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    元スレ八幡「と、戸塚―!!」由紀「みーくんの彼氏!?」

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    みんなの評価 : ★★★
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    51 :

    おおー一気に読んでしまった。とても面白かったです。

    52 :

    乙、まさか戸塚とみーくんをつなげるとは

    54 :

    千葉から横浜に原付で辿り着いたのか

    55 :

    明らかに小町から遠ざかっている気がするww

    56 :

    売れ残りの平塚先生が結婚前に召される世界じゃ、もう知り合いは魔王ぐらいしか生き残ってないだろうな

    57 :

    八幡も幻影見えちゃうの?

    58 :

    平塚先生、拳一つで奮戦してるイメージがある

    59 :

    >>54
    一応原作は6巻までみたけど、舞台が横浜だとは知らなかったorz
    このSSでは巡ヶ丘高校も千葉県だという設定でやってたので、脳内補完ヨロシクです

    60 = 1 :

    八幡「……」ガサッ

    胡桃「なんだそれ。巡ヶ丘の地図か?」

    八幡「ああ。探索し終えたらマーカーペンでチェックする」

    八幡「よし。今日はここからを探索するか」

    胡桃「ホームセンターか。ここはデカイし避難者もいそうだな」

    【ホームセンター】

    胡桃「おぉぉぉ!!シャベルが沢山ある!!」キラキラキラ

    八幡「そんなに興奮する事か?」

    胡桃「色んなのあるな!長いのから短い物まで」ガサガサ

    ぅぅ…あ“あ”あ“…

    胡桃「っ!!」ビクッ

    八幡「来たな…」カチャッ

    胡桃「よし、さっそくこの長いシャベルの性能を確かめてみるか!」

    胡桃「おらっ!」ブンッ

    ゴシャッ

    八幡(まずは腹を勢いよく蹴って、壁に追い詰めて)ゲシッ

    う“う”っ

    八幡(腐った口元にめがけて、力を込めて一気に突く)

    ゴシャァァ!

    胡桃「おお、一撃で仕留めた…そんな闘い方もあるのか」

    八幡「顧問の直伝はまだまだこんな物じゃない」

    61 = 1 :

    胡桃「やっぱお前強いな。今まで汚れ仕事はあたしがメインでやってたから、助かるよ」

    八幡「まあ、汚れ仕事は昔から慣れてるんでな。色んな意味で」

    胡桃「お前の顧問の先生とやらに会ってみたかったな。あたしより強いんだろ?」

    八幡「力尽きるまでは本当に無敵だった」

    胡桃「マジかよ。一体どんな人だったんだ」

    八幡「そうだな…恵飛須沢に少し似てた」

    胡桃「あたしに?」

    八幡「女っぽくなくて、おやじっぽくて男勝りで強いところとか」

    胡桃「女っぽくなくて悪かったな!」

    八幡「でも優しくて、頼もしくて、キレイな人だった。俺に居場所を提供してくれた恩人だ」

    八幡「趣味も合うし10年早く会ってたら惚れてたかもな」

    胡桃「そ、そうか。キレイなのか」ドキッ

    八幡(別にお前をキレイだなんて言ってないだろ。赤面するな。勘違いするだろ)

    八幡(でもまあ、恵飛須沢もぱっと見は可愛らしい少女ではあるな」

    胡桃「え」

    八幡「あ、やべ声に出て……聞こえたか?」

    胡桃「うん」

    八幡「えっと、その、変な事言ってすまん」

    胡桃「べ、別に気にしてないから平気だ」

    八幡「……」

    胡桃「でも話を聞く限りじゃその人、相当モテたんだろうな。あたしはそんなモテないし…」

    八幡「ああそれがな。実は顧問は、なぜか男運が全く無い人でな。婚活の失敗ばかりしてて」

    胡桃「」

    八幡「どうした?」

    胡桃「やっぱ似てるかもな…あたしも、その、男運がなくて」

    八幡「まだ高校生だろ。そんな事を言うのは早いんじゃねぇの」

    胡桃「いやそうじゃないんだ。実は…あたし…このシャベルで…」

    62 = 1 :

    ~~~~

    胡桃「…っという訳だ」

    八幡「……そうか」

    胡桃「もう先輩は二度と戻ってこない。付き合いは長かったけど、あの人と結ばれる事は、もう二度と無いんだ」

    胡桃「……」グスッ

    胡桃「お前にも会わせてやりたかったよ先輩」

    八幡「そうか。だが悪いが、その先輩とやらが俺を慕うかは自信がない」

    八幡(しかも話を聞く限り葉山みたいな姿を想像する。実際どんな奴なのか知らんが)

    胡桃「大丈夫だ、先輩は優しくて爽やかでカッコいいからな。ボッチだったお前だって受け入れてくれる様な人なんだ!」

    八幡「何故かその話を聞いてますます不安になる」

    胡桃「なんでだよ!?いいか、先輩は素敵な人なんだ!だから大丈夫だ……もういないけど」グスッ

    胡桃「……」

    八幡「……まあ、よく今日まで持ちこたえたな」

    胡桃「みんなのおかげだ。特に由紀。アイツがいなかったら気が狂ってたかもな」

    63 = 1 :

    八幡「丈槍か」

    胡桃「由紀とはパンデミックになってから知りあったんだが」

    胡桃「アイツがいるおかげで、みんなが笑顔でいられる。もっと早く出会いたかったよ」

    八幡「それじゃ元は知り合いじゃなかったのか」

    八幡(俺が奉仕部に入ったときの状況と少し似てるな。奇妙な出会い方というか)

    胡桃「りーさんとは元から知り合いだったけど、美紀と由紀は元々関りなかった」

    八幡「そうか。まあアイツはムードメーカーって感じだもんな。明るいし友達も元々多かったんだろうな」

    胡桃「うーん」

    八幡「どうした?」

    胡桃「そう思うんだけどさ。でも由紀ほどの変わり者ならさ、本当はもっと目立っても良いハズなんだよな。例えばこう…周りに沢山人がいるとか」

    八幡「違うクラスから見ても、丈槍は目立っててもおかしくない存在って事か?」

    胡桃「ああ。だけどあの屋上で助けられるまでは、全然、由紀のこと知らなかったしさ」

    胡桃「だから以前の由紀が、どんな生活を送ってたのか分からないんだ…しかもあんな状態だから過去の事も聞けないし」

    八幡「……」

    八幡「俺が捜している部員で、丈槍に似てる奴がいる」

    胡桃「由紀に?」

    八幡「ああ。あそこまでガキっぽくないが」

    八幡「由比ヶ浜って奴で…髪の色も、犬好きな所も、優しくて明るいところもそっくりでな」

    胡桃「へー!」

    八幡「人気者だったしな。だから丈槍も、友達はいたんじゃねぇの?」

    八幡(恵飛須沢の話を聞く限り、不安要素が無い訳じゃないが)

    八幡「ただ一箇所だけ、決定的に違う部分があるが」

    胡桃「決定的に?なんだそりゃ」

    八幡「いつか会う機会があれば分かると思う」

    胡桃「ふーん。そっか、会ってみたいな由比ヶ浜って奴」

    64 = 1 :

    八幡「結局、ここにもいなかったか…」

    八幡「だが缶詰はかなり手に入ったな」

    胡桃「ああ、大和煮もあったし。食料が増えて良かったよ」

    八幡「んじゃ次は…となりの店にでも寄るか」

    【バイク店】

    胡桃「おお!ちょうどバイク欲しかったんだ!ラッキー!」

    八幡「原付ならそこらに転がってたじゃねぇか」

    胡桃「いやいや!せっかくだし新品を拝借しないと」

    八幡「……俺も原付には慣れたし、そろそろ大きいのに乗り換えようかな」

    胡桃「よーし!あたしはこれに乗るぞ!」

    八幡「おいおい。いきなり400CCは危ないぞ」

    胡桃「大丈夫だ!めぐねぇの車とゲームで運転は鍛えられてる!」

    八幡「全然大丈夫じゃねぇよ」

    胡桃「八幡はどれにするんだ?」

    八幡「おれは…ビッグスクーターあたりでも乗ろうか」

    胡桃「えーお前は原付で慣らしたんだろ?ハーレーとかにしろよ!」

    八幡「俺に不釣合いなもの提示するな。それとお前は前面にガードが付いたスクーターとかにしろ」

    胡桃「いーや!女は度胸だ!400CCのアメリカンバイクで行く!」

    八幡「男は度胸の間違いだろ」

    65 = 1 :

    【ガソリンスタンド】

    八幡「よし、給油オッケーだ」

    胡桃「あーあ。アメリカンバイク乗りたかった」

    八幡「死んだら元も子もないだろう」

    胡桃「大丈夫だ!あたしの運転センスを舐めるなよ!」

    八幡「どうだか…」

    胡桃「今日はもう探索は終わりか?」

    八幡「ああ、暗くなってきたしな」

    胡桃「よし!学校まで競争だ!」ブロロロ

    八幡「あ、おい待て」ブロロロ

    胡桃「おお!すっげ!!」

    八幡「いきなり飛ばしすぎだ!死ぬぞ!」

    胡桃「おっと危ねぇ」ササッ

    ギュルルルルル!!

    八幡「っ!?あのスピードで瞬時に、軽やかにカーブしやがった…!」

    66 = 1 :

    【部室】

    ブロロロロ!!!

    悠里「外からなにか凄い音がするわね…」

    美紀「あ、あれは先輩達!?」

    由紀「わぁぁ!くるみちゃんもバイク乗ってる!」

    ~~~~

    キキィィィィィ!!

    胡桃「へへへ、いっちばーん!」

    八幡「お前、すげぇぇな…」

    八幡(あのスピード違反の速さで事故らないとは。いくらゾンビしかいないとはいえ、運転の才能があるのは確かの様だな)

    ぅぅ…あああ…

    胡桃「おっと。来たな」ササッ

    八幡「まあアレだけ爆走してれば音が響くわな」

    八幡「んじゃ、裏門から行くとするか…」

    胡桃「突撃!!!」

    八幡「おい正面からは危ねぇよ」

    胡桃「お前もいるから大丈夫だろ!」

    八幡「少しはリスクを回避しろ」

    67 = 1 :

    【部室】

    胡桃「たっだいまー!」

    八幡「うす」

    悠里「お帰り」

    美紀「随分と派手な演出で帰ってきましたね」

    由紀「くるみちゃんカッコよかった!」

    胡桃「へへーん!まあな。ほら戦利品」

    由紀「わぁぁ!大和煮がいっぱい~!」キラキラ

    悠里「八幡くん大丈夫?疲れきってるわよ」

    八幡「おい若狭。あいつの暴走癖はどうにかならんのか」

    悠里「ああ胡桃はね…結構無茶する所あるから」

    悠里「それより、やっぱり見付からなかったの?」

    八幡「ああ。まあそう簡単には見付からんわな」

    68 = 1 :

    【次の日・部室】

    八幡「見回り終わったから、俺はそろそろ探索に向かうわ」

    悠里「そう。今日も気をつけてね」

    胡桃「よっしゃ、今日も頑張るか」

    八幡「え、今日も来るの?」

    胡桃「当たり前だろ」

    八幡「……はぁぁ。精々、足手まといになるなよ」

    胡桃「なにー!今日はお前の10倍はアイツら狩ってやるからな!」

    八幡「狩る言うな」テクテク

    胡桃「んじゃいってきまーす!」

    ガラララッ

    悠里「私達も菜園に向かいましょう」

    美紀「……」

    悠里「美紀さん?」

    美紀「どうして胡桃先輩はあんな人に付いていけるんですかね。理解できません」

    悠里「やっぱりまだ根にもってるの?」

    美紀「抱き付かれた上に、いちいち私をみて鼻血なんて出されたら普通はイヤになります」

    美紀「昨日も私のパジャマ姿みて鼻血出してたし!」

    ~回想・寝室にて~

    八幡「う“っ!!!」ブバッ

    八幡(なんだあれ…丈の長い上着しか着てないじゃねぇか…ズボンはどうしたズボンは!?もう少しでパンツ見えるぞ!!)ドババッ

    八幡「うぅ…ぁぁ…血が…」ドバドバ

    八幡(直樹の生足…いや戸塚の生足…あれ?逆?)

    美紀「」ドンビキ

    胡桃「またかよ!いい加減にしろ!」

    由紀「はわわわわ!八幡くんが!た、たいへんだー!」

    悠里「ティ、ティッシュ!早くティッシュを!」

    ~~~

    美紀「あの人は最低です!」プンスカ

    悠里「まあ抱きつかれたのはともかく…それだけ、美紀さんが魅力的だったって事じゃないの?」

    69 = 1 :

    【とある教室】

    由紀「ん?」

    由紀「先生、ちょっとごみん」タタッ

    由紀「あーー!八幡君とくるみちゃん!授業さぼっちゃだめだよ!」ガララッ

    だいじょうぶだー!これは体育の授業なんだよ!

    由紀「あ、そうなんだ」

    ブロロロロ!!

    由紀「っ!?バイクを動かしてるーー!!」

    由紀「くるみちゃん!八幡くん!いくら私でもだまされないぞー!早く教室もどりなよー!」

    由紀「あ、行っちゃった…」

    由紀「……」

    由紀「あ、先生ごみーん」

    由紀「はぁぁ」

    70 = 1 :

    【数日後の夜・部室】

    胡桃「なあ!あたしも、そろそろハーレー乗れるんじゃないか?」

    八幡「バカも休み休み言え」

    由紀「胡桃ちゃんがバイクで帰ってくるとき、凄くカッコ良かったよ!」キラキラキラ

    胡桃「へへへ、だろ?」

    由紀「でも授業サボるのはダメだよ!」

    胡桃「さ、さぼってねぇーよ!あれは授業なんだ!」

    悠里「でもバイクは危ないわ…原付だって本当は教習所に行かなきゃいけないのに。まして中型や大型なんて高校生は本来乗れないし」

    胡桃「これでもビッグスクーターはだいぶ慣れたんだぞ。もう良いだろう!」

    八幡「確かにお前の運転センスは脱帽するが、危ないのは事実だ。あとスピード出しすぎだ」

    胡桃「ゲームとは全然、面白さが違うもんだからついアドレナリンが…」

    胡桃「それより明日はドコへ行くんだ?」

    八幡「そうだな…駅前あたりとかを探索しようかと」

    胡桃「よっしゃ!」

    由紀「……」ジーッ

    胡桃「ん?どうした由紀。今日の戦利品のコンビーフは上手くないのか?」

    由紀「なんか最近くるみちゃん!八幡くんにベッタリしすぎ!」プンスカ

    胡桃「は、はあ?」ドキッ

    由紀「もっと私の相手してよね~!じゃないとみーくんに浮気しちゃうぞ~!」ギュゥゥ

    美紀「先輩へんな事言わないで下さい。あ、あと暑苦しいです」

    胡桃「あたしがいつお前と恋人になった!全く…」

    悠里「でも確かに、いつも一緒よね」ニコッ

    八幡「べ、別に恵飛須沢とはそんなんじゃねぇよ…」ドキッ

    胡桃「そ、そうだ!ただ八幡を一人で探索させるのも酷だし、あたしも一応闘えるから…それに戦利品だって確保できるし!」

    胡桃「とにかく変な関係とかじゃないからな!大体こんなスケベ野朗だれが…それに八幡には戸塚が…」ブツブツ

    八幡「だれがスケベ野朗だ」

    美紀「先輩意外いないと思いますが?」

    八幡「」ゾクゾク

    八幡(あれ、直樹に…じゃなくて戸塚に罵倒されるのも悪くないな、むしろ…あれおかしい、雪ノ下に罵倒された時はこんな感覚無かったのに…いや、でもあれは戸塚であって戸塚じゃない…あれ、頭がクラクラしてきた)ブツブツ

    美紀「」ヒキッ

    71 = 1 :

    【駅前にて】

    八幡「なあ、ゲームは好きなんだよな」

    胡桃「ああ。前までは結構やってたよ」

    八幡「んじゃ、ゲーム機とカセットを幾つか持ってくか」

    胡桃「そういえば学校にゲーム機は無かったな。当たり前だけど」

    八幡「これで皆でゲームもできて、丈槍からの嫉妬と不満、それと俺たちの誤解も少しは解消されるだろ」

    胡桃「そうだな」

    八幡「俺は液晶ディスプレイを確保してくるから、好きなカセット選んでろ」タタッ

    胡桃「ああ」

    八幡「この辺はもう奴らを駆除したから大丈夫だと思うが、もしもの時は無理すんなよ」

    胡桃「分かってるよ。そっちも無理しないで逃げろよ」

    八幡「んじゃ行ってくる」タタッ

    胡桃「どれにしようかな…」ガサゴソ

    胡桃「……」

    72 = 1 :

    胡桃(そうだ、アタシが好きだった先輩と八幡は全然タイプが違う)

    胡桃(あたしは先輩意外は考えられない)

    胡桃(あんな根暗で捻くれてないし、目つきも悪くないし、負のオーラもないし)

    胡桃「………」

    胡桃(……でもアイツ、意外と顔自体は整ってるだよなぁ)

    胡桃(何だかんだ言って頼りになるし、優しいし)

    胡桃(何よりこんな危険な状況なのに、妹とか部員とかを必死に捜してるし…)

    胡桃(美紀そっくりの素敵な恋人がいるのも頷けるな)

    胡桃(結婚したら、その人はきっと幸せだろうな)

    胡桃「……」

    胡桃(アイツ、将来の夢は何だろ)

    胡桃(あたしは将来はお嫁さんになりたいけど…アイツは何になりたいんだろ。捻くれてるし、凄い馬鹿げた回答が返ってきそうだけど)

    胡桃「……」ボーッ

    73 = 1 :

    八幡「おい」

    胡桃「わわぁぁ!?ビックリした!」

    八幡「小さいなディスプレイを手に入れたが、これで良いよな?」

    胡桃「え、ああいいじゃね?」

    八幡「さて、そろそろ上の階を見回るか」

    胡桃「……なあ」

    八幡「ん?」

    胡桃「お前って何かスポーツやってたのか?」

    八幡「全然」

    胡桃「そのわりには運動神経良いな」

    八幡「小学校の頃、一人で野球とかサッカー、テニスはやってたしな」

    胡桃「一人で出来るのかよ!?」

    八幡「ほら壁当てとか。あとキャッチャーフライなら一人でバッティングと守備を両方できる」

    胡桃「ああ…まあ、うん」

    八幡「後は妹とよく卓球やってた」

    胡桃「お前、本当に妹想いなんだな」

    八幡「なんてったって戸塚と妹は俺の全てだからな」

    胡桃「お前シスコンかよ…」ヒキッ

    八幡「違う、俺は妹を大事に思ってるだけだ」

    胡桃「……」

    胡桃「もし…さ」

    八幡「?」

    胡桃「パンデミックの問題とか、全部解決して…また学校に通えるようになったら…さ」

    八幡「おう」

    胡桃「お前が所属してる部活とやらに、戻るのか?」

    八幡「わからん。そもそも通う学校が総武高校とは限らんしな。同じ部活を続けられるとも限らん」

    胡桃「もし」

    八幡「?」

    胡桃「一緒の学校に通えたら…陸上やらないか」

    74 = 1 :

    八幡「え」

    胡桃「りーさんや美紀も誘いたいが、たぶん園芸部とかの文化部に入るだろ」

    胡桃「だから由紀を誘うと思うんだ。そしてお前も入れよ」

    八幡「断る」

    胡桃「ちょ、なんでだよ!」

    八幡「面倒だ」

    胡桃「お前、運動神経良いのに勿体無いぞ!」

    八幡「前も言ったろ。嫌われやすい性質なんだよ。男からは軽んじられ、女からはゴキブリみたいな目で見られるに決まってる。そんな目に合うくらいなら入らん」

    八幡「中学の頃に俺は、リレーのバトンを渡す時に女子からドンビキされた位だ。はははは、陸上なんてやらないほうが良い」ケラケラ

    胡桃「もしそんな酷い事するやつらがいるなら!あたしが許さん!!!」

    八幡「………っ」ドキッ

    胡桃「あ、悪い怒鳴って」

    八幡「……大丈夫だ。それより上の階に到着した訳だが」

    ぅぅ…あ“あ”あ“…

    胡桃「っ!!来たか…」

    八幡「気を抜くなよ」

    胡桃「そっちもな!」

    八幡「……」

    75 = 1 :

    【コンビニ】

    胡桃「さっきはお疲れ。それじゃ昼飯を食うか!」

    八幡「あーしんどかった。さっきは数が多かったな」

    胡桃「小さいとはいえ、リュックにテレビが入ってるから余計大変だろ」

    八幡「ああ、重い」

    胡桃「ん?これは…」

    八幡「どうした」

    胡桃「風船だ!」

    八幡「風船?」

    胡桃「ああ、八幡がうちの学校に訪れるその日、学園生活部で手紙を書いて、風船と鳩を使って外に送ったんだ」

    八幡「風船に伝書鳩…あれはそういう意味だったのか」

    胡桃「え、まさか見たのか!?」

    八幡「ああ、なんか建物から風船と鳩が飛んできたから…あれを目印に、学校まで辿り着いた」

    胡桃「そうだったのか…!やっぱ由紀の勘と発想はすげぇな…」

    胡桃「風船とアルノー鳩錦二世にはよくよく感謝しろよ!」

    八幡「なんだその変な名前。つーか1世いるのかよ」

    胡桃「まあとにかく、風船が役になったのは事実だ」

    胡桃「今回も風船を持ち帰るとするか!」ススッ

    八幡「まあ俺が学校に辿り着いた様に、また何かに役立つかもな」ススッ

    八幡「……」

    八幡(風船に感謝する日がくるとはな)

    76 = 1 :

    【学校・夜の部室】

    由紀「八幡くん!くるみちゃん!ゲーム機ありがとう!」キラキラキラ

    胡桃「おう。へへ、早速やるぞ!」

    由紀「えへへへ」

    八幡「おい恵飛須沢。まだ戦利品あっただろ」

    胡桃「あ、そうだ…忘れてた…」ゴソゴソ

    胡桃「じゃじゃーん」ススッ

    由紀「あ、風船!」

    八幡「コンビニで見つけた」

    由紀「わぁぁぁ」キラキラ

    悠里「またいつか、風船お手紙を送りたいわね」

    美紀「そうですね…いつかとは言わず、何度でも…」

    美紀(圭にも届くように……)

    八幡「……?」

    八幡(物憂げな表情。彼女にも何か抱えてる物があるのだろうか)

    美紀「……あんまりジロジロ見ないで下さい」プイッ

    八幡「すまん」ゾクゾク

    悠里「あらあら、鼻の下が伸びてるわよ」

    胡桃「ドMか!」

    由紀「ねぇねぇ、早くマリオテニスやろう!」

    八幡「お、テニスが先か。良いだろう。俺のテレサには勝てまい」

    胡桃「いいや、わたしのディディーには勝てないぜ!」

    由紀「私のパタパタが一番だよ!」

    悠里「ピーチとクッパ、どちらを使おうかしら…美紀さんは何を使う?」

    美紀「……マリオです」

    77 = 1 :

    【寝室】

    八幡「……」

    八幡(ドアの前で俺は寝てるが…未だになれん。すぐ近くに女子がいるこの状況…)ドキドキ

    八幡(さっきも直樹を見て鼻血を出してしまった。今日からズボンを穿く様になったが、先日の生足を思い出してしまった…う、また鼻血が…)ボタタ

    由紀「良いこと思いついた!!」

    八幡「いっ!」

    美紀「もう…なんですか。騒々しいですよ」

    悠里「どうしたの由紀ちゃん?」

    由紀「とっても素敵な事!」

    胡桃「はいはい、何ですか…ってあれ、デジャブ?」

    八幡「……で、なんだよ。こんな夜中に」

    由紀「えーっとね、それでね、んーとね」

    由紀「あとは明日のお楽しみ!」

    胡桃「アチョー!!」チョップ

    由紀「いったーーい!」

    胡桃「同じシチュエーション再現させるな!」イライラ

    由紀「痛たたた…」

    78 = 1 :

    美紀「それで結局、どうしたんですか?」

    由紀「んーとね、お楽しみ!」

    胡桃「はぁぁ…わーったわよ。まあ楽しみに待ってる」

    由紀「あ、やっぱり我慢できない!」

    胡桃「おい!」

    由紀「みんな!今度、文化祭を開こうよ!」

    八幡「……文化祭?」

    由紀「あと…あ、やっぱり修学旅行が先が良いかな?それともまた遠足とか?それともそれとも」

    胡桃「どれにするかハッキリしろよ…」

    由紀「ねぇー八幡くんは何がいい?」

    八幡「知るか」

    美紀「そういえば先輩達が遠足の時に、私と出会ったんですよね…」

    胡桃「ああ、そうだったな」

    悠里「……フフフ、楽しみね」

    79 = 1 :

    今日はここまで

    81 :

    おつ
    くるみチョロいな
    つっても、一人しか男いない訳だし、なくはないが……

    82 :

    乙乙
    平塚先生はゾンビになったの?
    それとも本人がそれを察知して自害したの?

    83 :

    何故か無人島に遭難した多数の男が1人の女を奪い合う話を思い出した。
    シチュエーション的には近いものがあるよねこれ

    84 :

    吊り橋効果

    86 :

    >>84
    スキンシップ皆無の八幡が抱き付くほどだしな。吊り橋すげぇ

    87 :

    アナタハンのぼっち王

    88 :

    >>82
    平塚先生の最期は本編中に語られるのでまだ言えません
    まだ書き溜めしてないので、次の投下は早くて四日、遅くて一週間後位です

    89 :

    遅くて一週間とか早いじゃないか(歓喜)!
    1つ聞きたいんだが、八幡はみーくん見て鼻血ふいてんの?それともみーくんから戸塚を見てふいてんの?

    90 :

    ゆきのんとガハマさんは雪ノ下家が製薬会社に何故か献金してた、みたいな設定でなんとか避難に成功してそうだけど、戸塚と小町の生存率がな……。実際総武や小町の中学に姿見えないから探してるわけだし……

    91 :

    答えてくれてありがとう
    次回を待ってます

    92 :

    ヘタしたらゾンビ化される世界で、今まで一人で敵を倒してきた少女に、共に戦場で戦い背を預けられる仲間ができた。
    惚れるなって方が無理ゲー。

    93 :

    その無理を通すのが八幡という男

    94 = 92 :

    調子のった胡桃が事故ってバイクを壊すが、幸い軽傷で済む。で、八幡とニケツでツーリングするとか想像が膨らむ。

    95 :

    アニメの胡桃ちゃんのようにしてはならんぞ

    96 :

    胡桃の代わりにめぐねえに襲われてゾンビ化する八幡
    なお、元々ゾンビの模様

    97 = 91 :

    めぐねえは八幡にとって通常ゾンビでしょ
    太郎丸を殺したらあいつらになんて言おうとか考えて躊躇しそうだけど

    98 = 96 :

    言い方が悪かったね
    めぐねえコンニチワで怯んだ胡桃を庇って、胡桃の代わりに八幡がめぐねえに負傷させられるという趣旨で言いました

    99 = 91 :

    そうかごめんなさい
    代わりが代役に脳内変換されてしまった
    材木座、平塚先生と眼の前で死んでしまってる八幡なら原作以上に他人を庇いそうだよね
    元人間もその手でいっぱい殺してる

    100 :

    八幡だったら例え小町やゆきのん辺りがゾンビ化してたとしても躊躇いなく始末しそう。胡桃達が自分の知り合いと気付いて嫌な思いするくらいなら自分が汚れ役に回るとか考えそうだ


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