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元スレ勇者「ここが500年後の世界か……」
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魔王城──
夜明けとともに戦いが終わりを告げた。
一人の戦士が、魔王を滅ぼしたのである。
魔王「ぐわぁぁぁぁぁ……! ワシの体が朽ちてゆくぅ……!」
戦士「やった……ついにやったぞっ!」
魔王「しかし……なぜだ!? なぜキサマが伝説の剣を持っている!?
たしかにこのワシが破壊したはずなのに……!」
戦士「秘境でひっそりと暮らしてた時空使いってのに出会ってね。
お前が剣を壊した時より過去にさかのぼって、この剣を持って来たんだよ」
魔王「ぐうぅ……! そんなことができる人間がいたとは……!
む、無念……!」ガクッ
戦士(もっともあとでもう一度、過去にさかのぼって剣を戻さないといけないがな。
歴史が壊れてしまうから……)
夜明けとともに戦いが終わりを告げた。
一人の戦士が、魔王を滅ぼしたのである。
魔王「ぐわぁぁぁぁぁ……! ワシの体が朽ちてゆくぅ……!」
戦士「やった……ついにやったぞっ!」
魔王「しかし……なぜだ!? なぜキサマが伝説の剣を持っている!?
たしかにこのワシが破壊したはずなのに……!」
戦士「秘境でひっそりと暮らしてた時空使いってのに出会ってね。
お前が剣を壊した時より過去にさかのぼって、この剣を持って来たんだよ」
魔王「ぐうぅ……! そんなことができる人間がいたとは……!
む、無念……!」ガクッ
戦士(もっともあとでもう一度、過去にさかのぼって剣を戻さないといけないがな。
歴史が壊れてしまうから……)
勇者「500年後の世界では・・・・・・・・・・・女性が裸で生活をしているのか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
長くなりましたがこのSSはこれで終わりです。
ここまで支援、保守をしてくれた方々本当にありがとうごさいました!
パート化に至らずこのスレで完結できたのは皆さんのおかげです(正直ぎりぎりでした(汗)
今読み返すと、中盤での伏線引きやエロシーンにおける表現等、これまでの自分の作品の中では一番の出来だったと感じています。
皆さんがこのSSを読み何を思い、何を考え、どのような感情に浸れたのか、それは人それぞれだと思います。
少しでもこのSSを読んで「自分もがんばろう!」という気持ちになってくれた方がいれば嬉しいです。
長編となりましたが、ここまでお付き合い頂き本当に本当にありがとうございました。
またいつかスレを立てることがあれば、その時はまたよろしくお願いします!ではこれにて。
皆さんお疲れ様でした!
ここまで支援、保守をしてくれた方々本当にありがとうごさいました!
パート化に至らずこのスレで完結できたのは皆さんのおかげです(正直ぎりぎりでした(汗)
今読み返すと、中盤での伏線引きやエロシーンにおける表現等、これまでの自分の作品の中では一番の出来だったと感じています。
皆さんがこのSSを読み何を思い、何を考え、どのような感情に浸れたのか、それは人それぞれだと思います。
少しでもこのSSを読んで「自分もがんばろう!」という気持ちになってくれた方がいれば嬉しいです。
長編となりましたが、ここまでお付き合い頂き本当に本当にありがとうございました。
またいつかスレを立てることがあれば、その時はまたよろしくお願いします!ではこれにて。
皆さんお疲れ様でした!
戦士は故郷の国に帰還を果たし、まずは城に報告に向かった。
城 謁見の間──
国王「よくやってくれた! おぬしはまさにこの国最高の戦士だ……。
いや、勇者と呼ぶに相応しい!」
国王「おぬしには“勇者”の称号を授けよう!
今日からおぬしは、勇者を名乗るがよい!」
戦士「ありがとうございます!」
戦士(俺が……この俺が勇者!? 信じられない……!)
戦士(やったぁっ!)
戦いに生きる者にとって、勇者とは最高に名誉な称号である。
こうして戦士は勇者となった。
城 謁見の間──
国王「よくやってくれた! おぬしはまさにこの国最高の戦士だ……。
いや、勇者と呼ぶに相応しい!」
国王「おぬしには“勇者”の称号を授けよう!
今日からおぬしは、勇者を名乗るがよい!」
戦士「ありがとうございます!」
戦士(俺が……この俺が勇者!? 信じられない……!)
戦士(やったぁっ!)
戦いに生きる者にとって、勇者とは最高に名誉な称号である。
こうして戦士は勇者となった。
次に、勇者は恩師のもとを訪ねた。
マスター流剣術道場──
師匠「このオンボロ道場から、まさか勇者が誕生しちまうとはな。
ったく大したもんだぜ」
勇者「師匠の剣術がなければ、いくら伝説の剣でも魔王は倒せなかったでしょう。
ありがとうございます」
師匠「勇者になっても有頂天にならず、向上心を忘れるなよ」
勇者「はいっ!」
~
賢者の家──
賢者「危険な研究を繰り返し、魔法学界を追放された私から
魔法を習いたいといわれた時は正気を疑ったものだが……」
勇者「あなたの研究した魔法がなければ、魔王の大軍勢には勝てませんでした。
感謝しています」
賢者「こちらこそ、ありがとう。
私の研究が無駄ではなかったと、君が証明してくれたんだよ」
勇者による打倒魔王に大きく貢献したということで、
彼らが世に認められるようになるのはいうまでもない。
マスター流剣術道場──
師匠「このオンボロ道場から、まさか勇者が誕生しちまうとはな。
ったく大したもんだぜ」
勇者「師匠の剣術がなければ、いくら伝説の剣でも魔王は倒せなかったでしょう。
ありがとうございます」
師匠「勇者になっても有頂天にならず、向上心を忘れるなよ」
勇者「はいっ!」
~
賢者の家──
賢者「危険な研究を繰り返し、魔法学界を追放された私から
魔法を習いたいといわれた時は正気を疑ったものだが……」
勇者「あなたの研究した魔法がなければ、魔王の大軍勢には勝てませんでした。
感謝しています」
賢者「こちらこそ、ありがとう。
私の研究が無駄ではなかったと、君が証明してくれたんだよ」
勇者による打倒魔王に大きく貢献したということで、
彼らが世に認められるようになるのはいうまでもない。
そしてようやく、勇者は自分が生まれた町に戻った。
勇者の実家──
勇者「ただいま!」
父「お帰り! 町中お前のニュースで持ちきりだ、よくやったな!」
母「よく無事に帰ってきたね。本当に心配だったんだから」
妹「お兄ちゃん、お帰りなさい!」
弟「兄ちゃん! 冒険の話、聞かせてよ!」
勇者「ありがとう、みんな」
勇者(一週間は祝賀会やらなんやらで、忙しくなりそうだ。
時空使いのところに行くのは、それからかな……)
こうして勇者は、救国の英雄として人々に尊敬され、幸せに暮らした。
めでたし、めでたし……。
──となるはずであった。
勇者の実家──
勇者「ただいま!」
父「お帰り! 町中お前のニュースで持ちきりだ、よくやったな!」
母「よく無事に帰ってきたね。本当に心配だったんだから」
妹「お兄ちゃん、お帰りなさい!」
弟「兄ちゃん! 冒険の話、聞かせてよ!」
勇者「ありがとう、みんな」
勇者(一週間は祝賀会やらなんやらで、忙しくなりそうだ。
時空使いのところに行くのは、それからかな……)
こうして勇者は、救国の英雄として人々に尊敬され、幸せに暮らした。
めでたし、めでたし……。
──となるはずであった。
一週間後 とある秘境──
勇者は再び過去にさかのぼり、伝説の剣を元あった場所に戻してきた。
勇者「これで歴史を壊さずに済む、か」
時空使い「ああ」
時空使い「しかし、伝説の剣があったとはいえ魔王は強敵だったはず。
称号だけではない。お前は名実ともに勇者だったということだ」
勇者「ハハ、アンタでも人を褒めることがあるんだな。どうもありがとう」
時空使い「さて、行くがいい。私の術は本来この世にあってはならないものだ。
私も住む場所を変える。もう会うこともなかろう」
勇者「時空使い」
時空使い「なんだ?」
勇者「一つ、頼みを聞いてくれないか?」
勇者は再び過去にさかのぼり、伝説の剣を元あった場所に戻してきた。
勇者「これで歴史を壊さずに済む、か」
時空使い「ああ」
時空使い「しかし、伝説の剣があったとはいえ魔王は強敵だったはず。
称号だけではない。お前は名実ともに勇者だったということだ」
勇者「ハハ、アンタでも人を褒めることがあるんだな。どうもありがとう」
時空使い「さて、行くがいい。私の術は本来この世にあってはならないものだ。
私も住む場所を変える。もう会うこともなかろう」
勇者「時空使い」
時空使い「なんだ?」
勇者「一つ、頼みを聞いてくれないか?」
時空使い「頼み?」
勇者「俺……未来が見たいんだ」
時空使い「未来だと?」
勇者「今俺がいるこの時代は、とりあえず平和になった。
だが、遠い未来果たしてこの平和はどうなっているのか、見届けたいんだ!」
時空使い「………」
時空使い「とかなんとかいって、本当は未来で自分がどう語り継がれてるか
知りたいんだろ? 勇者よ」
勇者「!」ギクッ
時空使い「お前はウソがつけない男だな。ま、そこが気に入ったんだが。
いいだろう。お前がこの世界を救ったのは事実だ。
少し未来を見る権利くらいあるだろうさ」
勇者「あ、ありがとう!」
時空使い「ただし、時空移動はこれが最後だ」
勇者「分かってる。ワガママを聞いてくれてありがとう」
勇者「俺……未来が見たいんだ」
時空使い「未来だと?」
勇者「今俺がいるこの時代は、とりあえず平和になった。
だが、遠い未来果たしてこの平和はどうなっているのか、見届けたいんだ!」
時空使い「………」
時空使い「とかなんとかいって、本当は未来で自分がどう語り継がれてるか
知りたいんだろ? 勇者よ」
勇者「!」ギクッ
時空使い「お前はウソがつけない男だな。ま、そこが気に入ったんだが。
いいだろう。お前がこの世界を救ったのは事実だ。
少し未来を見る権利くらいあるだろうさ」
勇者「あ、ありがとう!」
時空使い「ただし、時空移動はこれが最後だ」
勇者「分かってる。ワガママを聞いてくれてありがとう」
長くなりましたがこのSSはこれで終わりです。
ここまで支援、保守をしてくれた方々本当にありがとうごさいました!
パート化に至らずこのスレで完結できたのは皆さんのおかげです(正直ぎりぎりでした(汗)
今読み返すと、中盤での伏線引きやエロシーンにおける表現等、これまでの自分の作品の中では一番の出来だったと感じています。
皆さんがこのSSを読み何を思い、何を考え、どのような感情に浸れたのか、それは人それぞれだと思います。
少しでもこのSSを読んで「自分もがんばろう!」という気持ちになってくれた方がいれば嬉しいです。
長編となりましたが、ここまでお付き合い頂き本当に本当にありがとうございました。
またいつかスレを立てることがあれば、その時はまたよろしくお願いします!ではこれにて。
皆さんお疲れ様でした!
ここまで支援、保守をしてくれた方々本当にありがとうごさいました!
パート化に至らずこのスレで完結できたのは皆さんのおかげです(正直ぎりぎりでした(汗)
今読み返すと、中盤での伏線引きやエロシーンにおける表現等、これまでの自分の作品の中では一番の出来だったと感じています。
皆さんがこのSSを読み何を思い、何を考え、どのような感情に浸れたのか、それは人それぞれだと思います。
少しでもこのSSを読んで「自分もがんばろう!」という気持ちになってくれた方がいれば嬉しいです。
長編となりましたが、ここまでお付き合い頂き本当に本当にありがとうございました。
またいつかスレを立てることがあれば、その時はまたよろしくお願いします!ではこれにて。
皆さんお疲れ様でした!
ところで>>1のID童貞だな
時空使い「分かっているだろうが、確認しておくぞ。
滞在できる期間は半日、12時間経ったら自動的にここに戻る。
ただし向こうで死んだら、死体になったまま戻ってこれない」
時空使い「場所は……なるべくお前の故郷と近い場所に送るようにするが、
多少ずれてしまうだろう」
勇者「大丈夫だ。時空移動はこれで三度目だしな」
時空使い「さて、一番肝心なのは時間だ。どのくらいに飛ぶ?」
勇者「じゃあ……500年後で」
時空使い「500年……またずいぶん先だな」
勇者「あまり近いと、俺が勇者だってバレる可能性があるじゃないか」
時空使い「そうかぁ……? まぁいい、じゃあ500年後に飛ばすぞ」
時空使い「リナネカハキトーネマズイムイタ!」
時空使いが呪文を唱えると、勇者はこの時代から姿を消した。
滞在できる期間は半日、12時間経ったら自動的にここに戻る。
ただし向こうで死んだら、死体になったまま戻ってこれない」
時空使い「場所は……なるべくお前の故郷と近い場所に送るようにするが、
多少ずれてしまうだろう」
勇者「大丈夫だ。時空移動はこれで三度目だしな」
時空使い「さて、一番肝心なのは時間だ。どのくらいに飛ぶ?」
勇者「じゃあ……500年後で」
時空使い「500年……またずいぶん先だな」
勇者「あまり近いと、俺が勇者だってバレる可能性があるじゃないか」
時空使い「そうかぁ……? まぁいい、じゃあ500年後に飛ばすぞ」
時空使い「リナネカハキトーネマズイムイタ!」
時空使いが呪文を唱えると、勇者はこの時代から姿を消した。
…
……
………
勇者は道ばたにぽつんと立っていた。
勇者「ここが500年後の世界か……」
勇者(そういや、鎧とか着たまま来ちゃったけど、大丈夫かな……)
勇者(いやいや12時間しかないんだ、色々見て回らないと!)
勇者(すっかり様変わりしてるが、なんとなく見覚えがあるぞ)
勇者(とりあえず、俺の故郷の町に行ってみるか!)
……
………
勇者は道ばたにぽつんと立っていた。
勇者「ここが500年後の世界か……」
勇者(そういや、鎧とか着たまま来ちゃったけど、大丈夫かな……)
勇者(いやいや12時間しかないんだ、色々見て回らないと!)
勇者(すっかり様変わりしてるが、なんとなく見覚えがあるぞ)
勇者(とりあえず、俺の故郷の町に行ってみるか!)
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バン バンバンバン゙ン バンバン
バン(∩`・ω・) バンバンバンバン゙ン
_/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
\/___/ ̄
バン はよ
バン(∩`・д・) バン はよ
/ ミつ/ ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄\/___/
; ' ;
\,,(' ⌒`;;)
(;; (´・:;⌒)/
(;. (´⌒` ,;) ) ’
( ´・ω((´:,(’ ,; ;'),`
( ⊃ ⊃ / ̄ ̄ ̄/__
\/___/
バン バンバンバン゙ン バンバン
バン(∩`・ω・) バンバンバンバン゙ン
_/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
\/___/ ̄
バン はよ
バン(∩`・д・) バン はよ
/ ミつ/ ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄\/___/
; ' ;
\,,(' ⌒`;;)
(;; (´・:;⌒)/
(;. (´⌒` ,;) ) ’
( ´・ω((´:,(’ ,; ;'),`
( ⊃ ⊃ / ̄ ̄ ̄/__
\/___/
故郷の町──
勇者(すげぇ……! ちょっとした城塞都市みたくなってるぞ……)
勇者(とりあえず門番みたいな奴に話しかけてみるか……)
勇者「こんにちは、旅の者なんですけど」
門番「おおー? 旅の人かね。ぜひ寄ってってくれよ。
ここはかつて世界を救った勇者様が生まれた町『勇者の町』なんだ。
もっとも“町”なんていう規模ではないがね」
勇者(マジかよ、すげー!)
勇者「ちなみに勇者ってのは500年前に魔王を倒したっていう?」
門番「そうそう、勇者様が魔王城に乗り込んで、魔王をやっつけたんだよ。
今じゃ伝記や絵本、教科書にも載ってるから誰だって知ってるよな」
勇者(まちがいなく俺のことだ! すげーすげー!)
勇者(すげぇ……! ちょっとした城塞都市みたくなってるぞ……)
勇者(とりあえず門番みたいな奴に話しかけてみるか……)
勇者「こんにちは、旅の者なんですけど」
門番「おおー? 旅の人かね。ぜひ寄ってってくれよ。
ここはかつて世界を救った勇者様が生まれた町『勇者の町』なんだ。
もっとも“町”なんていう規模ではないがね」
勇者(マジかよ、すげー!)
勇者「ちなみに勇者ってのは500年前に魔王を倒したっていう?」
門番「そうそう、勇者様が魔王城に乗り込んで、魔王をやっつけたんだよ。
今じゃ伝記や絵本、教科書にも載ってるから誰だって知ってるよな」
勇者(まちがいなく俺のことだ! すげーすげー!)
勇者が町に入ると、さらに驚くべき光景が広がっていた。
建物は大きく、道路も完璧に整備されている。そして何より──
勇者(町民の中に……俺と同じ格好をしてるのがいるぞ!?)
町民「お、旅のお方。アンタも勇者様ファッションかい?」
勇者(勇者様ファッション……?)
町民「こうやって魔王討伐時の勇者様の格好をしてるとさ。
なんだか俺もやれるかな、って気になってくるんだよね。
アンタもそういうクチだろう?」
勇者「ま、まぁね……」
(少しくらい俺のことが語り継がれてればなーとは思ってたが……。
予想以上だぞ、これは……)
勇者「ところで俺、この町には初めて来たんだ。
もし時間が空いてるんなら、ちょっと案内してくれないか?」
町民「いいとも。少しでも多くの人に、勇者様のことを知ってもらわないとな」
建物は大きく、道路も完璧に整備されている。そして何より──
勇者(町民の中に……俺と同じ格好をしてるのがいるぞ!?)
町民「お、旅のお方。アンタも勇者様ファッションかい?」
勇者(勇者様ファッション……?)
町民「こうやって魔王討伐時の勇者様の格好をしてるとさ。
なんだか俺もやれるかな、って気になってくるんだよね。
アンタもそういうクチだろう?」
勇者「ま、まぁね……」
(少しくらい俺のことが語り継がれてればなーとは思ってたが……。
予想以上だぞ、これは……)
勇者「ところで俺、この町には初めて来たんだ。
もし時間が空いてるんなら、ちょっと案内してくれないか?」
町民「いいとも。少しでも多くの人に、勇者様のことを知ってもらわないとな」
町民「まず、あの大きな建物が『マスター流剣術道場』の本部だ」
町民「勇者様に剣を教えた師匠様の子孫、師範様がリーダーで、
今や世界中に支部を構えている。門下の数はなんと一万人を超える」
勇者「へぇ~(昔は弟子は俺だけだったのに……すごいな)」
町民「あっちの学校は、勇者様に魔法を教えた賢者様の流れを組む魔法学校さ。
こちらも子孫の大賢者様が校長を務めている」
勇者「ほぉ~(賢者さん、研究が認められたのか……よかったなぁ)」
勇者「………」
勇者「ところで、勇者様の子孫はどうされてるんだい?」
町民「えっ、アンタ、そんなことも知らずにここに来たのかい!?」
勇者「いや、まぁ……勉強不足で……」
町民「勇者様の子孫である覇者様は、この町の偉大なるリーダーさ!
国王からも独立自治を認められているほどなんだよ!」
勇者(ウソォ!?)
町民「勇者様に剣を教えた師匠様の子孫、師範様がリーダーで、
今や世界中に支部を構えている。門下の数はなんと一万人を超える」
勇者「へぇ~(昔は弟子は俺だけだったのに……すごいな)」
町民「あっちの学校は、勇者様に魔法を教えた賢者様の流れを組む魔法学校さ。
こちらも子孫の大賢者様が校長を務めている」
勇者「ほぉ~(賢者さん、研究が認められたのか……よかったなぁ)」
勇者「………」
勇者「ところで、勇者様の子孫はどうされてるんだい?」
町民「えっ、アンタ、そんなことも知らずにここに来たのかい!?」
勇者「いや、まぁ……勉強不足で……」
町民「勇者様の子孫である覇者様は、この町の偉大なるリーダーさ!
国王からも独立自治を認められているほどなんだよ!」
勇者(ウソォ!?)
町民「そして町の中心にある、あれが──勇者様の銅像さ!」
町の真ん中にある広場には、高さ5メートルほどもある勇者像が建てられていた。
勇者(でけぇ! ……なんかずいぶん美化されてるな。ほとんど別人だ。
あんなに鼻高くないし、足も長くないし……でも嬉しいや)
町民「勇者様の一族は、代々あそこの館で暮らしているんだよ」
勇者(うわ、これまたでけぇ~ほとんど城じゃないか。
ずいぶん立派になったんだな、俺の子孫たちは……)
町民「じゃあ、案内はこれくらいでいいかい?」
勇者「十分だよ、どうもありがとう」
町民「じゃあ、この町を楽しんでってくれよ!」
町の真ん中にある広場には、高さ5メートルほどもある勇者像が建てられていた。
勇者(でけぇ! ……なんかずいぶん美化されてるな。ほとんど別人だ。
あんなに鼻高くないし、足も長くないし……でも嬉しいや)
町民「勇者様の一族は、代々あそこの館で暮らしているんだよ」
勇者(うわ、これまたでけぇ~ほとんど城じゃないか。
ずいぶん立派になったんだな、俺の子孫たちは……)
町民「じゃあ、案内はこれくらいでいいかい?」
勇者「十分だよ、どうもありがとう」
町民「じゃあ、この町を楽しんでってくれよ!」
勇者はしばらく町を散策した。
どこもかしこも、勇者グッズであふれていた。
勇者(勇者まんじゅう、勇者ステッカー、勇者ぬいぐるみ……。
お、伝説の剣のレプリカまで売ってるのか、スゴイな)
勇者(これが500年後か……)
勇者(ちょっと照れ臭いけど、来てよかったな……)
勇者(こうまで発展してるとは、先祖として鼻が高いぞ。うんうん)
町をぐるりと一周し、勇者は銅像の前に戻ってきた。
どこもかしこも、勇者グッズであふれていた。
勇者(勇者まんじゅう、勇者ステッカー、勇者ぬいぐるみ……。
お、伝説の剣のレプリカまで売ってるのか、スゴイな)
勇者(これが500年後か……)
勇者(ちょっと照れ臭いけど、来てよかったな……)
勇者(こうまで発展してるとは、先祖として鼻が高いぞ。うんうん)
町をぐるりと一周し、勇者は銅像の前に戻ってきた。
すると、じっと勇者像を見つめる少女がいた。
少女「………」ジーッ
勇者「君も勇者様、好きかい?」
(ま、俺が本人なんだけどね……。ああ、バラしたい衝動に駆られる……)
少女「勇者様なんか、嫌い……大嫌いっ!」
勇者「なっ……!」カチン
タタタッ
兵士A「キサマ、今勇者様を侮辱したな!?」
兵士B「許さんぞ!」
勇者(お、いってやれ、いってやれ)
兵士A「このクソガキがっ!」
バキッ!
少女「あうっ……!」
勇者(え!?)
少女「………」ジーッ
勇者「君も勇者様、好きかい?」
(ま、俺が本人なんだけどね……。ああ、バラしたい衝動に駆られる……)
少女「勇者様なんか、嫌い……大嫌いっ!」
勇者「なっ……!」カチン
タタタッ
兵士A「キサマ、今勇者様を侮辱したな!?」
兵士B「許さんぞ!」
勇者(お、いってやれ、いってやれ)
兵士A「このクソガキがっ!」
バキッ!
少女「あうっ……!」
勇者(え!?)
ドカッ! ガスッ! バシッ!
少女「う、うぅ……」
兵士A「とんでもないクソガキだ!」
兵士B「さっさと連行してしまおう!」
勇者「ちょ、ちょっと待てよ! なにも殴ることはないだろう!?
勇者を嫌いっていったぐらいで──」
兵士A「む、キサマ、このガキを擁護したな!? 同罪だ!」ブンッ
勇者「おっと」ヒョイッ
兵士A「ちいっ(この身のこなし……手強いな)」
ピピピ~~~~~ッ!
兵士Aが笛を吹くと、大勢の兵士が集まって来た。
勇者(おいおい、マジかよ……)
勇者(俺だけなら逃げることもできるだろうが……あの女の子が心配だな。
仕方ない、大人しく捕まるか……。どうせ12時間経てば帰れるし……)
勇者と少女は捕まってしまった。
少女「う、うぅ……」
兵士A「とんでもないクソガキだ!」
兵士B「さっさと連行してしまおう!」
勇者「ちょ、ちょっと待てよ! なにも殴ることはないだろう!?
勇者を嫌いっていったぐらいで──」
兵士A「む、キサマ、このガキを擁護したな!? 同罪だ!」ブンッ
勇者「おっと」ヒョイッ
兵士A「ちいっ(この身のこなし……手強いな)」
ピピピ~~~~~ッ!
兵士Aが笛を吹くと、大勢の兵士が集まって来た。
勇者(おいおい、マジかよ……)
勇者(俺だけなら逃げることもできるだろうが……あの女の子が心配だな。
仕方ない、大人しく捕まるか……。どうせ12時間経てば帰れるし……)
勇者と少女は捕まってしまった。
>>22
何でそんなにこの板が好きなの?
何でそんなにこの板が好きなの?
留置場 牢屋──
看守「入れっ!」ドカッ
勇者「うおっ!」
少女「いたっ!」
看守「クズどもが……!」スタスタ
勇者「いてて……大丈夫か?」
少女「うん、大丈夫。お兄さんは平気?」
勇者「まぁ、鍛えてあるからね。とはいえ驚いたよ……。
あれぐらいで牢屋に入れられるなんて……。
この後、お説教を喰らって釈放って感じの流れなのかな?」
少女「ううん」
少女「私たち、二人とも殺されちゃうんだよ」
勇者「!?」
看守「入れっ!」ドカッ
勇者「うおっ!」
少女「いたっ!」
看守「クズどもが……!」スタスタ
勇者「いてて……大丈夫か?」
少女「うん、大丈夫。お兄さんは平気?」
勇者「まぁ、鍛えてあるからね。とはいえ驚いたよ……。
あれぐらいで牢屋に入れられるなんて……。
この後、お説教を喰らって釈放って感じの流れなのかな?」
少女「ううん」
少女「私たち、二人とも殺されちゃうんだよ」
勇者「!?」
勇者「こ、殺されるって……! どういうことだよ!?」
少女「お兄さんは知らないのね。
この町ではね、勇者様やその一族を侮辱したら絶対に死刑なの」
勇者(おいおい、なんだか様子がおかしくなってきたぞ……)
「こんなムチャクチャな法が成り立つのか!?
だって俺なんか何も知らない旅人なんだぞ? どう考えても──」
少女「この町の中では、覇者様は国王様よりも神様よりも偉いんだよ。
いいえ、この世界に覇者様に逆らえる人なんかいないかもしれない」
少女「覇者様は大勢の私兵を抱えているし、
師範様の剣術道場や、大賢者様の魔法学校も傘下にしている」
少女「それに、覇者様自身も勇者様の生まれ変わりといわれるくらい、
剣術と魔法に秀でてるしね」
少女「兵力、剣術、魔法……。非の打ちどころがないの」
勇者「……だったら、なんであんなバカなマネをしたんだ?
死刑にされるって分かっているのに……」
少女「お兄さんは知らないのね。
この町ではね、勇者様やその一族を侮辱したら絶対に死刑なの」
勇者(おいおい、なんだか様子がおかしくなってきたぞ……)
「こんなムチャクチャな法が成り立つのか!?
だって俺なんか何も知らない旅人なんだぞ? どう考えても──」
少女「この町の中では、覇者様は国王様よりも神様よりも偉いんだよ。
いいえ、この世界に覇者様に逆らえる人なんかいないかもしれない」
少女「覇者様は大勢の私兵を抱えているし、
師範様の剣術道場や、大賢者様の魔法学校も傘下にしている」
少女「それに、覇者様自身も勇者様の生まれ変わりといわれるくらい、
剣術と魔法に秀でてるしね」
少女「兵力、剣術、魔法……。非の打ちどころがないの」
勇者「……だったら、なんであんなバカなマネをしたんだ?
死刑にされるって分かっているのに……」
少女「私、お父さんもお母さんももういないから……。
もう、いいかな……って思って……」
勇者「……二人とも亡くなったのか?」
少女「お父さんは覇者様のやり方に反発して、死刑にされちゃった。
お母さんは働きすぎで倒れて……」
勇者「働きすぎ?」
少女「この町の人には勇者税っていう重い税金が課せられるの。
町民は偉大なる勇者様に奉仕する義務があるってことでね」
勇者「勇者税……!?」
もう、いいかな……って思って……」
勇者「……二人とも亡くなったのか?」
少女「お父さんは覇者様のやり方に反発して、死刑にされちゃった。
お母さんは働きすぎで倒れて……」
勇者「働きすぎ?」
少女「この町の人には勇者税っていう重い税金が課せられるの。
町民は偉大なる勇者様に奉仕する義務があるってことでね」
勇者「勇者税……!?」
少女「お母さんは……働いても働いても満足に食べられなくて……。
でも私に食べさせてくれて……倒れて……死んじゃった」
少女「もちろん逃亡なんか許されない……。
偉大なる勇者様のお膝元から逃れるなんて、大罪だもの」
少女「それでも勇者様の名に惹かれてここに来る人は多いんだよ。
ここは世界一安全な町でもあるしね」
勇者「じゃあ君は今までどうやって生きてきたんだ?」
少女「住む場所は全部取られちゃったから、町外れのゴミ山で暮らしてたんだ。
残飯とかを拾ってね」
勇者(なんてこった……)
でも私に食べさせてくれて……倒れて……死んじゃった」
少女「もちろん逃亡なんか許されない……。
偉大なる勇者様のお膝元から逃れるなんて、大罪だもの」
少女「それでも勇者様の名に惹かれてここに来る人は多いんだよ。
ここは世界一安全な町でもあるしね」
勇者「じゃあ君は今までどうやって生きてきたんだ?」
少女「住む場所は全部取られちゃったから、町外れのゴミ山で暮らしてたんだ。
残飯とかを拾ってね」
勇者(なんてこった……)
勇者「そりゃあ、勇者が嫌いになっても仕方ないよな……」
少女「ううん、私は勇者様が好きだよ」
勇者「え?」
少女「勇者様は師匠様と賢者様の指導を受けて強くなって、
伝説の剣を持って邪悪な魔王をやっつけたんだよ。
だれにだってできることじゃない」
少女「私は勇者様を嫌いだなんて思ったことは、一度もない……」
少女「もし、あの世で勇者様に会えたら……私、謝らなくちゃね。
嫌いだなんてウソついて、ごめんなさいって」
勇者「………」
少女「ううん、私は勇者様が好きだよ」
勇者「え?」
少女「勇者様は師匠様と賢者様の指導を受けて強くなって、
伝説の剣を持って邪悪な魔王をやっつけたんだよ。
だれにだってできることじゃない」
少女「私は勇者様を嫌いだなんて思ったことは、一度もない……」
少女「もし、あの世で勇者様に会えたら……私、謝らなくちゃね。
嫌いだなんてウソついて、ごめんなさいって」
勇者「………」
勇者「なぁ」
少女「え?」
勇者「もしも今、勇者がよみがえってこの『勇者の町』を見たらなんていうと思う?」
少女「……そんなの分からないよ。
でも、子孫である覇者様を見たら、きっと喜ぶんじゃ──」
勇者「……俺はきっと喜ばないと思うんだよな」
勇者「最初こそ“俺のことを忘れないでいてくれてありがとう”って喜ぶだろうさ。
でも、君みたいに勇者の犠牲にされてる子を見たら、きっと悲しむと思う」
勇者「それに……勇者ってのは子孫だとか先祖だとか関係ない。
おかしいことをしてる奴を見かけたら、根性を叩き直してやるのが
勇者なんだと思う」
少女「え?」
勇者「もしも今、勇者がよみがえってこの『勇者の町』を見たらなんていうと思う?」
少女「……そんなの分からないよ。
でも、子孫である覇者様を見たら、きっと喜ぶんじゃ──」
勇者「……俺はきっと喜ばないと思うんだよな」
勇者「最初こそ“俺のことを忘れないでいてくれてありがとう”って喜ぶだろうさ。
でも、君みたいに勇者の犠牲にされてる子を見たら、きっと悲しむと思う」
勇者「それに……勇者ってのは子孫だとか先祖だとか関係ない。
おかしいことをしてる奴を見かけたら、根性を叩き直してやるのが
勇者なんだと思う」
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