元スレ唯「ういー、おかわりー」セイバー「私にもお願いします」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
351 = 294 :
やっぱりか
352 = 312 :
唯「……誰?」
?『ランサーのマスターって言えばどうかしら。……尤も。貴女は私の
ことは知らないのかもしれないけれど、ね』
セイバー「……」
?『セイバーもいるのでしょう? だったら伝えておきなさい』
唯「……」
?『12時に桜の丘に来なさい。一秒でも遅れたら、この娘は殺す』
唯「――わかった。だから、それまで澪ちゃんにはなにもしないで」
?『当然よ。人質は生きているからこその人質なんだから。――それに、
令呪もなにもない、ただの小娘殺したって、意味なんてない』
?『とにかく、セイバーを連れて来なさいね。これで、聖杯戦争は
おしまいになるんだから――』
ケータイ「ツーツーツー」
唯「……セイバーちゃん。12時に桜の丘に行くよ。そうじゃなきゃ、澪ちゃん
が危ない」
セイバー「わかりましたマスター。ミオは、必ず私が助けます」
353 = 312 :
――23時――
唯「それじゃあ、行ってくるね」
セイバー「ウイは安心して眠っていてください。朝までには、必ずミオを
取り返します」
憂「……いってらっしゃい。絶対に、帰ってきてね?」
唯「当たり前だよ。セイバーちゃんと私のコンビは最強なんだから」
セイバー「最強、ですか。フフ、良い響きですね」
唯「ここから桜の丘までは30分くらいだよ。セイバーちゃんは力を抑えて、
普通に歩いて行くからね」
セイバー「相手は三騎士のうちのランサーです。力は出来るだけセーブ
しておいたほうがいいですね」
ドア「ニコ」
唯「……澪ちゃん、待っててね」
354 = 312 :
セイバー「ユイ」
唯「どうしたの? 神妙な顔しちゃってさ」
セイバー「……おかしいです」
唯「なにが? もしかして、髪寝ぐせってる?」
セイバー「いえ、そういう意味ではなくて。――聖杯戦争が、おかしいとは
思いませんか?」
唯「おかしいもなにも、私は聖杯戦争なんてのも初めてだし、二回目も
きっとないよ。だから、おかしいかどうかもわからない」
セイバー「――そうでしたね。でも、思い出してください。ランサーのマス
ターは、電話で最後なんと言いましたか?」
356 = 312 :
唯「――これで、聖杯戦争は終わりって」
セイバー「それがオカシイのです」
唯「え?」
セイバー「いいですか? サーヴァントは本来7体。セイバー、ランサー、
アーチャー、ライダー、バーサーカー、アサシン、キャスターが基本的
なサーヴァントのクラスです」
唯「そう話してくれてたね」
セイバー「ええ。……では、私たちがライダーのサーヴァントと出会ってい
ないのは、一体なぜですか?」
唯「……あ」
セイバー「そうです。私たちはライダー以外のサーヴァント全員と出会った。
その中で、キャスター、アサシン、アーチャーはバーサーカーによって倒され
ました。そのバーサーカーも、おそらく魔力の消え方からして、アーチャー
と同士討ちになったのでしょう。ただ、それでも説明がいかないのです」
唯「そうだよね。ライダーの情報が、まったく入ってこなかったんだもん」
セイバー「つまり、この聖杯戦争は――」
唯「普通じゃない、ってこと?」
セイバー「少なくとも、私にはそう感じられます」
357 = 287 :
しし
359 = 312 :
唯「きっと、ランサーが倒したんだよ」
セイバー「それならいいのですが……杞憂とは、どうしても思えません」
唯「例えば、セイバーちゃんはどれくらい魔力を感じ取れるの?」
セイバー「人間の魔力は不可能です。ただ、サーヴァントの尋常ならざる
ほどの魔力ならば、ある程度は感じ取れます」
唯「ライダーが、魔力を消してるっていう可能性は?」
セイバー「おそらく0でしょう。ライダーのクラスには、気配遮断も魔力遮断
のスキルもありませんから」
唯「……とにかく、澪ちゃんが先決だよ。ランサーとの戦いに集中しよう」
セイバー「ええ。了解しましたマスター」
唯「あそこが桜の丘だよ。桜の木がずらーっと並んでて、春はすごい
綺麗なんだよー」
セイバー「そうなのですか……。一度は、この国の桜を見てみたいもの
ですね」
唯「……」
360 :
投げるから弓兵なのか……
ギターの弦と弓の弦をかけてるのかと思ったのに
しかし続きが気になるなほしゅ
361 = 312 :
――桜の丘――
ランサー「おいおい、随分と早いじゃねえか」
セイバー「一秒も遅れるな、とのことだ。故に、文句のない時間に参上した」
ランサー「俺のところのマスターは面倒な女だねえ。こんな人質なんざ、
取るまでもねえのに」
唯「澪ちゃんを返して!」
ランサー「返すさ返すさ。もともと、俺はこの嬢ちゃんに用事も何もなかった
んだ。マスターの命令でね」
澪「唯! セイバー!!」
セイバー「ミオ、早くこちらへ!」
唯「ミオちゃん、少し下がるよ。セイバーちゃんが、今からランサーを倒す
からね」
澪「うん……」
ランサー「――ああ。そうだ。ちなみにこの一戦に関しては、俺に令呪が
かかっている」
セイバー「――」
ランサー「わざわざ令呪を使うなんて、信頼されてないと思うだろうが。ど
うやら、俺はセイバーを必ず殺せと命じられているらしい――」
362 = 312 :
セイバー「ランサー、我が誇りにかけて、私は貴様を倒す!」バシュン!
ランサー「全く同じだ! 別に恨みもねえし怒りもねえ! ただ、俺はてめえ
を突き殺す!!」
唯「セイバーちゃん! 頑張って!」
セイバー「当然です!」ギン
ランサー「ほう、剣はもう隠さねえのか!」
セイバー「私の真名は、すでに知っているのでしょう?」
ランサー「無論だ。アーサー・ペンドラゴンだろ?」
セイバー「その通りだ。アイルランドの光の皇子。クーフーリンよ!」
ランサー「その名で呼んでくれるたぁ――嬉しいじゃねえか!」キン!!
セイバー「……そなたの槍技に肩を並べる英雄を、私は二人……否、
一人ほどしか知らない。右に出る者といえば、誰もいないだろう」
ランサー「そんなに褒めるなよ」
セイバー「だが、その槍を超えてこそ、無敗のアーサー王なのだ!」ダッ
364 = 312 :
ランサー「ヘヘッ! こうも清々しく武術の比べあいをしたのは久しぶりだ
ぜ!」
セイバー「私もだ!」
ランサー「考えてもみれば、てめえと死合ったのは三回目だな」
セイバー「……二回目では、ないのか?」
ランサー「――ああ」
ランサー「そういうことなんだよな。納得というか、これで完全に帳じりが
あった感じだぜ」
セイバー「なにを言っているのかが、私にはわからない」
ランサー「……話してやりてえって気持ちもあるが。死合っている最中に
無駄話は無用だ」
セイバー「意見が合うなランサー。私も知りたいが、今はこの戦いが、な
によりも優先される」
ランサー「そうなんだよな。過去二回も、俺は自慢のゲイ・ボルグを避けられ
ちまってるんだよな」
セイバー「……」
ランサー「ならば、これしかあるまい」タンッ!!
365 = 287 :
しししっ
366 = 312 :
セイバー「……宝具、ですか」
ランサー「俺たちの戦いは、つまるところ宝具の競い合いだ! 最大火力
のぶつかり合いなんだよ!!」
セイバー「おっしゃる通りだ」
ランサー「いくぞセイバー!!!」
セイバー「ユイ、こちらも宝具を使います! ミオと一緒に頭を下げて!」
唯「りょーかい!!」
セイバー「――」シュウウウウウウウウン
セイバー「――――!!」パアアアアアアアアアアアア!!!
ランサー「突き穿つ(ゲイ)――――死棘の槍(ボルグ)――――――!!」
セイバー「約束された(エクス)―――勝利の剣(カリバー)―――――!!!」
澪「うわああああああああああああ!!!!!」
ランサー「――」にやり
セイバー「――」にやり
ランサー「てめえの、勝ちだ。諦めは悪い方なんだが、これはさすがに駄目だ」
368 = 312 :
セイバー「……宝具、ですか」
ランサー「俺たちの戦いは、つまるところ宝具の競い合いだ! 最大火力
のぶつかり合いなんだよ!!」
セイバー「おっしゃる通りだ」
ランサー「いくぞセイバー!!!」
セイバー「ユイ、こちらも宝具を使います! ミオと一緒に頭を下げて!」
唯「りょーかい!!」
セイバー「――」シュウウウウウウウウン
セイバー「――――!!」パアアアアアアアアアアアア!!!
ランサー「突き穿つ(ゲイ)――――死翔の槍(ボルグ)――――――!!」
セイバー「約束された(エクス)―――勝利の剣(カリバー)―――――!!!」
澪「うわああああああああああああ!!!!!」
ランサー「――」にやり
セイバー「――」にやり
ランサー「てめえの、勝ちだ。諦めは悪い方なんだが、これはさすがに駄目だ」
370 = 312 :
セイバー「――ハァ、ハァ!」ガクッ
唯「セイバーちゃん!」
セイバー「一度宝具を使っただけだというのに、この消耗ですからね。私も、
少しは戦術を考える必要があるようだ」
澪「ごめんね、セイバー。私が誘拐された所為で……」
セイバー「ミオの所為ではありませんよ。ランサーとは、必ず戦わなければ
ならない運命でしたから」
唯「そうだよ。澪ちゃんは悪くないよ」
澪「――ありがとう」
セイバー「すいませんが、肩を貸してください。さすがに、歩いて帰るのは
厳しい」
?「その必要はないぞ。セイバー」
唯「!?」
セイバー「……その、声は――」
?「久しいな。我が花嫁となる、唯一の女よ」
372 = 312 :
唯「セイバーちゃん、だれ?」
セイバー「……出来れば、いいや。絶対に会いたくない男です」
?「それは随分ではないか。我は、こんなにもお前を欲しているというのに」
澪「……この雰囲気」
セイバー「――アーチャー」
澪「!?」
黄金のアーチャー「どうした? セイバー」
セイバー「なにを、しにきた」
黄金のアーチャー「決まっているだろう。サーヴァントは全滅した。つまり、
聖杯は我が手に落ちるということだ」
セイバー「ライダーが残っている筈だが?」フラッ
黄金のアーチャー「アレは初めから存在もしていない。もとより、この聖杯
戦争は6体のサーヴァントでのみ始まっていたのだからな」
セイバー「……ならば、聖杯は私のものだ!」
黄金のアーチャー「そのお前は、我のものなのだよ。セイバー」
373 = 287 :
しし
374 = 312 :
セイバー「相も変わらず、癇に障る――!」
黄金のアーチャー「癇に障ろうとも、お前は我のものなのだから仕方がない」
澪「……アーチャー?」
黄金のアーチャー「どうした娘」
澪「お前は、だれだ……」
黄金のアーチャー「……フム」
唯「――」
黄金のアーチャー「本来ならば、人間如きに名を訊かれることすら逆鱗に
触れるのだが――今宵は満月、そのうえ、セイバーに再会できたことを
祝って、高々と名乗ろう! 聞き逃すなよ!」
セイバー「……」
黄金のアーチャー「我が名は『ギルガメッシュ』!! 人類最古の英雄王
よ!!」
セイバー「!?」
ギルガメッシュ「どうだ。この世全てを手に入れる男としては十分すぎる
器だろう」
唯「――」ギリッ
375 :
さわちゃんですね。
376 = 312 :
セイバー「ユイ?」
唯「……なんなの。英雄王なんて言ってるけど、セイバーちゃんとランサーの
戦いが終わるまで、隠れてた臆病者じゃん」
ギルガメッシュ「!?」
唯「アーチャーも、バーサーカーもキャスターもアサシンも、ランサーも、皆
戦って消えていったのに――この人だけは――!」
ギルガメッシュ「口が過ぎるぞ。女」
唯「うるさい! 臆病者くせに、セイバーちゃんはお前のものなんかじゃな
い!」
セイバー「――ユイ」
ギルガメッシュ「――」ギリッ
澪「唯!」
唯「おまえなんかよりも、ランサーたちの方が一億倍カッコいいよ!」
ギルガメッシュ「――死にたいようだな。女」ズオオオオ
セイバー「ユイ!」ガバァ!
378 = 312 :
ギルガメッシュ「――」
セイバー「……ッ」
唯「セイバーちゃん!」
セイバー「平気です。……ギルガメッシュの宝具は、あの幾本もの宝具で
す。武器庫から時空を超えて、この世全ての武器を召喚します」
澪「それって……」
セイバー「はい。私の聖剣はないにせよ、その原型もとなった宝具も、あの
武器庫には収められているでしょう」
ギルガメッシュ「……訂正するのならば今のうちだぞ女。今、キサマを
殺すとセイバーが消えてしまうからな」
唯「馬鹿! DV男! 変な髪型!!」
ギルガメッシュ「……残念だなセイバー。おまえの阿呆なマスターの所為
で、我とお前は暫しの別れを、再び経験することとなる」
セイバー「……ユイ、足を見せてください」
唯「――」
セイバー「この傷、ギルガメッシュの剣が掠ったのですね」
セイバー「――!」ギロ
379 = 287 :
しししっ
380 = 312 :
ギルガメッシュ「そうだ。その目こそ、我がお前に魅了された要因よ」
セイバー「私は、お前を赦さない――」キイイイイイイイン
ギルガメッシュ「――解き放つ黄金の輝き、か」
唯「――セイバーちゃん……?」
澪「まずいぞ。セイバーのやつ、ふらふらじゃないか」
唯「あ」
澪「あんな状態で、エクスカリバーを使ったら――」
唯「そ、そんなの嫌だ! セイバーちゃん、止めて!」
セイバー「断ります。たとえマスターの命でも、この男はしてはならないこと
をした――!」
ギルガメッシュ「いいだろう。受けてやろうぞ。貴様の一撃をな」
セイバー「約束された(エクス)――――――」
唯(――そうだ)
唯「アルトリア!! 止めなさい―――――!!!!!!」キイイイイイン
セイバー「―――――!!!」ヒュウウウウウウン……
澪(そうだ。唯は使ってなかったんだ。絶対遵守の令呪を――)
382 :
おいついた りっちゃんどうなった?
383 = 312 :
セイバー「ユ、ユイ……」ドサッ
唯「セイバーちゃん!」
セイバー「令呪を、使ったのですね」
唯「ごめんね。セイバーちゃんの意思を捻じ曲げるようなことをして。でも、
黙ってられなかったんだ」
セイバー「……しかし、今の状態では――」
ギルガメッシュ「フフフ――」
セイバー「?」
ギルガメッシュ「アーハッハッハハハッ!!!! 笑い殺す気か貴様ら!
セイバーの剣を止めたところで、殺されるのは変わらんのだぞ!!」
澪「その通りだ。セイバーの聖剣じゃなきゃ防げない。というレベルじゃな
い。もはや、私たちにとってしてみれば、あのサーヴァントの鼻息すら
致命傷になる」
唯「……なら、私が――」
セイバー「無茶を、言わないでください」
ギルガメッシュ「……よし決めたぞ。先刻の暴言は不問としよう」
唯「!?」
384 = 287 :
しし
385 = 312 :
ギルガメッシュ「まもなく聖杯が降臨する。否、降臨させるのに丸一日は
かかる」
澪「……」
ギルガメッシュ「我が聖杯を手に入れる瞬間を見届けろ。そして、セイバー
が我がモノとなる瞬間に立ち会え」
唯「――」
セイバー「馬鹿なことを……」
ギルガメッシュ「馬鹿なことではない。自然の摂理、否。王の摂理だ」
唯「……わかった」
セイバー「!?」
唯「その条件、呑むよ。明日の同じ時間に、ここだね?」
ギルガメッシュ「ああ。必ず来い。でなければ、聖杯を使ってこの街を火の
海とする」
セイバー「……また、あの災厄を繰り返す気か。ギルガメッシュ」
ギルガメッシュ「あれを災厄? 違うな。アレは我が再び肉体を得た素晴ら
しき日だ。記念すべき日なのだぞ」
セイバー「妄言はいい。とにかく、見逃してもらえるのであれば、私たちは
帰るぞ」
387 = 312 :
ギルガメッシュ「フフ……」
セイバー「行きましょうミオ、ユイ」
唯「うん……」
澪「セイバー、肩掴まれ」
セイバー「――感謝します」
ギルガメッシュ「――ああ。そうだ」
唯「?」
ギルガメッシュ「バーサーカーを倒したのは、この我だ」
澪「――!」
ギルガメッシュ「貴様らが逃げ出したバーサーカーを、この我はいとも簡単
に打倒しているぞ」
澪「――は」
ギルガメッシュ「?」
澪「律はどうした!?」
388 = 287 :
ししゃも
390 = 274 :
休憩か?
391 :
んおー!
392 :
ギル様は唯に対して「雑種」だろjk
唯みたいなメスガキ、女として認識すらしめぇよ
ギル大好きなんでそこだけ気になった
支援
393 = 286 :
今まで読んだけいおんSSの中でダントツの面白さ
395 :
久しぶりにFateやりたくなってきたでござる
396 = 312 :
ギルガメッシュ「リツ?」
澪「バーサーカーのマスターだ! お前がバーサーカーを倒したのなら――」
ギルガメッシュ「――はて、あの場にバーサーカー以外に誰かいたのか?」
澪「!?」
ギルガメッシュ「我が見たのは、神の子ヘラクレスのみ。それ以外には
目もくれぬわ」
澪「……」
ギルガメッシュ「おまえは、足元の蟻を逐一覚えているか?」
澪「――」
唯「ということは――」
ギルガメッシュ「我が殺ったのはバーサーカーのみ。そこに誰かがいたとし
ても、この英雄王が手を下すことはない者よ」
澪「……」ふらっ
セイバー「ミオ!」
澪「だ、大丈夫。気が抜けただけだ」
澪(よかった。……りっちゃん)
397 = 307 :
クロスssでこんなに面白いのは初めてかも
399 :
さっきから気になってるんだが何でりっちゃん?
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