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    元スレ勇者「ニートになりたい」

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    551 :

    全員が全員諸手を挙げて絶賛するSSなんてあるわけない
    そりゃこれだけ長く続けば批判の一つや二つくるだろう
    それをすぐアンチだのどうだの決めてかかる幼稚さ
    正直、信者の方がいらないわ
    火種になるから消えてくれ
    迷惑

    552 = 549 :

    キチガイの自演バレてるぞ

    553 :

    批判や指摘は自演認定した挙げ句にキチガイ呼ばわりするキチガイ

    554 = 549 :

    同じ着眼点から延々と同じことしか書いてなくてバレてないと思ってるつもりなのか・・・
    捏造してるのを批判とか指摘とか頭の中やばすぎる

    555 = 551 :

    批判や指摘については作者が答えてくれるだろう
    外野が騒ぐことではない
    自演認定も的外れ

    556 = 549 :

    作者の過去の発言ひっぱりだして悪意ある書き方で捏造してんだろ>>546とか
    しかも批判だのなんだの言いながら読み続けてる典型的な粘着アンチだ
    むしろ作者は反応しちゃいかん

    557 :

    >>556は何でそんなに必死なの?作者なの?
    >>550の質問には答えないの?

    558 = 549 :

    単発がワラワラと
    捏造アンチを逆に指摘したら必死だの信者だの作者だの言うし話が通じなさすぎだろ
    捏造をつっこんだら質問に答えろとかキチガイ度数やばすぎ

    559 :

    で、答えないの?

    560 = 549 :

    直近の例を挙げると>>557>>559の単発見て自演がいないと思うなら頭お花畑

    561 :

    質問の答えになってないよ?
    というか端から見たらあんたも荒らしだからな?

    562 = 549 :

    あんたもって荒らしてるって自覚あんならやめろよ
    指摘とか批判とかどうでもよくてお前の目的は暇つぶしの遊び場感覚なんだろ
    批判部分に否定はしてないし捏造までしてって言ってるだけ
    ここまで言って引かないならもうだめだろこいつ

    563 = 551 :

    泥仕合乙

    564 :

    最初から触れなければ良いのに……
    そこまでして噛み付く意味が分からない

    565 :

    続けます。

    566 = 15 :

    【クィーンズベル城 客室】

    魔法使い「脳筋の戦士が試合を断るなんてめずらしいわね」

    戦士「いやぁ~、うん、ははっ」ショボン

    武闘家「大方また負けるのが怖かったんだろうさ」

    戦士「むっ」

    魔法使い「あ~、悪いこと言っちゃった?」

    戦士「いや……。正直、なにも言い返せない」

    武闘家「剣でもふってくるといいよ。身体を動かしてりゃ余計な考えは浮かばない」

    戦士「う、うん。そうだな。そうする……」テクテク

    武闘家「戦士」

    戦士「なんだ?」

    武闘家「自分に、負けるなよ」

    戦士「……あぁ」バタン

    魔法使い「ちょっと、もう少し優しい言葉かけてやりなさいよ」

    武闘家「課題は見えてるんだ。立ち直るかどうかはあいつ次第だね」

    魔法使い「……はぁ。つまんないなぁ~」

    武闘家「マクでも探してきたらいいんじゃないさ?」

    魔法使い「いい考え! ……待って、まだ街にいるの?」

    武闘家「いると思うよ」

    魔法使い「それならそうと早く言ってよね~! っと。それと、僧侶」

    僧侶「はい~?」

    魔法使い「あんたのその間延びした口調! 作ってたのがよぉ~くわかったわ! 今度からは普通に喋りなさいよ!」

    僧侶「なぜですかぁ?」

    魔法使い「たまぁ~にイライラするから。なんていうの? レスポンスが遅くて」

    僧侶「はぁ~」

    魔法使い「だからっ! そういうところ!」

    僧侶「でもぉ、普段はこうですしぃ」

    魔法使い「ハキハキ喋るのはよそ行き用ってわけ?」

    僧侶「そうですねぇ~」

    魔法使い「親しき仲にも礼儀ありなんだからね? たまには普通に喋ってくれると助かるけど?」

    僧侶「善処いたしますぅ~」

    魔法使い「……」ヒクヒク

    僧侶「マクさんをお探しにどうぞぉ~」ニコニコ

    魔法使い「もうっ! 本当につまんないんだから!」タタタッ バタンッ

    567 = 15 :

    武闘家「僧侶。聞きたいことがある」

    僧侶「くすくすっ。わざわざ人払いしてまで~。勇者様のことでしょう~」

    武闘家「そうだ。さっき、“勇者として見られたくない”そう言ったね」

    僧侶「はい~」

    武闘家「どういう意味だ? アタイも、勇者は勇者として思ってるし、見てる。それでいいと思ってる」

    僧侶「根は深いのですよぉ~」

    武闘家「だから、それが意味がわからないと」

    僧侶「この世界は、長い間、宗教の観念が色濃いのですぅ~」

    武闘家「……?」

    僧侶「それもこれも、ルビス様を至上とする宗教主義が行政と思想に強い影響力を与えているからなのですがぁ~。武闘家さんは、ルビス様に対する信仰はいかがですかぁ?」

    武闘家「アタイは、人並みぐらいだと思うけど」

    僧侶「そうでしょうねぇ~、そう答えるでしょうねぇ~」

    武闘家「……」

    僧侶「このクィーズベルの皇女様も、そして、私も、武闘家さんも。生きる人々すべてがみぃ~んな勇者さまの影にルビス様の栄光を見ているのですよぉ」

    武闘家「ルビスを、見てる……?」

    僧侶「そもそも、勇者が凄いってなぜなんでしょうね~?」

    武闘家「それは、“ルビスの加護を受けてて、魔王を倒すという伝説の存在だから”」

    僧侶「そうですよぉ~。その言葉が自然と出てくるほど、私たちの生活の中にルビス様信仰はあるのですぅ~。人並みと答えた武闘家さんであっても~」

    武闘家「……」

    僧侶「誰が悪いではないのですぅ。でも、勇者さまはきっと、“そうなってみないとわからない”。そんな状況に苛まれているような気がしてぇ~」

    武闘家「よく、わからない」

    僧侶「申し上げてるじゃないですかぁ。私たちはおもんばかることはできても、勇者さまが抱える悩みやお立場には、なってみないとわからないのですよぉ」

    568 = 15 :

    武闘家「……」

    僧侶「おそらく、さみしさ。私だったらと考えると、そう思います~」

    武闘家「さみしい……って、あの勇者が?」

    僧侶「単独で動かれるのを好まれる傾向にありますしぃ~。姫さまがおっしゃっていた、私たちが信頼されていないというお言葉。あれにはドキッとしちゃいましたぁ」

    武闘家「勇者は強すぎるから、自分でやった方が効率いいからじゃないの?」

    僧侶「それも可能性としてありますねぇ~。その方が手っ取り早い。そう考えているかもしれません~」

    武闘家「……」

    僧侶「人の心情を掴むのは、靄の中にいるようで難しいですねぇ~。決まったものではないのでぇ~」

    武闘家「アタイ達は、勇者にどう接するべきだと思う?」

    僧侶「……わかりません」

    武闘家「……」

    僧侶「望むように、ある程度の距離感を保ちながらがいいのか。それとも、こちらから踏みこむのがいいのか」

    武闘家「さすが童貞だな。繊細な上にめんどくさい」

    僧侶「まだ時間が必要だとも思いますしぃ~、このままだとなにも変わらないとも思いますしぃ~」

    武闘家「アンタ、ちゃんと考えてるんだね」

    僧侶「もちろんですよぉ~。将来の夫になっていただく方ですから~」

    武闘家「訂正する。ヨコシマな考えだ」

    僧侶「私の師ならなんて言葉をなげかけるのでしょう~……」

    569 = 15 :

    【クィーンズベル城 南西方向 廃墟付近】

    手下「ジャンさーん! スコップ持ってきましたよー!」

    ジャン「オラララララァッ!!」サクサクッ

    手下「す、すげぇぇ。スコップの二刀流だ」

    ジャン「野郎ども! 手を休めないで掘れ!」

    手下達「へいっ!」

    ジャン「ギガ・ドォリルゥゥゥゥッ!!」サクサクサクサクッ

    手下「な、なぁ……なんで、あの人が仕切ってんだ?」

    ジャン「私語するなって言ってるだろうが! 日が暮れちまうぞ!」

    手下「……へい」

    ジャン「あーはっはっはっ!! 豆腐のような土じゃないかァッ!! いいゾォ~これ!」サクサクッ

    手下「ジャンさん」

    ジャン「……」ギロッ

    手下「ひっ」

    ジャン「俺は今なんつった? 波紋を……いや、スタープラチナ召喚してほしいのか……?」

    手下「スタープラチナ……? い、いや、業務報告です。埋める物なんですが」

    ジャン「そして時は止まる」ズギュゥゥン

    手下「は、はい?」

    ジャン「なんだよー。ノリ悪いなぁ。そこはURYYYも知らないの? 漫画ぐらい敬意をこめて読め」

    手下「(へ、変人だ……)掘り起こした玉なんですけどね」

    ジャン「新しいやつはこっちね」ジャラ

    手下「了解です」

    ジャン「(中身はただのビー玉にすり替え済みだけどな)」

    手下「あと、剣なんですけど」

    ジャン「あぁ、そういやあったな」

    手下「これ、いかにも禍々しいオーラを放ってて。みんな怖がって持ちたがらねぇんすよ」

    ジャン「呪いのアイテムらしいよ」

    手下「ジャン殿にお願いしていいですか? なんだか妙に古めかしい作りしてますし、とんでもない呪いだったらと思うと恐ろしいんで」

    ジャン「なんだなんだぁ? 盗賊団ってのは腰抜けばかりかぁ?」

    手下「俺たちゃ、いわくつきとか得体の知れないものは嫌いなんでさぁ」

    ジャン「まったくぅ。いいか? 見てろ? 呪いなんてものは大抵迷信なんだから」カチャン

    手下「ちょっ、ちょちょっ⁉︎ な、なにをする気でっ⁉︎」

    ジャン「なにって、鞘から抜くんだよ。刀身を」スラァ

    手下「あーーーーっ!! あんたなんばしょっとぉっ⁉︎」

    570 = 15 :

    ジャン「む……こ、これは……」

    手下「ひ、ひぃぃぃっ⁉︎ わざわいがぁっ」ササッ

    ジャン「……なんもねぇわ」ポコン

    手下「あいてっ! え? そ、そうなんですか?」

    ジャン「見てみりゃわかる。ただの普通の剣」チャキ

    手下「切っ先こっちむけないでくださいよっ⁉︎」

    ジャン「(本当に普通の剣だな。なんでこんなもん埋めさせようとしたんだ?)」ジロジロ

    手下「え、ジャン殿。なんか、気のせいですかね」ゴシゴシ

    ジャン「……なに?」

    手下「しり、尻が光ってますよ」

    ジャン「んなバカな……」クルッ

    手下「やっ、やっぱり呪いがっ!!」

    ジャン「ほ、本当だ……えっ、なにこれ、痔になる呪い? そ、そんな呪いあり?」ペカー

    手下「知りませんよ! きっと死ぬまでいぼ痔だが切れ痔に悩まされるんですよぉっ!」

    ジャン「おおお、おちっ、おちけつっ、そ、そんな呪いがあるはずが……ケツ? ケツだって?」

    手下「ほらぁっ! 剣まで光ってきてますしぃっ!!」

    ジャン「な、なんだこれ……」ゴゴゴゴォォッ

    手下「とんでもない呪いだったんですよぉっ! 抜くからぁっ! 本当バカバカバカバカンス!」

    ジャン「……手下。俺、思い出した」ゴゴゴゴォォッ

    手下「な、なにをです?」

    ジャン「セリフな。そして時は止まるじゃなくて、動きだすの間違いだったわ」ゴォォオオオオオオッッ

    手下「どうでもいいだろバカやろーーっ!!」

    571 = 15 :

    【竜王城 玉座】

    シンリュウ「おはよ」

    ベビードラゴン「もうお昼だすよー。お寝坊さんですねー」パタパタ

    シンリュウ「まだ眠い」クァ

    ベビードラゴン「昨日、オラが帰ってくるころには寝てたじゃないですかぁ」

    シンリュウ「んだなすぅ。眠くて眠くてぇ」

    ベビードラゴン「ほっといたら数年寝てそう……」

    シンリュウ「ニンゲンにはあってきたんだっぺ?」

    ベビードラゴン「もたろんだすっ! ちゃぁ~んと言いつけを守ってきたっすよ!」

    シンリュウ「勇者はクィーンズベルの近くにいるはずだなす。ちょっかいを出してどう動くか観察するべよ」

    ベビードラゴン「国も潰せれば一石二鳥ですしねっ、ニシシッ、さすが竜王さまぁ~っ! あったまいい!」

    シンリュウ「……あんれ?」

    ベビードラゴン「どないしただす?」

    シンリュウ「玉座の横に置いてあった、“ロトの剣”があったっぺよ? あれ、どこさ持っていっただ?」

    ベビードラゴン「それなら、言いつけ通り、盗賊団に渡しただよ」

    シンリュウ「誰の言いつけだっぺ?」

    ベビードラゴン「やだんもぉ~。シンリュウ様に決まってるじゃないすかぁ」

    シンリュウ「わだすが、いつ、どこで、何時何分何十秒にそげなこといったのよ」

    ベビードラゴン「呪いの剣を埋めておいてって言われたではないずかぁ」

    シンリュウ「それは言った。でも、この城の別の部屋にある“血塗られた剣”な?」

    ベビードラゴン「え……」

    シンリュウ「んでもって、ここに置いてあったのは“ロトの剣”な?」

    ベビードラゴン「あ……」

    シンリュウ「んで、最初に戻るけど、わだすがいつ言ったのよ?」

    ベビードラゴン「あぁ~用事思い出したっ! いっげね、こうしてる場合じゃ」パタパタ

    シンリュウ「待てコラ」ガシッ

    ベビードラゴン「ひっ」

    シンリュウ「おめぇ……まさか、まさか、まさか、勇者が近くにいるのかもしれねってのに、わざわざ、ロトの剣を置きにいったのけ?」

    ベビードラゴン「の、呪われてただすっ! それは間違いねぇすよ!」

    シンリュウ「あの剣はなぁ、多くの魔物の血を吸ってる。呪われてるのは当たり前なのよ。でも、勇者が抜くと浄化される」

    ベビードラゴン「へ、へぇ~」

    シンリュウ「勇者、いま、どこにいるんだっけ? マーキングしてるんだべな?」

    ベビードラゴン「……んだなすぅ。サキュバスが服につけてるから。クィーンズベルの宿場のはずだす」

      ゴゴッ  ゴゴォッ  ゴゴゴゴォォッ

    シンリュウ「んだ……地震か? 火山でも噴火したかな?」

    ベビードラゴン「(誤魔化すチャンス!)み、見に行くっぺ! 竜王様!」

    572 = 15 :

    【アデル城】

    大臣「お、王様っ!! あれを!」

    王様「うむ! あれは、あの光の柱は……っ!」

    大臣「見てください! 空にくっきりと紋章がっ! あれこそがっ、まさに伝説の……“ロトの紋章ッ”!!」



    【ダーマ神殿】

    大司祭「おおっ! つ、ついに……! ついに勇者様が伝説の宝具のひとつ、ロトの剣を……!」

    子供達「わぁ~。見て見てぇ。線が一直線に伸びてるぅ~」

    神官「そんなっ! これほどはやいとは……! ルビス様のお導きに感謝しなければ……!」

    大司祭「こうしてはおられん! 子供達よ! 賛美歌の準備を!」

    子供達「はーいっ!」タタタッ

    神官「祝福を! 勇者の旅路にさらなる栄光が降り注ぐよう!」

      喜び、それは、美しき神々の閃光。
      楽園からの乙女。

      われらは熱情に酔いしれて
      汝の聖殿に踏み入ろう。

      汝の魔力は世の習わしにより
      冷たく引き離されたものを再び結び付。

      勇者の優しき翼のもと
      全ての生物は兄弟となる。


    【クィーンズベル城 姫の自室】

    メイド「ひっ、姫さまぁっ!」バターン

    「ええ、ええ……っ! 窓から見てる……っ、ああ、なんという……神々しい光なんですの……」

    メイド「お城中、いえ、国中大騒ぎです! あの規模の光なら、アデル、クィーンズベル、ハーケマル……全ての大地から確認できるでしょう!」

    「勇者……」



    【クィーンズベル城 鍛錬場】

    戦士「これは、どうしたことだ……」



    【クィーンズベル城 客間】

    武闘家「す、すごい……なんだ、あれは……」

    僧侶「……」ジー



    【クィーンズベル城下町 宿場】

    魔法使い「なに……あれ……」ポカーン

    573 = 15 :

    【数十分後 魔王城 玉座】

    シンリュウ「失礼いたします」ギィ

    魔王「きたな。ひざまずけ。そして舌を噛んで死ね」

    シンリュウ「……せめて、経緯を」

    魔王「聞くまでもない。数十分前に、人間界でロトの紋章が確認された。その振動はこちらの“裏の世界”まで轟くものであった」

    シンリュウ「……」

    魔王「……シンリュウよ。勇者に、お前が保管するロトの剣を渡したな……?」ゴゴゴッ

    シンリュウ「……」

    魔王「余を、この私に対して、背信行為を働いたのだな?」

    シンリュウ「誓って、そのようなつもりはなく」

    魔王「結果はどうであれご覧の通りだ。人間達が活気づく。貴様はそれに加担した」

    シンリュウ「……はい」

    魔王「これまでの功労を讃え、一日の猶予をやる。それまでに後任の竜王を決めておけ」

    シンリュウ「はい。もったいなきお言葉」

    魔王「竜王よ。私は、ガッカリしたぞ」

    シンリュウ「……っ」ギュゥ

    魔王「……行け。二度とその顔見とおない」

    シンリュウ「失礼、いたします」

    575 :


    面白くなってきた

    578 :

    失礼します
    私はpixivで絵師活動をしている者です
    作者様のSSがとても面白く、刺激され創作意欲がわいてきました
    応援もかねてイラスト並びに手書きMADを作成させていただきたいのですがいかがでしょうか
    よければお時間をいただいてからサンプルを送らせていただきたく存じます

    手書きMADに使用される楽曲は「英雄」が合っていると思います
    http://youtu.be/vKJpwVaYOSY

    579 :

    >>578
    どうでも良いからsageろゴミクズ

    580 :

    ゴミクズって言い方は無いだろ
    せっかくやってくれるというのに

    581 :

    別に必要でも無いから勝手にどうぞってモノで有難がるモノじゃねぇだろww
    >>1でも無いのにageてんだから非難されるのは当然

    582 :

    いつもの単発構ってちゃんなんだから反応するなよ
    いい加減に学習しろよ戦士以下かよ

    583 :

    >>578
    わざわざ確認していただいてありがとうございます。
    大変嬉しく思ってます。
    キャラクターの外観は勇者の見た目がかわいらしいとか髪は何色だ、勇者パーティはみんな美人だとかフワフワっとした特徴しかなく、触れてすらいないのが大半でございます。
    というのも、書いちゃうと今よりもっとテンポが崩れちゃうので。
    本当はそこまでいれてもいいんですけどあえて崩して書いてる部分が多くあります。

    地の文のない台本形式は基本的に描写の約8割~9割をキャラに喋らせるか間を持たせるなどして成立させています。
    残りは補助的な擬音ですね。
    そこを逆手にとるじゃないですけど、開き直って各個人のイメージにまかせてますという良い風にしてます。
    制限はありませんので自由に書かれて大丈夫です。

    584 = 578 :

    了解です!下書き完成したら貼らせていただきます!

    585 :

    メール欄にsageって入れないと迷惑がられるのは分かっとけよ。基本ageるのは作者だけだ

    586 :

    【魔王城 通路】

    ベビードラゴン「りゅ、竜王さまぁ、あのぅ~」シュン

    シンリュウ「なにも喋るな。城に帰るぞ」

    ベビードラゴン「ひぐっ、ず、ずびませぇ~ん」

    サキュバス「くっくっ、あっはっはっ!」

    リリス「竜王の失態! 大っ失態っ!」

    シンリュウ「……」

    ベビードラゴン「淫夢族……」

    サキュバス「まだ生きながらえていたとはね。魔王様の前で命乞いでもしてきたか?」

    リリス「サキュバスさまぁっ、そんな傷口に塩塗ったらかわいそうですよぉ~。どうせ極刑は免れないんですからっ」

    ベビードラゴン「きさまらぁっ! こちら竜王様であらせられるぞ!」ギロッ

    サキュバス「廃位される王でしょ? ……そうよね? 竜王殿?」

    ベビードラゴン「え……そ、そんなっ、竜王様っ! うそ、うそですよね……?」

    サキュバス「魔王様は一度下した決断を覆したりはしない。なぜなら、絶対王だから」

    シンリュウ「……退け。淫魔の王よ」ギリッ

    リリス「あらあらぁ? よくみたら拳握りしめてぇ。我慢してらっしゃるのぉ?」

    サキュバス「それはいけないねぇ。我慢は身体に毒だ。我らでガス抜きをしてやろうか」

    ベビードラゴン「……お、オラのせいで……」プルプル

    サキュバス「オマエが気に病むことはないのよぉ~? 子の失敗は親の責任。部下もまた、然り。ね?」ニタァ

    シンリュウ「ふぅ……五月蝿い。そこを退けと言った。いくぞ、ベビー」コツコツ

    サキュバス「――……貴様ッ!! 自分のしでかしたことがわかっているのかッ!! 竜王ッ!!」

    シンリュウ「……」ピタ

    サキュバス「勇者にロトの剣を差し出すようなマネをしおってっ!! あの勇者に……ッ!!」

    シンリュウ「……これはこれは。そういえば淫王は勇者にこっぴどくやられた経験がおありでしたね?」

    リリス「さ、サキュバス様ぁっ。薮蛇ですよぉ~」

    サキュバス「貴様は対峙したことがないからわからんだけなのだ! 魔王様に対する脅威! その脅威に更に力を与えたことを責めておる!」

    シンリュウ「責任は、とれない」

    サキュバス「ぬけぬけと……ッ!」

    シンリュウ「……次の竜王に望みを託す。私は、これまでのようだから」

    ベビードラゴン「りゅっ、竜王様ぁっ!」ウルウル

    シンリュウ「城に帰る。お前まで何度も言わせるな」

    587 = 15 :

    【魔王城 玉座】

    魔王「おのれ……っ!」ブンッ カランカラン

    大臣「魔王様。おいたわしや」

    魔王「なぜだっ! なぜこうも勇者に関わることになると裏目にでるっ!」

    大臣「竜王は、あやつの落ち度で……」

    魔王「今回だけではない! 成人の儀まで見つけられなかったこと! ……これではまるでなにか強力な“引力”が働いてるようではないか⁉︎」

    大臣「お気を強くもたれなさいませ」

    魔王「弱気ではないッ!出来過ぎていると申しておるのだッ!」ゴォッ

    大臣「ひっ」

    魔王「余は腹心の一匹を失う! 勇者は新たな力を手に入れた! やつの失ったものはなんだ……? やつは、なにをした? なにもしていないではないか……」

    大臣「我々の自爆でございますに」

    魔王「竜王はバカではない!」

    大臣「左様でございます。しかし、部下の管理がなっていなかったのは……」

    魔王「……」

    大臣「ご心中お察しいたします。今代の竜王の代わりとなるものは、間違いなくまた弱くなるでしょうから」

    魔王「……」ギリッ

    大臣「明日、処刑を執り行います。竜王が逃げないか監視をつけますか?」

    魔王「心配は無用だ。アレはそういうタマではない。甘んじて死を受け入れるだろう」

    大臣「御意に」

    588 = 15 :

    【クィーンズベル城 南西方向 廃墟付近】

    ジャン「お~いてて」ムクッ

    手下達「」

    ジャン「全員気絶してら。すっごい衝撃波だったもんなぁ」チャキ

    テレレ レッテッテッテッテー
    ▼勇者はロトの剣を手に入れた!

    ジャン「なんだろう。なにも努力してないのに手にいれた有り難みのなさ……」

      ドドドドドッ

    ジャン「ん? 馬の蹄の音……?」

    兵士「こっちだぁーっ! こっちの方角から光の柱があがったぞーっ!」

    ジャン「おや? あれはクィーンズベルの兵士達でない? さてはさっきので……手下達を起こさにゃ」

    手下達「」

    ジャン「いや……でも待てよ? 弟は取り返した、井戸が枯れた原因は突き止めた、盗賊のアジトもわかった、どの魔族かもわかった……あれ? 俺なんで穴掘りなんかやってたんだっけ……」

    手下「う、う~ん」

    ジャン「あれれ? これってもう俺ってば、お役御免でいいんじゃない?」

    手下「うぅ……さっきの、光はいったい……」ムクッ

    ジャン「ていっ」トスッ

    手下「あふん」ドサッ

    ジャン「アジトで気絶してるお頭も捕まるだろうし、あとは兵士達にお任せして俺はトンズラすっか」

    手下達「」

    ジャン「俺を恨むなよ……。恨むなら自分達の不運を呪うがいいっ!! さらばだっ!!」シュタッ

    592 :

    【竜王城 玉座】

    シンリュウ「ふぅ……次期竜王の選別を行う。カイザードラゴンを呼んでまいれ」ドサッ

    ベビードラゴン「オラのせい、オラのせいで」ブツブツ

    シンリュウ「ベビー……」

    ベビードラゴン「……うっ、そんなっ、うぅっ……」ポロポロ

    シンリュウ「ベビー!」バンッ

    ベビードラゴン「……っ!」ビクゥ

    シンリュウ「済んでしまったことだ。気にするのはおやめ」

    ベビードラゴン「でっ、でもっ」

    シンリュウ「これからのことを考えねばならない。一族を守る。それだけを考えるのだ。魔王様の取り計らいで、わたしだけで済んだ。それで良しとしよう」

    ベビードラゴン「りゅぅ、おうさまぁっ」

    シンリュウ「よくお聞き。我ら魔族は魔王様の圧倒的カリスマで統率を保っておるが、各種族の横繋がりは薄い。いがみあっておると言ってもいい」

    ベビードラゴン「……」

    シンリュウ「我が背信行為をしたという事実。その責を問い、末席に追いやろうと計略するものがいる。誰か、わかる?」

    ベビードラゴン「サキュバス、ですか?」

    シンリュウ「そう。あれはしたたかだ。他の獣王や巨人王は知能が足りない。サキュバスは、これを機に魔王様のご寵愛を一身に受けようとするはず」

    ベビードラゴン「(竜王さまをオラの前でバカにした……! 報いは必ず万倍にして返す……!)」

    シンリュウ「後任の竜王には、辛酸を舐めさせような辛い思いをさせることだろう。残念だが」

    ベビードラゴン「そっそんなっ! 竜王様はなにも悪くないとオラが言います!」

    シンリュウ「やめよ」

    ベビードラゴン「なっ、なんでだすかぁっっ⁉︎」

    シンリュウ「既に裏世界でも噂になっておろう。私の部下が、ロトの剣を渡したと。ベビー、お前の話題だ」

    ベビードラゴン「だっ、だからっ! 私が責任をもってっ!」

    シンリュウ「生きよ。生きて立派に魔王様、次期竜王に忠をもって尽くせ」

    ベビードラゴン「……っ」

    シンリュウ「奪還しようにも時間がなく、勇者はもはやどうしようもないが、やらかした責任は私が墓まで持っていく」

    ベビードラゴン「い、いやだぁっ!」ポロポロ

    シンリュウ「これがお前の罰なのだっ!!」バンッ

    ベビードラゴン「堪忍してぇっ。竜王様だけを逝かせるなんて」

    シンリュウ「くるしかろう。死ぬよりももっと辛い想いを抱いてこれから生きていかなければない。何度も思い出して、後悔して……それでも、腐らず前を向いて生きていかなければならない」

    ベビードラゴン「うっ、うっ、うわぁぁぁあんっ!」ポロポロ

    シンリュウ「生きる。それがお前に化す、わたすからの罰」

    ベビードラゴン「……うっ、うっ……」ポロポロ

    シンリュウ「わたすが死ぬことで同族からも忌み嫌われるだろう。耐えて、必ずやわたすの志を紡いでおくれ」

    ベビードラゴン「あぁあぁぁっ! びぃやあああっ」ポロポロ

    シンリュウ「……よいな。なにもするな。さぁ、カイザードラゴンを呼んでまいれ」

    593 = 15 :

    【竜王城 通路】

    カイザードラゴン「どのツラさげて……ッ!」ビターンッ

    ベビードラゴン「竜王様が、およびでずっ、ぐすっ」

    カイザードラゴン「貴様……なぜ泣いているのだ。まさか、竜王様の前で泣いていたというつもりか……?」

    ベビードラゴン「……ぐすっ、うっ……」

    カイザードラゴン「バカも休み休みにしろ! 泣きたいのは我らだ!竜王様だ! お前以外の一族全員だっ!! このッッ大戦犯めッッ!!」ゴォッ

    ベビードラゴン「ず、ずびませぇ~ん」

    カイザードラゴン「竜王戦の元にいく。少しでも申し訳ないと思うなら、明日の朝日の前に……自決しろ」

    ベビードラゴン「竜王様はぁ、オラに生きろって……」

    カイザードラゴン「な、なにぃっ⁉︎」

    ベビードラゴン「……」シュン

    カイザードラゴン「もし、もしも、私が次期竜王になったら、即座に八つ裂きにしてやる……!」

    ベビードラゴン「うぅ……それじゃ、竜王様との約束が……」

    カイザードラゴン「約束もへったくれもあるかッ! お前は生きていることが罪なのだ! その罪を! 私が断罪してやるっ!!」

    ベビードラゴン「……」

    カイザードラゴン「かばいだてするものは誰もいないぞ。勇者の元に行って、剣を奪還してくるぐらいの気概を見せたらどうだ」

    ベビードラゴン「勇者の、元に……」

    カイザードラゴン「竜王さまは生きておられる。お前にできることをしろ。一族のために。面汚しめ!」

    ベビードラゴン「(そうだ。勇者を探して剣を取り返せば……! 竜王さまも……っ!)」

    594 = 15 :

    【竜王城 玉座】

    カイザードラゴン「馳せ参じました」

    シンリュウ「優秀な個体を見繕っておくれ。お前の選んだ者の中から次期竜王を決める。無論、候補者にはカイザーも――」

    カイザードラゴン「その前に! たしかめるまでもないですが……竜王様の口から直接! 噂の真相をお聞かせ願いたい!」

    シンリュウ「噂には尾ひれがつくもの。ベビーは私の指示にしたがったまで」

    カイザードラゴン「この後に及んで虚言を申されるのですかッ⁉︎ やつがロトの剣を持ち出したのでしょう⁉︎」

    シンリュウ「それも、すべて、私のせいだ」

    カイザードラゴン「では! 竜王様自らが勇者にロトの剣を渡したとお認めになるのですかっ⁉︎」

    シンリュウ「そうではない。認めれば一族に災いがふりかかる。任せるものを間違えた。その責は私にあると言っておる」

    カイザードラゴン「ベビードラゴンの処刑を今すぐにご下命ください! 我らの憤りは万の言葉をもってしても解消できませんっ!!」

    シンリュウ「カイザー。いつも通り話すっぺ」

    カイザードラゴン「……」

    シンリュウ「ベビーはたしかにやらかした。んだども、なんとか、生かしてやっておいでぐんね?」

    カイザードラゴン「アホぬかせぇっ! そったらこと認められっかあっっっ!!」

    シンリュウ「おめぇらの憤りもわかる。でも、でもな? あいつのポテンシャルは、一族の誰よりだかいのよ」

    カイザードラゴン「そっ、そったらこと」

    シンリュウ「魔族は全体的に、世代交代するにつれてどんどん弱体化してってる。魔王様もお気づきのことなんだろうけどな」

    カイザードラゴン「それがなんだっていうんだ! 人間より弱くならなきゃいいでねかっ!」

    シンリュウ「わだすも同意見。だけんど、勇者っていう強力な個体がいる今、ちょっと不安。ちょっとだけな?」

    カイザードラゴン「たかがにんげんだっ!!」

    シンリュウ「それもそう。実際に力比べしてくりゃよかったと今になってさ、思うんだ。サキュバスが怯えきってるのがどーにもひっかかる」

    カイザードラゴン「淫夢族など! 力はあまり強くないでねぇかっ!」

    シンリュウ「ふふっ、わたすも死ぬと決まるまではなにからなにまでおんなじこと思ってた。ベビーは生きさせてあげてよ」

    カイザードラゴン「……りゅ、竜王様……っ!」

    シンリュウ「あの子が成長するまで、見守ってあげで。それが、一族のためになるがら」

    カイザードラゴン「ば、ばかなっ!」

    シンリュウ「呑んでくれれば、次期竜王選出なんで形だけでカイザーを指名してあげる。……遺言、聞いてくれるよな?」

    カイザードラゴン「そっ、それでいいのか……大罪人になって、同族からツバをかけられるぞ」

    シンリュウ「しかたねぇっぺよ。どうせ死ぬんだ。なにも怖いものなんかねぇ。屈辱は耐えればいい」

    カイザードラゴン「……バカな王だ……」

    595 :

    【数時間後 宿場】

    勇者「ふぅ~、着替え完了っと。パーティメンバーどもはまだ道草くってんのか」パンパン

    店員「あれ見たかよ! なんでも勇者様がこの国にいるらしいぞ!」ザワザワ

    勇者「……」ササッ ピトッ

    おじさん「でも、兵達が現場についたら盗賊団の一味しかいなかったって噂だけど。行列作って表通りを連行されてたじゃないか」

    勇者「(よしよし、ちゃんと捕まえたみたいだ)」

    店員「勇者様がいるのに疑う余地なんかないだろ。だって、光の柱があったんだから――」ザワザワ

    勇者「うーん、どうしたもんか。このままノコノコとでてってパレードなんて開かれてもな。かといってこのまま消えちゃ鏡を探し出せてないし」

    コンコンッ

    勇者「おっ、ようやく帰ってきたか。今あけるよ」テクテク ガチャ

    占い師「……」

    勇者「あれ、お前――」

    占い師「勇者は、どこだ」

    勇者「うぅん、ごほん。……勇者? 誰だそれ? 人違いだよ」

    占い師「嘘をつくな。マーキング反応が……っ⁉︎」ギョッ

    勇者「マーキング? そんな犬猫じゃあるまいし」

    占い師「……お前か……オマエが、勇者か……?」シュゥゥゥ

    勇者「(なんだ、息が、できない)」

    占い師「剣は、どこだッッッ!!」

    勇者「かっ、かはっ、剣なら、背中に」キラン

    占い師「……なんだ、その色はッ⁉︎ 剣は禍々しい紫だったはず、純白に輝いて……ハッ⁉︎」

    シンリュウ『あれは多くの魔物の血を吸ってる。勇者が抜ぐど浄化されんのよ』

    占い師「(間違いない……! こいつが、勇者……!)」

    勇者「今度は俺じゃなくて、剣が、有名人か?」ガクッ

    占い師「――どっちもに決まってるだろうがクソやろおおおおおッッ!!」ゴゴゴゴゴッ

    勇者「おっ、息ができるようになった」

    占い師「魔王様にッ!! 竜王様にあだなす勇者めっ!!」ギロッ

    勇者「俺、なんかした?」

    占い師「ぬぅぅぅっ!!」ゴゴゴゴゴッ

    勇者「ちょっとストップ。ここでおっぱじめるの? 一般人多いから場所移さない? 日中だし」

    占い師「しるかぁぁああああっ!!」

    勇者「あぁそうかよ。だったらちょっと痛いけど我慢しろよ」シュン

    占い師「……ッ⁉︎ き、消えッ⁉︎」

    勇者「ふっとべ」ズパァァァァァンッ

    占い師「ぎゃぅッ!」バコーーン ヒュー

    勇者「昨日の件といい。修理代だけで何万ゴールドとられるのやら……はぁ~」ガックシ

    596 = 15 :

    【クィーンズベル 郊外】

    占い師「ぬぅぅぅっ!!」スポン ポン ポポポンッ

    ベビードラゴン「――ぷはぁっ! ん、んだぁ? いまのパンチは……」キキッ

    勇者「おーーーいっ」ダダダッ

    ベビードラゴン「いてて……」パタパタッ

    勇者「おーーいってば~! 俺は空までサポートしてないんだよー! 降りてこいよー! じゃないと撃ち落としちゃうぞー!」

    ベビードラゴン「だれがおめぇの言う通りになんかすっか! くらえっ! 火炎の――」

    勇者「ライデイン」ピュン

    ベビードラゴン「わっ⁉︎」バサッ

    勇者「ホッホッホッ。あなたにこのフリーザ様のデスビームを避けられますかねェ」ピュン ピュン

    ベビードラゴン「ちょっ⁉︎ まっ! っとぉっ! わぁっ!」バサッバサッ

    勇者「ほぉ、避けてるってことは稲妻の速度が見えてるのか。すげーじゃん。今まで出会った中でお前がはじめてだ」ピタ

    ベビードラゴン「はぁっ、はぁっ、お、おわった……?」

    勇者「ライデインver.2」バチ バチバチィ

    ベビードラゴン「な、ななななっ⁉︎」

    勇者「ここまで私をコケにしたのはあなたがはじめてですよ……ジワジワとなぶり殺しにしてくれるっ!!」クワッ

    ベビードラゴン「な、なんだかわかんないけど、火炎の息ッ!!」スゥゥゥ

    勇者「フバーハ」ポワァ

    ベビードラゴン「ばかめっ! これは魔法なんがじゃねぇっ! 耐火魔法でふせげると思うなよっ!!」ゴォォォッ

    勇者「そ、そうなん? え、じゃあ、どうしよ。しまった。フリーザも変身前にやれって誰かが言ってたの。先手必勝の教えを活かせなかった」アタフタ

    ベビードラゴン「(かっ、勝った! 骨まで溶けておしまいだっ!!)」ボォォォォッ

    勇者「えーと、とりあえず、格好だけでもつけとくか」スラァ

    ベビードラゴン「しねぇっ!! 勇者ぁっ!!」

    597 = 15 :

    勇者「ほいっ」ブンッ

    ――シュパァァァァァン――

    ベビードラゴン「……え?」ブシュゥ

    勇者「お、おぉ……マジかよ」

    ベビードラゴン「な、なんだ、今のは」ヒュー

    勇者「(俺が聞きてえよ。この剣は……離れてる相手を切るとか斬撃が飛ぶとか、そんなチャチなもんじゃねぇ……炎を、まるごと“空間を切り裂いた”……?)」

    ベビードラゴン「あぅっ」ドサッ

    勇者「なんというチート。こんなもん使って歴代の勇者は戦ってきたの? そら勝てるわけじゃん。こりゃ封印たな」チャキン

    ベビードラゴン「……うっ、く、ぐぞぉっっ!」ググッ

    勇者「ちょいまち。結構パックリ切れちゃってるだろ。今回復してやっから。ベホマ」ポワァ

    ベビードラゴン「か、回復なんかすんなぁっ! おめぇ、魔族の誇りに泥をぬって辱めようというんだな! さすが勇者汚い!」

    勇者「褒めてるのか貶してるのかよくわからん」ポワァ

    ベビードラゴン「やめっ、やめろぉぉぉっ」ジタバタ

    勇者「治してるそばから傷口開いてるじゃねーか」

    ベビードラゴン「オラは、剣を持って帰って、竜王様を……!」

    勇者「あ? なんだ、剣がほしいのか? なら最初から言えばいいのに」カチン パチン

    ベビードラゴン「……?」

    勇者「ほら。持ってけ」ポイ

    ベビードラゴン「え」ポカーン

    勇者「それは危ねぇわ。持ってても使わないからあげる」

    ベビードラゴン「えぇっ⁉︎」

    勇者「なぁなぁ、さっき息できなくしたのどうやったん? 火炎の息よりもアレメインに使った方がいいと思うよお前」ポワァ

    ベビードラゴン「いや、アレは。まわりの空気吸って、真空にするっていう」

    勇者「あー! なるほどね! 竜族の肺活量ならではってわけか! やばいね! 俺だって酸素吸わなきゃ死んじゃうし!」

    ベビードラゴン「あの……ほんどにいいのけ?」

    勇者「なにが? 剣? うん、いいよ」

    ベビードラゴン「だ、だども」

    勇者「気にするなって! 困った時はお互いさまだろ!」

    ベビードラゴン「いや、そうではなぐで。魔族がニンゲンにもらって帰ってぎだって知られたら」

    598 = 15 :

    勇者「あー、そうな。かといって死んであげるわけにゃいかないしなぁ」

    ベビードラゴン「おめぇ、つ、強いんだな」

    勇者「勝負じゃなくて武器の性能だろ。ガキでも勝てちまうわ」

    ベビードラゴン「ほどんど遊んでただろ。それぐらいわかる」

    勇者「お前もちゃんとしたとこ見せるまでやれなくてすまなかったな。実力確認する前に終わるとは思わんかった」

    ベビードラゴン「サキュバスにも、勝ったんだっぺ?」

    勇者「あのグラマラスなおねーさん? 記憶がほとんどなくてねぇ……治ったぞ」

    ベビードラゴン「……」サスサス

    勇者「仕切り直しでもういっちょやる?」

    ベビードラゴン「できれば――」

    勇者「よしきた、それじゃあ」パンパン

    ベビードラゴン「――ニンゲンの浅知恵を貸してくんろ」

    勇者「あぁん?」

    ベビードラゴン「こうなりゃ恥やプライドも捨てる竜王様をとにかく、助けてぇんだ。ニンゲンはコソコソやるのが好きなんだろ? そうだっぺな?」

    勇者「なにがあったんだ? 魔族が人間に縋るなんてよっぽどだろ。しかも、俺ってば勇者よ? ひどい裏切り行為なんでない?」

    ベビードラゴン「うっ……!」

    勇者「悪かった悪かった。詳細話してみろ」

    ベビードラゴン「(ほ、本当に、話していいんだべか。竜王様、きっとすごくお怒りになる。魔王様も、オラを許してくんね。で、でもっ)」

    勇者「……」

    ベビードラゴン「(こ、こいつには、本気でやっても勝てそうにない気が、する。たぶん、勝てない)」

    勇者「どした?」

    ベビードラゴン「に、にんげんよ」

    勇者「なんだね?」

    ベビードラゴン「こ、この場のやりとりは、墓まで持っていくと、約束するか?」

    勇者「なに? そんなに大それた話? よっぽど必死なんだな。会ってすぐのやつに縋るなんて」

    ベビードラゴン「時間がないのだ! 時間があれば、お前なんかに……!」

    勇者「わかった。約束する」

    ベビードラゴン「よ、よし。ならば、あとで魂の契約を交わせるか?」

    勇者「えぇ~なにそれ」

    ベビードラゴン「口約束なんか信用できっか!! できないなら喋らねぇど!」

    勇者「いや、お前が……まぁ、いいよ。話が進まないから」

    ベビードラゴン「よ、よし。本当だな? やっぱりやーめたっとか無しだかんな?」

    勇者「はいはい」

    ベビードラゴン「――……実は、かくかくしかじかで」

    599 = 15 :

    勇者「剣間違えて持ってきちゃったんだ? てことはだ、正規ルートでいけばラスボス手前とかの最強アイテムが序盤も序盤で手に入ったみたいな?」

    ベビードラゴン「うぅ」シュン

    勇者「お前人間の姿のままでいたら? 元に戻ると本当マヌケじゃん。喋り方もなんだか訛ってるしさぁ」

    ベビードラゴン「そったらことどうでもいいだろ! 剣持ち帰っただけじゃ! きっと魔王様は持ち出した失態を取り消しはしねぇっ! 竜王様が死んじゃう!」

    勇者「俺に勝って持ってきたっていうのもなぁ」

    ベビードラゴン「騙せるのは何匹かいるかもしんね。魔王様は心の奥の奥まで見通すお方だ。肝心のあのお方を納得させるプランでねぇと」

    勇者「そんなに大事か? 竜王ってのは」

    ベビードラゴン「命よりも、誇りよりも、なによりも大切なお方だっっ!!」

    勇者「そうか。じゃあ、取り引きしないか。魔王への伝言を頼みたい」

    ベビードラゴン「伝言?」

    勇者「俺は、勇者やめたがってる。そう伝えてほしいんだ」

    ベビードラゴン「そんなウソついて。なに企んでるかしんねぇけど信じるもんか」

    勇者「いや、信じさせる妙案を思いついた」

    ベビードラゴン「……」ジト~

    勇者「どうする? 乗るか乗らないかは決めていいよ」

    600 :

    実は魔王も魔王やめたがってたりしてな


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