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    元スレ八幡「やはり俺のアイドルプロデュースはまちがっている。」凛「その2だね」

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    みんなの評価 : ★★
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    751 = 1 :



    雪ノ下「ハァー……」

    八幡「な、なんだよ」

    雪ノ下「比企谷くん、あなたって人は本当に…」

    由比ヶ浜「ダメダメだね」



    うぐっ……!
    まさか由比ヶ浜にまでそんな事を言われてしまうとは。

    やめろ! そんな雪ノ下みたいに見下したような目で見つつ溜め息を吐くな!
    雪ノ下からのそれは慣れてはいるが、由比ヶ浜にやられると、なんかホント落ち込んでしまうから不思議である。泣きたい。



    由比ヶ浜「ヒッキー」



    すると今度は、珍しく真面目な表情で俺を見つめてくる由比ヶ浜。



    由比ヶ浜「ヒッキーは、いつだって自分の事をそうやって低く見るけどね……きっと、そう思わない人だって沢山いるよ」

    雪ノ下「沢山は言い過ぎよ。由比ヶ浜さん」

    由比ヶ浜「す、少しはいるよ! ……と、思う」



    なんなのお前ら。ホントに励ましてくれようとしてくれてる?
    根拠の無い励ましは脅迫に似ている。誰かが言ってたのを思い出してしまった。

    752 = 742 :

    サキサキ登場フラグ建ったな

    753 = 1 :



    由比ヶ浜「だ、だからね。そうやって諦めないで、面と向かって頼んでみたら良いと思うんだ。きっと、手伝ってくれる人はいるよ」

    「私たちみたいにさ」と言って笑う由比ヶ浜と、「私は依頼だから違うけれどね」と笑わない雪ノ下。

    そんな二人を見て、そんな奇特な奴らがいるだろうかと、思い返す。



    …………。



    いや、いないな。うん。普通に考えていないわ。

    ……まぁでも、そこまで言うんだ。
    やるだけ、やってみるとしますかね。



    八幡「……由比ヶ浜、雪ノ下」

    由比ヶ浜「! なに?」

    雪ノ下「何かしら?」

    八幡「体育館でのライブ許可、校内での宣伝活動を頼みたい。……いいか?」



    俺が恐る恐るそう言い、二人の反応を伺ってみる。
    見れば、二人はお互いの顔を見合わせ、笑いながらこう言った。



    由比ヶ浜「任せて!」

    雪ノ下「任せなさい」



    ……どうやら平塚先生の言う通り、頼れる連中が揃っていたようだ。

    俺がここにいた頃じゃ、絶対に分からなかったな。
    誰かに対する頼もしさなんて。

    754 :



    雪ノ下「体育館での許可については私の方からアプローチをかけてみるけれど、グラウンドはどうするの?」

    八幡「そこは保険として、俺の方から交渉してみる」



    幸い、二人ほど心あたりがいるからな。



    雪ノ下「分かったわ。それじゃあ宣伝は由比ヶ浜さんにお願いしてもいいかしら?」

    由比ヶ浜「うん! ビラとか作ったり、友達に話して回ったりしてみる!」



    ならば、残る不安材料は衣装や小道具か。
    これも、さっきの通り一人心あたりがいる。頼んでみるしかあるまい。



    雪ノ下「私たちに出来るのはここまでね。後は、あなたと渋谷さんたち次第よ」

    由比ヶ浜「頑張ってね、ヒッキー!」



    それはあいつらに直接言ってやってくれ。
    やっぱ一番大変なのは、ライブをやる本人たちだろうからな。

    ……けどここまでお膳立てしもらうんだ。やっぱ言っといたほうがいい……よな。

    755 = 1 :



    八幡「……あ、…ッ……」

    由比ヶ浜「? ヒッキー?」

    雪ノ下「一体どうしたの? まさか死んだ魚のような目のせいで、呼吸まで出来なくなったのかしら」



    酷い言い草である。

    ええいこっちの気も知らずに!
    もうヤケだ!





    八幡「…………あ、ありがとな…」





    俺のようやく絞り出したその言葉に、二人は最初目を丸くしていたが、その後は嫌になるくらい笑っていた。
    くそっ、人がお礼言ってんのに笑うって何事だよ。

    ……まぁでも、その笑顔を見ていたら、割とどうでもよくなった。


    なんだか頑張れるような気がしたのは、きっと気のせいなんだろう。




    756 = 1 :








    その後進めていくやり方を細かい所まで話し合い、お開きとなった。そしてこれが重要なのだが…



    ライブの決行は一ヶ月後。



    それまでに、出来る準備をしていく事になった。

    学校での事は雪ノ下たちに任せて、俺は俺の出来る事をやっていく。
    まぁ、主にアイドルたちの事だがな。

    しかし、これが思った以上に大変そうだった。というのも……



    奈緒「なー比企谷ー。ホントにやるのかー? 別にうちの高校じゃなくってもいいだろー?」

    八幡「もう決めた事だ。諦めろ」カタカタ ←活動報告書作ってる

    奈緒「いやでもさぁ、自分の学校でライブとか……恥ずかし過ぎるだろぉ?」

    八幡「お前だって、あの時は乗り気だったじゃねぇか」カタカタ

    奈緒「いやそりゃあん時はテンションが上がってたっつーか、言い出せないノリだったし…」

    八幡「そういや、加蓮はどこいったんだ?」カタカタ

    「そこのソファーでダウンしてるよ」

    八幡「……」



    こんな感じであった。
    お前ら本当に大丈夫なのか……

    757 = 1 :



    俺たちは今、お馴染みの事務スペースにいる。

    ちひろさんの前に俺、俺の両隣に凛と奈緒。加蓮はソファーでダウン。
    つーか奈緒よ、わざわざ椅子持ってきてまで俺の隣にこなくてもいいんじゃないですかねぇ……



    ちひろ「今日のレッスン、そんなに大変だったんですか?」

    「いや、普通にストレッチして、軽く走って、後は簡単なダンスレッスンだったけど……」

    ちひろ「思った以上に加蓮ちゃんの体力が落ちていた、と……」

    「みたいですね」



    苦笑いを浮かべる凛。
    まぁそんな表情にもなるだろうな。こればっかりは仕方が無い。



    加蓮「大丈夫、だよ……」



    と、そこにフラフラとおぼつかない足取りで加蓮がやってくる。
    心無しか顔色も悪い。大丈夫? 死なないよね?

    758 = 1 :



    加蓮「明日から少しづつレッスンの時間増やして、頑張るから…あっ」



    ちょっとした段差で軽くこけ、地面にぺたんと座り込む加蓮。ぺたん娘である。ただし胸はry



    奈緒「ちょ、大丈夫か加蓮?」

    加蓮「あはは、少し躓いただけだから、へーきへーき…」



    そこで加蓮が前を向く。
    目線は丁度俺の足下。つまりはデスクの下。






    輝子「フヒ……けが…無い……?」


    加蓮「きゃあぁぁぁああああッ!??」






    バタンキュー。
    まさにその言葉がぴったりなほど奇麗にパタリと倒れる加蓮。

    759 = 1 :



    奈緒「うおぁびっくりしたぁ! って、加蓮!? かれーーんっ!?」



    慌てて加蓮に駆け寄っていく奈緒。



    「もう、驚かせたらダメだよ輝子」

    輝子「め、面目ない……」



    めっ、と叱る凛にショボーンとする輝子。



    八幡「…………」



    一言で言おう。

    不安だ。



    ちひろ「あ、スタドリセットいかがです?」

    八幡「いりません」カタカタ

    ちひろ「(´・ω・`)しょぼーん」




    760 = 1 :









    あれから一週間。
    なんだかんだと三人は順調にレッスンをこなしていっている。

    まぁ奈緒はいまだにやめないかと言ってくるし、加蓮はレッスンが大変そうだけどな。

    前にレッスンに付き添った時に、「ちょっと、プロデューサー、疲れ、ちょっとぉ……」と言いながらベテラントレーナーさんに引っ張られていった時は、さすがに可哀想になった。まぁ何もせず見送っていたんだが。


    さて、そして今日は俺が可哀想になるかもしれない。
    残る問題の一つである、衣装についてだ。

    さすがに買ったり、プロに頼んだりは出来ない。となると、やはりコチラ側で用意するしかない。
    そこで頼めそうな人物を探す。と言っても、俺の周りでそんな奴はあいつしかいない。


    そう。ご存知、川なんとかさんである。知らねぇじゃねぇか。


    まぁ悪ふざけは止めにして、今回は衣装方面をクラスメイトの川崎沙希に頼む事にした。
    あいつは裁縫が得意だし、文化祭の時もクラスに貢献していたからな。人材のチョイスとしては申し分無いだろう。

    761 = 1 :


    が、引き受けてくれるかは正直怪しい。というか断られる可能性の方が高い。
    そこで、少しでも可能性を高める為にこんな場を用意する事にした。





    川崎「話は分かった。衣装が必要だって事も」

    八幡「そうか。引き受けてくれるか?」

    川崎「その前にまず、訊きたいんだけど」



    テーブルをコツコツを指で鳴らしながら、川崎は相変わらず不機嫌そうな顔で隣を見る。



    川崎「なんでこの二人もいんの?」

    小町「あ、小町の事は気にせず、続けてください」ニコニコ

    大志「そうだよ姉ちゃん。お兄さんの話を聞かなきゃ」



    向かい会う俺たちの隣には、我が妹小町と、川崎の弟の大志がいた。まぁ大志も川崎だが。つーかお兄さんって呼ぶな。

    まぁ川崎にアプローチをかけるにあたって、この二人はどうしても必要だったのだ。

    まず、川崎の連絡先を俺は知らない。
    そうすると必然的に小町から経由して、大志、川崎と連絡を取ってもらう必要があったのだ。

    学校に行って直接話すという手もあったのだが、そちらだと色々と面倒だからな。
    それに何より、弟も同伴の方が川崎の機嫌が良い。
    上手いこと姉を誘導してくれよ。でなければ呼んだ意味が無い。というかホントは呼びたくなかった。

    762 = 1 :


    川崎もあまり深くは突っ込む気が無かったのか、今度は違う質問を出して来た。



    川崎「じゃあ、なんでサイゼ?」

    八幡「俺の趣味だ」



    学生の天国、サイゼリアの空気が川崎の良心を掻き立ててくれるだろうという、俺の采配だ。
    いや、俺が好きなだけなんですけどね。



    川崎「まぁいいや……衣装を用意する事自体は別にいいよ。あんたには借りもあるしね」

    八幡「ホントか?」



    あまりにあっさりと了承してくれた為、俺が思わず聞き返すと、川崎はぷいっと顔を背ける。



    川崎「別にそんな、大した事じゃない。こういう作業も嫌いじゃないし……けど」



    そこで川崎は真剣な表情になると、俺に面と向かって顔を向けてくる。
    やべぇ怖い……キルラキルされそう……



    川崎「もう一個だけ、訊かせてくれる?」


    763 = 1 :



    八幡「なんだ?」

    川崎「あんたはさっき言ってたように、プロデューサーやってる事をバレたくないんだよね」

    八幡「ああ」

    川崎「じゃあなんで、あたしには教えて良いと思ったわけ?」



    どうして自分には教えてくれたのか。
    何を訊いてくるのかと思えば、問いかけられたのはそんな事だった。



    川崎「別に衣装を作って貰う理由なんて、誤摩化す方法はいくらでもあったでしょ。あんた口は達者そうだし」

    八幡「それって褒めてんのか…」

    川崎「そうせずにわざわざ事情を話してくれたのは、なんで?」



    真っ直ぐに見据えてくる川崎。
    その視線に、思わず気圧されそうになる。

    まぁ、正直その手もあったかという気持ちだったが、川崎なら話しても良いと思ったのも事実。
    何故かと言えば…






    八幡「川崎なら(誰にも言わないと)信用してるからだよ」

    川崎「っ……はぁ!?」カァァ



    小町「ほうほう!」キラキラ

    大志「姉ちゃん、頑張れ!」

    764 = 1 :


    顔をみるみる赤くしていく川崎。

    そんな変な事言ったか俺? なんか外野も騒がしいし。
    川崎ならどうせ誰も言う相手がいないと思っての発言だったんだが。



    川崎「な、何バカな事言ってんだか……!」



    そしてまたもぷいっとそっぽを向く川崎。
    気をつけて。ポニーテールが揺れてドリンクに付きそう。



    八幡「川崎?」

    川崎「う、うるさい! 仕事は引き受けるから!」



    良かった。やっぱりやめるとか言われたらどうしようかと思った。
    これで衣装は何とかなりそうだ。

    俺がほっと胸を撫で下ろしていると、やっと落ち着いたのか、川崎が言ってくる。



    川崎「けど、今からじゃ時間も金もない。古着屋でテキトーに見繕って、後は私がリメイクするくらいになるよ」

    八幡「それでいい。充分だ」

    川崎「なら、そのアイドルたちの採寸を測りたいから、一度会って……」



    その後小一時間ほど打ち合わせをし、これからの行程を決めて行った。
    これで衣装は任せられる。


    残る問題は……



    765 = 1 :









    あれから二週間。

    ライブに向けての準備は順調に進んでいる。


    凛たちのレッスンも本格的になってきた。
    最近ではマスタートレーナーさんにも協力してもらい、ライブでやる曲やダンスの打ち合わせまで行っている。

    いまだに奈緒は恥ずかしい恥ずかしいと言っているがな。ちなみに加蓮は二重飛びが出来るようになったと喜んでいた。俺は笑ってやる事しか出来なかった。なお胸がry ←見ていたら凛にグーで殴られた。


    雪ノ下は体育館でのライブ許可を何とか貰うことが出来たようだ。

    まぁ元々あいつは有名人だったしな。そんな奴にいきなり頼まれたら断れんだろう。
    それに交渉術にも長けているしな。……やっぱあいつがプロデューサーやればいいんじゃねぇ?


    由比ヶ浜はビラとポスターを自作し、校内に張ったり、配ったりしているらしい。
    “今話題のシンデレラプロダクションのアイドルによるライブ!”
    その宣伝効果もあってか、まずまずの反響を見せているとか。


    そして何より、あのトップカーストグループが手伝ったりしているらしい。


    766 = 1 :


    ここは、由比ヶ浜の強みだな。
    それだけやれば、校内に広まるのも遅くはない。


    噂は噂を呼び、いずれは学外まで。
    料金も取らずに見れるとあれば、近い学校の生徒くらいは呼び込めるだろう。

    何でも城廻先輩にも頼んで、総武高校のホームページでも宣伝して貰ったらしい。
    あの人の事だから、心よく引き受けてくれたんだろうな……


    ここまで、順調に進んできている。
    順調過ぎて、怖いくらいに。






    八幡「直前で、何かトラブルでも起きなきゃいいけどな」



    もうすっかり日も暮れ、夕闇に染まっていく街並み。

    一人ごちながら、レッスンスタジオへと俺は歩いていた。

    なんでも、レッスンが終わっても凛たちは自主的に練習に励んでいるらしい。
    なのでまぁ、いわゆる差し入れというものを買いに行っていたのだ。

    767 = 1 :


    階段を上り、レッスン場の扉の前までやってくる。

    しかし、ドアノブに手をかけるその直前で、声が聞こえてきた。




    奈緒「……あたし、ホントにライブ出来るかな」




    その不安そうな声に、思わず手を止めてしまう。
    別に盗み聞きしようとしたわけではないが、何故か歩を進める事が出来なかった。



    「奈緒……」

    加蓮「……」



    どうやら凛と加蓮もいるようだ。
    しかしその声の様子は、いつもの明るいものではない。



    奈緒「ごめん、情けないよな。ここまで頑張っておいて、こんな事言うなんてさ。……でも、どうしようもなく恥ずかしくて…………自信が出ないんだ」



    いつもより弱々しく、そのか細い声が、どうしようなく耳に残る。

    768 = 1 :



    加蓮「……アタシだってそうだよ」

    「加蓮……?」

    加蓮「アタシだって、自信が無い。ううん、怖いんだ」



    加蓮の声が震えているのが分かる。
    ただ黙ってその会話を訊いている事が、まるで懺悔されているようで、俺は息を止める事しか出来ない。



    加蓮「どれだけレッスンしても、上手く踊り切る事が出来ても、それでも、不安が消えない。本番で倒れちゃうんじゃないかって、緊張でダメになっちゃうんじゃないかって、怖いんだ」



    気持ちは分かる。

    いや、俺にそんな残酷な事は言えはしまい。
    結局の所、他人の気持ちなんて分からない。どれだけ共感した所で、それは他人事。自分ではない。
    俺はアイドルもやっていないし、ライブなんてする機会も一生やってはこないだろう。

    だから、俺には彼女たちの苦悩が分からない。

    そんな俺に、彼女たちにかける言葉があるのか……?



    八幡「………」



    俺はーー



    769 = 1 :













    「それがどうしたの?」










    八幡「ーーっ」



    思わず、目を見開く。

    その澄んだ声に、射抜かれたような気がして。


    770 = 1 :



    奈緒「り、凛……?」

    「……二人とも聞いてくれる? 今から話すのは、私の友達のお兄さんの話なんだけどさ」

    加蓮「ちょ、ちょっと凛、どうしたの?」



    いきなりの話の展開に、困惑した声になる二人。
    おいおいホントにどうしちゃったの? 俺の真似?



    「いーからいーから。その人はね、本当にどうしようもない人なの」



    言い聞かせるように続ける凛。
    少しだけ嫌な予感がした。






    「その人は、シスコンなの」






    やだ、仲良くなれそう。
    つーか俺だよね凛ちゃんんんんんんんんんっ!!??

    771 = 1 :


    俺の心の声も虚しく、話を続けるリンちゃんなう。



    「なんでもね、その妹さんが小さい頃、舞台で歌を歌う事があったんだって」

    奈緒「舞台?」

    「うん。まぁ小学校低学年の頃だったから、そこまで大きなものでは無かったみたいだけど。とにかく、その妹さんは嫌だったみたい」

    加蓮「緊張しちゃってたって事?」

    「うん。そこでそれを知ったお兄さんは、どうしたと思う?」



    あー俺知ってるわー何故かその後の展開が読めるわー。
    つーか、言わないでくださいお願いします。






    「一緒に、歌って踊ったんだって」


    奈緒・加蓮「「…………は?」」






    いや懐かしい。
    あん頃は色々無茶したなぁ。会場もビックリしてたよ。
    ま、そりゃ舞台袖から女装少年が出て来たらびっくりもするわな。あっはっはっは。
    凛ちゃーーーーんッ!!??

    772 = 1 :



    「そんなお兄さんを見て、緊張してる自分がどうでもよくなった妹さんは、今では歌って戦えるようになりましたとさ」

    加蓮「めでたしめでたし、なのかな……?」

    奈緒「どこのプリキュアだよ……」



    呆れた声の二人。そらそうだわな。
    何故俺は自分の知らない所で黒歴史を語られているのか。恐らくというか絶対小町のせいだな。



    「……そのお兄さんはさ、無理をさせようとはしないんだよ。絶対」



    今度は打って変わって、穏やかな言葉で語りかける凛。
    その声には、どこか優しさが含まれていた。



    「その時だって、『一緒に踊ってくれる?』って妹さんに頼まれたから歌ったんだって。もし妹さんが絶対に出ないって言ったら、お兄さんは止めなかったんだよ」



    八幡「……」



    「いつだって隣にいてくれて、いつだって引っ張ってくれて、背中を押してくれる。でも、突き放すような事はしないんだ」

    奈緒「なぁ、凛…」

    加蓮「そのお兄さんって……」



    「だからさ」



    773 :

    銀さん化してるじゃねーかwww

    774 = 1 :


    いつもよりも元気に、明るく凛は言う。
    まるで、自らを勇気づけるように。

    二人に、言葉を投げかける。



    「私たちは、私たちに出来る事をしよう? 本当に嫌で、本当に無理だと思うなら、プロデューサーはその選択も受け入れてくれるよ」



    ーーきっとね。

    そう言って笑う凛。
    その言葉を聞いて、二人を何を思うのか。



    奈緒「……ふっ」

    加蓮「…あはは」

    「? どうしたの?」



    え? 何で笑うの? 俺に対しての笑いなのそれ? 泣くよ?



    加蓮「いや、なんか、バカらしくなっちゃってさ」

    奈緒「確かに、プロデューサーに比べたら、全然だね」



    誰も俺だって言ってないから。凛の友達のお兄さんの話だから。
    まぁ俺なんだけどさ。

    775 = 1 :



    奈緒「……頑張ってみるか」



    さっきとは違い、どこか力を感じる奈緒の言葉。
    それに対し、加蓮も応える。



    加蓮「うん。やれるだけ、ね」



    先程の不安はどこへやら。
    聞こえてくるのは、立派なアイドルの声だった。



    「……大丈夫だよ。私たちなら」



    その言葉を最後に、俺は差し入れをドアノブにかけ、レッスン場を後にする。
    さすがに、ここで邪魔するのは野暮というものだろうからな。

    ……頑張れよ。






    × × ×






    それから、一週間。
    やれる事はやってきた。後は、本番を残すのみ。



    総武高校でのライブが、始まる。





    777 = 1 :

    というわけで今回はここまで!

    奈緒を総武高校の生徒にした理由の一つに、当時まだ制服姿が無かったからってのがあるんですけど、出ちゃったというね。
    ま、そら三ヶ月もたてばな! ガッハッハ! ごめんなさい!


    次回いよいよ、本当にいよいよライブ!

    778 = 773 :

    乙ぅぅぅ!!

    779 :

    乙!今回もおもしろかった

    で、次の更新はいつかな?(ゲス顔

    781 :

    面白かった!更新ありがと~

    782 :

    乙!
    まさか加蓮がノーパンのパイパンとは思わんかったわ

    783 :

    俺は信じていたぞ
    >>1ならやってくれると俺は信じていたぞ
    それにしてもまたいいところで切ってくれるぜぇ。乙!

    784 :

    口ではイヤイヤ言いながらアイドル続けたり
    拒否りつつ隣に座る奈緒、実にツンデレ

    凛がグーパンかましてるが、八幡にとっては最早ご褒美なのだろうか?

    785 :

    乙!
    最近は戦隊も歌って踊って戦ってましたね

    786 :

    更新来てた!!面白い、乙!!

    787 :

    更新乙!


    エネルギー補充も出来たし、これでテストも勝つる!

    788 :

    実はこのライブが最終話…
    なんて事ないよね

    789 :

    >凛「一緒に、歌って踊ったんだって」
    つまり八幡が小町と一緒に走って英雄故事歌う可能性が微レ存…?

    792 :

    >>788
    過去ログにも書いてあるが、終わり自体は近いんじゃない?

    793 :

    きっと番外編もやってくれるさ

    794 :

    俺たちの冒険はこれからだ状態で終わんのかよ
    勘弁してくれ……

    795 :

    何を期待してるのかは知らないが
    プロデュース期間は一年で、真っ当にアイドル目指す話だから
    今すぐ劇的に関係が変化するとは考えにくい

    後日談で信じて送り出した凛ちゃんさんが
    新しく就任したブサイクなCoPに訓練されて
    ブラウン管の向こう側でしまむらさんとダブルピースしてるのを
    もんにょりした気分で眺める八幡に期待しようぜ!

    796 :

    >>795
    何を期待してるのかは知らないが
    プロデュース期間は一年で、真っ当にアイドル目指す話だから
    今すぐ劇的に関係が変化するとは考えにくい 。

    797 :

    >>782

    本当だよな。
    いくら疲れてるからって
    パンツぐらい履けよな

    798 :

    >>795
    二度と速報から出ていけ

    799 :

    落ち着け、つかよく読め
    特におかしな内容書いてないぞ、紛らわしいけどww


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