元スレ勇者「ハーレム言うなよマジで」戦士「5だぞっ!」
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201 = 1 :
勇者「っ、あの!すみません、手を」
「え?ああ、ごめんなさいあたしったら」
パッ
勇者「じゃあ、僕らはこれで失礼します」
スー勇者「……」ペコッ
「え?ちょっと、待って――……」
ダッ
「――むう、逃げられちゃった」
スタスタ
エジンベア兵「姫様!!」
「あら、どうしたの?」
エジンベア兵「どうもこうもございません!あのような下賤の輩に触れて……ご自愛を」
「んもう、おおげさね」
エジンベア兵「エジンベア勇者様から私どもが叱られてしまいます」
エジンベア兵「何卒好奇心はお抑えになられてください……――マーゴッド姫様」
マーゴッド「……エジンベア勇者は関係無いじゃない。あたしを怒らせたいのかしら?」
エジンベア兵「……」ペコ
マーゴッド「ふん、まあいいわ」
スタスタ
エジンベア兵「どうか下階を歩き回らずにお願い致します」
マーゴッド「わかっているわ」
スタスタ
マーゴッド「……――ふふ」
マーゴッド「さっきのあの二人、なーんか面白そうよね……♪」
202 = 1 :
今日はおしまいです
203 :
おつ
204 :
乙でございます
206 :
まだやってたのかこれ・・・(困惑
207 :
…………
スタスタ
ザッ
――望庭の広場――
勇者「ん、開けたトコにでちゃったね」
スー勇者「手がかり、ありませんですね……」
勇者「だなあ。歩けそうな所は一通り見回ったしね」
スタスタ
勇者「よいしょ。スーちゃんも腰掛けなよ。だいぶ歩き回ったから疲れたでしょ」
スー勇者「はいです」
ポスン
勇者「んー、どうしよっか……一旦街に戻って情報収集でもするかな」
スー勇者「それがいいかもです。このお城の中の人達、少し怖いです」
勇者「それじゃ、少しここで休憩したら戻ろうか」
スー勇者「あれ?」
勇者「ん?どしたの?」
スー勇者「いえ、あれ……」
勇者「あれ?……あっ」
マーゴッド「……」
勇者「さっきの人……うわあ、めっちゃ見てる」
スー勇者「もしかして、ずっと追ってきてたです……?」
勇者「かもしれない」
スクッ
勇者「スーちゃん、やっぱりもう街に」
マーゴッド「あら、お城を出てしまうの?」
勇者「ってわあ!!!音も無く近づいて来ないで下さいよ!!」
マーゴッド「ふふっ、ごめんあそばせ」
勇者「……何か用ですか?」
マーゴッド「それはこちらの台詞ではなくて?」
スー勇者「えっ」
マーゴッド「あなた方御二人は何をお探しなの?」
勇者「……」
マーゴッド「さすがに傍から見ても何かを探しているのは丸分かりよ?」
勇者「……」
勇者(……一応、見学しに来たって体で聴けば、大丈夫、かな)
208 = 1 :
勇者「あの、渇きの壷って御存知ないですか?」
マーゴッド「!」
勇者「えっと……噂に聞いて、一度拝んでみたくて。展示とかされてません?」
マーゴッド「……ふふー?」
勇者・スー勇者「「?」」
ザッ
マーゴッド「よろしい。あたしについていらっしゃい」
スタスタ
勇者「え……」
スー勇者「ご、ご主人様……どうするです?」
勇者「んー、一応付いてってみようか」
勇者(もしこの人が嘘を付いていて、怪しい僕達を兵に突き出すつもりでもきえさり草でなんとかなると思うし)
…………
――エジンベア城・通路――
ババッ
マーゴッド「……」
シュバ
マーゴッド「……よし、誰も居ないわね。行くわよ」
スタスタ
マーゴッド「渇きの壷はこの城の地下に保管されてるの。知らない人も多いけれどね」
勇者「……なんで隠れながら歩いてるんですか?」
マーゴッド「兵に見つかりでもしたら渇きの壷の場所まで辿り着けないからよ……よし、こっちも大丈夫だわ」
勇者「あの……まずい場所にあるんですかね」
マーゴッド「まずいワケじゃないけれど、見つかったら貴方達の首がとぶじゃない」
スー勇者「ひっ!」
勇者「怖い事いわないでくださいよ……それに貴女も」
ピタ
勇者「……」
マーゴッド「……どうしたの?」
勇者「……やたら、高貴そうな人だなとは思いましたけど」
勇者「貴女、もしかして」
マーゴッド「私が何かなんて、どうでも良い事ではなくて?」
スタスタ
マーゴッド「さ、ここから足元が暗くなるわ。お気をつけて」
勇者「……」
スー勇者「……」
209 = 1 :
――エジンベア城・地下――
スタスタ…
マーゴッド「~♪」
スー勇者「……」
勇者「……」チラッ
ヒュゥゥゥ…
勇者(……一応、逃げられるように警戒はしておこう。スーちゃんの手も握ってるし、いざとなったら)
コロン
コロコロ…
勇者「ん?」
マーゴッド「あら、いけない……また落としちゃった」
ヒョイ
勇者「……またリンゴ……はい。どうぞ」
マーゴッド「ありがとう」パシ
勇者「お好きなんですか?リンゴ」
マーゴッド「んー?……そうね」
ヒュッ
パシッ
ヒュッ
パシッ
マーゴッド「……これを見てね、思いついた事があるの。……それからずっとリンゴは持ち歩いているわ」
勇者「思いついたこと?」
マーゴッド「そう。この世界の成り立ちの事」
スー勇者「……世界の成り立ち?」
スタスタ
マーゴッド「あたし、結構な教育を受けてて……聖書なんてそれこそ穴が空くほど読み返したわ」
マーゴッド「でもそこでずっと疑問に思った事があったの」
勇者「聖書に疑問ですか」
マーゴッド「そ。“精霊神ルビスの世界創造”の項」
マーゴッド「昔はルビス様も一人の精霊だった頃があったっていうじゃない……この世界を作ったのはだいぶ最近だって」
マーゴッド「創造神ミトラ様、大地の神ガイア様、太陽の神ラー様、そしてそこにルビス様が加わった、ルビス様は神々の序列の新人だって」
勇者「らしい、ですね」
勇者(いきなり聖書の内容を話しはじめた……)
マーゴッド「でも、この大地を創ったのはルビス様でしょ?じゃあそれまでどこで暮らしていたのかしら?」
勇者「それは……精霊界じゃないんですか?精霊戦争が起きて、そこが滅んでしまって」
マーゴッド「じゃあ他の神様方は今はどこに行ったの?おかしいじゃない。もし神々がルビス様のように健在だったらこの大地を創ったのはミトラ様でもよくってよ?」
勇者「でもそれを言ったらルビス様だってどこにいるか分からなくないですか?」
マーゴッド「でも、加護は活きて、私達は生かされてる」
勇者「……」
210 = 1 :
マーゴッド「……ねえ、その後の項で記述されてる話があるじゃない」
スー勇者「…………“世界のはざ間の戦い”、です?」
マーゴッド「そう!それ」
マーゴッド「あの戦いでは、あらゆる世界を脅かした“災厄の王”と、あらゆる世界の神々が戦った。ルビス様もラーミアに乗ってそれぞれの世界を行き来して参戦したらしいわね」
マーゴッド「有翼の“星々の民”、空の上に住み人間の夢を司る“夢の民”、竜の一族……皆で力を合わせて無事に“災厄の王”は討ち倒された」
勇者「それが、聖書に書いてある筋書きですね」
マーゴッド「そしてその後にそれぞれの世界の復興を手伝って、ルビス様はそれぞれの世界でも神様になった……その辺りは別にいいわね」
マーゴッド「で、その“あらゆる世界をラーミアで移動して”って所でひっかかってね」
勇者「何がです?」
マーゴッド「……この世界って、ルビス様が作ったんじゃなくて、適当な世界に私達を作ったんじゃないかしら?」
勇者「……えっ」
マーゴッド「ではちょっと聞くわね」
スッ
ポロッ
コロコロ…
マーゴッド「……今のリンゴは、“なんで落ちたの?”」
勇者「え?なんで、って……言われても、落としたから、としか」
マーゴッド「なんでモノは落ちるのかしら?」
勇者「……そういう、モノだから……?」
勇者「一応、詳しく言うと、四元素の物質は回帰する力があるから……リンゴが地面に帰った、って事じゃ」
マーゴッド「ふふふっ……そうね。模範解答よそれが」
マーゴッド「じゃあもう一つ。この世界を船でどれだけ泳ぎ回っても果てに行く事はできません。何故?」
勇者「それは、船が落ちないようにルビス様が守ってるからって」
マーゴッド「それが通説ね、でもこんな説はどうかしら」
スー勇者「……大地が、丸いからです」
勇者「え?スー勇者ちゃん、なんて?」
スー勇者「この大地が、丸いからです……私達の村で、そう言われてるです」
マーゴッド「~~~~~っ」
ぎゅうぅぅっ!
スー勇者「ふあ!?」
マーゴッド「これだから田舎者は大好きなのよぉ~~~っ!!!」ギュゥゥゥ
勇者「え?この大地が丸い?」
マーゴッド「そう。この大地はまんまるなのよきっと」
勇者「そん、な……?ええぇ……?」
スー勇者「お空の星が、毎晩同じ方角を走るのも、関係があると言われてるです」
マーゴッド「それも理解してくれるの!!?あーんもう貴女すき!」ギュゥゥ
スー勇者「うー……」
勇者「え?星とこの大地がどう関係あるの?」
マーゴッド「多分、この大地が回ってるのよ」
勇者「ん……?ん?何?」
211 :
マーゴッド「つまり、ほら、このリンゴを見てごらんなさい?」
クルクル
マーゴッド「私のこの左手の握った手が太陽だとしたら、こうやって回ってるんだと思うの」
マーゴッド「だから星が、月が、太陽が回っているわけじゃなくて。私達がその周りを回っているのよ」
勇者「……?…………?」
マーゴッド「なによその間抜けな顔」
勇者「ごめんなさいいまいち納得しきれなくて」
マーゴッド「ま、こんな事大抵の人間は笑って流す説よね。……ルビス様を妄信してる人間達は。ね」
勇者「貴女は違うんですか?」
マーゴッド「少なくとも、何もかもをルビス様の手柄にしてルビス様のせいにするつもりはないわ」
マーゴッド「ルビス様の力が働いているのは、ルビス様が作った生き物と植物と建物だけ」
マーゴッド「原初のこの世界には、ルビス様の力は働いていなかった……そう思うの」
勇者「で、でももしさっき言ったのが本当なら僕らがここに立ってるのもおかしい気が」
マーゴッド「だから、さっきのリンゴの話になるわけ」
マーゴッド「大地がくるくる回っても私達が地面に居座れるのは……ルビス様の力じゃなくて。なにかの力の均衡の賜物じゃないかしら」
マーゴッド「この大地の底には、あらゆるものを引っ張る力がある。それは加護じゃなく、何かと何かの力の均衡、そしてこの大地の性質」
マーゴッド「……引力。それが働いてる」
勇者「……」
マーゴッド「っというのが私の考え。内緒よ?」
勇者「誰にも話さないですよ……」
スタスタ
マーゴッド「いままで何人かにこの話をしたけど相手にされなかったわ。只一人を除いてね」
勇者「信じる人が居たんですか?」
マーゴッド「そう。パp……エジンベアの王に謁見しに来た風格のあるおじいさんなのだけれど」
マーゴッド「王はその人を『田舎者』だと呼んで相手にしていなかったわね」
勇者「ひでえ話だよ」
マーゴッド「でもその“田舎者”はあたしの考えを肯定してくれたの」
マーゴッド「『それは一つの真理だ。辿り着いているのはほんの一握りである』ってね」
勇者(ほんの一握りって……本当に他にも居るのかな)
――――――――――――
――女勇者一行の船の中――
遊び人「くしゅんっ」
武道家「やだ、風邪?大丈夫?」
遊び人「ん、大丈夫よ。ごめんね」
――――――――――――
マーゴッド「だから、あたしは田舎者が面白くてだーいすきなの」
ぎゅぅぅ
マーゴッド「このコみたいなね……♪」
スー勇者「ご主人様ぁ……」
勇者「あの、離したげてくださいな」
マーゴッド「あなたはつまらなくてそんなに好きじゃないわ」
勇者「そうすか……」
212 = 1 :
――地下の宝物庫――
勇者「……ここに渇きの壷が」
スー勇者「っ……」ゴクリ
マーゴッド「でも、ここ……ただの宝物庫じゃなくってね」
勇者・スー勇者「「え?」」
マーゴッド「簡単に物を持ち出せないように仕掛けがあるのよ。すっっっっごく難しい仕掛け」
マーゴッド「……でも、もしそれを解けたら、渇きの壷を手に入れられる」
勇者「……!」
マーゴッド「さっき言った田舎者のおじいさんも、実は“渇きの壷”を求めていたの」
マーゴッド「その時は田舎者のおじいさんにここを案内できなかったのだけれど……今回は案内できたわ」
勇者(……その仕掛けを解くしかないか)チラッ
スー勇者「……」コクッ
勇者「……入ってもいいですか?」
マーゴッド「どうぞ?」
勇者「…………失礼します」
ギッ
勇者(僕は……正直仕掛けを解いたりってのは苦手だ)
勇者(でも、そんな弱音はいちゃいられない!)
ギィィィ…!
勇者(進んでやる……渇きの壷を、手に入れてみせるんだ!)
ギィッ!!!
バターン!!!!
シーン…………
勇者「……」
スー勇者「……」
スラお「……」
ガラーン…
勇者「……何もなくない?」
マーゴッド「ま」
ビシィッ!!!
マーゴッド「あたしものすごく頭いいからあたしが仕掛けをこないだ解いちゃったんだけどね!!!!!!」ドヤァァァォォォン!!!!
勇者「おうふざけんな時間返せや」
213 = 1 :
今日はおしまいです
216 :
おつですー
なんかワクワクしてきた
217 :
乙でございます
218 :
そっかー解いちゃったのかーならしょうがねえな
219 :
世界の創造の話まで描くのか…相変わらずこの>>1の構成力には脱帽だわ
にしてもスーちゃん可愛いよスーちゃん
221 :
…………
コンコン
給仕「エジンベア勇者様」
…
ガチャ
エジンベア勇者「……なんだい?おや、君は」
給仕「あ、エジンベア勇者様。お客様がお見えになられたとの事でしたので伺いました。お茶はおいくつ――……」
エジンベア勇者「ああ、いいのさぁ。気にしなくて。お茶はいらないよ……それより」
ナデ…
エジンベア勇者「君はいつになったら給仕としてではなく、女性としてこの部屋をノックしてくれるのかな……?」
給仕「い、いやですわっ、もうっ、からかわないでくださいまし……失礼しますっ」
タッ
エジンベア勇者「ふふ……時間の問題、かな?」
イシス僧侶「うわー、見ました?今の」
ポルトガ勇者「ああ、歯が浮くったらありゃしねえ」
イシス勇者「感心しないね」
イシス魔法使い「ちょっと強引過ぎるのも考えものね」
イシス戦士「心底どうでもいい」
エジンベア勇者「君ら自分達の立場わかってるのかよお!!!?」
――エジンベア城・エジンベア勇者の執務室――
スタスタ ドカッ
エジンベア勇者「まったく!外で仕事してた僕が偶然君らを見つけたからいいものの!」
エジンベア勇者「もし見つかったのが他の国連の勇者だったらどうするつもりだったのさあ!?」
ポルトガ勇者「それに関しちゃマジで感謝してるよ。ありがとな」
イシス勇者「まさか他の勇者の人たちも来てるとは思わなくて」
エジンベア勇者「はあ……ま、いいんだけどさ」
イシス僧侶「エジンベア勇者様は何のお仕事だったんですか?」
エジンベア勇者「んー?……まあ色々だよ。港の方でね」
イシス勇者「港?」
エジンベア勇者「積荷やらの確認さ。最近新しくできた港町に行く船の積荷」
ポルトガ勇者「なんでまたそんな役目……お前まさか苛められてるの?」
エジンベア勇者「むかつくんですけど」
ボリボリ
エジンベア勇者「色々とさ、大きな取引があるんだよお。僕も船に同乗しなきゃいけないんだ」
イシス勇者「……大きな取引って?」
222 = 1 :
エジンベア勇者「あのさ」
ギシッ
エジンベア勇者「質問したいのは、本来ならこちらの方なんだよねえ」
エジンベア勇者「君らはなんでここに居たんだい?」
エジンベア勇者「どうやって入国した?何の目的で?何故隠れてこそこそ動いていた?」
一同「「「……!!」」」
ポルトガ勇者(……やっぱり話題は逸らせねえか。だよな)
イシス勇者(どうしよう、勇者くんも一緒だっていうのは話せないし……渇きの壷を手に入れるためっていうのも言えないし)
イシス勇者(何かうまい言い訳は――)
エジンベア勇者「と、いっても……見当はつくけどね」
イシス勇者「へっ?」
エジンベア勇者「……――今の、エジンベアの裏の動きについて……嗅ぎつけてたんだろ?」
ポルトガ勇者「?」
イシス勇者「?」
イシス僧侶「?」
イシス魔法使い「?」
イシス戦士「?」
「「「「「????」」」」」
エジンベア勇者「……えっ、ちがうの」
イシス勇者「裏の、動き?」
ポルトガ勇者「おいおい、ちょっと待てなんだそりゃ」
エジンベア勇者「あー……いや、いいんだ。違うならそれで」
ポルトガ勇者「いいわきゃねえだろ。今のは聞き捨てならねえ言葉だったぞ」
エジンベア勇者「忘れてくれないかい?」
イシス勇者「そんなの無理に決まってるじゃないか!」
エジンベア勇者「……はあ……墓穴ほっちゃったなあ」
スクッ
エジンベア勇者「少しね、エジンベア大臣が妙な動きをしてるんだ。それが気になっててね」
イシス僧侶「エジンベア大臣様が?エジンベア王様じゃなくてですか?」
エジンベア勇者「王は企みごとなんてできないよ。馬鹿だし」
イシス戦士「ひどい」
223 = 1 :
エジンベア勇者「ともかく、それだけさ。別に僕もその動きをどうこうしようってつもりは無いしね」
イシス勇者「えっ」
ポルトガ勇者「……なあ、エジンベア勇者よお」
エジンベア勇者「なんだい?」
ポルトガ勇者「もしかして、今回の大きな取引ってのも……もしかしてその大臣絡みじゃねえのか」
エジンベア勇者「……」
ポルトガ勇者「お前、それを知ってて、知らん顔で協力してんのかよ?」
エジンベア勇者「……それが何かいけないのかい?」
ポルトガ勇者「お前勇者だろうが!妙な事見かけたんなら――!」
エジンベア勇者「そう。僕は勇者だよお?」
エジンベア勇者「“国連の犬”。それが勇者だ」
エジンベア勇者「何で君が『自分は違う』って顔で憤ってんだい?」
ポルトガ勇者「……!!」
イシス勇者「でも、もしかしたらその妙な動きがいずれ色んな人に影響を与えるかもしれないじゃないか」
エジンベア勇者「……あのさあ、皆が皆、君らと同じ思考してるって思わないでくれるかなあ?」
エジンベア勇者「上に言われた事こなして。魔物と戦って雑務をして。給料貰って綺麗なお姉さん方を抱く」
エジンベア勇者「それが僕にとっての『勇者』なんだよねえ」
イシス勇者「……」
ポルトガ勇者「……ああ、そうかい」
ガタッ
エジンベア勇者「どこに行くんだい?」
ポルトガ勇者「帰るんだよ。少しだけでも匿ってくれてありがとよ」
エジンベア勇者「はあ……余計な事する、って顔に書いてあるよ?」
ポルトガ勇者「へえ。他の文字は読み取れねえか?」
エジンベア勇者「僕の事を理解できない、って。そう書いてある」
ポルトガ勇者「解読ありがとよ」
ガチャ…
ポルトガ勇者「イシス勇者、お姉さん方。行こうぜ」
イシス勇者「うん」スクッ
エジンベア勇者「ったく……」
スッ
チリンチリン
イシス勇者「……?」
ポルトガ勇者「おい、なんだその鈴」
エジンベア勇者「何って、合図だけど?」
224 = 1 :
ガチャッ!!
ゾロゾロ
イシス勇者「!!?」
ポルトガ勇者「うわ!!?」
イシス僧侶「なっ……!!」
イシス魔法使い「えっ、なになに……?」
イシス戦士「……」ジャキッ
黒服の男達「「「……」」」
エジンベア勇者「……早いねえ」
黒服の男「隣の部屋で待機してたからな。何の用だよ?」
エジンベア勇者「この人らをこの城に暫く軟禁してもらえるかい?」
ポルトガ勇者「なっ……!!?」
イシス勇者「ちょっと!エジンベア勇者君!」
エジンベア勇者「言ったろ?君ら自分の立場をわかっちゃいないんだよ」
エジンベア勇者「客室もあてがうからさ。しばらく大人しくしていなよ」
ポルトガ勇者「そんなもん俺らが――」
ジャキッ
黒服の男「……おう、動くなよ」
ポルトガ勇者「あ?やんのかコラ」
イシス僧侶「ポルトガ勇者様!落ち着いて!」
イシス魔法使い「ここで騒ぎを起こしても状況が悪化するだけだわ」
エジンベア勇者「さーすがイシスの美女達は話がわかるねえ」
エジンベア勇者「ちなみに、逃げようとしてみ?この男達が全力で阻止するよ」
ポルトガ勇者「俺らが負けるとでも思ってんのかよ」
エジンベア勇者「いーや?勝つだろうね……でも」
エジンベア勇者「こいつらは、死ぬまで君らを阻止するよ?君らが手加減して戦えるなんて事はないだろうね」
エジンベア勇者「……君らがここから逃げる時は。この黒服達を殺した時だ」
ポルトガ勇者「……!」
エジンベア勇者「自分の目的の為に、普通の人間である彼らを殺すかい?……“勇者”のおふたりさん?」
イシス勇者「……っ」
ポルトガ勇者「……いい趣味してやがるぜ、本当に」
エジンベア勇者「ありがとう。自身はあるんだ」ファサッ
225 = 1 :
バタン
ツカツカ…
エジンベア勇者「さて、と……」ポキポキ
エジンベア勇者(あとは黒服に任せていれば大丈夫かな。僕は船出の準備でもするかねえ)
タッタッタ
エジンベア兵「エジンベア勇者様!」
エジンベア勇者「ん?どうしたんだい?」
ザッ
エジンベア兵「失礼します、実は――……」
ボソボソ
エジンベア勇者「……」
エジンベア兵「……如何しましょう」
エジンベア勇者「はあ……いや、いいよ。僕が行く」
エジンベア兵「はっ。ありがとうございます」
エジンベア勇者「君は持ち場に戻っていいよお」
エジンベア兵「畏まりました」
スタスタ
エジンベア勇者「全く……どうしようもないね」
エジンベア勇者(ついでに伝えなきゃいけない事もあったしねえ)
…………
―――――――――――
スタスタ
マーゴッド「だーかーらー。ごめんなさいって言ってるじゃない」
勇者「言われましても僕ら急いでるんですよおおお?」
マーゴッド「お詫びに渇きの壷は貴方達にあげるってば。さっきも言ったけど」
勇者「う、うーん……でもいいんですか?そんな簡単に。ありがたいですけど」
マーゴッド「もともと誰も使ってないモノだったし。無くなったってばれないんじゃないかしら」
マーゴッド「それに!……あたしはこのコの事気に入っちゃったしね♪」ギュウ
スー勇者「うー……くるしいです」
マーゴッド「ねえ、貴女私の専属のメイドにならない?お洋服いっぱいあげる」
スー勇者「お、お洋服……!?」ピクッ
勇者「スーちゃんを攫おうとしないでくれますう?」
マーゴッド「貴方は本当につまらないわね」
勇者「よろしくどうぞ」
226 = 1 :
マーゴッド「でもあんな壷、何に使うの?」
勇者「えっと……まあ、いろいろと」
マーゴッド「いろいろって何よ。やましい事?」
勇者「やましい事ってワケじゃないんですけれどね」
マーゴッド「はっきりなさいな」
勇者「んー……説明が難しいな」
マーゴッド「お尋ね者の貴方がしようとする事だもの。そんな面白そうな事ちゃんと聴かなきゃいけないわ」
勇者「ブフンッ」
スー勇者「えっ、あっ、え?」ワタワタ
勇者「ちょ、ちょっと違いますよ?何を言って」
マーゴッド「貴方が噂になってる魔族の男でしょ?勇者って名前だっけ」
勇者「ちちちちちちち違うです」ギュウウウ
スー勇者「ご主人様!手がいたいです!力強いです!」
勇者「ご、ごめんスーちゃん!」
マーゴッド「で、そっちが行方不明になったっていう国連のスー勇者ね?」
スー勇者「ちちちちちちちちちがうれす」ギュゥゥゥゥ
勇者「スーちゃん!手が痛い!爪食い込んでる!」
マーゴッド「仲いいわねあなた達。っていうかまだ手繋いでたの」
マーゴッド「でも安心なさいな。別に兵に突き出すつもりなんてなくてよ」
勇者「えっ……」
マーゴッド「あら、ご不満?」
スー勇者「いえ、でもなんで」
マーゴッド「さっきも言ったでしょ?貴女が気にいっちゃったのあたし」
マーゴッド「それに……貴方が本当に悪い魔族なら私にいちいちかわきの壷の場所なんて聞かないで皆殺しにして奪えば良い事だもの」
勇者「……でも、なんで僕がそのお尋ね者だってわかったんですか?」
マーゴッド「一応私の知り合いから“ガルナの塔の変”での事情は聞いたの。貴方の特徴もね」
マーゴッド「ふわっとした毛に、青い目、珍しい髪の色、女々しい顔……特徴通りね。うん」
勇者「女々しい顔は不本意だなぁ」
マーゴッド「腰には銅の剣も下げているし、えっと……貴方布被っただけで変装したつもりなのそれ」
勇者「うわあすげえ不安になってきた今さら」
マーゴッド「そっちの貴女は公用語が不安定、黒髪、珍しい肌着のような格好、羽根の髪飾り」
マーゴッド「そして国連のスー勇者はガルナの塔の変後にいきなり姿を消した……ってトコロから推測したの」
勇者「……さすが、お姫様は頭がいいですね」
マーゴッド「あら、貴方も察しがいいじゃない」
勇者「さすがにもう分かりますよ。その教養に城の関係者しか入れない所も近道も把握してるってところを考えれば」
マーゴッド「なのに畏まらないのね。ふふっ!いいわ、貴方も面白くなってきた!私に仕えてもよくてよ?」
勇者「殺されますって、国連の人らに」
マーゴッド「そうね」
227 = 1 :
勇者「それに……さっき仰った知り合いって、えっと……」
ザッザッザッ
勇者・スー勇者「「!!!」」
勇者(結構な人数の足音が……!しかも甲冑の揺れる音も)
マーゴッド「……二人共、隠れてなさい。その花瓶の後ろ辺りに」
勇者「すみませんっ……!恩に着ます!」
ザッザッザッ
ザッ
エジンベア勇者「……ああ、姫。こっちにいらっしゃいましたか」
スー勇者(エジンベアさん……!)
勇者(うわー、ジャストタイミング……エジンベアの勇者の人だ)
マーゴッド「何の用?」
エジンベア勇者「兵から姫が怪しい者と行動していると聞きまして」
マーゴッド「怪しい者……?ああ!さっきの果実商達ね!もう街に帰ったわよ?」
エジンベア勇者「果実商?」
マーゴッド「ええ。リンゴについて聞きたい事があったから詳しい者達を呼んだの。いけなかった?」
エジンベア勇者「いえ、とんでもございません」
スー勇者「……?」
勇者「どしたのスーちゃん」ヒソヒソ
スー勇者「なんだか……エジンベアさん、話し方が前と違うです」ヒソヒソ
勇者「そうなの?」ヒソヒソ
スー勇者「えっと……前は、もっと、こう……女の人には、えっちな話し方でした」ヒソヒソ
勇者「えっちな話し方てなによ……でも仕える姫様の前だもん。それはしょうがないんじゃないかな」
マーゴッド「そう。じゃあもういいでしょ?あたしは調べる事が沢山あるの」
エジンベア勇者「はい。失礼しました……あともう一つ」
マーゴッド「何かしら?」
エジンベア勇者「姫の部屋に置かれていた“渇きの壷”は、返していただきました」
エジンベア勇者「今日その為に部屋へ給仕が立ち入ったので報告させて頂きます」
マーゴッド「…………――は?」
228 = 1 :
勇者「!!!?」
マーゴッド「ちょっと、何のつもりかしら」
エジンベア勇者「随分前から買い手を探していたのですが、その買い手が見つかったのです」
エジンベア勇者「王から宝物庫の壷を持って来いという命令を頂いた直後、給仕が貴女様の部屋でそれを見かけたというので」
マーゴッド「勝手に持って行ったって事?」
エジンベア勇者「……本来あれは城の宝です。現在誰も使っていないとしても、あれは貴女様のモノではございません」
マーゴッド「その理論で言えば城のモノでもないわね?エジンベアの宝物庫は泥棒博物館と言われているのくらい知っているわ」
エジンベア勇者「あまり私を困らせないで頂きたい」
マーゴッド「さっき道理で宝物庫に何も無いと思ったのよ。宝、全部売ったのね?お父様……いえ、大臣かしら?」
エジンベア勇者「姫、宝物庫には何用で?」
マーゴッド「……」
エジンベア勇者「……何を企んでいるのかは存じ上げませんが、大人しくなさってください」
エジンベア勇者「壷はもう契約港の船に積まれました。もう取りやめもできませ」
パアン!!
エジンベア勇者「っ……」
マーゴッド「…………久々に話したと思ったら、随分つまらない話だったわ」
エジンベア勇者「……君達。姫を部屋に」
兵達「「「はっ!」」」
ザッ
エジンベア兵「さあ、姫様」
エジンベア兵2「こちらです」
マーゴッド「……」
スタスタ……
エジンベア勇者「……はあ」
エジンベア勇者「…………変わんないねえ、マーゴッドも……」ボソッ
エジンベア兵3「はい?何か仰いましたか?」
エジンベア勇者「いや?それじゃ僕は買い手と会って来るよ。姫や城は任せたよ」
兵達「「「畏まりました!!」」」
…………
……
…
・
229 = 1 :
――――――――――――――
――エジンベア城・マーゴッドの部屋――
給仕「それでは姫様、失礼します」
エジンベア兵達「「「失礼します」」」
バタン
マーゴッド「……」
スタスタ
マーゴッド「……本当に無くなってる」
マーゴッド「あーもう!」
ボフッ
マーゴッド「…………」
ゴロン
マーゴッド「……エジンベア勇者の、馬鹿」
「……お姫様」
マーゴッド「!!?」ガバッ!!
シーン…
マーゴッド「……え?」
マーゴッド「誰……?今の声は」
「いきなりすみません、さっきの二人です」
マーゴッド「え!?どこどこ!?」
「今はちょっと姿を消してます。すみません忍び込んじゃって」
マーゴッド「……っ!あなた達、いよいよをもってステキだわ……!」キラキラ
「なんすかそれは……」
「ご主人様はステキです!」
「スーちゃんありがとう、でもちょっと話の腰折らんといてね。勿論スーちゃんもステキなので」
230 = 1 :
マーゴッド「で?どうしたの姿を消して」
「実は姫様にお願いがありまして……」
マーゴッド「お願い?」
「はい。実はここには五人の友人達と一緒に来たんですけど途中で逸れちゃって」
マーゴッド「五人の友人ね?それがどうしたの?」
「もしその五人の友人に会う事がありましたら、僕とスーちゃんは無事だと伝えてくれませんか?」
マーゴッド「いいけれど……あたしがわかるかしら?五人の友人なんて」
「実は、イシスの勇者とポルトガの勇者が一緒で」
マーゴッド「!!!」
「……もしかしたら、この城に来るかもしれないんで、その時は秘密裏に伝えていただけませんか」
マーゴッド「ふふっ……!魔族の男に国連の勇者が三人も関わってるなんて……面白いわね……!!」
「ご主人様は魔族じゃないです!」
「スーちゃん、いいって。ありがとう」
マーゴッド「ちょっといじわるで言っただけよ。謝るわ……そして。そのお願い聞き入れたわ」
「あ、ありがとうございます!」
マーゴッド「で、あなた達はその壷を追うのかしら?」
「はい。なんで今すぐ行かないと」
マーゴッド「急げば間に合うと思うわ。契約港のエジンベアの国印が掘られた大きな帆船よ」
マーゴッド「……――さ。聞き入れたから早く行きなさいな」
「本当に色々とありがとうございました」
マーゴッド「いいのよ。あたしも楽しませてもらったわ。ありがとう」
「何かいずれお返しはさせて頂きます!」
マーゴッド「ん?んー……そうね、だったら」
マーゴッド「いつか丸一日スー勇者のお洋服を着せ替えて遊びたいわ」
スー勇者「お洋服っ!?……あ、え、でもっ……」ソワッ
勇者「勿論いいっすけど僕も同席していいんすよね」クワッ
スー勇者「ご主人様っ!?」
マーゴッド「着替え中はダメよ」
勇者「それは勿論です」
マーゴッド「だったらいいわ」
勇者「恩に着ます」
ガシィッ!!!
スー勇者「お姫様、ご主人様の事見えてないですよね!!?凄く綺麗に手を握り合った音がしたです!!!」
231 = 1 :
――エジンベア港――
ガヤガヤ…
ダーマ勇者「ふあ……大きい船」
エジンベア兵「我が国一の輸送船です。立派なものでしょう」
ダーマ勇者「はい!でも私も何か搬入を手伝わなくてもいいんですか?」
エジンベア兵「それは下々の仕事です。ダーマ勇者様は船旅に備えて休んでいらしてください」
ダーマ勇者「下々なんて……人の仕事にそんなもの」
スタスタ
エジンベア勇者「おやぁ、もう準備できてるのかい?ダーマ勇者」
ダーマ勇者「エジンベア勇者様。お疲れ様です」
エジンベア勇者「お疲れ様。これから船旅だね」
エジンベア勇者「嬉しいね……君みたいな綺麗な女性と船旅なんて、まるでバカンス」
ダーマ勇者「お仕事です!ちゃんとなさって下さい!」
エジンベア勇者「はは、厳しいね。君はいつも」
ダーマ勇者「あれ?」
エジンベア勇者「どうしたんだい?」
ガヤガヤ
ダーマ勇者「なんだかやたら大きな荷物……あれは皆さん何を運んでいらっしゃるんですか?」
エジンベア勇者「さあ……なんだか色々運んでるみたいだよ?」
エジンベア勇者「これから行く港町は新しくできた町でさあ、国連が世界各所のポルトガ領港経由で物資を運ぶ時の中継地点になってるんだ」
ダーマ勇者「んもう、それくらいなら存じています!」
エジンベア勇者「で、その街はここからなら五日間くらいの場所にある……五日間は女性にはきついかもしれないが、大丈夫かい?」
ダーマ勇者「ご心配ありがとうございます。ですが私なら大丈夫ですよ」
エジンベア勇者「ならいいんだ」
「搬入、全て完了致しました!」
エジンベア勇者「お、完了したみたいだ。それじゃ乗り込もう」
ダーマ勇者「……」
エジンベア勇者「……どうしたんだい?」
ダーマ勇者「……いえ」
ダーマ勇者(この船から、なんだか……魔物の気配が)
ダーマ勇者(なんでかな……)
…………
……
…
・
232 = 1 :
・
…
……
…………
――船倉――
シーン…
ガ
ガコッ……
勇者「……」
キョロキョロ
勇者「……船倉の中には誰もいないみたいだ」
ヒョコッ
スー勇者「本当です?」
ヒョコッ
スラお「みんないないね」
<……。……。
勇者「でも船倉の扉の前に見張りがいるみたいだから隠れてよう」
スー勇者「はい」
勇者「それじゃ、上蓋閉めるよ」
ガコ
――大貨物の箱の中――
勇者「ふー……ごめんね、スーちゃん。狭くて」
スー勇者「大丈夫です!」
スラお「スーちゃんをこんなめにあわせるな!ばかゆーしゃ!」
勇者「スラおちょっと声は静かに」
スラお「ばかゆーしゃ!」ヒソッ!
勇者「言い直すなや」
勇者「しかし……こんな無理やり忍び込むことになるとは」
―――――――――――――
――エジンベア港――
タッタッタ!!
勇者『間に合ったか!?』
スー勇者『ご主人様!もうきえさり草の効果が!』
勇者『えっ!?じゃあ追加で』
スー勇者『もうないです!』
勇者『マジすか!!!』
233 = 1 :
勇者『と、とりあえず今のうちに忍び込まなくちゃ!』
スー勇者『だめですっ!船の場所まで、持ちそうに』
勇者『っ!』
『おーい、それも運び入れてくれ』
『うーっす』
勇者『!!!スーちゃん!!』グイッ
スー勇者『わわっ!?』
…………
……
…
・
―――――――――――――
勇者「……本当に間一髪だった」
スー勇者「すみません……きえさり草が、もう無くなって」
勇者「あー、ごめんそういうつもりじゃなくってさ」
スラお「でもここいーにおい!」
勇者「ん。幸いなのが」
ゴロッ
勇者「忍び込んだのがリンゴを入れた箱だった事かな」
スラお「ごはんにこまらない!」
スー勇者「うー……でも泥棒みたいです」
勇者「忍び込んだ時点でもう泥棒なのよ……ここは腹をくくろう。モヤっとするけれどね」
勇者「でもどのくらいの船旅なんだろう?それによっても色々と問題が出てくるな」
スー勇者「頑張るですけど……もし一月の航海でしたら」
勇者「ううん……まずいかもね……この箱の中だけじゃ」
スー勇者「そんなに一緒にいたら、その……私、臭いです」
勇者「あっ、そこ?そんなところの心配してるのスーちゃん?」
スー勇者「そんなことじゃないです!ご主人様に臭い匂い、嗅がせられないですっ!」
勇者「だ、大丈夫だって!スーちゃんの匂いならなんでも気にならないよ!寧ろなんでもいい匂い!」
スー勇者「えっ」
234 = 1 :
勇者「……冷静に考えると今の発言はやべえな僕」
スラお「へんたい!」
勇者「ちがうって!と、とにかく!そんな事気にしないから!ね?」
スー勇者「は、はい……えへへ」
勇者「なんで嬉しそうなのさ」
勇者「……あー、それとさ。スーちゃん」
スー勇者「はい?」
勇者「危なくなったら僕に口裏を合わせてね。スーちゃんを攫ったって体で演技しよう」
スー勇者「!!!そ、そんなっ!だめですっ」
勇者「いいから。スーちゃん」
スー勇者「でも」
勇者「こればっかりは僕のいう事を聞いてもらう」
スー勇者「……!」
勇者「……」
ナデ
勇者「大丈夫だって!きっと船もすぐに着くよ」
スー勇者「……はい」
勇者「あと今になって思ったけど」
スー勇者「はい?」
勇者「トイレどうしようね……」
スー勇者「あっ……」
…………
……
…
・
235 = 1 :
――――――――――――――
~~~~~
~~~~~
勇者「って事があったんだよ」
スー勇者「ふふっ!ふふふっ!」
勇者「でも僕はそこで思っちゃったんだけど――……」
~~~~~
~~~~~
スタスタ…
勇者「……行ったみたいだね」
スー勇者「見回りの人、いつ来るかわからないです」
勇者「だね。用心しておこう」
~~~~~
~~~~~
勇者「しりとり」
スー勇者「りんご」
スラお「ごめす」
勇者「誰だよ」
~~~~~
~~~~~
スー勇者「っ、ぐすっ……!!」
勇者「スーちゃん!おならなんて全然気にしないって!泣かないで!」
スラお「くちゃい!」
勇者「お前ぶっ殺すぞ!!?」
~~~~~
~~~~~
勇者「ぐー……ぐー……」zzz
スラお「ぐむー……ぐむー……」zzz
スー勇者「っ、あっ……だ、だめですっ、ご主人様」グイッ
勇者「んむ……むにゃ」ゴソッ
スー勇者「ゃっ……ぁ」ピクンッ
~~~~~
~~~~~
236 = 1 :
~~~~~
~~~~~
ガコッ
勇者「おっけー!今なら見張りもいなかった!」
スー勇者「すっ、すみませんですっ!」ダッ
勇者「気をつけてね!……ふー、僕も漏れそうだった」
スラお「にんげんってたいへん。ゆーしゃきらい」
勇者「それ語尾か何かなの?」
~~~~~
~~~~~
勇者「そうそう。発音はそんな感じ」
スー勇者「ありがとうございますです!」
勇者「スーちゃんは飲み込み早いね。えらい」ナデナデ
スー勇者「えへー」
~~~~~
~~~~~
・
…
……
…………
――甲板・先端付近――
ダーマ勇者「……」
スタスタ
エジンベア勇者「どうしたんだぁい?眠れないのかい?」
ダーマ勇者「あ、エジンベア勇者様……いえ」
ダーマ勇者「ちょっと、この船から妙な気配を感じていまして」
237 = 1 :
エジンベア勇者「妙な気配?ってーと魔物の?」
ダーマ勇者「はい」
エジンベア勇者「んー……ま、大きな船の造りの隙間に弱い魔物が住んでるなんてよくある事だしね。気にしない方がいいさ」
ダーマ勇者「ですかね……」
エジンベア勇者「そ。でもそれでも怖いなら……どうだい?今夜は僕の船室で、できればベッドの中で朝まで……」
ダーマ勇者「お断りします」
エジンベア勇者「即答だねぇ……」
ダーマ勇者「夜が明ければもう目的地に着いて仕事が始まります。夜通しお喋りなんてしていたら支障をきたします」
エジンベア勇者「ンッ?あっ、うん……?そうだね」
ダーマ勇者「……まして、明日は」
エジンベア勇者「……緊張するかい?」
ダーマ勇者「それはもう……ムオル勇者さんを超える、生ける伝説ですから」
エジンベア勇者「“皇帝”……――糾えるソクラス」
ダーマ勇者「……どんな方なのでしょうね……」
ザァン… ザァン……
238 = 1 :
…………
……
…
・
ガロガロガロ
ゴォォン……
勇者「……今の音」
スー勇者「多分、錨をおろす音でした」
勇者「……スーちゃん、スラお。リンゴを掻き分けて、できるだけ深く潜ろう」
スー勇者「はい」
勇者「そして……今から会話は無しで」
スー勇者「っ」コク
スラお「わかった!ゆーしゃくたばれ!」
勇者「聞いてねえな?」
バタン!!
勇者・スー勇者「「!!」」
スタスタスタ!
「入り口付近の小さいヤツから運べ!」
「それはいい!例のヤツは船の中に置いたままでいい!」
「せーのっ!」
ガコンッ!!
勇者「!」
勇者(箱が動き出した……できればこのままどこかに放置されるか、市場に持っていかれますように……!)
勇者(もし国連兵が多い場所で開けられたら終わりだ。どうか……!!)
「これは何の箱です?」
「それはリンゴだ!果物類は一度倉庫へ運べ!」
「大聖堂横にある倉庫だ!運び終えたらまた戻って来い!」
…………
……
…
・
239 = 1 :
・
…
……
…………
シーン…
ガコッ
勇者「……」
――どこかの倉庫――
キョロキョロ
勇者(僕らがここに置かれてしばらく経った)
勇者(物の出入りももう長い事ないみたいだし……)
勇者「よし……今なら大丈夫みたいだ!スーちゃん!出よう!」
スー勇者「はいっ!」
スタッ
勇者「とりあえずここを抜けよう」
スタスタ
勇者「しっかし……でかい倉庫だな……」
スー勇者「天井が高いです……」
スラお「ほあー……」
勇者「あ、ここから出れそうだ」
ザッ…
ヒョコッ
勇者「……うん。外にも誰も居ない。行こう」
スー勇者「はいです……わああ」
勇者「ん?どったの?……ってうおお」
――大きな建物――
勇者「なんだこれ……すごくおおきいな」
240 = 1 :
「そこは大聖堂だ」
勇者「大聖堂?全然そう見えないですね」
「ああ。まだ建設途中だからな。着工からまだ二ヶ月ってところか」
勇者「でも二ヶ月でこんなに進んだんだ……すげー……」
「国連の協力もあるみてえだしな。不本意ながら」
勇者「ところで」
「なんだ?」
勇者「…………どなたでしょうか?」
「俺か?」
バキッ ボキッ
あらくれ「……倉庫番だよ。コソ泥野郎共」
スー勇者「ひぅぅ!?」
勇者(やばいっ!逃げ――……)
グイッ!!
スー勇者「きゃあっ!!!」
勇者「!!」
あらくれ「ああん?なんだ?布被ってたから分かんなかったが女じゃねえか」
スー勇者「いたいっです……!はなして……!」
勇者「スーちゃん!!!!」
あらくれ「おっと動くなよ?大人しくしていれば」
あらくれ「痛い目には」
ぞく
あらくれ「……」
勇者「手を離せ」
ズズズ ズ ズ ズズ
あらくれ「……あ、う……?」
勇者「スーちゃんから手を離せって言ってるんだよ」
勇者「殺すぞ?お前」
241 = 1 :
あらくれ(なっ、んだ、こいつ)
パッ
スー勇者「てやーっ!!!」
バコオンッ!!!!
勇者「キパイッ!!!!」メシャァ!!
あらくれ「えぇーっ!!!?」
スー勇者「ご主人様!だめです!あぶないです!」
勇者「えっ、あう……?ス、スーちゃん?あれ?」
あらくれ(な、なんなんだ?こいつら……)
あらくれ(……まあいい)
ザッ
スー勇者「!!」
勇者「あう……?」
あらくれ「……大人しくしとけ、よっ!」
バキィッ!!!
…………
……
…
・
・
…
……
…………
スタスタ
勇者「……つ」
スー勇者「大丈夫ですかっ!?ご主人様っ」
勇者「大丈夫だよ、スーちゃん」
グイッ
勇者「うっ」
スー勇者「わわっ」
あらくれ「おら、チャキチャキ歩け。手の縄をもっときつくしてやろうか?」
勇者(……クソ、まずい事になったな……)
242 :
勇者「あの、本当に僕らは泥棒じゃないんです」
スー勇者「何もとってないです!」
あらくれ「てめえら倉庫の中から出てきただろうがよ。んな言い訳が通用するか」
勇者(ダメか……考えろ。国連の奴らに突き出されたらおしまいだ)
あらくれ「!止まれ!」
勇者「え?」ザッ
<……!……。
あらくれ「チッ、国連のヤツらだ……別の道行くか」
勇者「え?え?」
あらくれ「んだよ。こっち行くぜ」
勇者「僕らを国連の兵に突き出すんじゃないんですか?」
あらくれ「へっ!なんで自分達の街の事をあいつらに管理されなきゃなんねえんだよ!」
勇者「!」
あらくれ「とにかくてめえらは町長の所に連れてく。てめえらをどうするかは町長が決める。行くぞ」
スタスタ
勇者(……少し、光明が見えたかも)
勇者(もしその村長を説得できたらなんとかこの街を……)
スタスタ
勇者「……ん。ねえスーちゃん」
スー勇者「はい?」
勇者「ここってどこかな……?見覚えある?」
スー勇者「いえ……見覚えはないです」
あらくれ「お前ら連行されてるっつうのに暢気すぎやしねえか?」
勇者「あの、ここってどこなんですか?」
あらくれ「ああん?……ここはな、ガルナバーグだ」
勇者「ガルナバーグ?知ってる?」
スー勇者「いえ、はじめて聞いたです……」
あらくれ「ああ、できて一年も経ってねえ町だからな」
勇者・スー勇者「「ええ!!!?」」
243 = 1 :
勇者「で、でも町並みすっごく綺麗なんですけど!?」
スー勇者「人もいっぱいいます……!建物も高いです!」
あらくれ「あっはっは!!驚いたろ!いい町だろ!?」
勇者「え、嘘でしょ?じゃないとこんな」
あらくれ「ところが嘘じゃないんだなこれが。まあ不本意ながら国連の援助もあったみてえだが」
あらくれ「なにより町長がすげえのよ。凄腕で頭のキレるお人でな」
あらくれ「ここに町を作りたかった副町長と旅の途中の町長が一年前に出会ってこの町を創りあげたワケさ」
勇者「はー……すっごいなあ」
ガヤガヤ
勇者「うお、市場凄いですね?」
あらくれ「だろ?この町はあの市場から始まったようなもんよ」
あらくれ「町長が制度を全て取り決めてなあ。それがまた画期的で」
勇者「町長さんは凄い人なんですね」
あらくれ「おうとも!!自慢の町長さ!」
勇者(凄く嬉しそうに話すなあ)
スタスタ……
あらくれ「……ただ、最近少し不安でな」
勇者「不安?」
あらくれ「ちょっとその町長の評判がよろしくねえのさ」
あらくれ「俺はこの町には結構最初の方から居るが、新し住人が増えだして不満もいろいろ増えてなあ」
スー勇者「不満です?」
あらくれ「いろいろあるのよ、お嬢ちゃん……ま、最初は気のいい大工と行商人が殆どだったしな」
あらくれ「それがいつしかぞろぞろと……住人も俺が来た時は10人だったのが今や500人だぜ」
勇者(あ、住人自体は凄く多いわけでもないんだな)
あらくれ「町長は町を大きくしようと頑張ってるんだが……そうも思わない奴らもいてよ」
あらくれ「変な噂が沢山湧いてんだ……」
勇者「どんな噂なんですか?」
あらくれ「根も葉もないもんさ。この町の金使って宝石買い漁ってるだの、うまいもん食ってるだの」
あらくれ「町の金使ってくだらねえ骨董品買っただの」
勇者・スー勇者((わお))
244 = 1 :
あらくれ「ん?どうした?」
勇者「いえいえいえ、なんでもないです」
スー勇者「なんでも!なんでもです!」
あらくれ「?」
勇者(え、まさか……渇きの壷の買い手って)
あらくれ「って、気付けばくだらねえ事喋っちまった……忘れてくれ」
ザッ
――立派な建物――
あらくれ「さ、着いたぜ」
勇者「おお……立派だ」
あらくれ「へへ!だろ!大工の連中が……ってもうこのくだりはいいんだよ」
スタスタ
ガチャッ
あらくれ「オラ、入れ」
勇者「は、はい……行こう。スーちゃん」
スー勇者「はい」
スタスタ
勇者「あの、ここは?」
あらくれ「ここがこの町の役場だ」
勇者「役場……立派だけど人が居ないですね」
あらくれ「ここで働いてんのは5人くらいだからな。お。ここだ」
245 = 1 :
ガチャッ
あらくれ「うっす!失礼します!」
勇者(ここに町長が……!)
「……何、あった」
勇者「!」
スー勇者「っ……!!!!」
あらくれ「コソ泥を捕まえたぜ!」
老人「おお、偉い。お前、ご苦労」
勇者(この人が町長……!?あまり見かけない人種だ)
勇者(って、え……?この訛り方って)
246 = 1 :
スー勇者【〝大爺様!!!?〟】
勇者「えっ!?」
あらくれ「あん?」
大爺「ん……?……っ!!!!?」
ガタァッ!!
大爺【〝スー勇者!!!?スー勇者ではないか!無事であったか!!!〟】
ダッ
ガシッ!
スー勇者【〝お久しぶりです大爺様!お元気でしたか!?〟】
大爺【〝おお、おお……私は元気だったよ。良かった、お前が無事で……!〟】
スー勇者【〝心配かけて本当にごめんね……でも、私は大丈夫!〟】
<……!……!
勇者「やっぱり、スー人だったんだ……」
あらくれ「えっ……?副町長、その嬢ちゃんお知り合いかい……?」
大爺「そう。私の村、大事な子」
勇者(あれ、副町長?町長じゃないんだ?)
あらくれ「すっ、すまねえ!!!俺とした事が乱暴に……今すぐ解くぜ!!」
シュルシュル
大爺【〝この男も悪い者じゃないんだ。許してやっておくれ〟】
スー勇者【〝平気だよ!それにいい人だっていうのも分かっていますよ〟】
勇者(うーん、なんかスーちゃんが地元語で喋っているとさみしい……)
あらくれ「よし!解けたぜ!すまなかったな嬢ちゃん!」
スー勇者「いえ!」
勇者「……あの……」
あらくれ「あん?」
勇者「僕はまだ解いてもらってないんですけれど……」
あらくれ「なんでてめえのまで解かなきゃなんねえんだよ」
勇者「あ、やっぱり?」
247 = 1 :
スー勇者「こ、この人もいい人です!」
あらくれ「あんたは副町長の知り合いみたいだったが、こいつは違うしなぁ」
あらくれ「それに……」
勇者「?」
あらくれ「……いや、なんでもねえ」
あらくれ(さっきのあれは、尋常じゃねえ殺気だった)
あらくれ(こいつは危険な気がする)
勇者「あの……?」
あらくれ「っ、とにかく。てめえの処分は町長が決める。さっきも言ったがなあ」
グイッ
あらくれ「おら。付いて来い」
勇者「あうっ……わかってますってば」
スー勇者「わ、私もいくです!」
大爺「私も、行く」
あらくれ「いえ副町長はここで嬢ちゃんと喋ってても」
大爺「……この子、その男、心配、してる」
スー勇者「うー……」
あらくれ「……はあ、勝手にしてくれ」
スタスタ
あらくれ「町長はこっちの奥の扉で仕事してる」
大爺「多分、仕事、落ち着いた、思う」
あらくれ「もうそろそろ国連の連中と会わなきゃいけねえみてえっすしね」
あらくれ「本当、体こわさねえか心配だぜ、ったく」
勇者「……本当に慕ってるんですね」
あらくれ「何回も言わせんな恥ずかしい」
248 = 1 :
ザッ
あらくれ「さ、ここだ」
勇者「っ」ゴクリ
勇者(さて、こっからが正念場だ)
コンコン
あらくれ「町長!入らせてもらうぜ!」
勇者(まず何も取って無いって証明……いやそういえばリンゴ食べちゃったな)
勇者(その分の支払いはするって事と、国連から隠れてできる仕事ならなんでもするって事を伝えておきたい……)
勇者(もし国連とあまり良い関係じゃないのなら多分そのあたりは)
「はい。どうぞ」
勇者「――――…………」
勇者(……あ、れ?)
スー勇者「?……ご主人様?」
ガチャッ
あらくれ「っし。ほら。とっとと入れ」
249 = 1 :
スタスタ
勇者「………………」
あらくれ「よっす!おはようございます町長!」
大爺「おはよう、良い朝、来た」
スー勇者「お、お邪魔しますです……」
カリカリ
「ちょっとまって下さいね。今一段落つきますから」
あらくれ「あんまり根詰めすぎるなよ?体壊すぜ?」
「お気遣いありがたいですね。でも今が頑張り時ですから。で、どうしたんです?」
あらくれ「いやよ、実は倉庫でコソ泥みてえなのを捕まえてよ」
スー勇者「ですから!泥棒違うです!」
勇者「………………………………」
カリカリ… パタン
「はい、失礼しました」
スッ
「で、どちらが泥棒の――――…………」
「………………………………………………えっ……………………?」
250 = 1 :
勇者「何やってんの…………商人……?」
商人「勇、くん…………?」
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