私的良スレ書庫
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元スレ京太郎「修羅場ラヴァーズ」
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身支度を整え、朝の食卓へ向かう途中の廊下。
京太郎の、経験によって磨かれた第六感が、「彼女」の襲来を告げている。
「……! ココだ!」
「むむっ!」
身を捻って振り返る。
瞬間、すれ違う小柄な影。
ベタン!と朝の澄んだ空気を台無しにする音を立てて、京太郎が元いた地点に着地する少女。
「はっはっは! その技、既に見切ったり!」
「むー! 生意気ですよー!」
彼女は薄墨初美。
京太郎と出会った時から「背が高くて生意気です!」なんて難癖を付けて。
あの手この手で京太郎を屈服させようとしている。
この朝の光景も何回も繰り返されており、今では屋敷に住む誰もが慣れている。
そして、
「ぺろっ」
「ひゃ!?」
「あーっ! またー!!」
彼女が最後に美味しいところを掻っ攫って行くのも、誰もが見慣れた光景だ。
京太郎の、経験によって磨かれた第六感が、「彼女」の襲来を告げている。
「……! ココだ!」
「むむっ!」
身を捻って振り返る。
瞬間、すれ違う小柄な影。
ベタン!と朝の澄んだ空気を台無しにする音を立てて、京太郎が元いた地点に着地する少女。
「はっはっは! その技、既に見切ったり!」
「むー! 生意気ですよー!」
彼女は薄墨初美。
京太郎と出会った時から「背が高くて生意気です!」なんて難癖を付けて。
あの手この手で京太郎を屈服させようとしている。
この朝の光景も何回も繰り返されており、今では屋敷に住む誰もが慣れている。
そして、
「ぺろっ」
「ひゃ!?」
「あーっ! またー!!」
彼女が最後に美味しいところを掻っ攫って行くのも、誰もが見慣れた光景だ。
油断し切った京太郎の首筋を文字通り「舐めた」彼女の名前は、滝見春。
ここでは唯一の京太郎と同じ学年で、同じクラスということもあって一番一緒にいる時間が長い。
無愛想で無口で黒糖が何よりも好きで、でも意外と優しいところがある、そんな少女。
「ぺろぺろ」
「ひゃあっ」
そして一番、永水の中で考えを読めない少女でもある。
「いい加減やめるのですよ!」
「ぺろっ」
「ひっ」
「あーっ! もーっ!」
うがー!
怪獣みたいだなぁ、と思いながら、春は京太郎の首筋を舐め続けた。
ここでは唯一の京太郎と同じ学年で、同じクラスということもあって一番一緒にいる時間が長い。
無愛想で無口で黒糖が何よりも好きで、でも意外と優しいところがある、そんな少女。
「ぺろぺろ」
「ひゃあっ」
そして一番、永水の中で考えを読めない少女でもある。
「いい加減やめるのですよ!」
「ぺろっ」
「ひっ」
「あーっ! もーっ!」
うがー!
怪獣みたいだなぁ、と思いながら、春は京太郎の首筋を舐め続けた。
「ああもう……ごめんね、春ちゃんが」
春の涎まみれになった京太郎のうなじをハンカチで拭う少女。
狩宿巴。
「祓い」を引き受ける彼女は、このように誰かの尻拭いを引き受けることが多い。
「いや、巴さんが気にすることじゃないっすよ」
「そうだね」
「お前は反省しろ!」
そんな彼女の苦労など、何処吹く風の春へ突っ込む京太郎。
その光景に、胸の隅で燻りのようなものを感じたけれど――きっと気のせいだと、巴は頭を振った。
春の涎まみれになった京太郎のうなじをハンカチで拭う少女。
狩宿巴。
「祓い」を引き受ける彼女は、このように誰かの尻拭いを引き受けることが多い。
「いや、巴さんが気にすることじゃないっすよ」
「そうだね」
「お前は反省しろ!」
そんな彼女の苦労など、何処吹く風の春へ突っ込む京太郎。
その光景に、胸の隅で燻りのようなものを感じたけれど――きっと気のせいだと、巴は頭を振った。
そして、全員が揃った食卓。
京太郎の両隣を小蒔と春が囲み、反対側に初美と霞と巴が座る。
「いただきます」
全員で手を合わせて始まる朝の食卓。
男一人でここに混ざることも、既に慣れた。
「はい、あーん♪」
「え、えーっと……」
ごく当たり前のことだと言わんばかりに朝食を箸で摘まんで京太郎に差し出す小蒔。
新婚夫婦にはよく見られるモノで以前は憧れていたが、今の京太郎には抵抗感があった。
いざ直面すると照れ臭さが勝り、そして、どうしても今朝の霞の様子を思い浮かべてしまう。
「~♪」
しかし、不思議なことに。
ちらりと目を向けた霞は、今の小蒔に対して憤りの類の感情を見せることはなく。
むしろ、上機嫌に鼻歌などを口遊んでいらっしゃる。
行儀の良い振る舞いとは、とても思えないのだが。
「あーん♪」
「……」
何故だろう、と考えても答えは出ない。
京太郎は観念して、小蒔の差し出した箸にパクついた。
京太郎の両隣を小蒔と春が囲み、反対側に初美と霞と巴が座る。
「いただきます」
全員で手を合わせて始まる朝の食卓。
男一人でここに混ざることも、既に慣れた。
「はい、あーん♪」
「え、えーっと……」
ごく当たり前のことだと言わんばかりに朝食を箸で摘まんで京太郎に差し出す小蒔。
新婚夫婦にはよく見られるモノで以前は憧れていたが、今の京太郎には抵抗感があった。
いざ直面すると照れ臭さが勝り、そして、どうしても今朝の霞の様子を思い浮かべてしまう。
「~♪」
しかし、不思議なことに。
ちらりと目を向けた霞は、今の小蒔に対して憤りの類の感情を見せることはなく。
むしろ、上機嫌に鼻歌などを口遊んでいらっしゃる。
行儀の良い振る舞いとは、とても思えないのだが。
「あーん♪」
「……」
何故だろう、と考えても答えは出ない。
京太郎は観念して、小蒔の差し出した箸にパクついた。
……痛っ。
考え事をしながら食事を続けていたせいか、下唇を噛んでしまった。
下手をすると口内炎になりそうだ。
「……?」
何だろう。
つい最近、似たような痛みを感じた覚えがある。
所謂デジャブと呼ばれる感覚だが、さてはて――?
しかし思い出せないというのなら、大して重要なことではないのだろう。
そう結論付けた京太郎は、先に食器を片付けて、小蒔たちを玄関で待つことにした。
【プロローグ 了】
というわけで永水プロローグでした
これからどう進むかはコンマ神のみが知る
次は白糸台です
これからどう進むかはコンマ神のみが知る
次は白糸台です
白糸台高校麻雀部一軍。
通称、チーム虎姫。
彼女たちが普段、どのような活動を行っているのか。
麻雀関係以外にも大勢いる――
「照、これはどういうことだ?」
「ん?」
菫が乱暴にテーブルに放り投げた雑誌。
開かれたページには、営業スマイルを浮かべる照の姿。
それだけならばいつもと大差がない。
今回、菫が問題視しているのはそのトーク内容にあった。
「金髪の彼氏のために頑張ります――だなんて、ついに頭がおかしくなったらしいな。私のために頑張るマネージャー、か。泣かせるじゃないか、笑い死ぬかと思ったぞ」
「なにがおかしいの? 事実だけど」
「はは、お前もそんな冗談を言えたんだな。驚きだ」
「……」
話が通じない。
そう感じた照は、菫を無視してポッキーに噛り付く。
「わかっているんだろう? 本当は、自分が彼に相応しくないと」
加えたポッキーが、真ん中で砕けた。
通称、チーム虎姫。
彼女たちが普段、どのような活動を行っているのか。
麻雀関係以外にも大勢いる――
「照、これはどういうことだ?」
「ん?」
菫が乱暴にテーブルに放り投げた雑誌。
開かれたページには、営業スマイルを浮かべる照の姿。
それだけならばいつもと大差がない。
今回、菫が問題視しているのはそのトーク内容にあった。
「金髪の彼氏のために頑張ります――だなんて、ついに頭がおかしくなったらしいな。私のために頑張るマネージャー、か。泣かせるじゃないか、笑い死ぬかと思ったぞ」
「なにがおかしいの? 事実だけど」
「はは、お前もそんな冗談を言えたんだな。驚きだ」
「……」
話が通じない。
そう感じた照は、菫を無視してポッキーに噛り付く。
「わかっているんだろう? 本当は、自分が彼に相応しくないと」
加えたポッキーが、真ん中で砕けた。
白糸台の良心の誠子ちゃんがまだ出てないからだ、大丈夫。
良い先輩ポジで恋愛絡みは少ない気がする。
良い先輩ポジで恋愛絡みは少ない気がする。
「菫」
「ん? なんだ?」
「撤回して」
「意味がわからないな」
相変わらずの無表情だが、照の口調には確かな怒気が含まれていた。
雑誌に写る彼女しか知らない者には、到底想像出来ないだろう。
「なにがおかしい? 事実じゃないか」
さっきの意趣返し。
肩を竦め、照を挑発する菫。
「こんな風にメディアを使って、外堀を埋めるだなんてやり方をするなんて」
「……それは、私の京ちゃんに勘違いして近付く奴が多いから」
「私の、か。彼の好みとは随分と遠い位置にいる、お前が?」
「っ!!」
「ん? なんだ?」
「撤回して」
「意味がわからないな」
相変わらずの無表情だが、照の口調には確かな怒気が含まれていた。
雑誌に写る彼女しか知らない者には、到底想像出来ないだろう。
「なにがおかしい? 事実じゃないか」
さっきの意趣返し。
肩を竦め、照を挑発する菫。
「こんな風にメディアを使って、外堀を埋めるだなんてやり方をするなんて」
「……それは、私の京ちゃんに勘違いして近付く奴が多いから」
「私の、か。彼の好みとは随分と遠い位置にいる、お前が?」
「っ!!」
照のスタイルは、決して悪いものではない。
彼女のスレンダーな肉体は均整が取れていて、可愛らしいと言うよりも美しいと言った方が近い。
だが、話題の渦中の少年。
須賀京太郎の好みは。
「部活でも廊下ですれ違った時も。彼の視線は私に向いていることの方が多いようだが?」
「……」
「結局、自分に自信が無いんだろう? だから、こんな姑息な手を使う」
「……それは、菫が部長だからでしょ」
「ほう?」
「京ちゃんは優しいし、菫は部長の立場があるから。だから、菫を拒めない」
「……」
「可哀想な京ちゃん。こんな人が、部長だなんて」
「……照」
「……菫」
遠くで、何かが落ちた音がした。
彼女のスレンダーな肉体は均整が取れていて、可愛らしいと言うよりも美しいと言った方が近い。
だが、話題の渦中の少年。
須賀京太郎の好みは。
「部活でも廊下ですれ違った時も。彼の視線は私に向いていることの方が多いようだが?」
「……」
「結局、自分に自信が無いんだろう? だから、こんな姑息な手を使う」
「……それは、菫が部長だからでしょ」
「ほう?」
「京ちゃんは優しいし、菫は部長の立場があるから。だから、菫を拒めない」
「……」
「可哀想な京ちゃん。こんな人が、部長だなんて」
「……照」
「……菫」
遠くで、何かが落ちた音がした。
テルーは外堀埋め系ヒロインだったのか
自分の体が京太郎の好みだからって誇るとはドロドロしてんなぁ
自分の体が京太郎の好みだからって誇るとはドロドロしてんなぁ
なんだかんだたかみーが一番ヤバそう。自然とサッー(意味深)できるし
亦野誠子。
チーム虎姫副将。
ボーイッシュな髪型で、活動的な性格の彼女は男女問わず人気が高い。
趣味が釣りというのは女子にしては珍しいが、そこもまた人気の一つとなっている。
後輩の面倒見も良く、相談を受けることも多い。
京太郎もまた、彼女とよく話をするが――
「それってつまり、女として見られてないってことだよね」
「あ?」
自前の緑茶を啜りながら、渋谷尭深はそう言った。
京太郎が誰かと早々に決定的な間違いを犯していれば問題は大きくならないのかな
まぁ、京太郎の気持ちを尊重して諦めてくれるとは、尊重しても諦められるとは限らないが
まぁ、京太郎の気持ちを尊重して諦めてくれるとは、尊重しても諦められるとは限らないが
ショートボブヘアーで眼鏡をかけた小柄な少女。
チーム虎姫の中では、胸が一番大きいことも密かな自慢。
料理も得意で、以前京太郎が話していた「家庭的な女性がタイプ」という条件に、一番合致している自信がある。
「ほら、そういうところ。ガサツだもん」
「あのなぁ……変に先輩ぶったりメーワクかけたりするよりはずっとマシでしょ、その方が」
「須賀くんのタイプではないけど」
「変に媚びを売るよりはいいさ。その方が須賀も話しやすいだろ……それに」
「須賀がお前を迷惑に思ってるって、気が付いてるか?」
「……え?」
「やっぱりか。媚びばっか売って相手をみないからそーなるんじゃないかな」
「どういう、こと」
チーム虎姫の中では、胸が一番大きいことも密かな自慢。
料理も得意で、以前京太郎が話していた「家庭的な女性がタイプ」という条件に、一番合致している自信がある。
「ほら、そういうところ。ガサツだもん」
「あのなぁ……変に先輩ぶったりメーワクかけたりするよりはずっとマシでしょ、その方が」
「須賀くんのタイプではないけど」
「変に媚びを売るよりはいいさ。その方が須賀も話しやすいだろ……それに」
「須賀がお前を迷惑に思ってるって、気が付いてるか?」
「……え?」
「やっぱりか。媚びばっか売って相手をみないからそーなるんじゃないかな」
「どういう、こと」
胸が一番大きいか、菫自分より大きいから苦々しく思ってるのかな
「気が付かないか? お茶を淹れてもらう度に固まってるよ、あいつ。何か盛られてるんじゃないかって不安らしい」
「……何それ、結局ただの妄想じゃない」
「はは、お前よりはマシかな」
「須賀くんのタイプからかけ離れてるからって」
「その割には、あいつと一緒に遊んだこともないじゃないか」
「……それは」
「結局、自分の中で満足してるだけで相手のことは何も考えてないんだな。そんなヤツが須賀のタイプ? その眼鏡、新調した方が良いよ」
「……許さない」
「私はずっと前からそう思ってたよ」
「……何それ、結局ただの妄想じゃない」
「はは、お前よりはマシかな」
「須賀くんのタイプからかけ離れてるからって」
「その割には、あいつと一緒に遊んだこともないじゃないか」
「……それは」
「結局、自分の中で満足してるだけで相手のことは何も考えてないんだな。そんなヤツが須賀のタイプ? その眼鏡、新調した方が良いよ」
「……許さない」
「私はずっと前からそう思ってたよ」
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