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    元スレ【らき☆すた】新ジャンル?「ヤンデレこなた」Part10【(=ω=.)】

    新ジャンル覧 / PC版 /
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    551 = 539 :

    こんにちわ。
    今日は諸事情により普段ならあり得ないこの時間帯の投下です。

    554 :

    いくでがんす

    555 :

    ふんがー

    と行きたいところだったのですが、まさかの大学のサーバー障害(?)でネットに繋がりませんorz

    今日は借り物のPCも返さないといけないので、すみませんが続きは後日ということで‥‥‥ホントすみません

    557 = 555 :

    やはり自分のPCの再インストールに踏み切ろうと思います。また日曜あたりに投下します。

    558 = 550 :

    大学のサーバーダウンは本当にアレですよね…
    では、私の方は投下を開始します。

    559 = 550 :

    「つかさ?」

    つかさ「おかえり、男君。デート楽しかった?」

    「つかさ…いつから居たんだ…?」

    つかさ「知らなかったなー男君いつの間にこなちゃんと付き合ってたの?」

    「ご…誤解だよ」

    つかさ「じゃあ何で手繋いでたの?」

    「えっ………まさかみゆきさんに…」

    つかさ「今日ね、ガマン出来なくてゆきちゃんに相談したんだー男君て好きな人いるのかなぁって…。」

    つかさ「そしたら教えてくれたよ。『今日泉さんと手を繋いで歩いてましたよ』って。」

    「つかさ、違うんだあれは…」

    つかさ「何が違うの?!付き合ってなかったらデートで手繋いだりしないよね?!!!」

    「こなたとは幼なじみだから…昔の事思い出してつい…。」

    つかさ「なにそれ!私だって…私だって…男君と幼なじみになりたかったよ…!…ずるいよぉ………。」

    560 = 550 :

    つかさ「男君、私今日男君の家泊まりたいなぁ。」

    「なっ…突然そんなのダメだろ?」

    つかさ「お姉ちゃんも突然友達の家に泊まりに行ったけど平気だったよ?」

    「そっ…それは関係ないよ。それより今はかがみが無事に帰ってくることを考えようよ。」

    つかさ「だったら男君はなんでこなちゃんとデートしてたの?」

    「じっ……実はかがみは居なくなる前糟日部に居たらしいんだよ!だからそっち方面に何か手がかりがあるかと思ってさ!結局秋葉腹は行かなかったし…」

    つかさ「……本当にこなちゃんと付き合ってないの?」

    「うん。」

    つかさ「でも手は繋いだんだよね?」

    「…うん。」

    つかさ「じやあ私とも手繋げるよね?」

    「それは…」

    つかさ「ダメなの?こなちゃんとはよくて私はダメなの?!」

    「つかさっ!…分かったよ、手繋いで帰ろう?もう暗いからさ。」

    つかさ「………うんっ!」

    つかさが俺の左手に指を絡めてきた。
    俺達は柊家までの道を歩き出した。

    561 = 550 :

    いつだったか、つかさと一緒に勉強した日にこうしてつかさの手を引いて歩いたことがあった。
    あの時はつかさは怖がっていた。
    暗闇と『おばけ』に。
    でも今怖がっているのは俺だ。
    俺の手を、まるで何があっても離さないように握るつかさと……
     
    「おとこ」
     
    振り返ると、そこにはついさっき別れたばかりの顔とはちがう、表情のない表情を浮かべたこなたがいた。
    柊家はもう目の前だった。

    こなた「おとこ」

    「…こな」
    つかさ「お土産は要らないよ?」

    「つかさっ!」

    こなた「男は…テキなの?」

    「こなたっ!ちがうっ!!」

    こなた「男は…男だけは…私のミカタだと思ってた…」

    つかさ「じゃあね、男君。送ってくれてありがとう。」

    つかさは笑顔で家に入っていった。

    562 = 550 :

    「こなた…」

    こなた「………」

    「違うんだ…つかさは…」

    こなた「…何が違うの?別にいいんだよ?男が誰かと手繋ぐのは男の自由だよ?」

    「でも俺は…お前のこと…!」

    こなた「…かがみんから聞いたんだ。つかさは男の事好きなんだってさー。いやーさすが男!私が見込んだギャルゲの主人公なだけあるね!」

    「こなた…待てよ…」

    こなた「でさーかがみんも男の事好きだったんだよ?」

    「かがみに…聞いたのか…?」

    こなた「私は攻略対象外だっだみたいだよーあはは…」

    「そんなこと無い!俺は…!」

    こなた「テキばっかだ。…私の周りはテキばっかだ…!テキは倒さなきゃ!倒さなきゃ!!」

    「こなたっ!!」

    そう言うとこなたはものすごいスピードで駆け出した。
    追いかけても、俺の足じゃ追いつけなかった…
     
     
    …そして次の日。
    こなたは学校に来なかった。
    俺一人ではもう、こなたを、かがみを、つかさを、救うことは出来ないと思った。
     
    (重要分岐⑤表)
    >>+5
    ①―――俺はみゆきさんに全てを打ち明け、相談することにした。
    ②―――俺は黒井先生に全てを打ち明け、相談することにした。

    563 :

    kskですよ

    565 :

    ここで華麗に踏み台

    566 = 563 :

    俺に構わず先にいけぇぇぇぇ




    安価なら1ね!

    567 :

    568 :

    >>567は偽者だ!2だ2を選べ!

    569 = 567 :

    惨劇がほしいのだよ!

    570 :

    なんか、このスレみてつかさが怖くなった

    571 :

    それでは投下を開始します。

    572 = 571 :

    俺はみゆきさんに全てを打ち明け、相談することにした。
    何よりみゆきさんの誤解も解かなきゃいけないと思ったけど、俺の心は昨日決まっていた。

    ―――こなたがまた明るくなって、かがみが帰ってきて、つかさと話して納得させることができたら…俺はこなたに言う。

    でも俺一人じゃ多分無理だ。
    巻き込みたくなかったけど、みゆきさんに相談しよう。
    それにみゆきさんは天然なとこがあって、意識せずにトラブルを産んでる気がする。

    放課後。
    俺はみゆきさんを呼び出した。

    「みゆきさん、ちょっと相談したいことがあるんだ。」

    みゆき「え?ええ…いいですけど。えと…どんなお話ですか?」

    「…こなたの事だよ。」

    みゆき「あ…そう言えば今日はお休みでしたよね?…何かあったんですか?」

    「うん…ケンカしたんだ」

    みゆき「えっ?!…そうだったんですか。」

    「うん…そのことでちょっとみゆきさんに相談したくてさ…」

    みゆき「…分かりました。あの、男さんが嫌でなければうちで話しませんか?」

    「行って平気なの?」

    みゆき「大丈夫ですよ。」

    573 = 571 :

    電車に揺られ、みゆきさん最寄りの駅に着いた。改めて考えるとみゆきさんの実家は俺やこなたの昔の家に近い。

    「あのさ、みゆきさん。」

    みゆき「はい?」

    「俺とかこなたの昔の家さ、みゆきさんの家にすごい近かったんだね。」

    みゆき「…そうなんですか?」

    「うん、昨日こなたと歩いてたのも、デートとかじゃなくて久しぶりに地元見に来たんだよ。」
    みゆき「そうなんですか。すごい偶然ですね。」

    「うん。みゆきさん家の病院も俺は多分来たこと無いけど、こなたは何となく記憶あるみたいな事言ってたな。」

    みゆき「そう…ですか。」

    「あ…一応言っておくけど俺こなたと付き合ってないからね。」

    みゆき「でも…その…手を繋いで…」

    「あ…あれはなんかそんな雰囲気になっただけで、俺達まだ付き合ってないから!」

    みゆき「本当ですか?」

    「本当です。」

    574 = 571 :

    みゆきさんの家に着いた。

    「お邪魔します。」

    みゆき「どうぞ、上がってください。」

    「あ、うん。誰もいないの?」

    みゆき「そうみたいですね。」

    みゆきさんに案内されて、みゆきさんの部屋に通された。
    みゆきさんは紅茶とお菓子を持って来て座った。

    みゆき「それで…泉さんがどうしたんですか?」

    「うん…実はさ…こなたの事だけじゃないんだけどさ…」

    みゆき「はい…。」

    「ゴールデンウイーク明けた後かな…?まず、こなたに…その…告白された…。」

    みゆき「…。」

    「でも俺まだ自分の気持ちが分からなくて、考えさせてくれって言ったんだ。」

    みゆき「…。」

    「それで、そうこうしてるうちに次はつかさに告白された…。」

    みゆき「…。」
    意外にもみゆきさんは落ち着いた表情で話を聞いている。

    「…さらに今度はかがみだ…。」

    みゆき「…男さんはそれで悩んでいたんですね?」

    「うん…。」

    575 = 571 :

    みゆき「それで結局男さんは誰を……?」

    「まだ誰にも返事してない。」

    みゆき「…。」

    「そうこうしてるうちに三人はお互いの気持ちに気付いたみたいなんだ。なんだか最近ずっと険悪で…。」

    みゆき「…。」

    「そして…かがみが行方不明になった。」

    みゆき「…男さんは…つかささんや泉さんを疑っているんですか?」

    「いや!そうじゃない!!ただ何か関わっているんじゃないかって…少なくともこなたは何か知ってるみたいだし…」

    みゆき「泉さんが…?」

    「うん…きのうも何となく様子が変だった。」

    みゆき「そう…ですか。」

    「みゆきさんにさ…お願いがあるんだ。」

    みゆき「はい?」

    「つかさに、こなたと俺のこと言うのはやめてくれないかな?」

    みゆき「えっ?」

    「昨日そのことでつかさに問い詰められて、それでつかさと一緒のとこをこなたに見られて、ケンカになった。」

    576 = 571 :

    みゆき「そうだったんですか…申し訳ありませんでした。」

    「とりあえずさ…こなたと仲直りできたらかがみを本気で捜さなけりゃいけないとおもうんだ…みゆきさんも協力してね。」

    みゆき「そうですね……その…男さんは…結局誰を選ぶんですか?」

    「俺は………やっぱりこなたが好きだ…。でもまだ言えない。みゆきさんもこの事は誰にも言わないで。」

    みゆきさんはメガネを外すと紅茶を飲んだ。
    俺もつられて紅茶を飲み干した。
    俺が紅茶を飲んだのを見届けると、みゆきさんは静かに話し始めた。


    みゆき「そうですか…それは残念です。」

    「…へ?」

    みゆき「私の予想ではかがみさんが始めに動くと思っていました。」

    「何…が…?」

    みゆきさんは構わず続けた。

    みゆき「男さんはかがみさんと付き合えばよかったんですよ。かがみさんが男さんを好きなのは、男さんと泉さんが秋葉腹へ遊びに行っている時、一緒に勉強をしていて気付きましたし。」

    「みゆき…さん?」

    みゆき「なのにかがみさんは身を引いてしまった…。私も何度か、かがみさんが男さんを意識するように仕向けたんですが泉さんとの友情が勝ってしまったようですね。」

    「何…言ってるんだ?」

    みゆき「あるいはつかささんでも良かったんですけどね。」

    577 = 571 :

    みゆきさんは続ける。

    みゆき「つかささんも男さんが好きでした。つかささんの性格からして男さんのような人に憧れるのは予想の範囲内でしたが、つかささんの方から男さんをデートに誘ったのはうれしい誤算でした。」

    「………」

    みゆき「みなさんでゲームをした時など何度かつかささんの嫉妬感を煽ってみたのは成功したようですね。」

    「みゆきさん…君は…?」

    みゆき「以前泉さんが風邪で休んだときありましたよね?あの時泉さんは失恋したと勘違いして自暴自棄気味になっていました。」

    「え…?」

    みゆき「結果的にそうなるのは願ってもないことなのですが、あの時点では時期が悪かったんです。」

    「…時期?」

    みゆき「少なくともあの時は男さんは誰とも付き合っていない様に見えました。泉さんがそれに気付けば泉さんは思い切った行動に出るかもしれない。…そして余計な事を言うかもしれない。」

    「余計な…事?」

    みゆき「男さんは知らなくていい、いえ、知ってはいけないことです。」

    「…?」

    みゆき「そう言う訳で不本意ながらあの時は泉さんの沈んだ気持ちを元に戻すことに努めました。」

    「…テストの…ノートの事か?」

    みゆき「それはオマケです。ノートの中に手紙を忍ばせました。」

    578 = 571 :

    「手紙?」

    みゆき「簡単に言えば励ましのお手紙ですよ。………しかし結果的にはそれが泉さんに告白を決意させてしまったのかもしれません。完全に私のミスでした。」

    「みゆきさん…君は一体何がしたいんだ…?」

    みゆき「あなたと…泉さんが親密になられては困るんですよ。」

    「なんで…」
    俺は妙な脱力感におそわれた。

    みゆき「うふふふ。それを知る必要は有りません。」

    「……みゆき…さん…?」

    みゆき「古典的ですが……紅茶は美味しかったですか?やっと効いてきましたね。」

    「なにか…薬を…?」

    みゆき「あなたが…泉さんを選ぶならやがて泉さんはあなたに喋ってしまうでしょう。……かがみさんに喋ってしまったように。」

    「なん……だって……?!」

    みゆき「昨日の様子からして泉さんは思い出してしまったようですしね。」

    「…おま……え…!」

    そこまで言うとみゆきさんはケータイを取り出してどこかに電話をし出した。

    みゆき「私です…。やはり泉さんは気付いています。………はい。……はい、お願いします。かがみさんも含めて…………処理を。」

    そこから先はもう聞こえなかった。
    薬が俺の意識を遠い世界に連れ去った。
    『逃げろ…!こなた…!!』
    俺の最後の言葉はこなたの所まで届かなかった。 
     
    みゆき「…やっと終わりそうです…お父さん。」 
    【 BAD END 過去に囚われて 】

    579 = 571 :

    次回は一つ前のとこからロードします。
    ちなみに一つ前の分岐は『重要分岐⑤』ではなく『重要分岐E』でしたね。

    580 :

    ぷークスクス

    581 :

    これはなんと言うみゆき・・・コワイヨママーン

    582 :

    みゆきさんにならむしろ処理されたい俺は病気\(^O^)/

    PC復活したんで投下逝きます。

    583 = 582 :

    「ダメだね、私…… こんなこと言って」

    「え?」

    「ゆきちゃんのこと、来ても来なくてもいいみたいな言い方して…… 来てくれたこなちゃんや男くんにも失礼だし……」

    「いや、別に俺は……」

    「お父さんがね、親しい人に連絡しなさいって言って。こんな時間に駆けつけてくれてありがとう。お姉ちゃんも喜んでると思う……」

     親しい…… か。

    「俺、まだみんなと会って一ヶ月くらいだけど……?」

    「ううん、会ってからの時間は短かったけど、お姉ちゃんも、私も……男くんのことお兄ちゃんみたいに思ってたから……」

     『お姉ちゃんも』か……

     かがみは、つかさちゃんにそんな風に言ってごまかしていたのかな?

     何も知らないつかさちゃんに対して、ひどく申し訳ない気持ちになった。

    「本当はお姉ちゃんのクラスのお友達にも連絡しようとしたんだけど、連絡先がわからなくて…… ケータイは警察の人が持って行っちゃったし……」

    「………」

    584 = 582 :






    「つかさ…… そろそろいいかい?」

     席を外していたかがみとつかさちゃんのご両親とお姉さんたちが戻ってきた。

     お父さんらしき人がつかさちゃんに声をかける。

     俺とこなたは帰ることにした。

     お通夜の予定と、警察から話しを聞かれることになるかもしれないということを伝えられ、それから『かがみはいいお友達に恵まれた』といったような言葉をかけられて、俺たちは霊安室をあとにした。

     病院の廊下を歩き、敷地を抜ける間お互いに何も話さなかった。
     
    「じゃあ……」

    「うん……」

     病院前でこなたと別れた俺は、ただでさえ小さいこなたのさらにしぼんだような後姿を見送った。

     そのあと、歩きながら携帯電話を取り出す。

     かける相手はもちろん、

     みゆきだ。



     トゥルルルルルルルル……
     トゥルルルルルルルル……
     トゥルルルルルルルル……
     トゥルルルルルルルル……

    「……留守番サービスセンターへ接続します。」
     

     ピッ!
     
     くそっ!!
     
     どうしようもなく嫌な予感……

     一度芽生えた疑心暗鬼の心はなかなか消えてくれなかった。

    585 = 582 :

     『許せない……』というみゆきの言葉を思い出す。
     
     それは俺の手の傷を見たときにみゆきが放った言葉……
     
     あの時のみゆきの目……

     あの時感じた、冷たい手で背中を撫でられたような悪寒……

     いやいや、落ち着け、俺! そんなことがあるはずない!
     
     みゆきが、みゆきが……
     


     ……かがみを殺したなんて!
     
     そんなことあるはずがない。
     
     何てことを考えているんだ、俺は!
     
     あの優しいみゆきが、そんなことッ!
     
     大体、今日はこれから俺とデートする予定じゃないか!

     そう、デート。

     でも、あのみゆきの言葉……

     『用事』
     『やり残した事』
     『なるべく今日中に』

     いやいやいやいやいや!

     全部ただの妄想だ!!

     俺のお茶目な想像力の産物だ!







    「……留守番電話サービスに接続します」


     これで何度目だろう? 

     何度かけてもつながらない。

    586 = 582 :

     一言だけでいい。

     一言だけ、みゆきの優しい声を聞けば、そんなことないんだって実感できるはずなんだ!

     でも…… つながらない。

     何でだ!?

     人を殺してしまって…… それどころじゃないから?

     ダメだ、悪いほう悪いほうへと考えてしまう。

     疑心暗鬼が加速する。

     何だ、これ?

     雛見沢症候群か!?

     L5か!?

     落ち着け、俺!!

     おはぎに針なんか入ってないんだ!
     
     喉を掻きむしっちゃダメなんだ!

     時報はもう嫌だッ!!

     






     ……頭がどうにかなりそうだった。
     
     俺はつながらない電話をかけ続けた。
     
     家に帰り着いたあとも……かけ続けた。

    587 = 582 :

    連絡網を引っ張り出してみゆきの自宅の電話にかけようかと思ったが、こんな時に限って見つからない。

    こなたにでも聞こうと思ったそのときに、俺は、携帯がベッドの上で震えているのを視界の端に捉えていた。

    588 = 582 :

    今日はここまでです。

    明日の朝時間があればまた来るかもしれません。

    589 = 582 :

    おはようございます。

    あまり人がいないようですが、投下しときます。

    590 = 582 :

    「本日の関東地方は全域で日中雷を伴った激しい雨が予想され、大荒れのお天気になるでしょう。お出かけの際は傘をお持ちください」




     俺は傘を持って家を出た。

     普段学校に行くのと同じ時間に。

     でも向かう先は学校ではない。

     いつもの学校行きのバスには乗らない。

     目指すは最寄り駅。

     みゆきが待つ駅だ。

     外は雨雲が立ちこめていた。

     俺の気持ちを映したような鉛色の空。

     





     さっきの電話。

     みゆきからの電話。

     俺から再三かけても一向に出なかったが、みゆきの方から電話がかかってきた。

    591 = 582 :

    『おはようございます。男さん、もう起きてらっしゃいました?』

    『……ああ』

    『うふふ、まるで寝起きのような声ですね。ホントは寝てらっしゃたんではないですか?』

    『なあ、みゆき……』

    『はい? どうされました?』

    『……いや、なんでもない。今日どこに行く?』

    『そうですね、今日は雨らしいので、ショッピングモールでお買い物などいかがでしょう?駅で待ち合わせにしませんか?』

    『わかった。じゃ、あとで』

    『はい。うふふ、楽しみです。では、のちほど』




     ……みゆきの声は明るかった。

     不自然さすら感じた。

     つかさちゃんはみゆきにも電話を入れたと言っていた。

     着信が残っているはずだが、みゆきはかけ直してないのか?

     かがみのこと何も聞いていないのか?

     ……いや、

     逆に…… 知っていたとしたら?

     かがみがもういないのを知ってるからこそ、あんなに明るい声を……!?

     いや! 落ち着け、俺! それはいくらなんでも考えすぎだ!

     会って確かめればわかることだ!

     そう、会って確かめれば……

    592 = 582 :








     鉛色の空。

     今にも雨粒が落ちてきそうなその空の下、俺はみゆきと待ち合わせした駅へと向かった。

    「あ、おとこさん。おはようございます!」

    「おはよう、みゆき……」

     まだ午前中だというのに薄暗く、灰色がかった駅前の風景において、まるでみゆきの周りだけが鮮やかな色を放っているように見える。

     みゆきのその明るさが、どうしても不自然に見えてしまう。

    「雨が降り出さなくて良かったですね。今のうちにショッピングモールへ行きま――」

    「みゆき!」

    「はい? 何でしょう?」

    「あの、ちょっと話があるんだけど……」

    「お話…… ですか?」

    「あの、どこか落ち着ける場所に行きたいんだけど……」

    「え!? お話なら歩きながらでも……」

    「大事な話なんだ! しかも、あんまり人に聞かれたくない話……」

    「で、でも…… 私、ショッピングに……」
     
     みゆきはかがみの死を知っているような、少なくとも悲しんでいるような様子ではなかった。

    「頼む。来てくれ」
     
     俺は公園のほうへとみゆきを促す。

    「……わかりました」

    593 = 582 :





     公園のベンチに座った時、とうとう雨が降り出した。

     今日の雨は激しくなるって朝の天気予報で言っていた。

     みんなそれを知ってか知らずか、公園にはほとんど人がいない。
     
     俺は、ベンチに座ったまま傘を差す。

     みゆきも傘を持っていたが、俺のもって来た男物の大き目の傘にみゆきと二人で入ることにした。

    「雨の公園というのも風情があるものですね。しかも相合傘だなんて……」

     さっきまで渋っていたみゆきだったが、公園に来ると妙に嬉しそうになった。

     風情、ね……

     だが今はそんなものをのんびり感じている余裕なんてない。

    「男さん、それでお話というのは……?」
     
     みゆきはなお明るい様子だ。

     今日のデートのことで頭がいっぱいといった感じだろうか?

     その浮かれた様子が、みゆきが普段あまり見せないそんな様子が、俺の不信感を増大させていく。

    「かがみのことなんだけど……」

    「え……?」
     
     みゆきの表情が一変した。

     怒ったようでもない。悲しんでいるようでもない。

     静かな、でも冷たい表情に。

     雨が強くなってきた。

    594 = 582 :

    「また、かがみさんですか? まだ、かがみさんですか?」

     また。

     まだ。

    「そんなにかがみさんのことが気になるんですか? せっかくこうして朝から男さんと会えて、相合傘もして…… 幸せな気分だったのに。まだ、かがみさんが男さんの中で…… 大体かがみさんは男さんにケガまでさせたんですよ!?」
     
     みゆきは泣き出しそうだった。

     普段の俺なら慰めただろうが、今回はそれどころじゃなかった。

     『また』『まだ』『かがみさん』……
     
     みゆきの発した言葉の切れ端が俺の中でぐるぐる回る。

     『マタ』『マダ』『カガミサン』……
     
     殺したのに…… また?
     殺したのに…… まだ?
     殺したのに…… かがみさんを。

     いや、落ち着け。

     まだ決め付けるのは早い。

     早過ぎる。

     こんなのは妄想だ。

     確認をとればいいだけなんだ。

     そんなことないよ、っていう確認を……

    595 = 582 :

    「みゆき、落ち着いて……」
     
     俺も落ち着け!

    「みゆきは聞いてないのか?」
     
     あるいは聞く必要もないのか?

    「……? 何をですか?」

    「………かがみが ……死んだこと」

    「……ッ!」
     
     一瞬だった。

     ほんの一瞬だけ、みゆきの顔が引きつった。

     ように見えた。

     驚いたのか?

     知らなかったのか?

     いや……

     俺には、みゆきの顔が……

     笑うがごとく引きつったように見えた。

     笑うがごとく。





    『ええ、ちゃんと殺しましたよ』
    『男さんのために』





     そんな声が聞こえた気がして、俺は吐き気がした。

    596 = 582 :

    「今朝、男さんからもつかささんからも何度か着信が入っていましたけれど、そのことを伝えるために?」
     
     一瞬で表情を落ち着かせたみゆきが言った。
     
     まるで、きちんと表情を調節したかのようだった。
     
     淡々とした表情。

     冷たくすらある眼。
     
     それは、泣き崩れていたこなたや、憔悴しきったつかさちゃんとはあまりに違う反応。
     
     悲しくないのか?

     気丈に振舞ってるだけなのか?

     それとも――
     
     ――自分がやったから?
     
    「そ、そうだよ。俺にもつかさちゃんから連絡があって…… つかさちゃんはみゆきにも連絡したけど、つながらないって……」

    「そうですか…… かがみさんが。お気の毒に……」

     『お気の毒に』 ……本心なのか?

    「それで男さんは、今朝は様子がおかしかったんですね? なんだか沈んでらっしゃるようでしたけど?」

    「え!? あ、ああ…… そりゃ、だって……」

    「男さんは悲しいんですか?」

    「あ、当たり前だろ!」

    「私とのデートを楽しめないくらいに悲しいんですか?」

    「そ、そんなの当たりm――」

    「やっぱり邪魔をするんですね、かがみさんは……」

     ため息混じりに言った。

    597 = 582 :

    「かがみさんのせいで、男さんはいつも私のことをちゃんと見てくれません。男さんと一つになれたことで、ようやく男さんは私のことを、他のことに煩わされることなく、見てくださると思っていましたけれど。そうやって男さんの心の中にいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつも居座っているんですね」

     眼はどこか虚ろで、春の雨に濡れる公園を見ている。

    「でも、それはいいんです…… いえ、正直に言うとよくはないんですけど。でも、男さんがかがみさんとも仲良くするようにと仰いましたし、私の魅力が不足しているというのもありますし…… そこはまだギリギリ許容範囲内でした。でも…… でもですよ?」

     みゆきは突然首をぐるりと動かしこちらを向く。

     その顔に張り付いてた笑顔は不自然を通り越して、痛々しくさえあるものだった。

     生まれて一度も笑ったことのない人間が、無理やり笑う練習をさせられたらこんな感じだろうか……?

     不自然に歪んだ口元が次の言葉を繋ぐ。

    「男さんを傷つけるなんて完全に許容範囲外です。到底容認できません。論外中の論外です。まったく何を考えていらっしゃったんでしょうね? かがみさんだって男さんのこと好きだったでしょうに…… もしかして、男さんに選ばれなかったから逆恨み? ホント怖いですよね~」

    「違う! かがみはそんなんじゃ――」

    「安心してください、男さん。これからは私がそばにいますから。それにかがみさんももうこんなことはできませんよ、うふふ。だって――」

     次の瞬間、周囲に閃光が走ったのは気のせいではなかった。

    「――昨日ちゃんと手を打っておきましたから」

     その言葉と落雷の轟音が重なった時、俺の握っていた傘が、手から滑り落ちていた。

     大粒の雨を降らせる鉛色の空の下、みゆきのそれは、決定的な一言だった。

    598 = 582 :






    俺たちに降り注ぐ雨。

    みゆきのピンクの髪がみるみる雨に打たれて濡れていく様子だけがかろうじて俺の目に映っていた。

    599 = 582 :

    今回ここまでです。夜もまた来ると思います。

    ……やべえ遅刻遅刻ww

    600 :

    GJ

    投下もいいがリアル生活の方を大事にするんだ!


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