元スレレッド「――俺はマサラタウンのレッドだッ」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★×6
801 :
中学生が何でこの時間に書き込んでるの?
学校行けよ
802 = 746 :
――しゅうん。
ミュウの力により、テレポートさせられた。
そこは焼け野原だった。
いくつか残された大木も黒こげだ。
レッド「……」
グリーン「ここって、まさか、アレだよなぁ?」
サカキ「――ここはトキワの森だ」
その声に、レッドたちは身構えた。
空中ではミュウが自由にとびまわっている。
804 = 746 :
空で遊ぶミュウを見上げてサカキがつぶやく。
サカキ「――生きてる間に、捕まえられそうにないな」
レッド「……」
サカキ「レッド、おまえの勝ちだ」
レッド「――――」
サカキ「ロケット団は、解散だ。
レッド、俺はな、ありがちな病気にかかり、
ありがちな死に様を晒す、一歩手前なんだ」
805 = 746 :
レッド「……」
サカキ「もう半年もない命。
悪を、もっと悪を成すためには、長い寿命が必要だった。
――できるならば、ミュウの力で、不老不死になりたかったんだがなぁ」
グリーン「悪行の為に不老不死……あんた、狂ってるぜ」
しゅぼッ。
サカキは煙草をくわえ、火をつけた。
サカキ「――ふん。悪なんてものはな、俺にとっては食欲と同じなんだ。
狂ってるもなにも、悪をしなきゃ、死ぬくらいだ俺は。きははッ」
806 = 746 :
サカキ「さて、俺は退散させてもらおう。
悪がべらべら、犯行理由を喋るのは、ナンセンスだからな。
――おまえたちに語るのは、悪ボスのごくごく一部。
格好が悪いところを見せたのは、ちょっとした愛嬌だよ」
レッド「―――」
サカキ「あぁ、ロケット団は、本当に解散だ」
807 :
やっと追い付いた
支援
808 = 746 :
レッド「―――」
サカキ「まだ犯罪を犯すのか、か。それを俺に聞くかレッド?」
サカキ「犯すさ。
ロケット団という手足を使わずとも、
この頭脳で、この心臓で、この滾る悪の血潮でッ。
――俺という人間は、死ぬ間際まで悪を貫こう」
レッドは、一歩、一歩。サカキに近づいた。
睨みあう両者。
レッド「――――――――――――――」
809 = 746 :
最上階についた時、レッドの姿を見つけた。
その刹那、私は虹色の光に包まれた。
それがテレポートの類だとは、エスパーポケモンの使い手として熟知していた。
気がつくと私は森の茂みに倒れていた。
空を見上げれば、青空と入道雲。
――素直に、キレイだ、と私は思ったのだ。
810 = 746 :
私は立ち上がり、
現状を把握するため、
あたりを窺った、その時だ――。
レッド「――――――――――――――」
聞き覚えのある少年の声。
私は茂みや木岐のすきまを煩わしく歩く。
するとすぐに眼前には、私の心をかき乱す少年。
その少年の快活な声に、私の鼓動が跳ねあがった。
――さぁぁぁあああああ。
トキワの森の風が、私の髪をちらした。
―――………
811 = 746 :
トキワの森に、涼しげな風が吹いた。
まだ根強く生える草花がなびいている。
レッドはモンスターボールをかまえた。
レッド「――俺はマサラタウンのレッドだッ」
――サカキ、ポケモンバトルしようぜ!
まっすぐな眼で悪を見据え、
レッドが挑戦状を叩きつけた。
勇ましくも、楽しそうな少年のような顔で。
トキワの森の空に、ミュウの楽しげな鳴き声が響く……
― トキワは みどり えいえんのいろ ―
■■ マサラタウンのレッド/了 ■■
812 :
>>1乙!
すごくおもしろかった
813 :
え?終わり?
814 = 771 :
おつ!!!!
楽しかった!読めてよかったぜ>>1
好きだった!
815 :
■■■
レッドが左の手を高くかざすと
上空を飛んでいたミュウが優しく手のひらに降り立つ
力強く握った拳から聞こえる残酷な悲鳴と共にレッドは叫んだ
レッド「俺は新世界の神になる!!」
817 :
>>1乙乙
でも最後のトキワの括りだけが微妙だった・・・・・・
818 :
いやお前…
ちょっとこれは酷いんじゃない?
おもしろいとでも思ってたの?
つまらなかったよ
819 = 746 :
■■ ポケットモンスター ■■
― 後日談 ―
――2日後、トキワの森。
何時間も続いた、レッドとサカキのバトル。
両者共に、すべてを出し切った、激闘だった。
スピアー、ピカチュウ、サイドン、
イワーク、イーブイ、ギャラドス、リザードン、
ニドキング……
すべてのポケモンが、須らく主役であった。
820 :
いちょつ
最後の〆がもう一捻りほしかったけど中々楽しめたよ
821 = 746 :
――兵達の夢のあと。
もうそこに争いの気配はない。
涼しげな風が吹くくらいだった。
サカキ『レッド。おまえの勝ちだ。
そして、もう俺を追うのはやめろ。
餓鬼は餓鬼らしく、もっとマシな道を歩けよ。
――あと善人に近づかれると、持病が悪化しちまうのさ』
そう言い残して、サカキは姿を暗ました。
生涯、あの男と会う機会は巡ってこないだろう。
822 :
別に終わりとも言ってないのにキモイ評論家共沸きすぎだろ
823 = 746 :
あの肌が焦げつくようなポケモンバトル。
2日前の熱の名残りを求めるように、
レッドは荒廃しているトキワの森にやってきた。
それに付き添うグリーン。
グリーン「おい、あいつ、こっちに来るぞ」
ここ2日、トキワ周辺を飛び回って、世間を騒がせているミュウ。
その空中で遊んでいたミュウが、レッドのまえに降り立った。
――みゅう、みゅう、みゅー、みゅ?
レッド「――――」
唐突にミュウから、光が放たれた。
それも今度はトキワの森全土を包む巨大な光だ……。
824 = 746 :
ものすごい勢いで草木が生え始めた。
さながら森が生き物のようだった。
元に戻るのではない。
新しい森が生まれようとしているのだ……。
トキワ本来の、濃厚な森の匂いがした。
――気がつけば、立派な森が誕生していた。
ミュウが遠くの空の彼方に飛んでいった。
もうあのポケモンとも、会うことはないだろうな、とレッドは思った。
――ありがとな、ミュウ。
825 = 746 :
新しく生誕した森に、グリーンの素っ頓狂な声が響いた。
グリーン「これからどう生きて行けばいいのか分からない~!?」
レッド「…………」こくり。
ずっと復讐の日々だったレッド。
そして最終目標だった、ロケット団の解散。
もうレッドには、やるべき目標がないのだ。
レッド「……」
グリーン「あぁ、だったら、よォ。ものは相談なんだが……」
グリーン「俺とポケモンマスターを目指そうぜ。
どちらが先に頂点に立つか、勝負だ!」
そういって、グリーンが手を差し出した。
826 = 746 :
力強い眼で、レッドを見つめるグリーン。
まるでマサラを旅立った日のやり直しだった。
レッド「……」
そして、あの時のように。
レッドはその手を握り返した。
ぐッと力強い握手が交わされた。
827 :
数ヵ月後
グリーン「おれが せかいでいちばん つよいってことなんだよ!」
グリーン「おれさまの てんかはおわりかよ!そりゃないぜ!」
828 = 746 :
グリーン「ところで、レッドくゥん!」
レッド「……!」
グリーン「ポケモンマスターのまえに、だ。
君には達成するべき任務があるんじゃないのかな?」
ニヤつくグリーンが、レッドの肩を叩く。
耳打ちをするように、ぼそりとグリーンがいった。
グリーン「いいか、レッド。
年上の女は、押しに弱い。強気で当たれレッド」
レッド「――」
グリーン「なんのことだ、じゃない。すぐに分かる」
レッド「……」
グリーン「――タマムシに、桜咲くカフェテリアがある。
そこにデートに洒落こんでみな。良い雰囲気の店だぜ」
レッド「――――――」
じゃあな、と手をあげて、森を去っていくグリーンだった。
829 :
駄文とか自分で言うな
イラつくから
830 :
俺が言ってやんよ!
831 :
ナツメ カスミ エリカと
おにんにんタイムですね!
832 = 746 :
グリーンとすれ違う、一人の女。
トキワの森の入口。
そこには始まりの女、ナツメがいた。
まるで本当に旅立ちの日のやり直しだ。
ナツメ「……」
レッド「……」
お互い見つめあい、黙りこんだ。
先に根をあげたのはナツメだった。
ナツメ「――色々。本当に色々。
おまえには言わなきゃいけないことがある……」
ナツメ「すまなかった、ありがとう。辛かったか? 傷は癒えたか。
……初めに何をいえば相応しいのか、会うまで悩んでもいた」
レッド「……」
834 = 822 :
こんなにwktkするポケモンSSは久々に見た
835 = 746 :
ナツメ「しかし、おまえに会った瞬間、言葉が全部消えてしまった」
レッド「……」
――さて、どうしたもんかな。
唇に指をあて、儚げな笑みを浮かべるナツメ。
毅然としたナツメの、ほんの一瞬だけ見せた、脆さ。
レッド「――――――」
ナツメ「――え?」
836 = 746 :
『よかったら桜咲くカフェテリアにいかないか?』
桜咲くカフェテリア。
それは唯一当たらなかった予知。
悪意まみれの世界で生きるナツメにとっての、
ある筈のない、やわらかく、嘘みたいに幸福な光景。
ナツメの頬を涙が伝う。
ナツメ「こんな所にあったのか……」
837 = 746 :
ナツメ「レッド、私はおまえが好きだ!」
レッド「―――――」
毅然とした顔が、柔らかい笑みに変わった。
――初めっから大切なものは、まっさらで。
初めっから、すぐそばに転がっているらしい。
838 = 746 :
レッドは、トキワの森に、ポケモンを還した。
スピアー、イーブイ、ピカチュウ、サカキから取り返したリザードン。
どれもロケット団に調教された、可哀そうなポケモンたちだった。
これからレッドは新しい道を歩く。彼らにもそうして欲しかった。
『野生にお帰り』
そうレッドとナツメが、ポケモンたちを見送った。
レッド「……」
ナツメ「……」
ぎゅっとナツメは、レッドの手を握り締めた。
――二人はトキワの森を跡にした。
840 :
チェベックス!
841 = 746 :
― 数ヶ月後、近況 ―
カスミはミス・ハナダに選ばれたことを、
レッドに自慢したり、衣装をお披露目したりした。
ちかごろ彼が連れ添っている女と
衝突している光景は、もうお約束だ。
タマムシの再興に尽力するエリカ。
彼女は忙しいながらも、裏で暗躍したりしている。
どうやらバッチの件は、借りだったらしい。
朋輩が聞いてあきれるが、これもエリカの冗談なのだろう。
その後ロケット団の噂が、頓と途絶えた……
842 = 822 :
ナツメレッドはマスゴミに写真撮られたけどエリカパワーで守られたってことでいいんだろうか
843 = 746 :
とあるカフェテリア。
ナツメ「そこはエスパーポケモンで攻めるべきだ」
レッド「――――――」
ナツメ「それはオマエの嗜好だろうが。
いいかレッド。もっとゴリ押しじゃなく、相性を――」
そこにいるのは、
復讐者のレッドでも、
世界を怨むナツメでもない。
純粋にポケモンを愛する二人の、
いつもと変わらないポケモン議論に花が咲いていた……
844 = 746 :
動物図鑑にも載っていない。
不思議な不思議な生き物。
ポケットモンスター。
略してポケモン。
これはそんなポケモンと、
少年レッドの物語。
■■ 完 ■■
846 :
後半急ぎ足だったけど面白かった、乙
847 = 746 :
これにて完結です。
保守・支援さん、読んでくれていた方。
本当にありがとうございました。
みんなの評価 : ★★★×6
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