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元スレ提督「怜悧盲目」
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龍田「────ただいまぁ……」
龍田「……あら? 摩耶が居るなんて珍しい……」
摩耶「おう、邪魔してるぜ」
龍田「ふふっ、ゆっくりしていってね♪」
龍田「……ところで天龍ちゃんは?」
摩耶「あー、天龍なら時雨に呼ばれて出て行ったぞ?」
摩耶「────っていうか『オレの部屋でテレビ見ようぜ!』なんて言うから着いてきたのに、当の本人が部屋から出てくってどうなんだ?」
龍田「あはは……天龍ちゃんらしいというか……」
龍田「……ごめんね?」
摩耶「謝らなくていいぜ。怒ってる訳じゃないしな」
摩耶「────で、龍田は何でこんなに遅くなったんだ?」
摩耶「天龍からは報告書作ってるって聞いたけど……それにしても時間かかり過ぎだよな?」
龍田「うん、その通りなんだけど……」
龍田「実は部屋に戻る途中で提督に会っちゃって、ついさっきまで提督の部屋でお喋りしていたの」
摩耶「へぇー、提督に会ったのか……」
摩耶「ずっと寝っぱなしだと思ってたんだけどなー」
龍田「私もそう思ってたんだけど、丁度提督はトイレから戻る途中だったみたいで……」
摩耶「…………その流れで部屋まで着いてったのか? 羨ましいな、おい」
龍田「話し相手になってくれって言ったのは提督の方なんだけど……」
摩耶「それでも羨ましいもんは羨ましいって」
摩耶「最近提督と二人っきりになったりしてないしな」
摩耶「……正直嬉しかっただろ?」
龍田「そうねぇ……」
龍田「嬉しいっていうのは確かにあったけど、それ以上に辛かったかなぁ? 提督ったら話してる途中で何回も咳き込んでたんだけど、その度に辛そうな顔になるのよねぇ……。その表情を見てたら私、悲しくなっちゃって……。もちろん提督はそんな私に気付いてフォローしてくれるのよ? 『大丈夫だから、気にしないでくれ』って言って、話を止めてしまったことを謝るの。謝りたいのは私の方なのにね……。風邪をひいている提督に無理させちゃってごめんなさい、って言いたかった。……でもそれを言ったら提督はすっごく申し訳無さそうな顔になると思ったから、その言葉は飲み込むしかなかったわ。……それでね、そこでようやく気付いたの。この状況を……提督が辛そうにしているこの状況を、喜んでいる自分が居るって。だって提督が『私なんかのために』その身を削ってくれているのよ? 嬉しくないはずないじゃない」
摩耶「……まぁ気持ちは分かる」
龍田「……でも、気付いてからはもう自己嫌悪だったわ。提督に私なんかが迷惑をかけちゃいけないのに、私はそれを戒めるどころか喜んでいたのよ……?」
龍田「………………ふふっ」
龍田「ひどいよねぇ……うん……ひどい……」
龍田「居場所も仲間も、価値も自由も、私が欲しかったものを全てくれたのに……」
龍田「その恩を仇で返すなんて……」
龍田「やっぱり私はあの時に────」
摩耶「提督はそんなことでお前を嫌いになるほど小物じゃないだろ?」
摩耶「提督のことを本当に想ってるなら、救われたことを否定すんな」
摩耶「……分かったか?」
龍田「………………」
龍田「……ごめんなさい」
摩耶「謝んなって。龍田は悪くないんだから」
龍田「……ありがとう、摩耶」
龍田「私ちょっと、疲れてるみたい」
龍田「先に休むから……おやすみ」
摩耶「おう、提督みたいに風邪ひかないようにして寝ろよー……」
摩耶「……………………」
摩耶(龍田が『染まった』のは最近だし、不安定なのは仕方ねえよなぁ……)
摩耶(……何か懐かしいな、ああいうの。ははっ)
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長門「────私から誘っておいてなんなのだが……」
長門「無理やり付き合わせてしまってすまんな、提督」
提督「いいや、構わないさ。休み過ぎたせいで眠れなかったとこだからな」
提督「そんなことより長門こそ演習お疲れ様。さっき帰ってきたのか?」
長門「ああ、つい先程な」
長門「本当なら夕方には帰ってくるつもりだったのだが……少し熱が入ってしまった」
提督「……そういえば今日の相手は長門が前に居た所だったな」
提督「何か言われたりしただろ?」
長門「私がいなくなったせいで戦果が減ったと言われたな。それと未だに惜しいという言葉もだ」
提督「あはは……長門はうちでも稼ぎ頭だからなぁ……。前の所でも活躍してただろうことは簡単に想像がつくよ」
提督「……戻りたくなったりしたか?」
長門「安心しろ。私はずっとここに────提督のそばに居るつもりだからな」
提督「……ありがとう、長門」
長門「ふっ、気にするな。私が居たくて居るだけだ」
提督「もう本当に長門が来てくれて良かったよ……」
長門「ほう……」
長門「もっと早くに私に会いたかったか?」
提督「うーん……それは……正直どうだろう?」
提督「会うべき時期に会えた、って感じが強いからな。一概にもっと早く会えていれば良かったとは限らないし……」
長門「……ああ、それもそうだな」
提督「………………」
提督(最初に時雨、続いて夕立・摩耶・天龍・龍田……)
提督(そして長門)
提督(流れがしっかりしてるんだよな……)
提督(まるでそう、作られたみたいに)
提督(……いやまぁ仮にそうだとしたら誰が何のためにどうやって作ったかって話になるんだけどさ)
長門「どうした、提督?」
提督「────んっ、ちょっと昔を思い出してた」
長門「そうか……」
長門「それは丁度良いな。酒の肴代わりに話してくれ」
提督「お前なぁ……」
提督「…………まぁいいか。減るものじゃないし」
長門「ふっ、面白いものを頼むぞ?」
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提督(……思い返せばいろいろとあったなぁ)
提督(時雨は……俺を避けていると思ったら急に友好的になったりしたし)
提督(夕立は『ぽい』の口癖なんて無くて敬語ばっかりで)
提督(摩耶なんて俺の言うこと一切聞こうとしてなかったんだよな……)
提督(……天龍と龍田に比べればマシだけどさ。姉妹喧嘩なんてもうこりごりだ)
提督(……そう考えると長門が一番普通だな。普通万歳!)
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長門「────提督は既に部屋に帰ったというのに、よく飽きないものだ」
長門「……明日も早い」
長門「覗き見はその辺にしてゆっくり休んだ方が身のためだぞ?」
長門「────なぁ」
時雨「────こんばんは、長門」
時雨「提督は風邪をひいてるんだよ? あまり無理をさせないであげて欲しいな」
長門「ああ、次は善処する」
時雨「前回も同じこと言ったよね……もう……」
長門「そうむくれるな。かわいい顔が台無しだぞ?」
長門「……天龍はどうした?」
時雨「『寝る』だってさ。一人で帰ったよ」
長門「ふっ、私を見張るためだけ、か……」
長門「こうも警戒されると悲しいな」
長門「私達は仲間だろう? 少しくらいは信用してくれてもいいのではないか?」
時雨「────ふふっ」
時雨「ごめん、それはまだ無理だよ」
時雨「だって長門が一番『怖い』から」
長門「……………………」
長門「…………怖い、か」
長門「私は時雨が一番怖いよ」
長門「……あの手紙をもらった日からずっとな」
時雨「………………」
時雨「……僕はね、今までいろんなことをしてきたけど、直接誰かに釘を差すことだけはしなかったんだ」
時雨「────長門を除いて」
時雨「……どういうことか、分かるよね?」
長門「……ふっ、随分と嫌われたものだ」
時雨「ううん、そんなことはないさ」
時雨「出会いが悪かっただけで、今はむしろ長門のこと好きだからね?」
時雨「……だから、さ」
時雨「長門も僕達の方に歩み寄ってくれたら助かるんだけど……駄目かな?」
長門「…………私がいくら言葉を並べ立てても、時雨は信用しないだろう?」
長門「……準備はいつ頃終わりそうだ?」
時雨「……三ヶ月、いや、二ヶ月欲しいな」
長門「そうか、それなら私は待とう」
長門「私が『詰み』の状況になったら、流石の時雨も私を信用してくれるだろう?」
時雨「……そうだね」
時雨「流石の長門もそうなったら諦めてくれるだろうからね」
長門「………………ふっ」
時雨「………………ふふっ」
長門(……見透かされている、か)
長門(夕立を与え、摩耶を異動させ、天龍と龍田を送るまでは私の手の平の上だと思っていたのだがな……)
長門(────『そろそろ来ても良いですよ』だったか。ふっ、手の平の上にいたのは私の方だったとはな……)
長門(…………悔しいものだ。何時からバレていたのかすらも分からん)
長門(────まさか、初めての……あの演習の時か? もしそうだとするならば……最初から私の勝ち目など無かったということになるな)
長門(……ふふっ)
長門(あと二ヶ月、か……)
投下終了です。
以上、
自己犠牲
他者排斥
協調徹底
合理化
神格化
独占固執
の六名でお送りしていきます。
次回から少しほのぼのします。嵐の前の、というやつです。
それではまた。
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摩耶「────おい夕立、何やってんだ?」
夕立「────あ、摩耶! おはようっぽい!」
摩耶「おう、おはよ」
摩耶「…………料理か。腹でも減ったか?」
夕立「ううん、夕立が食べる訳じゃ無いっぽい!」
夕立「あのね、提督さんのために作ってるの!」
摩耶「提督?」
摩耶「……さっき飯食ってたよな?」
夕立「ぽい!」
夕立「でもでも、物足りなさそうな表情だったっぽい?」
摩耶「あー、確かにそうだったかもなぁ……」
摩耶「……まぁ、風邪が治ったから食欲増してるとかそんなとこだろ」
摩耶「────よしっ、アタシにも手伝えることあるか?」
夕立「……頼んでも良いっぽい?」
摩耶「もちろんだぜ!」
夕立「えへへ♪ それじゃあお野菜切っておいて欲しいっぽい!」
夕立「────あっ、今回は混ぜちゃ駄目っぽい?」
摩耶「────っと……。もう少し早く言ってくれよな。入れるとこだったぜ?」
夕立「ん、次からは気を付けるっぽい♪」
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龍田「……あら、おはよう長門」
龍田「皆もう朝ご飯食べちゃったけど……どこに行ってたの?」
長門「おはよう龍田」
長門「なに、ちょっとした用事だ。大したことはない」
龍田「…………気になるなぁ」
龍田「何か、企んでたりしないよね?」
長門「……ふふっ」
龍田「…………手紙?」
長門「ああ、前に居た鎮守府の仲間からのだ」
長門「郵便物を確認していたら見つけてな。珍しいこともあるものだとその場で読みふけってしまったよ」
龍田「………………」
長門「……納得できないか?」
龍田「………………ううん。疑って、ごめんね?」
長門「気にするな。私も気にしていない」
長門「……だが龍田」
龍田「……なに?」
長門「他者を攻撃することが愛の証明になる訳ではないからな?」
長門「はき違えるなよ?」
龍田「…………うふふ、肝に銘じておくわ」
長門「……朝食を摂ってくる。また後でな」
龍田「うん、また後で……ね?」
龍田(もう少し、もう少しで分かる気がするんだけど……)
龍田(もっと……提督のことだけを……)
龍田(提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督────)
龍田「────あはっ♪」
長門(……………………)
長門(まったく……鋭い艦娘ばかりで困ったものだ)
長門(……だがこれで)
長門「────お義母さん、お義母さま……どちらにするべきか悩むな……」
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時雨「それじゃあ提督、今日はどうしようか?」
天龍「病み上がりなんだから無理するなよ?」
提督「心配してくれてありがとう」
提督「迷惑かけた分を取り返す勢いで頑張るからよろしくな?」
天龍「だから無理すんなって言ってんだろ!」
時雨「ふふっ……♪」
提督(ようやく風邪も治ったし、やっといつも通りの日々になるな……)
提督(……うん)
提督(十分に休んだから調子も良い)
言い忘れました。
これで大体半分くらいです。
ラストはさらっと 終わりますので過度な期待はしないで下さい。
艦隊が五人編成なら分割エンドですが艦これは六人編成なので ハッピーエンドです。
それではまた。
乙
その意味深なスペースやら五人と六人の違いが云々やらでさらっと終わる気がしない
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乙
五人を分割して六人にするんなら島田荘司やね(盛大な勘違い)
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