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    元スレキョン「学園都市?」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★×5
    タグ : - 露伴 + - angelbeats + - とある科学の超電磁砲 + - とある魔術の禁書目録 + - エヴァンゲリオン + - キョン + - キョン「 + - キョン「もしも願い一つ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    1 :

    立ったら多分書く

    3 = 1 :

     けたたましい携帯の騒ぎ声で俺は深夜も遅くにたたき起こされた。
     着信は、古泉一樹。どうも嫌な予感しかしない。

    古泉『やっと出てくれましたか!』

    キョン「なんなんだやかましい」

    古泉『詳しい話は後です、急いでk』

     つーつー……

     切れやがった。緊急事態なのか……?
     と少し不安になるのもつかの間。ただ、俺の携帯が圏外になっただけだった。

    キョン「なんだお騒がせな……」

     俺は安堵し、起き上がって電波のいいところを探そうとするが、ふと気がついた。
     俺の部屋で圏外になることなんてあり得ない。今時、そんなことが起こるのはどこかの山奥くらいだが、生憎俺の家は見事に街中に存在する。

     気付いてみれば、外が異様に暗い。
     今は深夜三時なのだから、暗いのは当然だが、それにしても暗すぎる。
     まるで月や星の光が何かに遮られているような。

     古泉の緊急電話。携帯の圏外。そしてこの異様に暗い外。

    キョン「まさか……!」

     そこで、俺の意識までもが暗く染まった。

    4 :

    書いてもいいけど既出ネタだと思うよ

    5 = 1 :

     朝。俺は朝日に包まれて気持ちよく目が覚めた。
     まるで長く眠っていたようだ。

    キョン「どうやら夢だったみたいだな……」

     けだるい体を起こし、携帯の時計を見る。
     朝8時40分。いつもの時間……じゃない。

    キョン「どうして誰も起こしてくれ……」

     急いで起き上がると俺は異常に気がついた。

    キョン「部屋が……違う……?」

     部屋に、キッチンがあった。玄関がすぐに見えた。そして、部屋、と言うには少し大きすぎる部屋。
     まるで一人暮らしのアパートのような――

    キョン「一体どうなってやがる……ん?」

     ばきっという不吉な音が足音で鳴いた。恐る恐る足をどけてみると深夜の目覚ましになりやがった携帯が真っ二つに折れていた。

    キョン「こんな時に……」

     最悪だ。これで古泉に状況を問い質すことも、長門を頼ることも、朝比奈さんにメールを送ることもできなくなってしまった。

    6 = 1 :

     ということで。俺は携帯を直すために携帯ショップへとまず行くことになったのだが。

    キョン「ここは未来都市か何かか?」

     見渡すと道路を勝手に清掃してくれるロボットに、大量に立ち並ぶ明らかに作るのが難しいだろう風力発電施設である風車、そしていかにも未来ですと言うような携帯をいじりながら歩く若い通行人。

     明らかに異常だった。

     そして極めつけはこれだ。

    美琴「だーかーらー、無視すんなって言ってんでしょうがー!」

    上条「うおおっ!? お願いしますから今日はビリビリしないで見逃してください美琴せんせー! 単位が、単位がヤバイんです!」

    美琴「だからって全速力でスルーするこたぁないでしょ! つーか日曜に単位も糞もあるか!」

    上条「不良生徒のレッテルを貼られ気味の上条さんは補習があるんだって!」

    美琴「自業自得! 普段から学校行けばいいじゃない!」

    上条「それができたら苦労しな――ってだからビリビリすんなってああもう不幸だあああああ」

     見た目中学生くらいの女の子がどんなトリックか知らないが空中で誘電するほどの高圧電流を発射して、しかもそれを俺と同じくらいの男子高校生が受け止めているときた。

     わけわからん。ハルヒに見せてやったら喜びそうなパフォーマンスだ。

    7 = 1 :

    青ピ「また中学生といちゃいちゃしてるかみやんは置いといてワイらは行こかー」

     ああそうだな。

    土御門「しっかし、少しは人目を憚ってほしいもんだにゃー。街中であんなことされたら二重の意味でたまらんぜよ」

     まったくだ。

    青ピ「ほな、あんなフラグマンなんか放っておいて、ワイら三人で小萌先生の魅惑の個別レッスンを楽しもうや」

     ああ、行ってらっしゃい。

    土御門「何してるんだキョン? さっさと行かないとまた先生に泣かれちまうぜよ」

     ……はい?

    キョン「ちょっと待て、なんでお前ら俺のあだ名を知っている」

    土御門「それこそ何言ってるんだにゃー。自分で自己紹介の時に思いっきり言ってたじゃないか」

     それ以前に誰だこいつら。

    青ピ「ささ、旗男なんか放っておいて学校に行かな補習に遅刻するで」

     ……よくわからんがこいつらは俺のことを知っているらしい。少なくとも目前の指標はできたようだ。
     そしていくつかわかったことがある。
     俺は高校に通っているらしい。この二人は俺の同級生か何からしい。あの大道芸をやってる二人はとりあえずは知り合いらしい。

     そして。
     またハルヒの仕業か。

    9 = 1 :

    古泉「やあ、遅かったですね」

    キョン「学校に行くと気分の重くなるような笑顔が出迎えた。
        にも関わらず、今の俺にはこんなホモ臭くても胡散臭いやつでも救世主に近い」

    古泉「いきなりご挨拶ですね……」

    キョン「長門や朝比奈さんが出迎えてくれたらこんな微妙な気持ちにはならずに済んだんだがな」

    古泉「それについてですが……この後、ちょっと相談がありますのでトイレにでも来てもらえませんかね?」

    キョン「俺も相談はある、しかし場所はトイレより屋上にでもしようじゃないか」

    古泉「それは残念です」

    キョン「やめろ、寒気がする」

    青ピ「なんの話しとるん?」

    古泉「彼が寒気がするそうですよ。なので早退の相談を」

    青ピ「そんなバレバレの仮病で休んだら小萌先生が泣くで?」

     そんなことで泣く先生ってどんな先生だ。
     天才ちびっ子金髪ロリ先生とでも言うのか。

    10 :

    期待してる

    11 :

    ふむふむ

    12 = 1 :

     とそんな妄想に耽っていると教室のドアが開いた。

    小萌「はいはーい、騒いでないで悪い子ちゃんたちの補習始めますよー」

    キョン「本当に天才ちびっ子ロリ先生!?」

     現れたのはうちの妹くらいであろう小さな女の子。惜しむべきは金髪ではなかったことくらいでほとんどまるでベッ○ーだ。

    小萌「何をふざけたこと言ってるんですかキョンちゃんー? すけすけ見る見るでもやらされたいですかー?」

     おお、むっとした顔がキューティクル。イカンイカン、新たな属性に目覚めてしまいそうだ。

    古泉「ユーモア欠乏症な彼なりの精一杯のギャグです。見逃してあげてください」

    小萌「むー、あんまりふざけてると単位あげないですよー?」

     なんだか物凄く失礼なことを言いやがったやつがいるが、その後は何事もなく授業になったからよしとしよう。

    --------------------------

    支援ありがと
    支援ついでに教えてほしいんだけどさるさんってどのくらい書いたらなるの?

    13 = 1 :

     補習とやらはまったく意味不明だった。猫がどうしたのだとか、物理がどうしたとか、明らかに高校生のやる内容ではない。
     ついに今日の補習には来なかったらしい上条というやつにキツイ課題が用意されたことくらいしかわからなかった。

     そして屋上。俺は一緒に二人きりになりたくないやつNo.1の野郎と不本意ながら二人きりになっている。

    古泉「まず、状況を整理しましょうか」

    キョン「いつになく神妙な顔だな」

    古泉「それはそうでしょう。この事態、非常事態なことくらい貴方でもわかりますよね?
       今朝、貴方に電話が繋がらなかったりした時には本当に焦りましたよ」

    キョン「ああ、色々あってな」

     ドジで携帯を壊したなどとは言わないぞ、俺は。

    古泉「とりあえず、機関は一応ながら存在するようです。連絡が取れることは取れました、が様子が違う。まず、彼等はこの異変に気付いていないようです」

    キョン「気付いていない? ということは変化したのは俺たちの周りだけか」

    14 = 1 :

    古泉「いいえ、違いますよ」

     ズイっと乗り出して来やがる古泉。

    キョン「顔を近づけるな」

    古泉「この世界そのものが改変されてしまったようなのです」

    キョン「どういうことだ? あと顔を離せ」

    古泉「僕たちはこの世界が異常だとは気がついていますが、外の、いえ、僕たち以外の人間は世界がこのままで最初から存在していたと思っているのです」

    キョン「おいおい、待て待て。つまりそれって……」

    古泉「ええそうですよ」

    古泉「世界のすべてが改変されてしまいました」


     なんてこった。

    15 = 1 :

    キョン「そういえば朝比奈さんや長門、あとどうせ原因のハルヒはどうした?」

    古泉「機関の情報によると朝比奈さんはどうやら僕たちと同じ学校の生徒になったようです」

    キョン「他の二人は?」

    古泉「長門さんは少し厄介です。どうやら霧ヶ丘女学院というところの生徒ということになっているらしく、今朝に一度コンタクトを取ったきりで一切連絡がつきません」

     わお、女の子の秘密の園か。

    古泉「そして一番厄介なのが涼宮さんです。機関の力を以てしても、所在も行動も、一切が判明しません」

    キョン「そこがわかってくれれば簡単だったんだろうがな……」

    17 = 1 :

    古泉「ともかく、欲しいのは情報です。機関の力でも何故かこの街については上手く情報を集めることができないそうで、状況は最悪に近いです」

    キョン「そういえばこの街はなんなんだ? 今朝も大道芸のような人間やら、わけわからん機械やらがありまくってたんだが、まさか未来都市とか?」

    古泉「おや、先程の補習を聞いてわからなかったのですか」

    キョン「悪いな、生憎俺は文系なんだよ」

    古泉「ここは学園都市」

    キョン「学園都市?」

    古泉「超能力を科学で開発しているなんてとんでもないところのようですよ」


     その後、俺は古泉と別れて帰ることにした。
     学園都市? 超能力を科学で? なんとも胡散臭い街だ。
     しかしどうやら俺はその超能力を見てしまっているらしい。信じるしかないな、どうせハルヒの起こしたことだし。

    18 = 1 :

    「ハアハア……」

     息切れしながら路地裏を走り回る、いや逃げ回る。いい加減疲れてきたのか、手に持った銃器が重い。

     ここは学園都市。日の当たらない裏の道では非合法なことなど当たり前に行われている。

     しかしそれは表の世界に出してはいけない。当然、これも。

    「みーつけた」

    「!?」

     いつの間にか周り込まれていたらしい。

    「まったく、あんまり手間かけさせないでよね。最初は楽しかったんだけど段々飽きてきちゃったわ」

    「あああああああああ」

     ゴーグル越しに標的を定めてトリガーを引く。フルオートに設定された銃器は大量の弾丸を吐き出す。

     本来は人に放つような代物ではない。威力、連射性能、どれも学園都市の技術が使われたそれは、人に放つには強すぎるのだ。

    20 = 1 :

    「危ないでしょー、ホント。制服が汚れたらどうすんのよ」

     しかし、それは無傷。何事もなかったかのように歩み寄ってくる。

    「さーて、追いかけっこは終わり。実験とやらに協力してもらうわよ」

     詰め寄る恐怖にも関わらず、もう足は動かない。数時間走り続けた足はもう限界で、悲鳴を上げていた。
     圧倒的な力を前に逃げることすらままならない。どうせ、この逃げ回ることができたのもただ遊ばれていただけだったのだろう。

     いつかの恐怖が蘇る。必死の抵抗も意味を成さずに、ただ命を蹂躙される恐怖が。

    「何やってンだ?」

     その恐怖の記憶が、背後から聞こえた。

    21 :

    立ったら書くとかいって書き溜めしてんじゃん

    22 = 1 :

    「邪魔しないでくれる? この子たちはなんとかっていう実験とかいうのに必要だから捕まえてって言われたのよ」

    「コイツらを使って実験だ? 馬鹿共が……潰されても懲りねェようだなァ」

     その気配にはっと息を飲む。まずい、彼は戦う気だ。

    「に、逃げてくださいとミサカは警告します!」

    「誰に向かって……言ってンだよ!」

     軽く地面を蹴る彼。それだけでコンクリートの塊が物凄い勢いで追跡者に飛んでいく。

    「止まれ」

     しかし、それは追跡者の顔面に当たる直前に急激に勢いを無くし、垂直に地面へと音をたてて落ちていった。

    「あァ?」

    「吹き飛べ」

     そして追跡者が二言目を呟くと、彼はその通りに吹き飛んでいく。あらゆるベクトルを操作し、能力を展開すれば常に反射している彼の身体が。

    23 :

    ハルヒはレベル5か

    24 = 1 :

     大きな音を起てて、コンクリートの壁に激突する彼。しかし、彼は当然ながら無傷で立ち上がる。

    「なンだァ、その能力は?」

    「彼女の能力にベクトルはありませんとミサカは説明します! 早急な戦線離脱が最も現状に適した選択であるとミサカは提案しま」

    「うるさいわねえ、少し黙ってて」

     必死の叫びも、彼女の一言で発することすらできなくなる。パクパクと口を開閉させるだけで、どんなに頑張っても声が出ない。

     その様子を彼は一瞥すると、チッと舌打ちし、逃避劇でボロボロの身体を音速を超えるスピードで抱えた。

    「あっ、ちょっと待ちなさ――」

     そして、そのまま音速を超えるスピードで彼は彼女が何かを言い切る前に戦線離脱した。

    25 = 1 :

    ごめん腹痛いからうンこ行ってくる

    26 :

    面白い

    27 :

    黄金錬成みてーだな

    28 = 1 :




    長門「おかえり」

     なんやかんやあって家に着いた俺を迎えてくれたのはなんと長門だった。
     ご飯にする? お風呂にする? それとも、

    キョン「長門、お前だ」

    長門「……貴方の思考回路が理解不能」

     無機質な目に微妙に軽蔑の色が混じってやがる。心読まれたか。

    長門「不本意」

     なんだその便利そうだけど持ったら狂ってしまいそうな読心能力は。

    キョン「ところでどうしたんだ、お前は霧なんとか女学院ってところにいるんじゃなかったのか?」

    長門「正式名称は霧ヶ丘女学院。現代レベルよりセキュリティは高いけれど、情報操作をすれば抜け出すのは簡単」

     超能力を開発しちゃうような科学都市でも長門にかかればイチコロか。

    キョン「まあいい、まずはこの状況について長門の現状と意見を聞きたい」

    29 = 1 :

    長門「現状としては大規模な世界改変が行われた模様。他インターフェースとは連絡が途絶。別時間平面上の他インターフェースと連絡を取ろうとしても不可能。どちらかというと世界改変というより別の世界にいると考えた方が正しい」

    キョン「別の世界? 異世界とでも呼ぶのか?」

    長門「可能性上の分岐点から存在し得る世界の一つにすぎないけれど、貴方の言葉で説明するなら平行世界という言葉の方が近い。情報統合思念体を介しての情報収集の結果、世界間に正体不明の大きな隔たりがあることが観測されている
       私たちは涼宮ハルヒの能力でその隔たりすらも飛び越えてこちらの世界に飛ばされた」

    キョン「やはりハルヒか……」

    長門「その後、こちらの世界で矛盾が出ないように涼宮ハルヒの能力がさらに行使されたのも観測した。以上の情報から涼宮ハルヒもこちら側に来ている模様」

    キョン「模様、ってハルヒの居場所はわからないのか?」

    長門「一切不明。他のインターフェースがこちら側の世界に存在しない以上、私の情報収集能力は大幅に制限される」

    キョン「制限されるってどのくらいならわかるんだ?」

    長門「見て、聞いて、感じる程度」

    キョン「つまり、古泉と変わらないわけか」

     しかし困った。頼りの長門がこうも打つ手なしとは……
     もう頼れる人はいないし、しばらくは情報収集に徹するしかないようだ。

    30 = 1 :

    「あー! また女の人に手を出したんだね!」

    「ちょっと待てインデックス! これはそこで偶然風系と雷系の騒動がありましてだな、まてまてまて噛みつくなどうどう」

    「問答無用!」

    「ぎゃー!」

    キョン「なんだ、騒がしい隣人だな」

     いきなりどったんばったんの騒動が始まったみたいだ。ちょっと文句言ってこよう。

    31 = 1 :

    長門「待って」

    「この味はなんか他にも別の女の人と会ってる味かも!」

    キョン「なんだ? さすがにこの騒ぎは文句言うべきだろ」

    「どんな味だ! ってかマジで指はやめて痛い痛い痛い!」

    長門「私たちは本来はこの世界にない存在。不用意に他の住人と接触を図るのは得策ではない」

    「大きい人も小さい人も見境無しなとーまが悪いかも!」

    キョン「しかしだな……」

    「ふぇー、大きいって――」

    長門「騒音ならこれでいい」

     長門がそう言うと急に隣の騒音は嘘みたいに静まった。

    32 = 1 :

    キョン「……待て長門。まさか接触せずに隣人を昏倒なんてしてないよな?」

    長門「それは必要ない。ただ壁の間などを音を通さない素材に変換しただけ」

     それなら安心だが……

    キョン「ところで、お前はこの後どうするんだ?」

    長門「霧ヶ丘女学院に通学することにする。そこは特殊な能力に重点をおく学校の模様。涼宮ハルヒの能力がもし露見した場合、極めて特殊で有用性のある能力を霧ヶ丘女学院が見逃すはずがない」

    キョン「なるほど、便利なところに配置されたもんだ」

    長門「貴方は?」

    キョン「俺は……そうだな、とりあえずは壊れた携帯を直すのと、朝比奈さんを探してみるってところかな」

    33 = 1 :




     清々しい朝、上条当麻は重々しい気持ちで外に出ていた。

    上条「日曜日まで補習とか……不幸だ……」

     何を隠そう、上条当麻は登校日数の少ない不良生徒として有名なのである。
     しかもケガで入院したりする事情があるので、なおさらそういうイメージがつくのである。

    「ねえアンタ」

    上条「何が悲しくて日曜日まで学校行って勉強しなきゃならないんだかなあ……」

    「ね、ねえ……」

    上条「不幸だ……インデックスには朝から齧られるし……」

    「……だーかーらー」

    上条「ん?」

    美琴「無視すんなって言ってんでしょうがー!」

    上条「うおおっ!?」

    34 = 1 :

     突然、飛来してきた不幸の象徴である高圧電流を右手で受け止める上条。
     見るとそこにはいつも通りにビリビリした中学生が立っているではないか。

     不幸な結果が上条の脳裏に過ぎった。

    上条「お願いしますから今日はビリビリしないで見逃してください美琴せんせー! 単位が、単位がヤバイんです!」

     右手を差し出したまま、へっぴり腰で女子中学生にお願いする男子高校生。

    美琴「だからって全速力でスルーするこたぁないでしょ! つーか日曜に単位も糞もあるか!」

     さらに電撃は飛来する。避雷針の要領で右手に集まった電子の流れは風船が割れるように弾けて消えていった。

    上条「不良生徒のレッテルを貼られ気味の上条さんは補習があるんだって!」

    美琴「自業自得! 普段から学校行けばいいじゃない!」

    上条「それができたら苦労しな――ってだからビリビリすんなってああもう不幸だあああああ」

     かくして、上条当麻のいつも通りに不幸な一日は始まった。

    36 :

    妹達に手を出すとかハルヒ死ね

    37 :

    ちっ
    やはりハルヒは能力者か

    39 = 1 :

     上条当麻はとにかく走る。
     時間は九時半を回った辺り、遅刻でも補習に行ければなんとかなる可能性が高い。

     どこかのビリビリ中学生には後で埋め合わせする、どこにでも付き合うと言ったらふにゃーとなって逃げ切ることができたのだが、それでもタイムロスは痛かった。

    「ふぇー、な、なんですかー」

    「ぐへへ、君かわいいね、俺たちと遊ばない?」

    「俺たちさあ、ここらではちょっと有名でさあ、素直にしてれば痛くしないからさあ」

     と、そこで女の子のピンチに敏感な上条さんイヤーに気になるものが飛び込んできた。

     急ぐ足を止めて、声の方であるちょっとした路地を見る。なんとそこには何とも可憐なロリ顔の巨乳女子高生が明らかに人相の悪い二人組に絡まれているではないか。

    上条「おい、何してんだ」

     上条当麻の行動は当然ながら決まっている。
     女の子と男たちの間に割って入って行った。

    A「ああ? なんだてめえは」

    B「俺たちはさあ、これからこの子と遊ぶんだから邪魔しないでほしいだけどさあ」

    上条「遊ぶだぁ? 明らかにこの子は怯えてるじゃねえか! 見ろ、こんなにがたがた震えてキョロキョロしてる!
       俺はただの通りすがりだよ、だけどな、そんなの関係ねえ! お前らは男二人してこんな女の子に何するつもりだ!
       お前らが誰だか知らねえが、真っ当な男のすることじゃないだろ!」

    40 = 1 :

    A「……なんだこいつ」
    B「……やっちまえば早いさあ」

     そういうと、二人は一歩下がる。

    「ふぇ? ふぇ?」

     ロリ顔巨乳は未だに戸惑っているようだ。

    上条「大丈夫だ、俺が守ってやる」

     そんな女の子の手を握って自分の体を盾のようにして建つ上条。

    A「誰だか知らねえが、俺は『遠隔感電』(リモートスタンガン)、こいつは『空刃裁断』(エアロナイフ)。二人あわせて『風神雷神』ってこの辺りじゃ呼ばれてるんだぜぇ?」

    B「痛い目見ない内に謝った方がいいと思うんだけどさあ」

    上条「だが断る!」

    遠隔感電「いいぜ、やっちまうか!」

     『遠隔感電』と名乗った男は両手を上条に向ける。
     するとそこから電流が発生し、上条の元へ飛来。

    空刃裁断「そうするさあ!」

     さらに『空刃裁断』と名乗った男は両手を素早く何度も振る。
     すると突風が生まれ、コンクリートの壁が鋭い何かで切り裂かれたように傷が掘られていった。

    41 = 1 :

     粉塵が舞い、上条の姿が完全に覆い隠される。

    遠隔感電「俺の電撃で痺れて動けなくなったところを、こいつの作ったカマイタチの要領の空気の刃が相手の体を切り刻む……俺たちのコンビ攻撃を受けて立ってたやつは未だいねえ」

    空刃裁断「ってかやりすぎちゃったんだけどさあ。女の子大丈夫かな?」

    遠隔感電「いつも通り、俺の能力で動けなくした後、お前の能力で服を切り刻むんだから同じだろ」

    空刃裁断「そうだね、あはははははは」

    遠隔感電「おっ、だんだんと煙が晴れてきたか」

    空刃裁断「どれどれ、俺の成果はどうなったか気になるさ――ぎゃふっ!?」

     徐々に晴れていく土煙の中をのぞき込むように『空刃裁断』が身を乗り出す。

     そこに上条パンチが飛び出してきた。

    上条「それで終わりか?」

     上条パンチに吹き飛ぶ『空刃裁断』。

    42 = 1 :

    上条「電撃使いのレベル2に空力使いのレベル3ってところか?」

     土煙が晴れる。その中に立っていたのは無傷の上条当麻。

    遠隔感電「な、なんでテメエ傷一つ……!? く、くそぉ!」

     予想外の展開に焦った『遠隔感電』は電撃を繰り出す。

    上条「生憎だけどな、」

     それを上条は何気なしに差し出した右手でいとも簡単に無効化する。

    上条「もっと強い電撃と風を知ってるんでな!」

    43 = 1 :

     そして大きく一歩を踏み出し、

    上条「テメエが女の子をひどい目に合わせるっていうなら」

    遠隔感電「お、お前はもしかして都市伝説の――」

    上条「まずはその幻想をぶち殺す!」

     相手の顎に思いっきり拳を打ち付けた。

     『遠隔感電』と名乗った男は錐揉み状に吹き飛び、コンクリートの壁に思いきり頭を打ち付けると意識を失った。

    上条「さてと、大丈夫ですか?」

     それを確認した上条はずっと自分の後ろに隠れてた女の子に優しく話しかけた。

    44 = 1 :




    みくる「えっと、私は朝比奈みくるです」

     場面変わってピエロが目印のファーストフード店。そこで上条は助けた女の子と一緒にポテトを食べていた。

    上条「朝比奈さん、か。えっと、その制服はうちの学校ですよね?」

     相手の制服を見て、上条はそう判断する。

    みくる「え、そうなんですか? それが私にもよくわらなくて……」

     困ったように俯くみくる。

    上条「……また訳あり女の子ですか。今日の補習は諦めよう」

     小声で落ち込んだように呟く上条。

    みくる「えっ、なんですか?」

    上条「いやいやこっちの話」

     不安そうになったみくるに気づいた上条は慌てて何でもない風を装う。

    上条「それで、何があったのか教えてくれませんか?」

    45 = 1 :

    みくる「それがですね、やっぱり私にもよくわからないんです……」

    上条「よくわからない?」

    みくる「朝起きたら住んでる家も場所も変わってて、あったのは知らない制服くらいで未来への禁則事項も禁則事項も禁則事項だし、しかも禁則事項は禁則事項でああもう、どうすればいいのか……ここはどこなんですか? 私はなんでこんなところに連れてこられたんですか?」

    上条「ちょ、ちょっと待って落ち着いて!」

     上条は泣きそうになりながら語りだしたみくるを必死に宥める。

    上条「連れてこられた、って自分の意思でここに来た、わけじゃないんですか?」

    みくる「そうです、そもそもここがどこだかわからないですよぉ……」

    上条「ここは学園都市」

    みくる「学園都市?」

    上条「科学の最先端で超能力を解明する街です。知りません?」

    46 = 26 :

    さる阻止

    47 = 1 :

    みくる「初耳です……科学で超能力ですか?」

     うーんと悩むような様子のみくる。

    みくる「科学で超能力というと、禁則事項が禁則事項で、ああ、これも禁則事項ですぅ……」

    上条「いやいや、訳がわからないんですが」

    みくる「ごめんなさい、禁則事項なんです……」

     みくるは困ったようにさらに俯く。

    上条(学園都市の人間でない、ということは外の人か。禁則事項、っていうとどこかの組織に属してる? 魔術サイドの人かな)

    上条「えっと、言いにくいことでしょうが、どこかの組織に属してたりします?」

    みくる「な、なぜそのことを!?」

     びっくりしたようにがたんと机を揺らすみくる。

    上条「ああ、やっぱりそっち側の人でしたか。いや、俺もちょっとそっち側の人とは交流がありましてね」

     話が見えてきたぞ、と安心してきた様子で上条はうんうんと頷いた。

    48 = 1 :

    みくる「え、上条さんもコッチ側だったんですか!?」

     さらに驚いた風のみくる。
     まあ、学園都市に魔術サイドのことを知ってる人間なんてほとんどいないから当然だろう、と納得する上条。

    上条「いや、完全にそっち側ってわけじゃないんですが、ちょっといろいろありまして」

    みくる「よかったぁ、涼宮さんを見失ったときはどうしようかと思ったんですよね」

     みくるも安心してきたようで、落ち着いた風にため息を漏らす。

    みくる「上条さんがどこかの機関の方と知り合いならよかったです。古泉一樹、という方に連絡を取れるようになんとかしてもらえませんか?」

    上条「古泉一樹、ですか。いや名前だけじゃどうも……」

    みくる「能力者ですから、きっとわかりますよ」

    上条「……能力者?」

    49 = 1 :

    みくる「はい♪ あと、伝言ですね、未来からによるとこちらの時間の六時間程前、新たな情報フレアが発生するという連絡を受けたのですが、それ以降、未来との禁則事項が禁則事項で……
        ってこれはダメですね……未来との連絡が取れなくなってしまって、恐らく、涼宮さんに大きな変化があったのだと思われます。至急、連絡をください、と」

    上条「未来? 情報フレア?」

    みくる「……涼宮さんに関する組織の方ですよね?」

    上条「……その涼宮さんって誰ですか、ってか魔術サイドの人ですよね?」

    みくる「……」
    上条「……」

    上条「えっと、もう一度、情報を整理してみましょう」


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