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    元スレあずさ「プロデューサーさん、さよならってどういう意味ですか…?」

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    1 :

    運命の人なんているわけがないわ。

    私が、いつも起き抜けに呟く言葉。
    ほどよい体の痺れと、気だるさが、夢と現実の境界線を曖昧にさせてくれる。

    その数分間だけは、全てを忘れられる時間。
    だけど……

    「ふぅ……ふぅ……」
    右のつま先を擦らせながら、いつもの場所へと向かう。
    蝉がうっすらと鳴いている。乱れた前髪が、汗でおでこに張りつく。

    ……もう、そろそろ夏なのね。

    「今日も、時間通りね」
    私は、腕時計で時間を確認する。AM10:00……の5分前ね。
    うふふ、5分前行動の心がけ、ですよね?

    「……」
    白いハンドバッグを両手で握りしめて、ぽつりと言った。
    「……プロデューサーさん、まだかしら」

    だけど……あなたはいつまでも、強く抱きしめた私の心を、離してくれないんですね。

    2 :

    乳輪…

    3 :

    でかいもんな……

    4 :

    CDサイズだからな……

    5 :

    ふむ

    6 = 1 :

    「あと3分……」
    日焼けした手首を裏返して、また腕時計を確認する。
    秒針が、そろりそろりと動く。
    それに合わせるかのように、鼓動がゆっくりと高まっていく。

    「……」
    私は、ぼんやりと目の前の風景を眺める。
    ここも、何も変わらないわね~。

    ハンカチを額に当てて歩くサラリーマンのお方が、ふと私に視線を投げかけた。
    「あ、あれ……?」
    そのお方の、表情がふいに変わる。
    あらあら、口をぽっかりと開けているわ~。とってもチャーミングね~。

    「うふふ……」
    にっこりとほほ笑みかけると、恥ずかしそうに、その方は行ってしまいました。
    さすがに、話しかけてくる人はいないのね~。

    ──まっこまっこり~ん! 菊地真が10時をお知らせしま~す!

    AM10:00を知らせる鐘が鳴った。
    近くの時計塔のものね。11時は……確か雪歩ちゃんね~。

    もう、プロデューサーさん、遅刻ですよ。

    7 = 5 :

    釣りスレじゃない?

    9 = 5 :

    12 = 1 :

    「……真ちゃん、元気かしら」
    真ちゃんのとびっきりの笑顔を思い出す。
    テレビで彼……ごめんなさい、彼女のドラマは毎週チェックしている。
    タキシードを纏って、ワルモノさんをやっつける真ちゃんは何度見ても素敵ね~。

    私の、すぐ隣の電話ボックスにも、ドラマの大きなポスターが張られている。
    うぅん、それだけじゃないわ。
    どこまでも伸びていくガードレールにも、隙間もないほど立ち並んだお店の窓にも……。

    [天海春香 ドームソロライブ]
    [星井美希 映画主演 近日公開]

    765プロの、みんなの笑顔がどこにでもある。

    「うふふ、デビューした頃は、まさかこんなことになるとは思わなかったわ~」
    目を閉じると、みんなの顔が浮かんでくる。
    雪歩ちゃんの微笑みも、伊織ちゃんの意地悪そうな笑い声も。

    えぇ、目を閉じれば、すぐに、笑顔を思いだせるの。

    ……たった一人を除いて。

    13 = 5 :

    しえ

    14 :

    巨乳輪

    15 :

    あずささんは幸せになるべき

    16 = 1 :

    きゅぅとお腹の、小さな虫が鳴いた。
    「あらあら~……」

    今の、誰かに聞かれてないかしら~。
    両手を頬に当てて、辺りをきょろきょろと見渡す。

    数人の学生さんが、楽しそうにお喋りしながら、真横を通り過ぎる。
    みんな、息を切らして額の汗を拭っている。

    「うぅん……」
    その後ろ姿を、ひたすら見つめる。
    だんだんと、影が小さくなっていく……。

    私は、首をゆっくり左右に振る。
    玉になった汗がアスファルトに、ぽとりと落ちた。

    ……きっと違う。でも、もしかしたらあの時と似てるかも知れない。

    やがて、学生さんは数十メートル先の小さなお店の前で立ち止まる。
    私は、その後を追うように左足を前に出す。体をぐっと前に倒す。
    つられて右足が動く。動く、というより、無理やり引っ張られる。

    「はぁ……はぁ……」
    ようやく小さなプリン屋さんの前にまで辿り着いた時には、
    学生さんはもう居なくなっていた。

    17 = 15 :

    CDサイズとか言える雰囲気じゃなくなってる…

    18 = 15 :

    20 = 4 :

    22 = 1 :

    若い男性の、店員さんは、明るい笑顔を店中に振りまいている。
    だけど、私を見るなり、一瞬、きゅっと苦しそうな顔つきをして……
    「いらっしゃいませ、今日も来たんですね」
    またすぐにいつもの声色になって、笑った。

    「今日も、いつものですか」
    「えぇ、いつものお願いします~」
    「数も……」
    「はい、2つでお願いします~」

    それきり、店員さんは黙って、店の奥へと入って行って……
    丁寧に包装された紙包みを、そっと私に手渡す。

    「ありがとうございます~」
    ひんやりと冷たいお店の壁に、手をつきながら自動ドアを抜ける。
    むわっとした夏の匂いと熱気が、すべりこんで私の体を包む。

    その時に、こめかみの辺りがキュッと締めつけられる。

    この感覚……。
    急いで、振り向く。もう一度、自動ドアをくぐろうとする。
    同じ動きで、同じ気持ちで。

    「あっ……!」
    足がもつれて、尻餅をついてしまった。
    「大丈夫ですか?!」
    大慌てで、店員さんが私に駆け寄ってくる。

    ……ドジね~私ったら。
    もう激しい動きはしちゃダメってちゃんと言われたのに。

    23 = 15 :

    なんと…

    24 :

    あずささんのSSが最近多いのはいいことだ

    25 :

    あずささんのアホ毛を引っこ抜きたい

    27 = 1 :

    お日様のよくあたるここのテラスは、いつも盛況ね~。
    平日なのに、ずいぶんと賑わっているわ~。

    「よいしょ……」
    日傘のある白いテーブルにたっぷりと時間をかけて、座る。
    プリンを紙包みから取り出す。
    向かい側に、私とお揃いのプリンがちょこんと置かれている。

    「うふふ、美味しいですよね。ここのプリン」
    返事は返ってこない。私の声はすぐに、喧騒に掻き消される。

    ……。

    ──は、萩原雪歩ですぅ! 11時になったので、穴掘ってうまってますぅ~。

    あら……?
    もうこんな時間なのね。少しだけ、お昼寝しちゃったみたい。
    目の前には、スプーンが丁寧に乗っているプリンが2つ。

    もう少しだけ、待ってみようかしら。

    30 = 28 :

    おい

    31 = 25 :

    32 = 28 :

    おーい

    33 = 1 :

    ──水瀬伊織ちゃんが、12時をお知らせしまぁす! にひひっ。

    「……」
    膝に強く握った手を置いて、その手と、にらめっこする。

    そうしている間に、テラスの人は、くるくると入れ替わる。
    お似合いのカップルが、猫のように笑いながら、急な坂道を駆けあがっていった。
    うふふ、きっと、登りきる頃には息が上がってるわ。

    きっと、あの男の子はちょっと意地を張って、
    疲れてないよ、って言うわ。恋人の前だものね。

    なんだか、あの子、ちょっと雰囲気が似てますよ?
    ちょっと、エッチそうな……なんて言ったら怒られちゃうかしら、うふふ。

    その時、不意に肩を叩かれた。

    35 :

    ふむ

    38 = 1 :

    「……!」

    全身が、逆立った。
    つま先から頭のてっぺんまで、ぞわっとした塊が駆けあがる。

    「プロ……!」
    「あ、あの、申し訳ございません。長時間のお席の占有は……」
    知らない店員さんだった。初めて見る顔。
    怪訝そうな顔つきで見つめてくる。
    まるで、お化けか何かを見るみたいに。

    ……あら、今日は、いつもの店員さんじゃないのね。

    「ご、ごめんなさい~」
    立ち上がろうとすると、また、ぽんと肩を叩かれた。

    「見ぃつけた」
    背中越しから、12時の時報と同じ声がした。

    ゆっくりと振り向くと……
    あら~、大きなおデコね。
    視線を、すとんと落とすと、
    頬っぺたがリンゴのように染まった少女がいた。

    「伊織ちゃん……」
    「あんた、まだこんなことしてるのね……」

    頬の赤さは、暑さのせいじゃなかった。

    39 :

    倒産のあずさを彷彿とさせるな…

    支援

    41 :

    隣に…状態

    42 :

    どうなるか……

    43 :

    嫌な予感しかしない

    44 = 42 :

    落ちるぞ

    45 :

    雑踏が、水をうったように静まった気がした。
    私たちの周りに、透明な膜が覆ってる、そんな感覚だった。

    伊織ちゃんは、何を言うか迷ってるみたいだった。
    口をぱくぱくと動かしている。

    ……私もおなじ。何を言えばいいのかわからない。

    伊織ちゃんは、ぬるくなって、ドロドロになったプリンに視線を移す。
    「……っ……!」
    息を呑む声が、ハッキリと私の耳に届いた。
    それから、伊織ちゃんは、きゅっと目を瞑って、歯を食いしばった。
    「あんた、まだこんなこと……!」

    体の奥深くで、棘がちくりと刺さった気がした。

    「あの……混んでおりますので……」
    見かねた店員さんが、低くこもった声でそう言った。
    その声で、雑踏の中に引き戻される。

    伊織ちゃんが、横目できっと睨んだ。店員さんがたじろぐ。
    椅子に、乱暴にお尻を落として、伊織ちゃんは言った。

    「……じゃあ、何か注文するわよ。何でもいいから持ってきなさい」
    「……」
    「あずさ、少し、話をしましょう。いいでしょ?」
    「えぇ……」

    46 = 39 :

    あずささん

    48 = 39 :

    どうか不幸にしないで…

    49 = 42 :

    面白いんだがいかんせん速度がな……

    50 = 39 :


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