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    元スレ魔王「僕と契約して僕になってよ!」

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    タグ : - 魔王 + - かまいたちの夜 + - ぎゃぐ + - キュゥべえ + - キュウべえ + - ソックス + - 勇者 + - + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    151 = 1 :

    側近「ああ、勇者さんもお帰りで!」

    魔王「そのように慌ててどうかしたか?」

    側近「人間側より暗殺部隊が接近しています!」

    魔王「珍しい事でも無いだろう」

    側近「それが……恐らくですが対魔の血を持つ者が数名」

    勇者「へえー」

    魔王「遂にこの時が来たか……」

    152 = 1 :

    勇者「んー? 守って欲しいか? ほれ、魔王。守ってくださいと言わねーかぁ?」

    魔王「女性に守られるというのも釈然とはせんが……」

    魔王「勇者に守られるのでは溜飲が下る話であるな」

    勇者「くっくく、そうこなくっちゃあなぁ」

    勇者「城の魔族連中は引いておけ。ここまでご招待してやるんだ」

    側近「よろしいのですか?」

    魔王「構わん。流石に対魔の者が束になって来ては、我にはどうする事もできぬからな」

    153 = 1 :

    暗殺者A「やはり寝返っていたか……」

    勇者「盛大なリストラしてくれた癖によく言うぜ」

    暗殺者B「引け……さもなくば」

    勇者「……けっ、元から俺も殺すつもりだろう」

    暗殺者C「愚かな。お前如きが我々に適うとでも」

    暗殺者A「こいつに割く時間は無い。一撃で決めた後、魔王を討つぞ」

    暗殺者B「行くぞ……」フッ

    154 = 1 :

    暗殺者A「……?! 待て! 何か飛んでっ!」

    暗殺者C「投擲武器? 避け……これは、血か?」

    暗殺者Bだった肉塊

    暗殺者A「なっ!」

    暗殺者C「馬鹿な……あの勇者が? いや、魔王の力なのか?!」

    勇者「ふっ……」ニヤリ

    勇者(全力斬りで何でああなるんだぁ!?)

    魔王(刀剣の効果もあるだろうが、お主の剣圧も凄まじいという事だ)

    155 = 1 :

    勇者「さて、来ないならこちらから行くが?」

    暗殺者A「……ぐ」

    暗殺者C「……退くぞ」

    暗殺者C「……我々の負けだ。何があったかは知らんが、もう勝ち目など……聞いているの……っ!」

    暗殺者A「」ゴロリ

    勇者(わぁぁぃ直刀で居合い抜きできちゃったぁぁぁぁ首打ち成功しちゃったぁぁぁぁぁぁ)

    魔王(シンプル人外シリーズ THE 力技)

    156 = 1 :

    暗殺者C「くそっ!!」バッ

    魔王「む、逃がすのか?」

    勇者「……」

    側近「もうあんなに遠く……」

    勇者「雷撃魔法・狂!!」グワッ


    魔王「周辺の領地を焦土にするのは止めてもらえぬか?」

    勇者「わりぃ」

    157 = 1 :

    勇者「とりあえず隣国から潰していくか」

    勇者「いや逃げられると嫌だな。最初に故郷、そして一晩のうちに全部回るか」

    魔王「物凄く嬉々としているな」

    勇者「そらーなー」

    勇者「転移呪文いくぞー」

    魔王「うむ、それでは後は任せたぞ」

    側近「魔王様、勇者さん……どうかご無事で」

    158 = 1 :

    勇者「どーもぉ」

    騎士「なにっ!」

    大臣「ああっ?!」

    王様「なっ! お、おお、勇者よ……今まで何処に行って、そちらの者は?」

    勇者「俺のダチだから気にしないでくれよー」

    勇者「えーと今までだっけ? ちょっとさー武者修行に行っていたんだよねー」

    勇者「俺滅茶苦茶強くなったんだよ。だからさ、王様にも見てもらいたいんだよねー」

    騎士「……」シャキン

    暗殺者A「……」スッ

    暗殺者B「……」スッ

    159 = 1 :

    勇者「穏やかじゃあねえなぁ」

    王様「……」

    勇者「ああ、そうだ……俺、攻撃魔法と回復魔法しか覚えていなかったじゃん?」

    騎士「……?」

    勇者「色々と勉強して他のも覚えたんだよねー」

    魔王「何時の間に?」

    勇者「ふっふーん」

    勇者「毒霧魔法・狂」スァ

    160 = 1 :

    魔王「強を越えた魔法の扱いが上手くなったのう」

    勇者「まあなあ。才能って奴?」

    国王「お、ぐ……ごほっ」

    騎士「力が……苦し……」

    暗殺者A「うぐ、解毒剤、が……」

    勇者「無駄無駄。霧がある以上、そんなもん使ってもすぐに毒に蝕まれるぜ」

    国王「やは、り……わしを恨ん、で……」

    勇者「……」

    161 = 1 :

    魔王「強を越えた魔法の扱いが上手くなったのう」

    勇者「まあなあ。才能って奴?」

    国王「お、ぐ……ごほっ」

    騎士「力が……苦し……」

    暗殺者A「うぐ、解毒剤、が……」

    勇者「無駄無駄。霧がある以上、そんなもん使ってもすぐに毒に蝕まれるぜ」

    国王「やは、り……わしを恨ん、で……」

    勇者「……」

    162 = 1 :

    勇者「一つだけ聞かせてくれ」

    勇者「俺の村が襲撃されたのは……本当に魔物達の意思によるものだったのか?」

    国王「……」

    国王「襲撃は……奴らの意思だ、が……そうなる、ように……仕組ませた」

    勇者「そっか。やっぱそうだったんだな……」

    国王「う、うぅ……許せ……」

    勇者「……そうだな、正直に話してくれたんだ」

    国王「ゆ、勇者……」

    勇者「王様……」


    勇者「今、楽にして差し上げます」

    163 = 1 :

    国王「」

    勇者「そういやぁ誰も来ないな……」

    魔王「城ごととまではいかぬが、かなりの範囲まで霧が広がっているようだ」

    勇者「あー来たくてもこれねーよ、って事か?」

    勇者「んじゃまあ、次の国に行くか」

    魔王「せっかちな……」

    勇者「別れを惜しむ人もいねーからな」

    164 :

    真エンディング期待してるわ

    165 = 1 :

    国王「おお? そなたは確か隣国の……」

    勇者「ええ、勇者でございます」

    国王「おおっ、久しいのぉ。元気にしておったか? 流石に一人旅は疲れたか?」

    勇者「はは、そんなところです。ところで王様、今日は少々お話がありまして……」

    勇者「遂に魔王を倒しましてね……」

    国王「なんとっ……」ピク

    勇者「……」

    勇者「あまりお喜びにならないのですね……まあ、その魔石もこちらにある訳ですが」

    国王「……」ピク

    166 = 1 :

    勇者「教えて頂きたい事がございます」

    国王「……申せ」

    勇者「魔王に暗殺者を差し向けた王は他にどれくらいいるのです?」

    国王「う、ぐ……まあ、仕方の無い事か」

    国王「残念ながら、君のところや私を含め、全ての国王が暗殺者を投入したよ」

    勇者「そうですか……」

    国王「何としてでも、その魔石を奪われる訳にはいかなかった……」

    国王「全員の考えを知っていたわけではない……だがしかし、力のために欲した者も多かっただろう」

    勇者「ああ。そういう言い訳はいいですよ」

    勇者「暗殺者を送ったところは全部潰すって決めてますので」

    167 = 128 :

    魔族の魔法や人外の力をもってるあたり勇者は本来魔族なの?
    それとも魔王といたから魔族化したの?
    あと回復魔法で処女膜直るの?

    168 = 1 :

    勇者「ふースッキリ」

    国王「た……たす……」

    勇者「おーしぶといのですね。よっと」ザク

    国王「」

    魔王「ふむ……」

    勇者「どーしたさ?」

    魔王「うむ……今更だが、果たしてこの進め方は正しいのだろうか?」

    勇者「ぶっちゃけ人間側とかもうどうでもいいわ」

    魔王「おーい、それでよいのか現役勇者」

    169 = 1 :

    勇者「これ終わったら、魔族側にエスケープするだけだし」

    勇者「あ、人間の進軍とか教えてくれりゃ、俺が潰しておくよ」

    魔王「我の仕事が増える事はどうでもいいのだな……」

    勇者「……」

    勇者「めんご、めんご~」

    魔王「謝る気がさらさら感じられないな」

    170 = 1 :

    勇者「さあて次次」

    魔王「……にしても、よくもまあこんな簡単に割り切れたものだな」

    勇者「まあ……きっかけは今まであったからなあ」

    勇者「今回の襲撃が引き金になっただけだからな」

    勇者「んじゃあ行くぞ」


    魔王「おい……」ゴゴゴ

    勇者「いやあ、あの国王の態度見てたら、さ」ゴゴ

    魔王「ああ……まるでクレーターのように……」

    勇者「ま、まあさ、面倒を見る国が一つ無くなって良かったじゃん」

    魔王「キチガイを越えるポジティブだな」

    171 = 1 :

    勇者「さって……これで国王全員とその傍にいた奴ら全員やっつけたな」

    魔王「やっつけた、というのは不適切な表現だと思うぞ」

    魔王「待て、側近連中がいない場所もあっただろうに」

    勇者「転移魔法使う前に、毒を散布しといた」

    魔王「もはや虐殺だな」

    勇者「何を今更」

    172 = 1 :

    勇者「それじゃあ俺は魔族側でのんびり暮らすぜ、と思ったが、そっちの方に俺が行って問題ないのか?」

    魔王「石頭の人間どもと一緒にするでない。皆、喜んで受け入れてくれるぞ」

    勇者「それを聞いて安心したよ。じゃあな」

    魔王「うむ、たまには顔を出すのだぞ」

    勇者「暇だったらなー」

    魔王「転移魔法ですぐ来れるのに暇も忙しいもあるか」

    勇者「そりゃーなー」フリフリ

    173 = 1 :

    魔王「……」

    側近「宜しかったのですか?」

    魔王「ふふ、そうだな。あれは繋いでおける代物ではないからな」

    魔王「ふう……久方ぶりに晴れ晴れとした気分だ」カタ

    側近「か、仮面をっ!」

    魔王「心配すんな。どうこうするつもりはない」

    魔王「ふー……」

    魔王「……」カタ

    魔王「さて、これから共存の道への模索が始まるのだ」

    魔王「しばらくは地獄の日々となるだろう……ついてきてくれるな?」

    側近「私で宜しければ地の果てまで」


    その後
    十年程の歳月をかけて、魔王は魔王による統治の下、人間と魔族が共存する世界を創りあげた。
    一方、勇者は表舞台から姿を消えた後、何をしていたのかは一切記録に残っていない。
    だが、ふと誰かが気付いた時にはもう、魔王の隣に剣を携えて控えていたと言う。

      勇者の反旗 End

    174 = 38 :

    いい
    すごく

    175 = 1 :

    真Endは無い
    膜は直らない
    選択肢以外の安価はレスしたコンマ秒で選択肢が決まる

    176 = 1 :

    魔王「勇者はどうしたいのだ?」

    勇者「いや……実際のところどうしたいんだろうなぁ」

    魔王「我にはまだどんな終わりを目指すべきか、着地地点を何処に置くべきか、その判断に悩んでいる」

    魔王「勇者は……どうしたいと考える?」

    >>178
    1.のんびりしたい
    2.力が欲しい
    3.分かんね

    179 = 1 :

    勇者「正直どうしようかねぇ。どうしたらいいのか分からねーよ……」

    魔王「まあ、すぐに答えが出るものでもない」

    魔王「どんな形であれ、お前の未来を決める大切な事だ。よく考えるのだよ」

    勇者「わーってるよ」

    勇者「とは言え、なんだかなぁ」

    魔王「まあ、猶予はまだあるからな」

    勇者「人間側が攻めて来るまで、か……」

    180 = 1 :

    魔王「それでは我は失礼するぞ」

    勇者「あ……」

    魔王「どうかしたか? 何か必要なら持ってこさせるが」

    勇者「いや、さ。できればお前に傍にいて欲しい、かなーなんて」

    魔王「別に構わぬがどういう風の吹き回しだ」

    勇者「ちっとな。流石に夜が怖い」

    魔王「……そうか」

    181 = 1 :

    魔王「……」

    勇者「……」

    魔王(き、気まずい……)

    勇者「……」ギュッ

    魔王(す、裾を掴んで……何て不安げな顔を、いかん、これほどか! ギャップ萌えとはこれほどの威力か!)

    勇者「……」ギュウ

    魔王(うぐぐ、そんな震えながら……)プツ

    魔王「……」ガバ

    勇者「うわっ!?」

    182 = 1 :

    魔王「んん」

    勇者「んむ、う……ぷは」

    勇者「お、お前な! 人がシリアスになって、うわっ」

    魔王「……」ギュウ

    勇者「……えーと、魔王?」

    魔王「あんな姿を見せられて、手を出さない男がいる訳なかろう」

    勇者「ええ? なんかしたか?」

    魔王「という訳で、もう我慢ならぬぞ」ガバ

    勇者「ちょ、ちょーーー!」

    183 = 1 :

    勇者「んん、ちょ、本当に待てって」

    勇者「こら胸ばっか、ん、揉んでんじゃ」

    魔王「意外とあるのだな」フニフニ

    勇者「さらし巻いて、あん、ばっかこねくり回んん……」

    魔王「随分感度が良いな。なんだもう下も……ううむ、それなりに経験しているか」クニクニ

    勇者「ねーよ。ん、まあ、自分でしてたりはしたが……」

    魔王「……わざとやっているのか?」クリクリ

    勇者「え? んん、何の話だ?」

    184 = 1 :

    魔王「これだけ濡れていればよさそうだな」

    勇者「んく……そーかい」

    魔王「抵抗、しないのだな」

    勇者「んー? まあ、本気ならまだお前には勝てないしな」

    勇者「強いしお前ならいっかなーって」

    魔王「……」

    勇者「微妙そうな顔すんなって。お前の事、信頼してて受け止めてやるって言ってんだ」

    185 = 149 :

    ピンクのしおり…

    186 = 1 :

    魔王「……それでは、痛ければ言うのだぞ」クチュ

    勇者「あ、ぅん……うあ、すっご……」

    魔王「……」

    勇者「あ、待て、動あ、ちょ、凄い擦ふぁん!」

    勇者「ひゃんっ! おま……ああん、ゆっく、ひやぁ!」

    魔王「お前にそんな声を出されて、興奮しないわけがなかろう」

    187 = 1 :

    勇者「ふあっ! ンン……!」

    魔王「流石に、これは……」

    勇者「いぃっ……! もっとぉ!」

    魔王「あまり締め付けてくれるな、もたんぞ」

    勇者「無理ぃ! こん、なっ……ンっ声、抑えられ、あン!」

    魔王「……すまんがいくぞ」

    勇者「えっ、あっ……! ン、来て! 魔王!」

    勇者「っく……! イクっ! ……あはああああああっ!」

    188 = 128 :

    読者はこれを待っていました

    189 = 1 :

    ……
    勇者「……別に中でも問題ねーのに」

    魔王「流石にそれはなー……」

    勇者「だいたい、こんな時までその仮面ってどういう神経してんだ」カパ

    魔王「あ、こら、止め……」

    魔王「……」

    勇者「え……えーと、魔王、さん? そんなマジな顔になんなくてもー……」

    魔王「お前も馬鹿な奴だな」

    勇者「え、何その口調」

    魔王「とりあえず、俺にもやらせろ」ガバ

    勇者「ちょ、え、んむ……んん……」

    190 = 102 :

    これも勇者の成せる業か…

    191 = 1 :

    勇者「ふァっ! あァン! こん、な! 激しっ!」

    勇者「おねっ! もっと、優っひぁ!」

    魔王「こちとら久々なんだ、少しくらいがっつかせろよ」

    勇者「あンっ! っまえ! 本当に、あァン!!」

    勇者「らめぇ! ああァァあァぁぁっ!」ビクンビクン

    魔王「おいおい……もう少し愉しませろよ」

    勇者「はぁ……はぁ……少し、待っアァん」

    192 = 1 :

    ……
    勇者「……んん、ふぁ」

    勇者「どんだけ……寝てたんだ」

    魔王「やっと起きたか」

    魔王「随分と寝ぼすけな奴だな」

    勇者「……ありゃ?」

    魔王「ここは……そうだな、我の夢の中のようなものだ」

    魔王「実際の時間より流れは遅い。時間なんぞ気にせずに話ができるって訳だ」

    勇者「仮面つけてるのとつけてない魔王が二人……」

    193 = 1 :

    勇者「んで、俺をお前の夢の中に引きずりこんでどうしようってんだ」

    仮面「我の仮面を外していなければ、こんな事などしなくて済んでいたのだぞ」

    勇者「……どういう事だ?」

    魔王「それを説明する為だ。全く、じゃじゃ馬娘が」

    勇者「……二重人格?」

    仮面「そういった分かり易いものだったら説明も楽なのだがなぁ」

    魔王「言っても始まんねーだろ。とは言えどっから話したものか……」

    魔王「少し、昔話からにするか」

    194 = 1 :

    魔王「俺は元々、先代の魔王の右腕につく騎士だった」

    魔王「騎士に昇格した当初は、戦地から戦地の戦いに明け暮れていた」

    仮面「その当時は人間も軍を率いて攻め込んできたからな」

    魔王「しばらくして戦争も落ち着くと、その功績により魔王の直属部隊へ引き抜かれ」

    魔王「常に魔王の傍に控えるようになった」

    勇者「なんか、仮面をつけてないお前の性格だと飽きそうだな」

    仮面「……はぁ」

    魔王「うるせぇなぁ! どうせ俺は斬った張ったしかできねーよ!」

    仮面「我は溜息しかついておらぬぞ」

    195 = 1 :

    魔王「それからしばらくは平和なものだった」

    勇者「あくびが出るくらいに?」

    仮面「昼寝するくらいに暇があったものだな」

    魔王「それまでが戦闘がメインだったからな……訓練以外にする事が無いんだよ」

    勇者「魔王の右腕の騎士がそれだけって有りなのか?」

    魔王「有りだ」

    勇者「あの話マジだったのか。雇用してくれ」

    196 = 1 :

    魔王「俺は暇を持て余した事で、ある試練を受ける事にした」

    勇者「おいこら」

    魔王「魔王となる資格を受ける為の恐怖の試練だ」

    勇者「……下克上?」

    仮面「魔王というもの世襲制ではなく、その試練を乗り越えた者がなるのだ」

    魔王「まあ、既に魔王がいる場合、その者が辞任するか死没しない限り魔王になる事はないがな」

    勇者「次期魔王って事か?」

    仮面「そうなるな」

    197 = 1 :

    魔王「そして、今から80年前……人間側の大襲撃が行われた」

    勇者「……お前、歳いくつだよ」

    魔王「……確か、170歳だったか?」

    魔王「182歳だ」

    勇者「……すげぇな」

    仮面「人間とは寿命が違うからな」

    魔王「その時に先代は交戦の構えを解いたんだ」

    勇者「薙ぎ払っちまえばいーのに」

    仮面「長く続いていたからな……先代は自らの命を以って、その戦争を終わらそうとしたのだ」

    勇者「……どう考えても終わらねーと思う」

    魔王「俺もそう思うが、あの時は平和ボケしていたんだ。それにあの方は元々、人間を殺したくないとさえ考えていたからな」

    198 = 1 :

    魔王「先代魔王は討たれ、俺は先代の命令通り先代から産み落とされた魔石を回収をし、軍を率いて撤退をしたんだ」

    魔王「この時点で、俺は魔王としての力を得ていたんだが……」

    魔王「まあ、当然ながら人間軍は進軍を続けたから、結局俺が薙ぎ払う事になったんだ」

    勇者「魔石はどうしたんだ?」

    魔王「それがこの事態を引き起こしちまったんだよなぁ」

    勇者「……どういう事だ?」

    魔王「既に魔王としての力を得ていたのだが、俺は更に魔石の力を自身に注いちまったんだ」

    勇者「やばいのか?」

    仮面「どう考えても器に収まりきる魔力ではないからな」

    199 = 1 :

    魔王「力が暴走しちまってな……魔力が暴発しないように力を抑える為に、仮面を作り出したんだ」

    勇者「それリミッターだったのか……え、性格違うのはなんでだ?」

    魔王「仮面生成には主に溢れる魔石の力で作ったんだ。結果、先代の中身の一部が出てきちまってな」

    勇者「えっ! えーじゃあなんだ、仮面の方の魔王は先代なのか?」

    魔王「完全にそうだったら、勝てないお前に哀れんで殺されてやってるだろうな」

    仮面「先代とこの男の双方を合わせたかたちが我なのだ」

    仮面「だからこそ……共存の意思こそあれど、むざむざ命を差し出してやるつもりはない」

    魔王「ただ、先代の記憶の一部を引き継いでいるからな」

    魔王「統治とかはそっちに丸投げして、基本的に俺は眠ってばかりだ」

    仮面「そもそもお前が出てくると、魔力に振り回されて暴走し易いだろう」

    200 = 1 :

    勇者「……ふーん」

    魔王「なんだその反応」

    仮面「興味無さそうだな……」

    勇者「とりあえず分かったとしか言えねーじゃん」

    魔王「……」

    仮面「……」

    魔王「考えてみたらそうだな……」

    仮面「説明が必要だと思っていたのだが……全くそんな事は無かったな」


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