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    元スレ勇者「ここが500年後の世界か……」

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    みんなの評価 : ★★★
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    101 = 1 :

    とある秘境──

    時空使い「ようやく戻って来たな。
         といっても、こっちの時間は30分くらいしか──って」

    時空使い「ボロボロじゃないか! いったい何があった!?」

    勇者「ハァ……ハァ……」

    勇者「頼むっ! もう一度、もう一度だけでいいっ!
       俺を500年後に連れてってくれっ!」ガシッ

    時空使い「!?」

    勇者「頼むっ!」

    時空使い「落ち着け。とりあえず、なにがあったのかを聞かせてもらおうか」

    勇者「……分かった」

    勇者は時空使いに全てを話した。

    102 = 69 :

    勇者「…とりあえず未来の師範と大賢者が生まれないよう処理しておくか」

    103 :

    >>98
    クソワロタwwww天才かwww

    104 :

    >>102
    同じ発想したわ

    105 = 1 :

    時空使い「──なるほどな。だいたい話は分かった」

    勇者「頼むっ……! 俺は、あの少女を救ってやらなければ……」

    時空使い「喜んで協力しよう、とでもいうと思ったか?」

    勇者「!」

    時空使い「しつこいようだが、私の術はこの世にあってはならないものだ。
         できれば一生使わずにひっそりと生涯を終えるつもりだった」

    時空使い「魔王の件でお前に協力した理由は、お前という人間を気に入ったのと、
         過去に行くのは、あくまでこの時代のためだったからだ」
         
    時空使い「500年後に行かせてやったのも、
         魔王を倒して勇者となったお前への、私なりの餞別みたいなものだ」

    時空使い「たしかに子孫が独裁者になったのはショックだっただろうし、
         お前が行かなければ、確実にその少女は処刑されるだろう」

    時空使い「だがな、お前には500年後の未来に対し責任なんて全くないし、
         干渉する権利もない」

    時空使い「それに仮に500年後を救えても、1000年後は? 2000年後は?
         こんなことやっていたら、いつまでもたってもキリがないじゃないか。
         お前は勇者だが、あくまでこの時代の勇者なんだ」

    時空使い「悪いが、協力するつもりはない」

    106 = 70 :

    まぁ「未来を変える」なら今で何かするしかないしな

    107 = 47 :

    少女を鍛えさせればいいんじゃね

    108 = 19 :

    掟があればいいんじゃね?

    109 = 69 :

    勇者「…分かったよ、じゃあパイプカットしてくれる医者を紹介してくれ」

    時空使い「…」

    110 :

    勇者が子孫に向けて「独裁すんな」的なメッセージを送ればよくね?

    111 :

    別に急がなくても消えた瞬間にまたいけばいいじゃない

    112 :

    魔王復活させればいいんじゃね

    113 = 1 :

    勇者「………」

    時空使い「さあ、早く帰れ。500年後のことなど忘れ、今を楽しむんだ」

    勇者「……見て、しまったんだ」

    時空使い「見てしまった?」

    勇者「俺はあの少女が、俺の子孫に苦しめられてるところを見てしまった」

    勇者「俺だって、全ての時代を救ってやろうなんて気は毛頭ない。
       いや、この時代だって魔王こそ倒したが救えてるなんて思ってない」

    勇者「だが、俺の中にある勇者ってやつは、苦しんでる人を見てしまったら、
       知ってしまったら、なにをおいてもその人を助けるんだよ」

    勇者「もし、あの少女を助けられなければ、俺は俺を勇者と認められない。
       そしてあの少女を助けるには、アンタに力を借りるしかない。
       身勝手な願いだってのは百も承知だ……」

    勇者「頼む! もう一度だけ、力を貸してくれっ!」

    時空使い「……呆れ果てた奴だ」

    114 = 1 :

    時空使い「仮に今から500年後に戻って、子孫たちに勝てるのか?
         無駄死にするだけだ。もっとも、お前が殺されれば、
         その覇者とやらも歴史から消えてなくなるかもしれんがな」

    勇者「………!」

    時空使い「それに前にもいったが、私はもう住む場所を変える。
         それこそ、いくらお前でもやって来られないようなところにな……」

    勇者「………」

    時空使い「一ヶ月」

    勇者「!」

    時空使い「一ヶ月だけ、住む場所を変えるのを待ってやる。
         必死に強くなって戻ってこい。
         そしたらもう一度だけ……正真正銘のラスト、500年後に送ってやる」

    勇者「時空使い……」

    時空使い「行け。今は一分一秒でも惜しいだろう。時は金なり、だ」

    勇者「──ありがとうっ!」ダダダッ

    時空使い(……ふん。あんなヤツだからこそ気に入ったんだが、な)

    115 = 1 :

    マスター流剣術道場──

    勇者しか弟子がいなかった道場に、数人ではあるが弟子が通うようになっていた。

    「えいっ、えいっ!」 「とおーっ!」 「やあっ!」

    師匠「声が小さいぞっ!」

    ガラッ!

    勇者「師匠っ!」

    師匠「ん……? おお、勇者じゃねえか。
       見ろよ、お前のおかげでこんなボロ道場にも弟子が──」

    勇者「師匠、俺には時間がありません。頼みを聞いて下さい」

    師匠「おいおい、いきなりどうしたんだよ」

    勇者「稽古をつけて下さいっ!」

    師匠「なにいってんだ、お前はもう俺より強くなっちまっただろうが。
       魔王を倒してのけたヤツに、教えることなんてねぇよ。
       むしろお前はもう、指導する側の人間だろう」

    勇者「強敵なんです……。魔王より数段強い強敵なんです……!
       なにもいわずに俺に稽古をつけて下さいっ!」

    師匠「………」

    116 = 22 :

    勇者「ヨタフレイムッ!」

    117 = 69 :

    勇者「あれー?加減するの忘れて師範殺しちゃったぞ―」

    師範「」

    118 = 1 :

    師匠「──ったく、しょうがねえバカ弟子だな。
       いいぜ、稽古をつけてやる。かかって来な!」

    勇者「ありがとう、師匠!」

    さっそく手合わせすることになった両者。

    こっぴどくやられたとはいえ、勇者は師範の剣筋を覚えていた。
    それを師匠に向けて、試してみる。

    ガッ! ガガガッ! バシッ!

    師匠「うおおおっ、な、なんだァ? ──う、受け切れんっ!
       お前、ずいぶん剣筋が変わったな……なんというか新しいぞ」

    勇者「さあ、続けますよ、師匠!」

    師匠「わ、分かった!(どうしたんだ、いったい……?)」

    勇者の狙いは、二つ。

    一つは、稽古によって少しだけ体験した500年後の剣を自分のものにすること。
    そしてもう一つは、師匠にも強くなってもらうことだった。

    練習相手が強くなければ、稽古の効力は半減するからである。

    119 = 110 :

    練習相手が強くなれば未来の師範も強くなったり...

    120 :

    未来の師範もさらに強くなるな

    121 = 1 :

    賢者の家──

    賢者「やあ戦士君。おっと……今は勇者君、だったね」

    勇者「お願いしたいことがあって、来ました」

    賢者「君の頼みだったら、なんでも聞いてあげるよ。
       あ、実は今度国立魔法学校の講師に招かれたんだよ!
       これも君のおかげだよ」

    勇者「あの……その話なんですが、一ヶ月待ってもらえませんか?」

    賢者「えっ?」

    勇者「賢者さんには『メガ』系より上の魔法を編み出して欲しいんです!
       俺が習得する時間も欲しいので、できれば二、三週間ぐらいで!」

    賢者「な、なんだって!?」

    勇者「実は一ヶ月後、魔王よりも強い敵と戦うことになりました。
       剣を主体に戦うつもりではいますが、強い魔法も必要なんです!」

    122 = 111 :

    >>119
    これが無限ループか

    123 :

    鶏が先か卵が先か

    124 = 1 :

    賢者「ま、魔王よりも強い敵……!?」

    勇者「いえ、平和を乱す敵、とかではないんです。
       詳しくはいえませんが、俺が個人的に倒さないといけない敵、というか……」

    賢者「ふぅむ。だが、『メガ』系より上の呪文は理論上ありえないんだが──」

    勇者「いえ、あるんです! 絶対に『メガ』より上があるんですっ!」

    賢者「………」

    勇者「お願いしますっ!」

    賢者「……分かったよ。他ならぬ君の頼みだ、力の限りやってみよう」

    勇者「ありがとうございますっ!」

    賢者「もしうまくいったら、君の実家に手紙を送ろう。それでいいか?」

    勇者「はいっ!」

    125 :

    更に500年後の剣技になるのか

    126 :

    師範やっちゃえよ

    127 :

    未来を変えようと思ったからこそその未来があるってことが漫画であってだな

    128 = 42 :

    まてよ、この結果があの強さだとすれば解決しないか?
    つまり勇者が修行とかしなかったら弱くなってたり

    129 = 75 :

    お前等先読みやめろよ、作者が書けなくなるじゃん

    130 = 1 :

    それから、勇者は師匠と毎日鍛錬を行った。

    勇者の繰り出す新しい剣に、師匠も負けじとついていく。
    二人は急速にレベルアップしていった。

    勇者「ハァ、ハァ……」

    師匠「ゼェ、ゼェ……いやぁ~強くなったな。お互いに。
       なんというかここ二週間で剣が数十年進歩したような気さえするぜ」

    勇者「数十年……ですか」ハァハァ

    師匠「ん?」

    勇者「それじゃダメなんです。500年は進歩しないと……」

    131 = 104 :

    この方法では永遠に500年後には勝てないのではないか?

    132 = 69 :

    これよりいい方法いくらでも有ると思うんだけどな

    勇者自身が強くなったら覇者がもっとインフレするべ

    133 :

    セル編のトランクスの話を未来に置きかえればおk

    134 = 1 :

    さらに賢者からも朗報が届く。

    賢者「何度か実験で死にかけたが……ついに編み出したよ。
       『メガ』を超える呪文体系をね……」

    賢者「私はこれを『ギガ』と名づけようと思う。
       残り一週間で、君には炎系の“ギガフレイム”を身につけてもらう」

    勇者「賢者さん、ありがとうございますっ!」

    勇者(“ギガフレイム”なら、通じずとも牽制くらいの役には立つはずだ。
       これで勝率がだいぶ上がった……!)

    賢者「時間がない。さっそく魔法修業の開始だ」

    勇者「はいっ!」

    135 :

    並行世界うんぬんとかで未来は変わらないんじゃね?

    136 = 110 :

    ヨガフレイムまだー?

    137 :

    せめてヨガフレイムにしないと

    138 = 1 :

    一ヶ月は瞬く間に過ぎていった。

    マスター流剣術道場──

    勇者「ありがとうございました、師匠」

    師匠「500年進歩、とまではいかねえが、お前は一ヶ月前よりグンと強くなった。
       相手がどんな連中かは知らねえが、自信を持て!」

    勇者「はいっ!」

    勇者「──ところで師匠」

    師匠「なんだ?」

    勇者「もし師匠なら、自分の子孫が間違ったことをしていたら、どうしますか?
       例えば、優れた剣の腕で横暴を振りかざすとか……」

    師匠「テメェの剣で横暴を……? う~ん、そうだな……そんなバカは……。
       バカヤロー! ってブン殴るかな」

    勇者「ありがとうございます。では失礼いたします」ペコッ

    師匠(はて、なんのこっちゃ……?)

    139 :

    >>136-137
    結婚しろ

    140 = 69 :

    未来の人間が変わらない設定で師範と賢者を殺したらどうなるんだろうね

    141 = 104 :

    ヨガフレイムの習得には別系統の体術の習得が必須だろ

    142 = 123 :

    >>140
    未来に子孫がいるんだからその仮定はありえない

    143 :

    ヨタじゃねえの

    144 = 1 :

    賢者の家──

    賢者「いよいよ行くのかい? 強敵とやらのところに」

    勇者「はい。俺のワガママで、講師になるのを一ヶ月延ばしてもらって
       すいませんでした」

    賢者「いやいや、君にいわれなかったら、きっと私の研究は終わっていただろう。
       『メガ』の上があるなんて思ってもなかったしね。
       学園講師になっても、研究は続けていくつもりだ」

    勇者「頑張って下さい」

    賢者「君こそな。どんな相手かは聞かないが、死ぬんじゃないぞ」

    勇者「……賢者さん、最後に一つだけ質問をいいですか?」

    賢者「質問?」

    勇者「もし、自分の子孫が間違ったことをしてるのを見たら、どうしますか?
       例えば、魔法を明らかな弱者に向けて撃つ、とか……」

    賢者「私の子孫が……? なかなか難しい質問だな。
       ま、もし私と同じ魔法使いなら“お前に魔法を使う資格はない”
       といってやるだろうな。それが本人のためだ」

    勇者「ありがとうございます。じゃあ俺はこれで……」

    賢者(最後のは……心理テストかなにかだろうか?)

    145 = 1 :

    とある秘境──

    勇者「戻ってきたよ。修業は剣術も魔法もバッチリだ。
       ワガママを聞いてくれて、ありがとう」

    時空使い「おお……。戦いは全くできない私でも分かるよ。
         お前が格段にレベルアップしたのが……。
         この一ヶ月で、血のにじむような努力をしてきたようだな」

    勇者「泣いても笑っても、これが最後の12時間だからな」

    時空使い「……よし、ではさっそく500年後に送るとしよう」

    時空使い「なるべく、お前が前に消えた場面に送るよう努力するつもりだが、
         そこまでの微調整はできない。おそらく場所も時間も誤差が出るはず。
         送ったはいいが、少女が処刑された後、になる可能性もある」

    勇者「……分かってるよ。もしそうなったとしても、文句はいわない」

    時空使い「じゃあ飛ばすぞ。私の前に立て」

    時空使い「リナネカハキトーネマズイムイタ!」

    勇者は再び500年後へと旅立った。

    時空使い(生きて帰ってこいよ……。お前はこの時代にも必要な男なんだ……)

    147 = 69 :

    師範と賢者に尋ねた質問が伏線だったとは

    148 :

    外野がうるさすぎて書き手の心に寄り添うことが
    できねーじゃねえかよ死ね糞外野

    149 = 104 :

    時空使いは何か知ってるのか?意味深だな

    150 = 1 :

    500年後 勇者の町──

    あの少女は勇者像のある広場に連れて来られていた。
    もちろん、公開処刑のためだ。

    大勢の観衆が見守る中、覇者が今回の処刑について説明する。

    覇者「この少女は昨日、よりにもよってこの勇者像の前で、
       我が偉大なるご先祖である勇者様を侮辱するという大罪を犯した!」

    覇者「よって、この私自らがこの剣で公開処刑を執り行う!」

    覇者「なお、もう一人の共犯者は牢屋から煙のように消えてしまったが、
       見つけ次第処刑することになるだろう!」

    ワアアアァァァァァッ!

    歓声が上がった。
    もっとも、上げなかった者は勇者侮辱罪にされてしまうのだが。


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