私的良スレ書庫
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元スレ八幡「やはり俺のアイドルプロデュースはまちがっている。」凛「これで最後、だね」
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>>149
あぁそう? ごめんよ
あぁそう? ごめんよ
ところがぎっちょん。投下しますよー
目標時間大幅に過ぎて申し訳ない。
目標時間大幅に過ぎて申し訳ない。
*
かつて俺は、ある病にかかっていた。
発祥条件も、治療法も不明。
いつ治まるのかも分からないし、そもそもずっと治らないケースもあると聞く。
そういった意味で言えば、比較的早くに卒業した俺はまだ運が良かったのかもしれない。
……まぁ最も、その後に更に派生系の病に現在進行形でかかってはいるのだが。未確認で進行形だ。
しかしこの病の真に恐ろしい所は、症状の治まったその後にあると言っていいだろう。
過去の遺産を目にする度に、その痴態を嫌がおうにも思い出す。
無意味に枕に顔を沈めたり、足をパタパタしたり。
当時の知り合いに会ったりなんてしたら最悪だ。頭の中にセフィロスのテーマが流れてくるくらいヤバイ。
後遺症とも言えるその症状は、病が治ってもなお、一生付き纏うのだ。
そしてその黒歴史を思い出してしまう瞬間は、他にもある。
それはーー
「まさか、貴方とここで再び邂逅する事になろうとは……! これが、瞳を持つ者の運命だったのね……(こ、こんな所でまた会うなんて……どうしよ~!)」
病にかかっている“同類”と、会ってしまった時だ。
八幡「…………」
凛「プロデューサー?」
八幡「……もう、帰っていい?」
凛「まだ朝7時だけど!?」
ホントにやめてほしい。古傷(心の)が疼く……
まぁ、似たような奴を他にも知ってるんですけどね。
神崎蘭子。
名前からして中二感漂うその少女は、まさしく現在進行形で中学二年生であった。
そういった意味で言うと、これがホントの中二病なのだろうか。
手元にあるプロフィールから目を離し、ちひろさんの横に座った彼女に目を向ける。
すると彼女は、俺と凛を交互に伏し目がちにキョロキョロと見ていた。
そして俺と目が合うと、取り繕うかのように佇まいを直す。
蘭子「ククク、我が禁断の書物、しかと目にするがいい……(プロフィール見られるの、は、恥ずかしいです)」
八幡「あー、うん。はい」
俺がテキトーに相づちを打っていると、隣の凛にくいくいと袖を引かれる。
見ると、凛は顔を寄せて耳打ちするように聞いてきた。近い、近いから。
凛「プロデューサー、さっきから頷いてるみたいだけど、あの子が言ってる事分かるの?」
何を聞いてくるかと思えば、そんな事か。
愚問だな。バカめと言ってさしあげますわ。
八幡「いや全然分からん」
凛「分かんないんだ!?」
当たり前だ。正直何言ってるのかさっぱりです。
……まぁそれでも、何となく言いたい事は少しだけ伝わってくるがな。
これは恐らく、俺がかつて同じ病にかかっていたおかげだろう。凄い! 全然嬉しくない!
八幡「それで、今回はまたどうして臨時プロデュースが必要に?」
俺は目の前で呑気に茶を啜っているちひろさんに訪ねる。
奉仕部に頼むって事は、それなりに何か問題を抱えているのだろう。
まぁある意味じゃもの凄い問題だらけにも見えるが。
ちひろ「……そうですねぇ、何から説明しましょうか」
そう言うと、ちひろさんは湯のみを置いて数枚の資料を渡してくる。
それは先程貰ったアニバーサリーライブの資料と同じ物だった。
ちひろ「さっきも説明したこのアニバーサリーライブなんですが、実はこれに蘭子ちゃんも出演する事になってるんです」
八幡「アニバーサリーライブに……?」
正直、少し驚いた。
何故かと言えば、それは今回のこのライブの出演枠が限られている事に他ならない。
元々大所帯なウチのプロダクションだ。そうなると、100人以上のアイドル全員を一回のライブに出す事は不可能と言っていいだろう。
つまり、チャンスを与えられるアイドルは限られている。
凛はまだ実績を上げているから選ばれるのは納得だが、それに対して神崎は……正直、今日始めて知った。
俺が知らないだけで、本当は有名な子なのか? いやでも、それにしたって名前も知らないって事は無いだろう。
俺の疑問を察したのか、ちひろさんは苦笑しつつ言う。
ちひろ「まぁ気付いているとは思いますが、蘭子ちゃんは先日所属したばかりの新人です」
やはりな。どうりで見覚えが無いと思った。
こんな目立つ奴だ。いくら所属人数が多いとはいえ、一度見たら忘れる事は無いだろう。
となると、尚更分からない。
八幡「それじゃあ、なんでまたライブに?」
ちひろ「まぁ簡単に言ってしまうと、蘭子ちゃんはライブの為にスカウトされてきたんですよ」
八幡「は?」
ライブの為に、スカウトした?
なんで他に沢山アイドルがいるのに、わざわざそんな事を?
困惑が顔に出ていたのか、ちひろさんは焦った様子で説明を続ける。
ちひろ「えーっとですね。最初に説明しておくと、今回のアニバーサリーライブは出演者を決めるにあたって、いくつかの枠を設けているんですよ」
ちひろさんは適当な裏紙を机の上に置き、ペンでいくつかのワードを書いていく。
ちひろ「まずは単純に知名度の高さと好成績を残したアイドルからなる『上位枠』。凛ちゃんはこの枠に含まれますね。CDデビュー組は全員ここに入っています」
チラッと横を伺うと、少しばかり凛が照れているように見える。
まぁ褒められているようなもんだし、恥ずかしいのも分かる。
ちひろ「それでもう一つが、今後活躍する可能性のある子を推していく『推薦枠』。ここはまだ全員決まっていませんが、候補の中にはこれまで比企谷くんが臨時プロデュースしてきた子たちも入っていますね」
八幡「……って事は、アイツらもライブに出れるかもしれないんすね」
ちひろ「そうなります……よかったですね♪」
何故か俺を見てニコニコと笑うちひろさん。
別に俺、嬉しいとも何とも言ってないんですけど。やめろその顔。いいから、早く説明を続けてくれ。
ちひろ「それで、最後にもう一つ『特別枠』というものがあるんです。これは社長の独断による選出で、所謂指名枠みたいな感じですね。それも、選ばれるのはただ一人」
八幡「一人……」
なるほどな。
ここまで説明されれば分かる。
未だ有名とは言えない神崎。その彼女が今回アニバーサリーライブに出演する事になったのは、この特別枠のおかげだったというわけだ。
しかしそれでもまだ、神崎をスカウトした理由が分からない。
ちひろ「最初は社長、この特別枠には凛ちゃんを指名しようと思ってたらしいんですよ」
凛「っ! 私を?」
まさかここで名前を呼ばれるとは思ってなかったのか、驚いた様子の凛。
ちひろ「ええ。ですが凛ちゃんは既に上位枠での出演が決まっていたので、他のアイドルを指名する事になったんですけど……」
八幡「けど?」
ちひろ「そしたら社長、蘭子ちゃんを会社に連れてきたんです」
なんでだよ。
というか、その言い方は誤解を招くからやめて頂きたい。
蘭子「黒き魔手による誘い……(あの時は凄いビックリしました)」
ちひろ「何でも社長、誰にするかすっごい悩んでて……それで街を歩いてたら、蘭子ちゃんを見かけてティンときたとかって」
八幡「それでそのままスカウトした、と」
何と言うか、あの社長スゲェな……
確かによく考えれば俺も突然スカウトされたし、度胸というかチャレンジ精神がハンパない。
俺はもう専属のアイドルがいるからやらなくていいが、もしスカウトも仕事に入ってたらマジでヤバかった。
最悪声かけ事案とか言われて通報されそう。
ちひろ「そんな訳で蘭子ちゃんはアニバーサリーライブに出る事になりました。……ここまで言えば、後は分かりますか?」
八幡「ええ。ライブまでの神崎のプロデュース、ですね」
ちひろ「あーいえ、ちょっと違います」
八幡「え?」
思わぬちひろさんの否定に、思わず変な声が出る。
いや、今の完全にそういう流れだったでしょ……
ちひろ「ライブまでは基本的にレッスンや練習漬けになるので、特に比企谷くんがプロデュースする場面はありませんからね」
八幡「は、はぁ」
な、なんかそう言われると、少しへこむな。
まるで俺が役立たずのようだ……
八幡「けどそれなら、なんで俺が臨時プロデュースを?」
蘭子「……臨時プロデュース、面妖な(そもそも臨時プロデュースって、一体なんなんですか?)」
ちひろ「それですよそれっ!」
蘭子「ひぅっ……!」ビクッ
突然のちひろさんの声に、神崎が思わず素に戻る。
ちひろ「蘭子ちゃんのその中二モード、それが問題なんです」
八幡「問題?」
まぁ確かに社会を生きていく上で問題だらけだとは思うが。
特に人間関係とかな。あの当時に雪ノ下とかに会ってなくてマジで良かった。死ぬ(俺が)。
ちひろ「会社側はあまり良く思ってないんですよね。記念すべきアニバーサリーライブに完全に新人の子が出演して、しかも中二病で、大丈夫なのかって」
蘭子「うぅ……」じわっ
ちひろ「あぁいや、私は思ってないですよ!? 会社の上層部の人たちですって!」
涙ぐむ神崎に、慌てて弁解するちひろさん。
まぁそうだろうな。むしろちひろさんは神崎みたいな色物系好きだろ。あの輝子も確かちひろさんが奉仕部に連れて来たようなもんだし。
凛「でもライブの為にスカウトしてきて、それでやっぱり問題あるなんてあんまりじゃない?」
見ると、凛が若干不機嫌そうに言っている。
真っ直ぐな性格の凛からすれば、会社側の対応に思う所があるのだろう。
ちひろ「ええ、それはその通りです。そこで会社側が条件を出してきたんですよ」
八幡「条件?」
ちひろ「せめてその中二病めいた行動をやめて、“普通に”アイドルとして活動する。それがライブに出る条件です」
沈痛な面持ちで告げるちひろさん。
その言葉を聞いて、俺は思わず眉をひそめる。
“普通に”……ねぇ。
つまり今回の奉仕部への依頼は、神崎の中二病を治す事。
そうしなければ、ライブには出れない。そういう事なのだろう。
少しの間、静けさがその場を満たす。
やがて俺が口を開きかけた時、彼女は呟いた。
蘭子「……やだ」
ちひろ「え……?」
神崎は、さっきまでの不安な表情を消し、強い意志を持った顔で言う。
蘭子「……周りに流されて、好きなものを犠牲にしちゃいけないって。私はそう教えてもらった」
その言葉が、その姿が。
全然違うのに、まるで似ていないのに。
何処か、自分に重ねてしまう。
神崎の目が、真っ直ぐに向けられる。
蘭子「だから私は、もう自分に嘘をつきたくない……これが、私だから」
どこか、既視感を覚えた。
これまで何度か、俺はこの目を見て来た。
……あぁ、そうだ。
俺がこれまでプロデュースしてきた、アイドルたち。
その子たちと、同じ目だ。
やっぱ、俺はともかく、あの社長は見る目があるようだ。
何の心配をしなくても、
こいつは確かに、アイドルだ。
八幡「……ちひろさん」
はちろ「っ! はい」
八幡「引き受けます。臨時プロデュース」
俺がそう言うと、神崎は驚いたような表情になる。
まぁ無理もない。だが、誰も会社側の条件を飲むとは言っていない。
俺は更にちひろさんに続ける。
八幡「ただし、内容はコイツの中二病更生じゃありません」
ちひろ「へ?」
凛「じゃあ、一体何をするの?」
呆けたような顔になるちひろさんに代わって、凛が訪ねてくる。
見れば、蘭子も何が何やらと言った表情で首を傾げていた。
八幡「ようは発想の転換だ。会社側の望む条件を飲むんじゃなくて、神崎に対する評価を変えてやりゃいい」
蘭子「??」
八幡「……つまりだ」
俺は全員を見渡し、決め顔で言ってやる。
八幡「会社の連中に教えてやんのさ」
俺は昔、とある病にかかっていた。
思い出すだけで、今でも恥ずかしくなってくる。
……だが、今でもその当時好きだったものを見て、心揺れ動く時がある。
やはり時間が立とうと、好きなものは好きなのだ。
その気持ちに、嘘なんてないのだから。
八幡「中二病は、カッコいいってな」
今日はここまでになります……ごめんなさい、短くてごめんなさい……
あと遅れましたけど、俺ガイルのアニメ2期おめでとうございます! 楽しみ!
あと遅れましたけど、俺ガイルのアニメ2期おめでとうございます! 楽しみ!
活躍して推薦枠に食い込むって発想もあるしな
恒例の誤字なのに「はちろ」で笑ってしまった
恒例の誤字なのに「はちろ」で笑ってしまった
中二といえば飛影だろ
邪王炎殺黒龍波とかここまで中二を表現した技もあるまい
邪王炎殺黒龍波とかここまで中二を表現した技もあるまい
公式設定にも書いてあったが一応雪ノ下も中二病だからなあ
材木座に引いたりしてるけど雪ノ下も同類っていうね…
材木座に引いたりしてるけど雪ノ下も同類っていうね…
>>187
こマ?
こマ?
ヒッキーこれ再発するのか?
( ゚д゚)ハッ!√が凛から蘭子に変わるのか
( ゚д゚)ハッ!√が凛から蘭子に変わるのか
原作(デレマス)じゃ既に2代目シンデレラガールの実績があるからな無問題だわ
※196
俺も思った。似すぎてて渡りんこのss読んでるだろと思った
俺も思った。似すぎてて渡りんこのss読んでるだろと思った
※196
俺も思った。似すぎてて渡りんこのss読んでるだろと思った
俺も思った。似すぎてて渡りんこのss読んでるだろと思った
引用間違い、二重投稿、雑談、読みにくい、age
すげえな。尊敬します。
すげえな。尊敬します。
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