元スレ梨花「ここは雛見沢なのです」 岡部「聞いたことがないな」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★
1 :
・結構長い
・確実に日付をまたぐ
・メリー紅莉栖マス
↓スタート↓
2 = 1 :
岡部「・・・」
紅莉栖「・・・」
岡部「・・・」
紅莉栖「・・・」ペラリ
岡部「・・・」チラッ
紅莉栖「・・・」
岡部「・・・なぁ、助手よ」
紅莉栖「・・・」ペラリ
岡部「おい、クリスティーナ」
紅莉栖「・・・」
岡部「・・・牧瀬さん」
紅莉栖「何?」
岡部「とっとと返事をせんか!!」
3 :
以下、ラーメンスレ
●ここはラーメンスレです!
●好きなラーメンの味をどんどん挙げていきましょう!
(例)豚骨醤油 味噌だろ 男なら塩一択 など
●よくある質問
Q、ここは○○スレじゃないんですか?
A、はい、ここは今からラーメンスレです。
Q http○○○○html ←このスレと重複してますよ
A、重複ではありません。似ていますが別のスレです。
●注意
たまに「>>1」と名乗り、関係の無いことを話し出す悪質な荒らしが出没しますが無視しましょう!
荒らしに反応する人も荒らしですよ!
4 = 1 :
紅莉栖「とっととも何も、今初めて名前を呼ばれたんだけど」
岡部「いや、さっきから何度も!」
紅莉栖「言っておくけど、私は助手でもクリスティーナでもないから」
岡部「ではなんと呼べと?」
紅莉栖「・・・紅莉栖、でいいわよ」
岡部「紅莉栖・・・ティーナ」
紅莉栖「だぁぁぁもう!何で最後にそれ付けちゃうのよ!バカなの?死ぬの?」
岡部「・・・”死ぬ”という言葉は、しばらく、聞きたくない」
紅莉栖「・・・今のは謝る」
岡部「・・・」
紅莉栖「・・・」
岡部「・・・」
紅莉栖「・・・ごめん」
5 = 1 :
岡部「いや、気にしなくていい。それよりひとつ聞きたいことがある」
紅莉栖「な、何よ、あらたまって?」
岡部「俺が退院しました。お前と再会しました。お前がラボメンとなりました。かれこれ2週間前のことだ」
紅莉栖「もうそんなに経つのね」
岡部「そうだ。2週間だ。なーーぜお前は終始無言なのだ?」
紅莉栖「別に」
岡部「『別に』ときたか。どこぞの女優かお前は!」
紅莉栖「いいじゃないの。何か話さなきゃいけないルールでも?」
岡部「いやいやいや、あのな?もっと俺に聞きたい事とかは無いのか?」
紅莉栖「別に」
岡部「はい2回目いただきました。ってやかましいわ!」
紅莉栖「うるっさいわね。何なのよ今日は。あまり騒ぐと傷に響くわよ」
6 = 1 :
岡部「岡部さん、学生なんですか?とか、ご趣味は?とか、何かあるだろう」
紅莉栖「別に」
岡部「もうそれはよい!ではお前は何しにラボに来ているのだ!」
紅莉栖「ラボメンがラボに来ちゃいけないの?」
岡部「ぐ・・・!」
紅莉栖「今これ読むのに忙しいの。あまりうるさくしないで」
岡部「・・・はぁ」
岡部は大きく溜息をつき、紅莉栖に並んでソファーに座る。
紅莉栖「な、なんでわざわざ隣に座るのよ」
岡部「別に」
紅莉栖「っ・・・はぁ」
岡部同様、紅莉栖も大きく溜息をついた。
7 = 1 :
岡部(俺は長いこと8月を繰り返して、ようやくこの世界線へとたどり着いた。
ここまで来れたのも、紅莉栖がいたおかげだ。
そう、俺は紅莉栖が好きだ。だから再会できたことに心から喜んだ!
だがなんだこれは!デレない!こいつデレてくれない!
俺の紅莉栖への気持ちが、一切伝わらないではないか!
辛い!この温度差、凄く辛い!
おまけに紅莉栖に合わせるように俺までツンデレっぽくなってきてしまった!
・・・どうすれば、紅莉栖との距離を縮められるだろうか)
―――人の子よ、今の願いは、そなたのものか?―――
ああ、俺の希望を心の中でブチ撒けただけだ。
―――・・・ふむ、面白きカケラを見つけた。どう紡いでくれるやら―――
紡ぐ?お前は誰だ。
―――ふふふ、この男ならば、出口のない迷路に突破口を見出すやもしれぬ―――
耳の奥がチクリと痛み、そのまま、岡部は意識を失った。
8 :
メリー紅莉栖ちゃん
9 = 1 :
紅莉栖(はぁ、またやっちゃった。
私だって岡部と話したいことは山のようにあるわよ。命の恩人だもの。
あの時、私の代わりに死んじゃうかもしれないって、泣いたもの。
それに、岡部のこと、ちょっと・・・いいな、って思ったもの。
でも恋なんてしたこと無いから、どうしてもけんか腰になっちゃう。
ラボに来る理由は洋書を読むため?1ページも頭に入ってないわ。
ラボメンだからラボに来る?岡部のいない時には来たことないわよ。
・・・もっと、自分に、素直になりたい)
―――へぇ、あんたの頭の中、意外とお花畑なのね―――
ええ、生憎これでも18歳よ。人並みに乙女回路は内蔵されてるわ。
―――・・・あいつ、なんでこんなやつらを選んだのかしら―――
失礼ね。勝手に人の心の中覗き見といて。そもそも誰よ。
―――まぁ、退屈しのぎにはなるかしら。どうせくだらないコメディでしょうけど、くすくす―――
耳の奥がチクリと痛み、そのまま、紅莉栖は意識を失った。
10 = 1 :
「・・・いちゃん、おーい、お兄ちゃんたちー」
岡部「んが・・・いつの間にか眠って・・・」
紅莉栖「ん・・・あれ、いつの間に眠って・・・」
「気持ちよさそうに寝てる所悪いけど、ここ、終点ですんね」
岡部「しゅうてん?しゅうてん、しゅうてん・・・」
視界が明瞭になると、眼前には人のよさそうなおじさんが笑顔で肩を叩いていた。
「お二人、アベックさん?こらまたえらいべっぴんさんね」
岡部「え、えーと、あれ?どこだ、ここ」
紅莉栖「・・・バス?え?何で?さっきまでラボに」
「ほら、外の空気吸って目さましぃ。今日は絶好の散歩日和よ」
岡部「あ、はい、降ります。えーと、料金は・・・」
「100円」
載った記憶の無いバスに、全財産の1/8を払う羽目になるとは。
紅莉栖「・・・ねぇ、岡部」
岡部「ん?」
紅莉栖「・・・私、財布持ってきてない」
11 = 1 :
「何もないけど、景色は抜群ですんね。ゆっくりしていき、もっともこれが最終バスだけど。あっはっは」
古めかしいバスは、真っ黒な排気ガスを撒き散らしながら走り去った。
岡部「・・・全財産の1/4を失った」
紅莉栖「あとで倍にして返すってば」
岡部「絶対だぞ。・・・ところで、なんなんだ。一体」
紅莉栖「もしかして、あんたも?」
岡部「ああ。ソファーに座って一息ついたら、何かが聞こえて、気付いたらここにいた」
紅莉栖「私も全く同じ。夢・・・ではなさそうね」
岡部「かといって現実だと言われると余計に疑問だ。今は何時だ」
携帯を取り出す。見慣れたマークが、ない。
岡部「3時か。さほど時間は・・・あれ、圏外か」
紅莉栖「私のも」
岡部「相当田舎とみえる」
紅莉栖「そうね。どっちも圏外なんて」
12 = 1 :
岡部「ここにいてもアレだ。とりあえず歩くか」
紅莉栖「っていってもどっちに?」
岡部「ここが終点といっていた。ということは、戻っていけば中心部に向かうと思う」
紅莉栖「そういう勘だけは働くのね」
岡部「”だけ”は余計だ。行くぞ」
・
・♀
・
・♀
・
・♀
・
紅莉栖「一向に景色が変わらない件について」
岡部「だ、だがバス停は3つ通り過ぎただろう?大丈夫だ、多分」
紅莉栖「はぁ。暑くなってきた。上着脱ごう」
岡部「ほら、貸せ。持ってやる」
紅莉栖「あら、気が利くじゃない」
13 = 1 :
紅莉栖「・・・あっつい」
岡部「・・・さすがに俺も暑い」
さらに30分。時刻は4時にさしかかる。ひぐらしの鳴き声も聞き飽きてきた。
岡部「お、車の音だ。おーい!」
岡部の呼び止めに、後方からやってきた黒いセダンは二人の前で止まった。
「いかがなさいました?」
岡部「あ、いや、すいません、えーと、この先、中心部まであとどれくらいかかりますでしょうか?」
「そうですね。歩いてでしたら15分ほどでしょうか。お急ぎでしたらお送りしますが」
岡部「あ、いえ、大丈夫です。問題ないです」
「そうですか。ではお気をつけて」
黒いセダンはまたゆっくりと発進していった。
紅莉栖「・・・よく止められたわね、あんなの」
岡部「今のは怖かった・・・怖かったぞ」
14 = 8 :
投下速度早すぎで猿っちゃいそう
16 = 1 :
詩音「今の人たち、完全にビビってましたよ。あんたの顔見て」
葛西「親切に対応したつもりだったんですが」
詩音「”ホンモノ”のオーラが出てるんですよ。あんたからは」
葛西「・・・ところで、なぜこんな所を歩いていたんでしょう」
詩音「終点まで行っちゃったんじゃない?つまんないド田舎の風景が続いて、飽きて居眠りしたんでしょ」
葛西「・・・」
どう返答していいか分からず、葛西はポリポリと頬をかいた。
詩音「でもなんでわざわざこんなド田舎まで来たのかしら?」
葛西「男性のほうは白衣を着用なさってました。入江先生のお知り合いなのでは」
詩音「ああ、納得。見るからにひ弱そうでしたもん。きっとどこかの医者か科学者ね」
葛西「・・・」
17 :
このクロスはあると思ってた
支援
18 = 1 :
岡部「・・・あった・・・」
歩き始めてから1時間と少し。ようやく寂れた商店街の姿が見えてきた。
紅莉栖「・・・遠かった・・・」
運動とは無縁に近い二人には、子一時間におよぶ道のりですら過酷なものであった。
紅莉栖「喉渇いた。何かお店やってないかしら」
岡部「そうだな、どこかで休憩したいところだ」
精肉店、八百屋、豆腐屋。雑貨屋、理髪店。
道路も舗装はなく、均された砂利道。
昔ながらの商店街の雰囲気に、平成生まれの二人がピンと来るはずも無い。
紅莉栖「映画やドラマのセットみたい」
岡部「昭和はこんな風景がザラだったのかもしれんな。お、商店発見」
19 = 1 :
岡部「ドクペは・・・ないだろうな」
紅莉栖(あっ)
清涼飲料水の陳列された棚を眺めながら、紅莉栖は思い出した。
私、財布ないんだった。
この貧乏大学生に借りることも考えたが、後々ネチネチ文句を聞かされるのも嫌だ。
紅莉栖(いいわよ。我慢するわよ。公園で水飲むわよ)
買えない物を眺めても空しくなるだけなので、一足先に商店を出た。
紅莉栖「・・・いい天気」
突き抜けるような晴天にひぐらしの鳴き声は初夏を髣髴とさせる。
紅莉栖(・・・今、9月末よね?なんでセミが鳴いて・・・)
ペタリ。
20 :
面白い
21 :
いいゾ~これ!
22 = 1 :
紅莉栖「ひゃうっ!!」
岡部「どこから声を出している」
紅莉栖「え、今、首に冷た、え、それ何?」
岡部が細長いガラス瓶を差し出している。
岡部「ラムネだ」
紅莉栖「ラムネ?ラムネ・・・ラムネ」
岡部「知らないのか?これだからメリケンセレブは」
紅莉栖「き、聞いたことくらいあるわよ!なんかジュースみたいなのでしょ!」
岡部「聞いたことしかないのか。ほれ、受け取れ」
紅莉栖「え?くれるの?あんたが?」
岡部「喉が渇いたのだろう?くれてやる」
紅莉栖「え、でも私お金・・・」
岡部「くれてやると言っただろ。70円くらい構わん」
紅莉栖「・・・サンクス」
23 = 1 :
商店から数分、小さな公園のベンチに腰掛けた。
紅莉栖(・・・)
飲み方が分からない。キャップを開けようとしてもびくともしない。
岡部「そうか、知らないか。見本を見せてやる、このキャップで、勢いよくビー玉を中へ押し込む!」
カシャン!シュワー!ダバー。
岡部「な?」
紅莉栖「すごく・・・こぼれてます・・・」
岡部「昔から成功したためしがない」
紅莉栖「別にそこまで力まなくても・・・えいっ」
カシュ。・・・
紅莉栖「ね?」
岡部「くっ」
24 :
つ①①①①
25 = 1 :
紅莉栖「でもなんでビー玉でフタしてるの?普通のキャップでいいじゃない」
岡部「100年以上前からある飲み物だ。密封する技術が乏しかったのだろう」
紅莉栖「なるほどね。でもこれじゃ飲むときに引っかかっちゃって全然飲めない」
岡部「スネーク、その凹みにビー玉を引っ掛けるんだ」
紅莉栖「誰がスネークか。・・・あ、飲めた。おいしい」
岡部「昔はこのビー玉をよく集めたな」
紅莉栖「取れるの?これ」
岡部「取れなければどうやって入れるのだ。キャップをはずせばいい」
紅莉栖「でもこれ、開かなかったけど?」
岡部「ペットボトルなんかとは違って、逆ねじになっている」
時計回りにを捻ると、いとも容易くキャップは回った。
岡部「誤って開けない為の配慮だろう」
紅莉栖「へぇ。でもこのビー玉、集めてどうするの」
岡部「特に意味はない。そういえばビー玉を打ち出すおもちゃなんかもあったな」
摘出を終えたビー玉を、白衣のポケットへしまった。
27 :
ビーダマンなついな支援
28 = 1 :
休憩も終わったところで何をしていいのかわからない。とりあえず歩く。
紅莉栖「ん、ちょっと止まって」
岡部「どうした?」
紅莉栖「・・・」
数メートル先の地面を、目を細めじっくりと眺め始めた。
紅莉栖「やっぱり。ピアノ線が張ってある」
岡部「ピアノ線?なんでこんな所に」
紅莉栖「イタズラ・・・にしては悪質ね」
物陰に隠れていた少女は、思いも寄らぬ通行人に焦っていた。
沙都子「ま、マズイですわ・・・あの方達が先に引っかかってしまっては・・・!」
圭一「くっそー、どこだ沙都子ー」
29 = 21 :
いいゾ~これ!
30 :
>>25
このビー玉が伏線となるのか…
31 :
シュタゲ全く知らんけど紫煙
32 = 1 :
岡部達の背後から、中学生らしき少年が周りを見渡しながら走ってきた。
紅莉栖「あっ、そこ、ピアノ線・・・!」
圭一「へっ?のわぁっ!」
間一髪、15cm程の高さに張られたピアノ線を飛び越えた。
圭一「あ、あいつめ・・・!ただじゃおかねぇ!すいません、ありがとうござ
苦笑いを浮かべながら礼を述べた少年が、突然視界から消えた。
ほぼ同時に、物陰から一人の少女が飛び出す。
沙都子「ヲ、ヲーッホッホッ!忠告を受けながらも2重トラップに引っかかるようではまだまだ甘いですわよ!」
圭一「くそ、落とし穴とは古典的な・・・待てコラァー!」
真っ黒く汚れた少年が、チョコマカと走り去る少女を追いかけていった。
岡部「なんだ、今のは」
紅莉栖「田舎ではよくあること・・・ではないわよね」
33 = 1 :
はぅ~
岡部「?」
紅莉栖「どうかした?」
岡部「いや、遠くから変な声が」
はぅ~
紅莉栖「え、何これ」
はぅ~
岡部「お、おい、あそこ」
粗大ごみの集積場だろうか、奇声を発しながら鉈を振り下ろす少女。
はぅ~
紅莉栖「こ、こわぁ・・・」
岡部「いいか、俺達は何も見ていない。そうだな?」
紅莉栖「ええ、何も見ていない」
35 = 1 :
あてもなく町内をフラフラ歩き回っていると、左手に、長く続く上り階段が見えた。
紅莉栖「古手神社ですって。とりあえず行ってみる?」
岡部「階段か・・・」
紅莉栖「なによ、男でしょ。少しくらいは意地を見せ・・・」
彼があの時意地を見せたから、私は今、こうやって―――
紅莉栖「・・・行ってみましょうよ」
岡部「まあ、他に行くあても無いが、正直しんどい」
「みぃ?」
聞きなれない、いや、聞いたことが無いわけでもないような声。
梨花「どうかしたのですか?」
羽入「あ、あぅぅ」
36 = 21 :
いいゾ~これ!
37 = 1 :
下校中だろうか。2人の少女が二人を見上げていた。
紅莉栖「あ、ううん、なんでもないの。神社に行ってみようかって話をしてただけ」
梨花「じゃあボク達と一緒に行くのです。景色がとっても綺麗なのですよ。にぱー☆」
紅莉栖「ほら岡部、こう言ってるんだから行くわよ」
岡部「くっ・・・まあいい」
・
・
・
岡部「ゼェ・・・ゼェ・・・」
紅莉栖「あんた、息、切らし、すぎ」
岡部「お前だって、切れかけ、じゃ、ないか」
梨花「二人とも、こっちなのですよー」
岡部「子供は何故体力が無尽蔵なのだろうな」
紅莉栖「・・・言いたくないけど、私達の体力が無さ過ぎるのよ」
38 :
なかなかいいじゃないか
39 = 1 :
紅莉栖「わ、本当にいい景色」
仏閣の脇、4人は展望台から町内を見下ろした。
紅莉栖「あ、ほら岡部あそこ、さっき通った所。あんなに遠くだったのね」
岡部(あの紅莉栖が笑顔ではしゃいでいる)
紅莉栖「どうしたの?」
岡部「ああ、確かにいい画だ」
梨花「ここは何もない所ですが、景色は抜群なのですよ」
岡部「そういえば、ここはなんという地名なのだ?」
梨花「っ」
一瞬、少女の表情が引きつったように見えた。
梨花「ここは雛見沢というのです」
紅莉栖「知ってる?」
岡部「いや、失礼だが初耳だ」
40 = 1 :
梨花「・・・二人は、なぜ雛見沢に来たのですか?」
紅莉栖「まあ、散歩というか、観光みたいなものかしらね」
梨花「そうなのですか。ではボク達は行くのです。さ、羽入、行くのですよ」
羽入「は、はい、なのです・・・」
そういうと梨花は、羽入という名の少女の手をとって神社の裏手へ走っていった。
紅莉栖「・・・なにか気付いた?」
岡部「気になる点はある」
紅莉栖「私も。別れ際の梨花ちゃんの表情見た?」
岡部「俺からは見えなかった」
紅莉栖「一瞬だけどね、すごく神妙な顔をしてたのよ。あんたは何を?」
岡部「これでも俺は大学生だ。だが雛見沢という地名は聞いたことすらない」
紅莉栖「・・・なんか、ひっかかるのよね。ついていってみましょ」
41 = 1 :
神社の裏手。
梨花「さぁ羽入、説明しなさい」
羽入「あうぅ、ボ、ボクには何のことだかサッパリなのです」
梨花「とぼけないで。あの二人、誰なのよ」
羽入「あぅ、だからボクは何も・・・」
梨花「今日はワインのウォッカ割りを飲んでみるのですよー。にぱー☆」
羽入「そ、そんなの飲んだら、ボクは死んじゃうのです!」
梨花「おつまみは、ハバネロのキムチにするのですー♪」
羽入「だ、ダメなのです!絶対ダメなのですー!」
梨花「じゃあ話しなさい」
羽入「・・・怒らないと約束できますか?」
梨花「内容による」
42 = 1 :
梨花「・・・つまり、あの二人のカケラをたまたま拾った」
羽入「はいなのです」
梨花「それを、裾にしまった」
羽入「・・・はいなのです」
梨花「そのことをすっかり忘れて、私のカケラ紡ぎをはじめた」
羽入「・・・はい」
梨花「その時に裾からそのカケラが落ちた」
羽入「・・・」
梨花「そのことに気が付かず、混じったままこの世界が始まった、というわけね。なるほど」
羽入「っ・・・・・・?怒らない・・・のですか?」
梨花「えぇ、怒らないわよ」
羽入「り、梨花・・・!」
梨花「ただ、これからはあんたを全力で見下すことにするわ」
羽入「梨花ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
43 = 21 :
いいゾ~これ!
44 = 1 :
梨花「なに考えてるのよあんた!」
羽入「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」
梨花「うっさい!なんであんたは厄介ごとを増やしてくれるのよ!」
羽入「あうぅ、怒らないって言ったのですー!」
梨花「あんたが実体化した時点で嫌な予感がしてたのよ・・・これが最後なんでしょ」
羽入「・・・もう、次のチャンスはないのです」
梨花「あんたが死んでもきっと終わりよ!なんで敗北条件増やしてるのよ!」
羽入「・・・きっと、あの二人が死んでも終わりだと思うのです」
梨花「はぁぁぁぁああ!?これで敗北条件が一気に4倍になったわよ!死ね!」
羽入「あぅぅ、ひどいのですひどいのですー!」
岡部「賑やかだな」
梨花「っ!」
45 = 1 :
岡部「すまない、盗み聞きをするつもりはなかったが、あまりにも声が大きくてな」
羽入「あぅ・・・」
梨花「っ・・・ボク達は、今度発売される漫画の話をしていたのですよー☆」
紅莉栖「へぇ、ということは、あなた達は漫画の登場人物なのね」
梨花「・・・どこから聞いていたのですか?」
紅莉栖「そ、そんなの飲んだら、ボクは死んじゃうのです! ってあたりから」
梨花「ほぼ最初からじゃないのよ・・・!」
岡部「教えてくれ梨花。お前に、そして俺らに何が起きているのか」
梨花「・・・言ったところで、信じてもらえるはずがないのです」
岡部「信じるさ」
梨花「・・・そういえばまだ名前を聞いてなかったのです」
岡部「岡部倫太郎だ。岡部でいい」
紅莉栖「牧瀬紅莉栖。呼び方は助手とクリスティーナ以外ならなんでもいいわ」
46 :
この書き方、間違いない!
ボスの人キター!
47 = 1 :
梨花「・・・というわけ。今回がきっと最後のチャンス」
岡部「・・・」
紅莉栖「・・・そんなのって・・・」
梨花「どう、信じられないでしょ?無理もないわ」
岡部「・・・そのループを終わらせるためには、何をすればいい?」
梨花「信じられるの?ただの子供の戯言かもしれないのに」
岡部「俺だって似たような経験をしてきた。聞いてくれるか」
脇に腰掛ける紅莉栖へ視線をうつす。
岡部「紅莉栖、申し訳ないが、少しだけ席を外してほしい」
紅莉栖「は?私には聞かせられな・・・わかった。終わったら呼んで」
岡部「すまない。お前にも、話せるときが来たら話す」
岡部の眼差しを受け、紅莉栖は立ち上がり展望台のほうへと足を運んだ。
紅莉栖(・・・あの時と同じ目)
49 = 1 :
岡部「聞きそびれたな。ここはいったい何年なのだ
梨花「昭和58年の6月。西暦でいえば1983年よ」
岡部「・・・やはりな。商店の日めくりカレンダーを見ておかしいと思った」
梨花「岡部はいつのどこから?」
岡部「平成20年、東京だ」
梨花「平成って?」
岡部「ああ、すまない。西暦でいえば2010年だ」
梨花「・・・あんた、どこでカケラ拾ったのよ」
羽入「あぅ・・・」
梨花「岡部は何年生まれなの?この時代ではまだ生まれていないでしょ」
岡部「91年生まれだ。そうか、携帯が繋がらん理由もはっきりした」
梨花「けいたい?」
岡部「そうか、これも知らないのだな」
50 = 1 :
梨花「これが・・・電話だっていうの・・・?」
羽入「すごいのです!すごいのです!」
岡部「ほら、カメラにもなる」
梨花「ほおおぉぉ・・・」
岡部「そういや、この時代にテレビゲームはあるか?」
梨花「え?ああ、ファミリーコンピュータっていうのが来月出るわね」
岡部「ファミコンか。名機だ。だが」
ニヤリと不適な笑みを浮かべる。
岡部「未来では、まるで実写と見まごうほどの美しい映像でテレビゲームができるぞ」
梨花「っ!・・・岡部、私達に力を貸して」
岡部「生きる希望が湧いたようだな。だが、ひとつ条件がある」
梨花「・・・何?」
岡部「そろそろ俺の話を聞いてくれ」
羽入「話が脱線しすぎなのです」
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