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元スレ京太郎「修羅場ラヴァーズ」
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・京太郎スレ
・短編集的な感じです
・安価もあるかもしれない
・ヤンデレとかあるかもしれない
・話によって京太郎が宮守にいたり臨界にいたりするのは仕様です
SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1400743823
・短編集的な感じです
・安価もあるかもしれない
・ヤンデレとかあるかもしれない
・話によって京太郎が宮守にいたり臨界にいたりするのは仕様です
SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1400743823
一人の男を巡って複数の女性が争う。
そんなものは物語の中か、ニュースでしか見れないし、自分には無縁なモノである。
そう、思っていた――自分が、その渦中の男になるまでは。
「京太郎」
背後から自分の名前を呼ぶ声。
鼻腔を擽るシャンプーの匂いと、首に回される腕。
「部活、行こうか」
「……小瀬川先輩」
いつからだったか、皆が通る廊下であるにも関わらず、この人がこうして俺に寄り掛かるようになったのは。
周りに権利を主張するように、べったりしてくるようになったのは。
「シロでいい……って言ったよね」
「……シロ、さん」
しがみつく力がより強くなった。
最初は役得だと喜んだ柔らかい感触も、今はこの後のことを考えると――
「なに、してるの」
憂鬱なものでしかない。
そんなものは物語の中か、ニュースでしか見れないし、自分には無縁なモノである。
そう、思っていた――自分が、その渦中の男になるまでは。
「京太郎」
背後から自分の名前を呼ぶ声。
鼻腔を擽るシャンプーの匂いと、首に回される腕。
「部活、行こうか」
「……小瀬川先輩」
いつからだったか、皆が通る廊下であるにも関わらず、この人がこうして俺に寄り掛かるようになったのは。
周りに権利を主張するように、べったりしてくるようになったのは。
「シロでいい……って言ったよね」
「……シロ、さん」
しがみつく力がより強くなった。
最初は役得だと喜んだ柔らかい感触も、今はこの後のことを考えると――
「なに、してるの」
憂鬱なものでしかない。
鹿倉胡桃。
自分よりも一回りも二回りも小さな人。
だけど、自分よりも一回りも二回りもしっかり者で頼りになる先輩――の、筈だった。
「なにって……」
「京太郎が困ってるでしょ」
返事も待たず、背後に回り、京太郎からシロを引き離す胡桃。
遠慮が無く、いっそ暴力的とも呼べる勢いだった。
「っ……」
「なに、その顔は」
「……別に」
胡桃はふん、と鼻を鳴らして京太郎の手を取った。
「ほら、行くよ!」
「ち、ちょっと」
そのままシロを置いてけぼりにしてズンズン進んで行く。
「……ちっ」
一拍遅れて、シロも京太郎たちに続いて歩き出す。
……ちらりと見えたブレザーの下に、小さな赤い染みが見えた気がした。
自分よりも一回りも二回りも小さな人。
だけど、自分よりも一回りも二回りもしっかり者で頼りになる先輩――の、筈だった。
「なにって……」
「京太郎が困ってるでしょ」
返事も待たず、背後に回り、京太郎からシロを引き離す胡桃。
遠慮が無く、いっそ暴力的とも呼べる勢いだった。
「っ……」
「なに、その顔は」
「……別に」
胡桃はふん、と鼻を鳴らして京太郎の手を取った。
「ほら、行くよ!」
「ち、ちょっと」
そのままシロを置いてけぼりにしてズンズン進んで行く。
「……ちっ」
一拍遅れて、シロも京太郎たちに続いて歩き出す。
……ちらりと見えたブレザーの下に、小さな赤い染みが見えた気がした。
>>臨界にいたりする
色々な意味で臨界点にいるってことですねわかりたくありません
色々な意味で臨界点にいるってことですねわかりたくありません
なんというか宮守みたいにチームの絆がつよい程修羅場になると余計に恐いよな
胡桃は京太郎の手を引いたまま、部室の戸を開いた。
まるで見せ付けるようだ、と感じたのは、京太郎の気のせいではないのだろう。
そして――
「ぷっ……なにそれ。幼稚園児みたいだよ、ソレ」
「チャイルド、デスカ?」
「あはは、京太郎くんも困ってるよー。早く離してあげないと、京太郎くんが可哀想だよ?」
にっこりと、笑顔を浮かべてはいるけれど。
三人の視線に敵意のようなものを感じたのも、きっと気のせいじゃない。
「……京太郎」
胡桃が京太郎の手を離し、三人が待つ卓へ着く。
「ネト麻しながら待っててね。後で指導してあげるから」
「ダメだよ京太郎。嫌なことは嫌って言わないと」
「……塞!」
「あはは、怒っちゃったかな? それとも図星?」
「早く始めようよー」
「ガンバリマショウ!」
続けて、牌を並べる音。
なるべく背後の会話は意識しないようにして、京太郎はパソコンの電源を入れた。
今日も、部活が始まる。
京太郎は、小さく溜息を吐いた。
まるで見せ付けるようだ、と感じたのは、京太郎の気のせいではないのだろう。
そして――
「ぷっ……なにそれ。幼稚園児みたいだよ、ソレ」
「チャイルド、デスカ?」
「あはは、京太郎くんも困ってるよー。早く離してあげないと、京太郎くんが可哀想だよ?」
にっこりと、笑顔を浮かべてはいるけれど。
三人の視線に敵意のようなものを感じたのも、きっと気のせいじゃない。
「……京太郎」
胡桃が京太郎の手を離し、三人が待つ卓へ着く。
「ネト麻しながら待っててね。後で指導してあげるから」
「ダメだよ京太郎。嫌なことは嫌って言わないと」
「……塞!」
「あはは、怒っちゃったかな? それとも図星?」
「早く始めようよー」
「ガンバリマショウ!」
続けて、牌を並べる音。
なるべく背後の会話は意識しないようにして、京太郎はパソコンの電源を入れた。
今日も、部活が始まる。
京太郎は、小さく溜息を吐いた。
翌日。
授業を終えて、放課後になった頃。
今日も部活か――とカバンを持った時、背筋に気持ちの悪い寒気が走った。
「風邪、ひいたか?」
今朝から若干の気怠さを感じてはいた。
額に当てた掌からも熱を感じる。
「……今日は、帰ろう」
こんな体調で、あの空間に耐えられる気がしない。
全員に今日は休むという旨をメールで伝え、京太郎は昇降口へ向かった。
「あ、確かに顔真っ赤だねー。大丈夫?」
「え?」
そこには、自分よりも背の高い三年生の先輩の。
姉帯豊音が待っていた。
授業を終えて、放課後になった頃。
今日も部活か――とカバンを持った時、背筋に気持ちの悪い寒気が走った。
「風邪、ひいたか?」
今朝から若干の気怠さを感じてはいた。
額に当てた掌からも熱を感じる。
「……今日は、帰ろう」
こんな体調で、あの空間に耐えられる気がしない。
全員に今日は休むという旨をメールで伝え、京太郎は昇降口へ向かった。
「あ、確かに顔真っ赤だねー。大丈夫?」
「え?」
そこには、自分よりも背の高い三年生の先輩の。
姉帯豊音が待っていた。
プロ達と修羅場になったら雑誌で何ページの特集になるんだろうww
「ちゃんと治さないとダメだよー? 京太郎くんを置いてインターハイになんて行けないもん」
「先輩、なんで……」
宮守高校は今年が初のインターハイ参加で、三年生の豊音にとっては今年が最初で最後の全国。
個人戦で敗退した京太郎とは違い、一日でも多く部活に時間を割かなければならない。
少なくとも、こんなところで話をしている暇と余裕は無い筈だ。
「え? だって、今日は休むんでしょ? それじゃあ、部活とか意味ないよー」
「そんな、こと……」
眩暈を感じたのは風邪のせいか、それとも。
足元も覚束ず、カバンを取り落としてしまった。
「わわっ!? 大変だよー! 早く帰らないと!」
酷く心配そうな顔をした豊音に抱きかかえられる。
京太郎は何もする気が起きず、豊音にされるがままに、帰路に着いた。
「先輩、なんで……」
宮守高校は今年が初のインターハイ参加で、三年生の豊音にとっては今年が最初で最後の全国。
個人戦で敗退した京太郎とは違い、一日でも多く部活に時間を割かなければならない。
少なくとも、こんなところで話をしている暇と余裕は無い筈だ。
「え? だって、今日は休むんでしょ? それじゃあ、部活とか意味ないよー」
「そんな、こと……」
眩暈を感じたのは風邪のせいか、それとも。
足元も覚束ず、カバンを取り落としてしまった。
「わわっ!? 大変だよー! 早く帰らないと!」
酷く心配そうな顔をした豊音に抱きかかえられる。
京太郎は何もする気が起きず、豊音にされるがままに、帰路に着いた。
病は気から、という言葉がある。
病気は気の持ちようによって良くも悪くもなるという意味だが――風邪が完治した京太郎の体調と心は、完全に相反した状態にあった。
豊音の様子を見た限りでは、自分が休んだら彼女たちの練習の妨げになる。
だけど、自分が部活に参加すれば、部内の空気が険悪なものになる。
俺は、どうすれば――
「ゴハン、タベレナイ? マダ、カゼデスカ?」
考え事をしていたら箸が止まっていた。
隣りに座るエイスリンから不安気に覗き込まれ、我に返る。
「ああいえ、大丈夫ですよ。ちょっと考え事をしてまして」
慌てて返事を返し、食事を再開する。
気持ちは沈んでいても食欲はあるし、エイスリンが奢ってくれたレディースランチは、京太郎の好みの味だ。
「ヨカッタ!」
そして、エイスリンの花が開いたような笑み。
京太郎と二人っきりなら彼女たちは穏やかで、可愛らしい微笑みを見せてくれる。
いつもこうだったらなぁ……。
考え事を再開しながらも、昼休みの残り時間内に食べ終わるように、京太郎は箸の進みを速めた。
そんな京太郎の様子を、エイスリンはじっと見守っていた。
自分の手元のトレーのパンに手を付けることなく。
じっと、じいっと。
病気は気の持ちようによって良くも悪くもなるという意味だが――風邪が完治した京太郎の体調と心は、完全に相反した状態にあった。
豊音の様子を見た限りでは、自分が休んだら彼女たちの練習の妨げになる。
だけど、自分が部活に参加すれば、部内の空気が険悪なものになる。
俺は、どうすれば――
「ゴハン、タベレナイ? マダ、カゼデスカ?」
考え事をしていたら箸が止まっていた。
隣りに座るエイスリンから不安気に覗き込まれ、我に返る。
「ああいえ、大丈夫ですよ。ちょっと考え事をしてまして」
慌てて返事を返し、食事を再開する。
気持ちは沈んでいても食欲はあるし、エイスリンが奢ってくれたレディースランチは、京太郎の好みの味だ。
「ヨカッタ!」
そして、エイスリンの花が開いたような笑み。
京太郎と二人っきりなら彼女たちは穏やかで、可愛らしい微笑みを見せてくれる。
いつもこうだったらなぁ……。
考え事を再開しながらも、昼休みの残り時間内に食べ終わるように、京太郎は箸の進みを速めた。
そんな京太郎の様子を、エイスリンはじっと見守っていた。
自分の手元のトレーのパンに手を付けることなく。
じっと、じいっと。
「ごちそうさまでした」
昼休み終了の15分前。
今からトレーを片付けて教室に向かえばちょうどいい具合に授業が始まるまでの余裕がある。
「カタヅケテクル!」
「いや、さすがにそれは」
京太郎が止める前に、エイスリンは京太郎と自分のトレーを持って行ってしまった。
パンを口に加えながら一生懸命トレーを運ぶ姿は可愛らしいが、流石に手伝わなくてはと、腰を浮かせて
「ん? これは……」
ある一枚の畳まれた紙が、エイスリンの座っていた席に落ちていることに気が付いた。
広げてみると、デフォルメされた宮守高校麻雀部のイラストが描かれていた。
皆が満面の笑みを浮かべている。
「……」
「タダイマー……? ドウシタ、ノ?」
「あの、先輩。これは……」
「アッ!」
恥ずかしそうに頬を赤らめて、京太郎から紙を奪い取るエイスリン。
丁寧に畳んでブレザーのポケットにしまい、上目遣いに京太郎を見る。
「ミ、ミタ……?」
「ええっと……はい。先輩、やっぱり絵上手ですね。なんというか、ほっこりしました」
「ホッコリ……?」
「えっと……胸があったかくなったというか……嬉しく、なりました」
「 ! ウン! ウンッ!」
きっと、まだやり直せる。
嬉しそうに何度も頷くエイスリンを見て、京太郎はそう思った。
昼休み終了の15分前。
今からトレーを片付けて教室に向かえばちょうどいい具合に授業が始まるまでの余裕がある。
「カタヅケテクル!」
「いや、さすがにそれは」
京太郎が止める前に、エイスリンは京太郎と自分のトレーを持って行ってしまった。
パンを口に加えながら一生懸命トレーを運ぶ姿は可愛らしいが、流石に手伝わなくてはと、腰を浮かせて
「ん? これは……」
ある一枚の畳まれた紙が、エイスリンの座っていた席に落ちていることに気が付いた。
広げてみると、デフォルメされた宮守高校麻雀部のイラストが描かれていた。
皆が満面の笑みを浮かべている。
「……」
「タダイマー……? ドウシタ、ノ?」
「あの、先輩。これは……」
「アッ!」
恥ずかしそうに頬を赤らめて、京太郎から紙を奪い取るエイスリン。
丁寧に畳んでブレザーのポケットにしまい、上目遣いに京太郎を見る。
「ミ、ミタ……?」
「ええっと……はい。先輩、やっぱり絵上手ですね。なんというか、ほっこりしました」
「ホッコリ……?」
「えっと……胸があったかくなったというか……嬉しく、なりました」
「 ! ウン! ウンッ!」
きっと、まだやり直せる。
嬉しそうに何度も頷くエイスリンを見て、京太郎はそう思った。
――イラストに添えられていた英語の文章の意味を京太郎が理解できなかったのは、お互いにとって幸せなことだったのだろう。
放課後。
京太郎が部室に着いた時、珍しく部員の誰もまだ来ていなかった。
「準備しておくか……」
誰がいつ来ても始められるように、卓と牌の用意をしてPCの電源を入れる。
お茶も淹れておこう。みんなが練習に集中できるように。
「……いつか、また」
戸棚に飾ってある写真。
京太郎の入部記念に撮った写真。
全員が、満面の笑みを浮かべている写真。
エイスリンに見せてもらったイラストのように、この写真のように。
いつか、また、みんなで――
「京太郎! いる!?」
「へ?」
物思いに耽る京太郎の心を吹き飛ばすように、勢い良く部室の戸が開かれた。
京太郎が部室に着いた時、珍しく部員の誰もまだ来ていなかった。
「準備しておくか……」
誰がいつ来ても始められるように、卓と牌の用意をしてPCの電源を入れる。
お茶も淹れておこう。みんなが練習に集中できるように。
「……いつか、また」
戸棚に飾ってある写真。
京太郎の入部記念に撮った写真。
全員が、満面の笑みを浮かべている写真。
エイスリンに見せてもらったイラストのように、この写真のように。
いつか、また、みんなで――
「京太郎! いる!?」
「へ?」
物思いに耽る京太郎の心を吹き飛ばすように、勢い良く部室の戸が開かれた。
息を切らしながら飛び込んで来た塞の話を纏めると。
どうやら今日は練習が休みの日だったらしく、行き違いで京太郎に連絡が届かなかったらしい。
道理で誰もいない筈だ。
「本っ当ゴメン……」
「いえ、先輩は悪くないですよ。あ、お茶淹れますか?」
「あ、じゃあ私がやるよ。京太郎に押し付けてばっかりじゃ悪いし」
「いえ、一年ですし」
「いいのいいの。これぐらいはやらせてよ」
強引にポットを奪われ、ソファに座らされてしまった。
「~♪ ~♪」
鼻歌を口ずさみながらお茶を淹れる塞。
中学をハンドボール部で過ごしてきた京太郎にとって雑用は一年の仕事という精神が根付いており、今一落ち着かない。
なので、リズムに乗って無意識に振られる腰のラインに目が行くのは仕方がないのだ――と、京太郎は自分に言い訳をした。
どうやら今日は練習が休みの日だったらしく、行き違いで京太郎に連絡が届かなかったらしい。
道理で誰もいない筈だ。
「本っ当ゴメン……」
「いえ、先輩は悪くないですよ。あ、お茶淹れますか?」
「あ、じゃあ私がやるよ。京太郎に押し付けてばっかりじゃ悪いし」
「いえ、一年ですし」
「いいのいいの。これぐらいはやらせてよ」
強引にポットを奪われ、ソファに座らされてしまった。
「~♪ ~♪」
鼻歌を口ずさみながらお茶を淹れる塞。
中学をハンドボール部で過ごしてきた京太郎にとって雑用は一年の仕事という精神が根付いており、今一落ち着かない。
なので、リズムに乗って無意識に振られる腰のラインに目が行くのは仕方がないのだ――と、京太郎は自分に言い訳をした。
お茶を飲んで一息ついた後。
折角だからと、塞が付きっきりで京太郎の指導に付き添うことになった。
教本を使った授業形式から始まり、過去の牌譜、ネトマを通じての実戦指導。
京太郎も塞も熱中して――気が付けば、時刻は夕方18時30分。
「んー……っ!」
大きく伸びをする。
良い意味で、体が疲れていた。
「ふぅー……何だか久しぶりだね、こういうの」
「そうですねぇ……」
一緒に麻雀を打って、笑って。
京太郎が来たばかりの頃は、当たり前の光景だった。
「……」
もし、自分がいなければ。
きっと、何もかもが上手くいっていたのではないだろうか。
折角だからと、塞が付きっきりで京太郎の指導に付き添うことになった。
教本を使った授業形式から始まり、過去の牌譜、ネトマを通じての実戦指導。
京太郎も塞も熱中して――気が付けば、時刻は夕方18時30分。
「んー……っ!」
大きく伸びをする。
良い意味で、体が疲れていた。
「ふぅー……何だか久しぶりだね、こういうの」
「そうですねぇ……」
一緒に麻雀を打って、笑って。
京太郎が来たばかりの頃は、当たり前の光景だった。
「……」
もし、自分がいなければ。
きっと、何もかもが上手くいっていたのではないだろうか。
シロはダルいダルいと言いながらも何だかんだ言って部に貢献して。
胡桃は口うるさいところはあるけど、みんなのことを考えていて。
豊音はミーハーだけど、強くて、可愛くて。
エイスリンは日本語はまだ拙いし麻雀の経験も浅いけれど、一生懸命で。
個性がバラバラのみんなを苦労しながらも塞が纏めて、全国へと出場する宮守高校。
そんな未来があったのではないか。
「京太郎」
「は――え?」
塞に、抱き寄せられる。
塞の心臓の音が聞こえる。
「大丈夫」
「きっと、上手くいくから」
「きっと、何もかもが京太郎にとって良いように進むから――ね?」
胡桃は口うるさいところはあるけど、みんなのことを考えていて。
豊音はミーハーだけど、強くて、可愛くて。
エイスリンは日本語はまだ拙いし麻雀の経験も浅いけれど、一生懸命で。
個性がバラバラのみんなを苦労しながらも塞が纏めて、全国へと出場する宮守高校。
そんな未来があったのではないか。
「京太郎」
「は――え?」
塞に、抱き寄せられる。
塞の心臓の音が聞こえる。
「大丈夫」
「きっと、上手くいくから」
「きっと、何もかもが京太郎にとって良いように進むから――ね?」
こんな修羅場を作っちゃった京ちゃんはもう宮守にいられないよね
だからわt、咲ちゃんのところに帰ろう!
だからわt、咲ちゃんのところに帰ろう!
>>42
長野に帰れぇ!
長野に帰れぇ!
帰りの電車内。
下校時刻と少しずらして乗車したので、周りに宮守の生徒の姿はなく、二人並んで座る程度の余裕はあった。
「すみません、さっきは……」
「いいってこれぐらい。一年に胸貸すのは部長の役目だから。毎日やってあげてもいいよ?」
「ハハ、流石にそこまで情けない野郎では……っふぁ」
「おっきい欠伸だねぇ」
「……なんか、急に…凄い眠気が」
「しょうがないよ。あんなに集中したわけだし」
「……むぅ」
「寝ててもいいよ? 後で起こしたげる」
「いや、ほんとそこまでは――くっ」
カクンと、京太郎の意思とは反して首が下がる。
眠気を必死に堪える京太郎を見て、塞はクスリと笑った。
「無理しないで休みなって、ホラ」
「……す、すいま、せん……」
下校時刻と少しずらして乗車したので、周りに宮守の生徒の姿はなく、二人並んで座る程度の余裕はあった。
「すみません、さっきは……」
「いいってこれぐらい。一年に胸貸すのは部長の役目だから。毎日やってあげてもいいよ?」
「ハハ、流石にそこまで情けない野郎では……っふぁ」
「おっきい欠伸だねぇ」
「……なんか、急に…凄い眠気が」
「しょうがないよ。あんなに集中したわけだし」
「……むぅ」
「寝ててもいいよ? 後で起こしたげる」
「いや、ほんとそこまでは――くっ」
カクンと、京太郎の意思とは反して首が下がる。
眠気を必死に堪える京太郎を見て、塞はクスリと笑った。
「無理しないで休みなって、ホラ」
「……す、すいま、せん……」
「おやすみ――京太郎」
どこまでも優しい塞の声と、暖かい何かに頭を抱かれて。
京太郎の意識は、沈んで行った。
「ちゃんと、後で起こしてあげるから」
「家に、着いたら」
「ちゃんと、ね」
どこまでも優しい塞の声と、暖かい何かに頭を抱かれて。
京太郎の意識は、沈んで行った。
「ちゃんと、後で起こしてあげるから」
「家に、着いたら」
「ちゃんと、ね」
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