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元スレ提督「怜悧盲目」
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投下終了。
摩耶と夕立の過去的な話につきましては、初期の方で流血展開はありませんと銘打ってますので書きません。ご想像にお任せします。『流れ弾』『捨て艦』
書けば書くほどこの提督が何故生き永らえているのか不思議になります。 と時雨のおかげですけどね。
ハッピーエンドまでもう少しです。
それではまた。
全部終わったら一度最初から読み直してみたくなるレベル。
スペースはきっとあぶり出し
スペースはきっとあぶり出し
初めての提督は、曲がった腰としわがれた声が特徴的な老者だった。
声に覇気は無く、行動にキレは無い。
しかし言葉には重みがあり、思考には知識があった。
後に続く私が配属された先の提督達と比べてみても、彼は群を抜いている。
数多の物事を学ばせてもらい、数々の知識を与えてくれた。感謝してもしきれない。
今はもう会えない身となってしまったが、一番最初に彼と出会えたことは、幸運であったと言ってもいいだろう。
…………いや、間違いなく幸運だ。
彼から得た知識や知恵、考え方や行動方法。
それらは余すことなく、提督のために使うことが出来ているのだから。
──────────────────
──────────────────
時雨「────おかえり。どうだった?」
バスの停留所、そのベンチ。
私を出迎えてくれたのは、笑顔の時雨だった。
感じていた違和感と、曖昧に形作られていた予想が、はっきりとしたものへと変わる。
どうやら私の足掻きは手の平の上での出来事であったらしい。収穫はもちろんあったのだが、それが事前に用意されていたものだということが分かってしまうというのは、何ともやるせない。
ため息を一つ吐き、時雨の隣に腰を降ろす。そして正面を見据えたまま、私は口を開いた。
長門「やけに理解の早いご両親だとは思っていたが、そういうことだったのだな」
時雨「ごめんね? 後で絶対に話が拗れると思ったから、提督のご両親にはいろいろと先に説明しておいたんだ」
長門「謝る必要は無い。おかげで『結婚』の話も『重婚』の話もすんなりと許可をもらえたのだからな」
時雨「ふふ、そうかい? それなら良かった」
長門「…………今となっては何の意味もないことだが、いつだ?」
時雨「……夕立がこの鎮守府に配属された頃にだよ」
長門「……そうか」
どうやら私の予想よりもずっと早く、時雨は提督のご両親と接触していたらしい。
私が時雨の動向を警戒し始めたのは、摩耶を送り出した頃からだ。となるとその時には既に種を巻き終えていたということになる。
正しく完敗だ。
悔しさよりも先に、笑いがこみ上げてきてしまうくらいに。
長門「せめて一矢報いたかったものだ……」
時雨「むっ……、これ以上を望むのは罰当たりじゃないかな?」
時雨「正妻の座だよ? それもご両親公認の」
むっとした表情の時雨が、何故納得していないのか、といった意味を孕んだ目を向けてくる。
そうではないのだ。そうではないのだが……。時雨の場合、本気でそう思っているのだからタチが悪い。
結果で物事を判断する時雨と、過程で物事を判断する私とでは、こういった所に価値観の違いがある。それが相容れない理由の一つでもあったのだが……今となってはどうでもいいことだ。
既に腹は決まっているのだから。
長門「……例え与えられたものでも、私のものであることに違いはない」
長門「本当にいいんだな?」
時雨「うん、皆からも了承は得てるから大丈夫だよ」
時雨「それに、どうせ三日後からは『みんなのもの』になるだろう?」
長門「……ふっ、違いない」
負けた、という感じはしない。
勝った、という感じもしない。
そもそも勝ち負けの話ではなかったのかもしれない。
それでも私なりに足掻き、結果としてみれば提督の正妻の座は手中に収めることが出来た。
これから、提督も鎮守府も大きく変わっていく。
培ってきたものを捨て去るのは惜しいが、私も変わらなければいけないということなのだろう。
時雨「────それじゃあ分かってると思うけど……はい、これ」
長門「戦艦用の指輪、か……」
長門「提督が私のために作ってくれた物ではないというのは、やはり悲しいな……」
時雨「我慢しておくれよ。これでようやく六人分が揃うんだから……」
長門「分かっているさ。……あの人にも感謝しないとな」
時雨「…………うん、そうだね」
投下終了。
この作品に空母系艦娘は出ておりません。
それではまた。
時雨に関して提督が相談していた相手は本当はh
・・・ここから先は赤茶色に汚れていて読めない
・・・ここから先は赤茶色に汚れていて読めない
はじめてあった、あのひのこと。
はるなはずっと、おぼえています。
「初めましてだな、戦艦榛名。君の能力の高さについてはよく聞いている。これからよろしく頼む」
「は、榛名ですっ。よろしくお願い致しますっ…………えっと……あの……」
「……むっ、どうかしたか? 握手は嫌いか?」
「い、いえっ、そういうわけでは……!」
「…………何か疑問があるなら遠慮なく聞いてくれ。これから長い付き合いになるんだ。隠し事はなるべく少なくしたい」
「隠し事というほどのものでは…………。……ただ、握手をするなんて初めてのことでしたので、戸惑ってしまいました」
「握手が初めて? 君の前の提督達とはしなかったのか?」
「……艦娘になんか触れたくない、と言われました」
「…………すまない、嫌なことを聞いてしまった」
「いえ、榛名は大丈夫です。もう……慣れましたから」
「…………榛名」
「────あっ……」
「綺麗な手だ、人も艦娘も変わらないな。艦娘を深海悽艦と同じ種の化け物だと信じている者共の頭を疑うよ」
「提督…………」
「私がそのような奴らとは違うということは、これからの行動で示そう。だから……よろしく頼むぞ、榛名」
「──────っ! はいっ! よろしくお願い致しますっ!」
それからずっと、いっしょでした。
がんばったらほめてくれました。
よくやったとなでてくれました。
つらいときもそばにいてくれました。
なにもいわずにだきしめてくれました。
せんとういがいのこともおしえてくれました。
みんなでおはなみをしました。
みんなでりょこうもしました。
たのしいおはなしも、かなしいおはなしも、うれしいおはなしも、つらいおはなしも、ぜんぶはるなのたいせつなおもいでです。
ていとく、しってましたか?
はるなはあなたのためにつよくなったんです。
ていとくをじゃまするてきをけちらすために。
はるなはあなたのためにりょうりのうでをあげたんです。
ほかのだれかのつくったものをくちにいれてほしくなかったから。
はるなはずっとていとくをみていたんです。
それだけでしあわせなきもちになれましたから。
あなたのために、いろいろなことをおぼえました。
すきなことも、いやなことも。
あなたのために、いろいろなものをきりすてました。
いらないものを、ほしいものを。
それでも、ていとくは。
「…………ごめんなさい、鳳翔さん」
「でも、鳳翔さんが悪いんですよ?」
「鳳翔さんが、私から提督を奪おうとするから……」
「…………榛名が、榛名が提督の初めての艦娘だったら、提督は榛名を選んでくれたのでしょうか」
「こんなただの戦艦用の指輪ではなく私だけの指輪を贈ってくれたのでしょうか」
「私の望む、憧れの言葉をささやいてくれたのでしょうか」
「どこをどうすれば、どこをどうしていたら、榛名は幸せになれていたのでしょうか」
「…………これから榛名は幸せになってみせます。鳳翔さん、あなたの分も」
「………………まだ、息があるんですね」
「──────えっ?」
────榛名さん、ありがとうございます。
────これでようやく、私のモノに……。
鳳翔さんの最後の言葉の意味は、後になってようやく理解できました。
────ああ、榛名。鳳翔さんを知らないか。
────ご飯? いや、いい。
────鳳翔さんが帰ってきたら一緒に食べるからな。
────もう三日も食べていない? 何を言ってるんだ。まだ三日、だろう?
────鳳翔さんがお腹を空かせて帰路についているかもしれないのに、私だけ食べるわけにはいかないんだ。
────気遣い、ありがとう。
────ああ、仕事をサボったら鳳翔さんに怒られてしまうからな。もう少ししたら部屋に戻るさ。
────それまではここで鳳翔さんを待つよ。
────………………………………。
────………………鳳翔さん。
鳳翔さんに、してやられました。
榛名の知らない内に、提督は鳳翔さんが居ないと生きていけないようになってしまっていたようです。
提督はもう、榛名のことを本当の意味でも見てくれることはないでしょう。
『榛名』の、ことは。
…………それが例え本当の意味ではないとしても。提督が、もう一度私を見てくれるのなら。これからずっと、私だけを見てくれるのなら。
榛名は、『榛名』で無くなっても構いません。
元帥「おはよう、鳳翔さん」
鳳翔「ふふっ、おはようございます」
投下終了。
剥いではいません。
刷り込んだだけです。
それではまた。
だから何度も空母はいないと言ってたのか……鳳翔は大丈夫ですとかいうレスもそういうことだったのね
他人の前で榛名に向かって、鳳翔さん、と声をかける元帥を
みんなはどんな目で見ているのだろうか……
みんなはどんな目で見ているのだろうか……
>>346
sageろ
sageろ
>>346
・とある方法により容姿が鳳翔さんにそっくり。
・ある程度まで似せ、詳しく知っている人物は抹消。
・亡くしたショックで……、と生暖かく見守られている。
などなど、お好きな理由をどうぞ。
ちなみに前に言いました一番ヤバい人が鳳翔さんです。
そして生きてます。
その事実を知ってるのは榛名と長門だけです。
そこら辺はそこまで重要ではないので本編でやるつもりはありません。番外の修羅場でやるかもしれません。
それではまた。
>元帥「おはよう、鳳翔さん」
>提督(元帥と鳳翔さんがお互い指輪を付けていないのは、そういった力に干渉されるのが嫌だからなのかもな……)
提督も元帥も『榛名』のことを鳳翔さんと認識していて全く違和感を感じてなさそうだよな
本物の鳳翔さんも生きてるそうだし、何がどうなっているのやら…
>提督(元帥と鳳翔さんがお互い指輪を付けていないのは、そういった力に干渉されるのが嫌だからなのかもな……)
提督も元帥も『榛名』のことを鳳翔さんと認識していて全く違和感を感じてなさそうだよな
本物の鳳翔さんも生きてるそうだし、何がどうなっているのやら…
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