元スレ提督「墓場島鎮守府?」
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101 = 1 :
船員「お前もだ! 早く降りろ!」グイッ
大淀「きゃっ!」ヨロッ
電「お、大淀さん!?」
吹雪「ちょっと、何するんですか!? 大淀さん、大丈夫ですか!」ガシッ
船員「よし、早く船を出せ! こいつは後で使えよ!」ポーイ
不知火「? また何か投げて寄越しましたね」パシッ
鍵の束 <ジャランッ
如月「? なあに、それ?」
不知火「これは何の……」
提督「寄越せ不知火」グッ
拘束された艦娘「……」
提督「たぶん、こいつのだ」
カチャ カチャ カチャ カキンッ
提督「けっ、余程こいつに近づきたくないらしいな、連中は」
電「拘束具の鍵……ですか?」
カチャカチャカチャ カキンッ カチャカチャ カチン
カチャカチャ チャキン カチャ カキンッ
102 = 1 :
拘束された艦娘「……」ギシッ
提督「待て。もう少しだ」
カチャ シュルシュル カチャカチャ
カチャ シュルシュルシュルッ
提督「よし。もういいぞ」
拘束された艦娘「……」スクッ
バッ バサバサバサッ
拘束された艦娘→神通「……」バサッ
如月「じ、神通さん……!?」
吹雪「ど、どうして神通さんがあんな風に拘束されてたんですか!?」
神通「……」キョロ
神通「……」ジャキッ
由良「さっきの船の方に主砲を……まさか!?」
電「待っ……!」
ドンドンドンドンッ
電「……って、くれなかったのです……」タラリ
103 = 1 :
神通「……」シュウウ…
提督「で? 当たったのか?」
不知火「は、はい。命中してます……いまのところ航行には問題ないようですが」
提督「そうかい、そいつは残念だ。沈んじまえば良かったのに」
朧「そんなのんきなことを言ってる場合じゃないと思うんだけど……!」
神通「……」
電「はわわわ……い、いったい神通さんに何があったのです?」
神通「……」ジッ
提督「……ん?」
神通「……」コツ コツ コツ
神通「あなたが、この鎮守府の提督……准尉ですね」
提督「おう、そうだが?」
神通「……死んでください」ジャキ
如月「!? し、司令官危ない!」バッ
不知火「司令、お下がりください!」バッ
104 = 1 :
吹雪「し、司令官!? いったい何をしたんですか!」
提督「知らねえよ、初対面だぞ」
朧「……絶対どこかで恨みを買ってそうなんだけど」ボソ
提督「ああ、そりゃわかんねえな。で……いきなり死ねときたか。神通っつったな、これがお前の望みか」
不知火「神通さん。司令を撃つ理由はなんですか」
神通「……」ギラッ
不知火「……!」ゾクッ
不知火(い、いけません……この人は、強さの、格が違いすぎます……!)マッサオ
提督「別に撃ちたいんなら撃っていいぞ、撃つ理由があるんならな」
神通「……!?」
如月「司令官!? 何を言ってるの!?」
提督「そん代わりふたつほど頼まれろ」
提督「ひとつはこの鎮守府の艦娘。こいつらの面倒を頼む」
不知火「し、司令!? 本気ですか!」
提督「ふたつめは、俺が憎んでる少佐を確実に地獄に落とせ」
神通「!」
提督「できるか? できるんなら撃て、できねえなら余所に行きな、手配はしてやる」シッシッ
如月「司令官!? そこでどうして煽るの!?」
105 = 1 :
不知火「や、やむをえません、ここは私が守ります! 如月は司令を連れて退避を!」ガタガタ
如月「何言ってるの不知火、あなたも膝が笑ってるじゃない! 司令官、早く逃げて!?」ユサユサ
神通「……准尉」
不知火「……?」
神通「……あなたは、少佐の部下ではないのですか?」
提督「部下。部下ねえ……ああ、そうだ。くそむかつくし認めたくもねえが、それは事実だ」
神通「……あなたは、少佐が嫌いなのですか?」
提督「ああ嫌いだね。キ○タマぶっ潰してやりたいくらい大っ嫌いだ」
神通「……!!」カァァ ジャキッ
不知火「司令! それはセクハラですよ!?」
吹雪「っていうかこんな状況で言うセリフじゃないですよぉぉ!?」ワタワタ
提督「あー? この程度でか? 面倒くせえ世の中だな」ハァ
電「司令官さん、こんなときに冗談がきついのです!」カァァ
提督「冗談? いうかよ、俺は本気だ。俺の人生の目標のひとつだぞ」
由良「本気だからって女性の前で言う言葉じゃないわよね、ね?」カァァ
朧「この人には言うだけ無駄かもしれませんよ」ハァ
如月(朧ちゃんも言うわね……)
吹雪(すれちゃってるなあ……気持ちはわかるけど)
106 = 1 :
提督「で、撃たねえのか、神通?」
不知火「ですから! 煽らないでください司令!!」
神通「……」
大淀「あの……神通さん、やめておきましょう? この人がどういう人なのか、もう少しお話を聞いてからでも遅くないと思います」
神通「……」
大淀「それに、仮にも駆逐艦二人に庇われてますから、そこまで悪い人とは思えません」
提督「おやおや……そいつはどうかね」アタマガリガリ
神通「……」スッ
不知火「い、命拾いしました……大淀さんありがとうございます」
大淀「ふふっ、どういたしまして」
107 = 1 :
今回はここまで。
109 :
乙。バイオレンスだな神通さん
110 :
流れからするとZのとこの在籍だったってことかねぇ<神通
111 :
神通さんの前に大淀さんが流されてきた理由を。
続きです。
112 = 1 :
* 執務室 *
提督「任務が遂行できなくなった?」
大淀「はい……私は、大本営の指針に疑問を持ってしまったんです」
如月「ど、どういうこと?」
大淀「私は大本営が設定した日々の任務の管理を担っているのは、みなさんご存知ですよね」
提督「らしいな。俺はよく知らねえが」
不知火「どんな鎮守府にも、任務遂行を担当する大淀さん、酒保を受け持つ明石さん、食堂を切り盛りする間宮さんと伊良湖さんが、配属されますが……」
朧「憲兵さんすらいませんからね、ここ」
吹雪「疑問を持った……って、何をしたんですか」
大淀「日々の任務の正当性と言いますか、正しいのかどうかがわからなくて、耐えられなくなってしまったんです」
不知火「日々の……と言いますと、敵艦隊の邀撃とかですか」
吹雪「あとは演習の勝利、装備の開発に、艦娘の建造と解体、あと……」
提督「待て。今、解体っつったか」
吹雪「え? はい、解体です。この前に艦娘を3隻建造する任務があって、作りすぎた艦娘を解体する任務があるんです」
提督「なんでわざわざ建造した艦娘を解体する必要があるんだ?」
吹雪「そ、それは……」
大淀「提督。そこです」
提督「あ?」
113 = 1 :
大淀「建造を繰り返し行うのは理解できます。建造技術の習熟度と練度の向上、及び、鎮守府の戦力の増強。重要ですよね」
大淀「では、解体は? 解体技術を高めるため? それはいつ役に立つんでしょう? 戦時中である今、その技術は必要でしょうか?」
大淀「任務の名目上は軍縮条約、としていますが、それが毎日発生します。それがわかっていながら、毎日建造を行う理由は?」
大淀「何のために艦娘を建造するのか? 条約があるのなら最初から建造しなくて良いのでは? そういった疑問が頭から離れなくなりまして……」
提督「それでお前は『不良品』と診断された、ってか」ペラリ
大淀「逐一不安そうな顔をしていては業務に支障をきたすから、解体も建造もできないところで働けと」
大淀「ここの鎮守府ならドックが半壊してるはずだし丁度良い、と、もといた鎮守府の責任者から推薦されたんです」
大淀「ですが、ドックは壊れてないみたいですね?」
不知火「先日修理……というより、新調したばかりですから」
如月「全然使ってないから新品でしょ?」
大淀「使って、ない……?」
提督「わざわざ艦娘作って戦わせたくねえからな。だから建造しねえ」
大淀「え!?」
提督「もっとはっきり言やあ、俺は人間のために戦うつもりもねえ」
吹雪「な、なんなんですかそれ!?」
電「司令官さん!? どういうことなのです!?」
114 = 1 :
提督「ただの逆恨みだよ。俺は人間が嫌いだ、だから人間の平和なんかどうでもいい」
大淀「で、ではなぜあなたは海軍に……」
提督「妖精と話ができるからだ。それで海軍で働いて欲しいと言われて素直に入ったら、あの糞少佐に勝手に敵視されて島流し食らってこのざまだ」
由良「じ、じゃあ、提督さんは着任してから海軍でなにもしてないの?」
提督「ああ、なーにもしてねえよ。妖精と話せるってだけで入れっつったり出てけっつったり……思い出したらむかついてきたぞ、くそっ」
提督「あと、お前ら助けたのもなりゆきだ。人間に使い捨てにされたのを見過ごせなかった……まあ、これも俺の自己満足さ」
朧「だったら……だったら、どうして司令官は朧を助けたんですか」
提督「あ? んなもんお前が一番わかってんじゃねえのか?」
提督「お前を助けたのは、うなされてた時に『まだ……朧は、まだ……』って呟いてたからだ」
提督「投げたり諦めたりしたやつは『まだ』なんて言わねえ。何かしら未練があるんだろ、だから助けた」
朧「……っ」
提督「それにしても吹雪。お前、任務のことに詳しいな」
吹雪「は、はい! 一応、一通りの教育を受けてきましたから!」
由良「吹雪ちゃんや電ちゃんは、初期艦としての訓練も受けてるの。どんな任務があるか、ある程度教えられているのよね、ね」
吹雪「そういえば司令官、この鎮守府の初期艦はどうしたんですか?」
提督「初期……? それなら、如月だが?」
吹雪電大淀由良「「「「えええええ!?」」」」
115 = 1 :
朧「そ、そんなこと、あるわけないですよ! 本当ならこの二人や、漣とかから選ぶはずじゃ!?」
提督「そんなルール知らねえよ。この島に飛ばされてから三か月、俺はここで妖精たちと轟沈した艦娘を埋葬しながら無人島生活してただけだぞ」
提督「本営も中将も俺のことは少佐に丸投げだ。その少佐のせいで生きてる艦娘は一人も送られてこねえ」
不知火「補足しますと、通信機器も不正に制御されていたため、少佐の鎮守府としか連絡が取れない状態でした」
提督「それで人間のために働け? 寝言言ってんのか! くそが!」
吹雪電大淀由良朧「」アゼン
提督「……とにかくだ。一番最初に鎮守府に来た艦娘を初期艦って呼ぶなら、そりゃあ如月だよなあ?」
如月「そうね。私が初めてよ? うふふ」
不知火(嬉しそうですね如月)クス
提督「ああ、ついでに言うと憲兵も来ねえぞ」
大淀「な、なぜです!?」
提督「ここにいる不知火以外の5人が轟沈経験あるからな。さすがの憲兵どももこの島で暮らすのは勘弁してほしいそうだ」
由良「も、もう由良たちは深海棲艦扱いなの!? あんまりだわ……!」
提督「轟沈した艦娘を鎮守府でそのまま保護しておくこと自体が異例中の異例とか言ってやがったし」
提督「ま、気にすんな。この鎮守府は轟沈した艦娘が滞在しても俺の責任にしときゃ問題ねえって話でケリを付けたんだからな」
不知火「司令。それはそれで責任重大なんですが、理解してらっしゃるんでしょうか……」
116 = 1 :
提督「話はそれたが、大淀、お前が疑問持ってるような任務は放っとけ。その辺の判断はお前らに任せる。つうか、お前の好きにしろ」
大淀「は、はぁ……」
提督「でだ、神通」
神通「……」
提督「お前、ずっとだんまりだが、お前はどうするよ?」
神通「……あなたが何を考えているのかが、わかりません。あなたは、この鎮守府をどうしたいんですか」
提督「そうだな……とりあえず、ここの艦娘がちゃんと生活できる環境を整えてやんねえとな」
如月「そのためには、出撃して、敵艦を邀撃して、戦果を報告しないとだめよ?」
提督「あまり気が進まねえが……人数も増えたしなあ。そうするしかねえか」
大淀「あの……それでしたら、任務を実行していただければ、本営から報酬が出ますよ」
提督「なに?」
大淀「吹雪さんからもありましたが、私が管理している任務には、敵艦隊の邀撃や、遠征任務の実施なども含まれます」
大淀「それらの任務達成による報酬で得られる高速修復材などは、艦隊のためにも確保したほうが良いかと思います」
提督「……高速? 有用なのか?」
如月「そうね、大破して入渠することになっても、すぐ直してもらえる特効薬みたいなものかしら」
提督「あるに越したことはねえってか……受け取る以上はある程度戦果を挙げとく必要もあるんなら、しゃあねえな。大淀」
大淀「はい」
提督「まるで物に釣られるみたいで意地汚く見えるが、お前にその辺の協力を仰ぎたい。頼めるか」
117 = 1 :
大淀「はい、もとよりこの鎮守府のために働くつもりです。これからよろしくお願いいたします」ペコリ
提督「ああ、こちらこそだ」
不知火「……」
提督「なんだ不知火、その目は」
如月「うふふ、素直な司令官を見てびっくりしたのよね?」
提督「俺はいつでも正直に生きてるつもりだがな」
不知火「……せめてTPOを弁えて、正直さを出していただきたいのですが」
提督「そんなもの俺の勝手だろ。それに勘違いすんなよ、俺たちが戦うのは人間のためじゃねえ。俺たち自身のためだからな」
如月「ええ、理解しているわ司令官」
電「如月ちゃんは司令官さんに優しいのです。なにかあったのですか?」
如月「それはもう、いろいろあったのよ?」ニコー
由良「ね、ね、なにがあったの? 教えてほしいな」
如月「ふふふ、ひ、み、つ、です」ニコニコー
吹雪「えっ、何ですかその意味深な発言! どういうことですか司令官!」ドキドキワクワク
提督「知るか」ギロリ
吹雪「しれいかぁぁぁん!?」ガビーン
朧「……本当によくわからない人」
神通「……」
118 = 1 :
今回はここまで。
120 :
続きです。
今回は神通さん編。
121 = 1 :
* 夜 執務室 *
提督「……」
扉 <コンコン
提督「おう」
神通「失礼します」
提督「……話があるって?」
神通「はい。昼間は失礼致しました……少佐のことでお話ししておきたいことがあります」
提督「ん、とりあえず座れよ」
神通「あの……お願いです。私に、少佐を討たせてください」
提督「……ああ、それは構わねえ」
神通「では……!」
提督「俺とお前だけなら、頑張ればやれるかも、とは思うがな。やろうと思ったらあいつらを道連れにしなきゃいけねえ」
提督「あいつらも人間のせいで酷い目にあってる。もう少し長生きさせてやりたい」
神通「……」
提督「だから今は、もう少し待ってろ、と言いたいとこだな……」
神通「……そう、ですか」シュン
122 = 1 :
提督「それに、夕方の定時連絡、聞いたろ?」
神通「はい、聞かせていただきました。最近少佐は鎮守府を留守にしていると」
提督「ああ、だから攻めようがねえ。おかげで今は赤城が全部泥をかぶってる」
神通「いつまで、もつんでしょうか」
提督「赤城がか?」
神通「はい……そして、あなたもです」
提督「……」
神通「あなたはあなたで、やる気をなくしている、という雰囲気と、爆発したくてしょうがない、という雰囲気が混ざっているように見えます」
提督「……」
神通「……」
提督「確かに、な」
提督「やっとこの前、少佐の鎮守府まで行くことができた。そのときにやれてりゃあ良かったんだがな……あいつらのその後を優先しちまった」
神通「……あの、あなたをかばったふたりですか」
提督「ん。察しがいいな、その通りだ」
提督「まあ、ぶっちゃければ、そればかりじゃねえんだ。今の、他人……つうか、人間がいない生活が快適だっつうのもある」
提督「周囲の目を気にしてイライラしてたガキの頃とは全然違って、予想外に楽なんだよ。不満は物資が少ないことくらいだ」
提督「俺としちゃあこのままおっ死んでも良かったが、それで少佐が喜ぶんなら話は別だ。奴への嫌がらせのために俺は生きてる」
神通「……」
123 = 1 :
提督「勿論ストレスはたまるさ。ただ、最近この島に漂着してくる艦娘の境遇の方が俺なんかよりも悲惨でな」
提督「俺と同じ、人間に嫌な思いをさせられた奴らだ。無碍にできなくてこうなった」
提督「お前もそういうクチだろ?」
神通「……」
提督「奴がお前をこの島に送り付けたのは、奴の部下である俺を始末させるためか?」
神通「……それは、わかりません」
提督「少佐の部下である俺を派手に殺せば、あれもお前を処分する理由ができる。そういう思惑がありそうな気がしたんだがな」
提督「逆にお前がこの島に馴染むようなら、俺と一緒に幽閉し、あわよくば全員体よくくたばれ、ってとこだろう」
神通「……」
提督「……」
神通「……」
提督「……で、神通も喋りに来たんじゃねえのか?」
神通「……聞いて、くださいますか」
提督「ああ。だから座りな」
* * *
124 = 1 :
神通「私は、3年前にF提督鎮守府へ配属されました」
神通「小さな鎮守府でしたが練度の高い艦娘が多く、またその艦隊の司令官であるF提督もとても良い方でした」
提督「F提督……」
神通「ご存知なのですか?」
提督「いいや、顔も知らねえ……が、事故死に見せて暗殺されたらしいって噂だけは知ってる。3か月前か?」
神通「はい……」
提督「深海棲艦と和平を結ぶ方法を模索して東奔西走していたところの船舶事故、ってのが本営からの発表だった」
提督「和平に反対してる奴らの仕業、って考えてんのか?」
神通「はい。そしてその事故は……F提督の鎮守府から、私を引き抜こうとした結果引き起こされた事故だと、私は考えています……!」グッ
提督「お前を……?」
神通「事故の知らせの直後、私は本営からの連絡を受け、輸送船へと案内されました。事故現場へ連れて行かれると思っていました」
神通「しかし、行き先はF提督のもとではなく、別の鎮守府……G提督の鎮守府でした」
提督「……」
神通「あの男は最低でした。暴力とモラルハラスメントで艦娘を支配しようとする気質の男でしたから」
神通「秘書艦を命ぜられた私は、暴力を振るわれたり不愉快な言葉を口に出されたりする前に、あの男の一挙一動を観察して対策しました」
神通「触られる前に席を立ち、卑猥な言葉を言われる前に違う話題を振り、秘書艦の立場を利用して業務を押し付けて椅子に縛り付け、遣り込めたんです」
125 = 1 :
神通「一番効果的だったのは、G提督の考えを言い当てることでした」
神通「あの男は、私が後ろを向けば私に触ろう、抱き着こうとしていました。それを逆手にとって、後ろを向いたままそれを指摘したんです」
神通「……それからは簡単でしたよ。あの男が考えているであろうことをそのまま口にするだけで、あの男は勝手に怯えて逃げ出して……」クスッ
神通「いつの間にか、私は他人の心を読むことができる、なんて言われるようになって……」ウツムキ
提督「今朝移送されてきたときのあの厳重な拘束具も、船員の態度も、すべてはお前を恐れて……か」
神通「F鎮守府に着任するより以前も、他の鎮守府で働いていたのですが、秘書艦になると決まって数週間後に転属を言い渡されていました」
神通「秘書艦になったときは、艦隊の業務を滞りなく進めるために、いろいろなことに気を配っていたんです」
神通「整理している書類の順番は決まっていますから、進捗度合によって適切な資料を提供したり」
神通「お茶を淹れるタイミングを計ったり、色目を使われそうになったら先手を打って牽制したり……」
神通「でも、しばらくするとみんなこう言うんです。『お前が怖い。考えていることをすべて見透かされているようだ』と……」
提督「……どいつもこいつも」チッ
提督「で、お前はそのG鎮守府からも追い出されたってわけか。せっかくお前が欲しかったってのに……むかつくぜ」
神通「そのG提督は今、病院にいます。私が、狂わせたんです」
神通「でも、後悔はしていません。G提督が少佐に電話をかけていたところを見つけたときから、私は復讐を決めていましたから」
提督「!」
126 = 1 :
神通「その時の電話で、F提督が亡くなったのち、G鎮守府への異動を手配したのが少佐だったことがわかったんです」
神通「G提督は、少し前にF提督鎮守府で私を見かけたらしく、そこで私に興味を持ち……私を手下に置きたいと少佐に持ちかけていました」
神通「戦争から利益を得ている少佐は、深海棲艦との和解を望むF提督たちを目障りに思っていたと聞いています」
神通「G提督は、少佐にF提督を殺してほしいとは頼んでいないと言っていましたが、定かではありません」
神通「ですが、利害の一致した少佐はこれを好機と見て、F提督と、彼に同調する関係者を消そうとしたんでしょう……!」フルフル
神通「私が、F提督と一緒にいたせいで……あの人が……F提督が狙われて……う、ううう……っ!!」ポロッ
神通「あの方は……この私を、好きだと……仰ってくださったんです……! 指輪まで、用意してくれて……なのに、なのに……っ!!」ポロポロ
神通「私は、F提督の、葬儀にすら……出ることも、かなわなかった……う、うう……あぁぁぁぁ……!!」
提督「……」ギリッ
* * *
提督「……」
神通「あなたは……冷静、なんですね……」グスッ
提督「冷静、ね……神通。俺が今、何を考えてるかわかるか?」
神通「? ……いえ……」
127 = 1 :
提督「俺は今、どうしたらいいかわからなくて悩んでる」
提督「俺は誰かをそこまで好きになったことがねえ。だから俺はお前にどんな言葉をかけるべきかもわからない」
提督「それに、少佐を討ちたいって気持ちだけはわかったが、その希望を今すぐ叶えてやることもできねえ」
提督「だからどうしようもねえな、って思ってたんだ。だから、お前が言うほど冷静なんかじゃねえよ……力になれなくて悪いな」
神通「……いえ、聞いていただき、少し、落ち着きました。ありがとうございました」
提督「とりあえず、だ。ないとは思うが、この鎮守府で艦娘同士で争う以外は何をしててもいいからよ。しばらくは適当にやってくれ」
神通「……わかりました。失礼いたします」ペコリ
パタン
提督「……」
提督「……妖精」
妖精「なにかな」ヒョコッ
提督「今回は……俺にできることはねえな」
妖精「……そうだね」
提督「……少しは、誰かの役に立てていた、って、気になって、まあまあ満たされた気になってたんだがな」
提督「久々だな。こうやって、歯痒い思いをすんのは」
妖精「……」
提督「……くそが」
・艦隊に、大淀と神通が加わりました
128 = 1 :
というわけで今回はここまで。
この時点で神通さんだけレベルが高いです。
駆逐艦勢、試練の時。
129 :
乙乙☆。
こっちのGが本編のFになるんかな?
130 :
今のところ、本編とこちらのスレ両方に出てきているのは以下の方々。
提督:准尉。本編ではスレ中盤に少尉に昇進。
中将:そのまま。
少佐:本編では大佐に昇進済み。
B提督:本編では部下B。
そのうち本編の中佐(X中佐)も出てくる予定。
今回は、部下AことA提督の鎮守府が舞台です。
131 = 1 :
* 1か月後 A提督鎮守府 *
霰「霰です」
満潮「満潮よ!」
A提督「来たか。おい、北上!」
北上「んあ?」
A提督「こいつらはお前に任せる」
北上「えぇ~? ……まあ、いいけどさ~」
A提督「よし、下がっていいぞ」
満潮「なにあれ、まともな挨拶もなし? 呆れた……私、なんでこんなところに配属されたのかしら」
霰「……」
北上「まー、あれだねー。あの人、結構忙しいからねー」
満潮「忙しいって言葉で片付けられる態度じゃないでしょ!? 何様のつもりよ!」
北上「司令官様のつもりなんだろーねー。ま、自由時間が増えると思えば、悪くないっしょー」
満潮「それでよく艦隊運営できるわね。感心するわ!」
132 = 1 :
霰「……」
北上「あー」
満潮「なによ!」
北上「……うざい」
満潮「はぁ!?」
北上「うざい。駆逐艦うざーい」
満潮「は、はああ!? なによ! あ、あんた何様のつもり!?」
北上「あたし? あたしは軽巡、北上様だよー」
満潮「うっざい!」ピキ
北上「はぁ?」ピキ
霰「……喧嘩……よくない」
満潮「なによ!」
北上「なんだよー?」
霰「……霰も、怒る……よ?」ギンッ
満潮「わ、わかったわよ……!」タジッ
北上「……ま、まあ、あたしも大人げなかったかなー」ポリポリ
霰「……ん……それより、任務」
満潮「そ、そうね……とりあえず、私たちは何をすればいいの?」
北上「んー、そだねー……」
133 = 1 :
* * *
明石「へー、初出撃で無傷ですか!」
北上「そだよー。結構見所あるみたい」
明石「二人とも良かったですね!」
霰「……嬉しいかも」ペコリ
満潮「ま、まあ、このくらい当然よ」プイ
北上「んー、ただねー、満潮は動きすぎ。攪乱のつもりだろーけど、自分からあたしの雷撃に当たりに行きそうな勢いだったしー」
北上「霰は逆に動かなすぎ。当たらないってわかるといきなり原速に戻すから、単縦陣だと衝突するかもねー」
北上「二人とも、連携と相手の動きを見るってところは問題ないけど、味方の動きが見えてないとこが問題かな」
霰「……!」
満潮「……」
北上「んー? なにさー、ハトが豆鉄砲食らったような顔してさー」プー
明石「北上さんは結構周囲を見てるんですよ? 魚雷の射線に味方が割り込まないように注意してるんですから」
満潮「……そ、それであの命中率なの?」
霰「すごい、当ててた」
134 = 1 :
北上「んー、まあ、近々重雷装巡洋艦に改装される話があってねー。北上様は名実ともに雷撃のスペシャリストになるんだよぉ」ニヘラ
北上「だから魚雷の扱いには詳しくならないと、だし。今じゃ明石とも協力して、一緒に新型魚雷の開発をしてるんだよねえ」
満潮「ふぅん……!」
北上「でもなかなかうまくいかなくてねー」
明石「酸素魚雷の開発も難しくて、もっと簡単な作りで威力のある魚雷を開発できないか、北上さんと共同開発中なんです」
北上「見た感じ、二人とも興味ありって顔だねー」
霰「うん……砲戦より、水雷戦ですよ……?」
北上「おー、いいねえ、しびれるねえ」ニヒヒ
満潮「……まあ、いいんだけど。だからって全員が全員魚雷だけ積むわけにもいかないんでしょ」
満潮「機動力を生かすなり夾叉で牽制するなり、とにかく当てないと、威力があっても意味ないじゃない」
北上「……へー」
満潮「……なによ」
北上「ちゃんと考えてくれてんじゃーん。えらいぞー」グリグリ
満潮「頭ぐりぐりすんのやめなさいよ! うざいわね!」
明石「……」
霰「……明石さん、元気ない?」
135 = 1 :
明石「え? い、いえ、そんなことありませんよ!」
霰「……」クビカシゲ
北上「んー、やっぱり元気なさそうに見える? 明石ってば、最近冴えがないよねー」
満潮「ちょっと北上さん!? まさか明石さんに無理させてないでしょうね!?」
明石「あはは、大丈夫ですよ! むしろ北上さんと開発してるときは、楽しくて疲れが吹っ飛んじゃいますから!」
北上「少し前も、装備がいきなり暴発したとか嫌な騒ぎがあって、そのときも明石は大忙しだったよねえ」
満潮「なによそれ! 物騒過ぎるわ!」
明石「まあ、原因も突き止めましたし、再発防止のために手は尽くしましたから……」
満潮「とにかく! 明石さんはしっかり休んでおきなさいよね! 私たちが出撃中に倒れたりしたら許さないんだから!」
北上「それ、駆逐艦が言う台詞じゃないよねー……」
明石「あはは……でも、ありがとうございます」
霞「私たちの姉妹艦よ? 挨拶もなくて、本当にいいの?」
朝潮「……はい。今の私たちには、証拠をつかむことが最優先事項です」
136 = 1 :
* 朝潮の回想 *
明石「裏帳簿……!?」
A提督「そうだ。これから金が必要になる。お前にその手伝いを頼みたい」
明石「そんなこと、できるわけないじゃないですか!?」
A提督「うむ。だろうな。ああ、別に構わない。協力を得られないなら、これから出撃する艦隊の装備に少々の手違いがあっても仕方ないな?」
明石「!?」
A提督「役立たずどもは解体する。修理よりもその方が得だ。そう思わないか?」
明石「……!」
A提督「艦娘というものは死にたがりが多いと聞くしな。戦場で散るなら本望だろう」
A提督「少しばかりその手伝いをしてやるというのも、おつなものかもしれんな?」
A提督「まあ、海に沈めるか溶鉱炉に落とすか、そんなことは微々たる違いだとは思うが……くくく」
明石「あな、た、は……っ!」ギリッ
A提督「ではな、明石。話は終わりだ」クルリ
明石「ま……待って!」
A提督「……」コツ コツ
明石「待ってください!」
A提督「んん? 何のようだ? 話は終わったぞ?」ニヤリ
137 = 1 :
* 朝潮の回想終わり *
朝潮「それまでは、他の誰にも接触しないほうが良いと思います」
霞「……わかったわ。下手に手伝うなんて言われても困るし、その方がいいわね」
霞「あの救いようのないクズは、私たちがなんとかしないと……!」
朝潮「はい。明石さんのためにも」
* 数日後 *
北上「じゃじゃーん、重雷装巡洋艦、スーパー北上様だよー」
霰「……おお」パチパチ
満潮「魚雷の発射管がいっぱい……重そうね」
北上「うん、重いよー。持ってみる? ちょー重いよー? 暴発するかもねー」ニシシ
満潮「え、遠慮するわよ!」
北上「そーぉ? いいけどさ~……明石もありがとね」
明石「いえいえ、ご協力できてなによりです。間に合って良かった」
北上「間に合って?」
明石「あ、資材が間に合って良かったなって意味です! あははは」
霰「?」
138 = 1 :
満潮「そ、それより、そっちの魚雷も気になるんだけど」
北上「あー、もしかしてそれ、この前作った新型の魚雷?」
明石「はい、それがですねえ……」
北上「あ、もしかして」
バンッ
憲兵「工作艦明石!」
明石「!」
満潮「な、なに!? なんで憲兵がここに!?」
憲兵「立て! 貴様にはこの鎮守府の金を横領した容疑がかけられている」
霰「え……?」
北上「ちょっと、明石!?」
明石「……大丈夫ですよ、北上さん。私は、大丈夫です」スクッ
憲兵「では、同行願おうか」
明石「はい」スッ
北上「明石!!」
明石「北上さん、少しだけ待っててください」
憲兵「! これはA提督殿」
明石「……え?」
139 = 1 :
A提督「明石、貴様ともあろう者が、失望したぞ……?」ニヤリ
明石「なぜ、あなたが、ここに」
A提督「……連れて行け」
憲兵「は。来い!」
A提督「……駆逐艦たちを使って鎮守府の金を横領した罪、どうやって贖ってもらおうか……くくく」
明石「!? まさか……」クラッ
憲兵「早く来い!」
北上「……」アゼン
霰「……」ボーゼン
満潮「……な、なんなのよ。何があったのよ!」
A提督「今言った通りだ。明石が駆逐艦2名と結託して、裏帳簿を作って金を横領していた。それだけだ」
A提督「残念だよ……こんなことになろうとは」
A提督「……うむ、北上。貴様は改装を終えたのか。丁度いい、今度貴様の力を見せてもらおうじゃないか」
A提督「ここにある魚雷、積めるだけ積んでこい。初仕事を与えてやろう」クルリ
コツ コツ コツ…
満潮「どういう、ことなのよ」
霰「……北上さん」
北上「……わかんない。わかんないよ」
140 = 1 :
ひとまずここまで。
141 :
海軍は憲兵ではなく特警な
143 :
>>141
ご指摘ありがとうございます。
次回以降修正します。
とりあえずA提督を掘り下げて描いてみたら
くっそ気に入らない奴になったので、
さっさとしまっちゃいましょう。
続きです。
144 = 1 :
* その日の夜 明石の工廠 *
北上「…………」
北上「なんでこうなるかなあ……」
北上「明石が……裏帳簿、なんて……」
北上「嘘だよね……嘘だよねえ……」
北上「はぁ……あたしの荷物、持ってかなきゃ」
北上「? なにこの手紙……明石の!?」
ガサッ ペラリ
手紙『北上さんへ』
北上「うわ、雑な字……急いで書いたの、かな」
『私が捕まったときのためにこの手紙を残しておきます。』
『私は、A提督から鎮守府のお金を盗むよう、指示されていました。』
『A提督は、艦隊のみんなに不良品の装備を持たせ、危険な状態で戦闘をさせています。』
『そして、その装備のせいで戦果を上げられなかった艦娘を、私に解体するよう命じています。』
『まともな装備を持たせたければ、艦娘を解体させたくなければ、私にA提督の悪事を手伝え、と……。』
『幸いにも、朝潮ちゃんと霞ちゃんが、A提督の悪事の証拠を掴んでくれました。』
『その証拠があれば、すぐにとは言えませんが、私も自由になれるはずです。』
『少しだけ、待っていてください。』
145 = 1 :
北上「…………」
『追伸』
『今回開発した丁型魚雷、爆風だけはすごいんですけど、』
『威力がてんでからっきしでした。次こそ、いいもの作りましょうね!』
『明石』
北上「…………」
北上「…………」クシャ
北上「…………」
146 = 1 :
* 二日後 太平洋洋上某所 *
* A提督所有 巡視船甲板上 *
特警1「A提督。なぜこのような場所へ?」
A提督「余所の艦が来ないような場所の方が良いと思ってね。雷撃処分とはいえ、流れ弾が他の艦隊に影響してはまずいだろう?」
特警2「然様でしたか……」
特警3「連れてきました」
(猿轡+両手両脚を縛られ引きずられてくる明石)
明石「……」ジロッ
A提督「うむ。では、これより3隻の雷撃処分を行う」
明石「!」
特警4「抵抗するな!」
朝潮「んーーー!」
霞「んぐうう!」
明石(朝潮ちゃん!? 霞ちゃんも!?)
特警1「艤装は外さないのですか?」
A提督「せめてもの情けだ。艦のまま沈めてやろうじゃないか」
A提督(艤装の中に証拠が残っていたらまずい。一緒に沈めてやらねばな)
A提督(わざわざこいつらが主犯として動いたように工作したんだ、念入りにしなければ)
147 = 1 :
A提督「では、始めよう。こいつらを海へ放り込め!」
特警2「はっ!」
明石「んんっ!」ガシッ
朝潮「んーーっ!(明石さん!)」
霞「んむうう!(離しなさいよ!)」
A提督「抵抗するな!」グイッ
ドボーン
A提督「次!」
朝潮「んー! んーーー!(明石さん! 明石さん!)」グイッ
ドボーン
霞「んぐ、ぐむーー!(朝潮っ!)」グイッ
ドボーン
霞(縛られてちゃ、まともに浮けないじゃない……!)
朝潮(明石さんは……!)
明石(……私だけならまだしも、この二人にまで罪をかぶせるなんて……!)
A提督「北上。やれ」
明石(!?)
148 = 1 :
(海上に立つ北上と、後ろに控える霰、満潮)
北上「……」
北上「……やるしか、ないのかねえ……」
霰「……」
満潮「……」
北上「……」
霰(あのお手紙の通りなら、A提督が明石さんに罪をなすりつけたことになる)
満潮(でも……A提督が怪しいのはわかっていても、証拠が何もないんじゃ、どうしようもない……)
北上「やっぱり、あたしがやるしか、ないんだろうねえ……」ジャキ
A提督「北上、重雷装巡洋艦の力、見せてもらおうじゃないか……中途半端な仕事を見せるようなら、わかっているな?」ニヤリ
北上「……」
霞(北上さんに撃たせるの!?)
朝潮(なんてことをさせるんですか……!)
明石(……北上さん……!)
北上「……片舷20門、全40門。うち四半分の10門を開放」
A提督「よし。さあ……撃て!」
北上「っ……あんたが……言うんじゃないよ」ギリッ
149 = 1 :
バシュバシュバシュッ
シュパーーーッ
明石(……せめて、彼女たちに当たらないように……!)グイッ
朝潮(明石さん!?)
霞(私たちをかばって!?)
ドォオーーーン
明石(ぐっ……!? 思ったより、ダメージが少ない?)
明石(もしかして!?)
北上「……更に10門を開放。発射……!」バシュバシュバシュッ
シュパーーーッ
明石(ああ、あの魚雷は……!)
北上「……あたしに、やれっていうのなら……やってやろうじゃないの……!」
北上(失敗作の魚雷で撃って、沈めたように見せかける……)
北上(致命傷にならないように、魚雷が明石たちの前で接触、炸裂するように角度を調整して……)
北上(うまくいくかはわからない。でも、こうやって、3人が生き残るのを祈るしかないよね……!)
ドーーンドーーン
ドーーンドーーンドーーン
150 = 1 :
特警1「おお……」
特警2「凄まじい威力……!」
A提督「これが、重雷装巡洋艦か……!」
北上「……霰、満潮。魚雷、補充して」
霰「……」コクン
満潮「ええ……」ガシャッ
北上(こっちだって証拠は残さない。丁型魚雷はここで全部処分して……)
北上(明石たちが生き残っているなんて、絶対に思わせない!)
霰「……北上さん」
満潮「いい、わよ……!」
北上「……」ジャキ
A提督「な、なんだ? まだ撃つのか!?」
バシュバシュバシューッ
ドーーン
ドーーンドーーン
ドーーンドーーンドーーン
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