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元スレ新ジャンル「囚人二人」
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看守「今日からおまえにはここで暮らしてもらう」
背中をとん、と押され、女は独房に踏み込んだ。
直後、背後の扉が、重い音を立てて閉じた。
外界から、完全に隔絶。その扉を恨めしげににらみ
つけたところで、金属でできたその扉は開きも溶けも
砕け散りもしない。しかたなく、壁際に置いてあった
ベッドに腰かけた。
看守の足音が遠ざかってゆくのを聞くともなしに
聞きながら、考える。さあ、何もすることがない。
これからの退屈を、いったいどうやってしのげば
いいものやら――
男「お、新入りさんかい?」
女(……え?)
男「そこにいた奴が『連れて』いかれちまってよ。
退屈してたんだ」
女(どこから……壁? あ、こんなところに
小さな穴が開いてる……)
男「ま、これからよろしく頼むわ。短い間だが、な」
女(えらく慣れ慣れしい……でもまあ、一人で
ふさぎ込んでるよりは――)
男「……あれ? 聞こえてねえのか? おーい」
女「聞こえてるよ……これからよろしく、ね」
背中をとん、と押され、女は独房に踏み込んだ。
直後、背後の扉が、重い音を立てて閉じた。
外界から、完全に隔絶。その扉を恨めしげににらみ
つけたところで、金属でできたその扉は開きも溶けも
砕け散りもしない。しかたなく、壁際に置いてあった
ベッドに腰かけた。
看守の足音が遠ざかってゆくのを聞くともなしに
聞きながら、考える。さあ、何もすることがない。
これからの退屈を、いったいどうやってしのげば
いいものやら――
男「お、新入りさんかい?」
女(……え?)
男「そこにいた奴が『連れて』いかれちまってよ。
退屈してたんだ」
女(どこから……壁? あ、こんなところに
小さな穴が開いてる……)
男「ま、これからよろしく頼むわ。短い間だが、な」
女(えらく慣れ慣れしい……でもまあ、一人で
ふさぎ込んでるよりは――)
男「……あれ? 聞こえてねえのか? おーい」
女「聞こえてるよ……これからよろしく、ね」
男「よう。どうだい? ここでの寝ごこちは」
女「もうホント最高。どっかの五つ星ホテルかと
思っちゃったよ」
男「だろ? むやみやたらに広々としたこの部屋!
ホントは狭いのに、モノを置かないことで
広く見せる工夫のタマモノってワケよ」
女「置いてあるものといったらこの固いベッドだけ。
必要最低限なものだけを置く、機能美に特化した
すっばらしい部屋だよね」
男「よくわかってるじゃねえか。まったく、舌打ちの
ひとつもしたところでバチも当たりゃしねえ」
女「それに、これ以上バチの当たりようもない……よね?」
男「俺たちの場合はな。はっは」
女「もうホント最高。どっかの五つ星ホテルかと
思っちゃったよ」
男「だろ? むやみやたらに広々としたこの部屋!
ホントは狭いのに、モノを置かないことで
広く見せる工夫のタマモノってワケよ」
女「置いてあるものといったらこの固いベッドだけ。
必要最低限なものだけを置く、機能美に特化した
すっばらしい部屋だよね」
男「よくわかってるじゃねえか。まったく、舌打ちの
ひとつもしたところでバチも当たりゃしねえ」
女「それに、これ以上バチの当たりようもない……よね?」
男「俺たちの場合はな。はっは」
女「ここってさ」
男「んー?」
女「夜になったら、けっこう暗いんだね」
男「昼でも暗いだろ?」
女「壁に、風と光を通すための窓があるじゃん」
男「まあ、昼はそこからお日さんが照らしてくれるわな」
女「夜はそういうのなくなるし」
男「お? もしかして、暗いのがニガテなのか?」
女「……うっさい。寝るっ」
男「んー?」
女「夜になったら、けっこう暗いんだね」
男「昼でも暗いだろ?」
女「壁に、風と光を通すための窓があるじゃん」
男「まあ、昼はそこからお日さんが照らしてくれるわな」
女「夜はそういうのなくなるし」
男「お? もしかして、暗いのがニガテなのか?」
女「……うっさい。寝るっ」
男「よう、見てみろよ。いい月だぜ」
女「窓の外? んー、ここからだと建物に隠れて
よく見えないや」
男「お、そうか。そいつは残念だな……
鉄格子越しに見る月なんてオツなモンは、
ムショ以外じゃそうは見られねえぜ?」
女「乙な物、ねえ。あんたの趣味、よくわかんない」
女「窓の外? んー、ここからだと建物に隠れて
よく見えないや」
男「お、そうか。そいつは残念だな……
鉄格子越しに見る月なんてオツなモンは、
ムショ以外じゃそうは見られねえぜ?」
女「乙な物、ねえ。あんたの趣味、よくわかんない」
男「――――ってハナシがあってよ。おかしいだろ?」
女「あっはっは。おかしいおかしい」
男「! おい女、ちっと黙れや」
女「……はぁ? なにをいきなり――」
男「いいから!」
女「ちょっとあんたねえ」
……カツン。
女「!」
女(看守の足音!? 近づいてくる……
まさか、声が聞こえてた……?)
女「あっはっは。おかしいおかしい」
男「! おい女、ちっと黙れや」
女「……はぁ? なにをいきなり――」
男「いいから!」
女「ちょっとあんたねえ」
……カツン。
女「!」
女(看守の足音!? 近づいてくる……
まさか、声が聞こえてた……?)
>>10
……カツン、カツン、カツン……
女(通り過ぎた……)
男「……ふう。やっぱマズいんだよな、こうやって
話すのは。もし聴かれたら、この穴もふさがれ
ちまう」
女「……ごめん。これからはちょっと声を抑えるね」
男「かまいやしねえ。見回りの時間は決まってる。
その間だけ気をつければいいさ」
女「うん……」
男「しかし、アレだ。こういうの、ワクワクするだろ?」
女「え?」
男「昔よ、やっただろ。学校の授業中にさ、センコーの
目ぇ盗んで手紙の交換とかしてよ」
女「ああ……なつかしいね」
男「情報のやりとりが目的じゃなくてよォ。ただ、エラい
人に隠れてあれやこれやするのが楽しかったんだ」
女「ふふ。あんた、子供みたいなコト言うんだね」
男「大人の男ってのぁな、でっけえ少年なのさ」
女「で、やんちゃが過ぎてここにいるってわけ?」
男「それは言わねえ約束だぜ」
……カツン、カツン、カツン……
女(通り過ぎた……)
男「……ふう。やっぱマズいんだよな、こうやって
話すのは。もし聴かれたら、この穴もふさがれ
ちまう」
女「……ごめん。これからはちょっと声を抑えるね」
男「かまいやしねえ。見回りの時間は決まってる。
その間だけ気をつければいいさ」
女「うん……」
男「しかし、アレだ。こういうの、ワクワクするだろ?」
女「え?」
男「昔よ、やっただろ。学校の授業中にさ、センコーの
目ぇ盗んで手紙の交換とかしてよ」
女「ああ……なつかしいね」
男「情報のやりとりが目的じゃなくてよォ。ただ、エラい
人に隠れてあれやこれやするのが楽しかったんだ」
女「ふふ。あんた、子供みたいなコト言うんだね」
男「大人の男ってのぁな、でっけえ少年なのさ」
女「で、やんちゃが過ぎてここにいるってわけ?」
男「それは言わねえ約束だぜ」
男「よう。今日は空が高えなあ」
女「そうだねー……いい天気」
男「こんな日にゃあ、軽くそこいらをぶらぶらしてえもんだ」
女「またアンタは。無理だってわかってるくせにさ」
男「ないものねだりってのは、してみるもんだ。
もしかしたら、欲しいモンが手に入るかもしれねえぜ?」
女「だからあんたはコドモだってのよ」
男「うっせ。そういうてめえはいくつなんだよ」
女「レディに歳を訊くもんじゃないわ」
男「レディ、ねえ」
女「レディ、よ」
男「ふ~~~ん」
女「…………」
男「ふ~~~~~~ん」
女「……21、よ」
男「ふは! 俺の方がみっつも上だ!
ガキはどっちだってんだよ、はっは!」
女「……だからあんたはコドモだってのよ……」
女「そうだねー……いい天気」
男「こんな日にゃあ、軽くそこいらをぶらぶらしてえもんだ」
女「またアンタは。無理だってわかってるくせにさ」
男「ないものねだりってのは、してみるもんだ。
もしかしたら、欲しいモンが手に入るかもしれねえぜ?」
女「だからあんたはコドモだってのよ」
男「うっせ。そういうてめえはいくつなんだよ」
女「レディに歳を訊くもんじゃないわ」
男「レディ、ねえ」
女「レディ、よ」
男「ふ~~~ん」
女「…………」
男「ふ~~~~~~ん」
女「……21、よ」
男「ふは! 俺の方がみっつも上だ!
ガキはどっちだってんだよ、はっは!」
女「……だからあんたはコドモだってのよ……」
男「よう。あんた、お里はどこだい?」
女「故郷、か。捨てたよ、そんなもの」
男「なんだ。帰る場所、ねえのか」
女「あったとしても、もう帰れないじゃない」
男「……そうだな。そうだったな」
女「そういうあんたは、どうなのさ」
男「俺かい? 俺も捨てたよ、そんなもん」
女「だろうねえ。じゃなきゃ、今ごろこんなところに
いたりはしない」
男「はっは。違いねえ」
女「故郷、か。捨てたよ、そんなもの」
男「なんだ。帰る場所、ねえのか」
女「あったとしても、もう帰れないじゃない」
男「……そうだな。そうだったな」
女「そういうあんたは、どうなのさ」
男「俺かい? 俺も捨てたよ、そんなもん」
女「だろうねえ。じゃなきゃ、今ごろこんなところに
いたりはしない」
男「はっは。違いねえ」
男「よう。起きてるかい?」
女「……いちお。なんか用?」
男「いいや、なんにも。ここでしなきゃならねえことなんて
なにもねえのに、用なんかあるわけねえだろ?」
女「ごもっとも。で? だったらなんで話しかけてくるわけ?」
男「冷たいねえ。することもなにもねえんだ、構ってほしいのさ」
女「子供みたいなコト言わないの。今は眠いからさ、明日にして
くんない?」
男「今がいい」
女「後がいい」
男「今がいい」
女「…………」
男「おーい。なんだよ寝ちまったのか?
おきろーおきろーおーきーろー」
女「ああもううるさい! 看守が来る!
ったくもーしょーがないなあっ」
男「へへ」
女「……いちお。なんか用?」
男「いいや、なんにも。ここでしなきゃならねえことなんて
なにもねえのに、用なんかあるわけねえだろ?」
女「ごもっとも。で? だったらなんで話しかけてくるわけ?」
男「冷たいねえ。することもなにもねえんだ、構ってほしいのさ」
女「子供みたいなコト言わないの。今は眠いからさ、明日にして
くんない?」
男「今がいい」
女「後がいい」
男「今がいい」
女「…………」
男「おーい。なんだよ寝ちまったのか?
おきろーおきろーおーきーろー」
女「ああもううるさい! 看守が来る!
ったくもーしょーがないなあっ」
男「へへ」
男「しかし驚いたぜ。隣に、女の子が入ってくるなんてな」
女「なによ。べつに珍しいもんじゃないでしょ。女が犯罪を
起こすなんて」
男「たしかに珍しくねえ。だが、『ここ』は違う」
女「どういう意味?」
男「わかってんだろ。ここがどこだか」
女「……危険度最高クラスの犯罪者が集まる刑務所。
極めて大きな罪を犯し、終身刑以上の罰が言い渡された
者を収容する」
男「そしてこのエリアの独房には――」
女「死刑判決を受けた者だけが収容される」
男「…………」
女「…………」
男「珍しいんだ。ここでは、な」
女「……それが、どうかしたの?」
男「いや。べつにどうもしねえさ。
ただ、なにをやってここに来たのかが、気になった」
女「話さないと、夜も眠れない?」
男「いいや。そういうわけじゃねえ」
女「だったら、いいじゃない。そんなこと、どうでも」
男「そうか……そうだな。
まあ、気が向いたら話してくれや。
傷をなめあうのも、悪かぁねえぜ」
女「……そ」
女「なによ。べつに珍しいもんじゃないでしょ。女が犯罪を
起こすなんて」
男「たしかに珍しくねえ。だが、『ここ』は違う」
女「どういう意味?」
男「わかってんだろ。ここがどこだか」
女「……危険度最高クラスの犯罪者が集まる刑務所。
極めて大きな罪を犯し、終身刑以上の罰が言い渡された
者を収容する」
男「そしてこのエリアの独房には――」
女「死刑判決を受けた者だけが収容される」
男「…………」
女「…………」
男「珍しいんだ。ここでは、な」
女「……それが、どうかしたの?」
男「いや。べつにどうもしねえさ。
ただ、なにをやってここに来たのかが、気になった」
女「話さないと、夜も眠れない?」
男「いいや。そういうわけじゃねえ」
女「だったら、いいじゃない。そんなこと、どうでも」
男「そうか……そうだな。
まあ、気が向いたら話してくれや。
傷をなめあうのも、悪かぁねえぜ」
女「……そ」
男「いやしかし腹が減った。ここの暮らしには
だいぶ慣れたが、メシの量が少ねえのだけはいただけねえな」
女「身体を動かすこともないし、十分じゃないの?」
男「てめえと一緒にすんじゃねえっての。こっちは大の男だぜ?」
女「あっそ。じゃあ――わたしの分、わけてあげようか?」
男「マジか!
と言いてえが、こんなに小さい穴じゃあな。水くらいしか通らねえ」
女「噛み砕いた後なら通るけど」
男「ペンギンじゃあるめえし。いらね」
女「あーあ。人の親切を無為にするなんてねー」
男「てめえ無理だってわかってて言ってるだろ」
だいぶ慣れたが、メシの量が少ねえのだけはいただけねえな」
女「身体を動かすこともないし、十分じゃないの?」
男「てめえと一緒にすんじゃねえっての。こっちは大の男だぜ?」
女「あっそ。じゃあ――わたしの分、わけてあげようか?」
男「マジか!
と言いてえが、こんなに小さい穴じゃあな。水くらいしか通らねえ」
女「噛み砕いた後なら通るけど」
男「ペンギンじゃあるめえし。いらね」
女「あーあ。人の親切を無為にするなんてねー」
男「てめえ無理だってわかってて言ってるだろ」
>>19をまちがえた
ごめんなさい
ごめんなさい
男「今日も誰かに尾けられてる気が…」
女「男君男君男君男君男君ハァハァ」
スト「ストーカーしてる女ちゃん可愛ええええええ」
女「男君男君男君男君男君ハァハァ」
スト「ストーカーしてる女ちゃん可愛ええええええ」
男「しかしまあ顔も知らねえ男に対して
噛み砕いたモノをくれてやるたあ、な」
女「べつにいーじゃない。現にこうやって
壁で仕切られてるわけだし、襲われることは
ないでしょ」
男「いやまあそうなんだがな」
女「むしろ互いに顔が見えないからこそできることも
あるってもんでしょ」
男「それもそうだ。だがな女よ、その気になれば
俺はその穴からそっちを覗きこむこともできるんだぜ?」
女「あっそ。するの? あんたが?」
男「……いや。隣にいる女性がどんな容姿なのか、わからない
からこその楽しみもあるしな」
女「そう言うと思った。あんたはそーいうヤツよ」
男「想像は自由だと言ってくれ」
女「はいはい。ホント、子供みたいなんだから」
噛み砕いたモノをくれてやるたあ、な」
女「べつにいーじゃない。現にこうやって
壁で仕切られてるわけだし、襲われることは
ないでしょ」
男「いやまあそうなんだがな」
女「むしろ互いに顔が見えないからこそできることも
あるってもんでしょ」
男「それもそうだ。だがな女よ、その気になれば
俺はその穴からそっちを覗きこむこともできるんだぜ?」
女「あっそ。するの? あんたが?」
男「……いや。隣にいる女性がどんな容姿なのか、わからない
からこその楽しみもあるしな」
女「そう言うと思った。あんたはそーいうヤツよ」
男「想像は自由だと言ってくれ」
女「はいはい。ホント、子供みたいなんだから」
女「この穴ってさ」
男「ん?」
女「あんたが開けたの?」
男「……ああ。最後はな」
女「最後は?」
男「俺がここに来た時には、もうかなり深い穴が
壁に開いてた。たぶん……俺の前にここにいた奴が、
ちょっとずつ掘っていったんだと思う。
いや、何人もの手で、カンナでやるみてえに削っていったのかもな。
きっと寂しかったんだろうなあ。ここでたった一人で
息をしてるのが」
女「…………」
男「で、俺がそれに気づいて、メシのたびにスプーンの柄で突ついたんだ。
2週間くらい経ったころかな。いきなり、スプーンが向こうに
突き抜けた」
女「晴れて、開通ってワケだね」
男「ああ。ほんの1センチやそこらの穴だがな。
驚いてたぜ。そりゃそうだろうな、いきなり壁からスプーンが
生えてくるんだ。
そこからは……そうだな。おまえが今いる部屋にいた奴と、
くだらねえ話に花を咲かせたもんだ」
女「……仲良く、してたんだ」
男「まあな。看守を除けば話ができるたった一人の相手だ、
いがみあってもしょうがねえ。
ま、そいつも今となっちゃあ――
いや、やめとこう。シケた話だ」
男「ん?」
女「あんたが開けたの?」
男「……ああ。最後はな」
女「最後は?」
男「俺がここに来た時には、もうかなり深い穴が
壁に開いてた。たぶん……俺の前にここにいた奴が、
ちょっとずつ掘っていったんだと思う。
いや、何人もの手で、カンナでやるみてえに削っていったのかもな。
きっと寂しかったんだろうなあ。ここでたった一人で
息をしてるのが」
女「…………」
男「で、俺がそれに気づいて、メシのたびにスプーンの柄で突ついたんだ。
2週間くらい経ったころかな。いきなり、スプーンが向こうに
突き抜けた」
女「晴れて、開通ってワケだね」
男「ああ。ほんの1センチやそこらの穴だがな。
驚いてたぜ。そりゃそうだろうな、いきなり壁からスプーンが
生えてくるんだ。
そこからは……そうだな。おまえが今いる部屋にいた奴と、
くだらねえ話に花を咲かせたもんだ」
女「……仲良く、してたんだ」
男「まあな。看守を除けば話ができるたった一人の相手だ、
いがみあってもしょうがねえ。
ま、そいつも今となっちゃあ――
いや、やめとこう。シケた話だ」
女「で?」
男「ん?」
女「そーいうアンタは、いったい何をやったの?」
男「聞きてえか?」
女「まあ、ヒマ潰しのネタ程度には」
男「聞きたくねえのか……」
女「なによ。言いたいの?」
男「……まあ、ヒマ潰しのネタ程度には……」
男「ん?」
女「そーいうアンタは、いったい何をやったの?」
男「聞きてえか?」
女「まあ、ヒマ潰しのネタ程度には」
男「聞きたくねえのか……」
女「なによ。言いたいの?」
男「……まあ、ヒマ潰しのネタ程度には……」
男「大体よお、何をやったのかって言うけどな」
女「なによ?」
男「世の中には冤罪というものがあってだ」
女「な――まさかあんた」
男「もしかしたら、俺はなにもやってねえのかも
しれないぜ?」
女「!」
男「とかいう夢を見ることもある」
女「…………
結局どっちなのさ」
男「どうだかなあ。はっは」
女「なによ?」
男「世の中には冤罪というものがあってだ」
女「な――まさかあんた」
男「もしかしたら、俺はなにもやってねえのかも
しれないぜ?」
女「!」
男「とかいう夢を見ることもある」
女「…………
結局どっちなのさ」
男「どうだかなあ。はっは」
>>23
スレ立てするときは呼んでくれよ
スレ立てするときは呼んでくれよ
女「ヒマだね」
男「ああ。ヒマだ」
女「なんでこんなにヒマなの?」
男「することがねえからだ」
女「それってトートロジー」
男「わかってる」
女「なんですることがないの?」
男「それが今の俺たちの仕事だからだ」
女「待つことが仕事ってこと?」
男「ああそうだ。何を待つかって?
はっは」
女「笑うしかないのもわかるけどさ」
男「ああ。ヒマだ」
女「なんでこんなにヒマなの?」
男「することがねえからだ」
女「それってトートロジー」
男「わかってる」
女「なんですることがないの?」
男「それが今の俺たちの仕事だからだ」
女「待つことが仕事ってこと?」
男「ああそうだ。何を待つかって?
はっは」
女「笑うしかないのもわかるけどさ」
男「……。(暇だ、あいつ何してんだろうな、ちょい覗いてみるか)」
ヌッ(互いに合う視線
女「きゃっ!」
男「うおわっ!びびった!なんだよ!なに覗いてんだよ!」
女「そっそっちこそなに覗いてんのよ!」
男「いや、俺はただなにしてるかな~って、オマエは?」
女「…私もアンタがなにしてるかな~って」
男「……。」
女「……。」
ヌッ
女「目潰し!」
男「痛っ!?」
ヌッ(互いに合う視線
女「きゃっ!」
男「うおわっ!びびった!なんだよ!なに覗いてんだよ!」
女「そっそっちこそなに覗いてんのよ!」
男「いや、俺はただなにしてるかな~って、オマエは?」
女「…私もアンタがなにしてるかな~って」
男「……。」
女「……。」
ヌッ
女「目潰し!」
男「痛っ!?」
女「くしゅんっ」
男「お。カゼでも引いたか?
それとも……いい男でもいるのかい?」
女「心当たりはないね……もうシャバに
わたしのこと覚えてる人もいないんじゃないかな」
男「えらく寂しいこと言うなぁ」
女「事実だもの。わたしのことウワサしそうなのって……
この壁のむこうにしかいないよ」
男「おお。なんでおまえのこと考えてるってバレた」
女「くしゅんっ」
男「おおう」
男「お。カゼでも引いたか?
それとも……いい男でもいるのかい?」
女「心当たりはないね……もうシャバに
わたしのこと覚えてる人もいないんじゃないかな」
男「えらく寂しいこと言うなぁ」
女「事実だもの。わたしのことウワサしそうなのって……
この壁のむこうにしかいないよ」
男「おお。なんでおまえのこと考えてるってバレた」
女「くしゅんっ」
男「おおう」
男「へくし」
女「今あんた口で『へくし』って言ったでしょ」
男「へくし」
女「もっとそれっぽく聞こえるように言えばいいのに」
男「いやあ俺もウワサされてんのかねえ。
俺のことウワサしそうなの、この壁のむこうにしか
いねえんだけどなあ。あーへくし」
女「こら」
男「ああもしかして今女の頭の中は俺でいっぱい!?
いやー照れるぜー」
女「…………」
男「へくし」
女「コドモ……いや、もういいや」
女「今あんた口で『へくし』って言ったでしょ」
男「へくし」
女「もっとそれっぽく聞こえるように言えばいいのに」
男「いやあ俺もウワサされてんのかねえ。
俺のことウワサしそうなの、この壁のむこうにしか
いねえんだけどなあ。あーへくし」
女「こら」
男「ああもしかして今女の頭の中は俺でいっぱい!?
いやー照れるぜー」
女「…………」
男「へくし」
女「コドモ……いや、もういいや」
女「ねえ男ー」
男「…………」
女「男ー?」
男「…………」
女「あれ? 寝てんのかな……」
男「…………」
女「退屈だから構ってもらおうと思ったのに」
男「…………」
女「ねえ男ー?」
男「…………」
女「……つまんない」
男「そうかそうか。やっぱ女には俺がいねえとなあ」
女「なッ……もしかして今の全部聞いてた!?
殺す! ぶっ殺すッ!」
男「そんなに怒んなよ。はっは」
女「はっはー、じゃない!」
男「…………」
女「男ー?」
男「…………」
女「あれ? 寝てんのかな……」
男「…………」
女「退屈だから構ってもらおうと思ったのに」
男「…………」
女「ねえ男ー?」
男「…………」
女「……つまんない」
男「そうかそうか。やっぱ女には俺がいねえとなあ」
女「なッ……もしかして今の全部聞いてた!?
殺す! ぶっ殺すッ!」
男「そんなに怒んなよ。はっは」
女「はっはー、じゃない!」
女「わたし今着替えてるけど」
男「おおうッ」
女「よかったらその穴から、どうぞ?」
男「てめッ……想像は自由だってーのに、
それを阻害しようってのか」
女「そうは言わないけど。
オンナのカラダを見る機会も、
もうないんじゃないかなって思ってさ」
男「……想像は自由だ。
だが妄想はもっと自由だ!」
女「覗かないってはっきり言えばいいのにさ。
純情だねー……もしかして童貞?」
男「ちがうわ!」
男「おおうッ」
女「よかったらその穴から、どうぞ?」
男「てめッ……想像は自由だってーのに、
それを阻害しようってのか」
女「そうは言わないけど。
オンナのカラダを見る機会も、
もうないんじゃないかなって思ってさ」
男「……想像は自由だ。
だが妄想はもっと自由だ!」
女「覗かないってはっきり言えばいいのにさ。
純情だねー……もしかして童貞?」
男「ちがうわ!」
男「狭い」
女「そうだね」
男「動かねえ」
女「必要ないし」
男「身体がなまってしょうがねえ」
女「しょうがなくないでしょ。もう、いらないじゃん」
男「……えらく達観してやがんなあ。
世の中なにが起こるかわかんねえぜ?」
女「そうだね。わかんないね」
男「なんだその反応……じゃあ言い方変えるか?
世の中なにが起こせるかわかんねえ、ってな」
女「……なにを考えてるの?」
男「さあな。秘密だ……はっは」
女「そうだね」
男「動かねえ」
女「必要ないし」
男「身体がなまってしょうがねえ」
女「しょうがなくないでしょ。もう、いらないじゃん」
男「……えらく達観してやがんなあ。
世の中なにが起こるかわかんねえぜ?」
女「そうだね。わかんないね」
男「なんだその反応……じゃあ言い方変えるか?
世の中なにが起こせるかわかんねえ、ってな」
女「……なにを考えてるの?」
男「さあな。秘密だ……はっは」
男「今夜は冷え込むな」
女「秋だしね。あんた、今からそんなコト言ってて、
これからの季節大丈夫なの?」
男「さあな。女がこっちに来てあっためてくれたら、
そんな悩みはねえんだが」
女「あんたがこっち来るなら考えてやってもいいけど」
男「うおマジか! おおりゃあがんばれ俺!
この穴をくぐれッ!」
女「あ。指が出てきた。
とうっ」
男「あだっ!? 爪を立てるな!」
女「秋だしね。あんた、今からそんなコト言ってて、
これからの季節大丈夫なの?」
男「さあな。女がこっちに来てあっためてくれたら、
そんな悩みはねえんだが」
女「あんたがこっち来るなら考えてやってもいいけど」
男「うおマジか! おおりゃあがんばれ俺!
この穴をくぐれッ!」
女「あ。指が出てきた。
とうっ」
男「あだっ!? 爪を立てるな!」
>>1寝たか
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- 新ジャンル「空中人魚」 (1001) - [72%] - 2010/2/11 15:45 ○
- 新ジャンル「俺乱入」 (100) - [71%] - 2008/9/18 17:45 △
- 新ジャンル「火星人」 (60) - [71%] - 2008/9/13 0:15
- 新ジャンル「嫌われ者」 (75) - [69%] - 2008/12/10 19:30 △
- 新ジャンル「廻る球体」 (61) - [69%] - 2008/10/14 20:00
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