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    元スレなぎさ「プリキュアでトーナメント?」 つぼみ「ですか?」

    SS覧 / PC版 /
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    みんなの評価 : ★★★×5
    タグ : - ライアーゲーム + - とある + - なぎさ + - なぎさ「正座をして + - ひだまり + - ひだまりスッケチ + - キュアベリー + - スマイルプリキュア + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    251 = 166 :

    つぼみ「えりか……」

    マリン「見ててねつぼみ。私、勝ってくるよ」

    つぼみ「……はい!」

    ドリーム「その決意、見せてもらうよ!」

    マリン「はああ……」

    身を縮めて力を溜めるマリン。

    ドリーム「ダイナマイトは効かないよ!」

    マリン「ダイナマイトじゃない!」

    そう叫んで、ドリームより高く跳びあがるマリン。

    アクア『何を考えているの? 飛んだら良い的よ!』

    空中で拳を突き出してドリームに狙いを定める。

    マリン「マリン・ダイナマイト・ダイブ!!」

    大爆発を起こし、その勢いを利用して通常以上の加速力を得る。
    空気の壁を破壊してドリームに突撃するマリン。

    ドリーム「土壇場でこんな技……! プリキュア・シューティングスター!!」

    252 :

    最初ニートの妄想全開SSだと思ってたらガチでニートが書いててワロタ

    しかもつまらん

    253 = 166 :

    水色と桃色、二つの流星が衝突し、凄まじい衝撃波が観客席を襲う。

    客1「うわわわ!」

    パイン『危ない!』

    ミント「ミントプロテクション!」

    ルミナス「はっ!」

    客2「た、助かった……」

    タルト『ま、マリンはんとドリームはんは!?』

    いつの間にかリングに倒れ伏している二人。

    番人『だ、ダブルダウン!』

    ベリー『威力は互角……先に立った方が勝ちで間違いないわね』

    マリン「あ……う……」

    先に動いたのはマリンだった。

    番人『8……9』

    254 = 166 :

    ヨロヨロと立ち上がり、観客席のつぼみを見るマリン。

    つぼみ「あ……」

    マリン「あと……よろしく!」

    満面の笑みでサムズアップを作り、糸が切れたように倒れる。

    番人『10!』

    ドリーム「……」

    番人『あ、立ってたのか……勝者! キュアドリーム!』

    反応も無く、無言で立つドリーム。

    アクア『あの子、気を失ってるの?』

    りん「あーもう!」

    つぼみ「えりか!」

    255 = 166 :

    それぞれの親友に抱きかかえられてリングを降りるのぞみとえりか。

    のぞみ「ごめんりんちゃん……正直動けない……」

    りん「バカ言うなって、勝ったんだからもっと胸を張りなよ」

    のぞみ「おっぱい無い……」

    りん「いやそんな話してないから」

    えりか「……」

    つぼみにおんぶされ、その背中に顔を埋めるえりか。

    つぼみ「大丈夫ですかえりか?」

    えりか「……」

    つぼみ「えりか?」

    えりか「……」

    背中に伝わる濡れた感触で、つぼみは理解した。

    つぼみ「……次は勝てますよ、えりかなら」

    えりか「ぐす……うん……」

    257 = 166 :

    5GОGО控え室。

    のぞみ「ただいま~」

    くるみ「ボロッボロじゃない! 勝者の姿とは思えないわね」

    のぞみ「面目ない……」

    うらら「のぞみさん、そこのベンチに」

    のぞみ「ありがとうらら」

    くるみ「そこで私の勝利を見てなさい!」

    のぞみ「うん」

    くるみ「私との準決勝までに回復しときなさいよ!」

    りん(なんだかんだで心配なんだな)

    258 = 166 :

    フレッシュ控え室。
    椅子に深く腰掛け、目を閉じたまま動かないせつな。

    せつな「……」

    ラブ(なんか話しかけられないよ)

    サウラー(相手が相手だからな。精神を集中させているんだろう)

    ウェスター(俺、こういう空気無理なんだけど)

    サウラー(じゃあ出てけよ)

    ウェスター(お前最近俺に冷たいぞ)

    せつな「……ふぅ」

    ラブ「せつな」

    せつな「何パターンか考えたけど、全て勝ったわ」

    ラブ「あのミルキィローズに!?」

    せつな「もちろんイメージと実物は違うでしょうね。でも、自信はあるわ」

    259 :

    せっちゃんすごいなwww

    260 = 166 :

    ラブ「なんにせよ、せつなは私達の最後の砦だからね!」

    ウェスター「そうだそうだ!」

    せつな「解ってるわ」

    試合会場では勝敗予想がかつてない盛り上がりを見せていた。

    客1「やっぱローズだろ」

    客2「いや、パッションの容赦無さとアカルンは驚異的だぞ」

    タルト『オッズは変動しつつも、最終的には互角で落ち着きそうやな』

    アクア『事実上の決勝戦と言っても良い試合だもの』

    ベリー『さて、どうなるかしらね』

    花道に現れるくるみ……ではなくミルク。

    客1「おお! ミルク様ー!!」

    ミルク「良く解ってる反応ミル」

    261 :

    ミルクかわいい

    262 = 166 :

    ほどなくしてリングに現れたせつなは眉間に皺を寄せる。

    せつな「まさかその姿で戦うの? それはさすがに予想外だったわ」

    ミルク「そんなわけないミル!」

    アクア(そうか、試合開始ギリギリまで体力を温存する気ね)

    番人『良いのか?』

    ミルク「いつでも良いミル」

    せつな「チェンジ・プリキュア! ビートアーップ!」

    ミルク「いくミル!」

    くるみ「スカイローズ・トランスレイト!!」

    ローズ「青い薔薇は秘密の印。ミルキィローズ!」

    番人『試合開始!』

    パッション「アカルン!」

    イーグレット戦と同様に、ワープで後ろを取って首筋に手刀を打ち込む。
    だがローズは微動だにしない。

    ローズ「かゆいわね……は!」

    ローズの裏拳でパッションが吹き飛ぶ。

    264 = 166 :

    パッション「がっ!」

    ローズ「沈みなさい!!」

    壁に叩きつけられたパッションの眼前に、追撃の右ストレートが迫る。
    咄嗟に首を捻ってかわすパッション。
    壁が音を立てて崩れていく。

    タルト『これが伝説のクレーターパンチ……』

    パイン『で、出鱈目ですね』

    客1「やっぱりローズ様!」

    パッション「期待通りの威力ね」

    ローズ「何それ? 負け惜しみ?」

    パッション「さぁ?」

    ローズ「腹立たしいわね、その余裕……消し飛ばしてあげる!」

    ローズ「ミルキィローズ・ブリザード!」

    青い花吹雪がパッションを取り囲んでいく。

    265 = 166 :

    花吹雪がやがて薔薇を象るようにパッションを包み砕く。
    跡形もなく散るブリザード。

    ローズ「普通ならこれで終わりだけど、やっぱりそうくるわよね」

    ローズの視線の先には、何事もなく立つパッションの姿。

    ローズ「ほんっとにイライラするわね。そのアカルン」

    パッション「お互いさまでしょ」

    ローズ「ふん! まずはその子を奪うか……ワープも使えないくらいボコボコにするしかないようね!」

    パッション「出来るかしら?」

    ローズ「誰にもの言ってんのよ!!」

    激昂して走り出すローズ。
    次々にパンチやキックを繰り出すが、全てワープでかわされる。

    パッション「ラブが見てたアニメにこんなセリフがあったわ」

    ローズ「はぁ!?」

    パッション「当たらなければどうという事はない。全くその通りね」

    266 = 166 :

    ローズ「ちっ!」

    後方に飛んで距離を取るローズ。

    ローズ(このままじゃ埒があかないわね)

    ローズ(持久戦はこっちが不利だし……)

    ローズ(どこかで大きく仕掛けないと)

    それはパッションも同じだった。

    パッション(アカルンを使えば避けるのは難しくない)

    パッション(でも、私にはローズを一撃で倒すほどのパワーは無い)

    パッション(迂闊に近付いてカウンターで負けなんて笑えないわ)

    267 = 166 :

    ローズ「はっ!!」

    パッション「ふっ!!」

    同時に飛び出し、リング中央で激突する二人。
    激しい接近戦が開始される。

    ローズ「ワープしないの!?」

    パッション「必要になったらね」

    ローズ「どこまでも余裕ね」

    パッション「どういたしまして」

    パッション(まだ……こんな程度じゃ足りない)

    一瞬の隙を縫って、ローズの肘打ちがパッションの脇腹に突き刺さる。

    パッション「かはっ」

    ローズ「貰ったわ!」

    器用にも片腕でパッションの両腕を制するローズ。

    ローズ「これでアカルンは封じたわよ」

    268 :

    アカルンって他人も一緒にワープできるから
    ヤバいところにワープすれば大体勝てるんじゃね?

    269 = 166 :

    ローズ「警告しとくわ。今ギブアップすれば、これで止めておいてあげる」

    パッション「……冗談」

    ローズ「そうまでして、叶えたい願いがあるの? それともただの意地かしら?」

    パッション「…………あなた確か、違う世界から来たのよね?」

    ローズ「ええ、私はパルミエ王国の民よ」

    パッション「そして、キュアドリーム達と協力して王国を取り戻した」

    ローズ「そうよ。のぞみ達には返しても返し切れない恩がある……」

    ローズ「だから、皆で遊ぶってのぞみの願いは私が叶える!」

    パッション「私も同じよ」

    パッション「ラブ達に……友達に、ここは私の故郷なんだって、胸を張って言いたい」

    パッション「ラビリンスをあるべき姿にするために、私は勝つ!!」

    ローズ「そう……立派な願いね。でも、勝つのは私」

    ミルキィミラーを取り出すローズ。

    270 = 166 :

    ベリー『メタルブリザード!?』

    アクア『あれを受ければおしまいね』

    ラブ「せつな!」

    ローズ「終わりよ!」

    ローズ「ミルキィローズ・メタルブリザード!!」

    技を撃つ直前にパッションを放し、退避するローズ。
    アカルンを使う間もなく、パッションはメタルブリザードに飲み込まれる。

    ローズ「これ使うと疲れる……ミルクに戻りそうだわ」

    勝利宣言まではローズの姿を保たなくてはならない。
    一方、メタルブリザードの中でパッションは薄笑いを浮かべていた。

    パッション「これを待っていたのよ! アカルン!」

    ローズ「なに……パッションの声?」

    顔を上げたローズが見た物、それは自分を包もうとするメタルブリザード。

    ローズ「ど、どうして!?」

    パッション「自分の技を受けなさい!!」

    271 = 166 :

    ローズ「そ、そんな……ああ!!」

    鋼鉄の花弁に包まれるローズ。

    ベリー『自分じゃなくて技の方をワープさせるなんて』

    タルト『おっそろしい人やでパッションはん……』

    ブリザードが散り、そこには傷だらけのミルクだけが残った。

    パッション「……」

    番人『勝者、キュアパッション!!』

    リングを降りていくパッションを、這いつくばってミルクが追いかける。

    ミルク「まだミル……まだやれるミル……」

    パッション「終わったのよ、あなたは」

    振り向きもせずに言い放つ。

    パッション「夢を叶えているあなたと、夢の途中の私では覚悟が違う」

    ミルク「ミル……」

    273 :

    274 = 166 :

    フレッシュ控え室。

    ラブ「お、お疲れ様」

    せつな「ええ」

    ラブ「な、何か飲む?」

    せつな「ええ」

    ラブ「いやー、良い試合だったねー」

    せつな「ええ」

    ラブ「あ、ポカリで良い?」

    せつな「ええ」

    ラブ「…………」

    せつな「…………」

    ラブ「…………」

    せつな「ラブ……人の願いを叩き潰すのって、辛いね」

    ラブ「せつな……」

    せつな「後……二回……二回勝てば……それで……」

    275 = 166 :

    5GОGО控え室。

    ミルク「……ごめんミル。あんな大口叩いたのに」

    のぞみ「良いよ。また遊ぶ機会なんて幾らでもあるんだしね」

    こまち「それに何より」

    うらら「頼れるリーダーがまだ残ってるじゃないですか」

    りん「後は頼んだよ、のぞみ」

    のぞみ「うん! 皆の気持ちも乗せて、優勝するのけってーい!!」

    ミルク「……」

    りん「あれ? ミルク泣いてるの?」

    ミルク「泣いてないミル! 泣くわけないミル!」

    のぞみ「うんうん。そういう事にしておいてあげる」

    ミルク「のぞみのくせにそんな態度生意気ミル!」

    のぞみ「なによそれ!」

    りん「また始まった……」

    276 = 166 :

    マックスハート控え室。

    なぎさ「ほのかったらどこ行ったのよ?」

    ひかり「さすがに試合直前は顔を合わせ辛いんじゃないでしょうか?」

    なぎさ「かもね」

    ひかり「……」

    なぎさ「ふたりが戦うなんて……」

    ひかり「あ……」

    なぎさ「図星だ」

    ひかり「だって……」

    なぎさ「何度か言ったけどさ、私達だって喧嘩した事もあるし、プリキュアを解散しそうになった事もある」

    ひかり「そうかもしれませんけど」

    なぎさ「そこから私が学んだのはさ、本当の友達なら、どんなにぶつかりあっても最後にはまた笑い合えるって事」

    277 = 166 :

    なぎさ「同じように、本当の友達なら、本気でぶつかり合わなきゃいけない時もある」

    ひかり「はい」

    なぎさ「ほのかが何考えてるのか解んないけどさ、受け止めてあげれるのは私しかいないでしょ?」

    ひかり「そうですね」

    なぎさ「まぁ、ちょっと格好付け過ぎだけどね」

    笑うなぎさが、不意に真剣な表情を見せる。

    なぎさ「でもね、本音を言うと少しだけ、ほんの少しだけ興味があるんだ」

    なぎさ「私とホワイト、強いのはどっちなのかなって……」

    なぎさ「体育会系の悪い癖だね」

    そう言ってなぎさは再び笑う。

    なぎさ「ひかりはさ、私とほのかに何があってもいいように、ちゃんと待っててね」

    ひかり「はい!」

    278 = 166 :

    タルト『いよいよ禁断の頂上決戦や! キュアブラック対キュアホワイト!』

    ヒートアップする場内。

    タルト『一回戦で二人と戦ったアクアはんらはどう見るんや?』

    ベリー『さぁ』

    アクア『この試合だけはただの観客になってしまうわね』

    ベリー『一つ言えるのは』

    アクア『どっちも恐ろしく強いという事です』

    ベリー(昨日夢にホワイト出たもの)

    アクア(殴られた脇腹が痛過ぎてご飯食べれない)

    掲示板のオッズは僅かにホワイト有利を示していた。
    しばらくして、なぎさとほのかがリングに現れる。

    なぎさ「……」

    ほのか「……」

    279 = 166 :

    観客席にはプリキュア達も集まっていた。

    「咲、次の試合なのに見てていいの?」

    「この試合だけは何があっても見逃せないよ」

    「どっちが勝つと思う?」

    「解んないけど……勝って欲しいのは、なぎささんかな」

    のぞみ「こっちまで緊張してきたよ」

    りん「多分、ホワイトかな」

    うらら「どうしてです?」

    りん「いやもう勘よ。勘としか言えない」

    ラブ「言ったら悪いけど、少しワクワクしちゃうね」

    せつな「そうね」

    えりか「空気が重い……」

    つぼみ「お腹痛いです……」

    280 = 166 :

    ほのか「なぎさ、一つだけ約束して」

    なぎさ「えっ」

    ほのか「一切の手加減は許さないわ。全力で私と戦って。もちろん私もそうする」

    なぎさ「……わかったよ」

    ほのか「ありがとう」

    なぎさ「じゃあこっちも一つ。ほのかのお願いを聞かせてよ」

    ほのか「それはダメ。今はね」

    なぎさ「ズルい……」

    ほのか「早いもの勝ちよ」

    いたずらっぽく笑うほのか。

    なぎさ「じゃ、いこうか」

    ほのか「ええ」

    なぎさほのか「デュアルオーロラウェイブ!!」

    281 = 166 :

    虹色の光が二人を包み、その中で二人の服が変わっていく。
    灰色の膜を弾き飛ばし、胸を張って歯を喰いしばるキュアブラック。
    優雅な動作で降り立つキュアホワイト。

    ブラック「光の使者、キュアブラック!」

    ホワイト「光の使者、キュアホワイト!」

    ブラックホワイト「ふたりはプリキュア!!」

    番人『試合開始!』

    番人の号令を合図に、ブラックとホワイトは無言で歩み寄り、手を繋ぐ。

    のぞみ「なに……?」

    ホワイト「私達の目の前に、希望を」

    ブラック「私達の手の中に、希望の力を」

    二人が言葉を紡ぐと周囲の草木が光り輝いていく。

    つぼみ「な、なんですか?」

    シプレ「強い力を感じるですぅ!」

    光が二人の手首に集まり、やがて形を持って現れる。
    両手を振りまわしてブレスを装着するブラックとホワイト。

    ひかり「プリキュア・スパークルブレス……」

    282 = 166 :

    ブレスを装着すると、互いに少し下がって距離を取る。

    ホワイト「準備完了ね」

    ブラック「うん、じゃあ……いくよ!」

    ホワイト「はぁーー!!」

    ブラック「だぁーー!!」

    同時にリングを蹴って飛び出す。
    ブラックのパンチが、ホワイトのキックが、リング中央で衝突する。
    生まれる衝撃波は観客席にも届いた。

    えりか「痺れる~!」

    ブラック「でえやっ!!」

    ハイキックを繰り出すブラック。
    だがホワイトは冷静に軸足を狩る。

    ホワイト「ふん!」

    尻餅をついたブラック目掛けてホワイトのローキックが迫った。
    大口を開けるブラック。

    ブラック「ふんが!」

    タルト『く、口でキックを受け止めおった!!』

    283 = 166 :

    ブラック「おおぁぁぁ!!」

    ホワイト「ちょ、ちょっと!」

    ホワイトの足を咥えたまま立ち上がるブラック。
    大きく首を振ると、首の筋力だけでホワイトを投げ飛ばす。

    「で、出来る? あれ……」

    「いや……普通に考えてよ」

    「だよね……」

    空中で身を捻って、着地するホワイト。

    ホワイト「さすがね」

    ブラック「顎痛い……」

    ホワイト「たぁっ!!」

    ブラック「くっ」

    ホワイトの抜き手がブラックを狙うが、ギリギリで避け続ける。

    ホワイト「反射神経と動体視力が並じゃないわね」

    ブラック「ホワイトもね!」

    反撃のアッパーを放つブラックだが、ホワイトは涼しげに受け流す。

    286 = 166 :

    ブラック「だだだだだだ!!」

    ホワイト「はああああっ!!」

    飛び上がって空中で打撃戦を繰り広げるブラックとホワイト。

    「速過ぎて見えねぇ」

    えりか「ねぇ……つぼみ……」

    つぼみ「大丈夫です。私も見えてません」

    えりか「自信持って言わないでよ」

    ブラック「だぁー!!」

    渾身のストレートを打ち込むブラック。
    しかしその腕はホワイトに絡め取られ、体ごと地面に叩き付けられる。

    ブラック「あぐっ……」

    ホワイト「いくわよ」

    関節を逆に曲げ、ブラックを締め上げる。

    ブラック「う……ぐ」

    287 = 166 :

    ブラック「この!」

    強引に立とうとするが、さらに強く腕を捩り上げられる。

    ブラック「が……」

    ホワイト「……」

    ベリー『あの目……私との戦いで最後に見せた目よ』

    ホワイト「どうしたのブラック。こんなものなの?」

    ブラック「まさか! まだまだだよ!」

    ホワイト「そうよね、あなたはこんなものじゃないはずよね」

    話しながらも段々と加える力を増していく。
    このままではブラックの腕が折られるのも時間の問題だった。

    288 = 166 :

    ブラック(ヤバい……ちょっと外せないなこれ)

    ブラック(やるしかない、か)

    ブラック「があぁぁぁっ!!」

    全身に力を漲らせ、ホワイトごと無理やり立ち上がるブラック。

    ホワイト「折るわよ」

    事も無げに言うホワイト。

    ブラック「折られる前に……外す!!」

    ブラック「だーーっ!!」

    腕を振ってホワイトを地面に叩きつける。

    ホワイト「ぐあっ!?」

    衝撃で手を放すホワイト。同時にブラックも呻き声をあげる。

    アクア『あんな事したら、折れはしなくても肩が外れてるでしょうね』

    290 = 166 :

    ブラック「痛い……」

    涙を浮かべて右肩を抑えるブラック。
    プリキュアであっても痛いものは痛い。
    肩を入れる間もなく、次なる激痛がブラックを襲った。

    ホワイト「……」

    何も言わずにブラックの肩を踏み付けるホワイト。

    ブラック「ああああああ!!」

    タルト『え、えげつないなぁ』

    ベリー『子どもが泣くわよ』

    ホワイト「立ってよ」

    胸元のリボンを掴み、強引にブラックを立たせる。

    ブラック「ホワイト……」

    ホワイト「ふっ!」

    鋭い膝蹴りがブラックの腹部に叩きこまれる。
    何度も、何度も。

    291 = 166 :

    数十発の膝蹴りを入れ、ようやくホワイトはブラックを開放する。
    崩れ落ちるブラック。

    ブラック「……」

    番人『ブラック……ダウン』

    進むカウントを無表情で聞くホワイト。

    せつな「ホワイトの勝ち、ね」

    ラブ「さすがにここからの逆転は……」

    つぼみ「なぎささん……」

    「……立つよ」

    「え?」

    「あの人は立つよ」

    咲の言葉通り、ゆっくりと立ち上がるキュアブラック。

    ホワイト「……そう来なくちゃ」

    292 :

    なぎさがなだぎに見えた

    293 = 166 :

    右肩を押さえながらホワイトを見据えるブラック。

    ブラック「やっと……目が覚めたよ」

    ホワイト「……本気じゃなかったの?」

    ブラック「そうじゃない」

    ブラック「私の思ってた本気は、スポーツの試合とかそんな感じの本気だった」

    ブラック「でも、ホワイトは違った。戦いの……戦闘の本気だった」

    ブラック「そうまでして戦わないといけない、絶対に負けられない理由があるんだね」

    ホワイト「そうよ! たとえあなたを倒してでも……」

    ブラック「嘘」

    ホワイト「!?」

    ブラック「だったら……全部振り切ってるなら、どうしてそんな顔してるの?」

    ブラック「今にも泣きそうじゃない」

    295 = 156 :

    寝てた支援

    296 = 166 :

    ホワイト「仕方ないじゃない!」

    叫ぶホワイト。

    ホワイト「願いを叶えるためには戦わなくちゃ、勝たなきゃいけない!」

    ホワイト「でも、楽に勝てるほど皆弱くない……」

    ホワイト「だから非情になるしかない! 勝って願いを叶えるためには!」

    ホワイト「でも……でも……」

    ブラック「解ってる。本当はそんな事したくないんだよね」

    ブラック「そして、捨てれるような願いなら最初から戦いなんてしない」

    ホワイト「ブラック……」

    ブラック「止めるよ」

    ブラック「私がホワイトを止める。ホワイトにはそんなの似合わない」

    ホワイト「じゃあ私の願いはどうなるの?」

    ブラック「決まってるよ」

    ブラック「私が優勝して、ほのかの願いを叶える」

    297 :

    うおー熱い

    298 = 166 :

    ブラック「ふん! がっ!」

    リングに手をついて、自力で肩をはめるブラック。

    ブラック「いったーー!!」

    ブラック「ふぅ~……なんとかなった」

    のぞみ「あ、ありえない……」

    ブラック「ホワイトにはお世話になりっぱなしだからね。たまには恩返ししないと」

    ホワイト「私より弱い人には、私の願いは託せないわよ?」

    ブラック「舐めないでよね! ホワイトより私のが……体力あるんだから!!」

    突撃するブラック。
    小さくジャンプして空中で蹴りの弾幕を張る。

    ブラック「だだだだだだだ!!」

    パイン『さっきより速い!?』

    ひかり「何かを守る時のなぎささんは、無敵です」

    えりか「何かって?」

    ひかり「今は……ほのかさんを守るためです」

    300 = 228 :

    この展開に感動している俺がいる支援


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