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    元スレ勇者「ここが500年後の世界か……」

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    みんなの評価 : ★★★
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    251 = 232 :

    受験生なのに気になって寝られないじゃあないか

    252 = 239 :

    イケメンとはいえ500年後の銅像よりはブサメンだからな

    253 = 205 :

    魔法使いの治療を受けた師範が目を覚ました。

    師範「うぅ……」ハッ

    門下生A「気がつかれましたか、師範!」
    門下生B「よかった……!」

    師範「あの男は……?」

    門下生A「大賢者様をも破り、今覇者様と戦っております!
         しかし、しょせんは罪人。覇者様が圧倒なさっております!」

    師範「ぐぅっ……!」ズキン…

    門下生B「まだどこか痛むのですか!?」

    師範「いや……」


    勇者『バカヤローッ!!!』


    師範(勇者様や覇者様にたてつく輩の言葉が、なぜこれほど心に残る……!?
       なぜ尊敬している人に叱られたような痛みが残る!?)

    師範(なぜだ……!)ズキン…

    254 = 205 :

    同じ頃、大賢者も意識を取り戻した。

    大賢者「ん……」ハッ

    魔法使いA「大賢者様!」
    魔法使いB「幸い傷が浅く、我々でも治せました! もう大丈夫です!」

    大賢者「あの罪人は、どうしていますか?」

    魔法使いA「覇者様と一騎打ちをしておりますが、力の差は歴然です。
          すぐ終わるでしょう」

    大賢者「そう、ですか……」

    魔法使いB「覇者様が大賢者様の分も、ヤツに制裁を与えて下さいますよ!」

    大賢者「………」


    勇者『お前に魔法を使う資格はない!!!』


    大賢者(あの瞬間、ヤツがまるで賢者様のように見えた……。
        ──バカバカしい! 私は賢者様の姿など絵でしか知らないというのに!)

    大賢者(どうして……!)

    255 = 239 :

    モノマネの特技が役立ったようだな

    256 = 229 :

    熱いな

    257 = 211 :

    モシャス、か、ふっ。

    258 :

    ちくしょう
    寝るタイミングと、脱ぐタイミングがわからない

    259 = 205 :

    再び戦いへ──

    粘る勇者だが、すでに全身を傷を負っていた。
    覇者の重い剣を受け続けた剣も、ボロボロだった。

    勇者「ハァ……ハァ……」

    覇者(もう勝つ見込みは100パーセントない、はず……。
       なぜコイツの目は全く弱らないんだ!?)

    不意に、覇者はある物語を連想してしまった。

    たった一人で魔王軍に挑み、どんな逆境でも諦めず、
    ついには魔王を滅ぼし、勇者と呼ばれるようになった戦士の物語……。

    覇者(コイツが勇者様と重なるだと!? ありえんっ!
       勇者様を侮辱し、私に剣を向ける男が、勇者様のハズがないっ!)

    覇者「ありえんっ!!!」
    勇者(しまっ──!)

    ズバンッ!

    覇者の剣は、防御に使った勇者の剣を砕き、勇者の右腕を叩き斬った。

    ボトッ……

    260 = 239 :

    ボトッって

    261 :

    マチ呼んできますね

    262 = 248 :

    大ピンチじゃないっすか勇者様

    263 = 211 :

    アロンアルファ指につかないようにしなくちゃ

    264 = 215 :

    現代魔法なら腕の一本生やすくらい訳ないさ

    265 = 204 :

    像が腕無しになっちまうよ

    266 = 205 :

    「お兄さんっ!」ダッ

    少女が右腕を失った勇者に駆け寄る。

    「もういいよ、やめてっ! だれか、だれかお兄さんを回復してぇっ!
       私がお兄さんの分もめいっぱい拷問受けるから、処刑されるからっ!」

    「お願いっ……!」

    勇者「大丈夫だ……血がついてしまうから、離れた方がいい」

    「で、でも……!」

    覇者(なぜだ……。右腕を斬られたのに……目の輝きが……ブレてない……!)

    覇者「なんなんだ、お前はァッ!」

    勇者「ここで諦めたら……俺はもちろん……少女も死ぬ……。
       そしてお前も……一生自分より上はいないなんて思ったままだ……」

    勇者「それに比べりゃ、右腕ぐらいどってことはない……」

    覇者(迷うな……コイツは勇者侮辱犯なんだ! 殺せば……殺せば全て解決するッ!
       勇者様、私に力をお貸し下さい!)
      「トドメだッ!」

    覇者が再度、剣を振り上げた。

    267 :

    ほう

    269 :

    私怨

    270 :

    熱い

    271 :

    いいねェェーーーー

    272 = 205 :

    勇者「使えるものは……全て使うっ!」

    ブオンッ!

    なんと勇者は自分の右腕を投げつけた。

    覇者「うわぁっ!?」

    覇者「キサマ、頭がおかしくなったのか!?」

    うろたえる覇者。
    むろん、こんなスキを見逃す勇者ではない。

    先ほど砕かれた自らの剣の残骸から、大きな破片を手に取り──

    勇者(ほんの少しだけでいい……自分に対して疑問を持ってくれ……。
       俺の可愛い、子孫……)

    勇者「うおあああっ!!!」

    グサァッ!

    覇者「はぐぅっ……!」

    ──覇者の腹部に突き刺した。

    274 = 239 :

    覇者師範大賢者の三人は冒険したことないんだろうか?
    冒険すればこんな町にはならなかったんだろうな

    275 = 205 :

    覇者「あ、あぁ……」ヨロッ

    覇者(私が……負け、た……?)

    ドザッ……

    覇者が崩れ落ちた。

    「まさか、そんな……」 「覇者様が倒れた……!」 「夢でも見ているのか……?」

    これまで以上にどよめく観衆。
    だが、勇者も勝つまでに傷つきすぎていた。

    勇者「ぐっ……!?」ヨロッ

    「お兄さんっ!?」

    勇者(目が……かすむ……?)

    勇者(ダメだ……。ここで死んだら……歴史が壊れ……覇者が消え、るかも……)

    勇者(ダ、ダメ、だ……死んだら……)

    「お兄さんっ! お兄さぁんっ!」

    「やだよぉ、死んじゃダメだよぉっ!」

    276 = 239 :

    決まり手 シロー・アマダ

    278 = 201 :

    俺はアイナと、添い遂げる!

    280 :

    281 = 205 :

    すると──

    大賢者「私が治しましょう」ザッ

    「えっ……」

    「大賢者様!?」 「回復されたんだ!」 「だが、いったいどうして!?」

    さすがは大賢者である。
    500年後の最上級回復呪文で、勇者の右腕をくっつけ、傷も全快させてみせた。

    勇者「あれ、俺は……!」
    「お兄さん、よかった……!」

    勇者「大賢者、どうして俺を……」

    大賢者「分かりません」

    勇者「……そうか。とにかく命は救われたんだ。ありがとう……」

    大賢者「あえていうなら……遠い過去から賢者様からこうするよう、
        命じられたような気がしただけですよ。
        あなたに礼をいわれる筋合いはありません」

    大賢者「あとは覇者様を治療せねばなりませんね。
        それに……マスター流の門下は黙っていないと思いますよ」ザッ

    282 :

    素晴らしい最高のショーだとは思わんかね
    ラピュタは滅びぬ何度でもよみがえるさラピュタの力こそ人類の夢だからだ
    同じ印が君の家の古い暖炉にあったこの石にもねこいつは君の手にある時にしか働かない石は持ち主を守り何時の日にか天空のラピュタへ帰る時の道標として君に受け継がれたのだ

    283 :

    おもすれ

    284 = 205 :

    大賢者の言葉通り、観衆の中から息巻く者たちが現れた。
    マスター流剣術道場の門下生たちだ。

    門下生A「おい、覇者様に勝ったからといってこの町から生きて出られると思うなよ!」

    門下生B「そうだ! お前は卑怯な手で師範様を倒し、我々の流派を汚したのだ!
         その報いは受けてもらわんとな!」

    門下生C「覚悟しろっ!」

    彼らは世界一の剣術道場の門下として、プライドも世界一高い。
    こうなるのは必然だった。

    「あぁっ……」

    勇者(ざっと100人ってとこか……。
       おそらく一人一人が一対一でも手こずる相手だ……だが)

    勇者(いいだろう……とことんやってやる!)チャキッ

    勇者が構えた瞬間だった。

    師範「──やめろっ!」

    門下生たち「!」ビクッ

    286 = 205 :

    師範「その男に手を出すことは許さん……。
       俺の名はともかく、師匠様の名が汚れてしまう……」

    門下生A「し、しかし──!」

    師範「俺の命令が聞けないのかっ!」

    門下生A「す、すいませんっ! 師範様っ!」

    勇者「師範……」

    師範「ふん……。世界中に一万人の門弟を持つ身として、
       弟子に恥をそそいでもらうなど、耐えられなかっただけだ……」

    勇者「ありがとう」

    (師範様も大賢者様も、なんだか顔つきが変わったような……)

    288 = 205 :

    まもなく、大賢者の回復呪文で覇者も目を覚ました。

    覇者「………」

    勇者「覇者」

    勇者「俺はお前に勝った。約束通り、俺と少女を無罪にしてもらおう」

    覇者「……分かった」

    勇者「そして、俺は少女を連れて『勇者の町』から出ていく。
       ここよりこの子にふさわしい町の心当たりがあるからな」

    覇者「好きにしろ……」

    勇者「お前は強かった。俺なんかよりもずっと強かった。
       もし勇者がこの時代によみがえったとしても、お前なら楽に勝てるだろうな」

    勇者「だが……たとえ勝っても勇者はお前を認めないだろう」

    勇者「その強さを……振りかざすだけでなく、
       人々に分け与えられるようになったら、きっとお前はもっと強くなれる」

    勇者「あそこで横たわってる勇者も、きっとまた微笑んでくれる」

    覇者「!」

    289 = 267 :

    290 :

    ほほほ

    291 = 205 :

    勇者「じゃあ、そろそろ俺たちは行くよ」

    勇者「行こう」

    「うん!」

    覇者「ま、待てっ!」

    勇者「ん?」

    覇者「キサマは……いや、あなたはまさか──!」

    覇者「………」

    覇者「いや、なんでもない……」

    勇者「?」

    勇者「じゃあ、達者でな」

    勇者は少女を連れて、『勇者の町』を去っていった。

    293 :

    少女連れてっちゃうのかよ

    294 = 205 :

    師範の中では、勇者の『バカヤロー』という言葉が繰り返し響いていた。

    師範「くっ……」ワナワナ

    師範「くそおぉぉぉっ!」

    バキンッ!

    門下生A「し、師範様っ!?」

    師範は自らの剣を地面に叩きつけ、へし折った。



    大賢者の中でも同様だった。

    大賢者(私には魔法を使う資格がない、か……)

    大賢者(賢者様、今一度教えて下さい。私は今後どうすれば──)

    しかし、大賢者の懇願に応じる声はなかった。

    大賢者(もう、なにも聞こえない……)

    大賢者(わ、私は、どうすれば……)

    295 = 205 :

    呆然と立ち尽くす覇者。

    覇者(あの方は……あの方は……!)

    覇者(まさか……!)

    覇者(私はこれまで人生の全てを勇者様に捧げてきたつもりだった。
       勇者様がお喜びになると思ったことは、全てやってきたつもりだった。
       一族の繁栄こそが、勇者様の名誉を守ることが、全てなのだ、と)

    覇者(だが、もしあの方が私の考えた通りの人だったとしたら……)

    覇者(わ、私が……我々がやってきたことは……!)

    覇者「うぐうぅぅぅぅっ……!」ガクッ

    大観衆の面前で、頭を抱えてうずくまる覇者。

    覇者「うぐうううぅぅぅぅぅっ……!」

    覇者「うううぅぅぅぅぅっ……!」

    絶対支配者の痛ましい姿に、声をかけられる者はいなかった。

    500年後には、勇者も師匠も賢者もいない。
    答えは彼ら自身で見つけるしかない。

    298 = 204 :

    ・・・完 じゃないよな?

    299 = 201 :

    いや、まさかぁ

    300 = 280 :

    そんな馬鹿な


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