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    元スレインデックス「好きだよ、あくせられーた」一方通行「…はァ?」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★×9
    タグ : - 1000レス到達 + - とある魔術の禁書目録 + - インデックス + - 一方禁書 + - 一方通行 + - 佐天 + - 化物語 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    101 = 1 :

    番外個体「ぎゃははっ!! まぁた始まったよ!!」

     大口を開けて哄笑しながら、番外個体は次の鉄釘を撃ち出す。
     やはり『反射』は発動しない。『操作』すらも作用しない。
     鉄釘は一方通行の体を貫いていく。

    一方通行「……ァ…」

    番外個体「やぁめなって~!! 一万人も殺しといて今さら何取り繕ってんのさ!! 安っぽいヒロイズム見せられたって、こっちは吐き気がするだけなんだっつの!!」

     撃ち出す。鉄釘が一方通行の右足に突き刺さる。

    番外個体「いい加減気付けよ第一位。あなたのやってるそれはただの自己満足だ。どれだけ献身的に尽くされても、ミサカ達があなたを許すことなんて絶対にないんだから」

     撃ち出す。刺さる。今度は左足。

    海原「やめなさい。やり過ぎです番外個体。自分たちの任務はあくまで足止めであって、始末することではない」

    番外個体「ごめんなさ~い。ミサカ達が受けた痛みの一万分の一でも味わわせてやりたくって~。あ、それじゃ死んじゃうか。きゃははっ」

    絹旗「………」

     絹旗はその服に赤色を次々と染み出させる一方通行の姿をしばらくじっと見つめていたが。
     やがてひとつため息をつくと助手席に戻り、ぼすっと乱暴に腰を下ろした。

    102 :

    きぬはたかわいいよもあい

    103 = 1 :

    絹旗「……こんなもんですか」ボソッ

    海原「どうしました?」

    絹旗「別に……」

    絹旗「………」

    絹旗「…………私と一方通行の間にはそれなりの因縁があったんですよ」ポツリ

    海原「『暗闇の五月計画』……一方通行の演算パターンを参考に『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』を最適化する試み、ですか」

    絹旗「ちっ、やっぱり超知ってやがりましたか。そうです、私はそこの被検体だったんです」

    絹旗「そこで私はそれなりの地獄を味わってきました。体を色々といじくられて……いや、弄ばれてと言った方が超正しいでしょうね」

    絹旗「一方通行っていう超桁外れの怪物がいなければ、こんな目に遭わなくてもすんだのに……って思うことも、あったんですよ」

     そこまで言ってから、絹旗はチラリと後ろに目を向ける。
     赤く染まり、無様にうなだれて顔も上げない一方通行の姿を見る。

    絹旗「……もう少し、こう、超スカッとするもんだと思っていたんですけどね」

    104 = 102 :

    もあいもあいもあいちゃん!

    支援

    105 = 1 :

    番外個体「あ」

    絹旗「え?」

     番外個体の間抜けな声に、絹旗は前に戻した視線を再び後ろに戻す。
     一方通行が、ボンネットの上にゆっくりと立ち上がろうとしていた。
     にたぁ、と番外個体の口の端が吊りあがる。

    番外個体「そうこなくっちゃ。撃っていいよね?」

    海原「……向こうが戦闘の意思を失くさないようでしたら、仕方ありません」

    番外個体「じゃあ遠慮なくッ!!」

     番外個体の手から鉄釘が発射される。
     やはり『反射』は発動しない。
     が、一方通行に鉄釘が突き刺さることも無い。

    番外個体「あん!?」

     止まっている。一方通行の皮膚に触れた時点で、鉄釘はその場に留まっている。
     時が止まってしまったかのように動きを止めた鉄釘を、一方通行は悠然と掴み取った。

    絹旗「んなッ!? もう『対応』したっていうんですかッ!?」

    番外個体「ちょっと!! 早すぎるでしょお!?」

     絹旗と番外個体は同時に悲鳴のような声を上げた。

    106 :

    お前らが必死に麦野の死体を集めまくったスレか
    支援

    107 = 102 :

    もあいちゃんペロペロ

    支援

    108 = 1 :

    一方通行「よォ、番外個体」

    番外個体「……なに?」

    一方通行「ひとつ、オマエの愉快な勘違いを正してやる」

     一方通行は、迷いのない瞳で番外個体を射抜く。

    一方通行「俺は、ただの一度たりとも、テメエらに許しを請うた覚えはねェ」

    番外個体「……ッ!!」

    一方通行「許されねェことなンて知ってンだよ。許されるなンて思ったこたァねェンだよ」

     罪滅ぼしなんてつもりは毛頭ない。その程度で滅ぼされる罪だなんて思っちゃいない。

    一方通行「オマエの言うとォりだぜ、実際。俺は俺のために、俺の自己満足のためだけに、テメエらを救い続けるって決めてンだよォ!!!!」

     もうその瞳には一片の迷いも無く。
     一方通行は、二本の足でしっかりとその場に立ち上がった。

    109 = 1 :

    番外個体「いけしゃあしゃあと…! この恥知らずがッ!!」

     番外個体は再び鉄釘を放つ。
     何本も何本も、息つく暇も無く、連続で。
     しかし無意味。全ての攻撃は一方通行に届かない。

    番外個体「クッソ!!!!」

    海原「これはいけませんね。絹旗さん、運転を代わってください」

    絹旗「はぁ!? あ、ちょ!!」

     絹旗の返事も聞かず、海原は運転席を立ち上がり後部座席に移動する。

    絹旗「ちょおー!! ちょ!! 超無理ですよ私運転したことなんて超ないです!!」アタフタアタフタ

    海原「右がアクセル、左がブレーキ、道順はナビに従えば迷うことはありません」

    絹旗「足届かないー!! シート動かすのはどうするんですかーー!!」ギャー!

     海原はその手に学生鞄ほどの大きさの石版を持っていた。
     一方通行の背中に風が集中している。
     怪物が、今にも襲い掛からんとしている。
     だが、海原の顔に焦りはない。

    海原「それでは苦労してこの身に収めた『原典』の力を試させていただきましょうか」

    絹旗「前見えないーーー!!!! シート高くすんのどれーーーーー!!!?」ギャー!ギャー!

    110 = 102 :

    あぁやべぇもあいちゃんかわいすぎるわ

    111 = 3 :

    さいあいちゃんペロペロ

    112 = 1 :

     海原がポケットから取り出した物を見て、番外個体はうえ、と顔を歪めた。

    番外個体「なにそれ? 骨? うわうわ、あなたってそっち系の趣味の人なワケ?」

    海原「そんな目で見るのはやめてくださいよ。結構傷つきます。心配しなくても人骨じゃありませんよ」

     言って、海原は手のひらでその5cm程の大きさの骨片を転がす。

    海原「これは『ウサギの骨』です」

    番外個体「ウサギぃ?」

    海原「自分の所有する二つの原典のうちのひとつ、『月のウサギ』。その迎撃用記述内容は『長距離射撃』。つまり、この骨は弾丸なんですよ」

     ドゴン! という凄まじい轟音と共に閃光が生まれた。
     海原の手の中から生まれたその閃光は一直線に一方通行を襲う。
     しかし、先程の番外個体の一撃と同じように、撃ち出された『ウサギの骨』は一方通行の皮膚に触れた時点でその動きを止めた。

    一方通行(ッ!? どォいうこった!!)

     だが、一方通行の顔に生まれたのは焦り。
     この攻撃を仕掛けてきたのは番外個体ではなく、得体の知れない男のほうだ。
     故に、一方通行は反射を発動させている。
     発動させているのだ。なのに。

    一方通行(反射の膜に触れてンのに……こっちに“食い込ンで”きやがる!!!!)

     ズブリ、と『ウサギの骨』が一方通行の体に抉り込んだ。

    113 = 1 :

     一方通行は自分の体に抉りこんできたソレの解析に取り掛かる。
     瞬間――凄まじい頭痛が一方通行を襲った

    一方通行(クッソが……! コレも魔術って代物かよッ!!)

     駄目だ。解析出来ない。ベクトルを操作することが出来ない。
     ウサギの骨はどんどん一方通行の体に食い込んでくる。

    一方通行「がァァァッ!!!!!!」

     一方通行は無我夢中で『反射』を適用させた。
     もう、そうする他に手段がなかった。
     第十二学区の研究所で魔術師と相対した時と同じように、ウサギの骨は明後日の方向へと飛んでいく。

    一方通行(クソッ!! 反射じゃ駄目だ!! 流れ弾が番外個体に当たっちまう可能性がある!!)

     なのに、『操作』はきかない。だからといって反射を解くことも出来ない。海原の放ってくる一撃は、直撃すれば即死してもおかしくない威力なのだ。
     八方塞。打つ手なし。動けば撃つと、海原の瞳はそう言っている。

    番外個体「えっげつなーい」

    海原「これでも、本来の威力の数万分の一以下なんですがね。やはり魔術的な意味を何も持たない、そこらの山にいるウサギの骨じゃ、これくらいが限界ですか」

     そう言って、海原は一方通行を見る。
     もう最強の風格など欠片もなく、ただただ焦燥に駆られる一方通行を。

    海原「まあ、それでも十分なようですけれどね」

     そんな海原の声が届いたからかは知らないが。
     ぶちん、と一方通行の頭の中で何かが切れた。

    114 = 102 :

    我が輩出ていかねばならぬ
    もあいちゃん全力で頑張って

    115 = 1 :

    一方通行「づおおォォォォォおおおおおおおおらあァァァァああああああああ!!!!!!」

     咆哮と共に、一方通行の背中から黒い翼が噴き出した。

    運転手「は、あ、うぁ」

     その威容に、ワゴン車の運転手はうわ言の様な声を出すばかりで。
     その敵意を真っ直ぐに向けられた番外個体と海原も、体の震えを押さえることが出来なかった。
     明らかな『怯え』をみせる番外個体の姿に、一方通行は少しだけ――ほんの少しだけ、寂しげな笑みを浮かべた。

    一方通行「……チッ…」

     だから――この力は使いたくなかった。
     『ベクトルコントロール』とは違う、ただただ破壊のためだけにあるこの力を、『アイツ等』にだけは向けたくなかった。

     でも、もォいい。もォこうなっちまったらしょうがねェ。
     テメエの無力さのツケだ。
     安っぽいセンチメンタリズムなンぞ捨てちまえ。

    海原「くッ…!」

     海原がウサギの骨を撃ち出す。
     閃光は一方通行の前に躍り出た黒い翼にあっさりと飲み込まれて消えた。

    一方通行「もォいいか? いいなら潰すぞ、害虫ども」

     黒い翼をはためかせ、一方通行が飛翔した。

    116 = 1 :

    番外個体「おうおう、奴さんいよいよマジになっちゃったみたいだよ。どうすんの?」

    海原「搦め手は使い切りましたからね。あとは下種な手を使うしかないでしょう」

     海原はスーツの内ポケットに手を突っ込み、そこに収められていた黒曜石のナイフを取り出した。
     『トラウィスカルパンテクウトリの槍』。海原が本来主戦力として使用していた魔術霊装だ。
     金星の光をナイフで反射させ、不可視の光線として放ち、当たった物を問答無用で『分解』するという強力な魔術。

    番外個体「でも奴さんに当たんのそれ? 反射されちゃわない?」

    海原「ですから、狙うのは彼ではありませんよ。下種な手――です」

     海原は術式を発動させる。
     黒曜石のナイフから不可視の光線が発射され――後ろを走っていた大型のワゴン車を『分解』した。

    運転手「へ? は? うわああぁぁぁぁぁああああああああ!!!!」

    海原「時速160kmを超えているこの状況で、道路に放り出されたら……まあ、死にますよね普通」

     慣性の法則に従い、まったく速度を減じさせないまま、運転手の体がアスファルトに迫る。
     運転手の体が大根おろしのように摩り下ろされようかという瞬間――その僅かな隙間に、一方通行の体が滑り込んでいた。

    海原「そう――だからあなたはそうやって救わざるをえない」

    117 = 1 :

    海原「甘いですねぇ。かつて闇に君臨していた一方通行とは思えないほど甘い」

    番外個体「ゲスいねぇ。人の良心につけこんだ、本当にゲスい手だ。ぎゃははっ。そういうの、ミサカ嫌いじゃないけどさ」

    番外個体「しかしこいつは驚天動地の事実だよ。まさか奴さんに人の良心なんてものが存在していたとはね」

    海原「彼に良心が無ければそもそもこんな鬼ごっこは成立していませんよ」

    番外個体「………」

    海原「さて、これで打てるだけの手は打ちました。あとは予定のポイントまでひたすら全速で逃げるだけです」

    番外個体「あんな風に空まで飛ばれちゃ、到底逃げ切れるとは思えないんだけど」

    海原「それでも、最短距離を進んでいけば何とか間に合う計算ですよ。さて絹旗さん、ご苦労様でした。運転変わりますよ」

    絹旗「………」

    海原「……あれ? 今走ってるのがここ? ん? だって目的地はこっちなんだから……おやおや?」

    絹旗「………」ダラダラダラダラ

    海原「…………絹旗さん?」

    絹旗「だ、だってだってしょうがないじゃないですか!! 運転超初心者の私が右折なんて超高等技術超出来るわけないでしょう!?」

    番外個体「おいおい使えねえぞアイテムぅ~~~」

    絹旗「むっきゃあーーーー!!!! 超トサカにきました!! そのにやけ顔を超叩き直してやります!!!!」ドッタンバッタン!

    118 :

    変態だけじゃなく一方禁書の人まで復活とは…!

    119 = 3 :

    絹旗ちゃんは最後の良心だな

    120 = 1 :

    一方通行「クッソが……!!」

     運転手の体を抱え、速度を殺す。
     慣性を無視して一気に制動をかけることも出来るのだが、その際にかかる反動を無視できるのは一方通行だけだ。
     だから運転手の体に負荷がかからぬよう、段階を踏んで速度を落としていく。

    運転手「は、はう、ふはっ、はぁ、はぁ……い、生きてる…! 生きてた……!」

    一方通行「そりゃ何よりだ。歩道まではテメエの足で歩け。腰が抜けたなンてウゼェ事は言わねェよな?」

    運転手「は、はいぃ……」

     わたわたと歩道まで走る運転手を尻目に、一方通行は番外個体達の乗った車が走り去った方角に目を向ける。
     いない。どこかで道を曲がったのかもしれない。
     とはいえ、直線距離で1200m以上は離れられないのだから、そこまで遠くには行っていないだろうが。
     人質は生きていて初めて人質として成り立つのだ。
     一方通行は少しだけ冷静になった頭で状況を確認する。
     インデックス、打ち止め、ミサカ達のことも気になるが、戻ることは出来ない。
     番外個体達が、一方通行が戻ろうとする動きにまで対応して距離を調節してくれるとはさすがに思えないからだ。
     あちらの方は『超電磁砲』達と上条当麻に任せるしかない。

    一方通行「おい」

    運転手「は、はい!?」

    一方通行「前の車に乗ってた奴等はクチャクチャにしてあとでその辺に捨てといてやる。賠償の請求はその時にしろ」

     一方通行は運転手にそう言い捨ててから、地面を蹴った。
     どこからか聞こえる人を虚仮にしたような呼び声だけを頼りに、一方通行は夜の街を駆け抜ける。

    121 = 1 :

     同刻――上条当麻はようやく一方通行が住居としているマンションに辿り着いていた。

    上条「おっちゃん!! 金ここに置いてく!! 急いでくれてありがとう!!」

    タクシー運転手「あ、あぁ、どういたしまして」

     釣銭をもらう手間ももどかしく、上条はタクシーを降りる。
     周囲に目立った変化はない。
     一方通行の部屋は八階だ。階段を使うか、エレベーターを使うか。

    上条「おおぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおお!!!!!!」

     上条はどちらの手段も選ばなかった。
     右腕から顕現させた『竜王の顎(ドラゴン・ストライク)』を思い切り地面に叩きつける。
     結果、猛烈な反動を得た上条の体が上空に撃ち出された。
     八階まで浮かんだ所で手すりを掴み、マンションの中に体を引き入れる。
     一方通行の部屋はもうすぐそこだ。

    上条「皆、無事かッ!!?」

     そして――息を切らせ、ドアを開けた上条の目に飛び込んできた光景は―――

    122 = 1 :





     ステイルに餌付けされているインデックス。



     テレビゲームに興じるミサカと打ち止め。



     こっちを向いて固まる堕天使エロメイド神裂と大精霊チラメイド美琴。






     そして床に転がって大爆笑している土御門元春の姿だった。


    123 = 1 :

    上条「……何してんの?」

    ステイル「いやいや、違う。僕はただ単純に、お腹をすかせたこの子が哀れでならなかったから給餌の役目を買って出たに過ぎない」

    ステイル「決して、物で釣って気を引くだとか、これを機に何とかして昔の親交を取り戻せないかな~とか、そういう狡いことを考えているわけじゃないんだ」

    ステイル「ほうらインデックス、本場ドイツのミュンヘン名物白ソーセージだぞぅ」

    インデックス「そ、そんな餌でこの私が釣られクマーーーーーー!!!?」


    上条「……何してんの?」

    ミサカ「見ればわかると思いますが、ゲームに興じているところです、とミサカは端的に状況を説明します」

    上条「……ああ、そうだね。任天堂の看板キャラが元気に画面内をグリグリ動き回ってるね」

    ミサカ「ウォウ!」

    打ち止め「ホッホウ!」

    ミサカ・打ち止め「「やっふぅーーーー!!」」

    124 = 1 :

    上条「何してんの? ねえホントに何してんの?」

    美琴「いやーーー!! 見るな見るな見るなーーーー!!」

    神裂「ちちちちち、違うんです!! これは、これはこれは、その、土御門の口車に乗せられて!!」

    土御門「口車って言われてもにゃー。俺はカミやんがこういう服好きだって話をちょろっとしただけだぜぃ? 後は勝手にねーちん達が盛り上がったんだろ」

    美琴「ぎゃわわわわ!! 閉じろ閉じろッ!! その口を閉じろーーーー!!」

    神裂「違うッ!! 違うんですよ上条当麻ッ!! 今土御門が言ったのはまったくの出鱈目!! 嘘偽りです!!」

    上条「うん? いや、実は今土御門の言ったことよく聞こえなかったんだ。何て言ったんだ?」

    美琴「でたよ!! どうなってんのよアンタの耳はッ!! 奇跡か!!」

    土御門「心配するなカミやん。事の顛末は後で必ずメールしてやる」

    美琴「メールってアンタ何を送る気!? 撮ったんか!? まさか撮ったんかおんどりゃぁぁぁあああああああ!!!!」

    土御門「みこちん、年上の男としてひとつだけアドバイスしてやるにゃー。その格好に短パンはねえって」

    美琴「やかましいッ!! データよこせぇぇぇぇえええええええ!!!!!!」

    126 = 1 :

    メシ食ってくる ほぼ24時間ぶりのメシだぜヒャッハァー

    127 = 106 :

    >>126
    お前すげぇようんマジで



    ステイルェ・・・

    128 :

    一通さんは血だらけ傷だらけのシリアスモードなのにw

    129 = 1 :

    再開しまうす
    ペース上げたいけどさるさんが鬱陶しすぎるぜファック!

    131 = 1 :

    上条「はあ……とにかく、何事もなかったみたいでよかったよ」

    土御門「そういえば随分血相変えて飛び込んできたなカミやん。何かあったのか?」

    上条「ああ、すげえ厄介なことになった……土御門がこっちに参加してくれるってんなら正直心強いよ。この場所は神裂に聞いたのか?」

    神裂「え? 上条当麻が彼を応援に呼んだのではなかったんですか?」

    上条「…………ステイル?」

    ステイル「知らないよ。僕じゃない」

     一瞬、嫌な沈黙が部屋を支配した。
     そんな中で、土御門元春だけがいつも通りに飄々と笑っている。

    132 :

    二重スパイっぷりが板についてんな

    133 = 1 :

    土御門「カミやん、ちょっと右手貸ーして?」

    上条「は? お、おい」

    土御門「ほいっと」ペタッ

    インデックス「ふえ?」

     土御門は上条の右手を取り、インデックスの肩を掴ませる。
     キュゥン――! と甲高い音がして、『歩く教会』を失った修道服がストンと床に落ちた。
     インデックスの身に着けていた清楚な白の下着が上下共に露になる。

    インデックス「はう……!」

     インデックスの顔がみるみるうちに真っ赤に染まっていく。

    インデックス「うきゃ、」

     悲鳴を上げる暇は無かった。
     土御門の手刀が首筋に叩き込まれ、インデックスの体が崩れ落ちた。

    134 :

    しえん

    135 = 1 :

     土御門は意識を失ったインデックスの体を抱え上げる。
     玄関に向けて一歩踏み出した所で――ようやく事態の変化に頭が追いついた上条たちが動き出した。

    上条「打ち止め、ミサカ!! お前らは俺の後ろに下がれ!! 美琴、ステイル、神裂!! 土御門を逃がすな!!」

     神裂が出入り口を塞ぎ、美琴とステイルが土御門を取り囲む。
     しかし土御門は焦らない。
     一歩目は布石。
     土御門はくるりと反転すると今度はベランダに向けて駆け出した。

    ステイル「止まれ土御門!!」

    土御門「炎を撃つか? この子に当たるぞ? 電撃も一緒だぜみこちん」

     土御門の言葉にステイルと美琴の動きが一瞬止まる。
     それで十分。土御門は一瞬で二人の脇を抜け、ベランダへと到達する。

    神裂「土御門……どうして!?」

    土御門「腑抜けたかねーちん。まさか俺の魔法名を忘れたとは言わせんぞ」

     『Fallere825』――――背中刺す、刃。

    136 = 1 :

    土御門「んじゃ、ちっとばかし禁書目録は借りてくぜ」

     土御門は柵に足をかけ、そのまま外に飛び出した。

    上条「なッ!? ここ八階だぞオイ!?」

    ミサカ「どいてください、とミサカは射線を確保するため声を張り上げます」

    ミサカ「レッツゴー、ロケットアーム」ボシュッ!

     掛け声と共にミサカの左手が土御門に向かって伸びる。
     そしてその手がインデックスの体を掴もうとした瞬間――土御門とインデックスは一瞬にしてその姿を消した。

    美琴「テレポート!?」

     その現象にすぐに思い当たった美琴はベランダに飛び出し、下を確認する。
     階下では黒いワンボックスカーが今にも走り出そうとしていた。

    美琴「逃がすかぁ!!」

    神裂「私も追います! 上条当麻とステイルはそちらの少女達の護衛を!!」

     ベランダから飛び出し、宙を舞う美琴と神裂。
     落下する二人の前に突如六つの爆弾が出現し、爆発した。

    137 = 134 :

    すえんぅ

    138 = 132 :

    しえん

    139 = 1 :

    上条「美琴ッ!! 神裂ッ!! くそ、無事なんだろうなあいつ等」

     ベランダから階下を見下ろして、上条はギリリと歯噛みする。
     爆煙に隠れて二人の様子は確認できない。
     直接降りて確認しようと玄関に目を向けたところでまたも状況が激変した。
     鍵をしていたはずの玄関をこじ開けて、黒ずくめの戦闘服に身を包んだ男達が部屋に突っ込んでくる。

    上条「なんだこいつら…!?」

    ミサカ「記憶にあります。かつて第四位と共に行動していた非公式工作部隊、確かその名は―――」

    打ち止め「『猟犬部隊(ハウンド・ドッグ)』!! ってミサカはミサカは報告してみる!!」

     部屋に突入してきた男の数は三人。
     ステイルはその手に生み出した炎を男達に投げつける。
     しかし男達は炎をまったく気にする様子もなく突っ込んできた。

    ステイル「何ッ!?」

    上条「何だ!? 服の中に耐熱材でも仕込んでんのか!?」

     ステイルの炎を突破し、先頭にいた男が打ち止めに向かって手を伸ばす。
     その顔に上条の拳が突き刺さった。

    上条「こいつら…狙いは打ち止めか!!」

    140 = 2 :

    未元物質マスクか……
    ていとくんェ……

    141 = 1 :

    フレンダ「結局、この私にかかればこの程度お茶の子さいさいって訳よ」

     上空で上がる爆煙をサンルーフから眺めながら、金髪碧眼の少女―――『アイテム』構成員であるフレンダはにししと笑う。

    結標「何を言っているのかしら。私の『座標移動』あってこその成果でしょう」

    フレンダ「ふん、わかってないわね。あそこまでドンピシャリのタイミングで爆発させるのにどれだけテクが必要か……」

    土御門「くだらん雑談は後にしろ」

    運転席にいる土御門から鋭い声が飛んだ。
    土御門と一緒に転移されてきたはずのインデックスは、今は結標淡希とフレンダのいる後部座席に移されている。

    土御門「後ろに禁書目録が着ていたものと同じデザインの修道服が積んである。いつまでも下着姿じゃ不憫だろう。着せてやれ」

    フレンダ「それは了解したけどさ、何でそんなにピリピリしてる訳? 追っ手は潰したんだから、もっとのんびりしてもいいんじゃないの?」

    土御門「奴等を甘く見るな。『超電磁砲』は恐らく爆発を回避している。もう一人は直撃していてもまともにダメージが通っているかはわからん。奴は少し特別だからな」

    フレンダ「何それ? 体が鉄で出来てたりする訳?」

    土御門「恐らくマグナムが直撃しても死なんぞ。あの女は」

    フレンダ「げりょげりょ。そんなんもう人じゃねーっつの」

    142 = 1 :

    土御門「滝壺理后」

     土御門は助手席に座っていたピンクのジャージ姿の少女―――『アイテム』の構成員、滝壺理后に目をむける。

    滝壺「……なに?」

    土御門「すまんが、能力を使ってもらうぞ」

     言いながら、土御門はシャーペンの芯ケースのようなものを滝壺に渡す。
     ケースの中には『体晶』と呼ばれる粉末の薬が詰められていた。

    滝壺「………」

     滝壺は何も言わずに頷くと、手の甲に出した体晶を舐めとる。
     常に眠たげにまぶたを下ろしていた滝壺の目が完全に覚醒した。

    土御門「海原達の位置特定を頼む。出来れば一方通行の方もな」

    滝壺「……きぬはた達は予定のルートを大きく迂回してポイントに向かってる。南西800の地点に極めて特異なAIM反応……恐らくこれが『一方通行』」

     滝壺の持つ能力、『能力追跡(AIMストーカー)』は対象のAIM拡散力場を記憶し、どこまでも探査・追跡することができる。
     ただし、その使用には体晶という体に相当な負担を強いる薬を服用する必要があり、今も滝壺は体を汗でぐっしょりと濡らし、背もたれにぐったりとその身を預けていた。

    土御門「ご苦労だった。あとはゆっくり寝てていい」

    滝壺「ん……」

    土御門「それにしても、海原達に何かあったか。まさか単純に道を間違えたなんて言わんだろうな」

    143 = 1 :




    フレンダ「ところで土御門」


    土御門「ん?」


    フレンダ「結局、あとは向こうと合流するだけな訳?」


    土御門「そうだな。俺達の目標だった禁書目録の確保には成功した。“ここでするべきことはもうない”。あとは向こうについてからまた働いてもらうぞ」


    フレンダ「ふん、人使いの荒い奴ね」


    144 = 1 :

    ステイル「イノケンティウスッ!!」

     ステイルの呼び声と共に炎の巨人が立ち上がる。
     黒い戦闘服を身に纏った男達は得体の知れない怪物の突然の登場に明らかにうろたえた様子を見せた。

    ステイル「土御門の時は使う暇が無かったがね。もちろんルーンの札は部屋のあちこちに仕込ませてもらった」

     炎の巨人、イノケンティウスの腕が一人の男を掴み上げる。
     顔を隠すマスクの下からくぐもった叫びが漏れた。

    ステイル「さっきは僕としたことがつい敵である君たちに気を使っていたみたいでね。無意識に炎の温度を落としていたんだよ」

     吊り上げられた男が足をばたつかせる。
     首を掴まれた苦痛と、炎の熱さに耐えかねて。

    ステイル「僕の炎の最大出力は摂氏3000度を超える。参考までに教えておくと地球上のマグマで大体800~1200度といったところだ。さて」

     ステイルの顔に酷薄な笑みが浮かぶ。

    ステイル「君の身に着けているそのご自慢の防護服、マグマの海に飲まれても活動できるだけの耐久力を備えているのかい?」

     男のマスクの下から、今度ははっきりとした悲鳴が漏れた。

    146 = 1 :

     猟犬部隊の最後の一人がステイルに向かってナイフを抜いた。

    上条「この野郎ッ!!」

     上条はその男に飛び掛る。振るった拳は男にかわされ、あっさりと空を切った。

    上条「やば…!?」

     がら空きになった上条の顔面に男の裏拳が叩き込まれる。

    上条「が、ふ……!」

    上条(ナイフを使わなかった…!? 殺す気はないのか…!?)

    ミサカ「どいてください、とミサカは射線を確保するため声を張り上げます」

    上条(またロケットアームか!? でも通じるのか!? ナイフでワイヤーを切られちまうんじゃ……!)

     直後、その心配は全くの杞憂であったことを上条は知る。
     ミサカの左腕、その肘関節の部分がガパンと下に折れた。

    ミサカ「レッツゴー、ファイナルインパクト」

     ミサカの掛け声と共に、ぽっかりあいた左腕の空洞から直径5cm程の大きさの鉄球が凄まじい勢いで発射された。
     めきぱきごきゃ、と余り耳によろしくない音と共に鉄球が胸元に食い込み、男はたまらず昏倒する。

    ミサカ「ミッションコンプリート、とミサカは軽やかに宣言します」

    147 :

    ずっと待ってた

    148 :

    なんでもありだなwww

    149 = 132 :

    義手の機能がめちゃくちゃな件

    150 = 1 :

    上条「と、とんでもねえな……」

     吹き飛んだ男を尻目にいそいそと左腕をセットしなおすミサカを見て、上条は苦笑を浮かべる。
     前回の騒動で片腕を失くし、代わりに義手をつけたことは知っていたが―――まさかここまでファンキーな代物をつけてくるとは思わなかった。
     どさり、という音に振り向けば、イノケンティウスが吊り上げていた男が泡を噴いて気絶したところだった。

    上条「なんとか撃退したな」

    ステイル「インデックスをどうする。彼女を救わなければ」

    上条「今は手がかりが何も無い。土御門からの連絡を待つしか……」

    ステイル「そんなもの、連絡が来る保証がどこにある!!」

    上条「連絡は来る。多分……いや、必ず」

     ―――心配するなカミやん。事の顛末は後で必ずメールしてやる。

    上条(土御門……お前は一体何を考えているんだ……?)


     バシュウ! と突然白い煙が部屋全体を覆った。
     見ると、上条によって最初に昏倒された男がスプレー缶のようなものにナイフを突き立てている。
     その煙の正体はすぐにわかった。
     上条たちの体を、耐え難い眠気が襲う。

    上条(しまった……敵が三人ってのは、いくら何でも少ないと……思うべき…だっ……た……)

     まどろみの中で、新たに突入してくる三人の猟犬部隊の姿を捉えながら――――上条の意識は闇に沈んだ。


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