元スレ八幡「と、戸塚―!!」由紀「みーくんの彼氏!?」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★
1 :
注意
・俺ガイルとがっこうぐらし(アニメ基準)のクロス
・八幡は3年生に進級後という設定
・殺伐さ少なめ、ほのぼの
※ラブコメ度が高く、少しだけキャラ崩壊あり
SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1440596716
2 = 1 :
別スレでこれも書いてます
こちらスレは、がっこうぐらしを俺ガイル風にアレンジした物です↓
八幡「やはり俺たちのがっこうぐらしは間違っている」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1438969642/
3 = 1 :
【街中】
八幡「やばい…燃料が少なくなってきてる」
ブロロロロ…
八幡(パンデミックが起きてから数ヶ月…地元から随分と離れた場所まで来てしまった)
八幡(そして本当の意味でボッチになった)
八幡「……」
キィィィ
八幡(原付バイクのブレーキをかけ、ふと空を見上げる)
八幡(世の中は大変な事になってるのに、空は憎たらしいほどの晴天だ)
八幡(パンデミックが起きたあの日…俺は偶然、学校を休んで家にいた)
八幡(異常事態に気がついた時には、両親は既に手遅れだった)
八幡(だが悲しみに明け暮れてる暇などなかった。人探しの旅に出ることにした)
八幡(雪ノ下に由比ヶ浜、小町と戸塚を捜す旅に)
八幡(そして、旅を共にしたカマクラと仲間がいたが…道半ばにして力尽き)
八幡(もうこの世にいない)グスッ
八幡「……っ」
八幡「いかん、気をしっかり保たなければならん」
八幡(自分はまだ生きている)
八幡(だから諦めない。どんな結果が待ち受けていようと)
八幡(必ずアイツらを見つけだしてみせる)
八幡「……」
八幡「ん、あれは」
八幡「風船に…ハト??」
4 = 1 :
八幡(ある方角の建物から、その風船と鳩が解放され空を舞う)
八幡「……」
八幡「この近辺に…生存者がいる…」
八幡「あの建物は学校か」
八幡「……」
八幡「もしかしてアイツら…!!」グッ
八幡(原付バイクのアクセルを握る)
ブロロロロロ…
八幡(目の前にいるゾンビどもを搔き分けながら走りぬく)
~校門前~
八幡「……」
ぅぅ…ぁぁぁ…
八幡(ゾンビが大量にいやがる。在校生が殆んどだが、一般人だった者もいるな)
八幡「よし…ここはクラクションをならして」
ビィィィィ!!ビィィィィ!!
八幡「……」
ぅぅ…あ“あ”あ“…
八幡「きたきた。これで奴らをひきつけて…」
八幡「裏門から学校に侵入だ」ダダッ
5 = 1 :
【学園生活部・部室】
ビィィィィ!!ビィィィィ!!
胡桃「なんだ!?」
悠里「いま、外から音がしたわよね」
由紀「今のって、クラクションの音?」
美紀「まさか…誰かきたんじゃ!?」
胡桃・悠里「っ!!」
由紀「なんだろうね。もしかしてヤンキーさんかな…」ブルブル
胡桃「大丈夫だ!この私がいればヤンキーなんてイチコロだぜ!」ブンブン
美紀「部室でシャベルを振り回さないで下さい」
悠里「フフフ、もしかしたら転校生かもしれないわよ。ね、由紀ちゃん」ナデナデ
由紀「わぁぁ…転校生!良い人だったら良いなぁ!」パァァ
6 = 1 :
悠里「だとすると、私たちはこんなジャージ姿でお出迎えするのね」
胡桃「そうだな。今日は制服を洗濯しなきゃ良かったな」
美紀「仕方ないですよ。ちゃんと洗濯しないと臭ってしまうんですから」
由紀「えへへへ、でもジャージってなんか落ち着くよね」
由紀「みーくんの緑色のジャージも良く似合ってるよ!」ダキッ
美紀「ちょ、ちょっと抱きつかないで下さい…」
由紀「えへへへ」スリスリ
胡桃「さて…いくか」チャキッ
美紀「待って下さい」
胡桃「なんだよ美紀」
美紀「安全な人かどうかわからないじゃないですか、遠くから双眼鏡で様子を見ても」
胡桃「なるほど…どれどれ」ススッ
胡桃「うーん…」
~~~~
悠里「どう胡桃?」
胡桃「校門前にバイクが置いてある。誰も乗ってないけど、クラクションに反応して奴らが集まってきてる」
美紀「誰も…乗っていない…」
悠里「なぜわざわざ校門の前まで来て、クラクションなんて鳴らす必要があったのかしら」
7 = 1 :
胡桃「うーん…陽動か?どうする?」ヒソヒソ
悠里「そうね…もし生存者なら助けないといけないわね」ヒソヒソ
美紀「でもどんな人なのかもわからないし…慎重にいかないと」ヒソヒソ
胡桃「そこは会ってみないと分からないだろ」ヒソヒソ
悠里「そうね。多分、校舎に向かってるだろうし助けに向かいましょう」ヒソヒソ
由紀「ん?」
胡桃「どうした?」
由紀「足音が聞こえるよ。こっちに走ってくる」
全員「!!」
悠里「由紀ちゃんって、たしか結構耳が良いのよね」
胡桃「ああ。ショッピングモールで美紀を救出できたのも由紀のおかげって言っても良いしな」
美紀「だ、誰かが…こっちに来るんですね…」
タッタッタッタッ!
胡桃「っ!!聞こえたぞ足音」
「ここら一体は、バリケードで守られている…なら声を出しても大丈夫だな」
「雪ノ下!由比ヶ浜!小町!戸塚!」
全員「!!」
美紀「こ、声が…」
「……」
「この部屋…明かりがついてやがる…」
「……」
全員「……」
ガララッ
8 :
ちょっと似ているな~とは思ってたけどまさかほんとにこのネタやる奴がいたとはww
10 = 1 :
八幡「……」
学園生活部全員「………」
八幡「あ…あ…」ガクガク
胡桃「ひ、人?だよな?」
悠里「あらあら、男の子ね」
由紀「わぁぁぁ!転校生さんだ!」
美紀「え、えと…アナタは…」
八幡「」
カラァァン
胡桃「おい、何か落としたぞ…ってアンタの武器もシャベルか」
八幡「」
悠里「ここまでたった一人で大変だったでしょ?いまお茶を淹れるわね」
由紀「わーい!転校生だ!転校生さんだ!」
美紀「えっと…とりあえず中へ…」
八幡「戸塚――!!!」
11 = 1 :
学園生活部全員「え?」
八幡「戸塚…戸塚ぁぁ!!」
ダキッ
美紀「」
胡桃「っ!!?」
悠里「Wow!」
由紀「はわわわわ!?///」
八幡「戸塚…会いたかったぜ…戸塚」ギュゥゥゥ
美紀「」
由紀「はわわわわ///みーくんの彼氏!?///」
胡桃「おま、彼氏いたのかよ!」
悠里「あらあら、熱々ね」
八幡「辛い事ばっかりで人生イヤになってた。だが生きてて良かったぜ…本当に無事でよかった…」ギュゥゥ
美紀「……」プルプル
美紀「い、い…いやあああああ!!!」バッ
八幡「え」
バシッ!!
八幡「ぶべっ!?」ドサッ
美紀「ひ、人違いです!」
八幡「な、何言ってんだ戸塚。俺だ、比企谷だ」
美紀「わ、私の名前は戸塚じゃなくて…直樹美紀です!」
八幡「…………」
八幡「え?」
12 = 1 :
~~~
八幡「」
八幡「……」チラッ
美紀「……」ヒキッ
美紀「……」プイッ
八幡「」
悠里「フフフ、よほど美紀さんが愛しの人にそっくりさんだったのね」
八幡「え、あ、いや…その…」キョドッ
胡桃「は、ははは…全くおかしな奴が来たもんだな」
由紀「えへへへ、すっごい光景見ちゃったね!」
悠里「はい、お茶」
八幡「う…う、うす」キョドッ
悠里「私は3年の若狭悠里。皆からはりーさんって呼ばれてるわ」
胡桃「同じく3年の恵飛須沢胡桃だ。よろしくな」
由紀「私も3年生の丈槍由紀だよ!よろしくね!えーっと…」
八幡「……あ?え、な、な、なんでしゅか」
胡桃(ぷっ、嚙んでやんの)
由紀「お名前は?」
八幡「……総武高校3年、比企谷八幡、で、です」
由紀「えへへへ、同級生だね。ヨロシクね八幡くん!」
八幡「上の名前で呼んでくれ」
由紀「えーーやだーー」
13 = 1 :
八幡「……」
由紀「……?」
八幡「……」
胡桃「お前、意外と内気なのか?」
八幡「意外も何も、見たまんまだ」
悠里「そう?恋人にそっくりさんの美紀さんに、あんな熱いスキンシップをしてたのに?」
八幡「あ、いや、あれは…だから…そもそも戸塚は…」チラッ
美紀「……」プイッ
八幡「あ、あの…さっきはごめんなさい」ペコッ
美紀「……」ツーン
由紀「みーくん、もう許してあげなよー」
悠里「そうよ美紀さん。ワザとじゃないみたいなんだし」
美紀「男の人に抱きつかれたの初めてだったんですよ…先輩たちだっていきなり抱きつかれたら絶対、同じ気持ちになりますから」
美紀「……」プイッ
八幡「な、なあ…えーと…丈槍」ヒソヒソ
由紀「ん~?」
八幡「直樹って…その、女…なのか?」ヒソヒソ
由紀「うん、女の子だよ」
胡桃「お前何言ってんだ。アイツをどうみたら男に見えるんだ」
八幡「……」
八幡(女版戸塚とか…もうヤバイだろそれ!犯罪だ!)ドキドキ
胡桃「何、上向いてるんだよ」
八幡(考えるな何も考えるな。鼻血が出てしまう…!)
悠里「あら、そろそろ洗濯物も渇いたんじゃ無いかしら?」
胡桃「よし、取りに行くか」
悠里「由紀ちゃんと美紀さんは、八幡くんとお留守番しててくれる?」
由紀「はーい」
美紀「あ、私も行くんで」タタッ
ガララッ
胡桃「逃げるように去ってったな」
八幡「」
14 = 1 :
八幡「……」
由紀「えへへへ~太郎丸~」スリスリ
太郎丸「クゥゥン」スリスリ
由紀「あ、泣かないで!」
八幡「……?」
由紀「八幡くん!紹介するね」
八幡「比企谷と呼べ」
由紀「えっとね、隣にいるのは巡ヶ丘高校の先生で、学園生活部の顧問の佐倉慈先生だよ。みんなから、めぐねぇって呼ばれてるんだよ~」
八幡「……は?」
由紀「ほ、ほら!比企谷くんも挨拶してお願い!めぐねぇ泣いちゃうから、ね?」
八幡「何を言ってるんだいお前は」
由紀「あわわわ!めぐねぇ泣かないで!」
八幡「お前、大丈夫か?」
由紀「めぐねぇは大丈夫じゃないよ!もう!」
15 = 1 :
~~~
由紀「それじゃ、私たち制服に着替えてくるね!」
由紀「太郎丸と待っててね八幡くん」
八幡「だから上の名前で呼べと何度言ったら」
ガララッ
八幡(……)
八幡「はぁぁ…やっちまったな…」ガクッ
八幡「下手したら捕まるぞ俺。って今は警察も機能してないんだけどな」
太郎丸「わんわん!」
八幡「……」ナデナデ
八幡「はぁ…結局、アイツらじゃなかったのか…」
八幡「……」
八幡「丈槍ってやつ、随分と犬好きだったな」
八幡(あの髪色といい、性格といい、犬好きといい…どっかの誰かを思い出す)
――ヒッキー!
八幡(おっぱいは逆だけど)
八幡「アイツら無事かな…つーかここなんで電気使えるんだ」
16 = 1 :
ガララッ
由紀「おっまたせー!寂しかったかな~?」
八幡「全然」ナデナデ
太郎丸「わん!」
悠里「あらあら、太郎丸に随分懐かれてるわね」
胡桃「待たせたな」
八幡「大丈夫だ」
胡桃「とりあえずよ、色々と聞きたいことが山ほどあるだが」
八幡「ああ、俺もだ」
胡桃「よし…おい由紀!めぐねぇは今、職員室にいるよな?」
由紀「え…あれ?めぐねぇがいない…」
悠里「さっき、めぐねぇが職員室に来てって言ってたわ」
由紀「そっか。行ってくるね!」ガララッ
八幡「……なあ、あれは何なんだ?」
胡桃「実は…」
~説明中~
胡桃「っと言う訳だ。多分お前は由紀の中で『転校生』として認識されてる」
八幡「……そうか。大変だったんだなお前ら」
胡桃「お互い様だ。お前はどうやってここまで来たんだ?」
八幡「……」
八幡「一言じゃ語り尽くせ無い。基本俺はボッチだが、随分前まで、一緒に旅をしていた仲間がいた」
胡桃「どんな奴らだったんだ?」
八幡「それは…」
悠里「ちょっと待ってくれる?」
胡桃「何だよりーさん」
悠里「美紀さん、いつまでも廊下にいないで入ってきなさい」
八幡「……っ」
17 :
確かに似てる
18 = 1 :
ガララッ
美紀「失礼します」
八幡「」
悠里「ほら、いつまでも拗ねてないで席に座りなさい」
美紀「え…比企谷先輩の隣ですか…」ヒキッ
胡桃「あーもう!別に襲ったりしねぇから大丈夫だよ!もし襲ったら私が峰打ちすっから心配すんな!」
八幡「」プルプル
胡桃「なあ。八幡はもう何もしねぇよな?……八幡?」
八幡「が…がががが、がったたがった」プルプル
胡桃「!?」
悠里「は、八幡くん…?」
八幡「と、戸塚が…戸塚が、戸塚が…」ボソボソ
八幡「女子制服に…ガーターベルトだと…」ボソボソ
胡桃「おま、なに言って」
八幡「うっ…!!」ボタボタ
悠里「きゃっ!!?」
胡桃「は、鼻血!?」
美紀「」ドンビキ
19 = 1 :
八幡「戸塚が女子制服にガーターベルト戸塚が女子制服にガーターベルト戸塚が女子制服にガーターベルト……」ボソボソボソ
八幡「うっ…うぁぁ…」ドバドバ
胡桃「わわわ!?やばいぞこの鼻血の量!?」
美紀「」
悠里「は、八幡くんしっかり!ほらティッシュ!」ググッ
八幡「ぐっ…うああぁぁ…」
胡桃「おい!正気に戻れ!」
胡桃「アチョー!!」チョップ
ガンッ!
八幡「っ!!痛っ!!」
胡桃「ちった落ち着けこのスケベ野朗!!」
八幡「はぁ…はぁ…俺は一体…」
悠里「ああもうティッシュがあっと言う間に…いま代わりのもの出すから待ってて」
八幡「なんか…クラクラする…目まいが…」
美紀「」ササッ
ガララッ
由紀「ただいまー!めぐねぇもつれて来たよ…って、みーくんどうしたの!?なんで部屋の隅にいるの!?」
美紀「もういや…」ガクガク
八幡「ぅぅ…ああ…ヤバイ…貧血だ…」ボタボタ
由紀「はわわわ!八幡くんもどうしたの!?鼻と口周りが血だらけだよ!?」
20 = 1 :
悠里「ほら八幡くん、新しいティッシュよ!」ググッ
八幡「え、て、てぃっしゅ?」ボタタタ
胡桃「まだ状況が飲み込めてないのかよ!お前、美紀に興奮して鼻血出してたんだよ!」
八幡「」
胡桃「大丈夫かお前?長旅の疲れで、頭のネジぶっ飛んでるんじゃねぇか?」
八幡「……」ボタタタ
八幡「ああ…そうかも、な。色んな事あったから疲れてるのかもな俺」ボタタタ
由紀「へー八幡くんって旅行好きなんだ!」
八幡「基本的に引き篭ってる方が好きだけどな」
八幡「……ん?」チラッ
悠里「ふう、ちょっと鼻血の量が治まってきたみたいね」ボイン
八幡「」
八幡「うっ…!!」ボタタタ
悠里「きゃっ!また血の勢いが…」ググッ
八幡(で、でかい。由比ヶ浜級…いや平塚先生級の凶器がこんな目の前に!)
21 = 1 :
八幡(落ち着け!そうだ、なにか違う事を考えよう…)
八幡(戸塚が一人…戸塚が二人…)
――八幡!僕ってガーターベルト似合うかな…?///
八幡「ぐぁぁ…っ!!」ドババ
バタッ
八幡「」チーン
悠里「きゃっ!?」
由紀「はわわわ!八幡くんが倒れちゃった!?」
胡桃「おいしっかりしろ!おい!」ユサユサ
八幡「」ボタタタ
美紀「」
悠里「貧血で倒れてしまったのね…夕食は鉄分たっぷり入ってる物を作らないと」
由紀「ど、どどど、どうしよう!?」
胡桃「とりあえず布団に寝かせるぞ…ったく、飛んだスケベ野朗が来やがったぜ。なあ美紀?」
美紀「もういや…」
美紀「そんなハレンチな人!学校から追い出してください!」
22 = 1 :
今日はここまで
もう一つのスレも近いうちに投下します
25 :
乙、八幡ならすぐ出て行ってまた小町探しに戻りそうだな
26 :
ゾンビにはステルスヒッキー通用しないのかな?
てっきり特性生かした活躍を見せるのかと思ってた
27 :
今のところ八幡がただの屑なんだよなww
28 :
このまま目的も忘れて女子高生いっぱいの中でハーレム生活を楽しむなら本物の屑
29 :
八幡「ん」パチッ
八幡「……??」
八幡(えっと、確か鼻血を出して途中から記憶が…そうか、気絶したのか。すげぇ気持ち悪いな俺)
八幡「それよりここは…更衣室か?布団が敷いてあるが」
八幡「……って事はここはあいつらの寝室。おいおい野朗をここに寝かせて良いのかよ」
ガララッ
由紀「あ、目が覚めたんだね!」
八幡「丈槍…」
由紀「もう、みーくんがいくら可愛いからって鼻血出しちゃだめだよ?」
八幡「みーくん?」
由紀「美紀だからみーくん!」
八幡(ああ、戸塚もどきか。っていうかもうアレは本人にしか見えん。性格は違うけど)
由紀「もう夕飯できてるから!ほら行こ!」グイグイ
八幡「ちょ、おい。腕を引っ張るな!」ドキッ
由紀「えへへへ。今日は豪華だよ~」
30 = 1 :
ガララッ
由紀「みんな~八幡くんが目を覚ましたよ!」
悠里「あら、タイミングが良いわね」
胡桃「やっと目が覚めたか」
悠里「今日はカレーライスとわかめスープ、ほうれん草のおひたしよ。一杯食べてね」
八幡「ど、どうも…」
八幡「……」チラッ
美紀「」ビクッ
美紀「……」プイッ
八幡「」
由紀「それじゃいただきまーす!」
八幡「はぁ…」
悠里「さあ、食べて」
八幡「あ、はい」
~~~
八幡「ごちそうさまでした」
胡桃「はぁ、食った食った」
悠里「さてお片づけしないと」
美紀「悠里先輩、手伝います」
由紀「じゃあ私も手伝っちゃおうかな~」
悠里「フフフ、おりこうさんねゆきちゃん」ナデナデ
由紀「えへへへ」
美紀「気をつけて下さいね由紀先輩」
八幡「……」
八幡「……」ガタッ
胡桃「ん?どうした」
八幡「夕飯までご馳走になって悪いな」
悠里「フフフ、長旅のお客さんはしっかりおもてなしをしないとね」
胡桃「備蓄も沢山あるしな。お前も運が良いな」
八幡「……んじゃ、俺はここらで」
胡桃・悠里「え?」
八幡「じゃあな。襲われない様に元気に暮らせよ」
ガララ
胡桃・悠里「!?」
由紀「え、え?」
美紀「……」
31 = 1 :
胡桃「おい!ちょっと待ってよ!」
八幡「……」
悠里「苦労して折角ここまできて…出て行くつもりなの!?」
八幡「捜してる奴らがいる。だからここにはいられない」
胡桃「それって美紀そっくりの戸塚って奴か?」
八幡「他にもいる。部員と妹だ。じゃあな」
悠里「え、妹?」ビクッ
胡桃「部員…」ビクッ
八幡「……」テクテク
胡桃「……っておい待て!りーさん!追いかけるぞ!」
悠里「……」
胡桃「りーさん!聞いてるのかよ!」ダダッ
悠里「あ、ご、ごめんなさい」ダダッ
~~~
胡桃「待てっておい!」
悠里「八幡君、一先ず落ち着いて話を聞いてね?」ガシッ
グググッ
八幡「!?」
八幡(な、なんだこの握力!?若狭の奴、おっとりしてそうで力強すぎだろ…体が前に動かねぇ…!)
悠里「…もう外は真っ暗よ。今晩は泊まって行きなさい」
32 = 1 :
八幡「頼む、離してくれ」
悠里「それなら泊まって行きなさい。外は危ないわ」
八幡「その危険な境遇を俺はずっと一人で生きてきたんだ。今更怖いなんて言ってられん」
胡桃「明日は我が身かも知れないだろ」
八幡「……その時は、所詮その程度の人生だったって事で諦める」
胡桃「お前…どうしてそこまでして…」
八幡「お前らには関係ない事だ」
八幡「ん?」
由紀「……」シュバッ
八幡「おい丈槍、邪魔だ」
由紀「……」
由紀「でぃーふぇんす!でぃーふぇんす!」
胡桃・悠里「!?」
八幡「は?」
由紀「でぃーふぇんす!でぃーふぇんす!」ピョコピョコ
胡桃・悠里「……」
胡桃・悠里「ディーフェンス!ディーフェンス!」シュバッ
ゆき「でぃーふぇんす!でぃーふぇんす!」ピョコピョコ
胡桃・悠里「ディーフェンス!ディーフェンス!」ピョコピョコ
八幡「」
八幡「お前らスラムダンクの読みすぎだ」
由紀「八幡君!せっかくお友達になれたのに学校やめちゃうなんてイヤだよ!」
八幡「と、友達…」ドキッ
八幡(てかこいつの脳内では俺が転校初日から退学未遂って事で認識されてるのか)
八幡「だれが友達だ」プイッ
由紀「あ、ひっどーい!」プクッ
八幡(会って初日から友達として認識されたのは初めてだ…奉仕部の奴らですら親密になるのに、それなりに時間を費やしたというのに)
33 = 1 :
由紀「ねぇ、八幡君も学園生活部に入部しよ!」
八幡「俺が学園生活部に…?」
八幡「……」
八幡「俺の居場所は学園生活部じゃなくて…」
八幡「……」
胡桃「提案がある」
八幡「ん?」
胡桃「しばらく巡ヶ丘付近を探索するんだよな?」
八幡「ああ」
胡桃「なら、巡ヶ丘高校を拠点にするってのはどうだ?」
八幡「ここを拠点に…」
悠里「それは良い考えね」
胡桃「探索は昼間。夕方になったらここに戻ってくる。ここなら衣食住の不自由ないぜ」
胡桃「どうだ?」
八幡「……だとしても、いずれはここを出る事になるが」
胡桃「それを言ったらあたし達だって、いつまでもここにいる訳じゃない」
悠里「……そうね。いつかは卒業するものね」
悠里「ただ、ここにいる間に捜している人が全員見付かれば、問題は解決するでしょ?」
八幡「……」
八幡(率直な気持ちを述べると、嬉しさ3割の戸惑い7割といった所だ)
八幡(いままで初対面で、俺をここまで歓迎してくれた奴は過去にいただろうか)
34 = 1 :
(回想)
平塚「ここのショッピングモールに生存者がいて助かったな」
材木座「うむ、実にありがたい。我は危うく飢え死にするところだったぞ!」
八幡「一食抜いただけで大げさなんだよお前は」
八幡「……」
~数日後~
モブ1「なあ…あのデブと目つき悪い奴さ…」ヒソヒソ
モブ2「ああ、なんかね…平塚さんは良い人だけど」ヒソヒソ
モブ3「出て行かないかな…食料だって無限じゃないし」ヒソヒソ
材木座「は、八幡…どうやら我とお主、あまり良い目で見られてないようだ」
八幡「ああ。本当、世知辛いな世の中だな。こっちから距離を置いてやってるのによ」
平塚「……ここは君達にとって、いずらい場所だったようだな」
八幡「……」
平塚「ここのショッピングモールを拠点として、ここらの地域を探索したが、結局彼女たちは見付からなかった」
平塚「どうする?そろそろ次の地域を探索するか?それともここで留まるか」
八幡「……いきましょう。ここにいても避難してる人に迷惑かかるし」
~~~~
八幡「俺はここに残らない方が良い」
由紀「えーー!」
胡桃「なあお前、どうしてそんなに人と距離を置きたがるんだ?美紀にはベタ付いた癖に」
八幡「前に言ったろ。俺は基本ボッチなんだ。根っからの嫌われ者体質で人から必要とされないんだよ。だから俺自身も群れる事はしない」
悠里「……今まではそうだったかもしれない。でもここは違うわ」
胡桃「それともお前には、あたし達がそんな薄情に見えるのか?」
八幡「い、いや、そういう訳では」
由紀「八幡君!学園生活部に入って、いっぱい思い出作ろうよ!」
35 = 1 :
八幡「……」
八幡「分かった。しばらくの間、ここで世話になる」
由紀「やったー!!新しい部員だ!」
胡桃「あ、でもイベントとかには参加しろよな」
八幡「イベント?ああさっき言ってた、最悪な現実を逃避するためのお楽しみ会の事か」
由紀「八幡君の中では学校生活は最悪なの!?」
八幡(まあ実際、高1までは最悪だったしな。現在だってパンデミック状態で勿論最悪だ。学校生活すら送ってないし)
悠里「そのお楽しみ会こそ、私たちの生きがいよ」
胡桃「でも八幡は日中はいないから、これからイベント行事は夕方以降だな」
由紀「えへへへ、また肝試しとかやりたいね!」
八幡(リアル肝試しなら毎日やってるがな)
36 = 1 :
【部室】
悠里「コーヒーどうぞ」
胡桃「サンキュ」
由紀「わーい!」
悠里「八幡くんもどうぞ」
八幡「あ、どうも」ドキッ
由紀「あれ、みーくんは?」
胡桃「もう寝たんじゃねぇの?」
由紀「ふーん。よーし!」ゴクゴク
由紀「げほげほ!あ、熱い~」
悠里「あらあら大変。ゆっくり飲まないとダメよ。ほらハンカチで口元ふかないと」フキフキ
由紀「あぅぅ…ごみぃ」
由紀「りーさんコーヒーありがとう!私もう寝るね、おやすみなさ~い」
ガララッ
胡桃「せっかちな奴だな」
八幡「……」ジーッ
八幡(学園生活部とやらに形だけ入ったが…だが油断はできん)
八幡(特に若狭。あの周囲に対する世話好きはハッキリ言って異常だ。俺に対して出すらあの献身ぶりだ)
八幡(だが俺は小学校から現在にいたるまで、ああいう上っ面の良い女は散々見てきた)
八幡(特に男受けよく演技する女を見破る眼は伊達じゃない)
八幡(中学時代なら間違いなく惚れてたが、俺の人間観察力を舐めるなよ)ジーッ
悠里「明日はどんな事する?」
胡桃「そうだな…」
八幡(……)
八幡(何だろう。一色の様なあざとさは感じられないし)
八幡(あの雪ノ下の姉・陽乃さんのような強化外骨格も、その中にあるドス黒さも無い)
八幡(どちらかと言うと城廻先輩に似ている…しかしどことなく雪ノ下にも似てる。毒舌と胸意外。うん、わからん。未知の生物だ)
八幡(……あれ?俺の一級鑑定はどこに?)
37 = 1 :
悠里「…?どうしたの八幡君?」
八幡「え」
胡桃「お前なにさっきからりーさんの事ガン見してんだよ。気持ち悪いぞ」
八幡「」
悠里「あらやだ。照れちゃうじゃない。フフフ」
胡桃「お前まさか、りーさんに浮気とか考えてないだろうな」
八幡「な、ななな、何を言ってやがる!俺は戸塚一筋だ!!」
八幡(恋人じゃないけど)
胡桃「それじゃ美紀に浮気はありえるのか?」
八幡「さ、ささ、さあな」
悠里「フフフ、動揺してるわよ?」
八幡(非常に悩む。究極の選択だ)
~部室前~
美紀「……」
美紀(コーヒー飲みに来たけどやっぱりやめよう…あの人いるし)
38 = 1 :
胡桃「なあ…ちょっと聞きづらい事だが良いか?」
八幡「ああ」
胡桃「一緒に旅をしていた仲間がいたって言ってたよな?その仲間ってのは…」
八幡「……」
八幡「一匹と二人だ。俺のペットと、腐れ縁…あと美人なのに結婚できない部活の顧問」
八幡「ペットと腐れ縁の奴は数ヶ月前に…それからは先生と二人だったが…1ヵ月前に力尽きた」
胡桃「じゃあそれからは一人で?」
八幡「ああ」
胡桃「……そうか」
悠里「……」
八幡「んじゃ、俺はもう寝るわ」
悠里「待って」
八幡「?」
悠里「そのまま席に座ってて」ギュッギュッ
八幡「っ!?おい、何だよいきなり…人の肩を揉み解して…」
悠里「ずっと辛かったでしょ?」ギュギュッ
悠里「大切な人を失って、こんな恐ろしい状況の中、一人で旅して…」ブルブル
八幡「…っ」ビクッ
悠里「私がアナタの立場だったら…そんな苦痛、とてもじゃないけど耐えられないわ」ガクガク
八幡(彼女の手が震えてるのが触れている肩から伝った)
八幡(手だけじゃない。声も震えていた)
八幡「止めろ。同情はいらん…でも、ありがとう」
悠里「……」ガタガタ
胡桃「りーさん…」
八幡(彼女は単に俺に同情してるだけじゃない)
八幡(怖いのだ。いつか油断したら、自分もそうなるのではと)
八幡(俺はまだ彼女達と出会って間もない。全てを知ってるわけじゃないが)
八幡(恐らく彼女の母性本能は天性の物だ。だがこの異常事態ではその母性本能も自身の精神的防衛の手段となっている)
八幡(……自身の心が壊れないように努めてるのだ)
悠里「これからは私たちが付いてるから…もう大丈夫よ…」ギュギュッ
八幡「あ、あの…もう充分に肩が解れたから、大丈夫だ」
悠里「そう?それなら寝る前にシャワーを浴びると良いわ」
八幡「シャワーまであるのかよここは!?」
39 = 1 :
由紀「ねー。みーくんどこ?」ガラッ
胡桃「あれ、寝てたんじゃ」
由紀「みーくん寝てなかったよ」
悠里「え…まさか…」
胡桃「あ」
~シャワー室~
八幡「……」ガチャッ
サァァァァ…
八幡「それにしてもここは備蓄といい、設備といい、色々揃いすぎてないか」
八幡「電気が付くという事は…まあ恐らく太陽光パネルでもあるんだろうけど」
サァァァァ…
八幡「……」
八幡「ってあれ、誰か入ってる!?」
ガチャッ
美紀「ふぅぅ…さっぱりした…」
美紀「ん?」
八幡「」
美紀「」
八幡(ば、バスタオル姿…だと…)
八幡「ぅぅ…!」ブブッ
八幡(いかん…また鼻血が…と、止まらん。そしてたまらん)ボタタタ
美紀「」
美紀「い、い…いやああああ!!!」
バシッ
八幡「ぶべ…っ!!」ドサッ
ガチャッ
胡桃「おい八幡!まだシャワー室に入るな…って遅かったか」
悠里「ご、ごめんなさい二人とも…私の不注意で」
八幡「」ボタボタ
40 = 1 :
【次の日・部室】
八幡「昨日はごめんなさい」
美紀「……」ツーン
悠里「あ、あのね美紀さん。八幡君にシャワー浴びるように促したのは私だから、その…どうか攻めてないであげて、ね?」
美紀「はぁぁ…もう。今までと違って女子だけじゃ無くなったんですから。気をつけて下さい」
悠里「ええ、気をつけるわ…」ショボン
由紀「まあまあみーくん、ほら今日のスパゲッティ美味しいよ!」
美紀「そうですね、とりあえず食べないと…」モグモグ
美紀「美味しい…」キラキラキラ
由紀「おお…」
八幡「おお…」ドキッ
美紀「……見ないで下さい。気持ち悪いです」ヒキッ
八幡「」
由紀「あぅぅ…」ショボン
胡桃「今のは多分、由紀に対して言った訳じゃないと思うぞ」
41 = 1 :
由紀「じゃあね八幡君!みんな!またお昼休みと放課後ね!」
悠里「行ってらっしゃい」
美紀「それじゃ、屋上に行きますか」
悠里「そうね」
八幡「屋上に何かあるのか?」
悠里「屋上で野菜を栽培してるのよ」
八幡「野菜を菜園できるスペースまであるのか。本当なんでも揃ってるなここは」
悠里「ええ、それに私は元々園芸部だから、野菜は前から育ててるのよ」
八幡「へー」
悠里「八幡君も良かったらどう?」
八幡「……」
八幡「いや、園芸の手伝いはまた後にする」
八幡「部員と妹と戸塚を捜さないと」
悠里「……そう。無理はしないでね」
八幡「ああ」
胡桃「……」
胡桃「……ちょっと待て」
八幡「あ?」
胡桃「一人じゃ大変だろ?」
八幡「大変なのは慣れてる。俺はずっと一人だったしな」
胡桃「んじゃ、あたしも手伝ってやるよ。人探し」
八幡「は?」
胡桃「さて、行くか」
八幡「ちょっと待て。お前は来なくて良いだろ」
悠里「胡桃…」
胡桃「そんな顔すんなよりーさん。大丈夫だ」
悠里「でもリスクが…」
胡桃「八幡と人捜しをしてれば、戦利品を手に入れることだって出来るかもしれないだろ?」
悠里「まあバリケードもあるしコッチは大丈夫だけど……」
悠里「……無理しないでね」
美紀「……」
42 = 1 :
【校門前】
胡桃「結構、闘い慣れてるな。やるじゃん」
八幡「顧問が女性とは思えない位、物凄く強かったからな。背中を見ているうちに闘うコツを掴んだ」
胡桃「そんなすげぇ人でも生き残れなかったのか…」
八幡「奴らに囲まれ、俺を庇って力尽きた」
胡桃「……すまん」
八幡「気にすんな。んで俺は原付バイクに乗るが。お前はどうする?」
胡桃「うーん、めぐねぇの車があるけど、あれは全員で出かける時の為にとって置きたいし…」
八幡「仕方ない。お前に歩調合せるから超低速で走るか…」
胡桃「なあ、この辺に動かせそうな原付バイクあるか?」
八幡「その辺に転がってると思うぞ」
胡桃「ふーん」
八幡「よし、行くか」
ブロロロロ…
43 = 1 :
今日はここまでです
44 :
がっこうぐらしが余り好きではなかったので今日初めてスレ開いたのですが読み易いですね
面白いです
46 :
おつ
47 :
48 :
おつ
49 :
おつ
けっこう面白い
50 :
ヒッキー意外と辛い旅路だったのね
面白いですシエンタ
みんなの評価 : ★★★
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