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    元スレ少女「コミケ行くので泊めてください!」男「は……?」

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    801 = 1 :


    「いや、やめておくよ。シガラミも多そうだし」


    「そういえば、お前。……やっぱり、死神やお前たちが、排除したのか?」

    「二日目の。チケット組が多く、大手が早々に全滅させられた、その原因は」

    友人「……気になりますかな?www」

    「…………」

    「いや。やっぱり、やめておくよ」

    「何も知らない、部外者が。クビを突っ込むのは、傲慢すぎる」

    「COMIKEは俺一人の掌に乗っかるほど小さくはないだろうからな」

    友人「んんwwwまあ、機会があれば話すこともあるかもしれませんなwww」

    802 = 1 :



    ――東館 ホール内

    「そしてココが、当のホール……」


    警備員「ホールは閉鎖中です」ヌッ


    「どわあっ!?」ギョッ

    警備員「イベント開催期間以外は立ち入り禁止ですよ」

    友人「んんwwwこれは申し訳ないwwwwww」ペコ


    「いい歳して怒られちまった……」

    友人「郷に入っては郷に従えwwwいつまでもCOMIKE気分で入ってはいけませんなwww」

    803 = 1 :



    ――ビッグサイト 東館外 トラックヤード

    友人「ここからさらに進むと、八つある東ホールの、7つ目と8つ目のある場所ですな」

    「このあたり、一日目や三日目は、行列が出来ていてスゴかった……」

    友人「東4,5,6に並ぶ列と、東7,8に並ぶ列がゴッチャになっていましたからなwww」


    友人「東7,8の二ホールは、前回のCOMIKE 91から実用化されwwwwww」

    友人「夏コミにおいては初めての運用でしたがwwwwww」

    友人「壁や柱のモロさや、行列の誘導も含め、まだまだ改善の余地はありそうですなwww」

    友人「でも個人的にはパンやお菓子や飲み物の自販機があるのがポイント高いですぞwww」

    804 = 1 :




    ザァー…



    友人「おや、少し雨がキツくなってきましたなwww」

    「屋根がある軒先に入るか」

    友人「我、この後も行動を予定しているのですがwww困りましたなwww」

    「バスかタクシーでも拾うしかないな」

    「それに、さっきまでは小雨だったし、また弱まるかもしれん」

    友人「ポジティブシンキングはタイセツですなwwwwww」

    805 = 1 :


    「そういや。南館、とかいう新しいホールがビッグサイトに出来るというのは、本当か?」

    友人「ああwww西2ホールを工事中にして造っている、アレですなwww」


    友人「正面から見て、西館の向こうに、新たなホールが建つ予定でwww」

    友人「逆三角形から直通のルートも設置するとかナントカwwwwww」


    「なるほど……。その南館とやらが出来れば」

    「サークル配置や、行列なんかの事情も、また変わってきそうだな」

    友人「有開のCOMIKEはビッグサイトと共にありwwwwww」

    友人「ビッグサイトが変わるにつれて、COMIKEもまた、新たなカタチに成長していきますなwww」

    「…………」

    806 = 1 :



    「……“成長”、か」

    友人「んん? どうかしましたかなwww」

    「ああ。いや」


    「少女のことを思い出していた」



    友人「……少女氏ですかwwwまだ昨日のコトだというのに、懐かしいですなwww」

    「そうだな。……アイツが俺のところに来たのは、本当に突然だった」

    「話したっけか。COMIKEが始まる一日前、突然俺の家に来やがったんだよ」

    807 = 1 :



    「それから三日間は、本当にあっという間だった」

    「アイツに引っ張られ、COMIKEにやって来て」

    「色々あったが……。まるで夢のような時間だった」

    友人「んんwwwそれは我にとっても同じwww」

    友人「すべての参加者にとってのハレの日というのが、COMIKEの理念の一つですからなwww」


    「……結局アイツは、誰だったんだろうな」

    友人「おや。男氏も知らないのですかな?」

    「ああ。アイツは、自分からは、ほとんど何も話さなかった」

    808 = 1 :



    「だけど一つ、こうじゃないか、と予想している結論はある」

    友人「……聞かせてもらえますかな?」

    「…………」


    「アイツは、なぜか俺のコトを以前から知っているような口ぶりだった」

    「アイツは、ネットスラングなんかも把握がマチマチで、ヤケに知識が中途半端だった」

    「アイツは、繋がらないと言って電話を使おうとしないわりには、音楽再生はケータイに頼っていた」

    「アイツは、COMIKEが無いところから来たと言っていた」

    「そして。……アイツは何故か、今回手に入れたモノと同じ、チャームを既に持っていた」

    809 = 1 :



    友人「…………」


    友人「……それは」


    「ははは、荒唐無稽な結論だろう?」

    「だけど。そうとしか思えなくてな」

    友人「んん。“すこしフシギ”な、世界ですな」


    「……でも、だとしたら、少し気にかかる」

    「アイツのあの後だ」

    810 = 1 :



    友人「んん? そのまま元いた場所に帰っていったのではないですかな?」

    「それはそうだろうが……。アイツは一つだけ、自分のコトを話してくれた」

    「アイツは、雨の降り続けるところからやって来た、と言っていた」



                ザァー…



    「そう。ちょうど、こんな風に」

    友人「雨……? だとしたら、たしかに特殊な場所ですが。それが何か?」

    「アイツの“ふるさと”は、ヒトが出歩けないほど危険な“雨”が降る場所だそうだ」

    811 = 1 :



    友人「…………」

    「それにアイツは、高雄山で正体不明の特殊部隊にも襲われた」

    「COMIKEに耐える体力とか、足の裏のマメとか、やけにカラダを鍛えているフシもあった」

    「……アイツの正体を合わせて考えると」


    「アイツの“ふるさと”っていうのは……」

    「アイツが生きてきた人生っていうのは……」


    「いったい、何なんだろうな」

    友人「……我らには測りかねる。想像するしかありませんな」

    「……そうだな」

    812 = 1 :



    「ああ、そういえば。測るどころか、一つだけ、まったくわからないコトがある」

    友人「んん? なんですかな?」

    「アイツが呼んでいた、COMIKEの言い方だ」


    「ココで三日間行われているのは、“COMIKE”だろう?」

    友人「んん、そうですな」

    「だが、アイツは初め、この催し物を“コミケ”と呼んでいた……」

    「しかも、東京とか、有明とか、俺たちも知っているようで違う単語を口にしていた」


    「この違いは、いったい何なんだ?」

    813 = 1 :



    友人「たしかに、単なるイントネーションの違いと、流すのも不自然なハナシ……」

    「COMIKEとコミケは、同じモノではないのか?」

    「俺はコミケなんて聞いたコトが無い。何か違いが、決定的な差が、あるのか?」


    友人「……。……それでは、こういうのはどうですかな」


    友人「“コミケ”と“COMIKE”、それはたしかにどちらも存在する」

    友人「ただ、世界にどちらが存在するのかという、可能性の違いなのだと」

    「おいおい……。そりゃあ、もう“すこしフシギ”の枠を超えちゃあいないか?」

    友人「……ですなwww運命探知の魔眼でも無ければ証明のしようが無いwww」

    814 = 1 :



    「でも……。だとしたら」


    ザワッ ザワザワ…


    「たとえ少女の戻ったところは決まっていたとしても」

    「俺たちの未来は決まっちゃいない」


    友人「……もし、我らが、楽しく、アツく、“COMIKE”を続けていれば……」

    「ああ、そうだ。……アイツは、また来てくれるかもしれない」

    友人「んん、なるほど。ならば我らも恥ずかしい姿を見せていられませんな」

    815 = 1 :



    「……ああ、そんなハナシをしていたら」

    「この三日間の出来事が、本当に夢の中の出来事に思えてくるよ」

    友人「…………」

    「この静かなビッグサイトにいると、なおさら」


    「アイツは風のようにやって来て、大騒ぎして、嵐のように去っていった」

    「アイツは何一つ残さず去っていった」


    「アイツとの時間は……。本当にあったんだろうか、って」

    816 = 1 :



    友人「…………」

    「本当は、全部俺が見ていた、夢だったんじゃないかって」

    「はは。少女の奴が、もういないから、余計にな」

    「……たしかに。この目で、この耳で、この手で、触れ合ったハズなんだがな……」


    友人「……そういうコトなら、一つあるのではないですかな」

    「……え?」

    友人「少女氏が、我らに残した、たしかにソコにいたという証拠が」


    友人「二日目の待機列を覚えていますかな」

    817 = 1 :



    「……!!」

    「あ、あの。動画か……」

    友人「そう。ほら、再生してみるといいですぞ」ポチ



    『やれる!! 気持ちの問題だっ、ガンバれガンバれ、そこだァ!! そこで諦めんなァァ!!!』

    『ゼッタイにガンバる積極的にポジティブにガンバるガンバるゥッ!!』



    「…………」

    友人「いやあ、熱血少女ですなあ」

    818 = 1 :



    「……そうだ。昨日の今ごろも、ココで……」

    「……アイツは、本当にいたんだな」

    友人「そうですぞ。そしてこの記憶は、きちんと彼女の中にも、刻まれているハズ」

    「そうか……」


    「アイツのコトを考えて、心配していても、悩んでいても、仕方ない。か……」

    友人「そうwww少なくとも、少女氏は、そのように生きていたwww」

    友人「諦めない、絶対できる、とwwwwww」


    「……だとしたら、俺が立ち止まっているワケにはいかないな」

    820 = 1 :



    友人「そういえば我も、男氏に訊きたいコトが一つありますなwww」

    「……? なんだ」

    友人「我はモチロン、今回のCOMIKE、エンジョイさせてもらいましたがwww」


    友人「……楽しかったですかな? この三日間は」


    「……ああ、そうだな。こんなコト言うのは、ガラでもないが」


    「―――すごく、すごく。楽しかったに決まっているだろう!」


    友人「んんwwwwwwならば良かったwwwwww」

    821 = 1 :



    「……さて、そろそろビッグサイト探検もお開きにするか」

    友人「そうですなwwwCOMIKEの後のビッグサイトの写真も、十分に撮れましたぞwww」

    友人「少女氏がまた来た時に、見せられるモノがまた一つ増えましたなwww」

    「……! お前……」

    友人「……んんwwwでは、そろそろスイカに行かなくてはwww」


    友人「四日目のスイカや鯱には待機列もできるwww早く行かないと、完売してしまいますなwww」

    「……待てよ。俺も付き合う」

    友人「んん!?www男氏も買い逃した頒布物があるのですかなwww」

    「そうじゃないが。この三日間の、お前への、お礼のようなモノだ」

    822 = 1 :


    友人「……そういうコトなら、ありがたくwwwwww」

    「COMIKEはまだまだ終わらないな」


    友人「んんwwwそれでは、スイカと鯱で、薄い本の数々が我を待っていますぞwww」

    友人「そして創作意欲を得たら、次は冬コミにサークル申し込みしなくてはwww」

    「もう冬コミの申し込みをするのか?」

    友人「郵送申し込みは水曜、ネット申し込みは木曜までの期限ですぞwww」

    「へえ。ずいぶん余裕が無いんだな」

    友人「そうですなwww何しろ冬コミは、あと百数十日後www」

    友人「土日は二十週ほどしかありませんからなwwwwww」

    823 = 1 :


    「……そうか。なら、急いで申し込まないと、だな」

    「たしか申込書が必要なんだろう? もう買ったのか?」

    友人「むろん、一日目のサークル参加の時に買ってきましたなwww」

    「抜かりの無いコトだ」


    「とにかく。冬コミに出す本も、楽しみにしているとするかな」

    友人「んんwww当選できたら、のハナシですがなwwwwww」




    「…………」ピタ

    825 = 1 :

    後日談は以上になります。
    これにて、本当の本当に、更新を終了とさせていただきたいと思います。

    HTML化依頼はこのあと申請してきます。
    皆さん、お疲れ様でした。

    827 :



    余計な情報もないしいい余韻だった

    828 :

    本当に少女の設定がひたすらに無駄だったな

    829 :


    妹可愛い

    830 :

    おつ

    832 :

    コミケの言い方が違う時点でパラレルな予感はしてた
    まあそのへんも含めて謎が謎のままで考える余地があってよかったです

    833 :

    乙、いい話だった


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