私的良スレ書庫
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元スレ京太郎「タイム…リープ!?」
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高校を卒業してからは、ありがたいことにプロのオファーがあった
私は飛びついた
それからも、私はひたすら麻雀をし続けた
まるで、最初の目的を忘れてしまったかのように
そして……
――12年後 東京 インターハイ会場
恒子「すこやん、お疲れー!」
健夜「お疲れ様、こーこちゃん」
恒子「いやー今日もアラサーらしく、年季の入った名解説でしたな」
健夜「アラフォーだよ!!」
恒子「……」
健夜「間違えちゃったじゃん!何言わせるの!!」
恒子「いや~、今のはさすがにすこやんが悪いと思うんだけど」
健夜「もうっ、まったく!こーこちゃんは!」
恒子「はいはい、悪うございました…」
恒子「ん、あれっ?すこやんにしては珍しく、ネックレスなんて着けてるんだね」
恒子「どうしたの、若作り?」
健夜「私まだ20代だからね!?そのくらいのファッションはするよ!」
恒子「へぇー、アクアマリンとダイアモンドかあ。デザインは若い人向けみたいだけど、大丈夫?」
健夜「大丈夫ってなに!?」
恒子「でも、すこやんにしてはいいセンスしてるじゃん。なんでいつもは着けないの?」
健夜「うーん…なんでだろ?」
健夜「なんだか今まで、どうしてもそういう気分になれなかったんだよね……」
恒子「ふーん……さては男ですな?」
健夜「ななな、なんで分かるの!?」
恒子「ふふふ、女がアンニュイな表情をしたら、それ即ち男が関係していると相場が決まっているのだよ」
健夜「へえ、こーこちゃんすごいんだね」
恒子「それほどでもあるよ!」フフン
恒子「……もしかして彼氏からのプレゼントとか?」
健夜「彼氏か…そうだったら良かったんだけどね…」
恒子「"だった"ってことは、昔の?」
健夜「うん、学生時代にちょっとね」
恒子「へえ、行かず後家四天王の一角と呼ばれたすこやんにも、そんな時代があったんだねえ」
健夜「行かず後家なんてよく知ってるね!?ていうか、そんなの初めて聞いたよっ!?」
恒子「初めて言ったからね」
健夜「……ちなみに他の三人は?」
恒子「えーと、野依プロと瑞原プロと、あと一人誰にしようか?」
健夜「こーこちゃん、そのネタその二人には絶対に言わないほうがいいよ。命に関わるから」
恒子「命って、そんなー」
健夜「……」
恒子「……肝に銘じます」
恒子「しかし、すこやんにもそんなことがあったんだねー。その子とは結局?」
健夜「うん、転校しちゃってそれっきり」
恒子「ははー、まるで一昔前の少女漫画みたいな展開だね」
恒子「でも、その子はすこやんのことをとても大切に思ってたみたいだね」
健夜「……どうして?」
恒子「だって、このネックレス高校生が買うにしてはかなり高いもん」
恒子「5万か6万くらいはしたんじゃないのかな?」
恒子「好きな娘以外にそんなプレゼント、普通はしないよ」
健夜「……」
恒子「すこやんは、その男の子のことどう思ってたの?」
健夜「……分かんない、忘れちゃった」
恒子「そう」
恒子「……」
恒子「さあ!明日で仕事が一区切りするから、その後飲みに行くぜー!!ね、すこやん」
健夜「うん、そうだね。ありがとう、こーこちゃん」
さて、今日は解説の仕事は終ったからホテルに帰ろう
なんだか疲れちゃった。きっと昔の話をしたからだ
あれから12年が経った
私は強くなり続けた…と思う
体も成長した。む、胸だってほらっ!?
……ごめんなさい、嘘つきました。ほとんど変わってません
プロになって、色んな大会に出た。そして勝ち続けた
気付いたら、いつの間にか世界ランキングが2位になっていたこともある
ねえ、京太郎くん。見てよこれ、私のカード
『国内では無敗』『永世称号七冠』『恵比寿時代は毎年リーグMVP』
だってさ。この『Grandmaster』なんて仰々しいの、私には似合ってないよね
私強くなったんだよ?銀メダルだってとったことあるんだから
その時の私、見ていてくれた?その時の私、かっこよかった?
京太郎くんがあの時言ってくれたみたいに
少しでも恩返しできたのかな、私…
ねえ、京太郎くん。私、疲れちゃったよ。少し頑張りすぎたからかな
こーこちゃんにはああ言ったけど、私はあの時から……いや今でもあなたのことを…
健夜「会いたい……」
もし、もう一度出会えたら…あの時言えなかったことを―――
「あぶなーいっ!!!」
健夜「へ?」
横を見る。横断歩道に猛スピード迫ってくるワゴン車。距離は20メートルくらい
健夜「あ」
これは助からないな。こうどうしようもないと、案外冷静になるものなんだ
ここで、私死んじゃうんだ。あっけない
ああ、私の人生ってなんだったんだろう?
でも、今にして思えば案外幸せだった言えるのかもしれない
仲の良い友達も何人かいるし、他人から見れば麻雀選手として大成功を収めたといえる
あれ?あと、何かあったけ?
まあ、いっか。どうせここで終ってしまうんだから
でも…前にもこんなことが
ドンッ
健夜「え」
すごい衝撃が伝わる
でもこれは、車というより、人の
振り向くと、そこには金髪の男の子が
健夜「あ、きょうた――」
グシャ
肉の潰れる嫌な音がした
今度こそ、私は気を失った
________
_____
__
―病院
「ハイ、いいですよ。お疲れ様」
健夜「ありがとうございました」
「特に異常は見当たりませんね。気になるところがあれば、またいらして下さい」
健夜「はい。あの…あの男の子は今」
「まだ、手術中ですね」
健夜「そう、ですか」
「……私の見たところ、頭からの出血は多いようでしたが、それほど深いものではないようです」
「肋骨にひびが入っていますが、中に以上はないようでした」
「左足は骨折していますが、それほど酷いものではないので、将来障害が残る心配はありません」
「追突する直前、車が横にそれたので、正面衝突を避けられたのが良かったのかもしれませんね」
健夜「そう…ですね」
「自分の命を顧みず、他人を助けることのできる素晴らしい青年です」
「うちのスタッフが全力で取り組んでいるので、安心してください」
「じきに手術も終るでしょう……彼のこと、待ちますか?」
健夜「はい」
事故のとき、私はもう助からないと思った
しかし、周りにいた人達の証言によると、男の子が飛び出してきて私を突き飛ばしてくれたらしい
私は歩道に逃れたが、その子は……
警察の人によると、車は70~80キロ近くスピードを出していたらしい
それで、あの怪我で済んだのは奇跡的とのことだ
それでも、あのような酷い怪我を負ってしまった
私はすぐに気を失ってしまったので、その後の出来事は詳しくは知らない
気付いたら病院にいて、よく分からない検査を受けていた
そして今、彼の眠るベッドの横で、私は座っている
健夜「……」
健夜「ありがとう。あなたのおかげで、私助かったよ」
健夜「ねえ、あなたは誰なの?金髪のそっくりさん」
健夜「ん?なんだろこれ……学生証?」
健夜「……」
健夜「名前だけ、名前だけならセーフだよねっ?」
健夜「苗字は『須賀』、名前は……」
健夜「『京太郎』……かあ」
健夜「……」
健夜「……」
健夜「えっ?え、ええええっ…え?!??」
ここここれは、どういうこと?もしかして本当に、京太郎くん本人?
いや、この子も京太郎くんなんだけどね!?
でででも、顔とか体つきとかはほとんど同じに見えるし
いや、でもあれから12年経ってるし、同じってありえないよね!?
はっ!もしかして、この子京太郎くんの息子さんとか……
ということは、もう他の誰かと結婚してて……
健夜「うぅ……」キリキリ
やめよう、秒速5センチメートルみたいな妄想は。私の胃に優しくない
第一、自分の息子に同じ名前をつける親がどこにいる!
健夜「はあー……」
傍からみたら、私ただの変質者だね、これ
健夜「ねえ、早く目を覚ましてよ『京太郎』くん……」
恒子「すすすこやーん!!」バーン
健夜「あ、こーこちゃん」
恒子「事故にあったって聞いて、だだだ大丈夫!?」
健夜「落ち着いて、こーこちゃん。私は何ともないから」
恒子「そ、そうなの!?よ…よかったあ」ヘナヘナ
健夜「心配してくれたんだね。ありがとう」
恒子「あれ?……この子はどうしたの?」
健夜「この子が私を助けてくれたの。でも代わりに…」
恒子「そう、なんだ」
健夜「幸いそこまで酷い怪我じゃないらしいけど、まだ意識が戻らないんだ」
恒子「そう……すこやんのことありがとね、少年」
~~~~~~~~~~~~~~~~
良子「少々遅れましたが、どうやら無事なようですね」
えり「そうですね」
はやり「まったく、心配したんだから…」
咏「まったくだねぃ」
野依「よかったっ!!」
靖子「まあ、無事でよかったよ。ほんと」
はやり「……」
良子「どうかしました?」
はやり「うーん、あの子…」
良子「あの金髪の子ですね?どうやら、彼が小鍛治さんを助けてくれたようですが」
はやり「うん、そうなんだけど。あの男の子、どこかで会ったことがあるような……」
野依「……」
野依「痴呆っ!!」
はやり「あ゛、今なんつった」
ビクッ!!
野依「難聴っ!!」
咏「これは、やばいねぃ…」ヒソヒソ
良子「Oh……」
はやり「久しぶりに切れちゃった☆……雀荘行こうか☆」
野依「望むところっ!!」
はやり「でも、二人じゃ麻雀できないからなあ…☆」チラ
咏・良子「」ビクッ!!
咏「あー!私このあと雑誌の取材があって――」
良子「実は解説の仕事が残っていまして――」
はやり・野依「ん?」ニコニコ
咏・良子「……お供させていただきます」
みさき「あれ?そういえば藤田プロがいませんね、さっきまでここにいたのに」
咏・良子(あのカツ丼、逃げやがったな…)
はやり「じゃあ行こうか☆二度と麻雀のできない身体にしてあげるよ☆」
野依「こっちの台詞っ!!」
~~~~~~~~~~~~~~~~
健夜「なんだか、外が騒がしいね。何かあったのかな?」
恒子「さあ?お年寄りが世間話でもしてるんじゃない?」
健夜「病院なんだから静かにして欲しいよね、まったく」
健夜「……京太郎くん」ギュ
恒子「すこやん…」
恒子「すこやん、もしかしてその子のこと知ってるの?」
健夜「分かんない…」
恒子「え、それってどういう」
コンコン
健夜「は、はい、どうぞ」
??「失礼します、こちらに須賀くんがいると聞いて」
健夜「は、はい。こちらです」
健夜「えと、あなた達は?」
??「申し遅れました、私は清澄高校麻雀部の部長の竹井と申します」
久「それとこちらが、部員の染谷、宮永、片岡、原村です」
久「私たち、須賀くんと同じ部員なんです」
健夜「そう、だったんだ」
咲「京ちゃん!!京ちゃん!!」
優希「イヌ…なにやってんだじぇ」
和「須賀くん…」
まこ「それで、容態のほうは?」
健夜「手術は成功したんだけど、まだ意識の方が…」
まこ「そう、なんか…」
久「…私のせいだわ、あの時買出しなんか行かせなければ……」
まこ「あほ、単なる偶然じゃ。自分のせいにしたって何にもならんぞ」
久「……そうね、その通りだわ。ありがとう、まこ」
久「それで、その…事故の詳しいこと聞いてもいいですか?」
健夜「はい」
__________
______
__
久「そうですか、ありがとうございました」
健夜「い、いや、お礼を言うのはこっちの方だから」
咲「でも、京ちゃんらしいね」
優希「いつも、他人ことばっかり。少しは自分のことも考えろ…ばか」
健夜「……あの、良かったらこの子のこともっと教えてくれませんか?」
久「敬語はいいですよ、小鍛治プロ」
健夜「え、ばれてたの!?」
和「麻雀やってる人で、小鍛治プロのことを知らない人なんていませんよ」
>>634
出会う前に子供作ってたと考えれば
出会う前に子供作ってたと考えれば
まこ「それに、福与アナもおるしな」
恒子「あれっ、分かっちゃた?私も有名になったもんだね~」
久「小鍛治プロからの頼みとあらば仕方ないですね。悪いけど、咲お願いね」
咲「え、私ですか?」ビクッ
久「この中なら、あなたが一番須賀くんと付き合いが長いわ。よろしくね」
咲「は、はあ」
久「私達は先に帰るわね。たくさんいても邪魔になるし」
恒子「なら、私も帰るよ。咲ちゃん、すこやんのことお願いね」
健夜「普通逆じゃない!?」
その後、咲ちゃんから色々な話を聞いた
中学時代どんなことがあったのか、どんな会話をして、どう思ったのか
高校に入ってからこと、大会のこと、そして今日のこと
咲「いつも、自分のことは後回し。他の人のことを第一に考えてるんです」
咲「まったく…バカなんだから」
健夜「…そうだね、昔からそうだったんだよね」
咲「?」
健夜「ありがとう、咲ちゃん。私の頼みなんか聞いてくれて」
健夜「明日も試合でしょう?早く帰って休んだほうがいいよ」
咲「…そうですね、そうします」
咲「小鍛治さんはこの後…」
健夜「もう少しだけ、ここにいるよ。一人じゃ寂しいもんね」
――???
~~~~~~~~~~~~~
「う……ぁ…」
何をしてるんだい?
「いえ…何もできないんです」
本当かい?
「ほら、見てください。包帯でグルグル巻きでしょう?」
「これじゃあ、動けませんよ」
なんで包帯なんかしてるんだい?
「えーと…なんででしょう?怪我でもしたかなあ…」
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