと……など。
妹「確実にお兄ちゃん、それって……」
男「お前に言及される気はない、話したから部屋に行くぞ」
妹「えー待ってよー!」
俺は無視して、階段を登った。
228 = 70 :
男「……」
あいつは携帯を持っていない。
だから、結果を今メールで聞くことはできない。
電話するほどでもないと思うし。
男「寝るか」
上手くいかない気持ちを抑えこんで、俺はまぶたを閉じた。
230 = 70 :
妹「寝るなー!」
男「!」
妹「晩御飯まだでしょ、それに制服のまま寝たらシワになっちゃう!」
男「お前……俺より年下なのにしっかりしてるな」
妹「ダメなお兄ちゃん持つとこうなるのよ!」
と言って、部屋を退出する間際に、
妹「あ、ちゃんとご飯食べて風呂入んなきゃダメだよ。気分もすっきりしないんだから」
男「……あー」
まるで母親みたいな妹だ。
231 :
随分久々だな
今日という今日は久々に1000まで行けよ
232 = 70 :
男「……はぁ」
まあ、妹の言う通りかもしれない。
まだ残暑が残る日、ベタリとした体のままだと気持ちもジメジメしちまう。
どうやら、少し寝ていたようだ。
飯を食って、風呂に入ろう。
それでももやもやするなら、寝よう。
男「よいしょっと」
俺はのんびりとベッドから立った。
233 :
いいね
234 = 70 :
妹は俺の顔を窺いながら、飯を食べていたように思える。
「気にしなくてもいいぞ」と言ったが、聞いちゃいない。
妹「そんな顔されたら、気にしないなんてできないから」
そんな、大人みたいなことを言う。
なんか、情けない。
妹「お兄ちゃんにはいつも迷惑かけてるんだから、こういう時ぐらいね」
良い妹を持ったなあと、痛感する。
だが、気分は晴れない。
晴れるわけ、ない。
236 = 70 :
風呂の沈黙までもが、何かをせめたてるように感じた。
男「……」
ちゃぷんと、小さく波紋が広がる。
男「はぁ……」
汗のジメジメはなくなったのに、気分はスッキリしない。
男「なんなんだ、この気持ちは」
頭をくしゃくしゃと掻いた。びしょ濡れの髪の毛は、そのまま形を保っている。
男「……駄目だ」
呟いて、風呂を上がった。もう、寝よう。
237 :
ほ
239 = 237 :
ほ
241 = 237 :
ほ
243 = 70 :
目覚めは最悪だった。
いつになく、ベッドから起き上がれない。
男「あー……」
今日は休もうか、というくらいに体が重い。
男「つっても、そりゃ無理か」
変に学校を休んでちゃまずい。
ただでさえ、文化祭まで時間がありそうでないんだから。
男「ふぅ……」
一度、深呼吸をして、ゆっくりと上半身を起こした。
245 = 238 :
いいね
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