私的良スレ書庫
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元スレ京太郎「虹の見方を覚えてますか?」
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和「うおぉーーー!!咲さーーんっ!!うおぉぉぉーーーーーー!!!!」
咲「ちょ、なんでこういう時に限ってみんないないの!?」
洋榎「……」
京太郎「……」
和「そないなこと言うても、ここはもう大洪水になってるやないか。ぐへへ」
咲「何言っているの!?これ、さっきこぼした花瓶の水でしょ!!」
洋榎「……」
京太郎「……」
和「あぁ~ん、咲さぁ~ん。私たち以外誰もいないんだから、いいかげん素直になっ…ても……?」
咲「い、い、い…やぁー……?」
和・咲「──あれ?」
洋榎「……」
京太郎「……」
バタン
京太郎「ごめんなさい、洋榎さん。どうやら俺がいない間に部室の位置変わってたみたいです」
洋榎「ハハ、そうみたいやな」
バンッ!!
咲「ちょ、ちょっと、助けてくれてもいいじゃないですか!」
洋榎「え?てっきり長野では一般的なプレイなのかと……」
咲「どうみても私、襲われてたじゃないですか!?」
洋榎「せやったの?ごめんごめん」
咲…どうやら元気そうだが、その……貞操の方は大丈夫だろうか
和「すみません、お見苦しいところを。ですけど、もう安心してください」
和「咲さん成分はたっぷり頂いたので、あと5時間は持つはずですから」ニコリ
だめだこいつ、あれからさらに悪化してやがる
しかも、たった5時間って…家にいる時はどうしているんだろうか?想像したくない
まこ「ああ、もう来ておったんか。遅れて申し訳ないのう」
洋榎「いやいや、こっちが勝手にやってることやから」
まこ「わしがここの部長の染谷まこじゃ。よろしゅう」
洋榎「うちが姫松高校麻雀部の元主将、愛宕洋榎や。よろしく」
染谷先輩は前より頼もしくなっている気がする。部長らしくなったというか
この口調を聞くと、清澄に戻ってきたんだなと実感する
優希「大阪の人、久しぶりだじぇ」
洋榎「えーと、誰やったけ?」
優希「ひどいじぇ!清澄のエース・オブ・エースを忘れるとは!」
洋榎「嘘や嘘。ちゃんと覚えてる。清澄のタコス娘やろ」
優希はうーん……いつも通り。相も変わらずといった感じか
しかし、恐らく染谷先輩と共に和のストッパーになっているのだろう
後で、洋榎さんに頼んでタコス渡してやるからな
久「ハロー、久しぶりね」
洋榎「おお、ほんまに久しぶりやな。元気にしとった?」
久「まぁね、おかげさまで元気にしてたわ」
まさか、竹井先輩まで来るとは思っていなかった
この様子だと、大学も受かって暇してる感じなのだろう。よかった
まこ「さて、挨拶はこれくらいにして、と」
挨拶もそこそこに、早速練習モードだ
部長の声を皮切りに、いよいよ最後の修業が始まった
_______
____
__
洋榎「お疲れさま。んじゃ、うちはちょっと」
久「あら、どこ行くの?今日はここに泊まっていくはずでしょ?」
洋榎「行きたいところがあんねん」
久「そうなの、ならいいけど。夕飯までには、ちゃんと帰ってくるのよ」
洋榎「うちは小学生か……ほなな」
パタン
京太郎「どこ行くんですか?洋榎さん、ここら辺の土地勘ないでしょう?」
洋榎「んー、まぁ、ちょっとな」
京太郎「何ですかそれ?」
洋榎「ついて来れば、そのうち分かると思うで」
京太郎「はぁ」
自分で言うのもなんだが、何にもないぞここら辺
実は重度の鉄オタで、JR七久保駅にどうしても行きたかった、というなら話は別だけど
清澄高校を出ると、スマートフォンを取り出して、何かを見ているようだった
特に言葉を交わすこともなく、しばらく洋榎さんの後を付いていく
うーん、なんだろうこの道筋は。すごく懐かしいような……
あっ
京太郎「…洋榎さん、ちょっとそのスマホ見せてもらってもいいですか?」
洋榎「ほい」
京太郎「やっぱり、グー○ルマップだ!」
洋榎「グー○ル様様やで、ほんまに」
京太郎「どこでうちの住所を!?言った覚えありませんよ!」
洋榎「机の上に、部員名簿ほっぽりぱなしやったからそん時」
京太郎「おのれ部長めっ!」
洋榎「ええやないか、減るもんでもないし」
京太郎「個人情報ってなんだっけ?」
洋榎「ほら、アホやってるうちにもう着いたみたいやで」
洋榎「ほな行こ」
京太郎「ええー…」
ここまで来てしまったので、仕方なく洋榎さんを家に上げることにする
しかし、この時間帯、父さんは仕事でいないが母さんは中にいるはずだ。どうしよう?
俺の部屋がある2階には、滅多に来ることはないから……よしっ!それでいこう
京太郎「すみません、少し窮屈かもしれませんけど、そこのカドで待ってて貰えませんか?」
洋榎「ああ、うん」
京太郎「そこなら、死角になっているので見つかる心配はありません」
京太郎「俺が合図したら、そこの段差を使って二階によじ登ってください。洋榎さんならできるでしょう?」
洋榎「余裕余裕。今日はスカートじゃなくてよかったなぁ」
当たり前だ。誰が他人に見せてやるものか
さて、やり方が決まったところで、俺はいたって普通に合鍵を使って家に入った
台所を見ると、久しぶりに母さんの後ろ姿が…
この香りは何だろうか?この料理は何だろうか?誰のために作っているのだろうか?
ほんの少しだけ、目頭が熱くなった
階段を上り、自分の部屋に入ると、驚くほど何も変わっていなかった
まぁ、当たり前なのだが
しかし、ホコリはかなり積もっている。半年近く放置していたのだ。こうもなる
10分ほど簡単に掃除をして、窓の鍵をあけると、スマホを使って洋榎さんに合図を送る
京太郎『こちらα1、準備が完了した』
洋榎『こちらα2、了解した。作戦行動に移る』
段差を利用し、器用に屋根まで登ると、あっという間に俺の部屋に侵入することができた
京太郎「慣れてますね」
洋榎「昔、絹と一緒にこういう事して遊んでたから」
洋榎「ふーむ、しかし。これが京太郎の部屋か…普通やな」
京太郎「いったい何を期待していたのだか」
洋榎「エロ本、ドーン!脱いだ服、バッサー!みたいな?」
京太郎「俺、綺麗好きなんで」
洋榎「おもんないわぁ」
洋榎「しかし、庭にプールとは恐れ入ったわ。ほんまに金持ちやったんやね」
洋榎「さすが、うちの分の旅費も出してくれるだけのことはある」
京太郎「別に金持ちってわけじゃないですよ」
洋榎「金持ちはみんなそう言うんやで」
京太郎「前にもの同じようなやり取りしましたけど、金持ちじゃなくてもそう言いますから」
京太郎「それに、これは俺の金じゃなくて親の金です。自分で稼いだわけではありませんので」
洋榎「相変わらず、かったいなぁー」
京太郎「あと、言っておきますと。あのプールはうちのカピ専用のものなんで」
洋榎「カピ?」
京太郎「カピバラです」
洋榎「あのヌートリアに似てる?」
京太郎「ああそういえば、天王寺動物園にヌートリアいましたね。あんな感じです」
洋榎「すごいな…後で見せて見せて!」
京太郎「いいですよ」
洋榎「おっ、早速卒業アルバムはっけーん!まずは幼稚園のころからやな」ワクワク
京太郎「そこからっすか」
洋榎「ほわ~、中々かいらしいなぁ」
京太郎「そうですか?」
洋榎「ちょっと見てみぃこれ、今と変わらんアホ面してるで」ケラケラ
京太郎「いや、洋榎さん。俺の顔写真でしか見たことないでしょ」
洋榎「あかん、これ泣いてるやないか。どないしたの?」
京太郎「ああ、これはですね──」
洋榎「ほいじゃ次は、中学校や」
京太郎「はいはい」
洋榎「おっ、京太郎めっけ。あれ?横におるのって…」
京太郎「ああ、咲のやつですね」
洋榎「仲良かったんやなぁ」
京太郎「腐れ縁みたいなものですよ」
洋榎「京太郎!、かと思たらまた咲ちゃん…」
京太郎「あいつ、いつも一人で本読んでましたから。俺とその他数人とくらいしか喋ってるの見たことなかったな」
洋榎「そ、そうか」
洋榎「集合写真やな、どーれ京太郎は……ってまた咲ちゃんやんか!」
京太郎「あの頃は結構べったりでしたからねえ」
洋榎「むぅ…」
京太郎「今ではそんなことありませんけど、中学時代の咲はですね──」
アルバムを眺めながら、昔話をしているとあっという間に時間が過ぎた
そして、清澄への帰り道
京太郎「すみませんって、洋榎さん…」
洋榎「ふんっ!うちが隣にいるちゅうのに、他の女の話に夢中になって!」
他の女って…昼ドラみたいだな
京太郎「悪かったですって、今度おいしいものでも奢りますから機嫌直してくださいよ」
洋榎「……」
洋榎「じゃあ、たこ焼きとお好み焼きと串カツとラーメン」
京太郎「…太りますよ?そのくらいならいいですけど」
洋榎「ただしっ!」
京太郎「?」
洋榎「京太郎と一緒に、やからな…//」ゴニョゴニョ
京太郎「……」
これは反則ではなかろうか
ポトリ
京太郎「あっ、洋榎さん。何か落としましたよ」
洋榎「え」
?「あら、あなた。何か落としたわよ」
洋榎「え」
え、この声
京太郎「げっ、母さん!?」
洋榎「え」
母「あらどうしたの?豆鉄砲食らった鳩みたいな顔してるわよ」
洋榎「い、いえ…なんでもありません。ありがとうございます」ペコリ
母「うーんと、もしかしてあなた、観光客の方かしら?」
洋榎「そ、そんなところです」
母「変わってるわねー。ここら辺何もないでしょう?私が言うのも何だけどね」
洋榎「はぁ」
母「あらいやだ。思わず引き止めちゃったわ。ごめんなさい」
洋榎「いえ、こちらこそ。わざわざありがとうございました」
母「礼儀正しい娘ね。偉いわー。じゃあ、はい、これ」
洋榎「えーと、これは?」
母「あら、大阪のおばちゃんは見知らぬ人にも飴をあげるって聞いたんだけど」
飴ちゃんいる?、てか
洋榎「私、大阪から来たなんて一言も…」
母「イントネーションがちょっと変わってたし」
母「それに、清澄が全国大会に出てた時に、チラッとあなたのことをテレビで見たことあるわ」
母「大阪の姫松だったかしらね」
洋榎「その通りです」
母「私、麻雀なんてほんとは興味ないのにね。なんで、わざわざ見てたのやら」
京太郎「……」
母「あら、ごめんね。また時間取らせちゃって。歳取るとほんとにダメね」
洋榎「いえ、そんな」
母「何もないところだけど、ゆっくりしていってね。じゃあ、さようなら」
洋榎「はい。さようなら」
洋榎「……」
洋榎「……」
洋榎「あの、一つ聞いてもよろしいですか?」
母「?」
洋榎「須賀京太郎、ってご存じないですか?」
母「須賀?ここら辺だとうちくらいなものね、その苗字は」
母「でもごめんなさい、知らないわ」
洋榎「そう、ですか…」
母「でも、もし──」
洋榎「?」
母「もし私に子供がいたなら、そんな名前を付けたかもしれないわね」
_______
____
__
洋榎「ごめん、京太郎」
京太郎「何がですか?」
洋榎「ごめん…」
京太郎「……」
京太郎「母さんから貰った飴食べましょうよ。ちょうど2つでしたし」
洋榎「うん…」
洋榎さんと一緒に、夕暮れの歩道を歩いていく。影のできない不思議な光景が目に映った
マッジックアワーだ、と思った。しかし、いつもみたいに洋榎さんにそれを説明する気にはなれなかった
楽しいことも、辛いことも。この飴みたく、最初から分け合うことができたらよかったのに
京太郎「甘いですね」
洋榎「甘いな」
疲れたので寝ます
日曜は夜の12時頃投下できるように努力します
おそらく、あと二回ですべて投下できるかと思います
おやすみなさい
日曜は夜の12時頃投下できるように努力します
おそらく、あと二回ですべて投下できるかと思います
おやすみなさい
乙でした
基本的にその手のは全部残ってるけど認識されなくなってるって状態だったはず
基本的にその手のは全部残ってるけど認識されなくなってるって状態だったはず
一番悲しいのは忘れ去られることとは誰が言った言葉やら
キツいなこの状況
キツいなこの状況
ネキは本人見えないけど写真なら見えんの?
だったら京太郎いる辺りにスマホのカメラ向ければ顔見られるんじゃね
だったら京太郎いる辺りにスマホのカメラ向ければ顔見られるんじゃね
そろそろ収束に向かってくれ
洋榎と馬鹿話してる時も無理に笑ってるんだと思うと辛すぎる
洋榎と馬鹿話してる時も無理に笑ってるんだと思うと辛すぎる
何もしてないせいでこんなことになるなら 世の中もう少し静かだろうな
しかしここまでくると凄いオカルトだ……
やりたい放題だぞ、エロ同人みたいに。
まあそんなことしなかったからこそネキに会えたと考えればイーブンやな。
やりたい放題だぞ、エロ同人みたいに。
まあそんなことしなかったからこそネキに会えたと考えればイーブンやな。
──2月中旬 長野
2日目の練習もいよいよ終わりに差し掛かってきた
少し休憩をとっていると、洋榎さんは何か目に付いたようだ
洋榎「あの写真は?」
咲「ああ、あれですか。夏の、全国大会の時の写真です」
"みんな"で最後に撮った、集合写真だ
久「綺麗に撮れてるでしょー。どうやら私、写真の才能もあるみたいなのよね」フフン
優希「先輩、前にも同じこと言ってたじぇ」
まこ「優希、久は受験の影響で脳が、もう……」
優希「先輩…」
久「ちょっとひどくない、それ」
和「……」グッ
久「仲間!、みたいな仕草やめて。まだまだ和ほどじゃないから」
和「ちっ」
咲「よく撮れているかは別にして、その写真がどうかしましたか?」
久「咲まで…」
洋榎「いや、ここに…」
咲「?」
洋榎「ここにさっ…」
京太郎「洋榎さん」
洋榎「っ…」
咲「どうかしました?」
洋榎「いや…なんでも」
久「いやー、しかし。時が経つのは早いわね」
まこ「そうじゃな、もう半年くらいかのう」
優希「二人とも年寄りくさいじぇ。まあ、私はまだまだピチピチだけど」
久・まこ「なぬっ」
久「この頃はまだ、和も比較的まともだったのにね」
咲「そうですね」チラッ
和「なんですか、咲さん?じっくりねっとりこっちを見て。ついに私に興味を持ってくれましたか」
咲「まず、その発言がちょっときつい」
和「そんなぁ~」
久「まぁ、でも。そんな和や咲、それに優希が入ってくれたから全国に行けたんだけど」
まこ「それまでは、団体戦やる人数すらおらんかったからのう」
久「ふふ、そうね。部室に二人だけだったころが懐かしいわ」
咲「今じゃ毎日賑やかですもんね」
久「だから、あなた達3人には本当に感謝してるわ。もちろん、まこもね」
優希「照れるじぇ」
和「そう言われると、悪い気はしませんね」
咲「わ、私はそんな──」
洋榎「あんまりや…」ボソ
咲「?」
洋榎「これじゃ、あんまりや」
咲「愛宕、さん?」
洋榎「いくら京太郎が、地区予選敗退の麻雀ド素人で雑用くらいしか取り柄がない言うてもっ!」
いや、そこまで言わなくてもいいのでは…
洋榎「それは、あんまりやっ!!」
久「ちょ、ちょっと、どうしたのよいきなり!?」
洋榎「……」
洋榎「咲ちゃん、和ちゃん、それに久。打つで」
優希「仲間はずれだじぇ」
まこ「お、おい…」
洋榎「もちろん、本気で。半荘や」
「「……」」
久「ふぅー…分かったわ。何があなたを怒らせたかは知らないけど、やりましょう」
まこ「久…」
久「ブランクがあるとはいえ、私は強いわよ」
洋榎「望むところや」
和「私は構いませんよ。ただし、さっきまでのようにただの練習相手と思わない方がいいでしょう」
洋榎「言うねぇ」
咲「何だかよく分かりませんけど、みんなのこと侮辱された気分です」
咲「手加減なしの本気でいかせてもらいます」
洋榎「特に咲ちゃん、あんたには負けへんで。いや、負けられへんのや」
洋榎「あと、京太郎。今回はアドバイスいらんから」
もはや、俺がいること隠す気ないな、この人
京太郎「……分かりました」
洋榎「ほな、行くで!」
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久「じゃあ、またね」
洋榎「おう」
久「しかし、あなたも熱くなることあるのねぇ。意外だったわ。普段は飄々としてるくせに」
洋榎「うっ…あれは忘れてもらえるとありがたいわ//」
久「ふふ、そうしとくわ」ニヤリ
あ、悪い顔してる。絶対覚えておいて、後で何かあった時にこのこと使う気だな
洋榎さんは気付いてないみたいだけど
まったく…この人も変わらない
久「でもあなた、前と少し雰囲気変わったわね。最初は気付かなかったけど」
洋榎「んー、麻雀の話?」
久「それもあるけど……なんというか。柔らかくなったというか、前はもっとツンツンしてたわ」
洋榎「なんやそれ?」
久「綺麗になったわよ」
洋榎「…その台詞は、男の口から聞きたかったけどな」
久「あら、私は女の子から聞いても嬉しいけど?」
洋榎「はは、らしいな」
久「あー、そろそろ時間ね」
久「愛宕さん、今のあなたならきっと大丈夫。私が保証するわ」
洋榎「うちに負けたのに、よう言うわ」
久「はは、違いないわね」
久「さようなら。また会いましょう」
洋榎「ああ、またな」
──2月下旬 大阪 大会会場
ついに、ここまで来た
1月に洋榎さんが負けてから、ほぼ1ヶ月
背油チャッチャの超濃厚とんこつスープよりも
3年間、発酵・熟成させた自然食品よりも
アイスボックした、ロシアン・インペリアル・スタウトよりも
さらにはるかに濃密な1ヶ月だったように思う
今日は、雅恵さん、絹恵さんの他に何人も応援に駆け付けていた
末原さん、真瀬さんに上重さん。それに後輩と思われる人もちらほらと
うむ。雅恵さん、絹恵さん、上重さんの3人は素晴らしいものをおもちだ
南大阪の三重士と命名しよう
あと、下手な変装をした赤阪監督の姿もかすかに目に入ったが、黙っておく
俺は控室から試合を眺める
どんどん試合は進んでいく
洋榎さんは負けない。勝ち続ける。強い
だが、ここまではある程度想定通りだ。洋榎さんは元からそれくらいの実力を持っている
問題はそこではない。問題は"彼ら"といかにして戦うか、ということだ
さっき、競技者の名簿を見たが、あった。"ヤツ"の名前がぬるりと
ここまで来て、俺は確信する
以前、ほのかに抱いた推論に過ぎなかったものは、確かに正しかった
洋榎さんを審査している人間は、観客席にはいない
かといって、どこか別の場所で映像越しに対局を眺めているわけでもない
人を評価する際の最も簡単な方法は、実際にその人と対面することだ
そしてそれは、自然であればあるほど良い
ならば答えは極めて単純だ
そう、洋榎さんを審査する、本当の試験官は──!!
アカギ「ククク……狂気の沙汰ほどおもしろい……!」
_______
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京太郎「洋榎さん、いよいよ次ですね」
洋榎「ああ」
京太郎「大丈夫ですか?」
洋榎「うーん、だめかも」
京太郎「ええー…」
洋榎「ふふ、嘘や。じょーだん」
京太郎「洒落にならないですよ、それ」
洋榎「ごめんごめん」
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