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    元スレインデックス「好きだよ、あくせられーた」一方通行「…はァ?」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★×9
    タグ : - 1000レス到達 + - とある魔術の禁書目録 + - インデックス + - 一方禁書 + - 一方通行 + - 佐天 + - 化物語 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    301 = 239 :

    あいつは人の言うことを聞かないからな・・・

    302 = 225 :

    ああ、エイワスが残ってたか……
    確かにヤバいな

    303 = 1 :

     エイワスの背中で、一方通行の黒翼と対を成すような蒼白いプラチナの翼が輝いていた。
     いや、対を成すなどと、おこがましい。
     ただ破壊の力を悪戯に噴出させている一方通行の黒翼と、破壊の力を凝縮し、洗練したエイワスの翼ではレベルが違う。

    エイワス「んん? 何だこれは?」

     自身の翼を見て、エイワスは何とも素っ頓狂な声を上げた。

    エイワス「自動防御機構…? やれやれ。心配性だな、アレイスター」

    アレイスター「ここまでこぎつけるのに苦労したんだ。簡単に消えられては困るのだよ、エイワス」

     自身の頭の上を飛び越えて行われる会話に、一方通行は激昂する。

    一方通行「舐ァめンなァァァあああああああ!!!!!!」

     黒翼はさらに勢いを増し、凶悪なその力をエイワスに向け―――

    エイワス「やめておいたほうがいい。といっても……もう遅いか」

     エイワスの翼が振るわれた。
     蒼白いプラチナの輝きはあっさりと黒翼を引き裂き、その勢いのまま一方通行の体を通り抜ける。
     ばしゃり、と左わき腹から右肩へ、翼が通り抜けた跡に沿って一方通行の体から血液が零れた。

    一方通行「あ、が、ぐァァァあああァァああアアああアあアああああああああ!!!!!!」

    304 = 1 :

    エイワス「だから言ったのだ。私に君と敵対する意思は無いというのに、この翼は私に敵意を向けるものを問答無用で撃退してしまうらしい」

    一方通行「お、ぐ……!」

     一方通行は自身の血流の流れを操作し、出血を抑え込む。

    一方通行(何だ…? 今、俺は何をされた…!?)

     戦慄。ただそれだけが今の一方通行の感情を支配している。
     木原数多。
     垣根帝督。
     かつて一方通行の『反射』を超え、彼を脅かした者達。
     だが、エイワスの攻撃は木原や垣根が使ってきたものとはまるでベクトルが違う。
     木原も垣根も、『反射』の隙を上手く突いて一方通行に攻撃を届かせていたに過ぎない。
     エイワスは違う。エイワスの翼は『反射』など物ともせずに突っ切ってきた。
     さらにその一撃は極めて強烈。
     たったの一撃で甚大なダメージを負った一方通行はふらつく足を押さえつけるのが精一杯だった。

    一方通行(クソ……どうする……!?)

    エイワス「やれやれ、未だ敵意を失わないか。警告だけはしてあげよう。次に私に殺意を向ければ、その瞬間君は死ぬぞ」

    一方通行「……見下してンじゃねェよ…クソッタレ……!」

    305 = 1 :

    「そこまでだよ、一方通行」

    一方通行「!?」

     背後からかけられた声に、一方通行は振り返り目を見開く。
     そこに立っていたのはアレイスター。
     今の今までカプセルの中に浮いていたはずのアレイスター=クロウリーだった。

    一方通行「テメ…!」

     アレイスターが一方通行の首元に向かって手を伸ばす。
     バチン、とまるでスタンガンを思わせるような衝撃が一方通行を襲った。

    一方通行「か…!」

     何なんだ。意味が分からない。
     スタンガンな訳はない。そんなものはあっさり反射してみせる。
     じゃあ何なんだ今の一撃は。反射が効かない理屈を脳内で提示できない。
     大体、アレイスターは今までカプセルの中で液体に浸かっていたはずだ。
     いつ出てきた。いや、それより、水滴のひとつも付いていないのはどういう了見だ。
     ふざけている。一方通行の中にある常識が一個も通用しない。

    一方通行「ク…ソッ……タレ……」

     薄れていく意識の中、二度と見たくなかったはずの、インデックス、打ち止め、ミサカの泣き顔が、彼の視界を埋め尽くした。

    306 :

    さるよけ

    307 = 1 :

    エイワス「彼を庇ったか。お優しいことだな、アレイスター」

    アレイスター「彼とて私の計画の要だからな。死んでしまうのは非常に困る」

     意識を失い、アレイスターとエイワスの間に崩れ落ちる一方通行。
     うつ伏せに倒れた一方通行の体から、どろどろと血だまりが広がっていく。

    アレイスター「おっと、しまった。血流を制御していたベクトル操作まで断ち切ってしまったか。急ぎ手当てをしなければ」

     アレイスターはそう言って、ずっとその場に立ち尽くしていた結標淡希に目を向けた。

    結標「ひ、あ……」

     目の前で起こっている出来事の次元が違いすぎて、成り行きを見守るしかなかった結標に向かって、アレイスターは口を開く。

    アレイスター「という訳で、私はとても忙しく、君に構っている暇はない」

    エイワス「私は君に興味がない」

    アレイスター「尻尾を巻いて逃げたまえ。もちろん、君がそう望むなら殺してあげるがね」

    308 = 51 :

    某スレのせいで一通さんとエイワスがでてきたらラブコメが始まるのかと思ってしまう

    309 = 1 :

     結標淡希は去った。
     アレイスターは今、意識を失った一方通行を伴って『案内人』たる結標も知らない『窓のないビル』最深部へと足を踏み入れている。
     そこは異様な空間だった。
     広さはさほどではない。いやむしろ狭いと言ってしまっていいだろう。
     直径十メートルにも満たない円形の部屋。
     赤く照らされた床に、壁や球形の天井に隙間なく走るコード。
     赤色の部屋であることもあって、壁や天井を走るコード類はまるで血管のようだった。
     そう例えるならば、この部屋は『窓のないビル』の心臓――か。

     部屋の中心に、死刑用の電気椅子を思わせる重厚な造りの椅子が二つ背中合わせで置かれていた。
     その内のひとつに、アレイスターは一方通行を座らせる。

    エイワス「ふむ、ここまで早く『一方通行』を手中に収めたとなると、君の『プラン』も中々順調なようだなアレイスター」

    アレイスター「あぁ、順調だよエイワス。ここまで気分が高揚しているのは本当に何百年ぶりかわからない」

    エイワス「しかし随分と早く私を現出させたものだ。もしや少し焦っているんじゃないか?」

    アレイスター「焦ってはいないよ。急ぎはしたがね。エイワス、『ヒューズ=カザキリ』を通して現出させたあなたの体、少し確かめさせてもらっていいか」

    エイワス「ん? 何か不満があるか? まあ、いい。好きにしたまえ」

    アレイスター「ありがとう」

     ドスン、と奇怪な音がした。
     アレイスターの腕が、エイワスの、人で言えば心臓がある辺りを貫いていた。



     エイワスの顔に、ほんの少しだけ驚愕の色が滲み出た。

    310 = 1 :

     エイワスの体が輝きだす。
     背中から出現していたあの翼のような、蒼白いプラチナの輝きがエイワスの全身から放たれている。

    エイワス「まさか…もう準備を終えたというのか?」

    アレイスター「色々あったのだよ、エイワス。全てが私の望みどおりに転がった。信じ難いだろうが、既に『幻想殺し』は覚醒しているのだ」

    エイワス「この段階で……? 些か進みすぎだよ、この歴史は……」

     まいったな、とエイワスは諦観の様な表情をその顔に浮かべた。

    エイワス「これでは私は君の食い物にされるために出てきただけじゃないか、アレイスター」

     エイワスの体が次第に輪郭を失っていく。
     その気になればあっさり世界を滅ぼせる程のエネルギーが、アレイスターを介し、『窓のないビル』を介し、学園都市を介し、世界中に拡散していく。


    エイワス「折角の現出だ、もう少し楽しみたかったが……まあ、それもこの歴史の定めということか」

    アレイスター「感謝するよエイワス。この術式の知識も、貴方が私に与えてくれたものなのだから」


     エイワスの体が完全に溶けて消えていく。

     『エイワス』という莫大なエネルギーが、世界を満たす。

    311 = 132 :

    セロリさんが大変な事に

    312 :

    エイワスを知らない俺でも何かヤバい事になってるのは理解出来る

    313 = 1 :

     『グループ』の隠れ家では、全身に汗をびっしりとかいて苦しみに呻く打ち止めの手当てが行われていた。

    土御門「くそ…! また新たな記述が書き加えられやがった…! カミやん! もう一度打ち止めの頭を触れ!!」

    上条「わ、わかった!」

     打ち止めに干渉している魔力の正体を必死で探りつつ、土御門は叫ぶ。
     上条は土御門に言われた通り、右手で打ち止めの頭を撫でるように触った。
     ほんの少しだけだが、打ち止めの呼吸が柔らかなものになる。

    美琴「打ち止め…! ねぇ、アンタ達は大丈夫なの!?」

    番外個体「ミサカは問題ないよ、お姉様」

    ミサカ「右に同じです、とミサカはお姉様の問いに答えます」

    番外個体「昨夜の現象と今回の物は何かが根本的に違ってる。今回の強制演算の負荷はほとんど打ち止め一人に集中してしまってるみたいだ」

    美琴「そんな…! 打ち止め…!!」

    314 = 25 :

    『計画』を調理するSSって今まで無かったよな
    俺が先に書こうと思ってたのに、とかはまぁ内緒なんだが

    315 :

    なくはない
    少ないが

    316 = 25 :

    おっと恥晒した。読んだこと無い
    タブーゾーン的扱いではあるから、手を出しづらいかと思ったんだが……

    317 = 1 :

    ステイル「インデックス。君にもわからないのか?」

     ステイルの問いにインデックスはふるふると首を横に振る。
     その瞳には涙が溜まっていた。
     十万三千冊の魔道書という知識を持ちながら、今の状況に対し何の答えを出せない自分をインデックスは責めていた。

    打ち止め「う…く…」

    上条「くそ…! どうしてだ! どうしてこの子達ばっかりこんな目に遭わなきゃならない!!」

     ガタン、と扉を乱暴に開く音がした。
     全員が反射的にそちらを振り向く。

    土御門「結標淡希…!?」

    海原「どうしてあなたがここに…!? 今は窓のないビルにいるはずでは!?」

     結標は答えず、ただ、荒くなった息を整えている。
     次から次へと込み上げる吐き気を必死で飲み込んでいる。

    インデックス「ねえ…待って…? あなた、もしかして一人なの…?」

     インデックスが呆然と口を開く。

    インデックス「あくせられーたは…? あくせられーたは、どこ!?」

    318 = 3 :

    >>316
    そもそもアレイスターの目的がわからんからな
    もう神との合一も恐らくは果たしてるだろうし、これ以上何を望むのか・・・

    319 = 94 :

    これは……エイワスの言う「失敗した世界」とは逆の「成功した世界」なのか……?

    320 = 1 :

     インデックスの叫びに、結標はただ首を横に振る。

    土御門「結標! 何があった! 状況を報告しろ!!」

     焦れた土御門が結標の上着、その襟首を掴み上げた。

    結標「あ…う…ぐ、おぇ…!」

     言葉を紡ごうとして、しかしそれは途中で吐き気に転化する。

    土御門(完全に心を折られてやがる…! 結標ほどの女が…!)

    インデックス「教えて! あくせられーたはどうしたの!?」

    結標「……一方通行は……負けたわ……」

    インデックス「!?」

    上条「……そんな…!」

    インデックス「うそっ! うそうそ!! そんなの、うそだぁっ!!」

    土御門「……死んだのか?」

    結標「う…おぇ…死んでは、いない……でも…」

     逆に生かされたということが、彼のこれからの悲惨な末路を予感させる。
     暗部に身を置いて様々な『闇』に触れてきた結標や土御門にとって、それはなおさらのことだった。

    321 = 1 :

     だが、そんな中で、部屋に満ち始めた絶望感に目もくれず立ち上がった者達がいた。

    番外個体「ゲロゲロ吐きそうになってるとこ悪いけどさ、もう一働きしてもらうよ」

    ミサカ「ミサカ達をあの人のいる場所に連れて行きなさい、とミサカは命令します」

    上条「お前ら…!」

    番外個体「ミサカはあの人に借りを作っちゃったからさ、さっさと返しちゃわないと気分が悪い。そんだけ」

    ミサカ「敵の居城に捕らわれたお姫様を助けに行くというのはゲームでも王道のシチュエーションです。故に、ミサカ達がここで動かない理由はありません」

    番外個体「あはは、いいねそれ。じゃあミサカがマリオで、あなたがルイージだ」

    ミサカ「逆でしょう、とミサカは調子に乗っている末妹を戒めます」

    番外個体「んで、あの人がピーチ姫? ぎゃはは! 似合わねー!!」

    ミサカ「ならばあの人は何王子と呼ぶのが適切でしょう、とミサカは頭を巡らせます」

    番外個体「もやしでいいじゃん、もやし王子。やっべーピッタリだよこれ、はまりすぎ。ぎゃははっ!!」

    ミサカ「あの人を侮辱する発言をミサカは許しません、が、確かにそれ以上あの人に相応しい呼称をミサカは思いつくことが出来ません。ちっくしょう」

    322 :

    この回で終わりになりそうですね。ちっくしょう

    323 = 132 :

    もやし王子w

    324 = 1 :

     学園都市第一位の超能力者(LEVEL5)である一方通行でも歯が立たなかった奴等が相手。
     それをきちんとわかっていて、それでも。
     LEVEL4とLEVEL2にしか過ぎぬ力しか持たなくても、それでも。
     ミサカシスターズは前に進む。

    番外個体「ミサカ達の残機はいくつだったっけ? 9981?」

    ミサカ「やはりあなたは何もわかっていませんね番外個体、とミサカは失望を隠さずため息をつきます」

    ミサカ「これだけは、その胸に深く刻み込みなさい。その不必要に大きく調整された胸に」

    ミサカ「ミサカ達は、これ以上一人だって死んでやることは出来ません」

    番外個体「はいはい了解。ミサカの魅力的なこの胸に確かに刻み込んどくよ」

    打ち止め「ミサカも…行く……」

     ふらふらと、打ち止めが立ち上がっていた。
     全身にびっしり浮かんでいた汗は引いているが、それでも完調には程遠いのが見て取れる。

    美琴「打ち止め! あんた大丈夫なの!?」

    打ち止め「うん…ってミサカはミサカは頷いてみる。何だか突然、ミサカにかかってた負荷が大きく軽減されたんだよ、ってミサカはミサカは重ねて説明してみたり」

    325 = 1 :

    打ち止め「話は聞こえていたよ…あの人を助けに行くんでしょ? ってミサカはミサカは分かりきった確認を取ってみる」

    打ち止め「なら、ミサカも行く…! 駄目だって言われてもついていくからね!  ってミサカはミサカは決意表明してみたり!」

    ミサカ「というか、ミサカは元々上位個体の命令を拒否する権限を持ちませんし、とミサカは上位個体の言葉に従う意思を示します」

    番外個体「昨日からあなたの命令を拒否ばっかしてたミサカだけどさー、えへへ、今回の命令は聞いてあげるよ」

    インデックス「私も行く! 私もあくせられーたを助けにいくから!!」

    打ち止め「え~? 『歩く教会』を失くしたあなたなんて足手まといにしかならないんじゃないの? ってミサカはミサカは意地悪を言ってみる」

    インデックス「それでも行く! 行くんだもん!!」

    打ち止め「うん、一緒に行こ! ってミサカはミサカは手を差し伸べてみる! 勿論さっきのはミサカ一流のジョークだからね!!」


       「いやあ、行けないさ。ネットワークの要である君達の来訪はむしろ歓迎するが――『禁書目録』、君だけは行けない」


     突如部屋の中央に現れたその男に、全員の視線が集中した。
     長い銀色の髪の、男にも女にも大人にも子供にも老人にも見える『人間』。
     土御門は、ステイル=マグヌスはこの男の正体を知っている。
     結標淡希は忘れていない。もう彼女はそいつを忘れることができない。

    「アレイスター=クロウリィィィィィーーーーーー!!!!」

     彼の名を知る者達の絶叫が重なった。

    326 :

    はさ

    327 = 247 :

    紫煙

    328 = 1 :

    土御門「四獣に命を! 北の黒式、西の白式、南の赤式、東の青式!!」

    海原「原典『月のウサギ』迎撃用記述長距離射撃――『ウサギの骨』!!」

    ステイル「炎よ! 巨人に苦痛の贈り物を!!」

    神裂「『七閃』ッ!!」

    美琴「ずぁぁぁぁあああああああ!!!!!!」


     眩い光が部屋中に満ちた。

     土御門の一撃も。
     海原の閃光も。
     ステイルの炎も。
     神裂の刃も。
     御坂美琴の電撃も。

     全て、アレイスターの全身から放たれた極彩色の光の前に飲み込まれて消えた。


     光がやんだ時―――その場に立っていたのは、上条当麻とアレイスターの二人だけだった。

    上条「な…に…?」

     上条は慌てて部屋を見回す。
     今の今までこの部屋にいたはずの皆の姿が、跡形もなく消えていた。

    329 = 102 :

    上条さんマジぼっち

    330 :

    アレ☆無双

    331 = 132 :

    上条以外消滅

    332 = 1 :

    上条「何をした……」

     上条の右手から顕現した『竜王の顎』が牙を剥き、唸る。

    上条「皆に……何をしたあッ!!」

    アレイスター「安心しろ。誰も死んではいない。少し場所を移動してもらっただけだ」

     その身に迫った『竜王の顎』をあっさりとかわし、アレイスターは上条の背後に出現する。

    アレイスター「話をしようじゃないか、上条当麻」

    上条「話…だと…?」

     上条は振り向き様に右手で裏拳を放つ。
     再びアレイスターの姿が消えた。そして現れたのは部屋の天井。
     重力を無視し、逆さまに立つアレイスター=クロウリー。

    上条「なら…まず教えろよ」

    アレイスター「何だ?」

    上条「あの子を……風斬氷華をあんな目に遭わせたのはお前か?」

    アレイスター「そうだ」

    333 = 1 :

    上条「これからも、あの子のような犠牲者を生み出していくつもりか?」

    アレイスター「場合によってはそうなるな」

    上条「そうやってたくさんの人を傷つけて、お前は一体何がしたいんだ?」

    アレイスター「汝の欲する所を為せ、それが汝の法とならん――私はその理念に従って動いているに過ぎない」

    上条「答えになってねえよ」

    アレイスター「答えるわけにはいかないのだよ」

    上条「もうこんなくだらない事はやめろ」

    アレイスター「それは出来ない」

    上条「なら…」

     ぎり、と上条は拳を握る。

    上条「もうテメエと話すことなんてねえよッ!!!!!!」

     上条は天井に向かって、一切の容赦なく『竜王の顎(ドラゴン・ストライク)』を叩き付けた。

    334 = 1 :

    アレイスター『ひとまずはお別れだ。私もこれで忙しい』

     ガラガラと倒壊する廃墟の中で、アレイスターの声だけが響いている。

    アレイスター『君の頭が冷えた頃にまた来よう。その時は三分で構わん、私の言葉に耳を傾けてくれ』

    上条「待てッ!! テメエ、どこに行きやがる!!」

    アレイスター『為すべき事を為しに。それではまた会おう、上条当麻』

     それきり、アレイスターの気配は消えた。

    上条「くそッ!!」

     上条は今にも崩れ落ちそうな壁に拳を叩きつける。

    上条「どこまで…どこまで無力なんだ俺は……!!」

     拳の痛みなど、全く気にならなかった。

    335 = 330 :

    神上さん……

    337 = 1 :

    インデックス「ここ…どこ…?」

     インデックスは学園都市のどことも知れぬ路地裏に飛ばされていた。
     右も左も東も西も全くわからないが、それでも立ち止まっているわけにはいかない。

    インデックス「早く…早くあくせられーたの所に行かなくちゃ…!」

     インデックスは駆け出し――しかし、その足はすぐに止まってしまう。

    インデックス「あ…う…」

     目の前に現れたのは、男にも女にも大人にも子供にも見える『人間』――アレイスター=クロウリー。

    アレイスター「エイワスの莫大なエネルギーで二つの異なる界を重ねる事には成功した」

     怯え、後ろを振り返り、インデックスは駆け出す。

    インデックス「え!?」

     しかし、そこには前方にいたはずのアレイスターが佇んでいた。
     さらに後ろを振り返る。居る。そこにもアレイスターは立っている。

    インデックス「ど、どうなってるの!?」

     瞬間転移か、存在の分裂か。
     わからない。そのどちらかかも知れないし、どちらでもないかもしれない。
     わかっているのは、どうあっても逃げられないということだけだった。

    339 = 43 :

    アレイ☆さんマジチート

    340 = 336 :

    しえんやで

    341 = 1 :

    アレイスター「しかし、それだけでは足りない。『彼等』がこの世界に『光臨』するには、存在の証明と『力』をこちらに引き出すための方法論が必要だ」

     アレイスターがその手をインデックスに向かって掲げた。

    アレイスター「つまりはそれが君の中に眠る十万三千冊の魔道書だ。『禁書目録』」

     アレイスターの手から放たれた得体の知れない光がインデックスを直撃する。

    インデックス「うぁあ!!」

    アレイスター「君を守る『歩く教会』ももう存在しない。土御門は本当にいい仕事をしてくれた!!」

     輝く光がインデックスの足元に複雑怪奇な魔方陣を描き出す。
     魔方陣を描かれた地面が砕け、光の柱が噴出した。
     まるで火山の噴火のように高々と天を衝く光に飲み込まれ、インデックスの体が空へと撃ち出される。
     その高さ、実に三百メートル。
     地面から天に向かって聳え立つ光の柱は姿を消さず、そのままインデックスの体を中空へ縫い止める。
     光の柱からさらに、今度は水平に光が伸びた。
     インデックスの体を交差点として交わる縦の光と横の光。
     光が描く図形の意味はもはや明確だった。

    インデックス「あ…く…せ…ら……れー……た………」

     日の出を迎えた太陽の光がインデックスの姿を照らし出す。


     それは、十字架だった。

     天に向かって聳え立つ巨大な光の十字架に、インデックスは磔にされていた。

    342 = 336 :

    うわあああ

    343 = 1 :












    アレイスター「最終計画発動―――――――――『最後の審判』だ」










    344 = 1 :




     その瞬間、地球上から夜が消え去った。

     朝を生きていた者も、昼を生きていた者も、夜を生きていた者も、皆目覚め、一様に空を見上げた。


     地球上の全ての空は黄金に輝いていた。

     その意味を知る者は跪き、ただ祈りを捧げた。

     その意味に気付かぬ者は、目の前の威容にただ目を見開いた。


     黄金の光の正体は翼だった。

     空一面に顕現した天使達の持つ翼の輝きだった。



     100億の天使達が空を埋め尽くす。

     世界の終わりが始まろうとしていた。


    345 = 134 :

    DoD思い出した
    あれもこんな感じの絶望だったよな

    347 = 25 :

    エヴァかと思ったらバスタードだったでござるの巻

    348 = 94 :

    だれかフィアンセさん呼んでこい

    349 = 239 :

    そういえばダークシュナイダーさん今どうしてるだろうか

    350 = 1 :

    <幕間>舞台の裏で―――神の右側に座する者達

    「チッ―――まったく、何てことだ」

     豪華な椅子に深々と腰掛けた尊大な態度の男が苛立たしげに唇を歪める。
     部屋の中ではもう一人、屈強な肉体を持った長身の男が窓の外を眺めていた。

    「これは一体何事であるか? あれ程の数の天使―――尋常な事態ではあるまい」

    「考えられん。どこかの馬鹿が何万年、何億年後に訪れるはずだった『終末の日』を前倒しにしやがった。このままでは世界が終わるぞ。呆気なく、あっさりと、何の余韻もなく」

    「ならばどうする?」

    「どうも出来んよ。俺様はもはや道化師(ピエロ)になることすら出来ん。『神の右席』はもう舞台に上がる事すら許されんのだ」

     尊大な男はもう一度チッ、と舌を鳴らす。
     窓の外を眺めていた男は一言そうか、と呟くとその足を部屋の入り口に向けた。

    「では神の右席はここで解散ということだな。世話になった」

    「……足掻くか、アックア」

    「じっとしているのは性に合わんのである。貴様はどうするのだ、フィアンマ」

    「ジタバタするのは趣味じゃない。俺様はここで成り行きを見守る事にするさ」


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