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元スレ京太郎「このプロキツい……」健夜「……なんで私を見てるのかな?」
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「そもそもなんで私メイド服なのさ!」
「え?だってご主人様に料理でご奉仕するって番組でしょ?」
「そんなの聞いてないよ!」
そう、俺の不安はこれもだ
「ちなみに京太郎はすこやんのメイド服はどうかな?」
「そ、それは……」
嬉しそうに聞いて来る福与アナ
俺や健夜さんの困り顔を見て意地の悪い笑みを浮かべている
健夜さんからの視線はかなり不安げだ
「えっと……」
改めて健夜さんに視線を向ける
黒を基調としたエプロンドレスにロングスカート
もちろん白いカチューシャは忘れずに
アニメなどで見るメイド服とは違い世界史の本で読んだいわゆる正統派のメイド服だ
ミニスカートではなくロングスカート
このメイド服をチョイスした番組のスタッフさんは賞賛されてしかるべきだろう
長い黒髪の健夜さんにピッタリだ」
言いたいことは色々あるが……
「すばらしいですね」
これだけだ
「そ、そこまで言われると恥ずかしいよ……」
顔を真っ赤にしてうつむく健夜さん
どういうことだ?
「まさか京太郎くんがそこまでメイド服にこだわりを持ってたなんてねー」
「…………え?」
「途中から全部口に出てたよ?」
「あの……カットは……」
「うん、それ無理♪」
「………………」
健夜さんに勝るとも劣らないぐらい俺の顔も赤くなっているのがわかる
まさか全国生放送でそんなことを口走ってしまうなんて……
「あちゃー……二人とも使い物にならなくなったので一旦CMでーす」
カンペを福与アナが読み上げる
できればこのまま逃げ出したいがそうもいかないだろう
「じゃあ二人ともちゃんとやってよね?」
「はい……」
「すいません……」
「CMあけまーす」
いつもは鬱陶しいと思っているだけのCMをありがたいと思う日が来るなんて……
「頑張っていこうね!」
「う、うん……」
「は、はい……」
「が、頑張ろうね、京太郎くん?」
「そ、そうですね……」
気を取り直したところでCMがあけた
汚名返上しないとな
眠いのでここまでにさせてください
続きはまた近日中で
おやすみなさい
続きはまた近日中で
おやすみなさい
「じゃあ気を取り直して……今日のメニューはなにかな、すこやん?」
「えと……8月も下旬ですっかり秋めいてきたので秋の料理、栗ごはんとさつま汁です」
「じゃあさっそく料理スタート!といきたいけど……」
「時間のかかる栗ごはんの下準備はあらかじめ撮影してあるのでVTRをどうぞ」
「ほんとに……たいへんだったよすこやん……」
「……え?」
「すこやんが女子力ないのは知ってたけどまさかあそこまでだったなんて……」
「今からそんなこという!?」
「じゃあVTRを見て視聴者のみんなと京太郎くんに判断してもらおうよ!」
「それもそうだね!」
「えと……VTRスタートです」
実は俺も見ていない
多分大丈夫だよな……?
『「こんにちは!ふくよかじゃないアナウンサー福与恒子と!」
「こんにちは、すこやかじゃない女子プロ小鍛治健夜です」
「実はこれから今夜の番組のために準備をします!」
「えと……具体的には栗ごはんの栗とお米の準備です」
「さて、ちまたでは女子力ないと噂のすこやんは本当にないのか!?
それとも実は無駄な花嫁修業のおかげで女子力は高いのか!?」
「無駄な花嫁修業ってどういうことさ!」
「じゃあ結婚を前提におつきあいしてる相手はいるの?」
「そ、それはいないけどさ……」
「だったらアラフォーのすこやんには無駄だね」
「いいかげんに怒るよ!?」
「まあまあ、怒ってばかりだとしわも増えちゃうから落ち着いて……ね?」
「誰が怒らせてるのさ!」
「まあまあ、夫婦漫才もいいけどそろそろ始めよう?」
「誰が夫婦なのさ!」
「え?すこやんは私のこと嫌い?」
「き、嫌いじゃないけど……」
「私もすこやんのこと好きだよ」
「こーこちゃん……」
「だっていじりがいがあるもんね!」
「台無しだよ!」
「さて、前置きはこれぐらいにして始めようか」
「始まってもないのに疲れた……」
「じゃあまずは栗の準備からだね」
「たしかこの栗ってすこやんが持ってきたんだよね?」
「うん、お母さんがおすそ分けをもらったから持ってきたの」
「自分で食べればよかったんじゃないの?」
「それは……」
「もしかして……料理できなかったから……?」
「うん……」
「じゃ、じゃあせっかくだから美味しく食べようね!」
「そ、そうだね!」
「じゃあ美味しく食べるためにもちゃんと下準備しないとね」
「え?皮を剥けばいいんじゃないの?」
「どうやって?」
「手で……は無理そうだから包丁で……」
「手つきが怖いからやめて……」
「そ、そうだね……」
「まずは皮を剥きやすくするために水に一時間以上浸けるの」
「皮を柔らかくするため?」
「それもあるけど虫食いがないかも確認しないとね」
「虫食い?」
「皮をむいたら虫が……」
「やめてよ!」
「そんなことがないようにちゃんと確認しないとね」
「そ、そうだね……」
「じゃあ次はお米の準備だけど……すこやんお米研げる?」
「そ、それぐらいできるよ!」
「じゃあお願いできる?」
「洗剤でしっかり洗えばいいんでしょ?」
「…………冗談だよね?」
「……え?」
「すこやんなりの……ジョークだよね?」
「あ、当たり前じゃん!」
「目が泳いでるような気がするけど……」
「あ、あはは……」
「気を取り直してお米の計量から始めようか」
「そ、そうだね……」
「今回は私たち二人と京太郎くんの3人だから2合の予定だけど……計量カップで1合はわかる?」
「えっと……180cc……ぐらい……だよね……?」
「うん、合ってるよ」
「ま、まあ常識だもんね!」
「…………ソウダネ」
「あとはこれを研げばいいんだよね?」
「一回目は手早く、二回目はさっきより時間をかけて、三回目はしっかり洗うとぬか臭さが残りにくいよ」
「へぇ……そうなんだ」
「……もちろん知ってたよね?」
「あ、あたりみゃえじゃん!」
「ふーん……じゃあお米も栗と同じように水に浸けておいてね」
「はーい」』
「「…………」」
「ちょっと!なんで二人とも無言なの!?」
「いや、まぁ……」
「思った以上にあれだったので……」
「あれ!?あれってどういうことさ!」
「すこやん……世の中には知らない方が幸せなこともあるんだよ?」
「なんだか二人が優しい目をしてる……」
「と、とりあえずこれがVTRで準備していた栗とお米ですか?」
「う、うん……」
「あれ?でも今日は炊飯器がないみたいですけど……」
「あるわけないよ」
「「…………え?」」
「せっかくだから二人には土鍋での栗ごはんに挑戦してもらいたいからね!」
「「…………え?」」
「ということでCM明けからスタートだー!チャンネルはそのままで!トイレはCM中に済ませておくこと!」
「スポンサーさんに怒られるよ!?」
健夜さんのツッコミが終わるより先にCMに入っていたようだった……
こんばんは
多分次回で料理番組編は終わりの予定です
できれば書き溜めをしていっきに終わらせられるのが理想ですね……
今夜の更新はここまでです
おつきあいいただきありがとうございました
おやすみなさい
多分次回で料理番組編は終わりの予定です
できれば書き溜めをしていっきに終わらせられるのが理想ですね……
今夜の更新はここまでです
おつきあいいただきありがとうございました
おやすみなさい
「はい、CMあけまーす」
スタッフさんのカンペによってCM明けが伝えられる
「じゃあ時間がないからさっそく始めよっか!」
「そうだね……」
「すこやん?テンション低いよ?」
「……ごめんなさい」
言い返すのを諦めたようだ
「じゃあまずはお米を水からあげてざるで水気を切ってね」
「はい」
「そしたら栗の皮むきをしよう」
「手じゃ難しいよ?」
「だから包丁でむくんだけど……二人とも怪我をしないように注意してね?」
「う、うん」
「はい」
「まずは尖ってない方のおしりを切り落としてくれる?」
「こうですか?」
「そうそう、そうしたら鬼皮っていう外側の硬い皮を手で剥いてくの」
「こ、こうですか?」
「うん、後はさっき切り落としたところから渋皮っていう薄皮を包丁を使って剥いてくんだけど……」
「なにか問題でもあるんですか?」
「しっかり持って剥かないと怪我をする可能性もあるから注意してね?」
「はい」
「そうしないと……」
「……痛い」
「……すこやんみたいになっちゃうから」
「だ、大丈夫ですか!?」
「た、たぶん……」
「ちょっと失礼しますね?」
「ふぇ?」
健夜さんの指先を口にくわえる
「く、くすぐったいよぉ……」
「これで止まりました?」
「う、うん……あ、ありがとう……」
「お、大胆だね♪」
顔を真っ赤にした健夜さんと妙にニヤニヤしている福与アナ
なにか問題になるようなことをしただろうか?
「さあさあ、ちゃっちゃとすこやんの栗と綺麗に剥いちゃうよ!」
「な、なんだか卑猥な……」
「へぇ……すこやんは何を想像したのかな~?」
「な、なんでもないよ!?」
真っ赤にした顔で反論する
ふくすこコンビは今日も絶好調だ
「全部綺麗に剥いて水に浸けられたね」
「どうしてこうするの?」
「アクが出ちゃうからね」
「そうなんだぁ……」
「さて……すこやんと私でさつま汁を担当するから京太郎くんに栗ごはんをお願いしてもいいかな?」
「え?」
「それともすこやんに土鍋でのごはんを任せられる?」
「無理です」
「即答!?」
「困ったときには私にも手伝うから……ね?」
「……わかりました」
そうはいったけど責任重大だな……
一応スタッフさんの出してくれるカンペの指示通りにすればいいな……
「えと……まずはお米が2合なのでそれにあわせて水を2カップ用意します」
「酒大さじ1、塩を小さじ1、そして昆布を一枚用意してください」
「土鍋に水、米、酒、塩、栗を入れて混ぜます」
「よく混ざったらその上に昆布を乗せます」
「そして火にかけますがこのとき割れる可能性もあるのでまわりに水滴がついていたらしっかり拭き取ってください」
「強火で一気に沸騰させ、湯気が出てきたら弱火にして7~8分炊きます」
「パチパチという音が聞こえてきたら火を止めて10分くらい蒸らします」
「あとは昆布を取り出してふんわり混ぜたら完成です」
「ちなみに取り出した昆布は細切りにして豚肉や人参と一緒に炒めて醤油やみりんで味を調えると一品できますね」
だいたいこんなかんじだった
もちろんこれは料理番組だ
しかし同時に生放送でもある
10分前にあらかじめ用意しておいたものなどない
いい匂いをかぎながらさつま汁を作っている二人の方に目を向ける
「だからささがきはそうじゃないって言ってるでしょ!」
「で、でも……」
「ほら、こんにゃくももっと細く」
「うん」
「手早くしないと味噌の風味が台無しになっちゃうでしょ!」
「ご、ごめんなさい……」
健夜さんがこっち担当じゃなくて本当によかった……
ご飯が蒸らし上がったのと同じ頃にさつま汁も完成したようだ
「じゃあ盛りつけて食べようか」
「うん」
「はい」
「じゃあいただきます……なんだけどそのまえに」
「なに?」
「すこやん、自分の格好はなに?」
「……メイドさん」
「だったらご主人様にご奉仕しなくちゃね♪」
「……え?」
「ほら、ご主人様の京太郎くんにあーんしないとね♪」
「「……え”?」」
「残り時間も少ないから早く早く」
福与アナやスタッフさんのニヤケ顔にすべてを悟った
ああ、俺、いや俺たち……はめられたんだ……
「京太郎くんは私にあーんされるのはいや……?」
「そりゃ……健夜さんみたいなかわいいメイドさんにあーんされたら嬉しいですけど……」
「ふふ、ありがとう」
余裕を持ったその笑顔は俺の心を釘付けにするには十分だった
「じゃあ……私のくり……召し上がれ」
「あ、あーん」
思わず素直に口に含んでしまうくらい……魅力的な笑顔だった
「誰が首謀者なのかな?」
「すこやん……ひょっとして怒ってる……?」
「ううん、そんなことないよ~?」
無事、高視聴率を獲得した
俺たちは反省会だ
健夜さんは満面の笑みを浮かべているが先ほどのあーんのときの笑顔とも違う
俺のほっぺたについたご飯粒を舐めとったのを指摘されたときのはにかんだ笑顔ともちがう
いかにも人を殺せそうな笑顔だ
「すいませんでした!」
「まったく……ふざけるのもいいかげんにしないと本当に怒るからね?」
「はい……」
「京太郎くんも迷惑かけてごめんね?」
「いえ……健夜さんにあーんしてもらえて幸せです」
「そ、そう……」
「はいはい、それじゃあ解散してなにか食べに行こうよ、すこやんのおごりで!」
「え”!?別にいいけどさ……」
「じゃあしゅっぱーつ」
ふくすこコンビがなぜ仲がいいのか身にしみてわかった気がした仕事だった
「みんなお疲れさま☆」
「お疲れ様です」
「そういえば二人も見学されてたんですよね?」
「そうだよー☆」
「私たちこれからすこやんのおごりでご飯なんですけどせっかくだからご一緒にどうですか?」
「ではご相伴にあずかるとしましょうか」
「色々お話ししたいしね★」
はやりさんと良子さんの笑顔の意味を知るのは間もなくのことだった……
女性の笑顔って恐ろしい……
「じゃあ忘れ物はないかな☆」
「はい、大丈夫です」
「気を付けて帰ってくださいね?」
「はい」
「今日は色々ありがとうね」
「いえ、こちらこそ……」
「そういえば私だけなんで名字なの?」
「いえ、名前で呼ぶのは失礼かと……」
「気軽にこーこちゃんって呼んでくれればいいよ?」
「では恒子さんと……」
「ま、今はそれでいっか」
「あ、バスが来たみたいですね」
「じゃあまた来週、ね?」
「はい」
「京太郎くんが好きならメイド服を着てもいいよ☆」
「……え?」
「ほら、早く乗らないと他の人の迷惑になっちゃうぞ☆」
バスガデルデ-
「じゃ、じゃあまた来週」
慌ててバスに乗り込んだ俺を4人は手を振って見送ってくれた
「おかえり、京ちゃん」
「わざわざ出迎えありがとうな、咲」
「このあと部活だけど大丈夫?」
「たぶん……」
「でも京ちゃんだったらちゃんと参加できるよね?」
「ああ、もちろんだ」
「じゃあまたあとでね?」
「ああ、またあとで」
このとき俺は咲の笑顔の意味を測り損ねてしまっていた
染谷部長からの『今日は休んだ方がいい』
このメールを見落としたがためにあんなに針のむしろにされるなんて……
なんだか最近こんなことばかりだな……
「ほいじゃあ今日の部活はここまで」
「「「「「お疲れ様でした」」」」」
無駄に疲れた部活もようやく終わった
「京太郎はこのあとヒマか?」
「あぁ、特に予定はないが……」
「そうか……」
優希が俺の前で目を見据えてくる
「京太郎は私のことが好きか?」
「まぁそりゃあ……」
友達として好きだな
「よし、私もおまえが好きだから付き合え!」
「「「「「……は?」」」」」
「そうと決まればさっそくデートだじぇ!」
「ちょ、ちょっと!?」
「ほら、さっさと行くじぇ!」
他の部員の制止も聞かずに優希は俺の手を取って走り出したのだった……
続く
次回予告
「は、はじめてだから緊張するじぇ……」
「でも照れてる優希もかわいいな」
「そ、そんな台詞は反則だじぇ……」
ホテルの一室で優希が顔を背ける
シャワーのせいか先ほどの台詞のせいか顔にはほんのり赤みがさしている
「は、はじめてだから優しくしてほしいじぇ……」
「あぁ、努力する」
優希の体を覆う一枚の薄いバスタオルはあっというまにはぎ取られたのだった……
という展開ではありませんが次回もお楽しみに
「は、はじめてだから緊張するじぇ……」
「でも照れてる優希もかわいいな」
「そ、そんな台詞は反則だじぇ……」
ホテルの一室で優希が顔を背ける
シャワーのせいか先ほどの台詞のせいか顔にはほんのり赤みがさしている
「は、はじめてだから優しくしてほしいじぇ……」
「あぁ、努力する」
優希の体を覆う一枚の薄いバスタオルはあっというまにはぎ取られたのだった……
という展開ではありませんが次回もお楽しみに
こんばんは
まずは日が空いてしまいすいませんでした
一応週2更新を目標に頑張っていきます
ちなみに昆布と豚肉の炒め物は沖縄の郷土料理らしいです
友人に作ってもらったことがありますが美味しかったです
ようやくすこやんを出せました
これでスレタイ詐欺とはいわれないはず……
ちなみにすこやんルートはありません
>>831
一応スレタイに出てますしねー
今夜の更新はここまでです
おつきあいいただきありがとうございました
おやすみなさい
まずは日が空いてしまいすいませんでした
一応週2更新を目標に頑張っていきます
ちなみに昆布と豚肉の炒め物は沖縄の郷土料理らしいです
友人に作ってもらったことがありますが美味しかったです
ようやくすこやんを出せました
これでスレタイ詐欺とはいわれないはず……
ちなみにすこやんルートはありません
>>831
一応スレタイに出てますしねー
今夜の更新はここまでです
おつきあいいただきありがとうございました
おやすみなさい
「なぁ……ここっておまえの行きつけのタコス屋だよな?」
「そのとーりだじぇ!」
俺の質問に優希が答える
「ちなみになぜここに?」
「文化祭の出し物のことは覚えてるか?」
「そりゃあまぁ……」
忘れかけてたとはいえない
「私はタコス屋の屋台をしようと思ってるんだじぇ」
「ほう……」
「実際にできそうかどうか京太郎の意見を聞きたかったからな」
「だったらみんなで来ればよかったんじゃねーの?」
「デートといえば二人きりでしょ、ア・ナ・タ」
「はいはい……」
最後のあなたは一音ずつ区切って言っていた
ドラマなどでも見たことがあるのに様にならないのはなんでだろう
「なにか失礼なことを考えてなかったか?」
「そ、そんなことないぞ……?」
「ならいいじぇ」
危ない危ない……
「はいよ、おまちどおさま」
「すまないな、おやじ!」
俺たちの前にはタコスが二つずつのった皿が4枚置かれた
「まさか全部食べる気か?」
「ろんおぶもち!」
「そ、そうか……」
さすがにこの量はどうなんだよ……
一つ一つの量が少ないのがせめてもの救いだろうか?
「ほらほら、冷める前にさっさと食べるじぇ」
「お、おう……」
「「いただきます」」
優希に急かされるようにいただきますの挨拶をした
「そういえばどれも同じに見えるけど違いはあるのか?」
「まずは食べてみるといいじぇ!」
「お、おう……」
いわれて目の前の一皿に手を伸ばし口へと運ぶ
「どうだ?」
「美味い……」
「この私が認めるタコスだからな!」
優希が勝ち誇ったような顔をしている
何度か差し入れに作ったことはあるがそれとは違っていた
「基本的にトウモロコシの皮を焼いたトルティーヤに何か乗せて巻けばタコスだからな」
「まじか!?」
「といっても親父の受け売りだけどな!」
「そ、そうか……」
カウンターの仲のおじさんが嬉しそうにこっちに手を振っている
「例えばトルティーヤも本場メキシコでは柔らかいものが主流だけどアメリカなんかではぱりっと焼いたものが好まれるね」
「そうなんですか?」
「さらにトウモロコシを粉にして焼いただけじゃなくって小麦粉を焼いたトルティーヤを使うこともある」
「へぇ……」
「具だって牛肉のサイコロステーキみたいなカルネ・アサダ、焼いたり蒸し焼きにしたりした豚肉の細長く引き裂いたカルニータ」
「果ては牛タンの煮込みや牛の脳みそなんかまで幅広くあるんだね」
「なるほど……」
「かけるソースだってサルサソースだけじゃなくて簡単にライムやレモンを搾ったものもあるね」
「あれ?でも今日食べたのは……」
「そう、今日食べてもらったのはそれだけじゃなくて
・カルネ・アサダにサルサソース
・鶏の照り焼き
・焼いた羊肉にヨーグルトソースをかけたもの
・エビといかのケチャップ炒め
の4種類だね」
「あれ?でもメキシコにはないものもありますよ?」
「美味しければなんでもいいんだじぇ!」
「そういうことだね」
「なるほど……」
あっという間に平らげた皿を下げた後におじさんが説明してくれた
ちなみに飲んでいるレモネードはおじさんからのサービスだ
「とにかく種類が多いと楽しいと思わないか?」
「たしかにそれもそうだな」
「私はみんなにタコスのおいしさを知ってもらいたいんだじぇ!」
椅子から立ち上がらんばかりの勢いで力説する
たしかにこんなに美味しいものを多くの人に食べてもらうのはいい機会だと思う
「京太郎はどう思うじぇ?」
「たしかに俺も賛成だな」
優希の考えはいいことだと思うしな
「そろそろ帰らなくても大丈夫かい?」
指さす外の方は日が沈みそうだ
「お会計は……」
「俺がまとめて払いますよ」
「いいのか……?」
「せっかくのデートだからかっこいいところを見せたいしな」
「あ、ありがとう……だじぇ」
「おう」
いつもとは違ってしおらしい優希はなんだか新鮮だな……
「じゃあ気を付けて帰るんだよ?」
「はい、ごちそうさまでした」
「また来るじぇ!」
店を出る頃にはいつもの優希に戻っていた
うん、やっぱりこっちの優希のほうがいいな
「じゃあ送ってくよ」
「……ふぇ?」
「一人で帰ってて事故にあったり誘拐されたりしたらいやだからな」
「のどちゃんや咲ちゃんじゃあるまいし」
「いや、おまえもかなりかわいい部類だぞ?」
「…………本当か?」
「あぁ、もちろん」
真摯な視線を向ける優希から逸らさないようにこちらも真摯な視線を向けた
「じゃ、じゃあお願いするじぇ!」
「あぁ、おまかせあれ」
「京太郎は私とデートなんていやじゃなかったのか?」
「どうしてそう思うんだ?」
「だってのどちゃんみたいにおっぱい大きくないし……」
「別に胸の大きさは関係ないだろ」
「でも大きい方が好きだろ?」
「もちろん!」
「…………」
深い溜め息をつかれた
「すまん……」
「気にしてないじぇ……」
街灯に照らされた優希の目の端には小さなしずくが浮かんでいるように見えた
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