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元スレ上条「黒子、もうやめにしないか?」
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>>294から
「ただいま」
「お帰りなさい、お姉様…」
「黒子、フラれちゃった…」
「うぅ、お姉様ぁ……」
「ちょ、何で黒子が泣くのよ?!」
白井は胸が苦しかった。ただでさえ美琴が悲しむことは辛い。
「ちゃんと気持ち伝えたら、スッキリしたし、私は大丈夫だって…」
(ごめんなさい、お姉様……)
その上に、上条と付き合っていることを隠していることが後ろめたいのだ。
美琴を騙している、その事実が白井の胸を締め付ける。
だが、真実を打ち明ければ美琴に嫌われるかもしれない。
もう今のように接してもらえないかもしれない。
それを考えると、隠すことしか出来ないのだった。
「ただいま」
「お帰りなさい、お姉様…」
「黒子、フラれちゃった…」
「うぅ、お姉様ぁ……」
「ちょ、何で黒子が泣くのよ?!」
白井は胸が苦しかった。ただでさえ美琴が悲しむことは辛い。
「ちゃんと気持ち伝えたら、スッキリしたし、私は大丈夫だって…」
(ごめんなさい、お姉様……)
その上に、上条と付き合っていることを隠していることが後ろめたいのだ。
美琴を騙している、その事実が白井の胸を締め付ける。
だが、真実を打ち明ければ美琴に嫌われるかもしれない。
もう今のように接してもらえないかもしれない。
それを考えると、隠すことしか出来ないのだった。
その夜、美琴は一人枕を濡らした。
しかし、それは単に絶望しただけではなく、希望も持っていた。
──絶対に振り向かせてやるんだから!
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
翌日、ジャッジメントの仕事がある白井を見送った後、美琴は何やら考え事をしていた。
今の美琴は決意に満ち溢れていた。『友達としてしか見れない』と言った上条を見返すために。
「うーん、まずは誰かに相談してみるかぁ…」
「……でも、誰に?」
美琴は脳内に色んな人物を浮かべる。
「黒子は……男に興味ないみたいだし無理ね」
「初春さんは…頭はいいけどそっちの方は疎そうね…」
「佐天さんは…この間みたいに茶化されそうかも…」
「固法先輩は……私にないものを持ちすぎてる…」
「寮監……………」
思わず思考が停止しかける。
「となると……あっ!」
美琴の脳内にフッと浮かんだのは二人の人物だった。
「湾内さんに泡浮さん!」
少し前に偶然知り合った常盤台の一年生で美琴の後輩に当たる湾内絹保と泡浮万彬だ。
この際恋愛について後輩に相談する恥などは既になかった。
「早速二人に連絡しなきゃ……って」
美琴はある事実に気付き落胆する。
「二人のアドレス知らない…」
とある喫茶店
「おーい、泡浮さーん!」
白井経由で二人のアドレスをゲットした美琴は二人に連絡した。
湾内は水泳部の仕事があって来れないらしい。
「ごめんね、わざわざ呼び出しちゃって…」
「いえいえ、御坂様のお役に立てるのなら…それで、相談とは何でしょうか?」
「それがね、──」
「つまり、年上殿方を振り向かせたいということしょうか?」
「そうなの。泡浮さんなら相談し甲斐が有りそうだし、口も堅そうだし…」
「ありがとうございます。あの時のせめてもの御礼になれば…」
「それで、どのような殿方なのか詳しく教えてほしいのですが…」
美琴は泡浮に上条のことを掻い摘んで説明した。
といっても個人名こそは出さないが、一度告白してふられた事まで話した。
「なるほど、仲は良いけど『友達としてしか見れない』、ですか…」
「そうなのよ。 で、ソイツを振り向かせるにはどうしたら良いかと思って…」
「うーん、やはり相手が年上ですから大人っぽくなった方が良いかもしれませんね」
「例えば?」
「服装は限られているので、内面的なことが…すぐ怒らないとか、落ち着いた対応とか…」
「うっ…」
美琴の胸に泡浮の言葉がグサグサと突き刺さる。
「あとは、本屋さんに行かれれば解決できる手段の載った本があるかもしれませんよ」
「なるほど…」
本で調べると言う手段は美琴も見落としていた。
「御坂様、わたくし、陰ながら応援していますわ!」
「ありがとう。 あの…唐突で悪いんだけどさ、私に何かダメ出ししてくれない?」
「えっ?! そんな…わたくしが御坂様にダメ出しだなんて…」
「そこをお願い! ほら、やっぱり他人からしか分からないこともあるから…」
「はい…わかりました」
泡浮、美琴がそれぞれ決意を固める。
「まず…スカートの下に短パンをお召しになるのはいかがなものかと…」
(うっ…)
「それと、お怒りになられたときに電撃を出すのは…」
(うぅ…)
「また、子供じみた下着は…」
(くぅ…って何故それを…?)
(黒子ォォォ…)
「それから…」
美琴は油断していた。まさかこれ程多くのダメ出しをされるとは思っていなかったのだ。
美琴の心はすでに折れかかっていた。
「うぅ、ありがとう…参考になったわ」
「こちらこそ、お茶して頂いてありがとうございました」
「あっ、今日のことは内密に頼むね…」
「ええ、了解致しました。それでは…」
「またねー……ふぅ…」
やはりショックは大きく、隠し切れなかったようである。
泡浮と別れると、次の目的地本屋へ向かった。
>>417
禁書の1話観た時、ヤンキー女だと思ったもん
禁書の1話観た時、ヤンキー女だと思ったもん
「えぇと、なになに?」
美琴はとある書店に来ている。
入店するやいなやそれっぽいタイトルの本を手に取ると、観察し始めた。
「『年上の男性にモテるポイント100』?」
美琴は胡散臭さも感じつつその本の内容を確認する。
「『背伸びしすぎても、甘えすぎてもいけない』か、ふむふむ…」
タイトルから俄かに感じられる怪しさに反し、真面目な文章もあった。
美琴はどんどん引き込まれていった。
「『相手のことをお兄ちゃんと呼んでみる』? なるほどね…」
「『些細なプレゼントで気を引くべし』…これは良いわね」
「『いざと言う時は上目遣い』…うーん…」
「『さり気ないボディタッチ』か…これも試してみるかなぁ」
先ほどから年上と言う条件が関係なくなっているような気もする。
しかし、そんなことには気付かず美琴は真剣に読み進める。
真剣に──真剣になり過ぎている為か、美琴の背中には
どんよりと黒いオーラが立ち込めており、他の客を寄せ付けなかった。
* * * * * * * * * *
結局、美琴はその本を購入し書店を後にした。
「次は……早速プレゼントね!」
でもあれって中の人入れ替わってただけで美琴に言われたわけではないよぬ
美琴が入ったのはとある雑貨店。
店内は所狭しと様々な商品が置かれている。
(う~ん、これだけ多いと目移りしちゃうわねー)
美琴はひとまず、小物がプレゼントに適していると考えた。
色とりどりの商品に目を光らせる美琴だったが、ふとある商品に目が留まった。
(携帯のストラップ? あぁ、それいいかも!)
以前、自分の目の前で通話している上条の携帯には
ストラップがついていなかったことを覚えていた美琴だった。
普段から持ち歩く携帯電話、それに付けるストラップをプレゼントすれば
携帯を見る度に自分のことを思い出してくれるのではないか、という乙女の作戦である。
(……あっ!)
ストラップの数々を眺める美琴はふとある事を閃いた。
思わず両手を合わせて「なるほど」のポーズをしてしまう。
(どうせならわたしの分も買ってペアにしちゃおう!)
我ながらナイスアイディアと感傷に浸る美琴の頬は緩みきっていた。
先ほどとはまた違った奇妙なオーラが他の客を寄せ付けなかった。
「ありがとうございましたー」
とりあえず一通りの買い物を終えた美琴。
帰り道では色々と思考を巡らした。
いつ、どうやってこれを渡そうか。
上条は喜んでくれるのだろうか。
二人だけのペアのストラップ。
次会った時は何を話そうか。
美琴は買い物袋からそれを取り出して眺める。
白いゴムにシルバーの留め具、そこから伸びる紐。
一見、非常にシンプルなつくりだが、片方は赤色、もう片方は黒色の紐である。
それぞれを単独で見ると良く分からない模様になっているが、
二つを合わせると英文字になる凝ったものになっている。
思わずフフフとにやけてしまう。
不思議と上手くいきそうな気がする。
素直になったことで希望に満ち溢れるその姿は、
超電磁砲御坂美琴ではなく、一人の恋する乙女としてのそれだった。
(待ってなさい…きっと、いや絶対に振り向かせちゃうんだから!)
美琴の寮へと向かう一歩一歩は心なしか力強かった。
落ち着く、時々甘える、短パンは着ない…
課題はまだまだあるが、絶対に達成してみせる。
──そんな一歩。
数日後
初デート以来、白井は風紀委員の仕事が忙しく、上条とはメール、電話でしか連絡が取れずにいた。
この日は互いの都合が良かったため、白井は上条家に招かれたのだ。
(当麻さんに会うの、久しぶりですわ~)
当然上条家に向かう白井の足取りは軽い。すれ違う人が二度見するほどの上機嫌さだ。
普段よりも時間を掛けて整えたツインテールが優雅になびいている。
上条宅に到着すると、インターホンを鳴らした。
「あいよ、いらっしゃい」
「おじゃましますわ」
白井は、自身2度目の上条家だ。
恋人として入るのは、これが初めてである。
>>439
抜いた
抜いた
「お茶と簡単なお菓子しかないけど、どうぞー」
「ありがとうですの」
「今日はこぼすんじゃないぞ?」
「うっ…その話はやめて下さいまし…」
今となってはいい思い出でもあるが、いつかの苦い記憶が蘇る。
「はは、ごめんごめん」
「そういえば、あの銀髪の女の子はどうなさいましたの?」
『面倒くさいからイギリスに送ったよ』
「「…………」」
「……今、何か声がしなかったか?」
「わたくしもそんな気がしましたの…」
ご都合主義である。小萌先生のところに何度も預ける訳には行かないので…
数日もの期間会っていないだけあってか、他愛もない話で尽きなかった。
『類人猿』などもこの時には既に良い思い出になっていた。
白井も、顔を赤らめつつ当時を振り返る。
上条が語りかけ、白井がそれに応えて。
いつの間にか二人一緒に笑っている。
この白井の笑顔はピュアという言葉がピッタリなほど、純真無垢なものだ。
美琴の露払いをしていた時のそれとは全く異なっている。
その当時からは想像もつかない姿である。
上条があの日──初めて白井を家に呼んだ日──、白井に心を奪われたのもこの笑顔であった。
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