元スレ別に新ジャンルじゃない「ひょんなことから女の子」Part2
新ジャンル覧 / PC版 /みんなの評価 :
301 :
>>298
乙!wktkがとまらねぇwww
>>300
書いてみちゃえよwww
303 = 239 :
第二話
「ドッペルと女体化はとりあえず考えないことにしよう。そうなると次の問題は今後の生活だ」
現実逃避にも思えるが、ただの高校生が調べたところで何になる。今は別の現実に目を向けよう
僕はアパートで一人暮らしをしている。15歳で一人暮らしかよ、と言われるかもしれないが、入学した高校があまりにも家から遠かったからである。というより一人暮らしのために今の高校へ入学した、のほうが正しいかもしれない
「うーん、でも特に困ることってないんじゃない?」
優にそう言われてから考える。物資的な意味ではもう大丈夫だが
「昨日も今日も、さらに明日も休みだからな。でも火曜日から学校だ。そこでまた問題が発生するかもしれない。例えば、万が一優の姿を見られたときとか・・・そんときの誤魔化し方とか・・・」
なんか一番の問題を後回しにしていたような気がする
「じゃあまず僕が勇人とどういう繋がりなのか聞かれたら?」
まあ一つ一つ解決していくしかないか
「従兄弟・・・はちょっと近いな。はとこあたりでいいんじゃないか?」
「うーん、まあそれでいっか。他は?」
「学校は当然だけど僕が行く、優は家に残って家事とかしててくれ。暇ならゲームでもやっていてくれればいいや」
「何か夫婦みたいだね」
それは言っちゃいけないお約束だったのに・・・
その時だった
304 = 239 :
ピンポーン
ドアホンの鳴る音が部屋に響く
「「えっ!?」」
しまった、一人暮らしといえど誰か来客はある。その可能性を忘れていた
「優!何処か隠れろ!」
「えっ?あ、うん!」
優が隠れたのを見て僕はインターホンを取る
『よう勇人、遊びに来たぜ』
どうやらマキが来たようだ。タイミングが悪すぎるぜマキちゃん・・・いやそんなことより
「へ?遊ぶ約束してたっけ?」
約束したか覚えてない・・・聞きながら自分の記憶を掘り起こす
『おいおい、忘れたのか?金曜帰るときに、日曜遊びに行くからなって言ったじゃねーか』
「あ・・・」
----------え、じゃあそのまま寝てればいいじゃんって?生活サイクル崩れると直すの面倒なんだ・・・まあ休日だからゲームしたいというのもある。そういえば日曜日にマキが遊びに来るって言ってたな----------
ああああああああ、しまったあああああああ!完全に忘れてたああああ!
「ご、ごめん。今日用事が出来ちゃって・・・」
305 :
ヌルポ
306 = 239 :
『え?マジで?』
しまった・・・優が来てから色々バタバタしてたからすっかり忘れていたようだ・・・
「うん・・・だから今日は無理。また今度にしてもらえる?」
『うーん・・・うん、分かった。今日のところは帰るよ』
「ホントごめん・・・」
ふぅ・・・危なかった。マキが人の事情にあまり口出ししない性格でよかった
インターホンを置いて優にもう出て大丈夫という合図をする
「誰だったの?」
「マキでしたあばばばばば」
頭の中はまだ混乱している
「ああ、マキちゃんか・・・。そういえば約束していたのすっかり忘れてた」
「お互い様かも分からんね、とりあえず今日は外出は無理だな」
「え、何で?」
いや何でじゃないだろ・・・
「マキを用事があるって追い返しておいて、それで何処か二人で買い物とかしてるとこ見られたらまずいだろ」
「あ、そっか」
307 = 239 :
結局その日は外出せずに家でまったりと過ごした
その翌日の月曜のことだが、マキがいきなり家にやってきて
『よ、今日は大丈夫か?』
何て言い出しはじめた。もちろん断った、今日も用事があるって
口出ししないのは嬉しいが、連絡無しに人の家来るのはどうにかならないのか・・・と思ったが言わないでおいた
というわけで月曜も家で一日中過ごすはめになったのであった・・・二日連続で外出しないのは僕にとって普通だし慣れているが優がすごい不満そうにしていた。
自分の立場をちょっとは考えるべきだろ・・・これからずっと外出は出来ないし、日中一人で過ごすというのに
3連休はあっという間に過ぎてしまった。明日から学校が始まる
この時の僕は自分の趣味と自分の性格で自分の首を絞めることになる、とは全く予想出来ていなかったのであった、まる
308 = 239 :
第四章:自業自得
第一話
半分目が覚めている状態、けどまだ眠いから布団のなかでゴーロゴロ
「勇人ー、起きる起きるー」
カンカン
ふとそんな声が聞こえてくる。声だけでなく変な金属音も聞こえる
「ゲットアップ、ゲットアップ、ゲットアーーーップ、起きろー」
カンカンカン
「朝っぱらから騒がしすぎる」
と優に文句を言う、だが優の姿を見てちょっと唖然
「何でエプロンつけてるんだ?」
何故かエプロンを装着している。これもまた似合っているのだがそんなことは言わなかった
「朝食つくってたんだよ」
土曜日、日曜日、月曜日とそんなことしなかったのに。まあ新たな才能の開花かもしれん。そんなことより
「じゃあ右手のおたまと左手のフライパンはなんだよ・・・」
「秘技・死者の目覚め」
309 = 239 :
成る程・・・変な金属音の正体はこれか。某物語の主人公の妹さんですか
時計を見るといつも通り、午前7時ジャスト。目覚まし時計の起動まで30秒。とりあえず解除。ポチッとな
えっ7時?
「まだ7時になったばかりだってのに朝食作り終わったのか?」
「1時間前にはもう起きてたもん」
マジかよ・・・
「なんつーか・・・はりきってるな、自分」
「ホントだよね、以前の僕じゃあ考えられないや」
テーブルを見る、トーストと卵焼きとサラダが置いてある
僕って意外に料理の才能とかあったりするのかな
しかし気合入ってるのはいいけど
「僕が朝食異常に食えないっての知ってるよな?喉の通りが悪いんだぞ、朝は」
「脳が活性化しないぞ?そんなこと言ってると」
確かによく聞くけどな、朝飯食べないと脳がしっかり働かないって
まあそんなことは百も承知。それにせっかく作ってくれたんだし、頑張ってみるか
「「いただきます」」
310 = 239 :
二人テーブルに対面に座って言う。飲み物がコーヒー牛乳なところが僕らしいな
「あれ、結構美味い」
「でしょ?頑張ったんだよ」
ふむ・・・いつも自分でつくる朝食は適当だし。それに家事も優がやってくれるのか・・・案外この生活悪くないかも
しかも、僕と優じゃ何故か知らんけど性格完全に違う人間レベルにまで到達してるよな。男と女ってそんなに見える世界が違うのだろうか
子供の頃にネコの目が青なのを見て、ネコはこの世界が青く見えてるのかな?何て思っていたのと同じ理屈・・・か?
しかし、そう考えると・・・
「案外、このまま夫婦になっても悪くないかも分からんね」
「あはは、有難う♪」
優は凄い嬉しそうである。冗談だぞ冗談。こいつ冗談だって分かってるのか・・・?
朝食を終えて、はみがき、洗顔、着替えを済ませていざ出発
「いってきます~」
一人暮らしのときも挨拶は欠かさずやっていた。人いるとかいないとか関係なくするよね、そういうのって
まあその癖もあって別にいってきますと言うぐらいなんら違和感ない
「いってらっしゃ~い」
だが返事されるのは久しぶりである。しかも同年代の可愛い女の子が相手となるとやはりと言うべきか恥ずかしいな・・・
311 = 239 :
そんな今日は火曜日、三日ぶりの学校。まあいつも通り、何も変わらず、なんだけどね
------------------------------
今日の投下はここまでです
それでは失礼しました
第二話で新キャラが登場します!
ってネタバレしちゃダメですよね。ま、まあこれぐらいなら・・・うーん・・・
313 :
こんにちは
割と書けたので投下していきますね
314 = 239 :
第二話
学校へ到着。教室に入るとすでにマキがいた
「よう勇人、おはよう」
「おはよう」
いつもの挨拶なのだが、僕にはちょっと罪悪感があってつらかった。日曜、月曜と遊びの誘いを断ってしまった・・・というより嘘ついてしまったからである
僕はそのまま自分の席に着いて、荷物の整理をしたあと机に伏して寝る
低血圧なのか何なのかよく分からないけど、朝は眠いからいつもこうしている。これが毎朝の僕の日課と言えよう
しかし、そんな僕の毎朝の日課を邪魔するやつがそろそろ・・・
「おはよう勇人!」
やはりというか予想通りというか、うるさい奴がやって来た
しかしそこはいつものこと、僕は寝たまま挨拶を華麗にスルー。え、挨拶は人がいるいない関係なくするもんだろって?それとこれとは話が違うのだよワトソン君
なんてくだらないことを考えていたら
「何スルーしてんだよ!返事しろっての!」
スパァンッ!
「いてっ!」
何かで思いっきり頭を叩かれた。そこまで痛くはなかったのだが、そういう問題ではない
315 = 239 :
「おいこら!何しやがる!」
すかさず机から頭を起こして怒鳴りつける。ちなみに今ので眠気全部吹き飛んだ
「何しやがるはこっちのセリフだ!人の挨拶無視したから自慢のデスノートで制裁してやったんだ!」
そういって右手を僕の目の前に突き出してきた。その右手にはノート、しかも丸めてある
本人はこれをデスノートと呼び、毎朝僕を叩き起こすのに使っている。しかもこれ数学とか英語のノート使ってるわけではなく、僕を叩き起こすための専用ノートになっているとのこと。資源の無駄遣いだろ・・・あと起こすのにデスってどうなんだよ、それ永眠じゃねーか。というか毎朝それカバンからわざわざ出してるのかよ。もう突っ込み所多すぎてどうしようもないぞ
「だからって何も叩くことないだろ・・・常識的に考えて」
「常識的に考えて挨拶無視するほうが悪いだろ!」
む・・・確かにその通りかもしれない
「その通りかもしれないじゃなくてその通りなんだよ!」
「おい人の頭の中覗くのはよろしくないぞ・・・」
「単純なんだよお前が!」
失礼なことを言うやつだ。僕は再度机に伏して寝る態勢を整える。顔だけは一応真夏のほうへ向ける
そうそう紹介が遅れてしまったようだ。さっきからこのぎゃーぎゃーうるさくて失礼なやつは東雲真夏(しののめみなつ)という。漢字だとまなつなのに読みはみなつと風変わりな名前が特徴だ。まあそんなこと言ったらマキもそうだが
「今ちょっと失礼なこと考えなかったか?」
「いやいやそんなことありませんよ、真夏さん。毎朝毎朝ぎゃーぎゃー騒がしい上に失礼な奴だなんて思ってませんよ、ええ」
「へぇ・・・そういう風に思ってるんだ・・・」
316 = 239 :
おいおい、何でそんな怖い顔してるんだよ・・・きちんと思ってませんって否定したじゃないですか。人の背中に回りこんでどうするつもりですか、怖いんで止めてくださいよ
だがそんな脳内での弁解も空しく、背後から腕が伸びてきて首を締め付ける・・・苦しいっす・・・
「お前にはこの影殺しが必要らしいな!」
影から忍び寄って、首を絞めて[ピーーー]から影殺しらしい。ネーミングセンス悪いぞ・・・というかそれただのCQCじゃないっすか
「さあどうだ!参ったか!参ったと言えば許してやるぞ!」
正直なところ、けっこう限界に近い。だが前にも言ったであろう、僕は性格が捻くれているのである。簡単にギブアップなんかするはずがない
「ぜ、全然苦しくないぜ・・・お前の大きな胸がクッション代わりになってるからまだまだ余裕っすよ」
「んな・・・!このセクハラ野郎!息の根止めてやる!」
そう、実はこいつ『女』なのである。こんな乱暴な言葉遣いしているという点から男と勘違いする人が多かったりする
だから普段話しているときは、男友達といるような感覚になる・・・わけなのだが、今みたいなときには男女の体つきの違いを実感、というか痛感してしまうせいで凄い恥ずかしい・・・というわけだ
背はそこまで高くないのだがその反動なのか胸が大きかったりする。顔は可愛いの部類に入ると思う。だがしっかりものというオーラを放っているように見えるせいか、可愛いというだけでは評価しきれない部分がある。なんというか、美しいと可愛いの丁度中間にいるような感じのやつだ。それゆえ、結構モテるらしい
い・・・今はそんなこと考えている場合じゃなかった・・・!
「さあ、どうだ!これでもまだ余裕だと言い張るつもりか!」
かなり苦しい・・・!だがその分・・・真夏の豊満な胸の感触が強くなっていく・・・!肉を切らせてなんとか戦法・・・だ!でもはっきり言う・・・と、真夏の胸に興味とか・・・全くなかったりする!締められ損の・・・くたびれもうけだ・・・!ちょっと・・・違うけ・・・ど・・・やば・・・げんか・・・い・・・
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴った、どうやら助かったようだ。真夏はチャイムが鳴るとそれをゴングにでもしているのか、攻撃を止めるのである
317 = 239 :
「ちっ」
真夏が舌打ちして自分の席へ帰る、あのままだったらかなり危なかった・・・
僕は中指を立てて真夏を挑発する。真夏はこれに気付いているのだが、毎朝こんなやりとりをしているから慣れてしまったらしい。習慣化しているようだ
しかし、今日の影殺しはいつもより強かったな・・・
・・・あいつ、また胸大きくなってないか?
それ以上考えるのは止めておいた。僕の脳に気を遣った結果だ
318 = 239 :
第三話
キーンコーンカーンコーン
・・・ヤバイ
何がヤバイって?今のチャイム、4時間目終了の合図だったりするんだ。優のこ
とばかり考えていたせいで、授業内容の半分以上が頭の中を通過した悪寒。気が
付いたらもう昼休みという・・・
「さて、昼飯だ昼飯」
内容の薄いノートを見て嘆いていたらマキがやってきた。まだ片付けてるんだか
ら弁当置くなよ、邪魔くせえ
「そうだ、マキ。ノート見せてくれ。今日やった分、全部」
「ん?まあいいけど、どうしたんだ?」
「いや授業中ちょっと上の空になってたから」
「へえ、珍しいな。勇人が上の空なんて。ちょっと待っててくれ」
マキが自分の机からノートを持ってきた。それを受け取ってノートを写す準備を
していたら
「ハイパー昼飯タイム!」
真夏がやってきて弁当を机の上に置く。何だよ、ハイパー昼飯タイムって
いや、そんなことより
「お前ら弁当、人の机に置くじゃねえ!邪魔だ!」
319 = 239 :
「おう、悪い悪い」
「そうだよ、アース。邪魔になってるじゃねえか」
「お前もだよ、真夏!」
「はいはい、分かったよ」
こいつら、人の机を物置か何かと勘違いしてないか。
ちなみにアースってのは真夏にとってのマキのあだ名
-----真夏「西田真希ってローマ字で書くとNISIDAMASAKIで逆からだとイカサマじゃね!?私大発見!」→マキ「気にしてること言うな!」→真夏「じゃあイカサマとってDISIN、地震か!英語でアースクエイク!これからアースって呼ぶぜ!」-----
という経緯があってだな、しかもDIとかぢだし、ネーミングセンス悪いし。真夏のネーミングセンスの悪さはこれから先、より明らかになるであろう・・・
ノート写しを再開する一方で、二人は近くの椅子と机を持ってきてそこで昼飯の準備をし始めた
「ん?勇人、ノート写してるのか?」
「ああ。マキにも言ったけど、上の空やっちまったんだ」
「勇人が?珍しいこともあるもんだ」
何だよ、二人にとっての僕のイメージは完璧人間にでもなってるのか・・・?
しかしそんなこと気にしても仕方がないのでノートを写す作業に没頭する
昼休みはいつもの同じ4人メンバーが集まって談笑兼昼食という形になっている。まだ来てない一人がそろそろ・・・
「済みませんー、遅れましたー」
320 = 239 :
「お、真冬も来たみたいだね」
噂をすればなんとやらだ、最後の一人である真冬ちゃんがやってきた
彼女は東雲真冬(しののめみふゆ)。真夏の妹だ。好戦的な姉とは正反対で、性格はおとなしめ。さらに肌が若干白く、儚げな印象もあってつい守ってあげたくなるようなそんな感じ。姉と妹を足して2で割ったら丁度よさそうだ。ちなみに学年は一つ下で中学3年生
この学校は高等部と中等部の校舎が同じ敷地内にあるため、昼休みになると弁当を持って真冬ちゃんが僕たちの教室までやってくるというわけだ。・・・健気だなあ、真冬ちゃん。それに比べて姉は・・・
「おい、また何か失礼なこと考えてないか?」
何だよまた読心術使ってきやがったよ。ボロを出さないためにもここは無言で通すしかない
でも無視するのもつまらないので目からマイナスのオーラを送りつけてやった
「何でそんな負の感情が詰まってそうな目線送るんだよ!図星か!図星なのか!」
「ま、まあお姉ちゃん落ち着いて」
どっちが姉か分からんな・・・
「おし、終わった。僕も昼食にするか」
真冬ちゃんが席についたのとほぼ同時にノートも写し終える。マキにサンキュ、と言ってノートを返した
だがカバンから弁当を取り出そうとして一つ思いついたことがあった
優のことをみんなに相談してみるのはどうだろうか・・・
勿論、今家に優がいるなんてことまで言うつもりはない
ここで聞くのは、あくまでドッペルゲンガーについてだ
321 = 239 :
しかし、いきなりドッペルゲンガーを見たと言うのも変だ。それに、話題が話題なだけに、あまり真剣になって聞くのもおかしい。頭の心配はされたくない・・・
ここでベストな質問は・・・ドッペルゲンガーを信じるかどうか、と言ったところだろうか
いや、それでもいきなりすぎる。何の前触れもなくそんなこと聞くのは変だ
どうやってドッペルゲンガーの話に持っていくか・・・
「秋空先輩、どうしたんですか?」
「ん?あ、いや」
どうやら少し考え事に耽りすぎたらしい。真冬ちゃんを心配させてしまったようだ
「もしかして考え事ですか?目、赤くなってますよ」
「げ、マジで?」
「ホントですよ、ほら」
そう言って真冬ちゃんが差し出した手には鏡があり、そこには目が真っ赤になっている僕がいた
実は、僕にはちょっとした不思議な力がある
力と言えるほど凄いものでもないし、僕はこんな訳分からない力、どうでもいいと思っている
あのとき優に質問した三問目は、この赤くなる目についてである
322 = 239 :
第四話
------------------------------
「じゃあラスト三問目。僕は何故かはよく分からないけど、目が赤くなるときがある。そのときの条件は?」
「考え事に耽っていくとだんだん目が赤くなっていき、最終的には白目の部分が全部赤くなるぐらいになってしまう・・・そして」
------------------------------
「で、考え事すると目が赤くなってどうなるんだっけ?」
マキが聞いてくる。前にも話したと思うんだが・・・
「あーちょっと待って。私が前にメモしたのが残ってるはず」
そう言って真夏は自分のカバンを漁る
取り出したのは一冊のノート。これって例のデスノートじゃねえか
「どれどれ?目が赤くなると・・・んー・・・色々書いてあって逆に訳分からなくなってる・・・どうやら簡潔に言うと頭の回転がはやくなるっぽい。流れで説明すると、考え事をする→目が赤くなりはじめる→考え事を続行→目が完全に赤くなる→ハイパーLREタイム→思考能力が急上昇、みたいだ」
「ああ、そういえばそんな感じだった」
「でも確か欠点もありましたよね?」
「それも書いてある。使いすぎると頭がボーッとするらしい。これはまだ軽いほうで、限界まで使ってると強制解除されたあと気絶するぐらい。だとさ。ちなみに強制発動も出来るらしいけど、使用時間が通常より短くなるみたいだ」
まあ要するにそんなところ。考え事をすればする程、脳内での時間が遅く流れるだけ。ソーマトウって言うのか?まあでも頭がよくなるわけじゃないから、あまり意味無いけどな
しかし、なんだ・・・
323 = 239 :
「何でそんなことわざわざメモしてるんだ?」
「いや、何か目が赤くなるとか格好いいじゃん?マンガとかに出てきそうだよ。これ使って私、何かマンガ書けそうだよ。というかその力凄い羨ましいよ。私にくれよ」
「わけわかんねーよ!マンガ書くつもりかよ!結局自分が欲しいだけじゃねーか!」
「凄いじゃんその力!追い詰められた主人公がこの赤い目で逆転とかさ!友情、努力、勝利に繋がりそうだしさ!それに某ハントマンガの鎖使いみたいだよその赤い目!」
「僕はクルタ族の生き残りでもなんでもねえよ!しかもジャンプに応募するつもりかよ!それにこの力のせいで長い間考え事出来ないからむしろマイナスだろ!というかこれただの充血だっての!」
マキの家系は大体医者になっているらしい。マキにもその才能があるらしく、僕の力というか赤い目を見せたところ充血という診断結果だった。・・・格好悪い
「充血もそこまで来ると逆に格好いいよ!私もそれぐらい充血してみたかった!」
「全然格好よくねえよ!充血したいって何!充血願望とか聞いたことないぞ!それにハイパーLREタイムって何!」
「正式名称は、赤眼開花 - Lunatic Red Eyes(ルナティックレッドアイズ)略してLRE!格好いいだろ!私が名付けた!」
ダメだこいつ・・・はやく、なんとかしないと・・・
というか何でこんな話になったんだっけ。ああ、そうだドッペルゲンガーについて聞こうとしたんだ
「そうだそうだ。なあ、みんな。ドッペルゲンガーっていると思う?」
「へ、ドッペルゲンガー?」
最初に反応したのは真夏だった
「んー、どうだろう。私はいないと思うけどな・・・妖怪の類だろ?ドッペルゲンガーって。今の世の中に妖怪なんて・・・」
「マキはどう?」
324 = 239 :
「俺も真夏と同じ意見だな。妖怪とか正直、いるとは思えない。科学技術的な意味で・・・というか、勇人いきなりどうしたんだ?妖怪の存在とか真冬ちゃん並に信じてなさそうだが」
「あ、いや。昨日ホラー映画見たあと日本妖怪辞典みたいなの見てたらさ、ドッペルゲンガーってのがあったんだ。世の中に似た人は3人いるっていうし、そこのところどうなんだろって思って」
危ない危ない、結局何の前触れも無くいきなり聞いてしまった。真夏はスルーしてくれたのに・・・。変なところで鋭いな、マキ
最後に真冬ちゃんに聞いてみることにした
「真冬ちゃんは・・・」
マキがさっき言ってた通り、真冬ちゃんが信じているとは思えない。何て言ったって、あの『証明の女神』の二つ名を持つぐらいだ。ちなみにその二つ名は真夏が広めt
「私は・・・いると思います・・・」
な
「「「なんだってー!」」」
僕とマキと真夏でシンクロする。おお、案外ドッペルンゲンガーじゃなくてもシンクロするもんだな
って、そうじゃなくて
「え、いるって。本当に?」
少し信じられなくて再度聞いてしまう。聞き違いなんてことが・・・
「は、はい。いると思います。ただ、妖怪ではなく、全く同じ、もう一人の自分だという条件付きですが」
・・・どうやら聞き違いではなかったようだ
僕もマキも真夏も唖然。ざわ・・・ざわ・・・
325 = 239 :
「お、おい・・・。あの『証明の女神』がドッペルゲンガーを信じているだと・・・?」
「そ、その二つ名、恥ずかしいです・・・」
うーん、可愛らしい。じゃなかった、びっくりだ。真夏に至ってはびっくりしすぎて声すら出てない
ちなみにさっきも言った通り、『証明の女神』というのは真夏が名付け、真夏が広めた真冬ちゃんの二つ名である。
数学的、物理的、科学的に考えて物事を証明する癖からついた二つ名・・・
そんな空想から一番遠いと思われる真冬ちゃんがドッペルゲンガーを信じるだと
・・・
いや、逆に考えるんだ
そんな真冬ちゃんだからこそ、何かドッペルゲンガーを信じるに値する根拠があるのかもしれない
それに、ドッペルゲンガーじゃなくて同一人物という条件付きだという。僕としてはそちらのほうが有難い。あれは妖怪の類ではなかった。多分
・・・聞いてみるか
「真冬ちゃんが、そのドッペルンゲンガーを信じる根拠って何?」
「それはですね・・・」
真冬ちゃんの目が怪しく光る・・・いかん、これは自分の世界に入った予感
「まず!西田先輩もお姉ちゃんも間違ってます!いない、という意見を持つのは問題ありませんが、理由は科学技術の発展したこんな世の中だから、なんて人任せでしかありません!そんな証明、エレファントです!」
「え、エレファント?」
326 = 239 :
マキのやつこれも忘れてるのかよ。たしか、エレファントってのは数学の証明の評価で使う言葉だっけ。綺麗に証明出来ると「エレガント」、不恰好だと「エレファント」・・・って真冬ちゃんが言ってた
「今度は私が証明します!ドッペルゲンガーはいます!一般相対性理論と量子力学をあわせた量子重力理論、その中の超弦理論を使います!まだ未完成ですが、これが成立すると仮定します!超弦理論は、物質の基本的単位を大きさが無限に小さなゼロ次元の点粒子ではなく1次元の拡がりをもつ弦であると考える弦理論に超対称性という考えを加え拡張したものです!超は、凄いって意味でついた訳じゃないので間違えないでください!ここで宇宙多重創生論です!平行宇宙間を繋ぐものに、アインシュタイン・ローゼン橋と呼ばれるものがあり、これはブラックホール等の重力崩壊を起こした天体によって生じるものです!先ほど言った超弦が絡み合う状態は、極小のブラックホールを生み出します!ちなみに超弦理論は理論の整合性のため10次元時空が必要で・・・」
そ、そろそろやばくなってきた。真夏やマキは大丈夫だろうか
二人の様子を見る・・・
って真夏の頭から何か出てるぞ!煙!?マキは口から何か出てるし!あれエクトプラズマってやつじゃねえのか!?
「Q.E.D 以上です!あ・・・」
どうやら事態に気付いたらしい。真冬ちゃんの証明がストップした
「す、済みません!済みません!また私、自分の世界に入っちゃって・・・」
「いや、まあ僕は大丈夫だけど他の二人は重症かも」
「お姉ちゃん!西田先輩!済みません!」
真冬ちゃんが必死に謝っている。どうやら二人とも蘇生出来たようだ
だが肝心なことが聞けてない、というか理解出来てない
327 = 239 :
「真冬ちゃん、結局どういうことなの?」
おそらく証明できたのだろう。結論だけ聞かせてもらうことにした
「えっと、つまり多重構造世界。いわゆるパラレルワールドから来たってことです。ドッペルゲンガーでなく、同一人物ですが」
・・・それの証明ってことだったのか
証明の女神の二つ名は伊達じゃないってこと、改めて実感した
------------------------------
今日の投下はここまでです
それでは失礼しました
328 :
>>327
乙
なんか頭から煙が出そうだったが面白かったwwwwww
329 :
邪気眼・・・だと・・・!
330 :
金庫の中から象のぬいぐるみ・・・だと・・・?
331 :
たたかえ!
332 :
こんばんは
大分空いてしまいましたが、投下させてもらいます
333 = 239 :
第五話
つまり、真冬ちゃんの考えによると
別世界の秋空勇人がそのパラレルワールドから僕の世界にやってきて、そこでHKOK症候群を発祥。そして秋空優の誕生ってことか
正直、全く信じられん。だが、HKOK症候群なんてものがあるくらいだ。パラレルワールドに繋がる場所があったとしてもおかしくない。それに真冬ちゃんの話では、それは存在しうるってことだしな
・・・これ以上考えるのは止めよう。脳内PCがぶっ壊れる予感がする。それに凄いSF臭までするし。同じSFなら、時間旅行のほうがマシだったかもしれん
気を取り直して僕も昼食タイムに、と思ってカバンを開けて弁当を探す
「・・・あれ?」
おかしい、カバンの中にあるはずの・・・
「弁当がない」
「おいおい、マジかよ。」
隣に座っているマキが僕のカバンの中を覗く。しかし無い物は無い
「弁当盗難事件発生か!よし、この名探偵真夏様に任せなさい」
「いやいやここは科学捜査部西田班に任せてもらおう」
「どう見ても忘れただけです。本当に有難うございました」
何で二人ともそんな落ち込んでるんだよ。紛失より盗難のほうがいいのか
「先輩、どうかしたんですか?ノート写し忘れたり、お弁当忘れたり・・・」
334 = 239 :
どうしたんだろうなー、まあ大体原因は想像つくけどさ。家にいるあの悪魔だろうな
しかし忘れた物は仕方ない。一階の購買で何か買うしかないようだ
・・・弁当、飛んでこーい
・・・家に置かれているであろう弁当に念を送ってみるものの、飛んでくる気配無し。いや、それで窓ガラス突き破って弁当が飛んできたりしたら逆に困るわけなんだけどさ
ふぅ、とため息。
何か知らんが、妙に落ち込む・・・。俯き気味になっているのがその証拠
やっぱり買わなくていいや、昼飯抜きでもなんとかなるだろ
と思っていたそのとき!(世界丸見えのナレーションの人っぽく)
ガラッ
教室のドアが開く音。しかし教室のドアが開くぐらい、至って普通のことなのだが
「おおっ!!」
何故か歓声が起こる。しかも主に男の声
何だと思って頭を上げて後ろのドアを見る。しかしそこには何もないし、誰もいない
・・・どうやら皆が見ている方向とは違うようだ。マキも真夏も真冬ちゃんも前のドアを凝視している
というわけでつられて僕も前のドアを見る
そこには
335 = 239 :
「んーっと・・・?」
お決まりというのか何というのか・・・優がいた。条件反射なのだろうか、気づいたら机の上に鞄を置いてその影に隠れていた
どうやら弁当を持ってきてくれたらしい。おお、凄いな僕。念じたら弁当来たよ。しかも飛んできてガラス割るなんてことも無かったし
・・・最近、現実逃避の頻度が多くなってきてるな。特技の欄に現実逃避って書けそうだ
さて、ここはどういう行動に出るべきか
①弁当を受け取りにいく
②隠れる
③隙を見て教室の外に逃げる
①は絶対却下。そんな目立つ真似は避けたい。話にならない。アウトオブ眼中ってやつだ
②は難しい。こんな狭い教室で隠れるスペースなんか無い。伝説の蛇の人でも無理がある
というわけで③!どう考えても③!消去法で③!
よし、何とか逃げる方法を考え出そう。今こそLRE(命名:真夏)を強制発動させ使うとき!これで僕の勝ちだ!ハーッハッハッ
「あ、いたいた。勇人ー!」
・・・人間、勝つ直前が一番負けやすいって言葉を聞いたことがある
教室中の視線が僕に集まる。正直耐えられん
「やっと見つけた。はいこれ、忘れ物」
そう言って弁当を差し出す優
336 = 239 :
有難うございます・・・と普通なら言いたいのだが声が出ない。見えないガムテープでも貼られたような気分だ
「せっかく持ってきてあげたのに、お礼の一つも無し?」
「・・・弁当持ってきてくれたことには感謝しよう。だが常識ってものが無いのかね君は」
「忘れ物をして困ってたんでしょ?困ってる人を助けるのは常識だもん」
ああ、はい。その通りです。でも僕が言いたいのはそこじゃないんです
優の格好はどうみても私服、目立ちまくりんぐ。それに何故か、頭には猫耳・・・。
「分かった。困っている人を助けるのは常識。それには僕も同感せざるを得ない。だがその頭についてるものは絶対常識と認めん」
「あ、これ?前買っておいたけど結局用途のなかったやつ。似合うでしょ?というより、実は寝癖が酷かったからこれで隠してる。ヘアピンとかなかったからさ」
嘘つけ、朝見たときは寝癖なんか無かったぞ。というか、むしろ寝癖のままのほうがいいだろ。そんなもんやるぐらいなら・・・
これ以上は僕の心が耐えられそうにないので、帰ってもらうことにした
「とりあえず有難う。感謝感激した。だからもう帰ってくれないか」
「酷いなぁ、感謝の念が篭ってないぞ?」
そりゃそうだ、感謝してないんだから感謝の念なんか篭ってるわけないだろ
しかしそんなことはお構いなし
「有 難 う ご ざ い ま し た 。 お 帰 り く だ さ い」
と言いながら優を帰るよう促す。不満そうな顔をするが、それに応じて帰ろうとする優
337 = 239 :
だが帰り際
「じゃーねー勇人!今日もあれやろうね!最初はつらかったけど、頑張るから!それと、もうお風呂覗くなよー!」
ブハッ
マキが飲んでいたお茶を豪快に吹いたようだ。クラスの男連中も一部が吹いていた。きたねえぞお前ら
優はドアの前で手を振ったあと、スタコラサッサと帰っていった
もう悪魔とか鬼って言葉じゃ追いつかないくらい迷惑な人間だ
前、メラミ撃ったらメラゾーマ返されたって言ったの、あれ無し。どう見てもマダンテです、本当に有難うございました
・・・数秒の空白、誰一人として動いていない。時が止まっているみたいだ。誰だスタンド使ってるの
ここで時間の流れを復活させるために一言
「今日は一人で弁当タイムを過ごしたい気分!じゃあな!」
そう言ってマキ達に背をむけ、早足で教室から脱出。
しようとしたのだが
ガシッ
「ぐおっ」
誰かに首根っこ捕まえられた。首が絞まって思いっきりむせた
「まーまー待てよ勇人君。今日は私、色々楽しい話を持ってきているんだ。だから勇人君の話も聞かせてほしーなー」
どうやら犯人は真夏のようだ。真夏さんそれ笑顔なんですか?めちゃくちゃ引きつってますよ?
338 = 239 :
そして真夏に連れられ・・・というか引き摺られるような感じで自分の席に戻る
「というわけで、色々と質問に答えてもらおう。回答次第では、私のパワーアップした影殺し・改が火を噴くからな」
何でパワーアップしてるんだよ。腕力か、腕力が上がったのか。それとも違う場所がパワーアップしたのか
「まあとりあえず、大体の質問は俺がしよう。さっきの人、誰だったんだ?」
まさかこんなタイミングで優の存在がバレるとは・・・まあこういうときのために事前に回答を考えておいてよかった
「僕のいとこのいとこ。つまりはとこ」
「名前は?」
「秋空優。優は優しいの優」
「歳は?」
「15歳」
・・・歳とか関係あるのか?というかマキ、お前ナンパでもするつもりかよ
「・・・じゃあ今日も頑張ろうって言ってたのは?」
「ああ、あれか。あれは確か風呂あがったあとに」
「わ・・・!先輩ストップです!」
真冬ちゃんが顔を赤くして叫んできた
「真冬の前で何言う気だお前は!判決死刑!」
339 = 239 :
パワーアップしたらしい影殺し改とやらを食らう
真冬ちゃん、それ誤解ですから!この建物4階までだけどそれ誤解だから!
苦しい!苦しいっす!
「ぐ・・・ストップ!人の話は最後まで聞け!」
真夏の腕から解放される。だが真夏は戦闘態勢のままである。怖いから背後に立たないでくれ・・・
「『風呂あがったあと、もう寝ようと言った。しかし、何故か眠れない僕たち。同い年の異性が近くにいて眠れるわけがない。それは優もそうだった。見詰め合う二人。顔が赤くなるのが分かった。気がついたら僕は優のパジャマのボタンを外していた・・・』」省略されました。続きをよむにはここをクリックしてください
「先輩ストップ!ストップ!」
真冬ちゃんはもうやばいくらい真っ赤になっていた。主に照れ的な意味で
一方、姉の真夏も真っ赤になっていた。主に怒り的な意味で
「お前というやつは!やっぱり死刑だ!今日はお前の命日だ!」
「わー止めろ!マキは何勝手に物語つくってるんだよ!全然違うから!眠れなかったから二人でゲームやってたんだよ!」
「『やっていたゲームはR18の学園物。物語を二人で進めていたらどうやらR18のシーンに入ったようだ。気まずい、しかし優の何かを期待している目が見えた。その期待に答える義務が、僕にはある。僕はそっと優のほうへ向いて』」省略されました(ry
あの野郎・・・人が首絞められるのがそんなに楽しいか
「おい真夏。僕がやってたのはMGS3だ。さっきから真冬ちゃんを困らせているのはマキだぞ。その影殺し・改とやらはマキにやるべきなんじゃないのか」
「む・・・それもそうか。というわけだ、覚悟しろアース!」
はー危ない危ない。マキがアホで助かった
340 = 239 :
真冬ちゃんを見ると、どうやら限界が来たらしい。顔を真っ赤にして机に顔を伏せていた
「ぐ、ぐえぇ。そ、そういえばお弁当持ってきたけど、もしかして一緒に住んでるってやつ」
「ん?ああ、そうだけど」
よく首絞められながら喋れるな、器用な奴だ
「あ、あれ?でも勇人って一人暮らしだよね?じ、じゃあさ今勇人と彼女の二人暮らし?」
お、おい余計なこと言うなって
真夏の動きが止まってる。・・・これはマズい流れの予感
「げほっげほっ、それにお風呂覗くなよって言ってたよな。それについてはどうなんだ」
こいつ・・・そんな細かいことまで覚えていやがったか・・・
あれ、マキの後ろにいたはずの真夏がいな
ポンと誰かの手が肩に乗る
341 = 239 :
「被告人、秋空勇人」
「はい」
「判決:死刑」
「言い残したことがあります。紙とペンをください」
「却下します」
意識がブラックアウトした。死因は窒息死。以上
------------------------------
今日の投下はここまでです
それでは失礼しました
342 :
おお、ゆうしゃよ、しんでしまうとはなさけない。
343 :
後頭部に当たる乳の感覚を感じながら窒息させるとは・・・・
なんとうらやまs・・・じゃなくて恐ろしい技
345 :
どんだけ☆エモーション(その9)
「ミヒロちゃん~、準備はできたの~?」
母さんが俺の部屋に向かって呼び掛ける。
「出来たから、今行くっ!」
俺は準備を済ますとぱたぱたと居間に向かう。
「うわ~似合っている!! お姉ちゃん!!」
実由が俺の姿を見て嬉しそうに騒ぐ。
「あらあら~、私のお下がりとは言え良く似合って可愛いわね~」
母さんも嬉しそうに言う。
「そ、そうかな? そう言ってくれると悪い気はしないけど…」
俺は鏡を見ながら自分の姿を確認する。
(元がいいからね、ミヒロちゃんなら何を着ても似合っているよww)
むむ、素直に喜べないけどありがとう。確かに似合っているので否定のしようが無いのだが。
一応、今の俺の姿は母さんのお下がりの制服を着ている状態だ。
とは言え、この制服姿は一時的なものでしかない。
今日は俺がヒロアキとして通っていた高校にミヒロとして編入試験を受ける日。
とは言え、面接のみという事なのでそんなに大袈裟なものでは無い。
他の高校からの編入ということなので俺は他校の制服姿で行くことにする。
丁度、母さんが高校時代に着ていた制服を持っていたのでそれを着ることになった。
…しかし、俺の高校はブレザー。母さんはセーラー服の学校だったので
これを着るとなると…目立つよな。
まぁ仕方無いかと思いつつ、朝食を食べる。
「ミヒロちゃん、ちょっといい~?」
「ふぁ、ふに?(ん? なに?)」
食べながら返事をする俺。
(ミヒロちゃん、お行儀が悪い)
…ごめんなさい。
「女の子なんだから髪の毛位ブラッシングしましょうね~」
母さんは朝食を食べている俺の背後に立つと俺の髪の毛を弄り始める。
「ミヒロちゃんの髪、サラサラして綺麗ね~。このまま伸ばすといいわよ~」
「確かにそうだよねっ♪ もっと女の子らしくて可愛くなるよ、お姉ちゃん♪」
いつの間にか実由も俺の背後で俺の髪を弄っている。
「ちょっと、今食事中なんだから止めてくれる?」
「いいからいいから♪ ウフッ、お姉ちゃんの髪、いい匂いするよっ♪」
実由は俺の文句も意に介せず俺の髪を撫ぜつける。
栗色のショートヘアーの俺の髪は二人の手によってブラッシングされる。
「…」
初めは鬱陶しく感じていたが何気に髪を触られるのは心地良いことに気付く俺。
…気が付くとウットリしていた。
346 = 345 :
「さぁ、出来上がり~♪」
「ショートだからあまり派手な事も出来ないし、学生らしい髪型で今回は良しとしましょうか~」
「…出来たの?」
朝食を食べ終え、髪を弄られながらテレビを観ていた俺は二人の呼びかけで
鏡で自分の髪型を確認する。
「…」
何だかすっかり女の子っぽくなっちゃったな…。
(可愛い~、良く似合ってるww)
母さんや実由によって俺の髪型は髪留めで綺麗にセットされていた。
丁寧に髪を梳かされ艶のある髪の毛に派手では無いが可愛らしい花型の髪留めがセットされる。
鏡に映る少女が上品でなお且つキュートな感じに見えるのは俺の目の錯覚かな?
「やだ~ミヒロちゃんたら、可愛いんだから自信持ちなさい~」
「そうそう♪ あたしに似てキレイなんだからねっ♪」
…だから人の考えていることを読まないで欲しいんですが。
それにしても短時間でここまで俺の雰囲気が変わるとは…。
「さあさあ時間だし、二人とも学校に行ってくるのよ~」
「はーい♪」
「…うん」
俺は自分の姿を鏡であちこち確認していたが母さんに促されて出かける事にする。
「実由、俺の格好変じゃないかな?」
落ち着かない様子の俺はそわそわしながら実由に確認を求める。
登校までの道程、俺と実由は途中までは同じなのでそこまで一緒に向かって行く。
「全然変じゃないよ、むしろ可愛いすぎ♪ お姉ちゃんの姿、写メでたくさん撮っちゃった♪」
(流石、実由ちゃん。後で私にも見せてねww)
「うん♪」
「…」
347 = 345 :
「それより、制服のスカートちょっと丈が長くない?」
実由はそう言うと俺のスカートの裾を引っ張る。
「ちょっと、実由は何してんだよ」
「長いよー、これ。 何か長くてカッコよくないなぁー?」
「いや、俺は丁度良いけど。何か?」
俺は自分の着ている制服を確認する。
スカートの丈は膝上5センチ程。
実由が俺に買ったスカートやワンピースはどれも膝上20センチ以上は当たり前なので
長いといえば長いかも知れないが俺には丁度良い。
「駄目だよ、これじゃ。えいっ♪」
実由はいきなり俺のスカートのウエスト部分を折り返し始めた。
「ち、ちよっと、何してんだよ!」
「いいから、いいから♪」
「いくないっ!」
(あらあらww)
抵抗する間もなく俺のスカートの丈は実由によって膝上15センチほどに調整されてしまった。
「み、実由~またしてもお前は~っ!」
ガバッ!
「…ほえ?」
怒ろうとする俺の身体に抱きつく実由。
「ごめんねっ、お姉ちゃん」
「実由?」
実由の突然の行動に戸惑う俺。
「あたし、もっともっとお姉ちゃんには可愛くなって欲しいの。あたしの自慢の
お姉ちゃんになって欲しいの。この間まで男の子だったお姉ちゃんには嫌な事だとは思うけど…」
「実由…」
「だって折角こんなに可愛い女の子になったんだよ? あたしだってお姉ちゃんには
可愛さで負けたくないけど、常にあたしにとっての目標であって欲しいんだ、お姉ちゃんには」
上目遣いで俺に抱きつきつつ話す実由。
…ちくしょー可愛いじゃねーか。
俺は俺で実由を抱きしめたくなる衝動を抑える。
それにしても実由の行動は俺に対する想いがあるが故の行動だと納得する。
「…とりあえず実由の気持ちは分かったけど、あんまりやり過ぎは良くないからな」
実由の仕草に何気に萌えを覚えつつ、いちおう釘を刺す俺。
「うん、ありがとうお姉ちゃん、でも安心して。あんまり短くし過ぎると面接に響くから
今回は抑え気味にしておいたから♪」
ペロッと舌を出してニッコリ笑う実由。
(実由ちゃんって、ホント可愛いよねww ミヒロちゃんはいい妹を持って幸せだねww)
「エヘヘー、アリガトー、マル姉ちゃん♪」
「… まぁ、いいや」
…何だかもうどうでも良くなってしまった。
ホントにこの人たちって。
348 = 345 :
◇
途中で実由と別れた後、俺は高校に辿り着いた。
…女の子になってから初めての学校。試験無しとはいえ妙にドキドキする。
「…う~ん」
(どうかした?)
―いや、何だかな。
周りの視線が気になるのは俺の気のせいだけではないような。
通りすがる生徒のほとんどが俺の姿をさっきからチラチラと見ているのはブレザーの学校の中に
一人だけセーラー服の女生徒がいるのが珍しいからであろう。
やっぱりこの制服だもんな、目立つよな…と思いつつ受付の事務員さんに連れられ俺は
2階の会議室まで向かう。丁度時間的にもHR前の生徒が登校して賑わっている時間帯なので
会議室までの道程は良くも悪くも見世物状態で困ったものである。
それにしても廊下に居る生徒達が普段より多く見えるのは気のせい?
「ではこの部屋で待っていて下さい。担当の先生が来ますので」
事務員さんは俺を会議室まで案内すると戻っていった。
数多くの視線から開放された俺はホッとしたせいか会議室の椅子に深々と座り込んだ。
(なんだか疲れた…すごくたくさんの視線を浴びたせいかな?)
マルさんの意識が流れてくる。
…確かに疲れた。全く初めからこれじゃ先が思いやられるよ。
できれば帰りは生徒が学校をウロウロしない時間に帰りたいもんだなぁ…。
それにしても自分の状況が変わると普段見慣れているはずの学校の光景まで
違っているように感じるのは気のせいだろうか。
何だか今の自分はここの学校の生徒というより、お客様というか余所者というか
そんな感覚で此処にいるような気がしてならない。
…不思議な違和感を感じる。
こんなんで今後この学校でやっていけるのかな…?
妙に不安が俺の中によぎる。
(ミヒロちゃん、心配し過ぎだよ?)
…分かっているけどさ。
ガチャ。
俺が色々考えこんでいると会議室のドアが開いた。
「あなたがこの学校に編入することになった方ですね」
「あ、ハイ、そうです」
俺は振り返り声の主を確認する。
「はじめまして。私は本日の面接を担当する新井です。よろしくねミヒロちゃんww」
あれ? え? …千絵先生?
どうして俺(ヒロアキ)の担任がここに?
349 = 345 :
◇
新井 千絵。 母さんの親友であり、俺のクラス担任であるこの人は
高校のみならず俺が幼い頃から色々と面倒を見てもらっている顔馴染みの人である。
「こうして見るとハルちゃん(母さんの愛称)の昔の頃と同じで可愛いわね~、
その制服ってハルちゃんの高校時代のものでしょ? 懐かしいわねぇ、だから雰囲気も
似てるのかしらね? 実由ちゃんにもソックリだし、ホント可愛い~」
面接などそっちのけで俺の姿について観察しまくる千絵先生。
俺の顔やら身体やらペタペタと触ってくるのが何とも。
「あ、あの…興味が湧くのは仕方の無い事かも知れないけど…ホントに勘弁して、千絵先生っ」
「え~?だって、こんなにヒロちゃんがカワユクなっちゃったんだよ!?
私、我慢できないよぉ~!」
そう言って俺に抱きついて頬ずりする千絵先生。
ああ、もう、千絵先生といい、うちの家族といい…。
…しかし、なるほど。
全ては母さん達が上手く手を回してくれたお陰で俺は特に今後の生活についての
問題は無いわけである。千絵先生も良き理解者として俺の学校生活のフォローを約束してくれたし。
(なんにせよ、ひと安心だよねww)
…まぁ、確かに。
…でもね。
ザワザワと帰り時間で生徒達が賑わう校内。
こうなる事はある程度予想はついていたがホントになってしまうのは何とも。
恨めしそうに会議室から外の様子を伺う俺。
「帰りは元々居た学校だし、全然問題ないでしょ? 私この後試験の添削があるから
見送りできないのよね~」
千絵先生はそう言うと職員室に戻っていってしまった。
俺の面接自体はそんなに時間のかかるものでは無く、書類関係の提出と今後の生活についての
色々なレクチャーで済んだので実質1時間程度で済んでしまった。
しかし。
「…千絵先生、俺、もう帰りたいんですけど」
「え~?駄目よ。もう少しお話しましょ?」
「試験の担当は大丈夫なの?」
「あ、全然大丈夫。ヒロちゃんの面接と手続きで他の仕事はキャンセルしてるから」
「キャンセルって、どういう事?」
早く帰れるはずが千絵先生が俺を全然解放してくれないものだから
結局、学校の生徒達の帰る時間帯と重なってしまったよ。
ううっ、…行き同様、俺は生徒達の興味の視線に包まれそうです。
350 = 345 :
◇
キョロキョロを辺りを見回す俺。
(ミヒロちゃん、挙動不審ww)
うるさい。分かっているよ、そんなの。
さすがに二度も大勢の生徒の視線に耐えられるほど俺のハートは強くない(?)ので
なるべく生徒のいないところをチェックしつつ、家に帰ることにする。
校舎を上手くスルーして学校から出てしまえば後は普通に帰るだけなので
そこまでが勝負といったところか。
会議室前の廊下は部屋の用途から人の通りの少ない場所に位置しているわけではあるが
裏口へ降りるまでの階段へ向かうには生徒の通行の多い連絡廊下を通る必要がある。
う~む、迷っていても仕方が無い。
(そうよ、女は度胸っていうじゃありませんか)
ええっ!? マルさん!?
…
そうこうして裏口から校舎を出ることに成功した俺。
完璧とはいえないがそれでもそんなに大勢の生徒達の視線を浴びることなく
ここまで来れたのは俺の天性の逃げ足のテクニックの成せる技か。
…周りを見ている余裕が無かったともいえるけど。
裏口からはグラウンドが見渡せる位置にあり、サッカー部時代の俺は
よくこの裏出口からクラブ活動に向かっていたっけ。
試験期間中もあってグラウンドは人の気配もなく、閑散としている。
そんなに懐かしさも感慨も全然ないのだがグラウンド内を何となくブラブラと歩いてみる。
「ん?」
サッカーゴールのところに何故かサッカーボールが転がっているのを発見する俺。
思わずゴールの場所に向かう。
(どうしたの?)
「サッカーボールが落ちているんだ、部の奴だろうなきっと」
(サッカーボウル?)
「誰だよ…だらしないなぁ」
口とは裏腹に元々サッカーが好きでクラブ活動を続けてきた俺である。
久々に触るサッカーボールの感触に妙に心が浮き立つのは気のせいではあるまい。
(どうするの?)
「まぁ見てなよ。よっ、おっ」
借り物の制服だし、あまり汚れることの無い程度でボールに戯れる。
久々のボールではあるがわりと身体がいい感じで動くので楽しくなってきた。
初めは簡単なリフティング、ドリフト程度であったが調子がいいので難しい事にも
挑戦したくなる俺。
(ミヒロちゃんすごいww )
―意外に身体が調子いいというか、あれだけ気になっていた脚の状態も悪くないというか…
不思議なんだけど、怪我をしてサッカーを辞める前の状態に戻っているような気がするよっ。
この格好で動きすぎるとスカートが短いからあまり良くないよなと思うが…
誰も居ないし、楽しいし。まぁいいや。
「ほっ、よしっ」
…しかし、脚の調子がホント良いなぁ。どうしちゃったんだろ?
(そうね、実はミヒロちゃんが女の子になった際に脚の状態が悪いのは気になってた)
―ん?
(だからいいのかなと思いつつも私、ミヒロちゃんの脚をあるべき状態に戻しちゃったww)
―ん?
…
え、ええ~っ!!
どういうことですか、マルさん!?
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