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    元スレキョン「なぁハルヒ」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★×6
    タグ : - 涼宮ハルヒの憂鬱 ×2+ - 鶴屋 + - みなみけ + - キョン + - ハルヒ + - 垣根 + - 当麻 + - 御坂 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    151 = 13 :

    「俺はお前ほどうまくは割り切れない」
    「おかしなことを言うね。
     君は僕と違って監視対象じゃないだろう」
    「いいや、監視対象だ。
     ハルヒの傍にいることによって、俺はいつでも"ハルヒごと"監視されることになるんだ」
    「自意識過剰だよ、それは」
    「ついさっき俺とハルヒが対を成す存在だと豪語したのはどこのどいつだ?」
    「さあね、忘れたよ。
     僕の頭はあまり物覚えがよくないから」
    「へえ。じゃあM理論で扱う五つの超弦理論を答えてみてくれ」

    佐々木は事も無げに答えた。

    「I型、IIA型、IIB型、ヘテロSO(32)、ヘテロE8×E8」

    これで物覚えが良くない、か。笑わせてくれるぜ。

    「話が横に逸れたね。
     ともかく、君は凉宮さんの元に戻るべきだ」
    「だから、それは出来ない」
    「強情だな。優柔不断な君らしくない」
    「中学時代の俺と思ってもらっちゃ困るね」

    152 = 13 :

    互いの携帯が鳴ったのは、その時だった。
    顔を見合わせ、同時に通話ボタンを押す。

    「キョン、大丈夫か!?
     さっきからお前の入ってる個室のドア叩きまくってるのに返事ねえから、
     てっきりウンコしながら死んじまってるんじゃないかって心配してたんだぞ」
    「落ち着け、谷口。
     ちなみにその個室に入ってるやつは赤の他人だ」
    「え、マジかよ……」
    「店の廊下で知り合いに会って、ちょっと話し込んでたんだ。
     すぐに戻る。みんなには心配かけてすまなかったと言っておいてくれ」

    通話を切る。図らずともその動作は佐々木と一緒だった。
    ぎこちない雰囲気の中、佐々木は言った。

    「よければ明日、時間をとれないかな。君とゆっくり話がしたい」
    「奇遇だな。俺もそう思っていたところだ」

    柔らかな微笑みを残して、佐々木は店内に戻っていった。
    十中八九、あいつは俺を説得するつもりだ。
    対する俺は、逆にあいつを言い負かしてやるつもりだった。
    冷静な頭で考えれば分かったはずだ。
    俺が佐々木とまともに口論して勝った試しはなく、
    これからも勝てる見込みはないということが。

    157 :

    木の手入れが好きなおじさんだよ

    158 = 145 :

    >>155
    パワーウォーリアだよ

    159 :

    >>155
    大魔神だよ

    160 = 70 :

    死ねやスカトロマニア共が

    161 :

    谷口なんだかんだ言ってもリア充だなWWWW

    支援

    162 = 13 :

    翌日。
    待ち合わせした場所である駅前に到着した俺は、
    中々佐々木の姿を見つけることができなかった。
    やっと見つけた時には、約束の時間を15分も過ぎていた。

    「遅刻だぞ」
    「それはこっちの台詞だよ」
    「俺はちゃんと10時にはここについてたぜ」
    「僕だってちゃんと10時にはここについていた」

    となれば結論は一つだ。

    「お前はもっと分かり易い服を着てくるべきだったんだよ」
    「む。それは君にしたって同じことが言えるね。
     もうあの無骨なコーディネイトを拝むことはできないのかな」

    俺は何か言い返そうとして、佐々木の服装を眺めた。
    キャンディホワイトのキャミワンピースに、カーディガンニット。
    悪くない。というか、昔の佐々木像を払拭するその衣装は、とても可愛かった。

    「なにをじろじろ見ているんだい。気持ちのわるい奴だな」

    勝手に歩き出す佐々木に追いつきつつ、

    「どこで話をするか決めてあるのか?」
    「話なんてどこででも出来るじゃないか。
     並列処理だよ、キョン。
     今日は、君に荷物持ちをお願いしたいんだ」

    164 :

    佐々木好きにはたまらないスレだ

    165 = 13 :

    結果的に俺はそのお願いを聞き入れたことを、激しく後悔することになった。
    ショッピングモールの洋品店をいくつか周った頃には、
    俺の両手は大きな袋で塞がれ、スムーズに歩くこともままならなくなっていた。

    「これは似合うと思うかい?」
    「真面目に答えて欲しいな。僕は異性の目から見た意見が聞きたいんだよ?」
    「キョン、これよりも一つ大きなサイズの物をとってきてくれ」

    着替え室で衣装替えする佐々木は楽しそうで、
    SOS団脱退の議論を蒸し返すような雰囲気ではなかった。
    いや、そもそもその議論をふっかけてきたの佐々木の方なのだ。
    俺が自分から話題を振る必要もないだろう。
    ちなみに佐々木は俺の服もいくつか選んでくれた。
    俺が試着したジーンズを見て一言。

    「少々股下が足りないな。
     もうちょっとローライズな感じの奴がいいんじゃないか」

    俺が選んだシャツを見て一言。

    「やめたまえやめたまえ、そんなもの。
     僕は断然、このドレープカットソーを推すよ」

    166 :

    これは...

    167 = 77 :

    デート楽しんで欲しいな…

    168 = 13 :

    服選びに協力してくれる佐々木を新鮮に感じながら、
    俺は「佐々木も俗に染まったな」と思わずにはいられなかった。

    「それは良い意味で言っているのかな。
     それとも悪い意味で言っているのかな」

    どうやら思わず口をついて出てしまっていたらしい。

    「俗、という言葉は多義的でね。
     土地の風習、僧ではない一般世間の人、凡庸、卑しいこと、の四つの意味を内包している。
     君はどういう意図でその言葉を使ったんだい?」
    「三つ目の凡庸。といっても、悪い意味で使ったんじゃねえよ。
     佐々木は昔から変わったところがあっただろ。
     俗世間を嫌って、中学のクラスメイトとも距離を置いて、
     なんていうか、自分の世界に閉じこもってる印象だった。
     それが久々にこうして一緒に出かけてみると、
     普通の女子高生になってたから、ちょっとびっくりしたんだよ」

    169 = 142 :

    >>166
    いい!これいい!!

    170 = 53 :

    >>169
    こんなのはどうだい?

    171 :

    >>170
    くっ!鼻血が・・・
    かまわん続けなさい

    172 = 13 :

    「僕だって日々絶え間なく成長しているんだ。
     肉体的な意味ではなく、精神的にね。
     それはキョン、君にとっても同じことが言えると思うよ」
    「俺にとっても?」
    「昨日、あの飲食店で君を見かけたとき、
     僕は一瞬、君が君だと分からなかったんだ。
     顔の造形が変わったわけじゃない。
     髪型が変わったわけでもない。
     でも、醸す雰囲気一つで、
     人間の印象は面白いように変化する。
     それを作為的に操作できるのが、詐欺師と呼ばれる連中だよ。
     しかし残念ながら、僕たちは常に一つの人格しか持ち得ない。
     二つの人格を用意して、必要に応じてスイッチすることは出来ない。
     一定の自分を保つことは出来ない。
     僕たちは時々刻々と変化していくしかない。
     そしてそれを止める術はなく、ただ受け入れるしかないんだ」
    「……おい、佐々木」

    佐々木は薄く笑って言った。

    「ああ、久しぶりにやってしまったね。
     買い物の最中に語りに填り、君を置いてけぼりにしてしまうとは」

    173 = 144 :

    >>170
    ビビっときました!

    174 = 77 :

    佐々木フォルダ作らないと♪

    175 = 148 :

    >>174
    俺は佐々木フォルダの中も細分化してます

    176 = 111 :

    >>175
    一番のお気に入りの佐々木の画像ください

    177 :

    俺も佐々木フォルダは細分化して健介とかも入ってるな

    178 = 13 :

    「さっきの発言は訂正するよ。
     やっぱり佐々木は昔のまんまだ」
    「………」

    佐々木は何も言わずに俺から買い物袋を奪い取った。

    「おっとっと」
    「無理すんな。全部お前の家まで持ってってやるから」
    「いいんだ。僕を舐めないでほしい」

    買い物袋の山は今にも佐々木の細腕から落ちそうで、
    傍で見ている俺としては、精神衛生上非常によろしくなかった。
    が、佐々木はその後も譲らずに「持って帰る」と言い続け、
    結局

    「来週も楽しみにしているよ」

    と言い残し、行ってしまった。
    佐々木の後ろ姿を見失ったところで気付く。
    来週も、ってなんだ。
    そもそも今日佐々木が俺を呼び出した目的である、
    SOS団脱退についての説教話はどうなったんだ。

    179 = 13 :

    それから数日は何事もない日が続いた。
    ハルヒは相も変わらず俺を無視し続け、俺もいつしか話しかけるのをやめた。
    一度だけ掛かってきた古泉からの経過報告では、
    ハルヒの精神は依然不安定な状態が続いているが、
    それも一種の安定と言える、というよく分からないことを告げられた。
    放課後はSOS団を脱けた日にカラオケに行ったグループと一緒にどこかに出かけるか、
    連れだって帰るかの二択だった。
    授業が終わったらすぐに文芸部室に赴いていた日々は、遠い過去であるように感じられた。

    180 = 53 :

    >>1の創作意欲を湧かせる上での燃料になればいいなと思いながら貼る

    べ、別に>>169とかのためじゃないんだからねっ!!

    181 :

    佐々木好きにはたまらない
    支援

    182 = 171 :

    >>180
    いいぞもっとやりなさい
    パンツ脱いで待ってるからな

    183 :

    塩介スレと聞いて

    184 = 164 :

    佐々木好きに悪い奴は居ない

    185 = 166 :

    べつに貼りたくて貼るわけじゃないよ。

    186 = 53 :

    >>1のために貼ってるんだからな!!

    パンツ脱いでハァハァ言ってるおまいらのためじゃないからな!!

    187 = 166 :

    >>186
    だよねっ

    188 :

    さすがおまえらの連携は日本代表以上だな。

    189 = 13 :

    家に帰るのが早かった日は、妹の宿題を手伝ってやり、家族揃っての夕食を楽しむ。
    風呂に入り、髪を乾かして、軽く明日の予習をしながら溜まっていたメールを処理する。
    元東中の男から紹介された何人かの女の子は、みんな同じような顔で同じような髪をしていた。
    添付されたプリクラの写真の下に、

    "こいつら可愛く見えるけど、化粧とったら結構やばいぜ(笑)"

    とコメントが添えられてある。
    俺はとりあえずその何人かのアドレスにメールを送ってみる。
    食いつきは良かった。
    キョンという忌々しいあだ名は社交では便利なもので、人に覚えて貰いやすい。
    あとは相手を退屈させないようにこまめに返信していけば、あっという間に人脈が完成する。

    190 = 181 :

    佐々木ってcv.坂本真綾で脳内再生される

    191 = 183 :

    なんかキョンが憎たらしいストラングルホールドかけたい

    192 :

    >>190
    奇遇だな
    俺もだ

    193 = 53 :

    >>そうともさ!!なんだかんだ言って貼るけどな!!

    195 = 142 :

    ふぅ・・・
    やはり佐々木はいい

    196 = 13 :

    しばらくして俺はその子たちとのメールを切り上げ、
    俺の所属するグループの女子三人の中で、
    この前髪を切ったと言っていた大人しめの子にメールを打つ。

    to:
    俺も髪切ったんだ
    明日見たら反応してくれよな

    from:
    どんな風にしたの?

    to:
    いつもと違う感じにして下さい、ってお願いしたら
    レイヤー入れて無造作なカンジで、って言われてそのままカットされたよ
    これまで髪型とか気にしてなかったから
    何言ってるのかさっぱりだった(笑)

    from:
    写メ送ってくれない?
    今すぐ見たいんだけど

    to:
    写メは恥ずかしいからナシ
    明日になったら分かるよ

    197 = 166 :

    >>196
    なぜか供養で脳内再生されたw

    こんなのあったんですかw

    198 = 53 :

    キョンがテラリア充~

    199 :

    キョンは中学時代、すでに童貞を卒業してると思う

    200 = 13 :

    from:
    ええー
    どうしても、って言ってもダメ?

    携帯の内側カメラを起動し、
    さりげなく目を入れて撮影、保存する。

    to:
    負けた
    笑ってもいいぜ

    写真を添付して送信。

    from:
    全然かっこいいじゃん!
    見違えたって

    to:
    サンキュ
    実を言うと俺も結構気に入ってるんだ

    メールは深夜まで続いた。
    話題は尽きなかった。
    相槌を打つだけのハルヒとは違い、普通の女の子はあちらかも色々と話を振ってくれる。
    元々女というものは話すのが好きで、それをストレス解消にしていることもある。
    話題が尽きたときは、「もっと○○のこと教えてくれよ」と言うだけでいい。


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