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元スレ黒髪娘「そんなにじろじろ見るものではないぞ」
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男「あはははっ。いいってことさ。
確かに珍しい材料は使っちゃ居るし、
滅多に食べられない物だけれど、
だからといって遠慮してどうするよ。
こいつは右大臣家、黒髪の姫の心遣い。
寒い中で待っている舎人や雑色のみなさん
女房の皆さんにも差し入れしてあげろってさ」
下級女房「そうなの? あ、あの……」
男「ん?」
下級女房「私の友達は、その。
うちの姫のお付きだから、藤壺の中に……」
男「ああ。うん。わかるわかる。
うちのほかの女房さん達もそうだ。お土産だろ?
こっちに少しよけてある。悪いな。
こっちに持ってきてあるのは、
姫達が食べるのを作る時の失敗作とか、
半端モノなんだけどさ」
舎人「とんでもない! 天竺の菓子とはこれのことかと思うぜ」
雑色「ああ、ほんとうだ。妻にも食わせてやりたいもんだよ」
下級女房「ありがとうね。雑色さん」
男「まぁ、今後とも一つ頼むよ」
確かに珍しい材料は使っちゃ居るし、
滅多に食べられない物だけれど、
だからといって遠慮してどうするよ。
こいつは右大臣家、黒髪の姫の心遣い。
寒い中で待っている舎人や雑色のみなさん
女房の皆さんにも差し入れしてあげろってさ」
下級女房「そうなの? あ、あの……」
男「ん?」
下級女房「私の友達は、その。
うちの姫のお付きだから、藤壺の中に……」
男「ああ。うん。わかるわかる。
うちのほかの女房さん達もそうだ。お土産だろ?
こっちに少しよけてある。悪いな。
こっちに持ってきてあるのは、
姫達が食べるのを作る時の失敗作とか、
半端モノなんだけどさ」
舎人「とんでもない! 天竺の菓子とはこれのことかと思うぜ」
雑色「ああ、ほんとうだ。妻にも食わせてやりたいもんだよ」
下級女房「ありがとうね。雑色さん」
男「まぁ、今後とも一つ頼むよ」
――藤壺の広間
黒髪娘「梅の実と梅酒の香り付けがある。
茶に合うと思うので、良かったら。その……
食べて欲しい」
ひそひそ……。ひそひそ……。
二の姫「頂きますわ」
藤壺の君「ええ、もちろん」
友女房(どうですか? どうですか、それ?)
黒髪娘「……」じぃっ
藤壺の君「これは……」
二の姫「甘い。……それに梅の香りと、爽やかさが
なんて清々しいのでしょう!」
友女房(やった! やりましたよ!
これが未来の甘味の実力。いわゆる仕込みですねっ。
さすが男さんっ。あの祖父君のお孫さんです)
黒髪娘「よかった」 ほっ
二の姫「それにしてもこれは初めて経験する甘露です」
藤壺の君「ええ。干し柿のようにとろりと甘いですが
それよりも蜜のように心くすぐるような……」
黒髪娘「梅の実と梅酒の香り付けがある。
茶に合うと思うので、良かったら。その……
食べて欲しい」
ひそひそ……。ひそひそ……。
二の姫「頂きますわ」
藤壺の君「ええ、もちろん」
友女房(どうですか? どうですか、それ?)
黒髪娘「……」じぃっ
藤壺の君「これは……」
二の姫「甘い。……それに梅の香りと、爽やかさが
なんて清々しいのでしょう!」
友女房(やった! やりましたよ!
これが未来の甘味の実力。いわゆる仕込みですねっ。
さすが男さんっ。あの祖父君のお孫さんです)
黒髪娘「よかった」 ほっ
二の姫「それにしてもこれは初めて経験する甘露です」
藤壺の君「ええ。干し柿のようにとろりと甘いですが
それよりも蜜のように心くすぐるような……」
これは……お……美味しいですわね
確かにこの蕩けるような小豆の味が……。
別にこの程度の物、あ。それはわたしのぶんでしてよっ。
唐わたりの製菓の技まで持つとは。文章博士に匹敵する
学識を持つというのもあながち……
友女房「姫様。姫さまっ。
……気に入って下さったみたいですよ?」わたわた
黒髪娘「うむ」
二の姫「雅やかな銘菓です」
藤壺の君「ええ、ありがとうございます」
黒髪娘「あ、いや……それは男ど……こほんっ。
実を言えば、その。
まだ余っているのだ。
お帰りの時に持ち帰れるよう包んであるゆえ
皆様、宜しかったらいかがだろうか?
……。その……。皆様方。
わたしは、生来不調法で、このような席を避けていた」
藤壺の君「黒髪の姫……」
黒髪娘「にもかかわらずこのような席でご厚情を頂き
感謝に堪えぬ。みな、私を悪し様に罵るのも当たり前だ。
仕事を果たしてこれなかったし、
今後はすこしでも出仕しなければと思っている。
ただ、感謝の気持ちだけ、受け取って欲しい……」
確かにこの蕩けるような小豆の味が……。
別にこの程度の物、あ。それはわたしのぶんでしてよっ。
唐わたりの製菓の技まで持つとは。文章博士に匹敵する
学識を持つというのもあながち……
友女房「姫様。姫さまっ。
……気に入って下さったみたいですよ?」わたわた
黒髪娘「うむ」
二の姫「雅やかな銘菓です」
藤壺の君「ええ、ありがとうございます」
黒髪娘「あ、いや……それは男ど……こほんっ。
実を言えば、その。
まだ余っているのだ。
お帰りの時に持ち帰れるよう包んであるゆえ
皆様、宜しかったらいかがだろうか?
……。その……。皆様方。
わたしは、生来不調法で、このような席を避けていた」
藤壺の君「黒髪の姫……」
黒髪娘「にもかかわらずこのような席でご厚情を頂き
感謝に堪えぬ。みな、私を悪し様に罵るのも当たり前だ。
仕事を果たしてこれなかったし、
今後はすこしでも出仕しなければと思っている。
ただ、感謝の気持ちだけ、受け取って欲しい……」
>>355
ループする。好みのおにゃのこは複数居ても良いらしい。
そういえば朧月夜は尚侍してた様な気がする。
この女は今上帝と言辞を二股掛けたVip的にはビッチなんだけど
嫌いじゃないんだよなぁ……。
ループする。好みのおにゃのこは複数居ても良いらしい。
そういえば朧月夜は尚侍してた様な気がする。
この女は今上帝と言辞を二股掛けたVip的にはビッチなんだけど
嫌いじゃないんだよなぁ……。
――藤壺の前庭。
ざわざわ……牛車回しを……姫のお帰り……
藤壺の君「本日はおいで下さって、嬉しかったですわ。
黒髪の姫君。美味しい、唐渡りの菓子を、ありがとう」 にこり
黒髪娘「いえ……その……。
藤壺の上のお心遣いで、胸のつかえもとれました」
藤壺の君「取れたとすれば、それは姫の手柄でしょう?」
黒髪娘「私はこんなに癇癪持ちなのに、良くして頂いて……」
藤壺の君「寂しかっただけではないの?」
二の姫「黒髪の姫の才気は男にも負けないのですから
そんなに背を丸めていると世を見誤りますわ」
黒髪娘「二の姫……」
二の姫「今度は私の宮にも遊びに来て下さい。
黒髪の姫には物足りないかも知れませんが、
古謡の歌合わせでも、お茶でもいたしましょう」
黒髪娘「ありがとう。その……。
わたしを、きらわないでくれて」
二の姫「そのようなことを仰っては駄目ですよ」にこり
ざわざわ……牛車回しを……姫のお帰り……
藤壺の君「本日はおいで下さって、嬉しかったですわ。
黒髪の姫君。美味しい、唐渡りの菓子を、ありがとう」 にこり
黒髪娘「いえ……その……。
藤壺の上のお心遣いで、胸のつかえもとれました」
藤壺の君「取れたとすれば、それは姫の手柄でしょう?」
黒髪娘「私はこんなに癇癪持ちなのに、良くして頂いて……」
藤壺の君「寂しかっただけではないの?」
二の姫「黒髪の姫の才気は男にも負けないのですから
そんなに背を丸めていると世を見誤りますわ」
黒髪娘「二の姫……」
二の姫「今度は私の宮にも遊びに来て下さい。
黒髪の姫には物足りないかも知れませんが、
古謡の歌合わせでも、お茶でもいたしましょう」
黒髪娘「ありがとう。その……。
わたしを、きらわないでくれて」
二の姫「そのようなことを仰っては駄目ですよ」にこり
――建春門の梅の下
黒髪娘「男殿、男殿っ」
男「黒髪、そんなばたばた……おいっ」
かたっ。とっとっと……
黒髪娘「っと……。んっ。大丈夫だ。
少し躓いただけで。
牛車ではまだるっこしくて困る」
男「なんだなんだ。貴婦人して疲れたのか?」
黒髪娘「うむ」
男「クチ尖らせたって駄目だ」
黒髪娘「そのようなことはない」
男「ん? どした」
黒髪娘「いや、ううん」
男「なんだよ、変だなぁ」
黒髪娘「胸がいっぱいで」
男「上手く行ったのか?」
黒髪娘「全てみんなのお陰だ」
黒髪娘「男殿、男殿っ」
男「黒髪、そんなばたばた……おいっ」
かたっ。とっとっと……
黒髪娘「っと……。んっ。大丈夫だ。
少し躓いただけで。
牛車ではまだるっこしくて困る」
男「なんだなんだ。貴婦人して疲れたのか?」
黒髪娘「うむ」
男「クチ尖らせたって駄目だ」
黒髪娘「そのようなことはない」
男「ん? どした」
黒髪娘「いや、ううん」
男「なんだよ、変だなぁ」
黒髪娘「胸がいっぱいで」
男「上手く行ったのか?」
黒髪娘「全てみんなのお陰だ」
男「よかったなぁ、おい。ちゃんと歌も詠めたのか?」
黒髪娘「わっ。よ、よめた」
男「偉いな、おい」 わしゃわしゃ
黒髪娘「男殿に云われたとおり、皆の声を聞いた」
男「聞こえたか?」
黒髪娘「……聞こえた」
男「みんなに嫌われてばかりだったか?」
黒髪娘「嫌われてもいた。疎まれてもいた。
侮られても恨まれてもいた。
……でも、それだけじゃなかった」
男「そっか」
黒髪娘「たぶん……おそらく、友人も。
できたのだと……思う……」
男「予想以上の戦火だな」
黒髪娘「うん……。男殿の……おかげ……」
男「なんだよ、鼻赤くなって。泣くのか?」
黒髪娘「泣かないっ」 ふいっ
黒髪娘「わっ。よ、よめた」
男「偉いな、おい」 わしゃわしゃ
黒髪娘「男殿に云われたとおり、皆の声を聞いた」
男「聞こえたか?」
黒髪娘「……聞こえた」
男「みんなに嫌われてばかりだったか?」
黒髪娘「嫌われてもいた。疎まれてもいた。
侮られても恨まれてもいた。
……でも、それだけじゃなかった」
男「そっか」
黒髪娘「たぶん……おそらく、友人も。
できたのだと……思う……」
男「予想以上の戦火だな」
黒髪娘「うん……。男殿の……おかげ……」
男「なんだよ、鼻赤くなって。泣くのか?」
黒髪娘「泣かないっ」 ふいっ
黒髪娘「男殿に、その……」
男「なに?」
黒髪娘「礼をしなければならない」
男「気にするなよ」
黒髪娘「気になる。私はこれでもう大臣家の娘だ。
明経を学んだ身でもある。礼節を逸したくはない」
男「それはそれで、めんどうだなぁ……」
黒髪娘「男殿は望まれることはないのか?」
男「んー」
黒髪娘「……」じぃ
男「望み、ねぇ……」
黒髪娘「私でかなえられる……ことは、その……
たいしてないのだが……何か……」
男「んー」
黒髪娘「男殿……」
男(これは、その……。あれかな。フラグ、なのか?
人生初めて過ぎてさっぱり判らんぞ……。
どう答えりゃ良いんだ!?
女の考えてることわからねぇぞ……)
男「なに?」
黒髪娘「礼をしなければならない」
男「気にするなよ」
黒髪娘「気になる。私はこれでもう大臣家の娘だ。
明経を学んだ身でもある。礼節を逸したくはない」
男「それはそれで、めんどうだなぁ……」
黒髪娘「男殿は望まれることはないのか?」
男「んー」
黒髪娘「……」じぃ
男「望み、ねぇ……」
黒髪娘「私でかなえられる……ことは、その……
たいしてないのだが……何か……」
男「んー」
黒髪娘「男殿……」
男(これは、その……。あれかな。フラグ、なのか?
人生初めて過ぎてさっぱり判らんぞ……。
どう答えりゃ良いんだ!?
女の考えてることわからねぇぞ……)
あれ?眼から朝露が
と思ったら、ルートフラグ
これでいいですか?
>ノーマル
トゥルー
ハッピー
と思ったら、ルートフラグ
これでいいですか?
>ノーマル
トゥルー
ハッピー
むにっ
黒髪娘「ひゃい?」
男「いや、水くさいって云うか」
黒髪娘「られ、ほっぺらをひっふぁるのらっ」
男「……雰囲気に耐えきれなかったって云うか?」
黒髪娘「う゛うう」
男「礼かぁ。なんか考えておくよ。
それより、祝いの方が先だろう?」
黒髪娘「りわい?」
男「今回の作戦も成功だったし。
舎人や雑色にも恩は売ったしな。いくら貴族がサーバでも
結局噂の流通はネットワークである女房や召使いに
頼っているようなこの世界じゃ、下を味方につけるのは
大きいと思うぞー」
黒髪娘「??」
男「いや。友女房とかにも世話になっただろう?」
黒髪娘 こくり
男「美味い物でも出して、ねぎらってやれ?」
黒髪娘「もりろんだ」
黒髪娘「ひゃい?」
男「いや、水くさいって云うか」
黒髪娘「られ、ほっぺらをひっふぁるのらっ」
男「……雰囲気に耐えきれなかったって云うか?」
黒髪娘「う゛うう」
男「礼かぁ。なんか考えておくよ。
それより、祝いの方が先だろう?」
黒髪娘「りわい?」
男「今回の作戦も成功だったし。
舎人や雑色にも恩は売ったしな。いくら貴族がサーバでも
結局噂の流通はネットワークである女房や召使いに
頼っているようなこの世界じゃ、下を味方につけるのは
大きいと思うぞー」
黒髪娘「??」
男「いや。友女房とかにも世話になっただろう?」
黒髪娘 こくり
男「美味い物でも出して、ねぎらってやれ?」
黒髪娘「もりろんだ」
いや、まぁ。実際、オチどうすんのよこれ、とか
あんまりにも考え無しに書いてるので、今日は鈍いわけです。
萌え足りて無いとも言う。
あんまりにも考え無しに書いてるので、今日は鈍いわけです。
萌え足りて無いとも言う。
眠くて頭働いてないらしい。www
こんなにVIPであることを悔しいと思ったスレは、初めてだ。
こんなにVIPであることを悔しいと思ったスレは、初めてだ。
>>375
儚くて好きゾ、このSS
儚くて好きゾ、このSS
―― 一月後、黒髪の四阿、炬燵の間
男「まだまだ炬燵が有り難いなぁ」
黒髪娘「そうだな。朝夕は特にだ」
男「それなに?」
黒髪娘「宿曜道の本だ」
男「宿曜道ってなに?」
黒髪娘「暦道と占いの混ぜたような物かな。
僧都が学ぶ物だけど、なかなか興味深い」
男「勉強好きな」
ペラッ
黒髪娘「むぅ……。その……好きだぞ? 勉強は。
以前みたいに、出世とか、そう言うことを
考えなくても。私が、私のままで……。
好きだ……けっこう」
男「それでいーじゃんよ」
黒髪娘「む」
男「?」
黒髪娘「そのミカンは私の分ではないか?」
男「あ。すまん」
男「まだまだ炬燵が有り難いなぁ」
黒髪娘「そうだな。朝夕は特にだ」
男「それなに?」
黒髪娘「宿曜道の本だ」
男「宿曜道ってなに?」
黒髪娘「暦道と占いの混ぜたような物かな。
僧都が学ぶ物だけど、なかなか興味深い」
男「勉強好きな」
ペラッ
黒髪娘「むぅ……。その……好きだぞ? 勉強は。
以前みたいに、出世とか、そう言うことを
考えなくても。私が、私のままで……。
好きだ……けっこう」
男「それでいーじゃんよ」
黒髪娘「む」
男「?」
黒髪娘「そのミカンは私の分ではないか?」
男「あ。すまん」
黒髪娘「最期の一個とっておいたのに!」
男「いや、悪い悪い。半分食うか?」
黒髪娘「当たり前だ」
男「ふふふっ」
黒髪娘「ミカンは丁寧に剥くのが……ん?」
男「いいや、なんかさ」
ぺらっ
黒髪娘「うん」
男「ずいぶん打ち解けたというか。良い感じになったよな」
黒髪娘「?」
男「黒髪もさ、表情が柔らかくなった」
黒髪娘「そのようなことはない。
私は常に礼節には気を遣うほうだ」
男「そりゃ最初からだったけどさ」
黒髪娘「うむ」
男「いまは、結構なれてきたでしょ?」
黒髪娘「そうかな?」
男「いや、悪い悪い。半分食うか?」
黒髪娘「当たり前だ」
男「ふふふっ」
黒髪娘「ミカンは丁寧に剥くのが……ん?」
男「いいや、なんかさ」
ぺらっ
黒髪娘「うん」
男「ずいぶん打ち解けたというか。良い感じになったよな」
黒髪娘「?」
男「黒髪もさ、表情が柔らかくなった」
黒髪娘「そのようなことはない。
私は常に礼節には気を遣うほうだ」
男「そりゃ最初からだったけどさ」
黒髪娘「うむ」
男「いまは、結構なれてきたでしょ?」
黒髪娘「そうかな?」
男「馴れた馴れた」
黒髪娘「何か釈然としない物を感じるが」
ペラッ
男「そうか?」
黒髪娘「うむ」
男「ほら。剥けたぞ。……ほれ」
黒髪娘「ん」ぱくっ 「……美味しい。ありがとう」
男「どういたしまして」
黒髪娘「……むむむ。戌羯羅は金星にして宵を過ぐる、か」
男「難しそうだな」 むきむき
黒髪娘「夜空を彷徨う九星についてらしいのだが。
これは明けの明星について話しているようだ。
しゅくら、と読むのかな? 梵語は話せないから」
男「ほれ、もう一個……」
黒髪娘「ん」ぱくっ 「……ひんやりして美味しいな」
男「だよなぁ」
黒髪娘「何か釈然としない物を感じるが」
ペラッ
男「そうか?」
黒髪娘「うむ」
男「ほら。剥けたぞ。……ほれ」
黒髪娘「ん」ぱくっ 「……美味しい。ありがとう」
男「どういたしまして」
黒髪娘「……むむむ。戌羯羅は金星にして宵を過ぐる、か」
男「難しそうだな」 むきむき
黒髪娘「夜空を彷徨う九星についてらしいのだが。
これは明けの明星について話しているようだ。
しゅくら、と読むのかな? 梵語は話せないから」
男「ほれ、もう一個……」
黒髪娘「ん」ぱくっ 「……ひんやりして美味しいな」
男「だよなぁ」
>>380
らごう?←(字は忘れた)
らごう?←(字は忘れた)
がたーん!
黒髪娘「?」
男「どうしたんだ」
ばたーん。どたたたたっ。
黒髪娘「なんだ、騒がしい」
友女房「姫様っ。大変ですっ」
黒髪娘「何があったのだ。友」
男「どうしたんだ?」
友女房「桐壺様のお付きの者がこちらにっ」
黒髪娘「なにゆえっ!?」
男「どうゆうこと?」
友女房「た、大変ですよ。
どうやら今回ばかりは探索というか、
無理矢理にでも見つけるつもりかと」
黒髪娘「いや、それどころではない。
ほら、先月末の楽の会を」
友女房「そ、そうでしたっ」
黒髪娘「?」
男「どうしたんだ」
ばたーん。どたたたたっ。
黒髪娘「なんだ、騒がしい」
友女房「姫様っ。大変ですっ」
黒髪娘「何があったのだ。友」
男「どうしたんだ?」
友女房「桐壺様のお付きの者がこちらにっ」
黒髪娘「なにゆえっ!?」
男「どうゆうこと?」
友女房「た、大変ですよ。
どうやら今回ばかりは探索というか、
無理矢理にでも見つけるつもりかと」
黒髪娘「いや、それどころではない。
ほら、先月末の楽の会を」
友女房「そ、そうでしたっ」
男「ちょっとまってくれよ。どういう事なんだ?」
友女房「男様っ。そうだ、男様だってまずいですよっ!」
黒髪娘「いや、今さら些末なことだっ。
それよりまずい。まずいな……。
私はここにいないことになってるし……」
男「どうゆう事なんだ?」
友女房「先月の歌会から、話が姫も多少は
宮中での株が持ち直しまして」
黒髪娘「多少と云ってくれるな」
友女房「珍しい物見たさと云いますか、
あちこちの歌会やらお茶会からたまに声が
かかるようになったのですよ。
姫君も、時間が余りかからないような
小さな会を選んで数回は顔を見せたのですが、
中でも強烈にお招きを下さっているのが
桐壺さまでして……」
黒髪娘「はぁぁ……」
男「それが、どうだめなんだ?」
友女房「男様っ。そうだ、男様だってまずいですよっ!」
黒髪娘「いや、今さら些末なことだっ。
それよりまずい。まずいな……。
私はここにいないことになってるし……」
男「どうゆう事なんだ?」
友女房「先月の歌会から、話が姫も多少は
宮中での株が持ち直しまして」
黒髪娘「多少と云ってくれるな」
友女房「珍しい物見たさと云いますか、
あちこちの歌会やらお茶会からたまに声が
かかるようになったのですよ。
姫君も、時間が余りかからないような
小さな会を選んで数回は顔を見せたのですが、
中でも強烈にお招きを下さっているのが
桐壺さまでして……」
黒髪娘「はぁぁ……」
男「それが、どうだめなんだ?」
黒髪娘「桐壺様は後宮では大きな権勢を
持っていらっしゃるのだ。
しかしもうお歳もめしはじめていらっしゃるし
今上帝の寵も薄れつつあるとの噂。
要するに、藤壺の上に強烈な対抗意識を
持っているのだ。
私を誘うのも私自身に興味があるわけではなく、
藤壺の上との間のもめ事に利用しようという気持ちなのだろう。
それが面倒で、何回も断っていたのだ」
男「ふぅん。断っていたのなら別にいいんじゃね?」
黒髪娘「いや、そのぅ……」
友女房「断る時の口実が問題でして。
姫は気鬱の病のせいで吉野の別宅へ
静養に行っていると云うことになっているのです。
ひと月ほどのことですが」
男「え?」
友女房「ですからここにいるのが見つかると
非常にまずいんですよ」
黒髪娘「引きこもっていれば
絶対にばれないと思ったんだが……」
持っていらっしゃるのだ。
しかしもうお歳もめしはじめていらっしゃるし
今上帝の寵も薄れつつあるとの噂。
要するに、藤壺の上に強烈な対抗意識を
持っているのだ。
私を誘うのも私自身に興味があるわけではなく、
藤壺の上との間のもめ事に利用しようという気持ちなのだろう。
それが面倒で、何回も断っていたのだ」
男「ふぅん。断っていたのなら別にいいんじゃね?」
黒髪娘「いや、そのぅ……」
友女房「断る時の口実が問題でして。
姫は気鬱の病のせいで吉野の別宅へ
静養に行っていると云うことになっているのです。
ひと月ほどのことですが」
男「え?」
友女房「ですからここにいるのが見つかると
非常にまずいんですよ」
黒髪娘「引きこもっていれば
絶対にばれないと思ったんだが……」
>>384
俺も、覚悟決めます。www
俺も、覚悟決めます。www
男「どうしてそう言う隙だらけの作戦を立てるっ」
黒髪娘「う゛。し、しかしっ。
この庵を留守にすると、男殿の長びつが
無防備になってしまうではないか」
男「連絡しておいてくれるなりすれば、そんなのさ」
友女房「す、すみませんっ。お二方。
いまは火急の時ですので、どうかご容赦をっ」
黒髪娘「そうだな。えっと、その使いの者は
どれくらいでこちらにくるのか?」
友女房「おそらく、半時もかからぬうちに」
黒髪娘「ではいまから牛車を仕立てても……」
友女房「ええ、絶対ばれてしまいますね」
黒髪娘「くっ……。何か手はないのか」
友女房「いっそ、女房の服で夕闇に紛れ……」
黒髪娘「しかしそれで実家へ帰ろうと、
実家の方も張られている公算が高い。
どうも私に疑いを持って確認に来ているようだし」
男「……あー。んぅ……なんだ。
ひとつばかり、一応思案があると云えば……あるんだが」
黒髪娘「う゛。し、しかしっ。
この庵を留守にすると、男殿の長びつが
無防備になってしまうではないか」
男「連絡しておいてくれるなりすれば、そんなのさ」
友女房「す、すみませんっ。お二方。
いまは火急の時ですので、どうかご容赦をっ」
黒髪娘「そうだな。えっと、その使いの者は
どれくらいでこちらにくるのか?」
友女房「おそらく、半時もかからぬうちに」
黒髪娘「ではいまから牛車を仕立てても……」
友女房「ええ、絶対ばれてしまいますね」
黒髪娘「くっ……。何か手はないのか」
友女房「いっそ、女房の服で夕闇に紛れ……」
黒髪娘「しかしそれで実家へ帰ろうと、
実家の方も張られている公算が高い。
どうも私に疑いを持って確認に来ているようだし」
男「……あー。んぅ……なんだ。
ひとつばかり、一応思案があると云えば……あるんだが」
>>386
明石入道?、絡んだら俺、甍ってた。
明石入道?、絡んだら俺、甍ってた。
――祖父の田舎屋
がたがたっ。どてっ。
黒髪娘「っくぅっ」
男「大丈夫か?」
黒髪娘「かたじけない。男殿。……風の香が」
男「やっぱ違うよな」
黒髪娘「ここは……」
男「話しただろう。爺ちゃん家の納戸だ」
黒髪娘「そうか。ん……」
男「足とか、平気か? 捻ってないか?」
黒髪娘「大丈夫のようだ。いまは何時頃なのだろう?
表はほのかに明るいようだが、夜明け前だろうか?」
男「いや」すちゃっ 「――殆ど真夜中だな」
黒髪娘「あの白い灯りは?」
男「水銀灯だよ。防犯のために、夜を照らしている」
黒髪娘「そうか……。本当に、別の世界なのだな」
男「まぁ、気楽にしてよ。ようこそ、二十一世紀へ」
がたがたっ。どてっ。
黒髪娘「っくぅっ」
男「大丈夫か?」
黒髪娘「かたじけない。男殿。……風の香が」
男「やっぱ違うよな」
黒髪娘「ここは……」
男「話しただろう。爺ちゃん家の納戸だ」
黒髪娘「そうか。ん……」
男「足とか、平気か? 捻ってないか?」
黒髪娘「大丈夫のようだ。いまは何時頃なのだろう?
表はほのかに明るいようだが、夜明け前だろうか?」
男「いや」すちゃっ 「――殆ど真夜中だな」
黒髪娘「あの白い灯りは?」
男「水銀灯だよ。防犯のために、夜を照らしている」
黒髪娘「そうか……。本当に、別の世界なのだな」
男「まぁ、気楽にしてよ。ようこそ、二十一世紀へ」
――男の実家
姉「どーしたのよ、あんた。こんな時間に」
男「しーっ。声、でかい姉ちゃん」
姉「なんなの? 父さんの出張に母さんも
くっついてっちゃったから誰もいないわよ?」
男「そっか、なら、まぁ。いいけど」
姉「どうしたのよ? こんな夜中に? 犯罪?」
男「いや、ちげぇって」
姉「むー。たいした用事じゃないんだったら老後にしてよ。
あたし年金生活になったら暇になる予定だから」
男「姉ちゃんを見込んでたのみがあるんだ」
姉「金なら借りたい位よ?」
男「ちがうって、その……さ。
いや、なんて云えばいいかな。そのぅ……。
決して問題がある事情って訳じゃないんだけど」
そぉ
黒髪娘 ぺこりっ
姉「どーしたのよ、あんた。こんな時間に」
男「しーっ。声、でかい姉ちゃん」
姉「なんなの? 父さんの出張に母さんも
くっついてっちゃったから誰もいないわよ?」
男「そっか、なら、まぁ。いいけど」
姉「どうしたのよ? こんな夜中に? 犯罪?」
男「いや、ちげぇって」
姉「むー。たいした用事じゃないんだったら老後にしてよ。
あたし年金生活になったら暇になる予定だから」
男「姉ちゃんを見込んでたのみがあるんだ」
姉「金なら借りたい位よ?」
男「ちがうって、その……さ。
いや、なんて云えばいいかな。そのぅ……。
決して問題がある事情って訳じゃないんだけど」
そぉ
黒髪娘 ぺこりっ
姉「かっ!」
黒髪娘 びくっ
姉「可愛い~♪ わ。わ。なにこれ! まじ!?」
ぎゅむっぎゅむぅぅぅ~!!
黒髪娘「!?」
男「いや、姉ちゃん。ごめん、そいつ死んじゃうから」
姉「なによ。ははぁん。これがあれ? 例の。
難易度SSの女子中学生?」
男「まぁ……そうなる……かな」
姉「可愛いわねぇ。すっごいちいさいのっ。
それに何これ、こんなに長い黒髪とかっ。
あんたどんだけフェチはいってるのよっ!?
いっやぁ。フィギュア買う程度かと思ってたけど
この姉ちゃんもおそれいったわ! いやぁ参った!!」
男「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
黒髪娘 びくっ
姉「可愛い~♪ わ。わ。なにこれ! まじ!?」
ぎゅむっぎゅむぅぅぅ~!!
黒髪娘「!?」
男「いや、姉ちゃん。ごめん、そいつ死んじゃうから」
姉「なによ。ははぁん。これがあれ? 例の。
難易度SSの女子中学生?」
男「まぁ……そうなる……かな」
姉「可愛いわねぇ。すっごいちいさいのっ。
それに何これ、こんなに長い黒髪とかっ。
あんたどんだけフェチはいってるのよっ!?
いっやぁ。フィギュア買う程度かと思ってたけど
この姉ちゃんもおそれいったわ! いやぁ参った!!」
男「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
――男の実家、居間
姉「やぁ。ごめんね。あたし、こいつの姉。
この家に一緒に住んでる。
まぁ、こいつはいまは半分くらい爺ちゃんの家に
寝泊まりしてるんだけどねー」
黒髪娘「お初にお目にかかります。
わたしは黒髪ともうします。
弟御にはいつもいつもお世話になっています。
その恩を返す事も出来ずこのように
尋ねてきてしまいましたが
どうかお見知りおき下さい……」 おずおず
男「あー」 おろおろ
姉「ちょ……ごめ……」 ぐいっ
黒髪娘「?」
姉「ちょっとあんた、あたしを萌え殺す気?
鼻血でそうじゃない、あの態度。
髪の毛サラサラで卵肌に潤んだ瞳よ。
なんであんなに奥ゆかしくて清楚なのよ!?
あれ絶滅危惧種だから。大和撫子だから。
お姉ちゃんの物にするから」
男「なんでそこでそうなるっ」
黒髪娘「あの……。こんな余分に、本当にご迷惑を」
姉「やぁ。ごめんね。あたし、こいつの姉。
この家に一緒に住んでる。
まぁ、こいつはいまは半分くらい爺ちゃんの家に
寝泊まりしてるんだけどねー」
黒髪娘「お初にお目にかかります。
わたしは黒髪ともうします。
弟御にはいつもいつもお世話になっています。
その恩を返す事も出来ずこのように
尋ねてきてしまいましたが
どうかお見知りおき下さい……」 おずおず
男「あー」 おろおろ
姉「ちょ……ごめ……」 ぐいっ
黒髪娘「?」
姉「ちょっとあんた、あたしを萌え殺す気?
鼻血でそうじゃない、あの態度。
髪の毛サラサラで卵肌に潤んだ瞳よ。
なんであんなに奥ゆかしくて清楚なのよ!?
あれ絶滅危惧種だから。大和撫子だから。
お姉ちゃんの物にするから」
男「なんでそこでそうなるっ」
黒髪娘「あの……。こんな余分に、本当にご迷惑を」
>>397
剥けてる
剥けてる
姉「いや、迷惑なんかじゃないですから」くるっ
黒髪娘「そう……ですか?」
男「お茶、煎れようか」
姉「ああ、さっさと煎れてくるように」
男「わかったよ」
姉「黒髪ちゃんか。ん、素敵な名前だね」
黒髪娘「ありがとうございます」
姉(ふぅん……。男のTシャツにカーゴパンツ、ねぇ。
どこで着せたのか。“着る物もなかった”のか……。
やっぱり訳ありの“難しい娘”ってやつなのねぇ)
黒髪娘「どうされました?」
姉「ううん。なんでもないよ」
男「おー。茶を入れたぞ」
姉「どうぞ、温かいよ」
黒髪娘「はい」
姉「ハイとか言って。すげぇ清楚だよ。撫子だよっ」
男「興奮するなよ。姉ちゃん」
黒髪娘「そう……ですか?」
男「お茶、煎れようか」
姉「ああ、さっさと煎れてくるように」
男「わかったよ」
姉「黒髪ちゃんか。ん、素敵な名前だね」
黒髪娘「ありがとうございます」
姉(ふぅん……。男のTシャツにカーゴパンツ、ねぇ。
どこで着せたのか。“着る物もなかった”のか……。
やっぱり訳ありの“難しい娘”ってやつなのねぇ)
黒髪娘「どうされました?」
姉「ううん。なんでもないよ」
男「おー。茶を入れたぞ」
姉「どうぞ、温かいよ」
黒髪娘「はい」
姉「ハイとか言って。すげぇ清楚だよ。撫子だよっ」
男「興奮するなよ。姉ちゃん」
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