私的良スレ書庫
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元スレまどか「ほむらちゃんが泣いてる……」
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ほむら「……保健室、行かなきゃ」
まどか「あ、うん……」
目を、逸らされる。
まどかの手を掴んだまま。
◆
保健室には、相変わらず誰もいなかった。
まどかは、保健の先生はこの時間帯、いつも職員会議でいないのだと数日前早乙女先生に
聞かされたことを思い出した。
まどか「ほむらちゃん、ごめんね?」
ほむら「構わないわ」
以前のように、黙々とまどかの傷を手当するほむら。
こそばゆいような気持ちになるけれど、足の痛みが勝って声は沈んでしまう。
まどか「(……今、謝らなきゃ。さっきのことだけじゃなくって、昨日のことも、その前のことも)」
ほむら「……これで大丈夫」
まどか「あ、ありがと」
まどか「あ、うん……」
目を、逸らされる。
まどかの手を掴んだまま。
◆
保健室には、相変わらず誰もいなかった。
まどかは、保健の先生はこの時間帯、いつも職員会議でいないのだと数日前早乙女先生に
聞かされたことを思い出した。
まどか「ほむらちゃん、ごめんね?」
ほむら「構わないわ」
以前のように、黙々とまどかの傷を手当するほむら。
こそばゆいような気持ちになるけれど、足の痛みが勝って声は沈んでしまう。
まどか「(……今、謝らなきゃ。さっきのことだけじゃなくって、昨日のことも、その前のことも)」
ほむら「……これで大丈夫」
まどか「あ、ありがと」
保健室ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
まどかの足に触れていたほむらの手が離れてしまう。
少しだけ、名残惜しいような。
ほむら「教室、戻れる?」
チャイムはもうとっくの昔に鳴ってしまっていた。
今日はさやかたちが早乙女先生に、保健室に行っていると伝えてくれているはずだ。
だからまどかは首を振る。
まどか「……足、痛いから」
少しだけ、わがまま。
本当はそんなに痛くなんてない。けれど、伝えなきゃいけないことがあるから。
きっと今を逃してしまったら、結局何も言えなくなってしまいそうで。
ほむら「……そう」
まどか「ほむらちゃんも」
鞄を持ち上げかけたほむらの動きが止まる。
まどかは、ほむらの顔を見れずに俯きながら。それでも、行かないで欲しくて。
まどかは言う。
まどか「ほむらちゃんもね、一緒に……いてくれないかな」
少しだけ、名残惜しいような。
ほむら「教室、戻れる?」
チャイムはもうとっくの昔に鳴ってしまっていた。
今日はさやかたちが早乙女先生に、保健室に行っていると伝えてくれているはずだ。
だからまどかは首を振る。
まどか「……足、痛いから」
少しだけ、わがまま。
本当はそんなに痛くなんてない。けれど、伝えなきゃいけないことがあるから。
きっと今を逃してしまったら、結局何も言えなくなってしまいそうで。
ほむら「……そう」
まどか「ほむらちゃんも」
鞄を持ち上げかけたほむらの動きが止まる。
まどかは、ほむらの顔を見れずに俯きながら。それでも、行かないで欲しくて。
まどかは言う。
まどか「ほむらちゃんもね、一緒に……いてくれないかな」
ほむら「……まどか」
まどか「お願い、ほむらちゃん」
嘘だ。
たぶん、違う。謝りたいわけじゃ無い。行かないで欲しいわけでもない。
行って欲しい、とどこかで願ってる自分もいる。行かないでと思う自分もいる。
わからなかった。頭の中がぐちゃぐちゃで。
ただ本当に、一緒にいたい。
それだけなのかも知れない。
ほむら「……えぇ」
トスッ
保健室の固いソファーの右端に、ほむらは腰を下ろした。
まどかが座る左端と、ほむらの座る右端。
空いてしまっている真ん中が、今のまどかとほむらの距離をそのまま表しているようで。
まどか「……あのね、ほむらちゃん」
それを意識したくなくって、まどかは口を開いた。
何の前置きもなく、「ごめん」と謝る。
まどか「お願い、ほむらちゃん」
嘘だ。
たぶん、違う。謝りたいわけじゃ無い。行かないで欲しいわけでもない。
行って欲しい、とどこかで願ってる自分もいる。行かないでと思う自分もいる。
わからなかった。頭の中がぐちゃぐちゃで。
ただ本当に、一緒にいたい。
それだけなのかも知れない。
ほむら「……えぇ」
トスッ
保健室の固いソファーの右端に、ほむらは腰を下ろした。
まどかが座る左端と、ほむらの座る右端。
空いてしまっている真ん中が、今のまどかとほむらの距離をそのまま表しているようで。
まどか「……あのね、ほむらちゃん」
それを意識したくなくって、まどかは口を開いた。
何の前置きもなく、「ごめん」と謝る。
ほむら「……どうして、まどかが」
まどか「だって、私……。昨日も、一昨日も、ほむらちゃんに変なことしちゃったって」
やっぱり顔は見れない。
今ほむらがどんな表情で自分を見ているのか、まどかは考えたくも無いと思う。
ただ早く謝って、それでもう一度友達として――そう言ってしまわなきゃ自分が
おかしくなってしまいそうだった。
好きな女の子と、二人だけの保健室。
冷静でいられるはずがない。
やっぱり、こんなときに「好き」だと感じてしまう。
まどか「(……私、最低だ)」
ほむら「……そんなこと、ない」
まどか「あるよ。急にその……抱き、ついちゃったりして……ほむらちゃんが、
私を突き飛ばしたのだって当たり前だなって、思うし……」
まどか「だって、私……。昨日も、一昨日も、ほむらちゃんに変なことしちゃったって」
やっぱり顔は見れない。
今ほむらがどんな表情で自分を見ているのか、まどかは考えたくも無いと思う。
ただ早く謝って、それでもう一度友達として――そう言ってしまわなきゃ自分が
おかしくなってしまいそうだった。
好きな女の子と、二人だけの保健室。
冷静でいられるはずがない。
やっぱり、こんなときに「好き」だと感じてしまう。
まどか「(……私、最低だ)」
ほむら「……そんなこと、ない」
まどか「あるよ。急にその……抱き、ついちゃったりして……ほむらちゃんが、
私を突き飛ばしたのだって当たり前だなって、思うし……」
ほむら「あれは……その」
まどか「避けられるのだってわかるよ。……だから、ごめんなさいなの」
ほむら「……」
ほむらの声が、聞こえなくなった。
何の音も、しなくなった。
まどかは、そっと隣を窺う。
ぎゅっとスカートを握り締め、ほむらは俯いていた。
まどか「……ほむらちゃん」
ほむら「まどかの、せいじゃない」
まどか「え?」
ほむら「……私、嫌じゃなかった、のに」
震えた声。
真っ黒な髪が、俯いているほむらの耳から滑り落ち、表情を完全に隠してしまう。
まどか「……」
まどか「……それなら、また……仲良くしてくれる?」
まどか「避けられるのだってわかるよ。……だから、ごめんなさいなの」
ほむら「……」
ほむらの声が、聞こえなくなった。
何の音も、しなくなった。
まどかは、そっと隣を窺う。
ぎゅっとスカートを握り締め、ほむらは俯いていた。
まどか「……ほむらちゃん」
ほむら「まどかの、せいじゃない」
まどか「え?」
ほむら「……私、嫌じゃなかった、のに」
震えた声。
真っ黒な髪が、俯いているほむらの耳から滑り落ち、表情を完全に隠してしまう。
まどか「……」
まどか「……それなら、また……仲良くしてくれる?」
あと15分でゼミの発表なのにこのSSが気になってしょうがない
どうしてだか、まどかの声まで震えてしまって。
ちゃんと、言えたはずなのに。これで最後まで言ってしまえば、それでいいはずなのに。
ほむら「……仲良く」
まどか「うん」
ズキズキと、嫌な痛みに変わっていく。
足も、心も、身体全体が痛みの発生源になったようだった。
まどか「友達として、仲良くしてくれたら、嬉しいなって」
ふぁああああんせつないよおおおおおおおおおおふぇえええええええん;;
ぽろっ
まどか「……あれ?」
まどか「……なんで」
涙が。溢れてきて。
どうしていいかわからないくらい、止まらなくなって。
ほむら「……まどか?」
まどか「ち、違うの!これは……目、目に何か入ったのかなあ、おかしいや、私」
ほむら「……まどか」
必死に、取り繕う。
へへっと、いつものように笑ってみる。だけど、涙は止まらない。
まどか「(……なんで。私、ちゃんと昨日、決めたくせに――こんなのって、ないよ)」
まどか「(ほむらちゃんだって、困った顔して……)」
お互い、動けなかった。
見詰め合った状態のまま、ずっと。
まどかの涙だけが、唯一時間が止まっていないことを示すもので。
チャイムが、鳴る。
一時間目の終わりだった。
まどか「……ごめん、急に私」
ほむら「……まど」
まどか「トイレで目、洗ってこなきゃ!」
立ち上がる。
また、逃げてしまう。耳を塞いで、ほむらの声も、何も聞こえない振りをして。
まどかは鞄も持たずに、痛む足を酷使して保健室を走り出た。
まどか「(ほむらちゃんだって、困った顔して……)」
お互い、動けなかった。
見詰め合った状態のまま、ずっと。
まどかの涙だけが、唯一時間が止まっていないことを示すもので。
チャイムが、鳴る。
一時間目の終わりだった。
まどか「……ごめん、急に私」
ほむら「……まど」
まどか「トイレで目、洗ってこなきゃ!」
立ち上がる。
また、逃げてしまう。耳を塞いで、ほむらの声も、何も聞こえない振りをして。
まどかは鞄も持たずに、痛む足を酷使して保健室を走り出た。
途中、誰かと擦れ違った。
たぶん、クラスメート。
「え?鹿目さん?」
「大丈夫?」
そんな声が聞こえた気がした。
だけどまどかは振りかえらなかった。
まどか「(何で私、こんなに弱いんだろう……バカみたい、どうしてこんなことで)」
ぐっと拳を握り締め。
自分を殴り倒してしまいたくなる。このまま、死んでしまいたくなる。
トイレに駆け込み、ドアを閉める。
カチャリと音がして、漸くまどかは全ての動きを止めて。力を、抜いて。
その場に崩れ落ちるようにして座り込んだ。
たぶん、クラスメート。
「え?鹿目さん?」
「大丈夫?」
そんな声が聞こえた気がした。
だけどまどかは振りかえらなかった。
まどか「(何で私、こんなに弱いんだろう……バカみたい、どうしてこんなことで)」
ぐっと拳を握り締め。
自分を殴り倒してしまいたくなる。このまま、死んでしまいたくなる。
トイレに駆け込み、ドアを閉める。
カチャリと音がして、漸くまどかは全ての動きを止めて。力を、抜いて。
その場に崩れ落ちるようにして座り込んだ。
バカみたい、ともう一度思う。
きっと、本当におかしくなってしまったのだ。これがゲームで、何かのバグなら
やり直せるのに。やり直したいのに。
あの時、ほむらの泣き顔なんて見なければ。
必死に我慢したって、涙は次々と零れ落ちていき。
我慢することさえ放棄した今はもう、ただ涙を流すためだけに生きているような。
声だけは、漏らさないように。誰にも、気付かれないように。
まどかは泣き続けた。
十分休みが終わり、二時間目のチャイムが鳴る。
泣き疲れて、涙はもう出てこない。けれど気持ちはずっと、悲しいままで。
まどか「(あんなとこ見られたら、変な子だって思われて……きっともう、友達にもなれないよ)」
呆とした頭で、まどかは思う。
教室に戻る勇気はなかった。どうしよう、そんなことを考えていると、突然声がした。
「あの、暁美さん!」
まどか「(え……ほむらちゃん?)」
きっと、本当におかしくなってしまったのだ。これがゲームで、何かのバグなら
やり直せるのに。やり直したいのに。
あの時、ほむらの泣き顔なんて見なければ。
必死に我慢したって、涙は次々と零れ落ちていき。
我慢することさえ放棄した今はもう、ただ涙を流すためだけに生きているような。
声だけは、漏らさないように。誰にも、気付かれないように。
まどかは泣き続けた。
十分休みが終わり、二時間目のチャイムが鳴る。
泣き疲れて、涙はもう出てこない。けれど気持ちはずっと、悲しいままで。
まどか「(あんなとこ見られたら、変な子だって思われて……きっともう、友達にもなれないよ)」
呆とした頭で、まどかは思う。
教室に戻る勇気はなかった。どうしよう、そんなことを考えていると、突然声がした。
「あの、暁美さん!」
まどか「(え……ほむらちゃん?)」
どこかで聞いたことのあるような声だった。
確か二年生になったときの一番最初の席で、隣だった。
それより、どうして授業中に。
そこまで考え、まどかははっとする。確か二時間目は体育の授業で、着替えてから
トイレで身嗜みチェックをする子もいる。
ここにいることがばれたらまずい――そうはわかっているけれど。
「……何か?」
「あの、こんなとこでごめんなさい。だけど……中々暁美さんが一人でいるところ、
見ないから……。今じゃなきゃ、どうしてもだめなの。話、聞いて欲しい」
飛び出してしまいたい衝動に駆られる。
それを必死に抑えて、まどかは外の話に耳を傾けた。
確か二年生になったときの一番最初の席で、隣だった。
それより、どうして授業中に。
そこまで考え、まどかははっとする。確か二時間目は体育の授業で、着替えてから
トイレで身嗜みチェックをする子もいる。
ここにいることがばれたらまずい――そうはわかっているけれど。
「……何か?」
「あの、こんなとこでごめんなさい。だけど……中々暁美さんが一人でいるところ、
見ないから……。今じゃなきゃ、どうしてもだめなの。話、聞いて欲しい」
飛び出してしまいたい衝動に駆られる。
それを必死に抑えて、まどかは外の話に耳を傾けた。
おっ、意外な展開……!!ほむらちゃんはモテモテなんだろうね!!!
>>545
書いてしまって今更ながら、ほむらはいつも一人だよね
>中々暁美さんが一人でいるところ、 見ないから……。
は教室にいるけれど周囲に人がいるし、学校でもあまり見かけないからというように
解釈しておいてほしい
書いてしまって今更ながら、ほむらはいつも一人だよね
>中々暁美さんが一人でいるところ、 見ないから……。
は教室にいるけれど周囲に人がいるし、学校でもあまり見かけないからというように
解釈しておいてほしい
学校でひとりでいるというより周りを突き放してるってだけで
取り巻いてる人っぽいのはいたと思うが
結構そつなくお断りしてたし
取り巻いてる人っぽいのはいたと思うが
結構そつなくお断りしてたし
「……出来るだけ、手短に」
「わかってる。あのね、でも暁美さん、甘いものとか好きかな?」
「嫌いよ」
「!で、でも、一生懸命作ってきたの、受取って欲しい!」
がさがさと音がする。
誰かが、ほむらに何かを渡しているようだった。
「受取ってくれない?」
「どうして?どうしてあなたはこれを私に渡そうとするの?」
「どうしてって……だって、それは私、あなたのこと、好きだから!」
『でも転校生って意外にモテるよね、女の子に』
不意に、いつか聞いたさやかの言葉が頭に蘇ってきた。
その時、それがどういう意味なのかわからなかった。けれど――
ガクガクと、震えだす。手と、足が。まどかは必死に音をたてないように、
何の話も聞こえないように、耳を塞いだ。
「わかってる。あのね、でも暁美さん、甘いものとか好きかな?」
「嫌いよ」
「!で、でも、一生懸命作ってきたの、受取って欲しい!」
がさがさと音がする。
誰かが、ほむらに何かを渡しているようだった。
「受取ってくれない?」
「どうして?どうしてあなたはこれを私に渡そうとするの?」
「どうしてって……だって、それは私、あなたのこと、好きだから!」
『でも転校生って意外にモテるよね、女の子に』
不意に、いつか聞いたさやかの言葉が頭に蘇ってきた。
その時、それがどういう意味なのかわからなかった。けれど――
ガクガクと、震えだす。手と、足が。まどかは必死に音をたてないように、
何の話も聞こえないように、耳を塞いだ。
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