私的良スレ書庫
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元スレ提督「怜悧盲目」
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投下終了。
久し振りなのでソフトな娘から。
好きなんだから仕方無いですよね(白目)
それではまた。
『────お前の事情も分かるけどさ、あんま調子に乗るもんじゃないぜ?』
息も絶え絶えに海上に這いつくばる私の耳に、頭上から見下ろす摩耶の声が届く。
特殊な弾頭を用いる演習において、艦娘が沈むことはない。しかし痛みを伴わないかといえば、そうではないのだ。明らかに意図された砲撃の数々によって、私の身体は隙間無く悲鳴を挙げている。
この時ばかりは『沈めない』という事実を呪わずにはいられなかった。
『ま、今回は軽いので済ませてやるけどさ。……次は無いからな』
これで、軽い?
今まで経験してきたどの戦場にも比べられない痛みと恐怖を味わったこの数時間が、軽い?
顔を上げることも出来ず、痛みと恐怖で溢れた涙が、海へと吸い込まれていくのを見ていることしかできない。
助けて、天龍ちゃん。
生まれて初めて、天龍ちゃんに頼った。
艦娘として誕生して以来ずっと、私は天龍ちゃんと同じ時間を過ごしてきた。
天龍ちゃんのためなら何でもした。
他の艦娘を盾にした。資材を盗んで補給してあげた。脅し、追い詰め、装備も揃えてあげた。
私一人で敵艦隊を相手取ったこともあるし、無能で下衆な提督を闇に葬ったこともある。
不器用で危うい彼女を、ずっと支えてきたつもりだった。
そんな私の、初めてのお願いだったのに。
『────自業自得だろ、頭冷やせ』
通信に入ってきた言葉は、無慈悲なものだった。
痛みを訴える身体を引きずって帰投する。
待っていたのは、配属早々に私が罵倒した提督だった。
私の言葉に苦笑いを浮かべていたその顔は心配そうな表情に変わり、頼りなかった声音には沈痛な思いが溢れている。
その姿を見て、その声を聞いて、必死に保っていた力が抜けた。
倒れ込みそうになる私の身体を、提督が慌てて抱き留める。
暖かさに、また涙がこぼれた。
────ああ、きっと。
────誰でも良かったのだ。
────私を、満たしてくれるのならば。
割れて出来た亀裂を塞ぐように、別れた欠片を繋ぎとめるように、どろりとした甘い毒が、私を少しずつ満たしてくれていた。
──────────────────
──────────────────
古鷹「────どうして、そんな話を私にしたんですか……?」
龍田「えーと、聞きたそうにしてたから、かなぁ?」
蛇口から流れる冷水に手を浸し、正面の鏡を見る。
そこに映る古鷹の表情は、本人が俯いてしまっているため伺い知ることが出来ない。
古鷹に話したのは私達の提督の話だ。
それも功績等といった類の話ではなく、何の変哲もない日常のお話。
提督と普段どんなことを話しているのか、どのように接しているのか、どういった物が好きなのか……。
そんな話しかしていない。
それで十分だったから。
古鷹「……狡い」
その身を抱くように、左手で右の二の腕辺りを掴む古鷹の姿を、鏡越しに見やる。
古鷹「龍田さん達と私達、何が違うんですか? 同じ地獄を味わった仲なのに、私達はずっと血反吐を吐き続けて、龍田さん達はそうやって楽しそうに笑えてる……。私達、もしかしたらまた地獄を味わうかもしれないんですよ?」
そう言って顔を上げる古鷹。
その目に光は灯っていない。
鏡に映る私の顔は、そんな古鷹の表情を見て、薄く笑みを浮かべていた。
古鷹「狡い、狡いです。狡い、狡い、狡い……!」
ああ、やっぱり。
彼女達は紛れもなく『私達の仲間』だ。
私達には頼れる仲間が居るのだ。
時雨、あるいは長門が既に手を回しているに違いない。
振り向き、冷えた両手を古鷹の頬に添える。
そしてその瞳を曇らせたまま、古鷹は淡く微笑むのだった。
手びしゃびしゃのまま顔さわったのかなとか野暮なこと考えてしまった
>>275
それは 別れ歌(意味深)
それは 別れ歌(意味深)
皆さんこんばんは。
続きは鋭意作成中ですのでもう少々お待ち下さい。
それと質問ですが、次のどちらかならどちらの番外編を見たいですか?
・全員が敵対関係だったら(ギスギス修羅場)
・誰か一人を選んでいたら(個別 エ ン ド)
それではまた。
修羅場ですね。分かりました。
個別(生命的な意味で)エンドは時間があればやろうかと思います。
それではまた。
夕立「──────……ぽい?」
夕立(ここは……? えっと、私……)
摩耶「────お、やっと起きたか?」
夕立「────ひっ! ま、摩耶……?」
摩耶「おいおい、そんなビクビクすんなって。体、痛いとこ無いか?」
夕立「え、あっ、……うん。大丈夫……ぽい」
摩耶「そうか、そりゃ良かった」
摩耶「……ごめんな、やり過ぎちまって」
夕立「……ううん、あれは我が儘言った夕立が悪かったっぽい」
夕立「夕立こそ……ごめんね?」
摩耶「あー……謝られると調子狂うんだけど……」
摩耶「……まぁいいや。アタシと夕立、どっちも悪かったってことでいいよな?」
夕立「……うん」
摩耶「よしっ、それじゃこれでこの話は終わりだから、謝るのはもう無しだ」
摩耶「…………だから、さ」
夕立「……摩耶?」
摩耶「……いつも通りで頼むぜ。元気の無い夕立は……その、見たくないしさ」
夕立「摩耶……!」
夕立「────うん、分かったっぽいっ!」
摩耶「……へへ、やっぱ夕立はそうじゃなくっちゃな!」
──────────────────
──────────────────
夕立「────そっか、長門が……」
摩耶「本当に憶えてないのか?」
夕立「えへへ……」
摩耶「錯乱してたお前を宥めたのは長門だからな。後でちゃんとお礼言っておけよ?」
夕立「ぽいっ、もちろん!」
摩耶「────それにしてもめでたい話だよなぁ。あと三日でアタシ達の念願が叶うんだぜ?」
摩耶「時雨からはもう一ヶ月はかかるって聞いてたからさ、こんなに早くなるとちょっと実感が追いつかねえよ」
夕立「目下の問題が長門だけだったから……」
夕立「もっと早く協力してくれてたら、もっと早く叶ってたっぽい?」
摩耶「そりゃそうだろな、でもそんな可能性の話しても仕方ないだろ?」
摩耶「結果的に上手く収まるんだ。それでいいじゃんか」
夕立「ぽいぃ……確かにそうだけど……」
摩耶「そんなこと考えるより、もっと面白いこと考えようぜ?」
夕立「……面白いこと?」
摩耶「おう。例えばほら、『三日後からどうするか』とか、さ」
夕立「────それは……」
起きたらぎゅーって抱きしめてもらって。
朝ご飯をお互いで食べさせ合って。
訓練中もこっそり通信でお喋りして。
お昼は夕立が執務室まで持っていって提督さんと一緒に食べる。
お腹が一杯になったらきっと『眠くなっちゃう』からちょこっとだけお昼寝するけど、もう我慢しなくてもいいんだから、寝ている提督さんに『イタズラ』しちゃおっかな?
演習とか出撃中は流石にお喋り出来ないから我慢するっぽい。寂しくないよ。だって帰投したら『オカエリナサイ』って抱きしめてくれるから。
それで夜は…………えへへ♪
首輪、似合うかなぁ?
…………夕立に言っといてアレだけど、アタシも全く考えてなかったなぁ。
今の関係くらいがアタシ的には丁度良いし、やることはそんなに変わらないか。
あぁ、でもこれからは提督の私物をこそこそ盗る必要は無いのか。随分と楽になるぜ。
それに皆を監視する必要が無くなる分時間が空くし、提督を観察する時間を増やせるな。よし。
後は……そうだな。
これからはもっと、直接的に『食べてもらえる』んだよな……。
……へへっ。
楽しみに待っててくれよ、提督?
夕立「────楽しみっぽい!」
摩耶「────ああ、同感だぜ」
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