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    元スレ【らき☆すた】新ジャンル?「ヤンデレこなた」Part10【(=ω=.)】

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    401 = 399 :

     結局、一昨日は何事もなく済んだんだけど、昨日もなんだか変だった。

     学校には普通に行ってたけど……

     なんだかボーっとしてて、ときどき魂が抜けちゃったみたいになっちゃって……

     あんなのしっかり者のお姉ちゃんらしくないよ!

     そんなキャラは私の役目だよ!

     ……そうだ!

     お姉ちゃんと一緒にゴールデンウィークの宿題をしよう!

     何となく、今はお姉ちゃんのそばに居てあげたほうがいい気がする。




     
     コンコン!

     ガチャ!

    「あの……お姉ちゃん?良かったら一緒に宿題しない?私だけじゃ、やっぱりよくわからないところあってさ~」

    「………」

    「お姉ちゃん?」

     お姉ちゃんは机に向かってこっちには背を向けてる。

    402 = 399 :

     私の声が聞こえてないのかな?

     もしかして、また考え事!?

    「ねえ!お姉ちゃんってば!」

     私がお姉ちゃんの肩を叩いたその時、お姉ちゃんの肩越しに見えたものは……

    「おおおお姉ちゃん!?」

     ハサミ。

     工作用のどこにでもあるハサミ。いつもはお姉ちゃんお机の鉛筆立てに入ってる。

     お姉ちゃんは、

     そのハサミをじぃぃぃぃぃぃっっと見つめてた。

    「ねえ……な、何してるの?お姉……ちゃん……?」

    「え?何って……」

    「ハサミなんか、じっと見て……なんだか怖い……よ?

    「ハサミじゃないわよ?」

    「え……?」

    「マインドレンデル。握り部分を半月輪状にした両刃式の和式ナイフを二振り,ネジで可動式に固定した大バサミよ」

    「な。何を言ってるのか……さっぱりだよ……?」

    「《自殺志願》って書いてマインドレンデル。うふふ、いい名前でしょ?」

    「じ、自殺!?ちょっと、お姉ちゃん!?お願い!しっかりして!!」

     私はお姉ちゃんの肩を必死にゆすったの。

     こんなのお姉ちゃんじゃない!

     まるで、何かに取り憑かれてるみたい……

    403 = 399 :

    「お姉ちゃんッ!!」

    「………」

    「ねえってば!」

    「……あれ?

     ……つかさ?どうしたの?」

    「お姉ちゃん……良かった……」

    「ちょ、あんた、なに泣いてるの!?って、あれ?なんで私ハサミなんか……」

    「覚えてないの!?お姉ちゃん、自殺がどうとか言ってたんだよ!?私、怖くって……うっうう……」

    「自殺!?私が!?そんな、まさか……」

    「ううう……」

    「……もしかしたら、寝ぼけてたのかも。机に向かってて、ちょっとうたた寝してたみたいだし……心配かけてごめん」

    「ううう……お姉ちゃぁん!」

    「つかさ……」





     

     その日の夜、私はこなちゃんに電話をかけた。

    404 = 399 :

    今日はここまでです。

    ちょっとネタがマニアックだったかもしれません…(´・ω・`)

    407 :

    乙ー
    しかしかがみんなんという邪気眼wwww

    408 :

    まさかレンが出るとはwwwwww

    410 :

    戯言乙ww

    411 :

    零崎が始まるんですね、わかります

    412 :

    俺の周り(リアル)には戯言シリーズを知らない奴かアンチしかいなかったもんで、皆さんの反応は嬉しい限りです!

    では今日の分を。

    413 :

     ヴィィィィィィィ、
     ヴィィィィィィィ、
     ヴィィィィィィィ、

    「んあ……誰だよ?こんな夜中に?……」

     ゴールデンウィーク初日の夜。

     特に何もせずダラダラと過ごした俺が一日を終えようとベッドに入った後だった。

     ヴィィィィィィィ、
     ヴィィィィィィィ、

     携帯を手に取る。

     AM 01:35の表示。

     こなたからの着信だった。

    「……こなた?なんだよ、明日は朝からみゆきとデートなのに……」

     ピ!

    「ふぁい……もしもし?こなた?どした?こんな夜中に。あ、言っとくけどCLANNADは進んでねーぞ」

    「男……」

    「ん?何かテンション低いな?どうしたんだよ?」

    「かがみんが……かがみんが……(ブツブツ)」

    「ん?よく聞こえないんだけど?すまん、俺、明日の朝早いから用件は手短に……」

    「かがみんが自殺しちゃうかもしれない!どうしよう!?」

     泣き叫ぶような声だった。

    「んなッ!!?」

     言葉が出ない。

     心臓を鷲掴みにされたみたいだった。

     血が逆流する感覚。

    414 = 413 :

    「お……おい……落ち着けよ?何があったんだ?」

     自分の声が震えているのが分った。

     だって、かがみが自殺する理由で真っ先に思いつくのは……

     俺がフッたから……?

     いやいやいや、いくらなんでもそれは俺の自意識過剰ってもんか?いや、でも……

    「つかさから電話があったんだ……今日の夜。かがみん、ハサミを握って、じーっとそれ見つめてて……自殺がどうとかって言ってたらしいの……」

    「……!!」

    「それだけじゃないんだよ?かがみんに口止めされてたんだけど……かがみん一昨日の帰り、急にボーっとしてっていうか、フラフラしてっていうか、とにかく、突然おかしくなって……線路に落ちそうになったんだよ!なんていうか、『線路に飛び込む』っっていうのに近い感じで……」

     一昨日……0時回ってるから正確には3日前か。

     確かこなたとかがみとつかさちゃんでゲマズに行くって言ってた日だな……

    「そ、そう……か……もうちょっと……く、詳しく頼む」

     




     俺は、こなたがつかさちゃんから聞いたって言う話を全部聞き出した。

    415 = 413 :

    「かがみ本人は、なんて言ってるんだ?」

    『何でもない』の一点張りらしい……」

    「そうか……」

    「でね……男……男はかがみんがおかしくなっちゃったことについて何か心当たりない?」

    「!!!」

     思わず携帯を落としそうになった……

     眠気なんかとうに吹き飛んでいるはずなのに、頭がくらくらしていた。

    「い、いや……ごめん、ちょっと……わからない……」

    「そう……」

    「な、何か心当たりを思い出したら……また連絡するよ……」

    「そっか、ありがと。ごめんね、遅くにさ。まあ、私にとっちゃバリバリの活動時間なんだけど」

    「あ、ああ……」

     こなたの冗談にツッコむ余裕もなかった。

    「じゃ」

    「おう……」

     ピ!



     ……違う、よな?



     俺のせいじゃない。
     俺のせいじゃない。
     俺のせいじゃない。

     

     その日、俺は一睡もできなかった……

    416 = 413 :

    ちょっと短いですが、今日は以上で。おやすみなさいノシ

    417 :

    お疲れさん

    418 = 413 :

    最近これ書いてると、生活のリズムが逆に規則正しくなってきた気がする今日この頃。

    では今日も行きます。

    419 :

    「男さん?……男さん!」

    「んん……ん!?」

    「……終わりましたよ?

    「えっと……終わった?」

    「映画が、です」

    「……ッ!?ご、ごめん……」

     そうか、今日はみゆきと映画に来てて……

     映画の半分あたりからの記憶がない……

     やっちまった……






    「本ッ当に、ごめんッ!!」

    「いえ、お気になさらずに……私の一存で決めた映画ですから。男さんは本当は別の映画が見たかったんではないですか?」

    「あ、いや、映画のチョイスの問題じゃなくて……ちょっと寝不足でさ」

    「寝不足?どうかされたんですか?」

    「あ、いや……ほら!みゆきとの初デートだからさ!緊張してよく眠れなかったんだ、ははは……」

    「まあ、男さんったら。うふふ」

    「っつーわけで、お詫びに何かおごるから、機嫌直してよ。何がいい?」

    「いえ、そんな、おごってもらうなんて悪いですから!でも……そうですね、ケーキを食べに行きましょう」

    420 = 419 :

     みゆきは美味しいケーキの店を知ってるからと言って、俺を引っ張っていった。

     少し機嫌は直ったようだが、やはりまだ表情に明るさが足りていない気がする……

     ま、一緒に映画に行った連れが横で寝てりゃ、気を悪くして当然だよな……

     しかも、俺の寝不足の原因が本当はかがみだなんて……

     みゆきに言えるわけがなかった。







    「こんなお店よく知ってるな~」

    「ええ、うちの母がこういうお店を探すのが好きな人なので」

    「へ~」

     店内で食べることもできるケーキ屋だった。

    「なんか、こういうところに詳しいお母さんっていいね。若々しい感じで」

    「ま、まあ、確かにうちの母は、『母』というより『長女』という感じですから……」

    「はは、みゆきが大人っぽ過ぎるのかもね」

    「そんな……私なんて……」

     ……みゆき、そこは『それじゃあ、まるで私が、おばさんっぽいって言ってる様に聞こえるわよ』とツッコむところなんだが。

     って、そんなツッコミ、みゆきに求めるのは酷か。かがみじゃないんだから……

     かがみ……

    「はっ!?いかん、いかん!!俺はまた……」

    「……男さん?」

    「な、なんでもない!さ、食べよう食べよう!」

    「……はい」

    421 = 419 :







    「……で、ですね、あのシーンで本当に胸が詰まってしまって……」

    「そのあたりから記憶が……本当に面目ないっす……」

     ケーキは美味しいかったが、映画の話になると申し訳ない気持ちになって味わう余裕なんてなかった。

    「そうですか……ここから話が面白くなっていったんですけれど……」

    「あ、でも、クライマックスはおぼろげながら記憶が……たしか、部屋に引き篭ってしまった天才少女のために、思い出の庭を修復して、ヴァイオリンをプレゼントして、それから死んだ両親が残したクマのぬいぐるみが……」

    「あの……そんな話出てきませんでしたけど?」

    「え?あ、あれ?じゃあ、夢見てたのかな……はは……」

     そう言えば、最近見たゲームだかアニメだかのシーンだった気もする……

    「やっぱりずっと寝てたんですね?」

     子供のように頬を膨らませるみゆき。
     
     なんともかわいらしい仕草だが、えもいわれぬ迫力が同居している。

     背後に幽波紋が見えそうな勢いだ……

     みゆきって、実は怒ると恐いのかも……

    「ご、ごめん……」

    「……いえ、寝不足なら仕方ありませんもの。無理なさらないでくださいね?」

    「はは……ありがとう……二回目のデートからはもう緊張しないと思うから、次は大丈夫だ」

    「緊張、ですか……それだけですか?」

    「へ?」

    「何か、悩んでらっしゃることがるんじゃないですか?悩みがあってそれで眠れなかった、とか」

    「な、なに言ってるんだよ?」

     思わず声が上ずってしまった。

    422 = 419 :

    「べ、別に悩みな――」

    「例えば、かがみさんのこととか」

    「……!?」

    「図星ですね?」

    「ど、どうしてそれを?」

    「簡単ですよ」

     うふふっと笑うみゆき。

    「泉さんから私のところにも電話がありましたから」

     小さな子供に、優しく教え諭すような言い方だった。

    「男さんはお優しいですから、きっと気に病んでらっしゃると思って……」

    「そっか、みゆきにもこなたから電話が……」

     考えてみれば当然だな。

     むしろこなたは俺より先にみゆきに連絡したんだろう。

    「それなら話は早い。詳しい話はよくわからないんだけど、かがみの奴、精神的に参ってるみたいなんだ、だから……」

    「ずるいです」

    「……みゆき!?」

    423 = 419 :

    「かがみさんはずるいです。そうやって男さんの気持ちをいつまでも独り占めにして。男さんの優しさに付け込んで……」

    「お、おい。そんな言い方……」

    「もしかしたら、わざとなのかも。わざと精神的に参ったフリをして……」

    「やめろって……」

    「うふふ、かがみさんがそんなずるい人だったなんて知りませんでした」

    「いい加減に……」

    「男さんはもう私の恋人なのに。いつまでも男さんを困らせて……悪い人ですね」

    「頼むから、いい加減にしてくれ!!」

     つい、大声を出してしまった。

     店の空気が一瞬凍りつく。

     しまった……

     みゆきは驚いたように眼を見開く。

     そして、それでも精一杯の笑顔を作りながら言った。

    「私も……私も、かがみさんみたいに……」

     痛々しいほどの作り笑いだった……

    「かがみさんみたいにおかしくなってしまえば……男さんは私のこと、もっと見てくれますか?」

    424 = 419 :

    「な!?みゆき!?」

    「えーっと、確かかがみさんはハサミでしたっけ?じゃあ、私はこれにしましょう」

     みゆきはさっきまでケーキを食べるのに使っていたフォークを持った。

     小さい子供がフォークを使う時のように、握り締めるような感じで。

     その瞬間、俺の首筋に、まるで襟元から毛虫が入ってきたかのような嫌な感触が走った。

    「やめろっ!!」

     



     脊髄反射。

     次の瞬間、俺はテーブルに身を乗り出して、みゆきの手を掴んでいた。

     みゆき自身の喉にフォークを突き立てようとしたその手を。

    「はあはあ……な、何てことするんだ!?」

    「うふ。うふふふふふ」

     掴んだ俺の手を見ながら、みゆきが笑う。

    「おいおい、何がおかしいんだよ?」

    「やっと……」

    「………?」

    「やっと、手を繋いでくれましたね?今日は手を繋いでくれなかったから寂しかったんですよ、私」

    「!?」

     これは……手を繋いだって言えるのか?

     いやいや、そんなところに突っ込んでる場合じゃない!

    425 = 419 :

    「なるほど……かがみさん作戦、効果てき面ですね、くすくす。勉強になりました」

    「みゆき……頼むから……あ、いや、まず店を出よう」

     隣の席のカップルがこっちを見てヒソヒソと何か話している。

     店員もこちらの様子を伺っているようだった。








     俺たちは逃げるように店を出て、当てもなく歩いた。

     さっきからみゆきは一言も発しない。

     ただ俺に黙ってついてきているだけだ。

     その左手は俺の右手に絡みつくように繋がれている。

     そこにだけはみゆきの確固たる意思が働いているようだった。

     いつの間にか日が傾きかけ、何となく公園に行き着いた。

     そういえば、みゆきに告白されたのもこの公園で、だったな……

    「ベンチ、座ろっか」

    「はい……」

     夕日の当たるベンチ。

    426 = 419 :

    「さっきはごめん。つい大声出しちゃって。でも、びっくりしたぜ?あんなことするなんて……」

    「すみません……これじゃ私もかがみさんと同じですよね。かがみさんのこと『男さんを困らせる悪い人』なんて自分で言っておきながら……私だって男さんを困らせて……」

    「あんなことしなくても、俺はみゆきのこと見てる。それは信じてほしい。ただ……」

    「ただ……?」

    「正直、昨日はかがみのことが気になって一睡もできなかった。心配なんだ。でも別にかがみに恋愛感情があるってわけじゃないんだ。友達として見過ごせないんだよ」

     恋愛感情があるってわけじゃない。
     
     ……多分。

     そして、それ以外に……俺は怖かった。

     みゆきには言わなかったが、かがみがおかしくなってしまったのは俺のせいなんじゃないか?と考えると、どうしようもなく怖かった……

    「そりゃ、かがみのことを気にし過ぎてるのはみゆきからすると気分悪いだろうけど……」

    「……お優しいんですね、男さんは。そういうところも私は大好きです」

     みゆきは静かに言った。

    「男さんが、ご自分の意志でかがみさんを心配なさるのなら……私もできる限りそれを妨げたくはないのですが……」

     こちらに優しい笑顔を向ける。

     優しい笑顔を。

    「でも――」

     向けられているのは優しい笑顔なのに、なんだろうこの感覚は?

     喉元に何か突きたてられているような感覚……

    「――、一つ許せないことがあるんです」

     みゆきは優しい笑顔のまま言う。

    427 = 419 :

    「な、なに?」

    「私は男さんの彼女なんですよね?」

    「も、もちろん」

    「男さんに一番近い女性は私ってことでいいんですよね?」

    「ああ……」

    「うふふ、一番だなんて。なんだか照れてしまいます」

    「そ、そうだな。俺もちょっと恥ずかしいよ、はは」

    「……でも、男さんはそう言って下さいますけど、今のままじゃ納得できません」

    「………?」

    「私が一番だって証明してください」

    「証明?」

    「だって、かがみさんとはしてたのに、私にはして下さらないじゃないですか……」

    「してって……えっと……?」

    「キスを、です。それが許せないんです」

    「あ、えっと……なるほど、そういうことか……」

    「男さんさえよろしければ……私は、その先だって……」

    「ええええっと……その先って……つまり……」

    「だって……今のままじゃ、かがみさんが一番なわけで。キスしてくださっても、まだ一位タイじゃないですか?」

     まっすぐな眼でこちらを見据えている。

    428 = 419 :

    「一番近い女性だという証明をしてください」

     綺麗な水面のような瞳だが、その奥には不安が泥のように溜まっているのが感じられた。

     そうだよな。不安なんだよな、みゆきも……

    「……わかった。今からさ、あの……その……う、うちに来ない?」

    「え……!?は、はい!お邪魔いたします」

     みゆきの顔に光がさした。

     それは決して夕日のせいだけじゃないだろう。








     彼の望む『証明』

     その夜、

     俺たちは一つになった。

    429 = 419 :

    今日はここまでです。

    エロシーンも書こうと努力したんですけど……自分で書いたやつを読み返してたら、何かすごくバカっぽくて……
    三行で終わらせてしまいましたorz

    431 :

    クソッ、てんむす吹いた

    432 :

    >>430
    ちょwwwDeep Love っすか?www
    ちなみに俺は読んだことなくて、ネットで叩かれてるのを見ただけですが…


    じゃあ、今日も投下逝きます

    433 = 432 :

     駅までの道。

     みゆきと二人で歩いていた。

     言葉は交わさなかったが、俺はみゆきとの距離が今まで以上に近づいたような気がしていた。

     ま、俺の一方的な思い込みかもしれないが……

     ギュッ。

     何となくみゆきと繋いでいる手に少しだけ力を込めてみた。

     ギュッ……

     みゆきが握り返す。

    「……!!」

     思わず、みゆきの方を向く。

     目が合った。

     何となく二人で笑いあった。

     ……きっとみゆきも同じ思いでいてくれてる。

     俺はそう受け取った。

    434 = 432 :






    「こんなに遅くなって、家の人に怒られない?」

    「母は大丈夫だと思うのですが、父に怒られるかもしれませんね」

    「そっか、悪いことしたな」

    「いいえ、私は嬉しかったです」

    「……そっか、そりゃ、良かった。俺も同じ気持ちだったから」

    「では、また」

    「うん、気をつけて」

     別れ際に軽くキスを交わして、みゆきは終電の一本前の電車で帰っていった。






     

     家に帰った俺はベッドに寝転んだ。

     まだ暖かいベッドは、二人の汗で少し湿ってるようだった。

     さっきここでしたことを考えると、今更になってスゲー恥ずかしい。

     みゆきの綺麗な身体……

     俺もみゆきも初めてだった……

     そして、ベッドの中で交わした会話を頭の中で再生する。

    435 = 432 :

    『じ、実は俺は、初めてだったんだけど……初めてってあんまりうまく行かないな……俺は気持ちよかったけど……』

    『私は……少し……痛かったです』

    『ご、ごめん!』

    『いえ、それ以上に嬉しかったですから。これで私が一番ですよね、うふふ』

    『こんなことしなくても一番だったけど……ごめん、不安にさせて』

    『いいえ、私ももう少し男さんを信じるべきでした。ごめんなさい』






     かがみのことは気になるけど……もう俺は関らない方がいいのかな?

     こなたやつかさちゃんや……みゆきに任せたほうがいいのかもしれない。

     でも、できれば、友達としてこれからも………それって俺のわがままなのかな?

     みゆきが一番なはずなのに……

     明日、みゆきはこなたとつかさちゃんと一緒に勉強会をするらしい。

     そこにかがみの名は無かった。

     クラスの友達(多分、日下部さん達だろう)と勉強するからといって断ったらしい。

     そうだ。かがみには日下部さんたちもいる。

     やっぱり、俺はもう……

    436 = 432 :

     ちなみに俺も勉強会に誘われたけど、気乗りしなかったので断った。

     明日は一日のんびりしよう。

     って、昨日ものんびりしたけど……







     今はただ……みゆきの余韻に……浸って……

     今はもう……それ以外は……何も考え……たく……な……い……

     ……俺はゆっくり眠りに落ちていった。

    437 = 432 :

    今日はここまでです
    おやすみなさいノシ


    438 :

    GJ


    のんびりしていってね!

    439 = 432 :

    まとめサイトでご指摘いただいたんですが、つけてる番号を間違えてました…
    正しくは『46. 少し……痛かったです』です。

    んじゃ、今日も逝っときます。

    441 :

    「なぁ、ひぃらぎぃ。 休憩しようってヴぁ」

    「なに言ってんの。あんたさっきから全然進んでないじゃない!」

    「う!?」

    「みさちゃん、もうちょっと頑張ろ?」

    「ううう、あやのまで……せっかくひぃらぎが構ってくれるようになったってのに、勉強ばっかじゃつまんねぇよぅ」

     今日、私は峰岸の家に勉強に来ていた。日下部も一緒だ。

     そう、こなたの家ではなく、こっちに……

     今頃、あっちではみんなで勉強していることだろう。

     こなたとつかさとみゆきと、もしかしたらゆたかちゃんや……男も。

    「そう言えば、柊ちゃん、ここ何日か私達とずっと一緒だけど泉さん達のほうはいいの?」

    「あ……えーと……」

    「こら!あやの!よけーな事言うなってヴぁ!せっかく背景コンビから格上げになりそうなチャンスなのに。これを機にひぃらぎをあのちびっ子達の手から取り戻すんだってヴぁ!」

    「そんな大げさな……それに、背景コンビ云々の話は一人でキャラソン出したみさちゃんが言うことじゃないよね?」

    「……う!?もしかして、あやの、そのこと根に持ってる?」

    「ううん、全然(笑顔)」

     う~む、これは、根に持ってるわね、峰岸の奴……

    442 = 441 :

     それにしても、正直この二人とのこういうやり取りも高校に入ってからはずいぶん減ってたし、なんだか懐かしい気もする。

     ……今はこなたやつかさ、なによりみゆきや男の前にはいたくないし。



     最近、私は少しおかしい……らしい。

     自分のことなのに『らしい』って言うのもおかしな話だけど、自覚症状がイマイチ無いからしょうがない。

     数日前から、線路に落ちそうになったり、気がつくとハサミを握り締めてて、隣でつかさが泣いてたり……その他にも、目が虚ろになってたり、訳のわからないことを時々口走ったりしてるみたい。

     確かに、時々頭がボーっとなって、身体から魂が抜けるような感覚に襲われることはあるけど……

     特に……男のことやみゆきのことを考えると……

     私、どうしちゃったんだろう?

     やっぱり、男の子とまだ引きずって……るのかな……?

     いや、だめよ。だめ!

     もう、男のことはきっぱりと吹っ切らないと!

     つかさにもこなたにも心配かけちゃうし。

     それに……男もきっと迷惑よね……

     ……ついでにみゆきも。

    443 = 441 :

     でも、吹っ切ろうとすればするほど、

     心配かけまいとすればするほど、

     心が、その弾力を失っていくような気がした……






    「……らぎ?……なあ、ひぃらぎってば?」

    「……あ?え?ごめん。聞いてなかった」

    「どうしたんだってヴぁよ?ボーっとしちゃってさ?」

    「あ、いや、ちょっと考え事してて……」

    「……ふ~ん」

    「別に対した考え事じゃないわ。それより勉強は進んだの?」

    「……やっぱり、傷ついたんだな……?傷つけられたんだな……?(ボソッ)」

    「え!?」

     今、何て……?

     『傷つけられた』って言った気が――

    444 = 441 :

    「あ、柊ちゃん?ごめん、ここがちょっとわからないんだけど……」

    「え?あ、うん。どこどこ?」

     ……峰岸には聞こえなかったんだろうか?

     それとも私の空耳……?

    「あ、私も同じと怖からないから教えて!」

     日下部は、さっきまでの高めのテンションに戻っている。

    「日下部、あんた……」

    「おおーっと!あやのには教えて、私には教えないなんて無しだぜ?」

    「………」

    「どったの?」

    「いや……なんでもないわ。えっと、ここはね、何ページか前に出てた公式を使って――」







     夕方。

     私と日下部は峰岸の家をあとにした。

    「ひぃらぎぃ、一緒に帰ろうぜ!」

    「あ、悪い。私ちょっと寄ってくとこあるんだ」

    「え?どこ行くんだ?」

    445 = 441 :

    「えっと……」

     ……あれ?

     どこだっけ?

     どこかに行かなきゃと思ってたんだけど……

    「えと……あ、そうそう。晩御飯の買い物よ。頼まれちゃっててさ」

     口からでまかせを言った。

     思い出せない。

     でも、このまま日下部と一緒に帰っちゃいけない気がする……

     一人で、どこかに行こうと思って……

    「ふ~ん……すげぇな、ひぃらぎは。私は家の手伝いなんか全然してねーや」

    「まあ、うちは小さい頃から手伝うのが当たり前みたいな感じだから」

    「ひぃらぎはきっとイイお嫁さんになるな!」

    「ちょ!?なに言い出すのよ、いきなり!?」

    「いや、別にぃ」

    「ったく。それじゃね」

    「あ、ちょっと待って……」

    「ん?何?」

    「……いや、やっぱいいや」

    「……?」

    446 = 441 :





     日下部とはそこで別れた。

     私はどこに行くつもりだったのか……?

     思い出せないまま、でも家に帰るわけでもなく彷徨うように歩いていた。

     歩きながら、ふと、さっき日下部が口にした言葉を思い出す。

     『ひぃらぎはきっとイイお嫁さんになるな!』

     お嫁さん……

     ふいに男の姿が脳裏をよぎる。

    「違う!違う!男のことはもう吹っ切るのっ!」

     思わず頭をぶんぶんと振る。
     
     と、その拍子にかばんをぶん!と放り投げるような格好で落としてしまった。

     かばんの中身がいくつか道に散らばる。

    「あっぶな……周りに人が居なくてよかっ――ん?なにこれ?」

     かばんから飛び出して道に散らばったものの中に見慣れないものがあった。

     大きなハサミ。

     お母さんが裁縫で使う、布地裁断用の大型のものだ。

    「何これ……?私こんなもの入れた記憶ないけどな……」

    447 = 441 :

     ハサミを拾い上げた。

     その時……





     

     ………あ、そうだ。

     私、行かなきゃ。








     男のところに……

    449 :

    ブッフォwwwwwwブッフォwwwwww

    450 :

    ここで310華麗に登場!

    前よりちょっと進んだよorz
    更新遅すぎるよね・・・http://updas.net/up/download/1217072397.zip
    PASSはあれ。んはn一個です。


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