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元スレ麦野「・・・浜面が入院?」

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「分かったわよ! 白状してやるわよ! 最近2キロ太ったわよ! で? それが何か悪い!?」
「・・逆ギレしてますよ、この人。」
「だから、私はこのアイスコーヒーにだって、砂糖やミルクすら入れずに、苦いまま頑張って飲んでるのよ!?」
「麦茶とか飲めば良いと思うよ、麦野。」
そんな血の滲む努力も知らずに、アンタたちは私のことをデブデブ言いやがってぇ・・、と奥歯を噛み締める麦野。
別にそこまで言ってねぇ・・、と心の中で呟く三人。
そこで絹旗がカッと目を開け、言い放つ。
「そうですね、では麦野の超ダイエット作戦を決行しましょうか!」
「・・ダイエット作戦?」
「『超』ダイエット作戦です!」
「あー、はいはい。で、何する気よ?」
「そうですねー、丸一日使って、麦野の体重を超減らそう、という作戦です。」
「・・、内容は結構、凡庸な作戦ねそれ。」
「しかし、一日だけでも効果はあるはずです! さぁ麦野、超手遅れになる前に!!」
「超手遅れとか言うなッ!」
目を輝かせている絹旗。
普段は大人ぶっている割に、楽しそうなこととなると、格段にキラピカオーラを放つ。
面白そうー、と身を乗り出すフレンダ。
・・・・浜面の退院祝いは? と嘆く滝壺の言葉は、無情にもノリノリの絹旗たちの耳には届いていなかった。
―――――
「で、ここはどこなのかしら。」
「どこ、って超テニスコートですけど、見て分かりませんか?」
「アイテム」が居たのは、第七学区でもかなり有名なテニスコート。
普段は常盤台中学のお嬢様や、近辺の比較的裕福な学生たちがよく利用しているもので、かなりのコート数がある。
1コート2時間でなんと5000円かかるといい、一般のテニスコートと比べると、ぼったくりにも程があるものの、
その分、設備はしっかりしており、コートはセメント、コンクリート製のハードコート。
ボールは常に新しいものが支給され、素材が良く、薄暗くても見やすい蛍光色。
テニスラケットも無償でレンタル可能、さらには雨避けの大きな開閉式屋根もついており、風の影響も受けない。
それでいて、夜11時まで営業しているという完璧な営業体制だった。
「いや、だから何でテニスなのよ。」
「んー、運動に適していて、かつ、女の子の愛らしい仕草が見られるといったら、やっぱりこれかな、と。」
「・・私、テニスやったことないんだけど、こう見えても。」
「はい、超知ってます。」
「・・・・。」
「目指せ、ウィンブルドン。」
ポツリと呟く滝壺。果たしてウィンブルドンの意味を彼女は知っているのだろうか。
絹旗に強引に着せられたテニスウェアは、麦野が普段着ないような純白の袖なし。
そのため、日焼け止めはバッチリ塗られている。
また、ウェアの胸元には「muginon」と筆記体で、赤い刺繍が縫い付けられていた。
おまけに、靴下やテニスシューズまで用意されており、事前に計画を練っていたかのような磐石っぷりだった。
ちなみに、マフィン作りのときと同様、運動の邪魔になるので、またも麦野はポニーテールになっている。
10時間ほど水泳でもやらせとけw
まあテニスウェアの滝壺なら見てみたいなw
水着なら麦野だがww
まあテニスウェアの滝壺なら見てみたいなw
水着なら麦野だがww
「その点は心配いりませんよ、私が超指導しますし、百戦錬磨のフレンダが相手してくれますから。」
「・・それが不安なのよ。」
「大丈夫ですよ、フレンダは見た目通りにテニス超上手いですし、さすが欧米人ですよね。」
「いや、だからそういう問題じゃないんだって・・。」
テニスコートの反対側に居るフレンダは、入念に準備体操をしている。
空色のテニスウェア、白いスカートを履いており、サンバイザーまでしている気合の入りっぷり。
指導役の絹旗は、テニスをするつもりはないのか、いつものピンクのふわふわセーターを着ている。
「・・1、2、3。」
役割のない滝壺は審判台に腰を下ろし、ここのテニスコートは全部で何コートあるのか数えていた。
―――つまり、暇なのである。
「っていうか、アンタはやんないの?」
「はい、こんな格好でテニスなんかしたらパンツ丸見せになっちゃいますからね。」
「・・・私のこれは?」
自分の履いているスカートを指差す麦野。
ウェアと同色の真っ白なスカート、しかし、異常に丈が短いのが気になる。
「見えてナンボでしょう。」
「・・・・。」
「とりあえず、2時間取りましたから、思う存分やりましょう。
ラケットの振り方はさっき教えた通りです。 大丈夫、麦野ならできます!」
「え、ちょっと待って絹旗!」
コート外、後方のベンチにそそくさと戻る絹旗。
「よーし、いっくぞー! 麦野―!」
「え!?」
麦野が気づいたときには、フレンダはボールを真上に高く上げていた。
スパン! とけたたましい音を立てたフレンダのサーブ、凄まじい勢いでボールが打ち下ろされる。
そのボールは一瞬でラインギリギリにズバァァン! と落ち、そのままの勢いで跳ねる。
そしてそれは一直線に、ある部分へ向かっていった。
麦野のスカートの中へ。
「・・ぅ、わきゃぁッッッッッ!!!???」
思わず尻もちをつく麦野。
ボールはスカートの中を貫通し、麦野の真後ろのベンチに座っていた絹旗の真上のフェンスにガシャン!と当たった。
ポテンとボールが絹旗の頭の上に落ちるも、彼女は驚くこともなく、ある一点を集中して凝視している。
転ぶ際にスカートが翻り、麦野のそれが絹旗には丸見えだったのである。
「・・麦野、今日は白ですか。 偶然なのか、テニスウェアの色と超マッチしていますね、ご馳走様でした。」
>>467
素人はそんなことしない
素人はそんなことしない
「ちょ、ちょっと! フレンダ! アンタ、馬鹿じゃないの!?」
「えー、だって麦野、準備できたと思ったからさー。」
「ちっげーよ! そんなスピードのボール取れるわけねーだろってつってんの!」
麦野、超怖いです、と呟く絹旗。
「っていうかアンタ、私のスカートの中狙ったでしょ!?」
「結局、麦野がそんな前の方で待ってるのがいけないんだよー。」
「だって、もっと優しくボール出してくれるのかと思ったの!」
「とにかく、もっと下がってー、一番後ろのラインを踏むくらいが丁度良いからー。」
仕方なく言われたとおりにすごすごと下がり、ラケットを身体の前に構え、姿勢を少し低くする。
いっくよー、とフレンダ。
「(・・・、いつでも来るが良いわっ)」
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鋭い目つきでフレンダが手に持つボールを睨む。
先ほどとは違って、半分くらいの力で放たれるサーブ。
ネットのギリギリ上を越え、ラインを走り、ポーンと跳ね、麦野のジャストポイントの位置に。
ここだ。
「・・はぁッ!!!」
掛け声と共に、勢いよく、横薙ぎに振られる麦野のラケット。
ヒュン、という風を割るような音と共に、一直線にボールへと向かう。
スカッ
「あれ?」
ラケットにボールが当たった感触がなく、それは無情にも後方へポテンッと落ちていた。
絹旗の足元にコロコロと転がる。
___ 【問1】 左図のAAのキャラクター名を答えよ (配点 -5点)
. (_) /、____\ トウマー A
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「もういっちょー!」 スパンッ
「えうッ!」 スカッ
「まだまだー!」 スパンッ
「たぁッ!」 スカッ
「・・・ストライク、スリー。バッターアウト。」
フレンダが発音の良いコールする。空振り三振。
麦野の後方に、次々と打たれることのなかったボールが悲しげに転がっていく。
その醜態を後ろから見ていた絹旗も、呆れるように額に手を当てていた。
「ちょ、ちょっと! 全然ボールに当たらないっ、かすりもしないんだけどっ!?」
「(結局、麦野って料理下手だけじゃなく、運動音痴でもあるんじゃね・・。)」
「・・・、麦野はもっと基本的なことからやるべきみたいですね。」
深い溜め息をつき、コーチ・絹旗最愛が重い腰を上げた。
「いいですか、麦野。すぐ横から私が手出しでボールを、ちょうど麦野が打てるようなところに上げるので、」
「それをジャストミートすれば良いわけね。」
「その通りです。あのフレンダが立っている辺りに、バウンドさせるほどの距離が出れば超完璧ですね。」
フレンダが立っているのは、コートの反対側の、一番後ろのラインより少し手前の空間。
その辺りに自在に打つことができれば、まともなラリーもできるようになるだろう、という絹旗の見解だ。
「私の力で、あんなところまでボール飛ぶとは思えないんだけど。」
「硬式のボールですから、少し力入れるだけで、意外に飛びますよ。
それに麦野は、フォーム自体は綺麗ですから、当たれば良いところに行くでしょう。」
当たればですけどね、とほくそ笑む絹旗。
いいよー、いつでも来―い、とフレンダ。
>>464
そんな設定あったっけ
そんな設定あったっけ
「じゃぁ、出しますよ、構えてください。」
それっぽく構える麦野。
ポン、と軽く上げられたボールは、麦野のヒットポイントに。
「・・・っはぁッ!!!」
スパコーン、と小気味良い音を立て、ボールがかなりの勢いで打ちあがる。
それは、美しい放物線を描くと、滝壺の視線の遥か上を通り、フレンダの頭上をも越えると、
―――やがて、フェンスの後ろの林の中へ消えていった。
「あれ・・?」
「力入れすぎです・・、っていうか気合入れる余り、フォームが超乱れてましたよ、
明らかに真上にラケットを振っていました。上に振れば、上に飛ぶのは当たり前でしょう。」
口ごもる麦野に、ばーか・むぎのーん!と叫ぶフレンダ。
「うっさいわね! 次はその顔面に当ててやるから覚悟しなさいよッ・・!」
「あ、ちなみに、飛んでいったボールは、後で飛ばした本人が取りに行ってくださいね。」
「そ、そんなの滝壺にやらせれば良いじゃない、暇そうにしてるんだからっ!」
「スポーツマンシップに則ってテニスをしましょう、麦野。ボール回収は、超最低限のルールです。」
「・・・わかったわよ、忘れなければね。」
「あ、あと、もう少し力を抜いた方が良いかもしれません。」
「わかったー。」
「では、もう一度。」
ポン、と投げられるボール。
適度に力を抜いて、上へではなく、前へ振る。
「たぁッ!!!」
ところが、スポーン、と麦野のラケットが手から抜け、あろうことか絹旗の顔面にぶち当たった。
跳ね返ったラケットは真上に舞い上がり、ゴトンッ、と絹旗の後ろへ落ちる。
「い、痛ぁーッッッッッッッッッッッ!!!???」
「ご、ごめんッ!! 絹旗、大丈夫!!??」
グワン、グワンと頭を揺らす絹旗。
「大丈夫じゃないですよ! 『窒素装甲』の自動防御機能がなかったら、おデコが超パックリ割れてたところですよ!!」
「わ、わざとじゃないから・・!」
「・・まさか本当に顔面に当ててくるとは思いませんでした・・フレンダじゃなく、私に。
しかも、ボールではなくラケットをぶつけてくるとは、この絹旗最愛、一杯食わされましたね。」
「ご、ごめん・・、根に持たないでくれる?」
「まぁ、良いでしょう、麦野は初めてのテニスですし。
あと、力を抜けとは言いましたが、ラケットから手を離すほどとは言ってませんからね。」
「次はしっかり打つわ・・。」
「(結局、さっきからあの二人は何をやってるんだよ・・。)」
自分のところにボールが来る気配がなく、フレンダは訝しげに麦旗コンビを見つめていた。
「良いですか、両膝を少し沈ませて、腰を上手く使い、ボールを超しっかり見て、
左手は来るボールを捕まえるように構えながら、ラケットを前に押し出す感じです、こんな風に。」
麦野から借りたラケットを使って、フォームの説明をし直す絹旗。
小柄な身体でありながら、力強さの見えるスイングをする。
ふんふん、と腕を組み、真面目に聞く麦野。
体格や容貌的に、逆の立場の方が、事情を知らない人間からは自然に見えるだろう。
「力の入れ具合は、何回かやったのでもう分かると思います。
あとは、綺麗に狙ったところに打てるかどうかですね。」
「・・わかったわ、やってみる。」
「本当ですか?」
「三度目の正直よ・・!」
「もう何度やったと思ってるんですか・・。」
また顔面にラケットをお見舞いされるのは嫌だったので、絹旗は少し離れた位置からボール出しをする。
「じゃ、投げますね。」
「ぉっけー。」
ポン、と投げられるボール。
これで何度目だろうか、同じ過ちを繰り返すことは麦野の信条に反する。
絹旗の言っていたことを思い出し、頭の中で繰り返す。
元々、演算能力に長けている超能力者だ、情報を頭の中で整理するのは得意である。
しかし、それを実行するのが難しく、身体がついていけていなかっただけだ。
「(膝、腰、左手、そして、ボールをよく見て・・・ッ)」
ラケットは綺麗な曲線を描き、ボールへ向かう。
すぐに、ボールがガットに当たった感触が手に伝わる。
少しの痺れを感じるが、それでも、手は絶対に離さない。
腰の捻りから生み出された遠心力を利用し、ラケットを一心に振り抜く。
「(前に、強く押し出すッ・・!!)」
パコーン、とテニスらしい音が響くと、ボールは適度な勢いでネットを越え、フレンダの足元へ。
来ると思っていなかったのか、フレンダは慌てて横へ走り逃げていた。
「・・・、やった。ちゃんと打てたわよ、絹旗!」
「今のは見事でしたねー、超理想の球筋でした。」
>>477
一方さんに殺された女の子をサンドバックにするのがストレス解消な人が言ってたじゃん
一方さんに殺された女の子をサンドバックにするのがストレス解消な人が言ってたじゃん
嬉しさを隠し切れず、大はしゃぎする麦野が、絹旗と手を取り合う。。
子供じゃないんですから、と絹旗、嬉しそうではあるが。
今の見てたー、滝壺ー?と問いかける麦野。
滝壺はゆっくりと、麦野と絹旗に顔を向け、ニコリ、と笑顔。
「・・・全部で30コートもある、すごい。」
「まだテニスコート数えてたんですか、滝壺さん。」
―――――
「んー、良い運動したわー。」
「ゆっくりなボールだったけど、たった2時間やっただけでラリーできるようになったしねー。」
「・・すごい上達した、麦野。」
「今度は、四人でダブルスとか組んでみましょうか。」
使用自由の共用シャワーで汗を流し、いつもの服装に戻った四人は、
テニスコートをあとにして、第七学区の大通りを並んで歩いていた。
ちなみに、昼食は、絹旗の絶賛する超ヘルシーなレストランにおいて、軽く済ませている。
「で、絹旗。次はどこに向かってるわけ?」
「・・・これを出すのはまだ早いと思っていたんですが、まぁ、止むを得ません。」
「だから、何よ。」
「最終基地、『健康ランド』にでも行こうかと。」
「け、健康ランド?」
「まぁ、行けば分かりますよ。」
聞いたこともない単語に戸惑う麦野。
歩いていくうちに、大きなドームのような建物が視界に入ってきた。
のらりくらりと歩いているうちに、健康ランドとやらに着いたらしい。
「麦のんダイエット推進委員会委員長として、ここは超抑えておかないと、と思いましてね。」
それは遠くから見ても視認できた、野球ドームのように大きな屋根がついており、見上げるほど大きな建物だった。
大きな入り口には、「健康ランド」と馬鹿正直に大きな看板が設置してあった。
横には、「学園都市唯一の健康ランド、学生さん平日20%割引!」などと大きな垂れ幕が下がっている。
まだ昼の二時過ぎだというのに、ピカピカとイルミネーションが点灯している欲張りっぷりだ。
初めて健康ランドなるものを目の前にし、圧倒され、思わず麦野は後ずさりする。
「学園都市にこんなものがあったなんて知らなかったわ・・。
っていうかアンタ、こんな所にちょくちょく通ってたわけ?」
「いえ、私がココを知ったのはつい最近です、っていうか2ヶ月前にできたばかりですよ。」
「結局、何かここオバサンが行くような場所じゃない?」
「学園都市はほとんど学生しか居ないんですから、気にしませんよ、そんなの。」
ま、受付とか案内は全て私に超任せてください! と言い放ち、意気揚々と入り口へ向かう。
気が引けるため、彼女の一歩後ろを歩いていく三人。
「あ、ちなみに、靴は脱いでくださいね?」
絹旗は後ろ歩きをしながら、説明し、やがて、ピカピカに拭かれたであろうガラス製の自動ドアの前に立った。
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