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    元スレインデックス「好きだよ、あくせられーた」一方通行「…はァ?」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★×9
    タグ : - 1000レス到達 + - とある魔術の禁書目録 + - インデックス + - 一方禁書 + - 一方通行 + - 佐天 + - 化物語 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    1 :

    「ご飯くれるとうれしいな」

    「あァ?」

     ある日、とある少年が一人の少女と出会った。
     少女は、その身にとても複雑な事情を抱えていた。
     その事情に同情したわけではないし、ましてや共感したわけでもない。
     だけれども、様々な思惑と偶然が重なって、少年は少女の抱える事情に顔を突っ込んでいった。
     結果、少年は――有り体に言って、少女を救った。
     代わりに、その過程で得た『無敵の力』と、過去の記憶を失って。

     それが、この物語の起こり。

    2 :

    イカ娘ェ……

    3 :

    おお、上条(悪)の人か!

    4 = 1 :

    「お腹がすいたんだよ」

    「そォか。テメエの指でもしゃぶってろ」

     少年は少女を救ったけれど、その人格は決して善良な物とはいえなかった。
     いや、むしろ逆で――彼の人格は悪逆非道と言っても差し支えなかった。
     それは少年が紛うことなき『人殺し』である点からも明らかなことで。
     彼はたくさんの人間を殺した。
     本当に――たくさんの人間を。

    「よォ…実験の内容ってのを復習させてくれよ」

    「『妹達(シスターズ)』と呼ばれる二万人のミサカを二万通りの方法で虐殺することでLEVEL6に至るという試み――今回はその10020回目の実験になります」

     殺したその数、実に一万十九人。まさに戦慄すべき殺人鬼。
     それが、彼の忘れた彼の正体。彼の罪。
     だけど、記憶を失くし、真っ白に戻った彼の本質はそれを是としなかった。
     そして彼はボロボロになりながら、本来死すべき定めにあった少女達――他ならぬ彼自身の手によって殺される定めにあった少女達を救った。
     罪滅ぼしなんてつもりは毛頭ない。その程度で滅ぼされる罪だなんて思っちゃいない。
     ただ、嫌だったから。
     殺したくなかったから、彼は救った。

     救って、束の間の安息を得て――だけど、彼の物語は終わらない。
     続いていく。彼の願いとは裏腹に、誰かの思惑の通りに、悪夢は継承されていく。

    5 = 1 :

    「帰ろう、あくせられーた」

    「……おォ」

     訪れた安息の日々は余りにも短くて、少年と、少年が救った三人の少女達は再び争いの中に巻き込まれていった。
     少年は強かった。敵対するあらゆるものをその強大さで蹴散らし、弾き返した。
     けれど、その強さは己を守ることしか出来なくて。
     少女達は、拐かされ、心を弄ばれ、腕をもがれ、命を脅かされた。

     ―――俺の手じゃ、届かねェンだよ

     そして少年の心は折れた。だけど。

     ―――ふざけんな

     そんな彼を闇の底から引っ張り上げた男がいた。
     自分勝手な奴だった。少年の都合などおかまいなしで理想を押し付けてくる、厚かましい男だった。
     だけど、その男は強かった。
     本当に強かった。
     少年の心に巣食っていた絶望を、ぶち殺してしまうくらいに。

     そして物語は転回する。
     ヒーローによる逆転劇が、悪党による殺戮ショーが開催される。

    6 = 1 :

     それでは、結びの物語を始めるとしよう。

     時計の針を今に戻す。

     少年は――学園都市最強の超能力者(LEVEL5)であり、前回終盤に「潰すぜ、学園都市」とカッコよく宣言した『一方通行(アクセラレータ)』は。









     今現在、幼女の尻に敷かれていた。

     いや、比喩ではなく。

    7 :

    一方禁書の続きと考えて良かですかヒャッハー!

    8 = 1 :

    というわけで もしインデックスが上条さんに出会う前に一方さんに出会っていたらという妄想

    起承転結の『結』

    前回で最後だといったが すまんな ありゃ嘘だった


    原作読んでないとわけわかめかも

    原作読んでてもわけわかめかも

    まあいいや 妄想だし 知らね

    9 :

    あの最後上条さんが覚醒して一方通行が噛みつかれたやつか

    10 :

    また誰かの腕が吹き飛ぶのか
    いや、待ってたよ

    11 :

    まさか続きが来るとは

    12 = 7 :

    知らない人は見ると良いよ!
    インデックス「ご飯くれるとうれしいな」一方通行「あァ?」
    ①http://tekitouvip.blog107.fc2.com/blog-entry-43.html
    ②http://tekitouvip.blog107.fc2.com/blog-entry-73.html
    ③http://tekitouvip.blog107.fc2.com/blog-entry-111.html

    13 :

    黒翼一方さんにトラックぶつけた人?

    14 = 1 :

    打ち止め「見て見て! お猿さんが気持ちよさそうに温泉に入ってるよ! ってミサカはミサカは見ているテレビを実況してみたり!」

    一方通行「いちいち実況すンな。見りゃわかる」

    打ち止め「かわいいかわいいかわいいな、ってミサカはミサカは心からの感想を述べてみる!」

    一方通行「あっそォ。よかったデスネェ」

    打ち止め「え、打ち止めの方が二万倍かわいいって? やだ、そんなこと言われたらミサカどきどきしちゃうよ……ってミサカはミサカは……」

    一方通行「もしもォーし。オマエの耳はどうなってンですかァ? ちゃンと現実にチューニング合ってますゥ?」

    打ち止め「ね、さわってみて…? ミサカがすっごくどきどきしてるの、すごく伝わると思うから……」

    一方通行「俺の手をナチュラルに胸に持っていこうとすンじゃねェ今すぐ離しやがれコラァァァあああああ!!!!」

     テレビを見ながら楽しそうに一方通行にじゃれつく打ち止め。
     特筆すべきは二人のその姿勢である。
     一方通行が胡坐をかき、打ち止めがその組んだ足の上に座っている。
     打ち止めは一方通行の体に背を預けており、もはや完全に座椅子扱いだ。

    15 = 1 :

     んで、なんでこんな状況になっているかというと。
     前回、己の争いにインデックス、打ち止め、ミサカを巻き込んでしまった一方通行は、二度と同じ過ちを起こさぬよう三人の前から一時期姿を消していた。
     一方通行のこの判断は非常にわかりやすく、また共感できるものではあったが、三人の少女はこれにひどくご立腹であったらしく。
     心を改めて戻ってきた一方通行に三人は激しく食って掛かったのである。
     そして、今のこの状況。
     つまり、罰ゲーム。
     一方通行は今日一日、三人からのスキンシップに対し『反射』を使ってはならないことになっているのであった。

    ミサカ「うむ、相変わらずのきめ細やかな肌。うらやましい、とミサカは少しだけ嫉妬します」スリスリ

    一方通行「……何してンの?」

    ミサカ「もちろん頬擦りです。とミサカは端的に自分の行動を説明します」スリスリスリ

    ミサカ「この、たまに唇と唇が触れそうになる瞬間がまたたまりません、とミサカは心のままに感想をこぼします」スリスリスリ

    一方通行「……」ドン!

    ミサカ「あいた。なに突き飛ばしてるんですか。契約違反ですよ、とミサカは憤慨します」

    一方通行「別に『反射』は使ってねェしィ。約束は守ってますゥ~」

    ミサカ「そっちがその気なら、ミサカにも考えがあります」


    ミサカ「レッツゴー、ロケットアーム」ボシュッ!

    17 :

    続編だと…!?
    全力期待

    18 :

    続編きたあぁあああ

    19 = 1 :

     ミサカの気の抜けた掛け声と共に、左手の手首から先が射出された。
     回収可能なように手首と腕はワイヤーで繋がっているが、これは紛れもなくロケットパンチである。
     先の戦いで片腕を失くしたミサカ。
     学園都市の最先端科学を結集して、彼女はとんでもない義手を取り付けていたようだ。

    一方通行「おォ!?」グルングルン

     手首から伸びたワイヤーがぐるぐると一方通行の体に巻きついて両腕を封じる。

    打ち止め「あいたっ!」ゴチン!

     ついでに打ち止めを一方通行の胡坐から落とす。

    ミサカ「これで抵抗は出来ません。いただきます、とミサカは両手を合わせ、あっ、片手あっち行ってた。てへ」

    打ち止め「仮にも上位の個体に対してなんてことするのー!! ってミサカはミサカはぷんすかぷんすかしてみたりーー!!」

    一方通行「これもォスキンシップじゃねェよなァ反射使っていいよなァ!!?」

    20 :

    夢じゃないよなよっしゃーー!!

    21 :

    まだ自殺しなくて良かった

    22 = 1 :

     そんで、この状況の中インデックスは何をしていたかというと。

    インデックス「う~~~」ヤキモキ

     すごくやきもきしていた。
     今日一日、一方通行へのスキンシップが解禁されて、彼女は何をしたらいいか咄嗟に思い浮かばなかったのである。
     打ち止めのように天真爛漫に甘えることなど出来ないし、ミサカのように恥じらいをかなぐり捨ててぶつかっていくことも出来ない。
     そういった意味では中途半端だったインデックスは、このスキンシップ合戦に激しく出遅れてしまっていたのだ。

    打ち止め「えい! って思い切ってミサカはミサカの定位置確保ーーー!!」

    一方通行「オマエどこに顔突っ込ンでンだコラァァあああ!!!!」

    ミサカ「くっ、やりますね。さすがはミサカの上位個体、とミサカは彼の股座にダイブをかました上位個体の行動力に感服せざるをえません」

    一方通行「うるせェェェええええほどけェェェェええええええ!!!!」

    インデックス「うぅ~~~~~~~~~~!!!!」

     そして遂に感極まったインデックスは。

    インデックス「がうっ!」ガブッ!

    一方通行「ぐァあ!?」

     とりあえず噛み付いた。

    23 :

    俺も一方さんの股間に向かってダイブしたいおおおおおおハァハァ

    24 = 1 :

    インデックス「ごっはん♪ ごっはん♪」

    ミサカ「まったく、食事と聞いただけであのはしゃぎよう……先程の剣幕はどこへやら、とミサカは呆れます」

    打ち止め「ほんとほんと。さっきもあの人に噛み付いてたし、歯を通してしか自分の感情を表現できないのかな、ってミサカはミサカはため息をついてみたり」

    ミサカ「欠陥乙女ですね、とミサカはばっさり切り捨てます」

    打ち止め「欠陥乙女だよね、ってミサカはミサカはあっさり同意してみる」

    インデックス「ちょっと! 聞こえてるんだよ!!」ガルル…!

    一方通行「往来でギャアギャア騒いでンじゃねェよ。さっさと行くぞ」

    打ち止め「はーい、ってミサカはミサカは素直に返事してみたり!」

     とてとてと一方通行の右側に回り、その右手を取る打ち止め。

    ミサカ「!!」

    インデックス「!!」

     駆け出し、一方通行の左手を同時に掴むインデックスとミサカ。

    ミサカ「離しなさい、とミサカは欠陥乙女に通告します」

    インデックス「それは私のセリフなんだよ!!」

    一方通行「俺のセリフだボケ」

    25 :

    今日の日まで真空保存していたむぎのんの『ぱーつ』が、火を噴くときがきたようだ……!

    26 = 1 :

    ミサカ「むむむ…!」

    インデックス「ぐぬぬ……!」

     一方通行の左手を掴んだまま睨みあう二人。

    一方通行(メンドクセェ……)

     そんな二人を横目で眺めつつ、いっそ反射したろかと思う一方通行だったがしかし、掴まれているのは義手である左手であるためそれも叶わない。
     まさか左手を思い切り振り回して二人を吹き飛ばすわけにもいかず、一方通行はやれやれとため息をついた。

    ミサカ(むう…あからさまに呆れてますね…とミサカは冷静に状況を分析します)

    インデックス(このままここでねばってもあくせられーたからの印象が悪くなるだけかも……)

    インデックス(うぅ…だからといってこのポジションを譲って一人で歩くのは悲しすぎるんだよ!!)

    ミサカ(ふむぅ…どうしたものか……)

    ミサカ(……)

    ミサカ「!!」ピコーン!

    27 = 1 :

    ミサカ「わかりました。ここはあなたに譲りましょう、とミサカは大人の女の余裕を見せつけます」

     そう言ってミサカはあっさりと一方通行の左手を離す。

    インデックス「ほんと!? やったぁ!!」

     インデックスは一方通行の左手を取り、ほくほく顔で隣に並んだ。
     にやり、とミサカの顔が邪悪に歪む。

    ミサカ「代わりにミサカは上位個体と手を繋ぐことで我慢しましょう、とミサカは上位個体の空いた手を母親のように優しく取ります」

    打ち止め「わあ、なんだか家族みたいだね! ってミサカはミサカははしゃいでみたり!」

    インデックス「はっ!?」ザワ…

     インデックスはそこで初めてミサカの企みに気付いた。

    インデックス(なんてこと…! あくせられーたとの間にらすとおーだーを挟むことで、あたかも家族のような雰囲気を作り出しているんだよ…!)

    インデックス(みさかとらすとおーだーがそっくりなことで、その周囲に与える認識効果はさらに倍増……!)ザワ…ザワ…

    インデックス(手つなぎはあの三人で完成してしまっている……私は確かにあくせられーたの左手を確保したけれど、いまやただの異物と化してしまった……!)

    インデックス(勝てない…ここからの逆転は…不可能……!)グニャァ~


     インデックス、完全敗北。
     後にやけ食い。食べ放題のバイキング店を営業不能に追い込む。

    28 = 3 :

    ざわ・・・ざわ・・・

    29 :

    おお!?むぎのんの肉片をお前らが必死にかき集めてた話の続きか!
    全力で支援するぜ

    30 = 1 :

    一方通行(やァってられるかァァあああ!!!!)

     バイキングレストランを出た所で一方通行が遂にキレた。
     もう無理だった。我慢の限界だった。
     いくらなんでもこの三人、べたべたしすぎだった。
     本来であれば、部屋の中でのあのやり取りだって一方通行にとっては許容出来る物ではなかった。
     だけど、一方通行が姿を消して、それからしばらくして幻想殺しの少年の手によって連れ帰らされたあの時。
     少女達は泣いたのだ。
     本当に、ぼろぼろぼろぼろ涙を零したのだ。
     それを、まあ、ほんのちょっぴりだけ、悪かったなと一方通行は思って。
     だから、彼女達の願いを出来るだけ聞いてあげようと、柄にもなくそんな殊勝なことを考えていたのだ。

     でも無理でした。マジ無理でした。

     以下店内描写。
     四人掛けのテーブルを前にして、席順で揉める三人。
     テーブルは長方形のスタンダードなもので、二人掛けの長椅子がテーブルの長辺に備え付けてあるタイプのもの。

    インデックス「となりがいい」

    ミサカ「隣がいいです」

    打ち止め「あなたの傍にいたい!」

     揉めた。揉めに揉めた。
     最終的に、一方通行の膝の上に打ち止め、その両隣にインデックスとミサカが座る形で落ち着いた。
     二人掛けの長椅子にぎゅうぎゅうに座る三人。ぽっかり空いた向かいの長椅子。
     ただでさえ目立つ風体をしているのだ。周囲の目は嫌でも集中する。
     ナンダアレ? アラアラホホエマシイワァ。
     ヨウジョハーレムwwwwwパネェwwwwwwwww

    31 = 1 :

     だから、一方通行は次の目的地をゲームセンターに指定した。
     三人は特に疑わず(むしろ一方通行がデートにやる気を出したことに喜んで)入店する。

    一方通行「さァ、これで好きなだけ遊ンでらっしゃい」

    打ち止め「うわあ! いちまんえん! ってミサカはミサカは目を丸くしてみる!!」

    インデックス「あくせられーた太っ腹! カッコいい!!」

    ミサカ「甲斐性のある男の人って素敵。抱かれたい。とミサカは顔を赤らめます」

     大はしゃぎで店内に散らばる三人。
     まさに目論見通りの展開に一方通行はにやりと笑った。

    ミサカ「……おや? いつの間にかあの人の姿が見えませんね、とミサカは店内を見回します」ブブブブブ…!

    ミサカ「む、携帯電話に着信ですね。……? あの人からメール……?」

    『眠ィから帰る。ガキ共の世話任せた』

    ミサカ「……逃げやがったあのヘタレ、とミサカは逃亡した彼に失望を隠せません」

    ミサカ「……」メルメル


    『任務遂行のご褒美として帰ったら頭なでなでして下さい』

    『死ね』

    32 = 2 :

    一方通行「さァ、これで好きなだけ遊ンでらっしゃい」
    脳内再生したらクソワロタ

    33 :

    なんかNTRみてる気分

    34 = 1 :

     ミサカは店内に散らばっていたインデックスと打ち止めを集め、事情を説明した。

    インデックス「むぅ~。元々私達に黙っていなくなったことに対する罰だったのに、また黙っていなくなるなんて許せないんだよ!!」

    打ち止め「まあまあ、今回の不始末を理由にまた罰ゲームしたらいいんじゃないかな、ってミサカはミサカは提案してみる」

    ミサカ「そうですね。今度は範囲をベッドの中に限定しましょうか、とミサカは上位個体の提案に追従します」

    インデックス「でも、まだまだお金たくさんあるよね? このまま帰っちゃうのはちょっともったいないかも」

    打ち止め「そうだね。今すぐ帰ってもどうせあの人は帰ってないだろうし、もう少しだけ遊んでいこうよ! ってミサカはミサカは進言してみたり!」

    ミサカ「異議なしです、とミサカは上位個体に賛成します」

    35 = 1 :

    打ち止め「う~ん、う~ん……うわぁ~! また駄目だった!」

    打ち止め「UFOキャッチャーって難しいなあ。あの人はどうしてあんなに簡単に取れるんだろう、ってミサカはミサカはしょんぼりしてみる」

    打ち止め「あ、小銭無くなっちゃった。両替機両替機……」

    打ち止め「お、お札を入れるところに背が届かない…! ってミサカはミサカは精一杯の背伸びを、ふんぎぎ、して、みた、りぃ~……!」


    「あ、あの…大丈夫?」

    打ち止め「ほえ?」

     かけられた声に振り向く。
     眼鏡をかけた女の子が立っていた。
     学校の制服のようなものを身に纏っており(高校生だろうか?)、何より目を引くのはその大きな胸。
     見た目の年齢にそぐわぬほど発達したその胸は、シャツをぱつんぱつんに押し上げ、激しく自己主張している。

    打ち止め「いったい何を食べればそうなるの? ってミサカはミサカは素朴な疑問を発してみる」

    ??「え…? あの……」

     つい口をついてしまった打ち止めの言葉に女の子は混乱した様子を見せる。
     打ち止めは慌てて「いやいや今のなし」と手を振った。

    36 = 3 :

    学園都市の生徒の欲望の体現さんか

    37 = 1 :

    ??「代わりに入れてあげようか? そのお金…」

    打ち止め「ほんと!? じゃあお願いします! ってミサカはミサカは頭を下げてみる!!」

    ??「う、うん。じゃあ、お金預かるね」

     少女は打ち止めから受け取ったお札を持ち逃げしたりすることなく、素直に両替機に投入する。
     じゃらんじゃらんと小銭の落ちる音が響いた。

    打ち止め「ありがとう! ってミサカはミサカは改めて頭を下げてみたり!!」

    ??「ど、どういたしまして……」

    打ち止め「ミサカは打ち止めっていいます! ってミサカはミサカは恩人に対して活発に自己紹介してみる!」

    ??「ら、らすとおーだぁ? か、変わった名前だね……」

    打ち止め「おねえさんのお名前は?」

    ??「わ、私? 私は……」

     打ち止めの勢いに圧倒されたまま、少女はどこかおどおどしたような様子で。


    「氷華……風斬、氷華……」

     そう名乗った。

    38 :

    リアル遭遇だって…?!
    しかも最終章…

    そういえばこの一方通行さん記憶なくなる前にパンツがグシャグシャだぜって変態発言したよな

    39 = 1 :

    打ち止め「カザキリヒョウカさんだよ! ってミサカはミサカは新しい友達を早速紹介してみる!」

    ミサカ「む?」

    インデックス「ほえ?」

    風斬「あ…の……」

     持ち前の人懐っこい性格で、すぐに風斬と打ち解けた打ち止めは、ミサカとインデックスに風斬を引き合わせていた。
     打ち止めとは対照的に、ひどく引っ込み思案で内気な様子の風斬は、どうしたらいいものかともじもじしている。

    ミサカ「なにその生意気おっぱいいったい何食えばそんなことになんだよふざけんなよとミサカは思わず本音が口をつきます」

    風斬「ひう…!」

    打ち止め「こら! 駄目だよミサカ! まあ気持ちはわかるけど!! ってミサカはミサカは下位個体を諫めてみる!」

    インデックス「私の名前はインデックスっていうんだよ! よろしくね、ひょうか!!」

    ミサカ「ミサカの名前はミサカです、とミサカは先程の非礼を詫びつつ自己紹介します」

    風斬「う、うん……」ホッ…

     若干一悶着あったけれども、インデックスとミサカはどうやらあっさり新しい友達を受け入れたようだった。

    40 = 2 :

    風斬さんマジ天使同盟

    42 = 1 :

     とはいえ、それは考えてみれば当たり前のことで。
     インデックスも、ミサカも、打ち止めも、それぞれがそれぞれに抱える事情によって、今まで友達といえる人物はいなかったのだ。
     皆、年頃の女の子である。
     人との関係性に飢えていないはずがない。
     そしてそれは―――

    風斬「ごめん、ちょっとトイレに行ってくるね」

     ガンアクションゲームでハイスコアを更新し続けるミサカと、それを興奮しながら観戦する二人にそう告げて、風斬氷華は化粧室に足を向ける。
     別に、もよおしたわけではない。
     風斬は、手洗い場に備え付けられた鏡に目を向けて。

    風斬「ともだち……友達、かあ……」

     緩む頬をどうしても抑えることが出来なかった。


     一体いかなる事情によるものか。
     人との関係性に飢えている。
     それは、この少女にとっても同様であったらしい。

    43 :

    これだからニコ厨のすくつに成り果ててもどんなにつまらなくとも
    VIPは止められないんだよな

    44 = 1 :

    風斬「あ…」

     化粧室から出て、目に付いたものがあった。
     プリクラである。
     友達同士で顔を寄せ合って写真を撮ってシールに加工する機械。
     今まで友達と呼べる人物が一人もいなかった風斬である。
     正直に言って、プリクラには少し憧れがあった。

    風斬「へえ…コスプレしたりも出来るんだ……ってうわ、この衣装は……露出度が高すぎるんじゃ……」

     入り口横に備え付けられた説明パネルに目を通し、頬をひくつかせる風斬。
     その直後。
     ぞくり、と背筋が震えた。

    風斬「ひ…う…!」

     汗がだらだらとこぼれて、まともに声を出すことが出来ない。
     後ろに何かがいる。
     風斬氷華の命なんて一瞬ですり潰してしまえるような、そんな得体の知れない怪物が立っている。

    「入れ」

     音もなく背後に現れた怪物の言葉に抗う術はなく、風斬はプリクラの筐体の中に足を踏み入れた。

    45 = 1 :

     中に入ると即座に胸倉を掴まれ、吊り上げられた。

    風斬「あう…!」

     風斬はそこで初めて怪物の姿を確認する。
     真っ白な髪、同じく真っ白な肌に爛々と輝く赤色の瞳。
     左手一本で風斬の体を持ち上げるその少年の体はひどく華奢で、どこにそんな力があるのかまったくわからない。
     そこに居たのは――言わずと知れた学園都市最強のLEVEL5、一方通行だった。
     成程、怪物――風斬が感じた印象は、まったくもって正しかったらしい。

    一方通行「よォ、早速だが質問だ。テメエは何の目的があってあのガキに近づいた?」

    風斬「か…ふ…」

    一方通行「さっさと答えろ。挽き肉にされてェか?」

    風斬「わ、私は…ただ、あの子が困ってるみたいだったから……」

    一方通行「世の中がそンな風に善意で溢れてりゃ俺も楽なンだがなァ」

     風斬の体を吊り上げたまま、一方通行は言葉を続ける。

    一方通行「善意は気まぐれで、悪意は狡猾だ。それをいちいち判別してる余裕は今の俺にはねェ」

    一方通行「俺の居ねェ所であのガキ共に接触持とうとしやがる奴は敵だと決めてかかることにしてンだよ」

    46 = 1 :

    風斬「う…うぅ……!」

     一方通行の赤い瞳に睨まれて、風斬は震えた。

    風斬(こわい、こわい、こわい、こわい)

     恐ろしくて仕方が無かった。逃げ出したくて仕方が無かった。

    風斬(殺される、殺される、殺される、殺される)

     恐怖が精神を押し潰す。潰された心は容易にパニックを引き起こす。

    風斬「うああ!!」

     風斬は思わず一方通行の左手を掴み、無我夢中で抵抗していた。
     襟首を掴んでいた一方通行の左手を振りほどく。
     解放された風斬はしかし着地に失敗し、どしんとその場に尻餅をついた。

    風斬「ひ…ひぃ…」

     狭い筐体の中を、それでも必死で一方通行から離れようと後ずさる。
     一方通行は、そんな風斬を唖然とした様子で見つめていた。

    一方通行「……人間の力で解けるようなヤワな掴み方したつもりはなかったンだがなァ」

     自身の左手に目を落としてから、一方通行は風斬氷華に向き直る。

    一方通行「何モンだ……テメエ」

    47 = 3 :

    過保護すぎワロタ

    48 :

    一方さんが魔術解析した快感で射精した奴か

    49 = 1 :

    風斬「何者か…なんて……!」

     風斬は爆発した感情のままに口を開く。

    風斬「知りませんよ! 何者かなんて私の方が知りたいですよ!」

    風斬「どこで生まれたのかも知らない! なんでこの街に来たのかも覚えてない!」

    風斬「お腹もすかない、トイレに行きたいなんて思ったことも無い!」

     一方通行は今度こそ呆然としてしまう。
     その目に涙を浮かべ、意味不明なことを口走る風斬氷華。
     その風斬氷華の顔にノイズが走っている。
     まるで映りの最悪なテレビ画面の中にいるように、風斬氷華の姿がぶれている。

    一方通行「テメエ…本当に何モンだ……いや、」

     一方通行は言葉を止め、言い直した。

    一方通行「テメエは一体、何だ?」

    風斬「本当に……一体何なんでしょうね……?」

     一方通行の言葉に風斬はうなだれたまま、ただ力なく笑っていた。

    50 = 1 :

    「あれ? ひょうかがいないよ?」

    「トイレに行くって言ってたよ、ってミサカはミサカは彼女の言葉を思い出しつつ言ってみる。でも、確かに遅いね」

    「乙女のトイレの長さに言及するのはマナー違反ですよ、とミサカは上位個体に教えてやります」


    一方通行「チッ……」

     三人の声に敏感に反応した一方通行は身を屈め、風斬と視線の高さを合わせる。

    一方通行「いいか、今後あのガキ共に指一本でも触れてみろ。即座に挽き肉にしてそこらの犬にくれてやる」

    一方通行「犬のクソになりたくなけりゃ、このまま黙ってガキ共の前から消えろ」

     一方通行に促され、風斬はふらふらと立ち上がる。
     既に風斬の体に走っていたノイズは消えていたが、その足取りはおぼつかなかった。

    一方通行「行け」

     一方通行の言葉に押し出されるように、風斬はよろよろとプリクラの筐体を出て。


    インデックス「あ、ひょうかだ」

     そこで、あっさり三人に見つかった。


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