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    元スレ照「京ちゃんなんて知らない」京太郎「」

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    451 = 1 :






    『午後の授業なんだったっけ』

    『確か現文と、数Ⅰ?』

    『えー、数学かぁ……やだぁ、因数分解全然わかんない』

    『私も数学はちょっと…』

    『でも、咲ちゃんこの前のテストまあまあよかったでしょ?国語とか特に』

    『そうだよ。いいなぁ…咲ちゃんみたいにたくさん本読めばいいのかな』

    『うーん…どうかな』





    ガララッ
    ??『しっつれいするじぇ!』

    452 :


    ババーン



    『ん?』



    パタパタ

    『ゆーき待ってくださいっ』


    ザワッ

    『隣のクラスの子だね』

    『カチコミに来たのかな』

    『なんでそうなるの…』


    454 :

    ……コミュ力がある……だと……!

    455 = 1 :




    『は、はい…私、です』スクッ

    『お、いった』



    ??『お?…よかったよかった、私の読みは間違ってなかったじぇ、のどちゃん』

    『そ、そうですね…』


    スタスタ
    ??『君が宮永咲ちゃんか…ほぉー……ふーん……』

    『え、えぇっと…』

    『……ゆーき』

    ??『よし咲ちゃん、悪いがわれわれとご同行願うじょ』

    『ちょっとゆーき!?』ボソボソ


    『あ……うん。わかりました』


    『…咲ちゃん大丈夫?』

    『うん、心当たりあるから。ちょっと行ってくるね』

    『そっか。いってらっしゃーい』フリフリ

    『いってらー』


    456 = 1 :


    パタパタ

    『すみません皆さん、お騒がせしました』ペコリ

    タッタッタッ




    『……デカいね』

    『デカいね。…なんなんだろうね』

    『ねー』






    『ごめんなさい宮永さん。訳も言わずに連れ出してしまって』

    ??『…あれ、私説明してなかったか?』

    『…してないですよ』ジトー

    ??『そうか、ごめんな咲ちゃん…』

    『ううん、私は大丈夫…だよ?』

    457 = 1 :




    『自己紹介が遅れてすみません。私は隣のクラスで麻雀部所属の、原村和と申します。そしてこちらが』

    『のどちゃんと同じクラスで同じく麻雀部の片岡優希、だじぇ!気軽に優希と呼んでくれて構わないじょ』

    『あ、あぁぁえっと……私は宮永咲、です』

    『知ってますよ』ニコッ

    『あぁぁ、そうだった…』

    優希『咲ちゃん面白いじぇ』

    458 = 1 :




    『それで、今日は学生議会長の代理で私たちが来ました……こう言えば分かると言付かったんですが』

    『あ……うん、たぶん大丈夫…』

    『では、いまどこに向かっているかわかりますか?』

    『…いつも移動教室に使う道だとはわかるけど……』

    優希『それは間違いないじぇ。ここをまっすぐ行くと美術室や音楽室にとうちゃーく!だからな』

    『今日はこっちの渡り廊下へと向かいます。そして階段を上ると…』

    459 = 1 :




    『こちらが、麻雀部室です』

    優希『部長に染谷先輩!お待たせしたじょ!』バーン

    『ノックくらいしたらどうですか、ゆーき…』

    『わわっ…』



    ??『おっ、ようやく来たかの』

    『さあ、遠慮せず入った入った』

    460 = 1 :




    『会長さん…』

    『あら、私が麻雀部員だって知ってたんじゃないの?』

    『いえ…お昼休みにいるとは思わなくて…』

    『それはこのお手紙のおかげよ』パラッ

    『見覚え、あるでしょ?』

    『…私が書きました』



    まこ『なんじゃ、それは』

    『…染谷先輩もご存じないんですか?』

    まこ『久が昼休みに部室に来とけと。事情は何も聞いとらん』

    『だってー、お楽しみは直前まで秘密のほうがその分楽しめるでしょ?』

    優希『それもそうだ!何味かわからないタコスにかぶりつくのもスリリングでまた一興だじょ』

    『全然違う話だと思いますよ、それは』


    461 = 1 :




    『内容を要約するとこうね。





    「麻雀部に入部したいんですが場所がわかりません。


    迎えに来てください 宮永咲」』




    『…なるほどですね』

    まこ『…どういうことじゃあ』

    『え、えっとぉ……その…私、方向音痴で』

    『どうしてこれが学生議会の投書箱に入っていたのかしら?』

    『移動教室の途中に投書箱があったのはなんとなく目についてて。そういえば会長が麻雀部の紹介で出てたなって、ふと思い出して…』

    まこ『…方向音痴はそんなにひどいんかのう』

    『…今日も連れて来てもらったけど、一人で来れるかというとそんな自信は全然ないです』

    まこ『そ、そうか』

    462 = 1 :

    いったん切ります
    コミュ力の話はまたおいおい

    463 :


    すげー投書だなww

    465 :

    なんで無名の咲を迎えに来るのかと思ったら……そんなん考慮しとらんよwww

    466 :

    迷子ちゃん・・・・・・

    468 :



    『……活動は基本放課後、テスト休みとかは校則やら指導やらに準じつつ臨機応変に、ね。設備は見ての通りよ』

    『あ、あの』

    『なにかしら?』

    『…インハイには、参加できますか』



    まこ『インハイ、か』

    優希『咲ちゃんが入れば、五人揃うじょ』

    『団体戦にエントリーできますね。でも…』


    『どうして』
    キーンコーン カーンコーン

    469 = 1 :



    『予鈴ね…続きは放課後、というところかしら』

    『…宮永さんがどれくらい打てるか見ないといけないし。インハイにしたってそれ次第』

    『来てもらえる?』

    『わかりました』

    『まこ、今日は部活出られるのよね?』

    まこ『ああ。…お前さんは?』

    『ちょっと会長として野暮用がねー。少し遅れるけど終わったら行くわ』

    『鍵開けお願いね。で、揃ったら四人で打ってて』

    まこ『わかった』

    『優希、和、放課後に宮永さんをまた迎えに行ってもらえる?』

    優希『了解だじょ』

    『わかりました』

    470 = 1 :







    『おっまたせー、みんなやってるー?』


    優希『そんな…そんなこと…』

    『SOASOASOA』





    『えっ何これ』

    まこ『やっと来おったか…見ての通りじゃ』

    471 = 1 :



    『三連続プラマイゼロ…ね』

    『…でもそれじゃ大会では勝てない。インハイになんて出られない』

    『そうでしょ?』

    まこ『久…』

    『わかってます』

    『…どうしてあなたがインハイにこだわるか、聞いてもいいかしら』

    『……』




    『……私、麻雀があまり好きじゃないんです』

    472 = 1 :



    『……』

    『もう少しちゃんと言うと、好きじゃなくなった。楽しい思い出があったけど…辛いことがあって。全部上書きされてしまったんです。私が悪いんですけどね』

    『でも……私がまた麻雀を心から楽しめるように、頑張ってくれてる人が、いるんです』

    『私と同じ思い出を共有していて…自分も辛かったはずなのに、私を責めたりしなかった』

    優希『その人とインハイで会う約束をしてるってことか?』

    『約束はしてないけど…でも、絶対来る。それに…』

    『今回が最初で最後のチャンスなんです。お姉ちゃんと打てるかもしれない、ラストチャンスなんです』

    『インハイに出て、卓を囲まないと私の気持ちはきっと伝わらない』

    『えっと…?つまり「その人」と宮永さんは幼馴染みたいな関係で、そこにお姉さんが関わっている、と』

    473 = 1 :




    『…そうですね。隠してもしょうがないのでもう言っちゃいますけど』

    『お姉ちゃんと喧嘩別れ、しちゃったんです。……もう何年も会ってなくて』

    まこ『そのお姉さんっちゅうのは、一人で?』

    『…丁度そのタイミングで両親が別居しちゃって』

    まこ『…すまんのう、嫌なこと思い出させて』

    『大丈夫です。…それで私の幼馴染は、私たちが仲直りできるように…わざわざお姉ちゃんの学校に、麻雀部に入ってくれたんです』

    474 = 1 :




    優希『「絶対来る」ってことは……お姉さんもその人もきっと麻雀強いんだな』

    まこ『…ちょっと待ちぃ、宮永って、まさか』

    『宮永照。…言わずと知れたチャンピオン、かしら』

    優希『なんと』

    『…やっぱりわかっちゃいますよね。他の人には秘密で…』

    『それは構わないけど…なんとまあ』

    475 = 1 :



    『…さっきから大人しいわね和。そんなにびっくりした?』

    『いえ、その…』

    『宮永さんってこんなに話すんだな、と。ちょっと意外に思いまして』

    『…うん。私は…まあ今もですけど、すごく引っ込み思案で』

    『ずっとその幼馴染に頼りっぱなしで。その…お姉ちゃんのこともあってから、ますますそういうふうになっていって』

    『…もうそのままでもいいと思う自分もいました。でも、京ちゃんはそうじゃなかった』



    『京ちゃんが白糸台に行きたいとわかって、私も自分を変えないといけない、と思った』

    479 :



    ======================





    もうあれから、二ヶ月くらい経つ。

    その後京ちゃんが男の子だってわかってまた一騒動あったのは、また別のお話。





    「勝つ」ための打ち方が、私にはどうしても必要だった。だから急いだ。

    ありがたいことに、清澄のみんなは個性豊かで実力十分な打ち手ばかりだ。去年まで大会に出ていないのがおかしいくらい。

    それに…すごくいい人たち。基本マイペースでおっちょこちょいな私がどうにかやれてるんだから、間違いない。


    そして……

    480 = 1 :




    「あとはお願いしますね、宮永さん」

    「うん。頑張るね」




    県大会決勝。清澄高校がトップで、私の出番。



    「ぅ……」ゾクッ

    「宮永さん?」

    「…何でもないよ」ニコッ



    さっきからひどい圧を感じ取っているけれど…別に怖いとは思わない。

    むしろ、楽しみ。




    ああ、麻雀ってこんなに楽しかったんだ、って。きっと今日、そう思えるはずだ。
    京ちゃんのおかげで、私はやっとスタートラインに立てた。


    「…いってくるね」


    インハイで待っててね、京ちゃん。…お姉ちゃんをよろしくね。
    そして……会いに行くからね、お姉ちゃん。

    481 = 1 :




    同日




    『リーチ!』



    京太郎「あー、やっちゃいましたね」

    尭深「やっちゃったね」

    誠子「やっちゃったな」

    「……」

    「…まあ、ここまで出さなかったことは褒めておこう」

    京太郎「無罪放免ですか?」

    「いや?いつも通り叱りつけるよ。…あの手は図に乗せたらダメだからな」

    482 :



    京太郎「ともかく、地区大会優勝おめでとうございます」

    「…次は君の番だよ」

    尭深「女子も同時進行だから付きっきりにはなれないけど…応援してる、からね」

    誠子「頑張りなよ」ポンポン

    京太郎「ありがとうございます。…頑張ります」

    「……」


    「じゃっじゃーん!淡ちゃんが帰ってきたよ!」

    誠子「お、ダブリー淡だ」

    「ねえ見た?すごかったでしょあれ!リーチ!ってやってバーンってしてドカーンって」

    「ああ見たぞ淡。そこのモニターでばっちりな」

    「す…すみれせんぱい?…こえが…かおもこわいのは…どうしてかなー」

    「お前わかってて言ってるなこの!」グリグリ

    「むひゃー!ぎぶ、ぎぶぎぶぎぶ」

    483 = 1 :



    「……」

    テクテク
    ペタン

    京太郎(て、照さんがすぐ隣に)

    京太郎「…先輩、向こうも空いてますよ?」

    「近くは嫌なの?」

    京太郎「…そんなことはないです」


    「……私は頑張ってとは言わない」ボソボソ

    京太郎「……」

    「今までだって十二分に頑張ってる。それに」

    「…実力は私がよく知ってる。普段通りにできれば、きっと」

    京太郎「…先輩からそう言われると、心強いですね」



    「…それだけ」スクッ

    京太郎「あっ…」

    テクテク

    京太郎(行ってしまった…)

    484 = 1 :



    <あれだけ念を押しておいたのに、なんでまた
    <だって、点数負けたくなかったんだもん


    「淡お疲れ様。よく頑張ったね」

    「テルー!スミレがねー……」






    京太郎(まっそうだよね、俺に特別声かけたとか、そんなわけないよな)

    京太郎(よし!明日に集中集中!)パンパン

    485 = 1 :

    投下間隔グダグダで申し訳ない
    今週は多忙のため多分書き進みません
    いろいろ動くところなんで慎重にいきたい

    あと咲さんはなぜかAA使いたくなる謎

    487 :

    途中寝落ちかと思ってしまったわ

    489 :

    おつおつ
    ついに咲ちゃんも来るか

    491 :

    豪雨の被害に遭われた皆様にお見舞い申し上げます
    地元は雨こそよく降り避難指示も出ましたが大きな被害は出ずに済みました

    この週末で少し進めるつもりですのでお待ちを、取り急ぎ

    492 :

    まってるぞー!

    493 :

    こんばんは
    日は変わったけどセーフ?だよね
    途中までですが投下ー

    494 = 1 :








    「須賀、お前全国大会出るんだって?」

    京太郎「まあな。…情報早いな、俺誰にも言ってないのに」

    「…いやいや、みんな知ってるぞ」

    「ただでさえ女子が黄金時代なのに男子も全国出場、そりゃあ盛り上がること間違いない」

    京太郎「…そんなもんかね」

    「そんなもんだ。……頑張れよ」

    「放送あったら見るからな、応援してるぞ」

    京太郎「おう。サンキューな」

    495 = 1 :



    「ところでどうなのさ、麻雀部」

    京太郎「何が?」

    「何がって、そりゃ…お前…」

    「聞いたところでは実質男子一人だって」

    京太郎「ああ…まあ、そうだな」

    「俺ならぜってー無理。胃に穴あきそう」

    「え?めっちゃイイじゃん。男なら憧れるだろ?は・あ・れ・む」

    「お前自分の顔を鏡で見てからそういうこと言えよ」

    「なん…だと……まあ、そう、だけどさ…」ズーン

    京太郎「一人で盛り上がって一人で落ち込むなよ…」

    496 = 1 :



    「お前はいいさ、須賀はな……。で?」

    京太郎「で?」

    「実際どうなのさ、麻雀部」

    京太郎「どうって…まあ、楽しいよ。普通に」

    「出た!当たり障りのない回答」

    「女子となに話すの?」

    京太郎「何って…その日の授業がどうだったとか先生がどうとか」

    京太郎「あの動画が面白かったとか雨よく降りますねとか。普通よ普通。…そんな困ることある?」

    「……見ろこれが男須賀だぞ同士」

    「…こいつやはり俺たちとは違う」

    497 = 1 :



    京太郎「ああ、そうか…俺の場合、幼馴染で慣れてたってこともあるな」

    「…女子のか」

    京太郎「…そりゃあ、まあ…そうじゃないと文脈的におかしいだろ」

    「聞きました?奥さん」

    「ええ、幼馴染ですって」

    「想像上の産物とばかり思っていたものを…この男は!」

    「しかもそれがなんでもないように!この裏切り者!」

    京太郎「さっきから大丈夫かお前ら」

    498 = 1 :





    「でさ、まあそういう答えを求めてるんじゃなくて…」

    京太郎「なんで急に小声になるんだよ」

    「いや、こう……わかる?男子高校生のリビドー…そいつを刺激するような…俺はそういうのを求めてるんだ」

    「そんなことでキメ顔すんな気持ち悪い」

    京太郎「…なに、浮いた話が欲しいの?」

    「浮いた話…うーん、ちょっと違うけど…許す」

    京太郎「なんで上から目線なんだよしばくぞコラ」

    499 = 1 :




    トタタタタ

    京太郎「走んな走んな」

    「きょーたろー!ノート貸して!」

    京太郎「ボリューム下げろよ聞こえてるから…古典?数学?」

    「どっちも」ムフー

    京太郎「お前授業中何してたんだよ」ガサゴソ

    「古典はぽけーっとしてて、数学は寝てた」ドヤァ

    京太郎「また部長から叱られるぞそんなんじゃ…ほらこれ」

    「ふっ、やっぱり持つべきものはきょーたろーだね…」

    京太郎「何言ってんだお前」

    「ちょっと借りとくね、ありがとー」ニヘラ

    トタタタタ


    京太郎「…忙しいやつ」

    500 = 1 :



    「……ほら、例えば今の大星淡」

    京太郎「淡がどうかしたか」


    <よし、これでだいじょーぶ
    <淡この前もそんなこと言ってたけど全然だったじゃん
    <うけるー



    「容姿だけならA、部活も強豪麻雀部のレギュラーで大将、性格は高飛車で少々難ありとも言われるが俺は無視できるレベルとみなしている…」

    「お前は谷口か」

    「WAWAWA…じゃねえよ!まっ、とにかく大星への評価を総括すると『ちょっととっつき辛いけどぜひお近づきになりたい美少女』ってとこだな」

    京太郎「…過大評価じゃねえかな、うん」

    「…独占欲?」

    京太郎「いやいや、本当のあいつを知らんからそんなこと言えるんだ」

    「お近づきにすらなれん俺たちへの皮肉かそれは」

    京太郎「そうじゃねえけどさ」


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