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    元スレ女「だって、君はボクの友達だろう?」

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    202 = 70 :

    「えっ……ボクに?」

    「お前の下駄箱に入ってるんだからそうだろ」

    「そ、そうか……そうなんだね」

    いきなり顔を赤くして、慌てふためいた。

    「でも、ボクなんかで、いいのかな……」

    「とりあえず、読んでみろよ」

    「ああ、その前に教室に行こう」

    そうしないと、ゆっくり読めないからな。俺はさっさと了解した。

    204 = 168 :

    いいぞ

    205 = 70 :

    「……」

    机に座って、丁寧にラブレターを読んでいる。

    「誰からだ?」

    「学年が同じようだが、知らない人だね」

    「へー」

    こいつ、わりと人気あるのか。

    「違うクラスの人が、どうしてボクに?」

    「知らねえよ」

    「こんなド淫乱雌豚野郎に?」

    卑下しすぎだろ

    206 = 70 :

    「それで、答えはどうしろって?」

    「屋上に来てくださいと書いてある」

    「屋上か、それっぽいな」

    「それっぽいって?」

    「告白する時とかって、屋上とか、校舎裏がセオリーだからな」

    「君は、告白されたことがあるのかい?」

    なんでそんなに焦った感じなんだ。

    「されたことねーよ、悪かったな」

    ホッと息を吐かれた。畜生。

    俺に先越されるのは嫌か。

    208 = 70 :

    「そうか……」

    「で、どうするんだ?」

    「うーん……」

    唇に人差し指をあてて、思いふけっている。

    「ふふっ、どうするんだろうね」

    他人事みたいに言うなよ。

    「なんだよ、それ」

    「ちょっと、顔が近いかな」

    「んっ……」

    確かに、近くになっていた。

    すこし、熱中してた。

    「危うく唇を奪うところだったよ」

    奪われるんじゃなくて、奪うのかよ。

    強引だな。

    209 = 68 :

    まだ残ってたか、支援

    210 = 70 :

    それにしても、あっさり受け流されちまった。

    まあ気にすることはない。

    こいつと付き合うやつの顔が見てみたいが。

    放課後になればわかることだ。

    「さて、そろそろみんなが来るね」

    「そうだな」

    ホームルーム手前に来る奴が多いので、まだ全然来ていない。

    しかし、数分すると、一気に全員集合する。

    俺はできるだけ、遅刻ギリギリは避けようと早めに来ているから、そんなことないけどな。

    211 :

    紫煙

    212 = 70 :

    たまにノートをとったり、落書きしたり、寝たり。

    問題を出されて焦ったりしていると、授業はあっという間に過ぎていった。

    昼食は500円しっかり使って食べれるものを食べた。

    珍しく、やつは食べている最中、あまり話さなかった。

    やっぱり、ラブレターを気にしているらしい。

    「って、わけで、みんなに色々と意見出して欲しいんだけど……」

    ホームルームに、時間をもらって、文化祭の出し物を決める。

    たくさんの意見の結果、メイド喫茶になった。

    しかし、メイド喫茶は他のクラスも何個かあった気がするんだが……参ったな。

    213 = 70 :

    やつはというと、終始そわそわしていた。

    まあ、当然だろう。

    やつを見ても、笑顔にならない、手も振らない。

    早速嘘をつかれた。

    「それじゃあ、メイド喫茶でいいな。もしも通らなかったら、また今度決めるから、みんな協力頼んだ」

    そう言って、ホームルームは終わった。

    「いい指揮だったよ。とてもスムーズに事が運んでいたね」

    「で、お前はいいのかよ、屋上行かねえのか?」

    「ああ、今から行くよ」

    「ついていってやろうか」

    冗談で言ってみた。

    「ははは、いいよ」

    きっぱりと断られて、

    「これは、ボクの問題だから」

    215 = 70 :

    「あ……そうか」

    「だから、ボク一人で解決したい、かな」

    なんだか、煮え切らない。

    「まあ、結果は教えてくれよ。今日は先に帰るぞ」

    「待っててくれてもいいんだよ、別に」

    「いや、いい。OKされたらそいつと一緒に帰れよ」

    「……そうか、そうなるんだね」

    「じゃあな、健闘を祈る」

    「はは、まるでボクが告白するみたいだね」

    実際は逆だけど、な。

    217 = 70 :

    「それじゃあ、また明日」

    「ああ」

    そう言って、俺は教室を出た。

    「……」

    気持ちが、変だ。

    なんだか胸騒ぎがするというか、なんというか。

    「なんだよ、あいつ」

    友達だって、言い張るくせに。

    自分の問題は、自分一人で解決かよ。

    なんか、納得いかねえな。

    218 = 70 :

    「ただいま」

    昨日とは違って、長く感じた帰り道だった。

    黙々と帰ると、歩けど歩けどたどり着かないような気持ちになる。

    「おかえり、今日は早かったんだね」

    「お前に会いたかったからさ」

    「だったら昨日も早く帰ってきてよね」

    軽く流されたが、まあいい。

    「ん?」

    220 = 168 :

    俺は見てるぞ

    221 = 70 :

    「なんだ?」

    「お兄ちゃん、なんかあった?」

    「えっ、なにがだ?」

    「なんか変な顔してる」

    いつもだけど、と。

    余計なことを付け加えてきた。

    「悪かったな」

    「それはいいから、何かあったんなら言ってよ」

    「いや、ないよ」

    「もしかして、朝食まずかった?」

    222 = 72 :

    んんwwwww

    223 = 180 :

    224 = 70 :

    「そんなことなかったぞ、美味しかった」

    「感想が『びみ』ってひらがなで書いてあるから、美味なのか微味なのかわかんなかったよ……」

    「それはお前を悩ませるために無理にそうしたんだ」

    「なによそれ、不安になるからやめてよ」

    「不安なもんを食べさせるなよ」

    「うっさいなー、作ってもらってるだけ感謝してよね」

    まあ、確かに。

    「……で、なにがあったの?」

    「あくまで聞いてくるんだな……」

    225 = 68 :

    ざわざわ

    227 = 70 :

    「うん、教えてよ」

    「……えーっとだな」

    そして、とりあえず今日あったことを話した。

    やつが告白されたこと、文化祭の出し物がメイド喫茶に決まったこと……など。

    「確実にお兄ちゃん、それって……」

    「お前に言及される気はない、話したから部屋に行くぞ」

    「えー待ってよー!」

    俺は無視して、階段を登った。

    228 = 70 :

    「……」

    あいつは携帯を持っていない。

    だから、結果を今メールで聞くことはできない。

    電話するほどでもないと思うし。

    「寝るか」

    上手くいかない気持ちを抑えこんで、俺はまぶたを閉じた。

    230 = 70 :

    「寝るなー!」

    「!」

    「晩御飯まだでしょ、それに制服のまま寝たらシワになっちゃう!」

    「お前……俺より年下なのにしっかりしてるな」

    「ダメなお兄ちゃん持つとこうなるのよ!」

    と言って、部屋を退出する間際に、

    「あ、ちゃんとご飯食べて風呂入んなきゃダメだよ。気分もすっきりしないんだから」

    「……あー」

    まるで母親みたいな妹だ。

    231 :

    随分久々だな
    今日という今日は久々に1000まで行けよ

    232 = 70 :

    「……はぁ」

    まあ、妹の言う通りかもしれない。

    まだ残暑が残る日、ベタリとした体のままだと気持ちもジメジメしちまう。

    どうやら、少し寝ていたようだ。

    飯を食って、風呂に入ろう。

    それでももやもやするなら、寝よう。

    「よいしょっと」

    俺はのんびりとベッドから立った。

    233 :

    いいね

    234 = 70 :

    妹は俺の顔を窺いながら、飯を食べていたように思える。

    「気にしなくてもいいぞ」と言ったが、聞いちゃいない。

    「そんな顔されたら、気にしないなんてできないから」

    そんな、大人みたいなことを言う。

    なんか、情けない。

    「お兄ちゃんにはいつも迷惑かけてるんだから、こういう時ぐらいね」

    良い妹を持ったなあと、痛感する。

    だが、気分は晴れない。

    晴れるわけ、ない。

    236 = 70 :

    風呂の沈黙までもが、何かをせめたてるように感じた。

    「……」

    ちゃぷんと、小さく波紋が広がる。

    「はぁ……」

    汗のジメジメはなくなったのに、気分はスッキリしない。

    「なんなんだ、この気持ちは」

    頭をくしゃくしゃと掻いた。びしょ濡れの髪の毛は、そのまま形を保っている。

    「……駄目だ」

    呟いて、風呂を上がった。もう、寝よう。

    237 :

    239 = 237 :

    241 = 237 :

    243 = 70 :

    目覚めは最悪だった。

    いつになく、ベッドから起き上がれない。

    「あー……」

    今日は休もうか、というくらいに体が重い。

    「つっても、そりゃ無理か」

    変に学校を休んでちゃまずい。

    ただでさえ、文化祭まで時間がありそうでないんだから。

    「ふぅ……」

    一度、深呼吸をして、ゆっくりと上半身を起こした。

    245 = 238 :

    いいね


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