私的良スレ書庫
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元スレ八幡「やはり俺のアイドルプロデュースはまちがっている。」凛「これで最後、だね」
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だが、凛の表情は読めない。
怒っているようで。
悲しんでるようで。
呆れているようで。
そんな色んな感情がない交ぜになった顔で、俺を見る。
凛「……私には、何も相談してくれないんだね」
目を伏せる凛。
そんな姿を見て、胸が痛む。
心が、痛むのが分かる。
八幡「……必要ないからな」
凛「え……?」
だが俺は、ここで甘えた言葉を返すわけにはいかない。
ここで凛の未練を作っちゃ、いけないんだ。
八幡「これは俺がしでかした事だ。だからお前が責任を感じる必要も無いし、俺が辞めるのも気に病まなくていい」
凛「そん、な……でもっ……!」
それでも食い下がる凛を、
俺は拒絶する。
八幡「だから、俺なんかはとっとと切り捨てて……お前はトップアイドルを目指せ」
凛「ーーッ」
八幡「道から外れた奴を、振り返る暇なんてねぇだろ」
凛の顔が歪んでいくのが分かる。
だが俺は、踵を返してその場を後にしようとする。
凛「っ! ま、待って!」
凛は俺の前に周り込み、両肩を掴んで止めようとしてくる。
必死に、離しはしないようにと。
凛「私は、私はプロデューサーと夢を追いかけたくて……!」
その声は、悲痛な叫びだった。
一言一言が俺の胸に刺さって、心を、傷つけてやまない。
凛「プロデューサーは、これでいいって言うの? これで終わりでいいって、本当に思って……」
八幡「ああ。そうだ」
凛「ッ……」
それでも、俺の答えは変わらない。
俺の選択は、覆らない。
凛は俺の言葉に目を見開き、俯く。
脱力したように肩から手を離し、立ちすくむ。
凛「……プロデューサーは、それでいいんだ」
八幡「ああ」
凛「……私が、トップアイドルになれれば、それでいいんだ」
八幡「……ああ」
凛「…………そっか」
凛は、ゆっくりと顔を上げる
俺はその表情を一生忘れないだろう。
凛は、笑っていた。
凛「なら…………私、頑張るから」
こんなに哀しい笑顔があっていいのかと、そう思った。
凛「さよなら」
そう言って、凛はすれ違うように去っていく。
俺は振り返らないし、きっと凛も振り返らない。
……これでいいんだ。
プロデューサーとして、俺は出来る事をやった。
これが、俺に出来る最後のプロデュース。
これで、正しいんだ。
そう自分に言い聞かせ、俺は足を踏み出す。
だが、迷いと振り切ろうと踏み出す毎に、足はどんどん重くなっていくように感じる。
頭の中に、ずっと残って離れない。
懸命に笑う彼女の、
頬を伝う、その雫が。
*
それから、また日は流れていく。
テレビやニュースで、俺が会社を辞めた事は公表された。
社長の言う通り、一応の責任を取る形で発表されたようだ。
思惑通り、少しはファンの落ち着きも取り戻せた様子。
そして、もう一つ懸念していた問題。
それが、凛のアニバーサリーライブの参加だ。
あんな事件を起こした手前、本来であれば自粛するのが当然だろう。
だが、俺はその件についても社長にお願いをしておいた。
出来る事なら、凛にも参加させてやってほしい。
既にシンデレラガールの投票まで時間もない。
であれば、このライブを逃すのは完全な痛手だ。
ファンが落ち着き、ライブに支障が無いようであれば参加させる。
それが会社の条件だったが、この分じゃ大丈夫そうだ。
本当に、社長には感謝してもしきれない。
そして、俺が今何をしているかと言えば……
絶賛引きこもり中である。
正式に会社を辞めた事で、本来であれば学校に行かなければならないのだが……
生憎と、そんな気も起きない。
今は奉仕部の二人に会う事すら億劫だった。
相変わらず家でダラダラと過ごし、ただ時間が過ぎるのを傍受していた。
さすがに、小町にそろそろ怒られそうだな。
……だが、俺がした事には何も言わず、許容してくれた。
こんな時、そんな存在が本当にありがたい。
もっと良い方法があったのかもしれない。
けど、
これが俺の選んだ選択なんだ。
『○月△日! シンデレラプロダクション、アニバーサリーライブ!!』
八幡「っ……」
テレビから流れてきたワードで、思わず顔をしかめる。
最近、やたらCMを目にするな。
さすがはシンデレラプロダクション。まさかこんな所でその有名ぶりを思い知らされる事になるとは。
正直、見る度にHPを削られる思いである。
と、そんな時にケータイにメールが届く。
それは今まで散々無視して来た一人、平塚先生からのものであった。
内容は、土曜日に学校で行われる補習の事。
と言っても、参加者は俺だけらしいが。
文面を読むに、生徒があまりいない方が来やすいのではないか、という平塚先生の配慮らしい。
おお、ちょっと感動するな。
あの人なら、どっちかってーと直接家まで殴り込んで来て連れ出しそうなイメージだが。
一応、気を遣ってもらってるらしい。
確かに土曜ならあの二人もいないし、何かと気が楽だ。
八幡「ん、この日付……」
そしてメールを読んでいる内に気付く。
補習は、件のアニバーサリーライブと同じ日付であった。
果たしてわざとなのか……
いや、平塚先生が単純に気付いていないだけか。
八幡「……行くか」
どうせ、家にいても気になってモヤモヤしてしょうがないんだろう。
なら、まだ何かしていた方がマシだし、気が紛れるってもんだ。
俺は、参加するとメールで平塚先生に送る。
その後怖いくらい早く返事が返ってくるが、まぁそこは目を瞑る事にする。
送った後、本当にこれで良かったのかと、一瞬だけ脳裏を過った。
……いや、良いに決まってる。
別に、問題なんてない。
今の俺は、プロデューサーじゃないんだ。
ライブのなんて気にする必要もない。
見に行く必要もない。
あいつは、凛は、他のプロデューサーと頑張ってる。
なら、そこに俺が付け入る隙はもう無い。
あいつは、頑張ると言ったんだ。
だから、俺はただ、陰ながら応援するだけ。
俺はケータイの電源を切り、机の上に置く。
ベッドへ向かい、その身体を預けた。
もう今日は寝てしまおう。
目を瞑る。
そうすると、またあの子の顔が思い出される。
だが、俺にはどうする事できない。
こうして、
俺の最後のプロデュースは、終わった。
今夜はここまでです。……次回、いよいよ最終回!
最後まで、どうかお付き合いよろしくお願いします!!
最後まで、どうかお付き合いよろしくお願いします!!
おわりかあ・・・・
しんみりしてきたな・・・気づけば一年じゃないか
しんみりしてきたな・・・気づけば一年じゃないか
ここまで長かったな。
何とかこのスレで終わらせるつもりなら次の投下まで黙って待つわ。
何とかこのスレで終わらせるつもりなら次の投下まで黙って待つわ。
乙。
マスゴミ以外は誰も得してない流れだけど、じゃあ他に方法あったか?といわれるとねぇ。
P続けてればファンが、全部八幡が引っかぶっていれば関係者の精神が、徹底抗戦していれば凛の未来がそれぞれ犠牲になってただけだし。
マスゴミ以外は誰も得してない流れだけど、じゃあ他に方法あったか?といわれるとねぇ。
P続けてればファンが、全部八幡が引っかぶっていれば関係者の精神が、徹底抗戦していれば凛の未来がそれぞれ犠牲になってただけだし。
乙!
スレの残りを考えると次も書けるかわかんないからここで書いとく
本当に今までお疲れ様でした、いつも更新を楽しみにしてたよ
スレの残りを考えると次も書けるかわかんないからここで書いとく
本当に今までお疲れ様でした、いつも更新を楽しみにしてたよ
×
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「キミ、アイドルのプロデューサーをやってみないかね?」
「お兄ちゃん! やろうよ! 小町が応募しておくよ?」
「そっか……私、個性が無かったんだ……確かに薄々…」
「それにしても、プロデューサーの制服姿ってなんか新鮮だね。似合ってるよ♪」
「久々に会った人には、最初に言う言葉があるでしょう。そんな事も分からないのかしら」
「…っあ! そっか! やっはろーヒッキー!」
「私も……プロデューサーついてないんですよ?」
「嫌いにも、なれそうにない」
「……私の言葉、表と裏……どっちだと思う?」
「確かに、専業主夫なら奥さんがアイドルでもやっていけるもんね」
「“友達”だからに、決まってんだろッ!!!」
「あーあー、いつになったら印税生活出来るんだろう」
「そうだねーっ! 杏ちゃんはすっごく頑張ってるよねー☆」
「私が顧問をしている部活を訪ねてみるといい。あそこには、頼れる子たちが揃っているよ」
「あったまえじゃん。お姉ちゃんがアイドルなんだよ? なら、アタシもアイドルになる」
「うん。……すっごい優しそうに笑うんだなーって、思った記憶がある」
「僕が、102回目だからね」
「さぁ、我が舞台の幕開けだ。……その能力、私に捧げてくれるか? 眷属よ」
「いやあなたですしおすし」
「他の人がどう言ってても、みくもPちゃんも、ヒッキーの事ちゃんと分かってるから!」
「……うん。プロデューサーさんは、私に色んなものをくれたから」
「その信頼がある故に、何かあった時の結果が怖い。……まぁ、そう感じているのは私くらいかもしれないけどね」
「お茶でもいいですし、大人になったら、お酒も酌み交わしましょう。……だから、これで最後だなんて言わないでください」
「さよなら」
「やはり、俺のアイドルプロデュースはまちがっている。」
凛ちゃんの誕生日でもある明日8月10日の夜、最終回を更新します。
お楽しみに!
お楽しみに!
>>929
それで埋まったら困るし静かに待とうぜ
それで埋まったら困るし静かに待とうぜ
ちひろさんが出てきたとき黒幕金パワーでマスゴミを潰しでもするのかと思った(真顔)
今日で最終回か...寂しくなるな。>>1が来るまで
全裸待機してる。
全裸待機してる。
俺の誕生日…、八幡と凜に挟まれてたんだな
お疲れ様でした。最高のSSでした
お疲れ様でした。最高のSSでした
あと30分で11日だぞ>>1
本当に申し訳ないが、日付は変わりそう。
ただ妥協はしたくないので、1時を投下予定とします。最後までギリギリになって申し訳ない。このSSらしいっちゃらしいですが。
それとたぶん埋まり切らないかもしれない! そん時は諦めて次スレたてます!
無理矢理詰めようとしてカットするのもアホらしいので。まぁ、たぶん、大丈夫かな……?
なので今の内に……
凛ちゃん誕生日おめでとう! 凛ちゃんはいつだってNo.1だよ!!
ただ妥協はしたくないので、1時を投下予定とします。最後までギリギリになって申し訳ない。このSSらしいっちゃらしいですが。
それとたぶん埋まり切らないかもしれない! そん時は諦めて次スレたてます!
無理矢理詰めようとしてカットするのもアホらしいので。まぁ、たぶん、大丈夫かな……?
なので今の内に……
凛ちゃん誕生日おめでとう! 凛ちゃんはいつだってNo.1だよ!!
MAXコーヒー飲みながらを更新待ってます
名駅でムーンライトながらを待ちつつ
名駅でムーンライトながらを待ちつつ
こんなリアルタイムに最終回見れるとか最高ですな
1時から全r、ケプコンケプコン…張り付いて待ってます‼
1時から全r、ケプコンケプコン…張り付いて待ってます‼
さあ早く来るんだ>>1
風邪をひいてしまうだろ!!
風邪をひいてしまうだろ!!
*
凛「歌いたい曲?」
目をパチクリと瞬かせ、疑問符を浮かべる凛。
八幡「ああ。曲のリストはもう貰ったよな」
凛「うん。これでしょ?」
ファイルから取り出した数枚の資料を、俺へと見せる。
そこには、ライブで歌う曲が記載されていた。
八幡「ユニットで歌うのが『お願い!シンデレラ』、『輝く世界の魔法』、『Nation Blue』、『ススメ☆オトメ~jewel parade~』」
凛「そしてソロで歌うのが『Never say never』とカバーの『蒼穹』、だね」
八幡「そうだ。そんで、上位枠はそれにプラスでもう一曲歌えるんだよ」
ソロの曲を持つアイドルは何人かいるが、上位枠でライブに参加するアイドルは少数だ。
その限られたアイドルには、更にもう一曲歌える権利を貰える。
八幡「『蒼穹』と一緒でカバー曲になるが、何か歌いたい曲はあるか?」
凛「歌いたい、曲か。そうだなぁ……」
うーんと唸る凛。
まぁ、大事なライブの一曲だ。そう簡単には思い浮かぶまい。
八幡「『蒼い鳥』とかは無しな」
凛「えっ、なんで!?」
いやホントに考えてたのかよ……
八幡「そりゃ、他のプロダクションの曲を歌えるわけねぇだろ。総武高の時とは違うんだぞ?」
凛「そ、そっか、うーん……」
八幡「……ま、ゆっくり考えとけ」
これは、いつかの思い出。
いつもの事務所で、いつもの二人で。
たまにちひろさんがコーヒーを淹れてくれて。
他のアイドルたちが絡んできたりもして。
今にして思えば、あの居場所がかけがえの無いものだったんだと分かる。
だがそれは、もう取り戻せないものだ。
だからこれは、思い出でしかない。
凛「あ……そういえば、個人的に好きな歌があって…」
八幡「へぇ、なんて曲なんだ?」
いつしか、この光景も忘れていくのだろう。
なら、気にする事はない。
ただただ、その時を待つだけの事。
ただ、その時を。
*
アニバーサリーライブ当日。
天気は快晴。ドームなのだから関係ないが、実にライブ日和の良い天候である。
だが、俺には本当に関係ない。
俺にとっちゃ、ただの補習当日である。
久しぶりに総武高校の制服に身を包み、ネクタイをしようとして、違和感を覚える。
そういや、俺学校じゃネクタイしてなかったな。していたのは最初の頃だけだ。
ここ最近、ずっとスーツだったから思わず手が動いていた。
俺はモヤモヤとした気持ちをネクタイと共にクローゼットに放り込み、部屋を出る。
リビングへは向かわず、そのまま玄関へと一直線に向かう。
朝飯も今日はいらない。
補習で出かける事も、小町には言っていなかった。
家の外に停めてあるチャリを用意し、サドルに跨がる。
そういや、こいつに乗るのも久しぶりだな。
いざ行かん、と漕ぎだした瞬間だった。
……チェーンが外れた。
八幡「………………歩くか」
仕方なしに、自転車を置いていく。
まぁ、別に補習だし、間に合わなくてもいいだろ。
てくてくと、道を一人で歩いていく。
普段であれば通学する生徒がいくらかいるもんだが、今日は日曜日。
生徒もいないし、道往く人も心なし少ない。
そうやって歩いていると、自然と考え事をしてしまう。
そして考えてしまうのは、やはり決まって一つだけ。
あの時の笑顔が、鮮明に映し出される。
八幡「……くそっ」
イライラする。
無性に苛立って仕方が無い。
気を紛らわせようにも、頭から離れない。
俺に、どうしろってんだ。
歩き歩き、ふと、立ち止まる。
…………なんか、補習とかアホらしくなってきたな。
よく考えたら、学校に行くのが面倒なのに何故休みの土曜にわざわざ行こうとしているのか。
それも、行けば平塚先生と二人きりでの補習。
人がいないというメリットも、元々ぼっちなのだから人がいようといまいと関係ない。
そう考えたら、途端に面倒くさくなってきた。
八幡「……行かなくていいか。別に」
俺は方向を変え、街の方へと向かう事にする。
気を紛らわせるなら、別に補習なんて嫌な事をする必要もない。
テキトーに街をふらついて、遊んだり買い物したりすればいい。
……おお、そう考えたらなんかウキウキしてきた。
よっしゃ、休みを満喫するぞー!
と、それまで引きこもり生活を送っていた事を完全に忘れ、俺は歩き始める。
本屋か、ゲーセンか、漫画喫茶か。アニメイトでも、とらのあなでも、なんだっていい。
とにかく、何か他の事をしていたい。
そんな俺の意味のない希望は、しかし叶う事は無かった。
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