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    元スレ新ジャンル「囚人二人」

    新ジャンル覧 / PC版 /
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    302 = 267 :

    >>299ヤバい涙が…

    303 :

    はっは支援

    304 = 196 :

    306 :

    「そ…んな…」
    「えへへ…思ったより早くきちゃいましたね…」
    「あ…ああ…あ…」
    「私がいなくなっても泣いちゃダメですよ? あ、ちょっとこれ生意気かも。ふふ、でも最後くらい生意気言ってもいいですよねっ」
     「もっと、もーっと男さんとお話したかったです。それで男さんのこといっぱい、いーっぱい知りたかったです」
     「でも、ダメみたいですね」
     「私、男さんと話せてよかったって心から思ってます」
    「女ッ! 俺は…!」
    「あ、それ以上先を言っちゃダメですよ? 私、行きづらくなるじゃないですか」
     「うん、別れるときは笑顔のほうがいいですよっ」
    「ば、馬鹿だろっ! お前!」
    「あ、バカって言いましたね! 最後くらいバカって言うの止めましょうよ!」
    「何度でも言ってやる! 馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿……馬鹿…」
    「………はい、自分でもそう思います」
     「そういえば、ここを出るときに何で私が人殺したか教えるって言いましたよね」
     「……私も男さんと同じなんです、えへへ…奇遇ですね、あ! これも運命なんですよ、きっと!」
     「………運命なんて、こんな運命なんて嫌いです…」
    看守「……そろそろ時間だ、いくぞ」
    「あ…はい」
    「男さん、短い、あ、あい…あ、あれ? お、おかしいな…? な、なみだが止まらないじゃ、ないですか」
     「な、なんで……泣かないって決めてたのに…どうして、止まって、止まってよ…!」
    「女………」
    「え、えへへ…私も泣いちゃいました……よしっ、もう泣きません」
     「男さん」


    「大好きでした」

    307 = 191 :

    >>301がどっかで見たIDである件

    309 :

    「ここで問題だ!君にとって死とは何か?」
    「なによ禅問答のつもり?くだらない」
    「まあそう言うな。暇つぶしだよ暇つぶし。お互い死ぬ身だ。語ろうじゃないか」
    「お互い死ぬって……遅かれ早かれ死は誰にだって来るわ」
    「俺らが殺した人間たちにもな」
    「……」
    「俺らは殺し、また殺される。こんなに死が身近な立場っつたら後は病人くらいなもんだ」
    「そうなるわね」
    「で、改めて死というものに向き合ってみようということさ」
    「だからそれがくだらないっつってんのよ」
    「なぜだ」
    「だって命を軽々しく扱ってきたからここに入ってるんでしょ。その私たちが……」
    「命じゃねえ死だ。間違えんな。それに俺は死を軽々しく扱った覚えはない。命なんかは知らんがな」
    「ガキくさ……」
    「はっは!どうとでも言え。所詮壁越しの会話、悪口暴言なんでもござれだ」

    310 = 309 :

    「じゃあ何?死んだ後どうなるかとかそんな話?」
    「いいや死ぬこと自体にさ」
    「私にとって、ね……。うーん、終着点、かしらね」
    「ほほう終着点か」
    「ゴールじゃなくて、終着点。ここであなたの人生は終わり……って感じ」
    「それはあんたが殺した人間にも言えるのか?」
    「……今日はずいぶんとつっかかってくるわね。そういうあなたはどうなのよ」
    「俺か?俺にとって死は見苦しいものだ!」
    「見苦しい?」
    「死ってのは無理やりねじ切った糸の断面みたいなもんだ。ほころびが多いし見栄えも悪い。だから気も使う」
    「それはあなたが殺した人間でしか死を体感できなかったからでしょ」
    「はっは!そのとおりだ!だが俺はたとえ天寿を全うした老人を見ても見苦しいと思うだろう」
    「一応聞いてあげる。何故?」
    「どう考えたってしわくちゃの爺婆だからだ!」
    「……身も蓋もないって言葉、こういうときに使うんでしょうね」

    312 = 309 :

    「どうして死に気を使うのよ。どうせ結果は一緒でしょ」
    「俺は見苦しいのは嫌いだ。だから見苦しくない死を探した。そしたらここに来ちまった」
    「探し方が間違ってたんじゃないの?医者にでもなればよかったのよ」
    「はっは!正論だ。だが俺にはいかんせん学ってもんが無かった」
    「だから殺したっていうの?言い訳にすらならないわよ」
    「医者にならなかった言い訳にはするが殺した言い訳なんざにはするつもりはない」
    「あら殊勝な心がけね」
    「周りの連中はこぞって心の闇なんて陳腐な言葉を当てはめようとするがな」
    「滑稽極まりないわ。こうして会話を交わせる人間に心の闇なんてあるわけない」
    「信用してるのか?」
    「闇すら持ちようがないほどあなたは単純で子供って意味」
    「いいねえその毒舌。惚れそうだ」
    「……くだらない」

    314 :

    しえんえん

    315 = 309 :

    「自分の死についてはどう思う?」
    「え?」
    「今まで散々殺してきてとうとう自分の番が来たんだ。何か思うことくらいあんだろ」
    「別に……やっと終わりかってくらいよ」
    「かぁー!風情がねえな」
    「ならあなたはそれは素敵なポエムでも聞かせてくれるのかしら」
    「俺は俺自身の死も見苦しいだろうと確信している。それだけは絶対だ」
    「全てにおいて例外は無いって悟ったのね」
    「いいや?おまえさん人を絞殺したことはあるかい?」
    「だいたいナイフか拳銃だったけど」
    「そうか。だったら覚えとけ。人間ってのはな、吊るしあげるとそりゃあ醜い顔になるんだ」
    「へえ……」
    「加えて俺らは絞首刑。見苦しくならないわけがない」
    「あなたこそ風情もくそもないじゃない」
    「はっは!死に風情を求めてもしょうがないってこったな!」
    「ったく……」

    316 :

    「あ、男さん! 遅いですよー!」
    「お前が早いだけだ…」
    「もう…待ち合わせに遅れると女の子に嫌われちゃいますよ?」
    「そのときはそのときだ」
    「どんなときですかっ! 今度はちゃんと守ってくださいね?」
    「分かったよ、ほら、そこでクレープ買ってやるから機嫌直せ」
    「わっ! ほんとですかっ? えへへ、私これがいいです!」
    「…こら、そんなにベタベタするな…人が見てる…」
    「いいじゃないですか! 私たち付き合ってるんですからっ」
    「…ったく、しょうがない奴だな」
    「えへへ、あっ! 見てください! 雲ひとつない青空ですよ!」


    「………」
    看守「結局あんたはそうやって逃げるんだな」
    「………」
    看守「俺を庇った? ふざけるな、あんたは現実から逃げたかっただけだ」
    「………」
    看守「なんとか言ったらどうなんだ? おい!!」
    「………」
    看守「俺は…俺は…絶対に許さない……聞いてるのか……兄さん」
    「………」

    看守「………聞こえますか、囚人番号xxxが自殺しました」


    =終=

    317 = 195 :

    わあああああorz

    318 = 154 :

    おおおおおおお

    319 = 316 :

    これで終わりです。
    >>1もきたことですからROMに戻ります。
    それでは、失礼します。

    320 = 158 :

    >>231
    乙でした
    鬱エンドが最初から見えてるジャンルにも関わらず参加してくれて、
    本当に乙でした

    321 = 309 :

    >>320
    あなたも頑張れ

    322 = 158 :

    「ねえ」
    「どうした?」
    「わたしの前にここにいた人ってさ」
    「ああ」
    「なにをしてここに来たの?」
    「……訊いてどうする?」
    「どうもしない。あんたと仲良くしてたくらいだしさ、
      きっと極悪人ってわけでもないんだろうなって。
      そう思うと、ちょっと興味が沸いた」
    「そうか。話してもいいんだが……死んだ人間の
      うわさばなしってのも気が引けるな」
    「なによ。その人の怨霊を呼び寄せでもしちゃうの?」
    「いや、そういうわけでもねえが」

    323 = 158 :

    >>322
    「おまえがそう思ってるなら、つまらねえ話になるぜ?」
    「どういうこと?」
    「極悪人だった、って言ってんだよ」
    「え……?」
    「金のために顔見知りだろうがそうでなかろうが
      殺しまくった、弩級の犯罪者さ。死刑になろうが
      同情する奴なんていやしねえ、むしろ喜んだ人間のほうが
      多かったろう物欲の権化」
    「そんな……やめてよ、そんなシュミの悪い冗談」
    「冗談だとしたら、たしかに趣味が悪いな。
      だがよ、いざ死ぬとなれば欲なんてのは意味がねえ。
      奴も後悔してたさ。なんてことをしてしまったんだろう、
      殺してしまった人たち、その家族、友人に申し訳ないってな。
      そして、だからこそ……死をもって罪をつぐなうと決めた」
    「…………」
    「俺は、よ。もしかしたらおまえほど、人間ってモンに
      絶望してねえのかもしれねえ。ガキだって言いたくなるのも、
      まあわからねえでもねえってもんだ。はっは」
    「……そっ、か」

    324 = 158 :

    >>323

    「でも、わたしが人間に絶望してるみたいな言いかたしないでよ」
    「お? ああ、すまねえな。俺の中でおまえは薄幸の美女だからよ、
      人の世をはかなんで――」
    「あーもう。そんなシュミの悪い冗談はやめろって言ってるでしょ」
    「わり」
    「……わたしも、男に会うまではそうだったけどさ……」
    「んー? 声が小さくてよく聞こえねえぞ」
    「なんでもないわよ。ばか」
    「馬鹿とは失礼な」
    「うっさい」

    328 :

    どうか、片方死ぬ終わり方だけはしないで欲しい・・

    329 :

    「ねえ、男」
    「ん?」
    「『おむかえ』が来るのって、いつかなあ」
    「なにをいきなり言い出すやら」
    「ここにいれば、いつかは来るもんだし。
      覚悟のひとつも決めておきたいじゃない」
    「怖い、のか? そりゃしかたねえさ。罪には、
      相応の罰。そうでなきゃ、社会ってのは動かねえ」
    「……怖くないわけじゃない。でも、わたしの命なんて
      かる~いもんだし?」
    「おまえなあ。そういう言いかたはやめろと――」
    「怖いのは……死ぬことじゃない」
    「……え?」
    「ひとりになっちゃうのが、なにより怖い。
      『連れて』いかれちゃったらさ、わたしまた
      ひとりになっちゃう。だれにも必要とされなかった、
      あのころに戻っちゃう。
      それが……怖いの」

    330 = 329 :

    >>329

    「だれにも必要とされないくせに、生きていてほしいって
      思ってくれる人もいないくせに、わたしなんで生きてるん
      だろうって思いながら抜け殻みたいに生きるのが、怖い。
      なによりも。死ぬよりも……」
    「……そう、か」
    「だから、おむかえが来るなら男よりわたしが先に。
      そう、思ってる」
    「そう言われてもな。刑の執行の期日は俺が決めるわけじゃ
      ねえ。判決を受けた順でもねえ、お上のだれかの気まぐれだ」
    「わかってる。でも、それでも」
    「それに、その言い方はこっちの都合を完全に無視してる」
    「……どういう意味?」
    「わかってるくせによ」
    「はっきり言ってほしいだけ」
    「やだよ。もしかしたら壁に書いてあるかもしれねえぜ」
    「何も書いてないの、知ってるくせに」
    「ぐー」
    「寝たふりすんな!」

    331 :

    わくてか

    334 = 329 :

    「よう。ひとりになるのがいやだってんならよ」
    「んー?」
    「アレだ。三国志は知ってるか?」
    「ちょっとだけなら」
    「桃園の誓いってやつだ。我ら生まれた日は違えど」
    「願わくば、同年同月同日に死なん」
    「そう。ソレ」
    「どちらかが連れていかれたら――」
    「着てるものを格子かなんかに引っかけりゃ、
      首くらい吊れるだろ」
    「死にかたも同じ、か。いいかもね、それ」
    「だろ。はっは」

    335 :

    なんか泣けてきた

    336 = 329 :

    >>334

    「……あ!」
    「どうした?」
    「それ、やっぱダメ」
    「なんで?」
    「だってそれ、義兄弟の契りじゃない」
    「なにがいけねえんだよ」
    「……ダメなのっ」
    「じゃあどうしろてんだ」
    「……その、ええと」
    「夫婦の契り、か?」
    「! まあ……そうなる、かな」
    「はっは。俺、おまえの顔も知らねえんだぜ?」
    「三国志の時代なら、フツーのことだったはずでしょ」
    「政略結婚か? ま、それもそうだ」
    「でも、政略結婚なんかじゃない」
    「いいだろ。じゃあ、いくぜ?
      我ら生まれた日は違えど――」
    「願わくば、同年同月同日に死なん」
    「酒もねえ花もねえ、シケた契りだがよ」
    「うん。十分だよ……ありがとう」

    337 :

    こやつめ ハハハ!

    339 :

    私怨

    340 = 329 :

    「よう。おまえってさ、判決もらうときに
      情状酌量とか、あったか?」
    「……なかったよ」
    「なんでだよ? 事情が事情だし、ちょっとくらい
      あってもいいような気がするんだが」
    「命じられてやったっていう証拠がなかったから。
      もちろん、わたしを拾った人……わたしに人を
      殺させた人は、わたしをかばうことなんてなかった」
    「……そうか。きたねえよな、世の中……そういう
      奴らがのさばる一方で、おまえみたいな犠牲者がいる」
    「そういう、男は?」
    「ある程度は認められた。けど、それをもってしても……
      俺は、殺しすぎた」
    「そっか……」
    「とすれば、もしかしたら……おまえには、まだ目は
      残ってるかもな」
    「……え?」
    「いや。なんでもねえよ。どっちにしろ、ここからじゃ
      なにもできやしねえ……忘れてくれ」

    342 = 329 :

    「よう。ちょっと聞いてくれや」
    「んー?」
    「メシと一緒によ。こんな紙がついてきやがった」
    「見えないよ。なんて書いてあんの?」
    「食いたいものを書け、なんでもいいから……だってよ」
    「…………!」
    「いやー。とうとう来ちまったか。おそらくは明日……だな」
    「な……なんでそんなに落ち着いてられるの……?」
    「さあ、なんでだろうな。隣にいい女がいるからかもしんね」
    「そんなっ……やだよわたし、男が――!」
    「いいからおまえは落ち着け。騒ぐと看守にかぎつけられる」
    「だけど……だけどっ!」

    343 = 329 :

    >>342

    「なあ、頼みがあるんだけどよ」
    「え……?」
    「想像は自由とか言ってきたが……一目でいい。そっち、
      のぞいていいか?」
    「え、う……今は――」
    「今しか、もうねえんだ」
    「……わかった。いいよ……」
    「おっしゃ。じゃあ、のぞくぜ?
      お。おお。おお~~~」
    「……なによ、その反応」
    「へへ。思った通り、大層な美人だ……けどよ、そんなに
      泣いてちゃ台なしってもんだぜ?」
    「うっさい……だから今はイヤだって言ったのに……!」
    「笑ってくれよ。この眼に焼きつける」
    「……うん」
    「はっは。最高だ。もう思い残すこともねえ……ってか」

    345 = 327 :

    ハッピーエンドを、なんとかorz

    346 = 337 :

    辛いな

    348 :

    一発とはいわないからせめてキスの一つでも…………………無理か。

    349 :

    追い付いた
    保守

    350 :

    おいついてしまった
    >>1がんば
    個人的には鬱エンドもすきだ


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