元スレ提督「おおしお」
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201 = 1 :
熊野「……」
ガチャッ
最上「やっほー、あれ? 熊野、一人?」
熊野「ええ」
最上「鈴谷はどこいっちゃったの?」
熊野「街に出ているのだと思いますわ」
三隈「ご一緒に行かれなかったんですの?」
熊野「そんな、四六時中まで一緒というわけではなくってよ」
最上「熊野、いま暇?」
熊野「……そうですわね、暇と言えば、はい」
最上「良かった! 実はいま朝雲と山雲と遊んでるんだけどさ」
熊野「あら、珍しいのね」
最上「役者が足りなくて、困ってるんだよね」
三隈「是非とも、お力を貸して頂けませんかしら」
熊野「ん……何の役ですの?」
最上「イヌ」
熊野「お断り申し上げますわ」
三隈「サルでも構いませんのよ?」
熊野「さては桃太郎ですわね?」
202 = 1 :
鈴谷「けっこう歩いて来たね」
加賀「どこまで行く気なの」
大潮「大潮は遊園地に行きたいです!!」
鈴谷「また今度ね」
加賀「……道を曲がったわ」
鈴谷「おっ、目的地はそろそろかな」
大潮「大潮この辺ぜんぜん来たことない」
鈴谷「うん、鈴谷も初めて、何があるんだろ」
加賀「行ってしまうわ」
大潮「司令かーん!! 待ってー!!」テテテッ
加賀「……」ガシッ
鈴谷「人通りが少なくなってきたから、慎重にいかないとね」
加賀「このまま追うの?」
鈴谷「鈴谷だけこっそり様子見てくるよ、大丈夫そうだったら呼ぶから」
加賀「分かったわ」
大潮「加賀先輩いい匂いする」スンスン
加賀「やめて」
203 = 1 :
加賀「……」
大潮「あっ!! 鈴谷さん戻ってきました!!」
加賀「そうね」
大潮「鈴谷さーん!!」
鈴谷「……」
加賀「……どうしたの?」
鈴谷「……」
加賀「顔が赤いようだけれど」
鈴谷「あの、何ていうか……ここまでにしない?」
加賀「……どうして」
鈴谷「いやぁ、これ以上は、ちょっと……」
加賀「曲がった先に何があったの」
鈴谷「ん、うん……いろいろ」
大潮「大潮も見てきます!!」
鈴谷「ダメダメダメダメ! 大潮はダメ!」
加賀「……」
鈴谷「……あの、泊まるところっていうか、そういうの」
加賀「???」
鈴谷「あの、だからその……ホテル、ビジネスとかじゃないやつ……」
加賀「!!?」
204 = 1 :
提督「何かすまん」
赤城「迷ったんですか?」
提督「いや、地図によるとこの辺りのはずなんだが……」
赤城「こういうホテル、外装は綺麗ですよね」
提督「内装も綺麗なんじゃないのか」
赤城「そうなんですか? 入ったことないので分かりませんが」
提督「……早く抜けよう、嫌だろう赤城も、こういう場所」
赤城「ふふっ、平気ですよ、提督の弱虫奥手は心得てますから」
提督「なんだと? 見くびるなよ、何ならどれか入ってみるか」
赤城「……」
提督「……冗談だよ、何か言えよ」
赤城「……その後も」
提督「ん?」
赤城「その後も大切にして下さるのであれば、構いませんけど」
提督「……」
赤城「……冗談ですよ、何か言って下さい」
提督「やめろよそういう冗談」
赤城「お互い様です、あとそんな事よりご飯まだですか!」
提督「あー何か安心する、赤城はそうでなくちゃ」
赤城「……」
205 = 1 :
熊野「ですから、どうしてわたくしがイヌ役などやらされねばなりませんの!?」
朝雲「だから! もうそれしか役が無いんだってばぁ!」
熊野「何かあるでしょう!? 例えば、そう、主役とか」
朝雲「桃太郎は私! 山雲がお姫様! これは譲れないんだから!」
熊野「桃太郎にお姫様は登場いたしませんわ!」
天龍「そうとも言い切れねぇぞ、東北では――」
朝雲「山雲がお姫様やりたいって言うんだかしょうがないでしょ!」
熊野「んむむ、でしたら、そうですわね……鬼の大将はどうですの?」
朝雲「鬼のボスは龍田さん! これは全会一致で決まったの!」
龍田「……」
熊野「イヌ、このわたくしに、イヌになれと……?」
山雲「それなら~、山雲のお姫様と、交換してあげるね~」
熊野「……さすがにわたくしも、姫を名乗るのは憚られますわ」
最上「すごい面倒くさいよ熊野!」
熊野「他の方は何の役なんですの?」
最上「おじいさん」
三隈「おばあさんですわ♪」
霰「きびだんご」
熊野「きびだんご!? 霰さんはそれで納得しているんですの!?」
霰「んちゃ」
熊野「どっち?」
206 = 1 :
鈴谷「あーあ、結局最後まで尾行できなかったねー」
加賀「……」
大潮「……」ペロペロ
鈴谷「大潮、アイス美味しい?」
大潮「おいしいです!! 大潮気分もアゲアゲです!!」
鈴谷「うん、良きかな良きかな」
加賀「夕飯の分もお腹を空けておかないと、鳳翔さんが悲しむわよ」
大潮「そうかぁ」
鈴谷「半分食べてあげようか?」
大潮「……」
鈴谷「そんな悲しい顔しなくても……」
加賀「……そろそろ、鎮守府に戻りましょう」
鈴谷「そだね、さあさあ、行くよ大潮」
大潮「朝潮たちにおみやげ買って行きましょう!!」
鈴谷「鈴谷そろそろお財布がピンチです」
加賀「私が出すわ」
鈴谷「うぐ……じゃあ鈴谷も半分出す」
加賀「たまには年長者を立ててくれても良いのではないかしら」
鈴谷「んー……うーん……お言葉に甘えさせて頂きます」ペコリ
加賀「うん」
207 = 1 :
赤城「ただいま戻りました」
加賀「おかえりなさい」
赤城「加賀さん、大潮ちゃんのお相手、お疲れ様です」
加賀「別に、疲れたという程のことでもないわ」
赤城「ふふっ、さすが加賀さん」
加賀「……赤城さんと、提督は」
赤城「えっ?」
加賀「……交際関係に、あるの?」
赤城「ええっ!? いやいやいや、ないです、あり得ないです」
加賀「今日、貴女たちを、その……宿の近くで見たっていう、情報が……」
赤城「えっ、ちがっ、あのあれは、目的地へ行くための道が、あのっ」アセアセ
加賀「誤魔化さなくても、私は気にしないわ」
赤城「ほんとに違います! あっそうです、提督の所に行ってみて下さい!」
加賀「……」
赤城「今日のお出かけの、真の目的が……いま明らかに……!」
加賀「……」
赤城「こうご期待……!」
加賀「……」
赤城「……ほんとのほんとに違うんです」オロオロ
加賀「赤城さんがそう言うなら、信じるわ」
208 = 1 :
提督「大潮」
大潮「???」
提督「なぜ俺の上に乗ってゲームしてるんだ大潮」
大潮「司令官が大潮のふかふかの椅子に座ってるからです!!」
提督「いやこの椅子は俺のだ、俺の机と椅子だ」
大潮「……」
提督「……」
大潮「今日もピカチュウ捕まらなかった」
提督「あれ椅子の話おわり?」
コンコンコンッ
提督「どうぞ」
ガチャッ
加賀「失礼します」
提督「ああ、加賀、今日はありがとうな、大潮のこと」
加賀「いいけれど」
提督「大潮はちゃんと大人しくしてたか」
大潮「してました!!」
提督「自己申告は信用ならんな」
大潮「飛んだり跳ねたりしてました!!」
提督「まるで大人しくない」
209 = 1 :
加賀「赤城さんに、提督の所へ行くよう言われて来たのだけれど」
提督「ああ、加賀に一つ、渡すものが」
加賀「……」
提督「大潮ちょっとどいて」
大潮「や」
提督「一文字で……大潮に椅子を譲ってやるから」
大潮「大潮は司令官のお膝がいいです!!」
提督「あとでな、またあとで」
大潮「もー……」
提督「よしよし、で、加賀にはこれを」ゴソゴソ
加賀「……」
提督「赤城に選ぶの手伝ってもらったんだけど、これ」
加賀「……髪飾り?」
提督「うん」
加賀「今日は、食事に出かけたのではなかったの」
提督「いや、ご飯も食べてきたけど」
加賀「……」
提督「まぁ、主目的は、これ、です」
210 = 1 :
加賀「……ありがとう、頂いておきます」
提督「どきどきした、受け取り拒否かと思った」
加賀「貴方と赤城さんで選んでくれたのでしょう? 大切にする」
提督「良かった」
加賀「……」
提督「……」
加賀「昼間に、私も食事にと誘ってくれたでしょう」
提督「えっ、うん、まぁ、断られたけど」
加賀「やっぱり、連れて行って」
提督「いいのか?」
加賀「うん……でも」
提督「なんだ」
加賀「そのとき私が、着飾って、それが似合わなくても……笑わないで」
提督「いや、笑わないだろ」
加賀「……それだけよ。それじゃあ、夕食の準備を手伝いに行くから」
提督「うん、頼む」
ガチャッ パタン
提督「……意外と脈ありな感じか大潮これ」
大潮「ねむい」
提督「そうか」
211 = 1 :
赤城「……」
赤城「まさかあんな誤解をされているとは……」
赤城「……」
赤城「でも、今頃は誤解も解けているでしょう」
赤城「……提督にとって頂いたぬいぐるみ、どこに飾りましょう」
赤城「机……窓際……?」
赤城「……」
赤城「……」ギュッ
赤城「……」
赤城「……」ギュウー
赤城「……」
赤城「……はぁ」
赤城「提督と、加賀さんが、上手くいきますように」
212 = 1 :
鈴谷「ただいまー」
熊野「おかえりなさい」
鈴谷「……なにその耳」
熊野「あら? あらあら、付けたままでしたのね、お恥ずかしい」
鈴谷「鈴谷がいない間に何してたの?」
熊野「わたくし、本日はとても大切なことを学ばせて頂きましたわ」
鈴谷「なに?」
熊野「最上型重巡、熊野、主たる役こそが舞台において最も大切と、勘違いしておりました」
鈴谷「鈴谷にも分かる言葉でお願い」
熊野「しかし、どうでしょう、蓋を開けてみれば『最も大切』などという言葉が、どれほど陳腐なものか」
鈴谷「なにが」
熊野「イヌ畜生と侮るなかれ、イヌにはイヌの矜持があり、世界を輝かせる星の一端を担っている」
鈴谷「……」
熊野「まさか、小さな子どもたちに気付かされるとは、この熊野、驕慢を恥じ入りますわ」
鈴谷「……」ポチポチポチ
熊野「そして、物語というものの、なんと美しく趣き深いことか」
鈴谷「……」
熊野「わたくし、次は自作の物語を携え参戦させて頂きます」
鈴谷「……それなに書いてんの」
熊野「桃太郎vs鬼vsイヌvsプレデターですわ」
鈴谷「イヌ死んじゃうよ」
213 = 1 :
遅くなってすみません……。
214 :
おつおつ
215 :
乙です。次回はまた一ヵ月後か・・・
216 :
先月は休載だったのかな?
みんなかわいい
217 :
赤城には救いはないのかな?ねえ大潮?
218 :
そこにジュウコンカッコカリが
220 :
そろそろ書いてくれてもいいのよ
221 :
またある日
提督「……」
鳳翔「……」
大潮「……」
提督「俺の膝が定位置になってきたな大潮」
大潮「……」ペラッ
提督「やい」
大潮「しーっ! 図書室で音量アゲアゲはダメです!!」
提督「執務室だけどな」
大潮「もー」
鳳翔「ふふっ、お膝がお気に入りなんですよね」
提督「……」
大潮「……」ペラッ
提督「その漫画そろそろクリリン死ぬよ」
大潮「!!?」
提督「動けない腹いせにネタバレしてやった」
鳳翔「そんな、クリリン……」フルフル
提督「鳳翔も読んでたのか、ごめん」
222 = 1 :
コンコンコンッ
提督「どうぞ」
ガチャッ
朝潮「失礼します!」
提督「おかえり朝潮」
朝潮「はい! 遠征より、艦隊が帰投しました!」
鳳翔「おかえりなさい、いまお茶を淹れますね」
朝潮「あっ、いえ、それは朝潮が自分でやります!」
鳳翔「お疲れでしょう? どうぞ、座っていて下さい」
朝潮「え、えっと……」
鳳翔「ケーキも用意しますね」
朝潮「ありがとうございます! では、お言葉に甘えて……」チラッ
大潮「クリリン……」
朝潮「……」テテテッ
大潮「……」
朝潮「……」グイグイ
大潮「あっちょっ、なんで引っ張るの朝潮! やめて下さい! やめて!」
朝潮「……」
223 = 1 :
提督「……」
朝潮「では朝潮はこちらのソファーに座ります!」ビシッ
提督「そうな」
朝潮「……」チラッ
大潮「あークリリン逃げてー……」
朝潮「……」ジー
提督「……」
朝潮「……」
提督「ちょっと大潮、一回降りて」
大潮「……」
提督「無視すんな」ヒョイッ
大潮「わぁーやだー!!!」ジタバタ
朝潮「し、司令官、僭越ながら、そこまで嫌がるのであれば、無理に降ろすのは……」
提督「朝潮を膝に乗せてやろうと思ったんだが」
朝潮「こら大潮! 司令官のご命令に従いなさい!!」
大潮「いやー!! やーだー!!」ジタバタ
224 = 1 :
大潮「うっうっうっ……」グスグス
朝潮「……♡」チョコン
大潮「大潮は……大潮はこんなに、秘書艦のお仕事を頑張ってるのに……」グスグス
提督「今日はおやつ食べて漫画読んでただけだな」
大潮「……」
提督「……」
大潮「大潮はこんなに頑張ってる……」
提督「そうな、またあとで乗せてやるから」
鳳翔「それじゃあ、大潮ちゃんは私のお膝に来ましょうか」
大潮「っ!!? そうします!!」テテテッ
提督「誰でもいいのか大潮」
鳳翔「はい、どうぞ」ポンポン
大潮「どーん!!」ボフッ
提督「ゆっくり行けゆっくり」
大潮「……あれー? おかしいなぁ」
鳳翔「どうしましたか?」
大潮「龍田さんのお膝に乗ったときは、頭の後ろに自動でふかふかの枕がきたんです!!」
鳳翔「……」
提督「死ぬのか大潮」
225 = 1 :
鳳翔「はい、大潮ちゃん、あーん」
大潮「あーん」
朝潮「……」
鳳翔「どうですか、今日のケーキはとても上手に焼けたんですよ」
大潮「おいしいです!!」モグモグ
鳳翔「ふふっ、ではもう一口、あーん」
朝潮「……司令官!」
提督「何だ」
朝潮「鳳翔さんを見てください!」
提督「鳳翔がどうした」
朝潮「とても楽しそうですね」
提督「鳳翔が?」
朝潮「はい!」
提督「鳳翔それ楽しい?」
鳳翔「はい、とっても」
朝潮「楽しいそうです! あの『あーん』ってするやつは楽しいみたいですね」
提督「そうなのか」
朝潮「朝潮としては、司令官がお楽しみになるのにお力添えするのも、やぶさかではありませんが」
提督「そうか」
226 = 1 :
鳳翔「……提督」
提督「ん?」
鳳翔「分かるでしょう」
提督「うん、まぁ」
鳳翔「なら早くやってあげて下さい」
提督「んー」
朝潮「……」キラキラ
提督「朝潮」
朝潮「はい!」
提督「ケーキ食べないなら貰っていい?」
朝潮「えっ」
鳳翔「張っ倒しますよ提督」
提督「はははっ」
朝潮「司令官がお召し上がりになるのであれば、この朝潮、喜んで我慢いたします!」
提督「そうかそうか」
鳳翔「大潮ちゃん、少しのあいだ降りていて下さい、あの人に教えてあげなければならないことが」
大潮「や」
鳳翔「いえあの、一撃で済みますので、ちょっと真心をぶち込んで終わりですから」
大潮「やっ」
鳳翔「……」
227 :
提督「しかし鳳翔は」
鳳翔「なんですか」
提督「店もやって、休みの日もケーキ焼いて、いったい何者なのか」
鳳翔「一応、あなたの艦娘ですが」
提督「……」
鳳翔「……」
提督「艦『娘』」
鳳翔「言いたいことがあるなら、はっきり仰ったらどうですか?」
提督「鳳翔は可愛いからな、艦娘でオッケーだよ」
鳳翔「どうしてこう意地悪なのでしょうね、この人は」
提督「朝潮も鳳翔のこと、可愛いと思うよな」
朝潮「はい、その意見には朝潮、全面的に同意いたします!」
提督「ほら」
鳳翔「そうですね、それより早く、朝潮ちゃんにケーキを食べさせてあげて下さい」
提督「よしよし、朝潮、あーん」
朝潮「司令官は食べないのですか?」
提督「俺は朝潮の幸せのためなら、ケーキくらいいくらでも我慢するよ」
朝潮「……」キューン
大潮「あーん」
鳳翔「あ、はいはい、すみません、あーん」
228 = 1 :
朝潮「司令官にお尋ねしたいことがあります!」
提督「口元、クリーム」フキフキ
朝潮「んむ……」
提督「で、なに」
朝潮「はい、荒潮のことなのですが」
提督「荒潮がどうした」
朝潮「遠征の途中、荒潮が言っていたんです」
提督「うん」
朝潮「司令官と、で、デートしたと……」
提督「……んん?」
朝潮「本当なのですか?」
提督「記憶にないぞ」
大潮「大潮なんか司令官とパン作りしたことありますが?」
提督「大潮は隣で急かしてただけだけどな」
朝潮「荒潮はショッピングを楽しんだと言っていました!」
提督「やはり記憶にないが、最近の話?」
朝潮「はい、お姫様抱っこで写真も撮ったと!」
提督「……写真は撮ったな、ちょっと前だけど」
朝潮「!!?」
提督「観光の外国人に艦娘とバレて、記念に一枚とポラロイドで、俺も軍服だったし」
229 = 1 :
朝潮「デートの話は本当だったのですね……!」
提督「あのときは確か、コンビニでジュース買っただけだけど」
朝潮「手を繋いで、二人でショッピング……」
提督「道路渡って行くからな、手は繋ぐよ」
大潮「大潮なんか司令官と交番に行ったこともありますが?」
提督「行ったな、迷子の大潮を迎えに、交番」
朝潮「荒潮は何か凄いことをしたのですか? やはりそのご褒美に」
提督「ん、何か、よく分からん研究報告書」
朝潮「!!」
提督「どうした」
朝潮「朝潮も報告書を作ってあります!」
提督「そう言えば聞いてなかったな、原稿用紙100枚」
朝潮「持ってまいります!」ピョーン
提督「飛んだ」
テテテッ ガチャッ バタンッ
提督「……」
大潮「……」モグモグ
鳳翔「……」
大潮「大潮のお菓子のお部屋はできましたか?」
提督「既にここがお菓子の部屋みたいなもんだろ」
230 = 1 :
朝潮「持ってまいりました!」バーン
提督「早っ」
朝潮「すぐにご説明いたします」ヨジヨジ
提督「ごく自然に膝に乗ったな」
朝潮「朝潮は遠征が多いので、それについて纏めてみました」
提督「意外と本格的だ」
朝潮「ではまず、遠征中に見かけた深海棲艦の分布と出現傾向から始めます!」
提督「凄い本格的だ」
中略
朝潮「次に、将来的な戦況の予想と安全な航路の考案を」
提督「ん、もういいぞ」
朝潮「……まだ四分の一くらいですが」
提督「残りはあとでじっくり読ませてもらう」
朝潮「では、これは司令官にお渡ししておきます!」
提督「よく出来たな朝潮、偉いぞ」ナデナデ
朝潮「……」ポワワ
鳳翔「これはご褒美が必要なんじゃないですか?」
朝潮「えっ、いえ、そんな、朝潮は見返りを求めてやったわけでは」アセアセ
提督「じゃあいいか」
朝潮「……」シュン
鳳翔「許しませんよ」
231 = 1 :
提督「そういうわけで、コンビニ行くか」
朝潮「申し訳ありません! 朝潮が催促してしまったようで……」
提督「朝潮は頑張ったからな、頑張ったら良いことがあって当然だ」
朝潮「こ、光栄です……」
大潮「……zzz……」グー スピー
提督「いびきうるさいな大潮」
朝潮「すぐに息の根を止めます!」
提督「殺す気か」
鳳翔「お布団に寝かせてあげましょうか」
提督「いや、そのままコンビニ連れていこう」
鳳翔「このままですか?」
提督「置いていったのが分ったら、相当ごねるからな」
鳳翔「では、私が抱いていきますね」
提督「俺やるけど」
鳳翔「提督は朝潮ちゃんと手を繋いであげて下さい」
提督「ああ、そうか」
朝潮「……」テレテレ
提督「……」
鳳翔「……次また意地悪したら、分かっていますね」
提督「さぁおいで朝潮」
232 = 1 :
大潮「大潮はコアラのマーチとー、ポッキーとー」
提督「コンビニに着いた途端に起きたな」
朝潮「こら大潮! 一個までにしなさい!」
大潮「そんなルールない!」
朝潮「一個までですよね司令官?」
提督「んー、本来なら一個までだが」
大潮「後付けルールはズルいです!!」
提督「毎度言ってるからそろそろ覚えてほしい」
大潮「聞いたことないです!!」
提督「俺の話を聞いてたことがあったか大潮」
鳳翔「……」テテテッ
提督「……」
鳳翔「……」ガサッ
提督「こっそりかごに入れるなよ、子供かよ」
鳳翔「果たして本当にこれが最良の選択なのでしょうか……」
提督「鳳翔も買ってもらう気満々なのは何故なの」
鳳翔「あっ、いいことを思いつきました、ハーゲンダッツの詰め合わせにしましょう」
提督「この図々しいお母さんどうにかなんない?」
鳳翔「一箱も一個の内ですよね」
提督「小賢しい」
233 = 1 :
提督「よーし、朝潮型、全員そろったか」
朝雲「なぁに? 私に用事?」
荒潮「うふふっ、荒潮に用があるのよねぇ、司令官?」
提督「うん、まぁ、みんなに」
鳳翔「皆さん、ケーキとお菓子、どちらにしますか?」
霰「ケーキ……!」
山雲「ケーキがいいわ~」
提督「せっかく全員分お菓子買ってきたのに」
鳳翔「ふふっ、では、それは明日のおやつにしましょう」
大潮「大潮もケーキがいいです!!」
提督「大潮はケーキ食べたろ」
大潮「それ昨日の話です!!」
提督「騙されないぞ」
鳳翔「お茶を淹れますね。提督はコーヒーになさいますか?」
提督「じゃあそれで」
大潮「満潮の分のケーキが大潮のものになる」
提督「ならないよ」
満潮「……」ハラハラ
提督「ちゃんと満潮の分もあるから安心しろ」
満潮「……」ホッ
234 = 1 :
提督「ケーキ食べた順に写真撮るからな」
朝潮「!!?」
提督「まぁゆっくりお食べ」
朝潮「残りは先日のMVPだった朝雲に差し上げます!」
朝雲「もらっといたげる!」ピコーン
提督「もういいのか朝潮」
朝潮「実はこの朝潮、先ほどもケーキを一つ頂きましたので!」
提督「実はも何も俺が食べさせたけど」
朝潮「どのように撮りましょう、やはりここは基本に則り……」
提督「並んでピースか」
朝潮「お姫様みたいに……」
提督「基本でそれだと応用編がどうなるのか楽しみだな」
朝潮「……」キラキラ
提督「……」
鳳翔「……」ジー
提督「……分かってるよ」
鳳翔「何も言っていませんけど」
提督「鳳翔もあとでしてやるからな」
鳳翔「いいですよ」
提督「ノリノリじゃん」
235 = 1 :
鳳翔「撮りますよー」
提督「いいぞー」
鳳翔「……これ押せば撮れるやつですか?」
提督「しっかりしろお婆ちゃん」
鳳翔「おもて出てください」
提督「お姉さんしっかりー」
鳳翔「……」
霞「右上の丸いの回して、人を撮るモードにして」
鳳翔「えっ、あ、はい、これですか?」
霞「そしたらあとは覗いて、押せば勝手にピントは合わせてくれるから」
鳳翔「ありがとうございます、では改めて、はい、チーズ」
朝潮「……♡」ギュッ
パシャリ
鳳翔「これで撮れたんですか?」
大潮「あー!?!!?」
鳳翔「えっ、えっ!? 私なにかしてしまいましたか?」オロオロ
提督「あーあ」
鳳翔「えっ、もう、だから嫌だと言ったじゃないですかコンピューターは」アセアセ
大潮「大潮、朝ご飯食べたっけ……?」
鳳翔「……食べてましたよ」
236 = 1 :
提督「じゃあ次、満潮」
満潮「なんで写真なんか撮らなきゃなんないのよ」
提督「たまにはいいだろ」
満潮「……」
提督「満潮が撮ってくれなきゃ俺もう仕事しない、あー全然やる気ない」
満潮「わかったわよ……はい」スッ
提督「ん?」
満潮「えっ?」
提督「満潮もお姫様抱っこで撮るのか?」
満潮「っ!!? なに言ってんの!? 違うから!!」
提督「でもいま……」
満潮「あ、あんたが、朝潮も荒潮も、そういう感じで撮るからでしょ……!」
提督「よしよし、おいで満潮」ヒョイッ
満潮「ちょっと、何すんのよ!! 離して!!」
提督「よし今だ、撮れ鳳翔」ギュー
満潮「離して、離しなさいよぉ……」キューン
鳳翔「うふふっ、はーい、チーズ」
パシャリ
大潮「ああー!!?!?」
鳳翔「っ!!? も、もう騙されませんからね!」
237 = 1 :
提督「霰はどういうポーズにする」
霰「……司令官の、好きに、して?」
提督「そうか、じゃあとりあえず片手に抱いて」ヒョイッ
霰「……」
提督「霰は前を向いて、お行儀よく座って」
霰「……うん」
提督「あとは背筋を伸ばし少し斜め気味に立てば……」
霰「……」
提督「出来た、写真のスタジオで撮るみたいなやつ」
霞「どこかで見た構図だわ」
満潮「……いっこく堂」
鳳翔「いっこく堂ですね」
パシャリ
霰「司令官」
提督「ん?」
霰「写真、嬉しい。大事に、するね……?」
提督「ほんと可愛いな霰は」ギュー
霰「……」スリスリ
朝潮「朝潮だって大切にしますが!?」
提督「必死だ……」
238 = 1 :
大潮「では大潮はプリキュアのポーズをやりますので!!」
提督「俺プリキュア分かんないよ」
大潮「司令官もプリキュアでいきましょ!!」
提督「……」
大潮「……キュアゴリラ」
提督「なんで急に罵倒されたの」
大潮「そういうプリキュアがいるんです!!」
提督「何事だ」
大潮「じゃあー、どうしようかなぁ」
提督「俺は仮面ライダーやるよ」
大潮「それはアゲアゲですね!!」
提督「アゲアゲの使える範囲広くなってきたな」
大潮「ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」
提督「変…………身っ!!」
大潮「キュアタイダルウェーブ!!」ビシッ
提督「英訳まちがってない?」
大潮「いいから」
提督「さあ、振り切るぜ!」ビシッ
鳳翔「……」
提督「撮れよ」
239 = 1 :
霞「……」
提督「霞、おいでおいで」
霞「……」
提督「怖い顔するな」
霞「……はぁ、まあいいわ」
提督「おお、嫌がるかと思った」
霞「仕事柄、これが最後の写真になるかもしれないしね」
提督「なんでそういうこと言うの……」
朝潮「うっ、ううぅ……」
提督「そら見ろ朝潮泣いちゃっただろ」
霞「何よ、泣くことないでしょ」
朝潮「か、必ず朝潮が、妹たちの窮地には、駆け付けますので……」シクシク
霞「悪かったったら……もう早く撮っちゃって」
提督「ではお姫様抱っこで」ヒョイッ
霞「何だっていいわよ」
提督「……」
霞「……」
提督「今後も写真撮るからな」
霞「そう、なら良い采配を揮いなさい」
パシャリ
240 = 1 :
朝雲「私は山雲と二人で撮って」
山雲「ね~」
朝雲「いいでしょ? はい、じゃあ山雲が真ん中よ」
提督「ポーズはどうする」
朝雲「あっそうね、やっぱり山雲をお姫様みたいにしてあげたいわ」
山雲「え~? 山雲がお姫様でもいいの~?」
朝雲「あたりまえじゃない!」
提督「じゃあそうするか」
朝雲「来なさい山雲!」ギュッ
山雲「は~い」ギュー
提督「……朝雲が抱き上げるのか」
朝雲「撮っていいわよ?」
提督「俺だれだよ」
朝雲「司令は司令でしょ?」
提督「うん、まぁ、うん」
パシャリ
鳳翔「はい、お疲れ様です」
提督「俺だれだよ」
鳳翔「通りすがりのおじさんも棒立ちお疲れ様です」
提督「おもて出ろよ鳳翔」
241 = 1 :
提督「さて、あとは」
鳳翔「……ん」スッ
提督「何その手」
鳳翔「……」
提督「……」
鳳翔「んっ」
提督「何が」
鳳翔「どうぞ」
提督「冗談だろ」
鳳翔「……」
提督「……」
鳳翔「ん!」
提督「分かったよ、今日ほんと子供だなお前……」
ヒョイッ ギュムッ
提督「重っ……」
鳳翔「提督の今日の夕飯はカナブンですね」
提督「軽いな、羽のようだ」
鳳翔「ふふっ♪」ピース
提督「ピースが古い」
鳳翔「カナブンが好きみたいですね」
242 = 1 :
提督「最後になっちゃったな、荒潮、おいで」
荒潮「……」
提督「どうした」
荒潮「荒潮は前にも一枚撮ってもらっちゃったんだけどぉ、いいのかしらぁ」
提督「みんな撮ってて荒潮だけ無しというわけには、いかないだろ」
荒潮「……うふふふふっ、じゃあ、また抱き上げていただける?」
提督「ん」ヒョイッ
鳳翔「撮りますよー」
荒潮「……司令官」
提督「何だ」
荒潮「勝利の女神を、離さないでね」
提督「当然だ」
鳳翔「はーい、チーズ」
荒潮「……」
チュッ♡
パシャリ
提督「……」
荒潮「……」テレテレ
大潮「荒潮お腹空いてる?」
提督「何その解釈」
243 = 1 :
大潮「最後にみんなで撮りましょう!!」
提督「そうだな」
鳳翔「では、皆さん並んでください」
提督「タイマーにして鳳翔も入れよ」
鳳翔「……タイマー?」
大潮「大潮がやります!!」
提督「出来るのか大潮」
大潮「お任せください!!」
カチャカチャ パシャリ
大潮「ぜんぜん分かんない」
提督「そうな」
霞「貸しなさいよ、私がやるわ」
提督「頼りになる末っ子だ」
霞「……出来た。じゃあ撮るから、並んで」
大潮「並んで!!」
提督「大潮も並べ」
大潮「あわわわわ」
ジー パシャリ
大潮「では今度こそみんなで撮りましょう!!」
提督「いま何したつもりでいたの」
244 = 1 :
熊野「はい、あらそうなんですの、そんな事がありましたのね」
鈴谷「……」
熊野「はい、はい、構いませんわ……ええ、承りましてよ」
鈴谷「……」
熊野「いえ、お気になさらなくて結構ですわ……はい、では、ごきげんよう」ピッ
鈴谷「誰と電話してたの? 鈴谷も知ってる人?」
熊野「そうですわね、知っているも何も、青葉さんですわ」
鈴谷「へー、連絡先、交換してたんだ」
熊野「ええ、それで、赤城さんと加賀さんの写真を頼まれましたの」
鈴谷「そう言えば、みんなで写真撮ってるみたいだね」
熊野「丁度よかったですわね、カメラをお借りいたしましょう」
鈴谷「……」
熊野「いかがいたしまして?」
鈴谷「めっちゃ仲良くなってんじゃん、青葉さんと」
熊野「そうですわね、週一でお話するくらいですわ」
鈴谷「ちょっと引く」
熊野「引かなくてもよろしいでしょう」
鈴谷「やきもち!」
熊野「あら、わたくしはお雑煮にして下さいます?」
鈴谷「そうでなくて」
245 = 1 :
後日
大潮「満潮の手帳を拾いましたよ!!」
提督「満潮が落とし物なんて珍しいな」
大潮「読みましょう!!」
提督「やめてやれ」
ガチャッ バーン
満潮「……」
提督「……」
満潮「……」キョロキョロ
提督「手帳なら大潮が拾ってきたぞ」
満潮「……っ! 見たのね、見たんでしょう、最低……!」
提督「見てないよ」
満潮「笑えばいいじゃない! つんけんしといてって、笑ったらいいでしょ……!」
提督「何の話だ」
満潮「なによ、なによなによ良いでしょ別に! 私だって、私だって……」
大潮「写真みたいなのが挟まってます!!」
満潮「や、や、やめて……!」
提督「誰か助けて」
大潮「大潮をお呼びですね?」
提督「いや?」
246 = 1 :
プリキュアについてはGoogle先生にちょっと聞いた程度なので、何か間違っていたらすみません……。
247 :
素晴らしい
待った甲斐があった
248 :
ブンブンワロタwwwwwwww
250 :
鳳翔さんもめっちゃ可愛いな
みんなの評価 : ☆
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