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    元スレ照「京ちゃんなんて知らない」京太郎「」

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    151 = 1 :




    「……尭深先輩」

    尭深「どうしたの?」

    「本気出しても、いいですよね」

    尭深「えっ…」

    「えっ…」

    「だってー、先輩味方してくれるって言ったのに須賀のアシストして!ずるい!」

    尭深「味方するとは…言ってないかな」ズズッ

    尭深「それにこれは私なりの戦略。淡ちゃんもわかるでしょ?」コトン

    京太郎(先輩慣れてるなこれは)

    「それはそーだけどー…」

    尭深「私もいろいろ試したいから…ね」

    尭深「最初の親番、上がられちゃったのが誤算だったけど」

    京太郎「おっと、俺のせいですね」

    尭深「勝負だからね、私が弱かっただけ」

    (…話に入っていけない)

    152 :

    モブww

    153 :

    まるで能力バトルみたいだ

    154 = 1 :




    尭深「菫先輩も言ってたよね、『できれば自重しなさい』って」

    「でもでも、じちょーしてたら100人も1000人もやっつけられない!」

    「出すぎててもやらなきゃいけない時が、れでぃーの淡ちゃんにはあるの!」

    尭深「そう…」

    「あー、絶対わかってない!」

    京太郎(お前の中のレディーのイメージってなんなんだ)

    155 = 1 :




    「亦野、そっちはどうなった?」

    誠子「ほとんど済みましたね。あと…まだ尭深と淡の卓が途中です」

    「そうか…やけに時間がかかってるじゃないか」

    誠子「ああ…尭深が親の連荘支援してたみたいです。東風でハーヴェストを部分的にでも再現できないかって」

    「それはそれで面白そうだが…牌譜を見せてくれないか」

    誠子「はいどうぞ。……そうそう、それもあって例の男子が今トップなんですよ」

    「ほう。……きっちり満貫和了ってるじゃないか」

    誠子「その東一局の鳴きがなかなか鋭いんですよ。それで一巡後にツモ上がり」

    誠子「なんかシンパシー感じちゃいますし…勉強になります」

    「…亦野のそういう姿勢は見習いたいな」

    156 = 1 :



    「……お疲れ様」テクテク

    誠子「お疲れ様です、先輩」

    「お疲れ。有望株は見つかったか?」

    「…一応気になった子はメモしてある」パラッ

    「助かるよ。強さが一見してもわからない子もいるし、な……」

    誠子「先輩?」

    「照、この『カメ』ってなんだ?」

    「カメだよ」

    誠子「カメ?」

    「…それがなにかを聞きたいんだが」

    「…よくわからないけど、その子の後ろにカメみたいなのがいた」

    「ギャーギャー鳴いたりこっちに舌伸ばしてきたりうるさかったから、コークスクリューしたらビックリした顔して消えちゃった」

    「そ、そうか」

    誠子「…これ聞かなかったことにしていいですか?」

    157 = 152 :

    消していいの・・・

    158 = 1 :

    次回、淡ちゃんダブリーマシーンと化すの巻
    咲麻雀は半分能力バトルも兼ねてるからね、仕方ないね
    モブは淡ちゃんが本気出す前に動きたかった
    多分数局経過すると高い手が入るとかそんな感じ

    京ちゃんのオカルトですが一応の説明
    既出なのは「同卓がオカルト持ちかどうかわかる・オカルトの発動タイミングがわかる」というもの
    あの人の劣化版です
    過去編までたどり着ければその辺突っ込んで書きたい
    ではでは、次回は火曜の予定です

    161 :

    相手の能力が分かってもどうしようもないのはVITAのゲームで良く分かるよね…
    頑張れ京太郎

    162 :

    深夜だとすごく余計なこと書いてる…
    一箇所訂正
    >>149
    ×京太郎「ロン。1500の一本場は1800」
    ◯京太郎「ロン。1500」
    というわけでぼちぼち透華

    163 :

    まってます

    165 :

    「…大丈夫。その後も気配はあったから」

    「たぶん一時的に引っ込んだか、常駐するタイプじゃないんだと思う」

    「…チェックしておくよ」

    誠子「…聞かなかったことにしときますね」


    「…淡と尭深はまだ打ってるの?」

    「ああ。牌譜見るか?」

    「うん」パラッ

    誠子「…卓の進行止まってませんでした?」

    「そうだな…練習だから多少は構わんが」

    「……」ピクッ

    「…淡」

    「淡がどうかした…か」ゾクッ

    166 = 1 :

    東二局二本場

    「…ここまで我慢してきたんだから、いいよね」ニヤリ

    ド ド ド ド

    京太郎「な…」

    京太郎(なんと圧倒的な大気…!さっきの圧とは段違いの“凄み”が、こいつにはあるっ…!)

    京太郎(…ってふざけてる場合じゃねえ、これはやばい)コトン

    ゴ ゴ ゴ ゴ


    「リーチ!」 チャラン!

    京太郎(ダブリー…だと)


    誠子「あっちゃー…やっちゃいましたね、秘密兵器」

    「…ここで本気を…いや…淡は気分屋だからな…」

    「……」

    誠子「…やっぱり他校入れなくて正解でしたね」

    「…それはそうなんだ、が…」

    誠子「何かあるんですか?」

    「ああ……始まったからには仕方がない。様子を見るしか…」

    (……京ちゃん)

    167 = 1 :


    京太郎(他人の配牌に影響を与えられるのなら、自分のにそうできても何もおかしくはない)

    京太郎(にしても……それにしてもダブリーだよ)タンッ

    京太郎(……この局は様子見。いろいろやるには不確定要素が多過ぎる)

    「……」ニマッ

    京太郎(この憎たらしい笑み、強者の余裕…か)


    尭深(…私が余計なことしちゃったから)

    尭深(ううん、でも……淡ちゃんの姿勢にもたぶん良くないところがあった)

    尭深(中途半端で油断してたから、思っていた展開にならなくて焦る)

    尭深(私が連荘支援してたのもあるけど…須賀くんが淡ちゃんの予想を超えてきた)

    尭深(……あとで反省会、かな)

    168 = 1 :




    京太郎(…ダブリーなのに案外和了れないってあるよね)

    京太郎(早めのリーチはなんとやら、ってな)

    京太郎(とりあえず、これでテンパイ)コトン


    (何かと厄介な子だって、先輩たちも言ってたし覚悟はしてたけど!)

    (こんなのだなんて、聞いてないよっ……!)


    「……」スッ

    「……」ニヤッ

    京太郎(…まずっ、何か来る!)

    「カン!」

    ゴゥ!

    京太郎(……俺には一瞬、宇宙が見えた)

    京太郎(卓は大地で、大星は宙に浮いている)

    「……」コトン

    京太郎(さも当然のように、ろくに見もせず嶺上牌は河へ)

    京太郎(さすがに咲みたいにぽんぽん和了らないか)

    169 = 1 :

    尭深「……」トン

    京太郎(…先輩は安牌か)スッ

    京太郎(……この牌は切れない。嫌な予感しかしない)

    京太郎(…崩そう)タンッ


    「……」フッ

    「ツモ!」

    スッ パタタタタタタ

    カチャッ

    京太郎「裏ドラが、乗った…?」

    「ツモダブリードラ4で、ハネ満だよ!」ババーン


    京太郎(さっき切っていたら直撃されてた)ゾゾッ

    京太郎(…ダブリーして暗カンしたら裏が乗ってハネ満確定…?)

    京太郎(……なんてこった)

    「じゃあ、次いこうか」ニヤッ

    尭深14800 京太郎29300 モブ19300 淡36600

    170 = 1 :


    京太郎(もう一度試す…とか悠長なこと言ってらんねえな)

    京太郎(そしてこの感じは…)

    「リーチ!」

    京太郎(ねえ皆さん知ってました?ダブリーって連発できるんですって)

    京太郎(…手は相変わらずの五向聴。九種九牌…でもない)タンッ

    京太郎(さっきのカン裏ドラは偶然……とか、そんな楽観的じゃいられない)

    京太郎(当然来るものと仮定してやらなきゃ)

    京太郎(…俺、この期に及んで勝とうとしてる)

    京太郎(所詮練習なのにな、ハハッ)

    京太郎(でもね、引くに引けないところがあるんすよね…男には)

    171 = 1 :




    京太郎(ここに来てツモが…手が進まない)

    京太郎(親の〇〇さんは…打牌に力がない。聴牌には遠そう)

    京太郎(渋谷先輩は…)チラッ

    尭深「……」チラッ

    京太郎(目が合った)

    京太郎(ここから点差が開くのは避けたい。それなら…)

    京太郎「……」コトン

    尭深「ポン」

    京太郎(先輩に和了ってもらうしかないだろ)



    (むっ…)

    (たかみーにさっき助けてもらったからってデレデレして)

    (やっぱりばか。ほんとバカ。ばーかばーか)コトン

    尭深「…ロン。3900です」

    「あわわっ!?」

    尭深19700 京太郎29300 モブ19300 淡31700

    172 = 1 :

    東四局

    「……」ジトー

    京太郎(やばいです、淡さんがじっと睨んで来ます)

    京太郎(さて、泣いても笑ってもここでラスト)

    京太郎(俺も二翻つけて和了れれば逆て…ん…)ゾクッ

    尭深「……」

    京太郎(ここで渋谷先輩……しまった、忘れてた)


    京太郎(先輩の配牌に力強さを感じる)

    京太郎(第一打のあれは…貯金みたいなもの?)

    京太郎(だとすればこの局は…)

    「リーチ」カチャン

    京太郎(迷いなくダブリー)

    京太郎(俺だって、まだ)

    尭深「……」コトン

    京太郎「チー!」

    京太郎(諦めるわけにはいかないよな)

    173 = 1 :


    尭深(ここまで五局、全部は帰ってこなかったけど)

    尭深(しっかり収穫できたのは、いいことだよね)

    尭深(淡ちゃんがいる卓でできたことに意味がある)

    尭深(…実際に使えるかどうかはまた別問題だけど)

    尭深(とにかく、この局は)コトン

    京太郎「……」コトン

    京太郎(もう一歩、あと少し…)

    「……」コトン

    「……」コトン

    尭深「……」






    尭深「ツモ」

    パララララ

    尭深「2000・3900…です」

    尭深28600 京太郎27300 モブ17300 淡26800

    174 = 1 :

    ここまでです
    いつも微妙にキリが悪い

    176 :

    おつ
    あわあわかわええんじゃ~

    178 :

    ちょっとずつあわあわを攻略したいんじゃー

    179 :

    多忙と体調不良により間が空いてしまいました
    幸い今日の午後はフリーなので納得いくのが書ければ晩にでも投下できそうです
    取り急ぎ

    181 :

    知らない間に淡が超乳になってて草生えた

    182 :

    すいません、なんか体調おかしいので今日は休みます
    申し訳ない
    明日大目に投下したい

    183 :

    あいあいまってます

    184 :

    いつでもええで

    185 :

    体調崩すかPCのデータ壊れるのはss書きの嗜み

    186 = 1 :

    こんばんは
    ぼちぼち投下ー

    187 = 1 :



    京太郎(一歩、及ばないか……)

    「っ……!」

    尭深「…お疲れ様でした」

    「お、お疲れ様でしたっ!」


    京太郎「あー……負けちゃいました」

    「……は?」

    京太郎「え?」

    「なんでよ…なんで素直に勝ったって言わないの!」

    京太郎「え?ああ……確かに大星より点は上だけど勝った気しないし」

    京太郎「だいいち勝ったの渋谷先輩だし」

    「そうだけど、そうだけどさ!」

    「なんか……バカみたい」

    京太郎「…え?」

    尭深「…淡ちゃん」

    「もういい!」ダッ

    京太郎「あっ、おい待てって!」ガタッ

    フラッ

    京太郎(……あ)

    ガシャーン

    「きゃっ!」

    尭深「す、がくん……?」

    188 = 1 :



    (……ばか)タッタッタッ

    (ばーか、ばーか)グスッ






    「おい、大丈夫か!」

    「……」

    テク テク テク

    「……」チョコン

    「尭深、手を貸して」

    尭深「は、はい!」

    「…っ、淡は!?」

    誠子「先輩、私が追いかけます」

    「しかし……」

    誠子「先輩は他の部員に指示を」

    「……わかった。よろしく頼む」

    誠子「頼まれました」

    タッ タッ タッ

    189 = 1 :



    京太郎「……あ、れ…?て、る先輩?」

    「頭打ったりしてない?」

    京太郎「大丈夫です…へっちゃらですよ、ちょっとバランス崩しただけで…」

    「起き上がっちゃダメ」キッパリ

    京太郎「あ…はい…」

    尭深「毛布、使う?」ススッ

    「頭の下に敷こうか。ちょっと持ち上げるよ」

    京太郎「すみません…」



    「……大丈夫か?」

    「特に異常はない…と思う。他の子たちは?」

    「予定通り各自休憩と風呂だ。少々の動揺は見られたが……あとで説明はしておこう」

    京太郎「すみません……大星はどうしました?」

    「今探してもらっている。……すこし気が立っただけだ、じきに落ち着いて帰ってくるだろう」

    190 :



    「それよりも…君にはまた謝らなくてはならないな」

    京太郎「…え?」

    「すまん、私の見通しが甘かった」フカブカ

    京太郎「そんな部長…顔上げてください」

    京太郎「大星がちょっと本気出して俺があてられちゃっただけじゃないですか」

    「……経験あるのか」

    京太郎「地元でちょっと、ですね」

    「……」

    「……そうか」

    尭深「すみません、何の話を…」

    「ああ……せっかくだし話しておこう」


    「高校麻雀は男女で実力差がみられると一般的に言われるが、なぜだと思う?」

    尭深「競技人口…ですか?」

    「それも重要なポイントだが、他にも理由がある」

    「……変な打ち手が多い」

    「……お前がそれを言うのか…」

    「失礼な」

    尭深「男子はそうでもないんですか?」

    京太郎「俺はあまり男子と打ったことがないので……」

    「…ああ。理由はよくわからないそうだが、この年代の女子には不可解な打ち方、何かが見えているような打ち回しをする者が多い」

    「実際うちの部でも、統計の範囲を超えた過度な打ち方をすることで成績が上がった者が多くいる」

    「男子にはそれがないか、あってもごく目立たない程度が普通だ」

    「……」

    191 :

    まるでバトル漫画みたいだな、病院送りになる人とかいそう

    192 = 1 :

    尭深「でもそれと須賀くんが倒れたことにどんな関係が……」

    「そこにもうひとつ男女差が表れているんだが」

    「淡のように卓全体に影響を与える雀士と同卓すると、個人差はあるがその気配を感じられることが多い」

    「つまり雀士が持つ…オカルトとでも言っておこうか、特に強力なオカルトは周囲の人間にも影響を及ぼすということだ」

    「……隠しきれない威圧感」

    「…それでここが問題なんだが……男子の方がより身体的影響を受けやすいらしい。言い換えると外部の力に対する耐性が低い」

    尭深「不思議ですね」

    「…私も聞きかじっただけだからな、詳しいことはわからない」

    「だから…今回のことについては想定外だったというか、部長としての監督不行き届きというか…」

    京太郎「もうその話は終わりにしません?部長が気に病むことないですって」

    京太郎「俺もそれなりに覚悟して白糸台(ここ)に来ましたから」

    「……そう言ってもらえると救われるよ」

    193 = 1 :


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    第一部室



    誠子「ここにいるな、大星」

    「……」

    誠子「電気ぐらいつけたらどうだ」

    「…スイッチどこかわかんない」グスッ

    誠子「…点けるぞ」ポチッ

    「……っ、まぶし」

    194 = 1 :

    コツコツ

    誠子「リンゴとオレンジ、どっちがいい?」

    「……?」

    誠子「下でジュース買って来たんだ。奢りだぞ、感謝しろよ」

    「…オレンジ、ください」

    誠子「ほら」

    「……ありがとうございます」

    誠子「おーおー、いつもの元気印はどうしたー。調子狂うじゃないか」バンバン

    「……」

    誠子「…隣、座ってもいい?」

    「…うん」

    195 = 1 :



    誠子「……」

    「……」

    誠子「……悔しかったか」

    「…うん」

    誠子「…ここで負けを知れたのは、大星にとってもいいことだと思うけどな」

    「でも、こんなところで負けてたら」

    誠子「負けてたら、なんだ?」

    「……こっちの部室、来れないじゃん」



    誠子「……はぁ」

    誠子「なんかお前勘違いしてないか?」

    「?」

    誠子「負けたことないやつなんて、この部室にいないぞ」

    「でも……たかみーはいいけど須賀なんかに」

    誠子「お前が負けた理由はそこだな、男子だからかなんだか知らないが、甘く見過ぎだ」

    「……」

    誠子「淡は見てなかったかもしれないけど、あの子にはセンスがある」

    誠子「状況を読む力があるし、勘もいい。ドラを引いてくる運もある」

    誠子「今日の対局を見ての私の個人的な感想だから、別に気に留めなくてもいいけどさ」

    196 = 1 :




    誠子「ただ一つ言うとすればな」

    誠子「ここは白糸台麻雀部で、目標は団体戦優勝だ」

    誠子「お前が今までどうして来たか知らないけど、一人で強くなっていけばいいところじゃないんだ」

    誠子「負けて反省して人は強くなれる。だから勝つためには負けが必要なんだ」

    「そう、なのかな」

    誠子「お前はもっと負けを知っていい。それがきっとお前のためになる」

    誠子「まあ、結構負けてる私が言っても説得力ないか」ハハッ

    「……」

    誠子「全国までの道筋で負けるわけにはいかない。ならいつ負けられるのか」

    誠子「今でしょ」ドヤァ

    「……」

    誠子「……」

    「…亦野先輩、さすがにそれは古いと思う」

    誠子「…すまん、忘れてくれ」

    「…あはっ」

    誠子「…わ、笑うな、忘れろ!」クワッ

    「あははは、先輩おもしろーい」

    誠子「棒読みやめろ!」

    197 = 1 :


    「あー……おかしかった」

    誠子「くっ、つまらんところで恥を…」ブツブツ

    「……ありがとうございました、先輩」

    誠子「え?」

    「私、頑張るから」

    誠子「…おう。私も負けてられないな」

    「あー、なんかおなか空いちゃったなー。晩御飯なんだろーなー」スクッ

    誠子「…忘れてるだろうから言っておくけど、まず部長のところへ直帰だ」

    「えーやだー、絶対怒られる……ダブリー見せちゃったし」

    誠子「…どちらかというと、ラスト二局リー棒を出したことについて言われそうな気がする」

    誠子「あれがなければお前が一位だったのに、結果論だけど」

    「……そっか!よく考えたらそうだった!」

    誠子「そういうところだぞ」

    「だって、たかみーはスロットあるのに須賀が和了らせちゃうし…それどころじゃなかった!」

    誠子「なんだそのスロットって…」

    誠子「だいいち須賀は初対局なんだから知らなくて当然でしょ?」

    「でもー、あれさえなければ……一騎打ちなら負けないのに…ぶー」

    198 = 1 :



    誠子「だいたいなんでそんなに須賀にこだわるかわからない」

    「だってね!初日から絡んで来てついてくるんだよ!」

    誠子「その話はもう何度も聞いた、解決済み、次」

    「えー、何回でも聞いてよー」

    誠子「何?彼のこと嫌いなの?」

    「え?べつにきらいじゃないよ?」キョトン

    誠子「あ、そう…ならいいけど」


    「……なんか、でも」

    誠子「でも?」

    「本気で勝負してたの私だけみたいだった」

    誠子「…本気でやってなくて対局終わった後立てなくなるか?」

    「そーだけどさ」

    誠子「『勝った気はしない』って、須賀も言ってたじゃない」

    誠子「それがすべてだと思うけど」

    「しんけんしょーぶだった?」

    誠子「あ、あぁ…多分」

    誠子「心配なら訊いてみればいいじゃないか」

    「うーん……そだね!そーする!」

    「あと……」

    誠子「?」

    「心配もせずほったらかしにしたのも、謝る」

    誠子「…そうか」

    誠子「ついて行ってやろうか?」

    「ほんと!?亦野先輩だいすきー!」 ガバッ

    誠子「…この、調子がいいやつ…」グワングワングワン

    誠子(でもまあ、)

    誠子(こんなのも悪く、ないな)

    199 = 1 :



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    京太郎「すみません、部屋の準備までしてもらって」

    「……さっきから謝ってばかりだな。なにか悪さでもしたのか」

    京太郎「…そうですね。ありがとうございます」

    「うん、それでよし」

    尭深「お茶、置いときますね」コトン

    「…ありがとう」


    京太郎「いいんですかね、俺も泊まって」

    「こっちは元からそのつもりで準備してたんだ。何より体調に不安のある中一人で帰らせられないよ」

    「…迎えがあるならともかく」

    「アパートで一人暮らしなんだろう?毎日大変じゃないのか」

    京太郎「一応家事はできるように練習して来ましたからね。あとは慣れでなんとか」

    尭深「私には無理かなぁ」

    200 = 1 :



    「身支度は一通り整えてきているんだろう?」

    京太郎「はい、言われてたので下着や着替えなどは一応」

    「それなら構わないさ」

    京太郎「でも男一人ですし」

    「ん?男一人の須賀くんはそれをいいことにいかがわしいことでもするのか?」

    京太郎「滅相も無いです!」

    「それならいいじゃないか。こちらの信用で成り立っているんだから遠慮なく受け取ってくれ」

    京太郎「…ありがとうございます」

    京太郎(これは素直に喜ぶべきなのか)


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