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    元スレ【らき☆すた】新ジャンル?「ヤンデレこなた」Part10【(=ω=.)】

    新ジャンル覧 / PC版 /
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    651 = 648 :

    さぁはじまるザマスよ

    いくでガンス

    フンガー

    652 = 631 :

    「お前なんかに呼ばれたらあたしの名前が汚れちまう」

     そう言いながら、俺の脚からナイフを引き抜く。

     再びズボンが血で染まった。

    「うぐああああああ!!」

    「情けねえ声出すなよ。大丈夫だってヴぁ。てめえははまだ殺さないから……」

     再び立ち上がり俺を見下ろす。

    「あたし言わなかったけ? 言ったよな? ひぃらぎを悲しませたらブッ飛ヴぁすって」
     
     まるで毛虫でも見るような目で俺を見る日下部さん。

     冷酷とも言える表情。

     目に光がない。

     あるのは炎。憎悪と狂気の炎。
     
     『てめえははまだ殺さないから……』

     ……殺す!?

     俺を!?

     なんで!?

     『ひぃらぎを悲しませたらブッ飛ヴぁす』

     かがみか!?

     俺はかがみの仇ってわけか!?

    「ふ、ふふふ。ふふふふふふ。てめえが悪いんだ。てめえが……」

     俺は何とか立ち上がろうとするが、足に力が入らない。

    653 = 631 :

     足をじたばたさせていると、

    「ダメだってヴぁ…… 立とうなんて考えちゃ……」

     引きつったような笑顔で、俺の左足の太ももにも刃を突き立てた。

    「ぐがあああああぁぁぁぁ!」
     
     四回目。

     畜生!

     なんだってんだ!?
     
     やっぱり…… かがみのことか……?

     俺のせいで…… みゆきがおかしくなって…… それでかがみが……

     突き詰めれば、俺のせいだもんな……

     それで…… なのか?

     親友の仇を討ちに来たのか?

     でも…… なんか変だ。

     何かが。

     違和感。

     でも何が……?
     
     頭が回らない。
     
     情けない話だけど、恐怖のあまりちびっちまいそうだった。

    654 = 631 :

    「あ~あ、汚ねえ声だなぁ? ひぃらぎの声はあんなに綺麗だったのに……」

     ナイフを俺の太ももから引き抜いて、いっそう邪悪に笑う。

     引き抜くときに、ご丁寧にナイフをグリグリしていきやがった。

    「ああ、血も汚ったねえな。臭い臭い臭い臭い。ホント臭い血だな! あ~、イライラする。あの綺麗だったひぃらぎの血とは大違いだってヴぁ!」

    「………ッ!!」

     痛みで意識が飛びそうになる。

     でも、俺は意識を保った。



    『ひぃらぎの声はあんなに綺麗だったのに……』
    『あの綺麗だったひぃらぎの血とは大違いだってヴぁ!』



     その言葉が俺の意識を繋ぎとめた。

     回らない頭を無理やり回転させる。

      『ひぃらぎの声はあんなに綺麗だったのに……』
      『あの綺麗だったひぃらぎの血とは大違いだってヴぁ!』

     それって……!?

     その言い方じゃ、まるで……!?

     日下部さんのその言葉が意味することって……!?

    655 = 631 :

    「ちょ! ちょっと待ってくれ! なんなんだよ、日下部さん! あんたのその言い方だとまるで……」

     そう、まるで……

    「……あんたが、かがみを殺したみたいじゃないか!?」

     でも、そんなことはあり得ない。

     だって、かがみはみゆきが……

    「いーや。実際ひぃらぎを殺したのはお前だよ。お前とあのピンクわかめだ!」

     ピンクわかめ……?

     ……みゆきのことか?

    「あたしはただ『送って』やっただけだってヴぁ! すでに壊れてたひぃらぎが、これ以上穢される前に! おかしくなる前に!綺麗なうちに!」

     『送って』やった!?

     くっそ! 意味がわかんねえ!

     殺したのは俺とみゆき。それは、まあ、わかる。

     でも『送った』ってなんだ?

     身体に走る鋭い痛みでまともに頭が働かない。

     日下部さんは、なおも俺にナイフを振り下ろそうとする。

     太ももに、腰に、と合計四ヶ所も刺しといて、これ以上どこを刺そうってんだ!?

     次はいよいよ心臓かッ……!?

     ……いや、待て。

    656 = 631 :

    「く、日下部さん! 確かあんたさっき『まだ殺さない』って言ったよな!? い、今から一体、何する気なんだ!?」

    「決まってんだろ。ひぃらぎを壊したお前達に罰を与えんのさ。まずは動けないてめえの前で、あのピンクわかめを殺して、お前に死ぬほど後悔させてやる。ひぃらぎを壊したことを。でも、どうせお前もすぐ死ぬんだけどな! アハハハハハハハハハ!」

    「……親友の敵討ちってわけか!?」

    「親友以上だってヴぁ!」

    「……!?」

    「ホント、いつも思うぜ! どうして私は男に生まれてこなかったのか? ってな」

    「……はぁ!?」

    「私が男に生まれてさえすれヴぁ…… おっと、男っつってもてめえのことじゃねえからな!」

     おいおい、それって……

    「男に生まれてさえすれヴぁ、てめえみたいな変な男に引っかかることもなく、ひぃらぎは私のものだったのに!」

     マジかよ……?

     いわゆる、『百合』ってやつか?

     三次元の世界でお目にかかるのは初めてだ……

     しかも、かなり一方的っぽい。

    657 = 631 :

    「だから私はひぃらぎを壊したお前らに罰を与えるんだ! それが私のジャスティスだってヴぁ!」

     ……かが×みさが私のジャスティスってか!?

    「かわいそうなひぃらぎ…… お前らに傷つけられて、おかしくなっちまって、挙句の果てに、男! てめーに言いくるめられたみたいだしなッ!」

    「は!? 言いくるめた? 確かに俺はかがみを傷つけはしたけど…… 言いくるめたりってのは、心当たりがないぞ!」

    「とぼけんな! 私はひぃらぎに言ったんだ! ひぃらぎを傷つけたお前とピンクメガネに復讐してやるって! ひぃらぎのためにお前らのこと殺してやってもいいとも言った! そしたら、あいつなんていったと思う!?」

    「な、なんて……!?」

    「あいつ『私の大切な人と、その大切な人が彼女に選んだ人にそんなことしたら許さないから!』って言いやがったんだぜ?おかしいだろ!? 傷つけられて精神的に参ってたはずのひぃらぎがそんなこと言うなんて! ……お前が! お前が言いくるめたに決まってる!!!」

    「かがみが…… そんなことを!? そ、そりゃ、いつの話だ!?」

    「昨日だよ。昨日の夜だ」

    「な……!? ちょっと! 待てよ! 昨日の夜って…… だってかがみは昨日の夜に……」

     殺された。

     みゆきに。

     ……のはず。

    658 = 631 :

    「……ふん、ひぃらぎはもうとっくに死んじまってたんだ! 私の知ってるひぃらぎは! 私の好きだったひぃらぎは!」

    「……!?」

    「そもそも、てめえが転入してきてからおかしくなったんだってヴぁ! せっかく、三年生になって、またひぃらぎと一緒のクラスになって…… ひぃらぎもあのちびっ子ばっかりじゃなくあたし達ともよく遊ぶようになってたのに! 新学期始まって一週間位したらてめえのことチラチラ気にするようになって……」
     
     俺のほうをナイフで指し示しながら言った。

    「それで、ひぃらぎのやつ、こんなしょっぱいやつに告白なんかしやがって! 女子ならまだ許せるけど男子なんかに!」
     
     いや、それ逆だろ。
     
     百合は少なくとも三次元の世界ではマイノリティだ。

     頭が朦朧として、ツッコむのもしんどい。

    「しかも、てめえはひぃらぎをフリやがった! そしてあんなピンクメガネとッ!」

    「っていうか、なんであんた、そんな詳しく知ってんだ!? 確か、かがみは誰にも言ってないって……」

     そうだ、かがみは言った。

     今まで忘れていたが、ふいに頭の中に鮮明に甦る。

      『はあ!? あんた、バカァ?』

      『こなた相手じゃなくもこんなこと、誰にも言わないわよ! この私が、『告ったり』、『フラれたり』なんてこと……』

     そう、あの時はこなたには何も言ってないんだな~ くらいにしか考えてなかったけど、『誰にも』ってことは、こなたに限らず文字通り誰にも言ってなかったってことになる。

     なのに、なんで知ってんだ!?

     俺の感じた違和感はここから来てたのだったと、今更ながら気がついた。

    「ひぃらぎのことなら何でも知ってる」

     日下部さんはこともなげに言った。

    659 = 631 :

    「ストーカーかよ!?」
     
    「あたし、ぜ~んぶ見てたから。ひぃらぎがあんたに告った時も、あんたがひぃらぎを振った時も、そして昨日の夜も!」

     前にかがみと買い物に行ったところとか、かがみに告白されたところかを見られてたのか!?

     そう言えば、あの時、誰かにつけられていたような気がしないでもない。

     それに、そう言えばかがみに告られた次の日、日下部さんから電話がかかってきた。

     よく考えたら、あの電話もおかしい。

     かがみは誰にも言ってなかったはずなのに、なんでこの子からあんな電話がかかってきたんだ? って話だ。



     あの、校舎裏での三人のやり取りも、
     俺がかがみではなくみゆきを選んだあのやり取りも、
     みゆきを選んだくせにかがみとキスしたあのやり取りも、



     そして昨日の零崎かがみvs.なんちゃって戯言使い(男)も…… 見られてたのか!?

    660 = 631 :

    「それで、あたしがさぁ、『あの男もピンクメガネもあたしがぶっ殺してやるよ!』って言ったのに…… ひぃらぎのやつさ、あんたらのこと庇ってヴぁっかりで…… あたしのこと、おかしいとか言い始めて……」

     日下部さんは目を血走らせて続けた。

    「正直、ひぃらぎがフラれたのは、あたしにとっては嬉しくもあったんだ。ひぃらぎを悲しませたのは許せないけど…… これでまた、ひぃらぎはあたしのところに帰ってくる、ってね。でも……」

     ゆっくりと続けた。

    「……でも違った。帰ってきても、あんなひぃらぎはひぃらぎじゃない。あたしの好きだったひぃらぎじゃない。あたしのひぃらぎじゃない…… あんなひぃらぎいらない!!!」




    「……だから、『送って』やったんだ。私の好きなひぃらぎでいるうちに」




     そこまで聞いて俺は唐突に気づいた。

     さっきは気づかなかった『送る』の意味に。

     同時に、薄暗い霊安室でのつかさちゃんの言葉が俺の頭にフラッシュバックした。

    『本当はお姉ちゃんのクラスのお友達にも連絡しようとしたんだけど、連絡先がわからなくて……』

     ……かがみの友達=つかさちゃんの友達ってわけじゃない。

     そして、かがみとだけ親しかった友達には連絡は行っていないはずなんだ。

     かがみが…… もう、この世にはいないって連絡は。

    661 = 631 :

     それなのに、日下部さんは知っている。

     なぜ……?

     かがみを殺される現場を目撃したのか?

     いや、違う!

     ここまでの日下部さんの言葉。

     どう考えたって!

     推測は確信へ。

     さっきの俺の予想は正しかった。

    「日下部さん、あんたがかがみを…… 殺したんだな!?」










     って、あれ!?

     じゃあ、みゆきは……!?

    662 = 631 :

    今日はここまでです。

    個人的にはこういう『直接攻撃型ヤンデレ』にはみさおがぴったりだと思います。
    こんなこと言うと全国のみさおのダンナさんに刺されそうですが…

    663 :

    みさお基地外だな…怖いよ
    つーか出血多量で男死ぬだろwwあと助かっても再起不能な気がする

    664 :

    >>663
    そうなったとしてもみゆきさんの介護付き人生だぜ

    665 :

    それは、迷うよな

    666 :

    状況的にみゆきさんのせいにされそう。
    どっちにしろみゆきさんvsみさおの殺し合いにry

    667 :

    >>663
    調子に乗って男をいじめすぎたかもですw死ぬかどうかは…

    では、遅くなりましたが逝きます。

    668 = 667 :

    「何度も言わせんな! ひぃらぎはもう死んだも同然だった! 殺したのはお前らだ!」

     ダメだ。話が噛み合わない。

     日下部さんとみゆきが共犯なのか?

     いや、とてもそんな風には見えない。

     みゆきに確認したい。

     みゆきに会って……

     でも、今は…… それどころじゃ……

    「おい、ケータイ出せ」

    「……え?」

    「ケータイでピンクわかめを呼び出んだってヴぁ!」

    「冗談きついぜ! みゆきを呼び出したら、あんたはみゆきを殺すんだろ!?」

    「当たり前じゃん」

    「だったら呼ばねーよ。呼ぶわけねーじゃ――」

    「ふ~ん、もう2~3回刺されないとわかんねーかな?」
     
     再び俺の下半身に狙いを定める。

     下半身ならいくら刺しても死なないと思っているのだろうか? でもさすがにこれ以上刺されると……

     上半身は無事な俺だが、刺された腰の痛みで身体を起こせない。

     故に身を守ることも…… できない!

    669 = 667 :

    「今度は[ピーーー]でも突き刺してやろうか?アハハハハハハハ!」

    「んな!?」

     それはキツい! キツ過ぎるぞ!

    「ちょ、ちょっと待て! みゆきを呼んだってあいつはきっと来ない!」

    「あ~ん? そんなわけないだろ!? ひぃらぎから奪ってまで手に入れた彼氏だぞ。呼ばれてこないってなんなんだ? 大体さっきまで一緒にいただろうが!?」

     うヴぁってまで……か。

    「俺とみゆきのこと見張ってたみたいだけど、会話までは聞いてなかったみたいだな? おれはさっきみゆきから逃げたんだッ! 自分の責任から逃げたんだ! そんな俺のところにあいつはもう……」

     きっと来てくれない。

     [ピーーー]を突き刺されたくないがために、時間稼ぎとして口から出た言葉だったが…… それは、ほとんど俺の本心だった……

     みゆきはきっと俺に失望してるだろう……

     今更呼んだって……

    「なんだ、喧嘩でもしたのか?それなら最初からひぃらぎを選べっつーの! まあ、なんだか、よくわかんねーけど……」

     俺の言葉をつまらなそうに聞いていた日下部さんは、感情のこもらない声で言った。

    「じゃあ、お前からケータイ奪って、あたしが呼ぶ」

    「う……!?」

    「ケータイ出せ。抵抗すんなよ? 抵抗したら[ピーーー]を突き刺す。さ、出せ」

    「……ッ! クッソ! 嫌だ! 両方嫌だッ!」

    「あっそ、じゃあ……」

     日下部さんがナイフを構える。

    670 = 667 :

     俺は何とか体をよじって逃れようとするが…… うまく力が入らない。

     そして、ナイフを――

     ――ビュン!!










     とは、振り下ろされなかった。

    「かわいそうに…… 男さん、こんなに傷だらけになって…… しかもびしょびしょに……」

     振り上げられた日下部さんの腕を後ろから掴んでいたのは――、

     みゆきだった。

    「傘をお持ちしました。男さんったら傘も持たずに急に駆け出すんですもの。びっくりしちゃいました」

     にっこりと笑うみゆき。

     驚愕の表情は日下部さん。

    「み、みゆき…… さっきは……」

     俺の表情は……

    「さっきはごめん! 俺…… 俺……」

     ……罪悪感と少しの恐怖感を混ぜた表情、だったと思う。

    「は! ちょうどよかったぜ! 呼ぶ手間が省けたってヴぁ!」

     身をよじって、みゆきの手をふりほどいた日下部さん。

     こちらは驚愕の表情は歓喜ともとれる歪んだ笑顔へ

    671 = 667 :

     そして嬉々としてみゆきへナイフを突き出す。

    「……ッ!! み――




     一瞬だった。

     一瞬で……

     一瞬で、みゆきは突き出されたナイフを避け、

     一瞬で、ナイフを持った左手の手首を取り、

     一瞬で、捻り上げ、

     一瞬で、さらに左腕の肩関節を極めて、

     一瞬で、ぬかるんだ地面に日下部さんを押し付けた。




     ――ゆき!? って、え!? あれ!?」

     次の瞬間には、日下部さんの動きを封じていた。

    「――ッ!!」
     
     日下部さんはなにが起こったかわからないといった表情をしていた。

    672 = 667 :

     この動きは…… 合気道?

    「いたたたた!! 畜生!! なんなんだってヴぁよ!? これ!?」

     こなたが格闘技をやっていたというのは聞いたことがあるが、みゆきもというのは知らなかった。

     そんな風には微塵も見えなかったが……

     しかし、こうして現実に日下部さんを完全に制圧している。

    「男さん……」

     みゆきはそんな日下部さんの言葉を無視して俺に言う。

     日下部さんを押さえ込んだまま。

    「男さんは勘違いしてらっしゃいます」

    「え?」

    「確かにさっきは、男さんが駆け出してしまった時はショックでした。こんなに私は頑張っているのにどうして男さんに伝わらないんだろう? って思いました。でも、でもですよ……」

     でも……?

    「これくらいで男さんに失望するほど、私の気持ちは脆弱なものではありません」

    「み、みゆき……」

    「ローマは一日にして成らず、です」

     再びにっこりと微笑む。

     女神の笑顔。

    673 = 667 :

     しかし、その笑顔はすぐに消える。

    「畜生! 離せ! 離せってヴぁ!」

     日下部さんに冷えた眼を向ける。

    「日下部さん?」

    「なんだよ!?」

    「あなたずいぶん怒ってらっしゃるようですけど、私も少し怒っています。男さんにこんなことして……」

     その姿に、俺は再びかすかな恐怖を感じた。

    「An eye for an eye, a tooth for a tooth.」

    「は? 何言ってんだってヴァよ!?」

    「日下部さん、勉強はあまり得意ではないようですね?」

    「うるせえ!」

    「教えて差し上げますよ。An eye for an eye, a tooth for a tooth.日本語訳は――、









     ―― 『目には目を、歯には歯を』」

     そのみゆきの言葉と、

     コキン! という乾いた音が響くのは、ほぼ同時だった。

     ……次の瞬間には日下部さんの左腕が、あり得ない方向に曲がっていた。

    674 = 667 :

    みゆきが本気を出したこの辺で今日は終了です。

    おやすみなさい ノシ

    675 :

    ツヨいよ!みゆきちゃん!

    676 :

    あー!俺の嫁の腕がー!

    ってこのネタ引っ張りすぎか

    677 :

    あな・すたも
    「自分の嫁のみゆきさんの地位向上のためにこの話を書いた」
    とか言ってなかったっけ?

    678 = 675 :

    つまり好きなキャラの地位向上が希望なら書くしかないということか


    …ゴクリ

    679 :

    テストー高翌良

    680 = 679 :

    高翌良 連投スマソ

    681 :

    昨日は投下できなかったので今日はこの時間に来ました。スゲー二日酔い…orz

    >>677
    書いたきっかけの一つは>>677の言う通りです。ちなみに俺が嫁と公言してるのはむしろみゆきママのゆかりさんですがw
    >>678
    好きなキャラの地位向上のためにも、是非。

    682 = 681 :

    「ヴぁあああああああああああああああ!」

     日下部さんが悲鳴を上げる。

     みゆきは躊躇なく日下部さんの腕をへし折ったようだ。

     こんなに…… 簡単に……

     しかし、日下部さんもすぐさま身体を反転させ、立ち上がった。

     落としたナイフを無事なほうの右手で拾う。

     痛みに耐えながら、みゆきを睨む。

    「やりやがったな…… 畜生! てめえのせいでひぃらぎは…… 私の大好きだったひぃらぎは!」

    「日下部さん…… かがみさんの敵討ちですか?」

    「気をつけろみゆき! 日下部さんが…… かがみを殺したんだ!」

     『じゃあ、みゆきは?』というさっきの疑問は頭から吹っ飛んでいた。

    「……? おかしいですね? 大好きなのに手にかけてしまったんですか?」

    「うるせえ! おまえなんかにゃわかんねーってヴぁ! ブッ殺してやる、ピンクわかめ!」

    「ええ、わかりません。だってそんなの最大の禁忌でしょう? 愛する人を傷つけるなんて…… そんな人には私負けませんよ?」

    「負けない? 笑わせんなこのガリ勉女!」

     日下部さんが再びみゆきに突っ込む。

    683 = 681 :

     今度はさっきよりも…… 速い!

     陸上部の本領発揮.

     部活をやってる人間とそうでない人間の運動能力の差は、思った以上に大きい。

     元サッカー部の俺は身をもって知っている……

     唸りを上げたナイフの刃が――

     ――みゆきの肩口に突き刺ささる!








     
     しかし、それは服を切り裂いただけだった。

    684 = 681 :

     さっきよりも数段速い突きもみゆきは見切っていた。

     そのまま突っ込んで来た日下部さんの勢いを利用して投げ飛ばす。

     日下部さんは変な方向に曲がった左腕を激しく打ち付ける形で地面に落ちた。

     響き渡る金切り声。

     言葉で表現できないような悲鳴を上げた。

    「日下部さんくらいの方でも続けられるんですから、陸上部って楽なんですね」

     吐き捨てるようにみゆきは言った。

    「愛する人のために力を行使するならともかく、力を行使して愛する人を傷つけるなんて、それはやはり禁忌ですよ?」

     日下部さんは倒れたまま動かなかった。

    「言ったでしょう? 私は負けません、と」





     高良みゆき……

     ……強い

    685 = 681 :

    今回はここまでです。

    ちなみに「禁忌」と書いて「タブー」と読んだほうがかっこいいと思います。気持ちの問題ですが。

    686 :

    なんかバトル小説になっとる・・・

    687 :

    「うっ!?」

    「どうだッ!このミートボールの目潰しはッ!勝ったッ![ピーーー]ぇ!」

    688 = 681 :

    ちょっと質問いいでしょうか?

    こなたたち四人ってたしか文系ですよね?
    でも、「みゆきさんの将来の夢は医者」になってた気がするんですが、理系じゃないと医学部には行けない気が…

    689 :

    怒濤の一週間が終わってやっと投下できるようになりました…遅れてスミマセン。
    なんかみゆきさんが『正面突き一教裏』を使ってる…あなざー・すたーさん投下乙です!
    私も今夜あたりから投下していく予定です。

    690 = 689 :

    では久しぶりの投下と参ります。
    こちらも回収作業のため幾分カオスになるのをお許しください。

    691 = 689 :

    こなたの家。
    俺は少し緊張してインターホンを押した。

    ピンポーン…。

    …昨日こなたとあんな別れ方をして、ちょっとこなたに会うのは気が引けるな…


    ガチャ
    そうじろう「はい、おっ男君じゃないか。」

    俺の気持ちを察してか、玄関口に現れたのはこなた父だった。

    そうじろう「こなたはまだ帰ってないぞ。」

    「いえ…違うんです。今日はおじさんと話したいことがあって…」

    そうじろう「…まさか、娘さんを下さいとか…!」

    「違います。」

    そうじろう「えっ?…ああ…。」

    「今、黒井先生と話してきました。」

    俺がそういうと、おじさんは一瞬真剣な顔になった。

    そうじろう「…それで?」

    「教えてください。こなたは何を知ってるんですか?」

    そうじろう「まぁ取りあえず家にあがりなさい。…先に聞いておきたいことがあるんだが。」

    692 = 689 :

    こなたの家のリビングでこなた父と向き合う。

    「…なんですか?」

    そうじろう「こなたを…あの子を選んでくれたのか?」

    「………はい。」

    そうじろう「そうか……。」

    「守ります……何があっても。」

    そうじろう「…いいのかい?きっと話を聞いたらもう戻れないぞ。」

    「覚悟できてます。」

    こなたの父親は静かに話し始めた。
     
     
    そうじろう「君はかなたを…こなたの母親の事を知っているかい?」

    「はい…こなたがすごく小さい頃亡くなられたと…。」

    そうじろう「それ以上のことは知らないね?」

    「はい…。」

    そうじろう「君のお母さん、かなた、オレは同じ小学校、中学、高校だった。」

    「え?」

    そうじろう「君とこなたが一緒だったあの小学校だ。」

    「そんな話…初めて聞きました…。」

    そうじろう「君には言わない約束だったからな。」

    693 = 689 :

    「確か父と母は高校で会ったって…」

    そうじろう「うん。高校からは男父さんも一緒だったな。」

    「うちの両親とおじさんが仲良かったのは近所だったからだけじゃなかったんですね…」

    自分が知らない時代の事を垣間見た気がした。
    若い頃の父さんは…母さんは…どんなだったんだろう…。

    そうじろう「君の両親が結婚して、程なくしてオレ達も結婚した。」

    そうじろう「こなたから聞いているかも知れないが、かなたは生まれつき体が弱かった。だからこなたが生まれるとき、大きな病院に入院させた。」

    そうじろう「男父さんは、自分の奥さんもお腹が大きいのによく見舞いに来てくれたんだよ。」

    「そうだったんですか…。」

    そうじろう「…だがな、やっぱりかなたは出産の影響で体力をだいぶ落としてしまった。」

    「…」

    そうじろう「…君とこなたが一歳の時、かなたは病院で逝った。オレとこなたと男母さんと君に見守られて。男父さんは仕事で国内に居なかったからな。」

    「…すみません…俺…覚えてなくて…。」

    そうじろう「ははっ。一歳の君が覚えてるはずないよ。たぶんこなただって忘れてる。」

    「…でもこなたは…ちゃんとお母さんが亡くなるときそばに居れたんですね。」

    694 = 689 :

    そうじろう「…かなたは言ってたよ。短い時間でも家族三人で居られたことが幸せって。こなたもそうくんも悪くないよ、私が体弱かったからって…。」

    そこまで言うと、おじさんは少し目を押さえて『ごめん』と言って顔を伏せた。
    おじさんの中には、まだ強く、かなたさんが居るんだと分かった。

    少しして、おじさんは続けた。

    そうじろう「…かなたは体が弱かったから、かなたが言うように、せめてあいつに家族三人の時間をあげられてよかったと思った…その時はね。」

    「…え?」

    そうじろう「…かなたが亡くなって、何日かして男父さんが来てくれた。…そして精一杯悲しんでくれた後、かなたのカルテを見て言った。」

    「…?」

    そうじろう「…そうじろう、こんなこと聞くのは非常識だと分かってるんだが…かなたさんは貧血性の肝腎不全で亡くなったんじゃないのか…?って。」

    「??どういう事ですか?」

    そうじろう「男父さんはカルテを見て薬の投与がおかしいことに気付いたんだ。私も、男母さんも文系だから全く分からなかったんだがな…。」

    「…なにが…あったんですか?」

    695 = 689 :

    そうじろう「かなたが亡くなる一週間前から大量の抗生物質の投与が始まっていた。しかも男父さんが言うにはその抗生物質は副作用がとても強いものらしい。」

    「な…なぜそんな?!」

    そうじろう「男父さんは優秀だったからな…あっと言う間に答えを出してくれた。」

    そうじろう「どうやらかなたは薬剤耐性を持つ細菌に感染したらしい…。強い副作用を持つ抗生物質をあれだけ投与する理由はそれしか無いと…。」

    「…まさか院内感染…?」

    そうじろう「…おそらくそうだった。オレ達は病院の院長に掛け合った。…しかし病院はそれを隠蔽した。カルテを改ざんして。」

    「そんな事って…」

    そうじろう「…かなたを担当した医者が院長の娘婿だった。たぶんそれが災いしたんだな…。」

    「…」

    そうじろう「オレ達は戦うことにした。だけど相手は大病院だ…。勝てるはずがなかったのかもしれない。脅迫や嫌がらせをたびたび受けて、オレはこなたを守るため遠くに引っ越し、二人で生きていくことにした。」

    「…突然引っ越したのはそう言う訳だったんですか。」

    そうじろう「…すまなかった…。」

    696 = 689 :

    「いえ…いいです。またこうして会えたんですし…。」

    そうじろう「…」

    そうじろう「…引っ越すとき、君の両親と話した。もう病院の責任を問うのはやめる、と。だが…」

    「?」

    そうじろう「だが君の両親はかなたのために証拠を探し続けた。…そして…男母さんは…」

    「…ま…さか…母さんを轢き逃げしたのは……!まさか…父さんも…!!」

    そうじろう「おそらく…あの病院長が……本当にすまない…オレのせいで…」

    「…母さんと父さんが選んだことです。おじさんは悪くないです。」

    そうじろう「…すまない」

    そうじろう「……それから程なくして男父さんから連絡があった…引っ越すと。」

    「じゃあ俺とこなたが再会するのはその時に決まっていたんですね?」

    そうじろう「いや…出来れば君やこなたは巻き込みたくなかった…。反対者も居たしね。」

    「反対者?」

    そうじろう「い…いや、何でもない。」

    697 = 689 :

    そうじろう「とにかく、オレと男父さんは二人で時期を伺ってた。男父さんは情報を集め、オレはそれを原稿にして社会に発表するために。」

    「…時期?」

    そうじろう「病院長は、1ヶ月程前から病床で昏睡状態だ。その時期に合わせて男父さんは引っ越しをしたんだ。」

    「…危険ではないですか?」

    そうじろう「危険だけど、今しかないんだ。…危なくなったら、こなたを頼む。」

    「…父から…ものすごい額の預金通帳を預かってます。…こなたは…守ります。でも逃げるときはおじさんも一緒です。こなたが…悲しみます。」

    そうじろう「……こなたが…オトコを見る目は確かだったな…」
     
     
    暫く沈黙になった。
    時計を見るともう九時近かった。

    「…それにしても、こなたは遅いですね。どこ行ってるんですか?」

    そうじろう「どこって、学校だよ。ゲマズも閉まったしもう帰ってくるんじゃないかな?」

    俺は背中に冷たいものを感じた。

    「お…おじさん…こ…こなたは…今日学校来てませんよ!!!!」

    そうじろう「なん…だと…?!!」

    698 = 689 :

    では今日はここまでです。

    699 = 687 :

    そうじろう「大した奴だ…」

    700 = 681 :

    こ、この展開はッ…!?前回のBAD ENDの状況が少しわかった気がするぜ…

    病み猫さん、乙カレーです!


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