私的良スレ書庫
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元スレ岡部「みんな俺から離れていく……」
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2010年 8月6日
~萌郁のアパート~
ガチャ
萌郁「あ、岡部くん」
岡部「邪魔するぞ」
萌郁「いらっしゃい。急に、どうしたの?」
岡部「今日、泊めてくれ」
萌郁「え? うん、いいけど」
岡部「ラボに人が押しかけててな、うるさくて敵わん」
岡部(ったく、あいつら、俺の部屋だということを忘れやがって……)
萌郁「マウンテンジュー、持ってくるね」
岡部「あぁ」
萌郁「ケバブも、あるから、一緒に……食べよ?」
~萌郁のアパート~
ガチャ
萌郁「あ、岡部くん」
岡部「邪魔するぞ」
萌郁「いらっしゃい。急に、どうしたの?」
岡部「今日、泊めてくれ」
萌郁「え? うん、いいけど」
岡部「ラボに人が押しかけててな、うるさくて敵わん」
岡部(ったく、あいつら、俺の部屋だということを忘れやがって……)
萌郁「マウンテンジュー、持ってくるね」
岡部「あぁ」
萌郁「ケバブも、あるから、一緒に……食べよ?」
岡部「ふー……」
萌郁「……岡部くん、なんだか、最近、変。何か、あった?」
岡部「なんでもない」
萌郁「疲れてる? 仕事にも、身、入ってない」
岡部「なんでもないって言ってるだろ。……少し黙っててくれ」
萌郁「……っ、ごめん、なさい」
岡部「……」
岡部(早くしないと……まゆりが……)
岡部(もう長くない? ふざけるなよ!)
岡部(早くDメール……電話レンジの仕組みを解明して……)
岡部(過去を……今を……未来を変えなくては)
萌郁「……岡部くん、なんだか、最近、変。何か、あった?」
岡部「なんでもない」
萌郁「疲れてる? 仕事にも、身、入ってない」
岡部「なんでもないって言ってるだろ。……少し黙っててくれ」
萌郁「……っ、ごめん、なさい」
岡部「……」
岡部(早くしないと……まゆりが……)
岡部(もう長くない? ふざけるなよ!)
岡部(早くDメール……電話レンジの仕組みを解明して……)
岡部(過去を……今を……未来を変えなくては)
ブーブー
岡部「……FBから? 定時連絡の時間ではないはずだが」
萌郁「え?」
ピッ
岡部「こちらM3」
FB『M3、ヘマったようだな』
岡部「……? なんのことです?」
FB『今、お前を探ってる奴らがいる。俺んとこにも聞き込みに来やがった』
岡部「……っ!」
FB『恐らく相手はユーロポールの捜査官だ』
岡部「なぜ……バレたんだ」
FB『知らねぇよ。いつも冷静なおめーらしくもねーミスだな』
FB『このことは本部には内緒にしといてやる』
岡部「……FBから? 定時連絡の時間ではないはずだが」
萌郁「え?」
ピッ
岡部「こちらM3」
FB『M3、ヘマったようだな』
岡部「……? なんのことです?」
FB『今、お前を探ってる奴らがいる。俺んとこにも聞き込みに来やがった』
岡部「……っ!」
FB『恐らく相手はユーロポールの捜査官だ』
岡部「なぜ……バレたんだ」
FB『知らねぇよ。いつも冷静なおめーらしくもねーミスだな』
FB『このことは本部には内緒にしといてやる』
FB『ともかく、自分のケツは自分で拭くこった、サポートはしてやる』
岡部「……了解」
ピッ
萌郁「……FBは、なんて?」
岡部「俺の正体がバレたかもしれない。相手は……ユーロポールの捜査官」
萌郁「……っ」
岡部「殺すしか無い、今捕まるわけにはいかない」
萌郁「岡部くん。私も、力になる」
岡部「……勝手にしろ」
岡部「……了解」
ピッ
萌郁「……FBは、なんて?」
岡部「俺の正体がバレたかもしれない。相手は……ユーロポールの捜査官」
萌郁「……っ」
岡部「殺すしか無い、今捕まるわけにはいかない」
萌郁「岡部くん。私も、力になる」
岡部「……勝手にしろ」
8月15日 17:00
男「……おい、応答しろ、おい」
甘いんだよ
それでこの俺を出しぬいたつもりか?
チャキ
恨みはないが、死ね
ズキッ
岡部「……ぐぅっ!」
岡部(ここのところ頻発してる頭痛……くそ、こんなときにっ……)
岡部(俺は……俺はまゆりのためにも……立ち止まるわけには……いかないんだよっ!)
ザッ
男「──!?」
ズブッ
男「ぁ……が……」
男「……おい、応答しろ、おい」
甘いんだよ
それでこの俺を出しぬいたつもりか?
チャキ
恨みはないが、死ね
ズキッ
岡部「……ぐぅっ!」
岡部(ここのところ頻発してる頭痛……くそ、こんなときにっ……)
岡部(俺は……俺はまゆりのためにも……立ち止まるわけには……いかないんだよっ!)
ザッ
男「──!?」
ズブッ
男「ぁ……が……」
岡部「ふっ!」
ズッ
ビシャア
男「あ……ぁ……ぁ」
ドサッ
岡部「はぁ……はぁ……」
岡部(俺は一体、いつまでこんな事を続ければいいんだろうな)
ズキン
岡部「あぐっ──!?」
ズッ
ビシャア
男「あ……ぁ……ぁ」
ドサッ
岡部「はぁ……はぁ……」
岡部(俺は一体、いつまでこんな事を続ければいいんだろうな)
ズキン
岡部「あぐっ──!?」
8月15日 17:04
萌郁「ええ、そう。FBの予想通り、相手は、捜査官だった。……ユーロポールの」
萌郁「大丈夫。……2人とも、始末した」
萌郁「……目標αは、ガード下。目標βは、そこから離れた、路地に、死体、転がってる」
萌郁「……了解」
ピッ
萌郁「……M3、目標ブラボーも、排除してきた。後始末は、FBが。私たちは撤収を」
岡部「……萌郁」
萌郁「!? 初めて、名前、呼ばれた。こういう場では、本名呼ぶのは、まずいわ。コードネームを」
岡部「それより……なぁ」
萌郁「……?」
岡部「”思い出した”んだ、全部──」
そう、全部──
萌郁「ええ、そう。FBの予想通り、相手は、捜査官だった。……ユーロポールの」
萌郁「大丈夫。……2人とも、始末した」
萌郁「……目標αは、ガード下。目標βは、そこから離れた、路地に、死体、転がってる」
萌郁「……了解」
ピッ
萌郁「……M3、目標ブラボーも、排除してきた。後始末は、FBが。私たちは撤収を」
岡部「……萌郁」
萌郁「!? 初めて、名前、呼ばれた。こういう場では、本名呼ぶのは、まずいわ。コードネームを」
岡部「それより……なぁ」
萌郁「……?」
岡部「”思い出した”んだ、全部──」
そう、全部──
世界線変動率 0.571046%
2010年 8月17日 17:00
もうすぐ、まゆりが死ぬ。
まゆりを救うためには最初のDメールのデータを消し、β世界線へと飛ばなくてはならない。
だがβ世界線にいけば、今度は紅莉栖が死ぬ。
なんでだよ……なんでなんだよ……こんなの、ひどすぎるだろっ……。
何かまだ、手があるはずだ! 諦めるな! 紅莉栖を見殺しになんて……俺にはできない!
俺は世界に抗う……!
だがどうすればいい。
ありとあらゆる可能性を考えても、答えは見つからなかったじゃないか!
岡部「ダメだ! 考えてる暇はない、そろそろまゆりが死ぬ時間だ! ここは一旦タイムリープして──」
『逃げるの?』
岡部「……」
2010年 8月17日 17:00
もうすぐ、まゆりが死ぬ。
まゆりを救うためには最初のDメールのデータを消し、β世界線へと飛ばなくてはならない。
だがβ世界線にいけば、今度は紅莉栖が死ぬ。
なんでだよ……なんでなんだよ……こんなの、ひどすぎるだろっ……。
何かまだ、手があるはずだ! 諦めるな! 紅莉栖を見殺しになんて……俺にはできない!
俺は世界に抗う……!
だがどうすればいい。
ありとあらゆる可能性を考えても、答えは見つからなかったじゃないか!
岡部「ダメだ! 考えてる暇はない、そろそろまゆりが死ぬ時間だ! ここは一旦タイムリープして──」
『逃げるの?』
岡部「……」
『逃げたって、苦しくなるだけよ!』
『何度タイムリープしたって、1%の壁は超えられない!』
岡部(やってみなきゃ、わからないだろう……!)
岡部(鈴羽……こんな時鈴羽がいてくれればどれだけ心強かったか……)
岡部(鈴羽だったら何と答えてくれただろうか……)
『何年かに一度、世界線が大きく変動する大分岐のような年があるんだ』
『湾岸戦争があった1991年、2000年問題があった2000年、そしてタイムマシンが開発された2010年』
岡部(2000年……)
岡部(今ここで、俺がタイムリープに付いて回る48時間の限界を超えたらどうなる?)
『48時間を越えて跳躍すると、脳の物理的な状態の齟齬が大きすぎて障害を引き起こす可能性がある』
岡部「……っ」
『何度タイムリープしたって、1%の壁は超えられない!』
岡部(やってみなきゃ、わからないだろう……!)
岡部(鈴羽……こんな時鈴羽がいてくれればどれだけ心強かったか……)
岡部(鈴羽だったら何と答えてくれただろうか……)
『何年かに一度、世界線が大きく変動する大分岐のような年があるんだ』
『湾岸戦争があった1991年、2000年問題があった2000年、そしてタイムマシンが開発された2010年』
岡部(2000年……)
岡部(今ここで、俺がタイムリープに付いて回る48時間の限界を超えたらどうなる?)
『48時間を越えて跳躍すると、脳の物理的な状態の齟齬が大きすぎて障害を引き起こす可能性がある』
岡部「……っ」
岡部(いや、天王寺綯は48時間を繰り返してきたとはいえ、15年後から来たと言っていた)
岡部(人格も15年後の綯だった……よな?)
岡部(なら……俺にだって……!)
『障害を引き起こす可能性がある』
岡部「くっ……」
岡部(俺が初めて携帯を手にしたのは、1999年の誕生日に買ってもらった時)
岡部(届く。2000年に。あの時代の鈴羽に)
岡部(確か誕生日の夜、急な発熱で倒れたが……)
岡部(大丈夫、鈴羽は2000年の6月までは生きているはず。成功したら必ず鈴羽とコンタクトを取るんだ!)
岡部(10年もあれば何かしら対策が見つかる、きっと……見つけてみせる)
岡部(人格も15年後の綯だった……よな?)
岡部(なら……俺にだって……!)
『障害を引き起こす可能性がある』
岡部「くっ……」
岡部(俺が初めて携帯を手にしたのは、1999年の誕生日に買ってもらった時)
岡部(届く。2000年に。あの時代の鈴羽に)
岡部(確か誕生日の夜、急な発熱で倒れたが……)
岡部(大丈夫、鈴羽は2000年の6月までは生きているはず。成功したら必ず鈴羽とコンタクトを取るんだ!)
岡部(10年もあれば何かしら対策が見つかる、きっと……見つけてみせる)
岡部(設定完了……番号は……確か……)
ピッピッピ
岡部「1999年へのタイムリープ……」 ゴクッ
『忘れないで』
岡部「紅莉栖……俺はっ……」
『あなたはどの世界線にいても一人じゃない』
岡部「お前もっ……」
『──私がいる』
岡部「助けるっ!!」
ピッ
その瞬間、周りの景色が琥珀色に包まれ、ぐにゃぐにゃと揺れ始める。
平衡感覚は失われ、立っていられなくなり──
Chapter 4 『暗中のメテンプシュコーシス』 END
ピッピッピ
岡部「1999年へのタイムリープ……」 ゴクッ
『忘れないで』
岡部「紅莉栖……俺はっ……」
『あなたはどの世界線にいても一人じゃない』
岡部「お前もっ……」
『──私がいる』
岡部「助けるっ!!」
ピッ
その瞬間、周りの景色が琥珀色に包まれ、ぐにゃぐにゃと揺れ始める。
平衡感覚は失われ、立っていられなくなり──
Chapter 4 『暗中のメテンプシュコーシス』 END
>>216
似てるってか補完だろう
似てるってか補完だろう
Chapter 5 『暗黒回帰のハイド』
世界線変動率 2.615074%
2010年 8月15日 17:04
岡部「ははは……そうか、そういうことだったのか。あの夢の正体も、記憶の正体も」
岡部「全部、あったことだったんだな」
岡部「俺の10年はなんだったんだろうな。タイムリープして……こんな、冗談みたいな世界線で……」
萌郁「M3……? タイム……?」
岡部「俺がやったことといえば2000年問題を引き起こし──
まゆりの両親、俺の両親を含め、多くの人間を死に追いやり──
まゆりを苦しめただけ──」
岡部「そしてまゆりも結局助からない……助けられない」
岡部「はは、ははは……」
萌郁「M3、しっかりして、よく、わからないけれど」
岡部「……」
岡部「…………」
世界線変動率 2.615074%
2010年 8月15日 17:04
岡部「ははは……そうか、そういうことだったのか。あの夢の正体も、記憶の正体も」
岡部「全部、あったことだったんだな」
岡部「俺の10年はなんだったんだろうな。タイムリープして……こんな、冗談みたいな世界線で……」
萌郁「M3……? タイム……?」
岡部「俺がやったことといえば2000年問題を引き起こし──
まゆりの両親、俺の両親を含め、多くの人間を死に追いやり──
まゆりを苦しめただけ──」
岡部「そしてまゆりも結局助からない……助けられない」
岡部「はは、ははは……」
萌郁「M3、しっかりして、よく、わからないけれど」
岡部「……」
岡部「…………」
岡部「……待てよ?」
岡部(冷静になって考えてみるとおかしい、腑に落ちない)
岡部(タイムリープしたところで世界線を大きく変動させることはできないはず)
岡部(にも関わらず、俺のいたα、βにも似通わない世界線へと変動を遂げた)
岡部(1999年12月14日に跳躍した後の俺は、記憶の通り、その後一ヶ月の発熱に倒れ──)
岡部(1月14日に気がついた時、記憶のほとんどはモヤがかかったような状態に陥り、単なる夢だったと思い込んだ)
岡部(おかしいじゃないか、俺は過去を変えるような行動は起こしていない)
岡部(なのになぜ世界線が変わった? それも、2000年問題が引き起こされるほどの大分岐)
岡部(俺のタイムリープそのものがファクターだったと? いや、そう考えるのは早計すぎる)
岡部(ともかく紅莉栖……それに鈴羽の意見も聞きたい、あいつらならば力になってくれる)
萌郁「……待って、M3!」
岡部「触るな」
萌郁「っ……どこへ、行くの? FBからは、待機命令がっ……」
岡部(冷静になって考えてみるとおかしい、腑に落ちない)
岡部(タイムリープしたところで世界線を大きく変動させることはできないはず)
岡部(にも関わらず、俺のいたα、βにも似通わない世界線へと変動を遂げた)
岡部(1999年12月14日に跳躍した後の俺は、記憶の通り、その後一ヶ月の発熱に倒れ──)
岡部(1月14日に気がついた時、記憶のほとんどはモヤがかかったような状態に陥り、単なる夢だったと思い込んだ)
岡部(おかしいじゃないか、俺は過去を変えるような行動は起こしていない)
岡部(なのになぜ世界線が変わった? それも、2000年問題が引き起こされるほどの大分岐)
岡部(俺のタイムリープそのものがファクターだったと? いや、そう考えるのは早計すぎる)
岡部(ともかく紅莉栖……それに鈴羽の意見も聞きたい、あいつらならば力になってくれる)
萌郁「……待って、M3!」
岡部「触るな」
萌郁「っ……どこへ、行くの? FBからは、待機命令がっ……」
8月15日 17:36
~ラボの前~
岡部「紅莉栖」
紅莉栖「ぁ、お、岡部っ……」
岡部「よかった、お前に頼みが……」
鈴羽「噂をすれば……ってやつか」
岡部「鈴羽、お前にも頼みがある。お前はタイムトラベラー……だよな?」
鈴羽「っ……なんであたしが、タイムトラベラーだって知ってんの!?」
岡部「なんでって……」
鈴羽「確かに、ラボメンのみんなに話した。岡部倫太郎以外のラボメンにはね」
岡部「なに?」
鈴羽「お前はあたしの情報をどうやって手に入れた? 内通者か?」
~ラボの前~
岡部「紅莉栖」
紅莉栖「ぁ、お、岡部っ……」
岡部「よかった、お前に頼みが……」
鈴羽「噂をすれば……ってやつか」
岡部「鈴羽、お前にも頼みがある。お前はタイムトラベラー……だよな?」
鈴羽「っ……なんであたしが、タイムトラベラーだって知ってんの!?」
岡部「なんでって……」
鈴羽「確かに、ラボメンのみんなに話した。岡部倫太郎以外のラボメンにはね」
岡部「なに?」
鈴羽「お前はあたしの情報をどうやって手に入れた? 内通者か?」
紅莉栖「鈴羽、やめて……。ただでさえ私、何を信じていいか……分からなくなってるのに……」
鈴羽「岡部倫太郎、一緒にいた桐生萌郁って女は、何者なの?」
岡部「あいつは……」
鈴羽「ラウンダー?」
岡部「……」
鈴羽「肯定ととって構わないみたいだね」
紅莉栖「そんなことより! 何かいうことはないの?」
岡部「……なんのことだ?」
紅莉栖「何も言わないつもり!?」
岡部「俺のことはどうでもいい」
紅莉栖「見たのよ、さっき、ガード下で」
岡部「……っ!」
岡部「見たって、何を……」
鈴羽「岡部倫太郎、一緒にいた桐生萌郁って女は、何者なの?」
岡部「あいつは……」
鈴羽「ラウンダー?」
岡部「……」
鈴羽「肯定ととって構わないみたいだね」
紅莉栖「そんなことより! 何かいうことはないの?」
岡部「……なんのことだ?」
紅莉栖「何も言わないつもり!?」
岡部「俺のことはどうでもいい」
紅莉栖「見たのよ、さっき、ガード下で」
岡部「……っ!」
岡部「見たって、何を……」
鈴羽「お前が、ユーロポールの捜査官を殺す所だよ」
鈴羽「服に血が付いてるよ」
岡部「待ってくれ、説明すると長くなるが──」
紅莉栖「ねえ岡部、全部嘘だったの? 私たちを騙してたの?」
岡部「だから説明をさせてくれ、Dメールを使うなりして世界線を変えれば──」
紅莉栖「使うってどうやってよ! 電話レンジの仕組み、まだ解明してないのに!」
紅莉栖「放電現象がいつ起きるかも不明確でしょ!?」
岡部「その原因は、42型ブラウン管TVだ、あれが付いてる時だけ──」
鈴羽「なぜ、それを知っている」
紅莉栖「ぁ……」
鈴羽「あたしたちは電話レンジの仕組みについて、この一週間ずっと話し合ってきた」
鈴羽「岡部倫太郎、お前も含めてね」
岡部「……確かに、そうだ」
鈴羽「服に血が付いてるよ」
岡部「待ってくれ、説明すると長くなるが──」
紅莉栖「ねえ岡部、全部嘘だったの? 私たちを騙してたの?」
岡部「だから説明をさせてくれ、Dメールを使うなりして世界線を変えれば──」
紅莉栖「使うってどうやってよ! 電話レンジの仕組み、まだ解明してないのに!」
紅莉栖「放電現象がいつ起きるかも不明確でしょ!?」
岡部「その原因は、42型ブラウン管TVだ、あれが付いてる時だけ──」
鈴羽「なぜ、それを知っている」
紅莉栖「ぁ……」
鈴羽「あたしたちは電話レンジの仕組みについて、この一週間ずっと話し合ってきた」
鈴羽「岡部倫太郎、お前も含めてね」
岡部「……確かに、そうだ」
鈴羽「そこでは何も言わなかったくせにさ」
鈴羽「今のはまるで……最初から知っていたような口ぶりじゃん」
紅莉栖「わかってて黙ってたの?」
鈴羽「お前は嘘まみれだね」
鈴羽「あたしがいた2036年でもそうだった」
鈴羽「嘘と裏切りだけで世界を手に入れたお前はさ」
鈴羽「その嘘を塗り重ねるために、数多の命を奪い続けてる」
鈴羽「だからあたしはタイムトラベルして来たんだよ、未来を変えるために」
岡部「だったら話は早い、今すぐ世界線を変えよう。こんな世界線は誰も望んじゃいない」
紅莉栖「あんた……あんた……なんであんなこと……」
紅莉栖「ねえ、あの子……まゆりはもう長くないんだから、もう悲しませるような真似は……やめてよ……」
岡部「紅莉栖、頼む、信じてくれ。俺は別の世界線から来た。いや、正確には”別の世界線の記憶も持っている”」
岡部「なかったことにすれば……α世界線に戻れば……」
岡部「……っ」
鈴羽「今のはまるで……最初から知っていたような口ぶりじゃん」
紅莉栖「わかってて黙ってたの?」
鈴羽「お前は嘘まみれだね」
鈴羽「あたしがいた2036年でもそうだった」
鈴羽「嘘と裏切りだけで世界を手に入れたお前はさ」
鈴羽「その嘘を塗り重ねるために、数多の命を奪い続けてる」
鈴羽「だからあたしはタイムトラベルして来たんだよ、未来を変えるために」
岡部「だったら話は早い、今すぐ世界線を変えよう。こんな世界線は誰も望んじゃいない」
紅莉栖「あんた……あんた……なんであんなこと……」
紅莉栖「ねえ、あの子……まゆりはもう長くないんだから、もう悲しませるような真似は……やめてよ……」
岡部「紅莉栖、頼む、信じてくれ。俺は別の世界線から来た。いや、正確には”別の世界線の記憶も持っている”」
岡部「なかったことにすれば……α世界線に戻れば……」
岡部「……っ」
α世界線に戻ったところでまゆりは助からない。
まゆりを助けるためにはそこからさらにβ世界線へと移動しなくてはならない。
しかしそうすれば今度は紅莉栖が──
紅莉栖「警察を……呼ぶわ」
岡部「紅莉栖。やめろ、やめてくれ。そんなことしても無駄だ」
紅莉栖「あんたはそうやって、自分のしたことを嘘で覆い隠していくのね……」
やめろ。
紅莉栖「次は……」
やめてくれ。
紅莉栖「次は私も殺すの!?」
ああああ……。
まゆりを助けるためにはそこからさらにβ世界線へと移動しなくてはならない。
しかしそうすれば今度は紅莉栖が──
紅莉栖「警察を……呼ぶわ」
岡部「紅莉栖。やめろ、やめてくれ。そんなことしても無駄だ」
紅莉栖「あんたはそうやって、自分のしたことを嘘で覆い隠していくのね……」
やめろ。
紅莉栖「次は……」
やめてくれ。
紅莉栖「次は私も殺すの!?」
ああああ……。
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