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    元スレ男「まさか女さんがあんなにデレるとはな」幼「はぁ・・・」

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    51 = 44 :

    (やっぱり駅で女が待ってるか)

    「やっほー男。今日は幼も一緒なんだ珍しいね」

    「おはよー。そうなの男と偶然あっちゃって」

    「まぁ道同じだしな」

    「そうなんだ。二人で来たんだ」

    「それでよ幼、さっきの話なんだけどさ」

    「待って男。幼ちょっとこっち」

    「え?うん」

    「なにかな」

    「幼は友の事好きなんでしょ?いつも思ってたけど、男と仲良すぎない?」

    「え」

    「まぁ幼馴染だから分からないでもないけどさ、一応幼独り身なんだし」

    「独り身って・・・」

    「男は私の彼氏だから、ちょっと控えて」

    「・・・うん」

    (あぁ、昨日幼が言ってたのはこう言う事か。幼と話すのすら駄目なら結構きついぞ)

    「そうだ、今日男空いてる?私男の家に行ってみたい」

    「駄目だ。今日はバイトあるからな」

    「じゃあ明日」

    (あーこれ明日明後日っていくら断っても伸びてくやつだな)

    「まぁ、明日ならいいか」

    「えっ!?」

    「やったー」

    「幼どうしたの?」

    「・・・なんでもないよ」

    52 = 44 :

    >>50
    わかった
    分かった
    解った
    面倒くさがらずに使い分けます
    ありがとうございます

    53 = 46 :

    >>52
    いや、>>50の「解」のみのレスは、他スレッドでも無意味に書き込んでるから無視してよし

    54 = 44 :

    >>53
    ありがとうございます
    まんまと釣られました
    公用文やマスコミではすべて「分かる」で統一されているそうです
    それが分かったので良かったと言う事にしておきます

    55 :

    男から仄かにクズ臭がするけどヤンデレにはちょっとクズい主人公の方がにあうさからしょうがないね

    56 = 44 :

    「はい。あーん」

    「やめろって」

    「もう、男いつもこれ嫌がる」

    「恥ずかしいだろ」

    「明日から人の居ない所で食べようか」

    「そんな所ないだろ」

    「それよりさ」

    「なんで昨日連絡してくれなかったの?」

    「そうだったか?」

    「そうだよ。先に帰ったし」

    「あ、あれだ。ホームルームが早く終わってやる事ねぇなって思ってよ」

    「他の皆はいたけど?それにLINEも送ったのに」

    「う・・・き、気づかなかったなー」

    「ふーん」

    (言い訳が苦しいぞ)

    「まぁいっか。そんなに縛り付けてもかわいそうだよね」

    「お、おう」

    「でもそうだねぇ。ほっとかれた分はこうやって返してもうらうようにしようかなー」

    「待て、くっつくな!」

    「照れない照れない」

    「し、視線が!周りの視線が刺さってるから!」

    「もうバカップル認定されてるんだから気にしない」

    「そうなのか!?俺知らねぇぞそんな事」

    「ふふ、本当かわいいなぁ」

    57 = 50 :

    58 :

    胸のキュンキュン止まらないよ(震え)

    59 = 44 :

    「今日男の部屋に女が来るんだよね」

    「まぁ、そんなに身構える事もないだろ」

    「そう言っても前科がね」

    「あれは悪かったよ」

    「窓からこっそり覗いてようかな」

    「怖えぇよ。見つかったらそれこそ言い訳出来ないだろ」

    「じゃあ録音機」

    「だから駄目だろそれは」

    「もう、じゃあなんだったらいいのよ」

    「俺を信じろ」

    「はぁ、まぁいいけど」

    「今度私も男の家に行くからね」

    「本当に何もねぇぞ」

    「いいのよ。男が居れば」

    「それに、両親がいつもいないなら色々出来るじゃん。色々ね」

    「お、お前なにする気だよ・・・」

    60 = 44 :

    ピンポーン

    「へーい」

    「・・・来ちゃった」

    「来ちゃったって、昨日から来るの知ってるからな」

    「ほら、早く入れて」

    「なんか図々しいな」

    「なに言ってんの。せっかく彼女がきたのに」

    「おう入れ入れ。なんもねぇけど」

    「あれ?ご両親は?」

    「今海外に行ってるからいねぇよ」

    「へぇ、今日は二人っきりか」

    「奇麗な家。男ってもしかしてお金持ち?」

    「一人っ子だしこんなもんだろ」

    「でもちょっと変な壁」

    「防音なんだよ仕方ねぇだろ」

    「こんなでっかいスピーカーあるしよ、俺んちは一日音が鳴ってた家だからな」

    「へぇ音楽一家って奴だ。凄い、楽器がいっぱい」

    「ほとんど親父のだけどな」

    「あれ、この写真」

    「げ!」

    「男ちっちゃい。かわいい!」

    「あんまりまじまじ見るなよ。それ俺が小さい頃に、親父の仕事で行ったフランスで撮ったんだよ」

    「何歳くらいだろ」

    「さぁな。何度か行ってたから分からねぇ」

    「これが男で、これが男のお父さん。あれ、この隣のちっちゃい女の子は?」

    「ああ、こいつはフランスで結構会う機会があった子なんだ」

    「まぁ俺フランス語分かんなかったから、何言ってるか最後まで分かんなかったけどな」

    「へぇ、まだ会ったりするの」

    「もう4年以上会ってないかもな」

    「そうなんだ」

    62 :

    女が普通にいい子で見てて辛い

    63 :

    結果的に幼が悪者っつうか株が下がってるような

    64 = 44 :

    「この中で何か演奏できるの無い?」

    「まぁ、ピアノくらいならかまわないぜ」

    「弾いてみて」

    「おう」

    「こんな感じか?」

    「へぇうまいじゃん。あ、この曲この前貸してくれたCDの曲だ」

    「~♪」

    「うまいもんだな」

    「防音室っていいね。カラオケより楽しいかも」

    「そうかもな」

    「いいな、こんな家庭もうらやましいかも」

    「・・・」

    「お前さ、試しにこれ弾いてみろよ」

    「アコースティック?」

    「ちげぇよ。クラシックギターだ」

    「このコードとこれと、この4つさえ覚えればこの曲は無理矢理弾ける。やってみろ」

    「うーん。指が届かないかな」

    「もっと小さい手で弾いてる奴だっていっぱいいるぜ」

    「そうなんだ」

    「なんならそれやるよ。もう使わないしな」

    「いいの?ありがと。大事に使うわ」

    「そろそろ夕ご飯の時間だね」

    「もう帰るか?」

    「ご飯食べて帰ろうかな」

    「どっか食い行くか」

    「台所貸して。私が作るから」

    「それでいいか」

    「材料あるかなぁ。わっ凄い。野菜普通にある」

    「冷凍庫はー、へぇお肉やしいたけとかちゃんとジップロックして冷凍してあるね」

    「調味料もいっぱいあるし、なんだ男は料理出来たんだ」

    「普通くらいにな。さすがに弁当とかは、起きるの面倒くさくて作らねぇけど」

    「男の料理が食べたいなぁ」

    「マジで?うまいもんじゃないぞ?」

    「それでも食べたい!私も手伝うから」

    「わーったよ」

    トン トン トン トン

    「ふふ、こうやって二人で台所に立ってると、なんか夫婦みたい」

    「そうか?なんか狭ぇぞ」

    「それがいいんでしょうが」

    65 = 44 :

    「美味しい」

    「女も手伝ってくれたしな」

    「でもいいね。私の彼氏料理出来るんだって言えるよこれなら」

    「マジでやめてくれ」

    「だから照れないの」

    「ところで男」

    「ついでに、シャワー浴びていい?」

    「駄目だ。今日は終わりだ」

    「ねぇ、いいでしょ」

    「ほら帰った帰った」

    「男ー!ちょっと!女の子がシャワー浴びたいって言ってるのに、何も分からないの?」

    「分かるけどさ」

    「だったら」

    (これは幼にもせがまれた事だからな、ちゃんと返事考えてあるんだ)

    「セックスは!結婚してからじゃないとしねぇ!」

    「・・・え」

    「それが俺のポリシー的なやつだ」

    「け、結婚かぁ。そっかそっかぁ。ふふ」

    「な、何がおかしいんだ?」

    「なんでもなーい」

    「まぁ、分かってくれたならいいや」

    「じゃあ私帰るから」

    「じゃあな」

    「ギターありがとね。また明日ね」

    「ダーリン」

    「ダーリン!?」

    「だって私たち結婚するんでしょ?ふふ、じゃあね」

    バタン

    「俺なんか間違ったか?」

    66 = 44 :

    「報告」

    「お前机もうちょっと片付けろよまっ」

    「報告」

    「わーったよ」

    「えーと、歌って飯食った」

    「え?それだけ」

    「それだけだよ」

    「歌ったって、男の家の壁に耳あててみたりしたけど、そおんなの聞こえてこなかったよ?」

    「そりゃあ防音壁だからな・・・ってお前なにしてんの!?」

    「防音・・・どうりでいつも何も聞こえてこないと思った」

    「いつもやってんのかよ!ホント怖えーからやめろ!」

    「とにかく何もなかったんだ。偉い偉い」

    「そんな感じだ。もう俺帰るぞ。じゃあな」

    「うん。じゃあね」

    ピロロ ピロロ ピッ

    「やっほー幼」

    「やっほー」

    「ねぇ聞いて今日ダーリンから」

    「・・・ちょっと待って」

    「?」

    「ダーリン?」

    「うんそう。結婚の約束しちゃって」

    「・・・」

    「幼どうしたの?」

    「ちょっと、今日あの日だから体調悪い。切るね」

    「あ、ごめん。お大事にね」

    ピッ

    (男何も無かったって言ったのに・・・!)

    67 = 44 :

    「幼から連絡来てるな。さっき会ったばっかだろ、忘れ物したか俺」

    「えーっと『ダーリンってなに』・・・げ!早く返信しねぇとやべぇ!」

    ピンポーン

    「誰だこんな時に」

    「へーい」

    ガチャ

    「入るね」

    「お前なんで」

    「いや、ダーリンって言うのはな」

    「私そんな報告受けてないよね!!」

    「いやそれはな」

    「男が嘘ついたら報告の意味ない!」

    「いや、勘違いなんだマジで」

    「どういう事?」

    「あいつがシャワー浴びたいとか言ってな」

    「・・・シャワー」

    「その意味は分かるだろって言われたから、セックスは結婚してからしかしないって言っただけなんだよ」

    「・・・セックス」

    「な?勘違いだろ?心配しなくて大丈夫だ」

    「違うよ。そんな話、男話してない!!心配するわよ!・・・なんでちゃんと報告してくれないの!!?」

    「おい、あんま大声だすな。近所迷惑だぞ」

    「防音なんでしょ!?あれ?防音だし男に何しても大丈夫かな!」

    「おい!なにするつもりだ」

    「あんまり嘘つくような事したら、報告の意味がないなら!私何するかわかんないよ?」

    「わかった今度から・・・ん」

    チュ レロ チュ

    「ん、はぁはぁ・・・わかった?」

    「ああ、わかったよマジで」

    「次やったら許さないから」

    「おう。ってなんで俺の服脱がそうとしてんだ?」

    「え、だって防音室だし男を犯してもばれないし」

    「セックスは!結婚してからじゃないとしねぇ!」

    「え?け、結婚?ふふ、結婚かぁ」

    「お前もかよ!」

    「それにしても、相変わらず楽器だらけの部屋だね」

    「あれ、ギターは?」

    「ちょっとな」

    「ふーん。ま、いっか」

    68 = 44 :

    今日はここまでです
    風呂入って寝ます

    69 :

    おつおや

    70 :

    フランスの幼馴染の降臨はよ

    71 :

    幼クソ化しすぎだろ

    72 :

    最高やね

    73 :

    いい流れだ

    74 :

    うむ...うむ...良いぞ

    75 :

    これで初心者とはすげぇな

    76 :

    3人目のライバル来る…修羅場は加速する

    77 :


    >>20
    これフランスの幼馴染フラグだったのね

    78 :

    泥沼化はよ

    79 :

    今のところ女優勢かな?

    80 :

    昔云々と外国人であと2人?

    81 :

    今日は私情により書けないので明日から再会します
    もしかしたら少しだけ書くかもしれませんが

    82 :

    主人公クズすぎわろた

    83 :

    男がただのゴミクズじゃん

    84 :

    そういうSSだろ

    85 :

    告白の練習がてらどうでもいい娘に告白するって時点で嫌な予感はしてた
    予想通りまともじゃなかったな

    86 :

    ピンポーン

    「最近よく誰かくるなぁ」

    「へーい」

    ガチャ

    「男、昨日ぶり」

    「おいまだ早いだろ」

    「まぁいいじゃん。行く前にちょっといちゃつこう」

    「いいけどさ」

    「幼馴染3人で出掛けるのってどのくらいぶりだろうね」

    「そういや最近なかったな」

    「友ったらいつも忙しいんだもん」

    「今日は友にとっても息抜きになんだろ」

    「だったらいいね」

    「こらテレビ見づらいぞ動くな」

    「男の膝座りにくい」

    「じゃあどけよ」

    「やーだね」

    「そろそろ行くか」

    「待ち合わせの時間的にはちょっと早いけど、友いつも来るの早いもんね」

    「ほら出るぞ」

    87 = 86 :

    「よう友。今日は遅いな」

    「時間通りだろ。ハードルを上げるな」

    「うわぁでっかいバッグだね」

    「練習の後そのまま来たんだよ」

    「さっさとカラオケ行こうぜ」

    「行こー」

    「こんな安いカラオケBOXあったのか」

    「おうよ。しかもドリンク飲み放題」

    「あ、でもエアコンは駄目。つけるとすっごい臭いから」

    「なんでも良いよ俺は」

    「じゃあ早速歌うぞー」

    「・・・」

    「・・・」

    「・・・」

    「初対面か!男戦陣切って歌って」

    「お、おう。えーとあった。じゃあ俺先に歌うから」

    「~♪」

    「次わたしー」

    ・・・

    「結構歌ったな」

    「俺ちょっとトイレ行ってくる」

    (ドリンク飲みすぎたか?こりゃ長い戦いになりそうだぜ)

    88 = 86 :

    「いってらー、って次私の曲だ」

    「~♪」

    「なぁ幼」

    「ん?」

    「お前大丈夫か?」

    「大丈夫って?」

    「お前かなり痩せただろ」

    「やだー、私は元々スリムなんだから」

    「ごまかすなよ」

    「・・・」

    「幼が焦ってる理由だって知ってる。男の親父がフランスに居るって事は、近いうちにあいつを連れて帰ってくるかもしれないんだろ?」

    「あの子は・・・」

    「演奏会で男に渡した花束。あれを大勢の前で踏みつけて、幼を大声で怒鳴りつけたのはびびったよな」

    「言葉は分からなかったけど、周りの大人達の表情を見ればだいたい何言ってたか分かったけどね」

    「あの子は、普通じゃなかった」

    「それにお前、女さんと男の間にずっと立って凄いストレスなんだろ?」

    「・・・それは」

    「男に相談した方が良いんじゃないのか?」

    「違うの。辛いのはそっちよりも」

    「私最近男にあたってばっかりで・・・嫌な女になっちゃってる」

    「それは考えすぎだろ」

    「男に嫌われたくないよぉ・・・」ボロボロ

    89 = 86 :

    「ただいま。って幼が泣いてる!?」

    「お前に嫌われたくないんだってよ」

    「なんだよ、俺は幼の事を一番に」

    「そうじゃないだろ」

    「・・・」

    「こいつは女とお前との板挟みにずっとあってたんだ」

    「・・・」

    「・・・そうだな」

    「幼と女の友情を気にしてたけど、幼がいいなら女との関係はもう」

    「いや、俺は俺の意思で女と別れるよ!」

    「・・・男」

    「うん。友情はその後考えればいいよね」

    「それにこれ以上続けたら、それこそ友情もなにもなくなっちまいそうだしな」

    「話はついたみたいだな」

    90 = 86 :

    「ねぇ、私たち3人は後どれくらい一緒に居られるんだろうね。今1年の後半だから、後2年くらい?」

    「確実に言える事は、俺は難しくなりそうだって事だな」

    「お前年齢別の代表にも呼ばれちまったしな」

    「寂しいけど、凄い事だよ。ずっと応援してる」

    「私はまだ進路とか決めてないけど進学かなぁ」

    「男だっていつかは」

    「・・・」

    「い、いや俺は幼と同じ大学に行こうかなーって」

    「・・・まぁ、いいけどな」

    「いっぱい歌ったね」

    「もうこんな時間か」

    「じゃあ今日はお開きって事でいい?」

    「そうだな」

    「じゃあまた学校でな」

    「じゃあね」

    「またな」

    91 = 86 :

    少しだけ進めました。
    明日はもっと書けるといいねハム太郎。

    92 :

    ハム太郎、おつおや~

    93 :

    フランスの子が、男と仲良くなった時の話も気になるなぁ〜(ボソッ
    乙ゥ

    94 :

    >>93

    男が告白でもしたんだろ(適当)

    95 :

    まあ急かさんでも書いてくれるだろう

    97 = 86 :

    もうちょっと切りが良くなったら投稿します。

    後、これからちょくちょく楽器が登場しますがただの小道具です。
    壮大なミュージックストーリーが展開される訳ではないのでご安心を。

    98 = 86 :

    「男、お弁当食べるよ」

    「分かった」

    「なんでそんな遠い所に座るからなぁ」

    「俺、箸の使い方下手なんだよ。お前の所におかずが全部飛んでったら嫌だろ」

    「しばらく一緒に食べてたんだけどぉ?そんな汚い食べ方じゃないでしょ男は」

    「ほらもっとつめて」

    「近づき過ぎだろ。食べにくいぞ」

    「気にしないの」

    「相変わらずだなお前は」

    「そう言えば、幼何かあった?」

    「なんでだ?」

    「最近何かずっと思い詰めてるんだ。親友の私にも全然話してくれないの」

    「こんな事って今までなかったから、ちょっと心配」

    「そうか」

    「大丈夫だよ。もうすぐそれは解決するから」

    「事情知ってるんだ。さすが幼馴染だなぁ、かなわないや」

    「あれ、お前と幼は昔からの知り合いじゃないのか?」

    「違うよ。高校で知り合ったばっか」

    「そうは見えないけどな」

    「でもね、今まで会った友達の中では一番の友達」

    「・・・そうか」

    (その友情を、もしかしたら俺が壊しちまうかもしれないんだよな。ごめんよ幼、女)

    「お前さ、今日うち来いよ」

    「え・・・。男の方から誘ってくれるなんて珍しい。あれ初めて?」

    「そうか?」

    「なんかそう考えると腹立って来たかも。この根性なし!自分から告白してきたくせに」

    「悪かったよ」

    「ふふ、でも良かった。私が一方的に誘ってるのもなんか変だし」

    「で、来れるのか?」

    「うーん。どうしよっかなー、ふふ」

    「大事な話があるんだ」

    「え・・・う、うそぉ。えへへ、何だろう。男のお部屋で大事な話かぁ」

    「絶対行く!」

    「分かった。じゃあ放課後一緒に行くか」

    「私一回家に帰ってからにする。ほら、下着とか今のままじゃ・・・ね?」

    「?・・・まぁ、じゃあそれでいいよ」

    (初めて会った時より女が奇麗に感じるのは、少しずつ俺が女に惹かれていってるって事なんだろうな。本当にもう潮時だ)

    99 = 86 :

    (窓から見えるのって女だよね)

    「男の家に来たのかな」

    (大丈夫。男は約束してくれたもん)

    (明日女にどうやって声かけたらいいんだろ。慰めるなんてもっての外だよね)

    (こんなに気の合う友達これから出来るのかな)

    「・・・あれ」

    「女が背中にしょってるのって・・・」

    (家に帰ったついでにギター持って来ちゃった。大事な話ってなんだろうなぁ。まぁだいたい分かってるけど。ふふ)

    ガチャ

    「あれ?幼じゃん。幼の家、男の家とこんな近かったんだ。前来た時は気がつかなかった」

    「ちょっとそれ見せて。・・・これ!」

    「あぁ、これ男がくれるって」

    (そろそろ女が来る頃か)

    「返せッ!!」

    「げ!外から怒鳴り声が聞こえるぞ。しかも多分幼だ」

    ガチャ

    「どうした!」

    「これは男のなんだから!返して!!」

    「幼、ど、どうしたの・・・?」

    「やめろ!」

    「離してッ!」

    「あ・・・私、まただ。また怒鳴って・・・ごめん」

    ガチャ バタン

    「ねぇ男、このギターなにかあるの?」

    「いや、全然たいした事じゃないから」

    「幼泣いてたよ。あの子は凄く優しい子なの。多分男の事を思って泣いてるんだよ?」

    「本当にたいした事じゃないんだよ。ほら家入れよ」

    「そうは見えないよ。今日は私帰るから」

    「え?」

    「やる事が出来たの。じゃあね」

    100 = 86 :

    「女さんが俺に用とは珍しいな」

    「幼も男も、たいした事ないって言って話してくれないから」

    「男とこのギターって何かあるの?」

    「それどうした?」

    「男からもらったの」

    「・・・そうか」

    「ねぇ、教えて」

    「本当にたいしたことないんだよ、この話は。多分男は、幼が大げさに騒いだから恥ずかしくなっちまったんだな」

    「それは聞いてみないと分からないよ」

    「まぁいいけどさ」

    「男が昔よく海外に行っていたのは知ってるか?」

    「知らないけど、写真があった。男と男のお父さん、そして小さなフランス人の女の子」

    「男の親父は、かなり有名なクラシックギター奏者なんだ」

    「いや、親父だけじゃないな。男もその親父の下でギターを学んで、大人達に混じって演奏していた。神童とか呼ばれてたっけ」

    「・・・」

    「写真の隣に写ってたのはフルート奏者の子で、男と年齢を同じくして同じく神童と呼ばれてたんだ。この2人のチームで向こうでは賞を取りまくってた訳だ」

    「男は父の下で努力する秀才。その子は一つの物に異常に執着する、本物の天才って感じだったな」

    (その執着のベクトルが男にも向いた事は別に言わなくてもいいよな)

    「それで?」

    「ある時、男の親父が突然の海外出張で男を連れて行かない時があったんだ」

    「その間男はギターにあまり触れていなかった。男の親父はその次もその次も何故か男を連れていかなかった」

    「それが続いて男はついにギターを弾かなくなったんだよ。それだけの話なんだ」

    「小さな頃の男がずっと弾いていたのがこのギターだったんだ」

    「な?別に誰かに話すような暗い過去でもないだろ。ただ男に本当はやる気が無くって、それを見た男の父親が飽きれちまっただけなんだ」

    「・・・」

    「まぁ、男もそれ以来自分でなにかを決めるって事はしなくなっちまったけどな」

    「男としては練習さぼって、だらけてた話なんて恥ずかしくて誰かに話したく無かったんだろ」

    「本当にたいした事ない話だろ」

    「・・・違うよ。違う」

    「全然たいした事なくなんかない!幼も友くんも男のお父さんも、男だって・・・みんな何も分かってないよ」

    「・・・」

    「あなたたち幼馴染で家族と仲が良かったり、家族でいる時間が長い人っているの?」

    「いや」

    「やっぱり・・・!」

    「友くんありがとう。もう一回私男のところ行ってくる」

    「そうか」

    (もし俺たちよりも女さんが男と分かり合ってきたんだとしたら・・・)

    「まぁそれでも俺は幼を応援するだけだな」


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