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元スレ京太郎「咲、話があるんだ」
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咲「どうしたの?京ちゃん」
京太郎「二人きりで話したいんだ。ちょっと放課後残ってくれないか?」
咲「うん、いいけど・・・」
優希「ちょっ、何事だじぇ!?・・・これってまさか」
和「そんなオカルトありえませんっ!」ドンッ
優希「和ちゃん、ちょっと怖いじぇ・・・大丈夫だじぇ、あの犬にそんな度胸は無いはずだじぇ」
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久「・・・まこ」ヒソヒソ
まこ「わかっとる。さぁさぁ、お邪魔虫は退散退散じゃー」ガッシ
和「染谷先輩、話して下さい!私は宮永さんとIPS細胞と将来の展望について話し合わないとーー」ジタバタ
優希「京太郎は私の犬だじぇー!」ジタバタ
久「じゃ、今日の部活はここまで。・・・宮永さんと須賀君、後片づけよろしくね」
京太郎「りょーかいっす。お疲れ様でーす」
咲「分かりました」
久(それにしても・・・随分突然ね)
優希「むがー!」
和「ふぬー!」
まこ「ハイハイ帰れー」ポイッ
久「それじゃあねー」ヒラヒラ
バタン
京太郎「・・・」
咲「・・・」
京太郎「・・・」
咲「京ちゃん?話って」
京太郎「咲、俺と麻雀してくれないか」
咲「麻雀?いいけど・・・皆が一緒にいちゃダメだったの?」
京太郎「・・・ああ」
咲「それじゃあ、二人打ち用のルールでいいよね。ツモは減点される側は一人分、加点される側は三人分で」ピッピッ
京太郎「それでいいよ。・・・咲、本気で来てくれ」
咲「うん、分かった・・・」
東一局
京太郎「じゃ、俺が親だな」
パチッ
咲「京ちゃんが私を麻雀に誘うのって、なんだか久しぶりだね」
パチッ
京太郎「そうだな、最近はずっと雑用ばっかりだったから」
パチッ
咲「宅も4人掛けだしね。女子部員だけでも入りきらないし」
パチッ
京太郎「咲、麻雀楽しいか?」
パチッ
咲「うん、今はとっても楽しいよ」
パチッ
京太郎「そうか、そりゃ何よりだ」
パチッ
咲「京ちゃん、それロン」
パタタタタ・・・
京太郎「くっ・・・」
咲「三色ドラ3。子の満貫で8000点だね」
京太郎「・・・じゃ、次は咲が親だな」
咲「うん。それじゃ、行くよ京ちゃん!」
東二局
咲「京ちゃん、今日はホントに突然だったね」
パチッ
京太郎「悪い。もしかして予定とかあったか?」
パチッ
咲「まぁ、無い事はないけど・・・そんなに大事な用でもないし」
パチッ
京太郎「こんなことは今日限りだからさ、勘弁してくれ」
パチッ
咲「・・・京ちゃん、何か嫌な事あったの?」
パチッ
京太郎「・・・っ」
咲「やっぱり。今日の京ちゃん、何だかおかしいもん」
バチッ!
京太郎「・・・さぁ、リーチだぜ咲。どうする?」
咲「京ちゃん・・・」
パチッ
京太郎「・・・」
パチッ
咲「・・・カン」
パチッ
京太郎「来たか・・・」
パチッ
咲「もいっこ、カン」
バシッ!
京太郎「・・・」ゾクッ
パチッ
咲「もいっこ、カン!」
バシィッ!
パタタタタ・・・
咲「--ツモ。嶺上開花、三暗刻、三槓子、ドラ1。6000オールで、連荘だよ」
京太郎「・・・一本場か」
咲「それじゃ、また私からだね」
東二局一本場
咲「・・・」
パチッ
京太郎「強えなぁ、咲は」
パチッ
咲「そうかな?私よりも強い、例えば天江さんみたいな人。全国にはゾロゾロいると思うよ」
パチッ
京太郎「・・・そっか。頑張れよ、お前はもう一人じゃないんだ」
パチッ
咲「うん、頑張る」
パチッ
京太郎「・・・」
パチッ
咲「リーチだよ」
ピシッ!
京太郎「・・・」
パシッ
咲「それ、ロン!」
パタタタタ・・・
咲「リーチ一発、一本場で平和と一盃口。ドラはないけど、裏ドラがーー乗った。これで満貫、12300点」
咲「これで合計26300点のマイナス。私の勝ちだね、京ちゃん」
京太郎「・・・」
咲「京ちゃん?」
京太郎「続行、させてくれないか」
咲「 え?うん、いいけど・・・」
東二局二本場
咲「京ちゃん、何があったの?私でよければ相談に乗るよ?」
パチッ
京太郎「何がって、何がだよ」
パチッ
咲「もう、それじゃ分かんないよ」
パチッ
京太郎「分かんなくていいんだよ。俺は、ただ咲と麻雀したいだけだ」
パチッ
咲「・・・嘘」
パチッ
京太郎「嘘なわけないだろ、現にこうして打ってるんだから」
パチッ
咲「だって京ちゃんの牌、勝つ気が無いもん」
パチッ
京太郎「何でそんなこと分かんだよっ」
パチッ
咲「染谷先輩とか原村さんみたいに分析はできないけど・・・牌に気持ちが乗ってるか乗ってないかくらいは私にもわかるよ」
パチッ
京太郎「なんだそりゃ。俺にはちっとも分かんねー世界だな」
パチッ
咲「ううん、京ちゃんが一番分かってるはずだよ。だって、京ちゃんの牌だもん」
パチッ
京太郎「俺はただ、麻雀をーー」
パチッ
咲「・・・麻雀を、やめる理由が欲しいの?」
ビシッ
京太郎「・・・んなこと言ってねーだろ!リーチだ!」
バンッ
咲「言ってるよ!京ちゃんの牌、自棄になってるもん!私もリーチ!」
バンッ
京太郎「うるせえ!お前に俺の何が分かるってんだ!」
バシッ!
咲「そんなこと分かんないよ!」
バシッ!
京太郎「だったら黙って打ってろ!」
バシッ!
咲「黙ってたら和了れないもん!」
バシッ!
京太郎「減らず口を・・・!」
バシッ!
咲「京ちゃんこそ、私を麻雀部を辞める言い訳にするつもりの癖に!」
バシッ!
京太郎「ああそうだよ!悪いかよ!大体強過ぎんだよ、お前ら!何がオカルトだ!・・・俺だって、練習してんのに!」
バシッ!
咲「悪いよ!勝手に努力を放棄して、戦う前から負けを認めてる京ちゃんなんて、とってもカッコ悪い!」
バシッ!
京太郎「だから今戦ってるじゃねえか!俺が、どうあがいても勝てない事の証明のために!」
バシンッ!
咲「こんなの戦いじゃない!こんな、楽しくないのは、絶対に麻雀じゃない!」
バシンッ!
京太郎「麻雀なんて、才能のゲームだ!結局牌に愛されてない奴は、負けるしかねえんだよ!」
バシンッ!
咲「そんなことない!絶対、絶対そんなことない!そんな事言う京ちゃん、私嫌いだよ!」
バシンッ!
京太郎「だったら早く和了れよ!このど真ん中の牌で、お得意のオカルトで、嫌いな俺にトドメを刺してくれよ!宮永咲ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
バシンッ!
咲「っ・・・!」
パシッ
京太郎「なっ・・・」
咲「・・・京ちゃんの番だよ」
京太郎「・・・」
咲「・・・引かないの?」
京太郎「和了れ、なかったのか・・・?」
咲「うん。だから次は、京ちゃんがツモる番」
京太郎「・・・っ」
咲「京ちゃん、引いて」
京太郎「俺、は・・・」
咲「・・・引かないんなら、私もう帰るよ?」ガタッ
京太郎「待てっ!」
ピッ
京太郎「・・・ツモだ」
パタタタタ・・・
京太郎「二本場、メンタンピンドラ2。ハネ満で3200点オールだ」
咲「うん。この局は、京ちゃんの勝ちだね」
京太郎「咲、手牌見せてくれ!」ガタッ
咲「はい、こうだよ」
パタタタタ・・・
京太郎「ホントに・・・和了れねぇのか」
咲「まだ、やるよね?」
京太郎「・・・ああ」
東三局
京太郎「じゃ、行くぜ・・・」
パシッ
咲「ねぇ、京ちゃん」
パシッ
京太郎「なんだよ?」
パシッ
咲「さっき和了った時、嬉しかった?」
パシッ
京太郎「そりゃ、嬉しかったよ。でもあれは・・・」
パシッ
咲「私は、手を抜いてないよ?」
パシッ
京太郎「・・・そりゃそうか。涙目で顔真っ赤にして牌打ちつけてたもんな。あれで手を抜けたら手品師だ」
パシッ
咲「むー。それはお互い様だし、そもそも京ちゃんが嫌な事言うから悪いんだよ」
パシッ
京太郎「悪かったよ。なんか奢るから、許してくれ」
パシッ
咲「それプラス麻雀部辞めないでくれたら、許したげる」
パシッ
京太郎「・・・随分と手厳しいお姫様だな」
パシッ
咲「京ちゃんが悪いんだもんっ」
パシッ
京太郎「分かってるよ、俺だってもう辞めたくなくなっちまった」
パシッ
咲「・・・京ちゃんならそう言ってくれると思ってたよ。だって、麻雀って」
パシッ
京太郎「楽しいんだもん、か?」
パシッ
咲「人のセリフを取らないでくださいー」
パシッ
京太郎「そうぶすくれなさんなって」
パシッ
咲「もう、京ちゃんのバカっ!・・・ロンだよっ」
パタタタタ
咲「一盃口のみドラ無し。1300点」
京太郎「おお、珍しく小さい和了りじゃないか」
咲「京ちゃんのがうつっちゃったかも?」
京太郎「なんだとこのー!」グリグリ
咲「いひゃいよきょうひゃん!ほっふぇはやめふぇー!」
京太郎「ありがとな、咲」
咲「ううん、私は何もしてないよ。京ちゃん自身が麻雀を辞めたくないって、心の底で思ってくれてたからこうなったんだと思う」
京太郎「かも、な」
咲「絶対そうだよ。京ちゃんは、いつだって頑張り屋さんだもん」
京太郎「なぁ、咲」
咲「なぁに?」
京太郎「俺さ、今よりもっと頑張って、いつか絶対お前を倒す!何年、何十年かかったって絶対倒すから!」
咲「ーーうん、待ってる。・・・だから、早く駅前のクレープ屋さんに行こっ」
京太郎「げっ、忘れてなかったのか」
咲「ちょっといい話になったからって奢りの約束を忘れるほど、私はロマンチストじゃないですよー?」
京太郎「こりゃ一本とられたな。・・・あんまり高いのはよしてくれよ?」
咲「キングクレープかなー、クイーンクレープかなー♪いっそ両方とか!」
京太郎「よせってば!」
咲「やーだもーんっ。ほらほら、早く来ないとどんどん注文増やしちゃうよ?」タタタ
京太郎「うおおおおおおおおおおお!?」ダダダダダ
駅前のクレープ屋さん
店員「ただ今カップル割というサービスを行っておりましてー」
咲「え、でも私達むぐっ!?」ジタバタ
京太郎「はい!じゃあそのカップル割でお願いします!」
店員「かしこまりましたー」
咲「ぷはっ。もう、嘘ついちゃ駄目だよ京ちゃん」
京太郎「バカ言え。カップルって言うだけで安くなるなら利用しない手は無いだろ」
咲「私は別に困らないけどなー」
京太郎「そりゃ奢られる立場だからな、気楽だよなぁ!?」
咲「へへーんだ」ベー
京太郎「ちなみに、何頼んだんだ?」
咲「二人用のキングクレープ。一度食べてみたかったんだー」
京太郎「ふっ、デブるぞ?」
咲「むっ!・・・ひ、否定しきれない」
京太郎「仕方ない、太らないように咲の分も俺が食べてやろう」
咲「それはダメーっ!」
遠巻きのグラサン「・・・こちらコードネームタコス。コードネームIPS、応答するじぇ」
『こちらIPSです。二人の様子はどうですか?』
遠巻きのグラサン「二人で一つのクレープを、恋人割で頼んだようだじぇ」
『殺して下さい、いえ殺しましょう』
遠巻きのグラサン「賛成だじぇ」ジャキッ
『待ちんさい!流石に性急すぎじゃて!』
『離して!離して下さい!』
『あー、こちら部長。君の行動は監視されている、変な気は起こさないよーに。とりあえず、引き続き尾行を続けてもらえるかしら』
遠巻きのグラサン「・・・了解だじぇ」ピッ
店員「お待たせいたしましたー」ドンッ
咲「うわ、おっきい・・・!」
京太郎「これは・・・マジでキングサイズだな」
咲「ここまで来ると最早クレープとしての原型がないね・・・」
京太郎「とりあえず、値段分はキッチリ食べるぞ!」
咲「おー!」
パクパクパクパク・・・
咲「も、もうムリ」ゲプー
京太郎「デカ過ぎんだろこれ・・・」
咲「入りきらなくて残しちゃった・・・ごめんね、京ちゃん」
京太郎「いいって。お前が満足したんならそれで」
咲「うん、満足はしたよ。十分過ぎるほど」
京太郎「じゃ、帰るか」
遠巻きのグラサン「IPS,IPS応答するじぇ」
『あー、IPSならさっき体の穴という穴から細胞を飛び散らせて憤死したわ』
遠巻きのグラサン「なっ・・・同士IPS、お前のことは忘れないじぇ」
『死んでません!』
『惜しい奴を亡くしたもんじゃ・・・』
『だから死んでません!宮永さん!?宮永さーん!?』
遠巻きのグラサン「『うわ、おっきい・・・』『入りきらなくて・・・』等の発言が確認されたじぇ」
『?!?!??!?!?!!??!!??』ボフー
『あ、また憤死した』
『惜しい奴を亡くしたもんじゃ・・・』
遠巻きのグラサン「二人はもう帰るみたいだから、これで通信を終了するじぇ」
『はい、お疲れー』
遠巻きのグラサン「・・・」ピッ
遠巻きのグラサン「京太郎・・・」グスッ
咲「家まで送ってくれなくてもよかったのに」
京太郎「もう結構遅いからな、狼が潜んでないともいえないし」
咲「京ちゃんは心配性だなぁ。・・・大体、送り狼って言葉だってあるでしょ?」
京太郎「だったらどうする?」
咲「え?」
京太郎「俺が送り狼だったら、どうするんだ?」
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