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    元スレ八幡「やはり俺のアイドルプロデュースはまちがっている。」凛「その2だね」

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    みんなの評価 : ★★
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    651 = 1 :



    勿論それを良くする為の学校でのライブなのだが、そのせいで断られてしまってはどうしようもない。

    そりゃ知りもしないアイドルにライブやらせてくれなんて言われても困るだろうな。俺だって困る。ってか困ってる。


    しかしそうも言ってはいられまい。
    一応交渉材料も用意してはいる。が、それでも上手く事が運ぶは微妙だろうな。

    まぁうだうだ言っていても仕方がない。ここは、一番交渉を持ち込みやすいあの人から攻めてみることにしよう。というかあの人以外に交渉出来ない。



    ……て、鉄拳の一発や二発は覚悟しているさ(E4突撃スマイル)。




    652 = 1 :












    平塚「いいんじゃないか? やってみるといい」



    総武高校の職員室の奥。
    パーテーションで区切られた応接スペース。そこで我が担任、平塚先生はなんの気も無しにそう言った。



    八幡「……は?」

    平塚「私から上に掛け合ってみよう。それほど大きな規模のライブでなければ、許可くらい降りるだろうさ」



    いやいやいや、いいんじゃないかって、え?
    そんな簡単に許可出しちゃっていいの?

    まさかこんなに簡単に了承されるとは思ってもいなかったので思わず唖然としてしまう。

    そんな俺の反応が面白くなかったのか、ムッとした表情で俺を見る平塚先生。

    653 = 1 :



    平塚「何だその顔は? まさか君は、私が許可を出さないとでも思っていたのかね?」



    図星だった。



    八幡「いや、まぁそう言われるとそうなんですけど……」

    平塚「見くびってもらっちゃ困るな比企谷。生徒の頼みに首を縦に振らない教師がどこにいる?」



    ま、内容にもよるがね。と付け加え、苦笑しながら煙草に火を灯す平塚先生。
    やだカッコいい。またもや惚れそうになっちゃったぜ。なんで結婚出来ないんだろう。今更か。



    八幡「けど俺が言うのもなんですけど、そんな簡単に許可って出るもんなんすか?」



    勿論こちらとしては大助かりなのだが、それでもここまであっさりと許されると逆に恐い。
    すると平塚先生は嫌な笑みを浮かべ、こんな事をのたまった。



    平塚「言っておくが、私が上に掛け合うのはあくまで”学校でライブをやる許可”だぞ?」

    八幡「は?」

    平塚「だから何も、授業を割いたり、場所を提供するとまでは誰も言っていない」



    え? それってつまり……どゆこと?

    654 = 1 :




    平塚「さすがに授業を中断するのは無理だからな。そうなれば放課後が妥当だろう。しかし放課後は部活動がある。ライブの出来る体育館やグラウンドを使うには、体育館やグラウンドを使用する格部の部長や顧問に許可を貰わないといけないな。その辺は私にはどうする事も出来んよ」



    やれやれといった様子でかぶりを振る平塚先生。
    なるほどな、平塚先生が許可を貰えるのはあくまでライブ自体の許可。場所や時間は自分にどうにかしろって事か……マジか。

    くそっ! さっきのときめきを返せ! だから結婚出来ねぇんだよ! 今更か。



    八幡「あーつまり何ですか。要は自分でライブを出来るように交渉して頼んで回れと」

    平塚「これも営業、だろう? 良かったじゃないか。本番前の予行練習が出来て」



    良くない。全然良くない。
    他に比べれば楽に仕事を取って来れると思ってやって来たのに、これでは意味がないではないか。



    八幡「はぁ……仕事したくねぇなぁ」

    平塚「おい。一応キミは今営業に来てるんだろうが。得意先に本音を零してどうする」



    平塚先生は呆れたようにそう言うと、灰皿へ煙草を推し当て、腕を組む。

    655 = 1 :



    平塚「そこまで悲観する事もあるまい。相手は級友と教師だよ」

    八幡「俺にとっちゃ、それは赤の他人と同義ですよ」



    まぁ教員たちは分からんが、生徒からすれば間違いなく誰お前状態だろうな。
    それに知っていたら知っていたで、逆に印象が悪くなるまである。もしかしたらそれこそ知らぬ仲の方がマシかもしれない。



    八幡「それに、問題はまだあります」

    平塚「問題?」

    八幡「出来る事なら、俺がプロデューサーをやっている事を知られたくないんですよ」



    悪名轟くグレン団! なんて自惚れちゃあいないが、それでも少しは俺の事を知っている奴はいる。それも悪い噂を。
    そんな奴らからすれば、俺がプロデュースしてるってだけで、アイドルの印象が悪い方へ行くかもしれない。そんないらんトラブルは避けたいのだ。

    656 = 1 :



    八幡「ただでさえ噂になってるんすから、これで俺が頼みに回ったら自己申告してるようなもんですよ」



    教員たちには学校の関係上、俺がプロデューサーをやっている事は知られている。なので顧問にのみ交渉を持ち掛ければ問題は無いのだが……しかし教員連中はこちらの事情を知らない。

    もし顧問に交渉を持ち掛けて「生徒たちに任せるから、直接聞いてみてくれ」なんて言われたら詰みだ。

    最初に平塚先生に申し出たのも、その辺を請け負ってくれるかなーなんて期待もあったのだが……



    平塚「身から出た錆だ。自分で何とかしたまえ」

    八幡「さいですか……」



    この通りであった。

    657 = 1 :



    平塚「……まぁ、もしもの時は」



    平塚先生は悪戯っぽく微笑んだ後、ゆっくりと立ち上がる。



    平塚「私が顧問をしている部活を訪ねてみるといい。あそこには、頼れる子たちが揃っているよ」



    背中を向け立ち去っていく平塚先生。


    「ま、今は一人休んでいるせいか、少しもの寂しいがね」


    そう言い残していく後ろ姿を、俺は黙って見送っていた。



    ……ったく、どいつもこいつも素直じゃねぇな、ホント。





    658 = 1 :












    場所は変わって奉仕部。
    かつては嫌々通っていたこの部室も、今となっては懐かしさを感じてしまう。

    かすかに漂う紅茶の香りが、何故だか、酷く尊いものに感じられた。


    と、別に干渉に浸る為に奉仕部を訪ねたわけではない。
    理由はさっきの平塚先生との会話の通り。交渉に当たっての相談である。



    雪ノ下「つまり、比企谷くんの代わりに私たちが場所を提供して貰えるよう頼み込んできなさいと、そういう事で良かったかしら?」

    八幡「……言い方がどこか辛辣だが、まぁそういう事だ」

    659 = 1 :



    顎に手をやり、いつのも澄ました表情で俺を見る雪ノ下。
    相変わらず俺への対応は冷たい。俺の悪事が完全ホールドされそうだ。いや相模の話はしてないです。

    そして考え込む雪ノ下と違って、妙に嬉しそうにしているのが由比ヶ浜。



    由比ヶ浜「なるほどねー、じゃあじゃあ、あたしも仲良い子の部活回ってみるよ! 部長やってる子はそんなに知らないけど、その子から頼んでもらえるかも!」

    八幡「いや、頼むのは体育館とかグラウンドを使ってる部活だけで良いんだよ。ライブ出来そうな場所を探してるわけだしな」

    由比ヶ浜「あ、そっか。そうなるとー……うーん……隼人くん?」

    八幡「グラウンドは諦めるか」

    由比ヶ浜「即決だ!?」



    あーそういや葉山ってサッカー部の部長やってたんだったな。忘れてた。
    いやしかしそうすると、それって決行ラッキーなんじゃないか?

    あいつは俺がプロデューサーをやっている事を知ってるし、頼めば恐らくは許してくれるだろう。


    ……けどなぁ。

    660 = 1 :



    八幡「あいつに頼むのはなんか嫌だ」

    由比ヶ浜「何で!?」



    何故だろう。負けた気になる。



    八幡「けど真面目な話、俺はどちらかと言えば体育館でのライブをやりたいと考えてる」

    由比ヶ浜「え? どうして?」



    キョトンした表情で?マークを頭上に浮かべる由比ヶ浜。
    それに対して答えたのは雪ノ下だった。



    雪ノ下「ステージの有無、ね」



    Exactly、その通りである。



    八幡「ライブをやるんなら、やっぱステージは必要になるからな。体育館は元々粗末ではあるが、ステージは設けられているし、証明や音響もある程度は揃ってる。準備にはそれほど手間取らんだろ。けどグラウンドは別だ」

    由比ヶ浜「あーそっか。色々準備しなきゃいけなくなるんだね」

    661 = 1 :


    そう、グラウンドは基本更地。そこに仮設のステージやら照明やら音響機材やら、言ってしまえば1から形作らなければならない。そういった面で見れば、体育館は圧倒的にライブに適した環境なのだ。



    八幡「それにそれだけ用意をすれば、費用もかかる。うちのプロダクションも、まだ名の売れてないアイドルに金を出す程お優しくもないだろうし、出来れば低コストで進めたい」

    由比ヶ浜「世知辛いね……」



    神妙な顔つきで唸る由比ヶ浜。
    そういやコイツ、妙に主婦っぽい所があったな。



    八幡「ま、別にそこまできっちりやる必要はないかもしれんがな。どっかのスクールアイドルだって最初はグラウンドで歌って踊ってたし」

    雪ノ下「けれどそれにしたって、音響は最低限必要になるわ。まさか地声でライブをするわけにもいかないわけだし」



    それこそ、路上ライブと大差ない。
    やっぱ体育館での方がいいんかねぇ。

    662 = 1 :



    雪ノ下「……というか、何故私たちが手伝うという話で進んでいるのかしら?」



    見ると、雪ノ下はこちらを睨むように見据えている。やめろよ。石になったらどうすんだ。



    雪ノ下「元々は、あなたが自分を顧みない手法を取ったのが原因でしょう。それならば、平塚先生が言ったように自分で責任を取るのが筋じゃないの?」

    八幡「うぐっ……」

    由比ヶ浜「ゆ、ゆきのん! で、でもさ、ヒッキーがこうして頼んでるんだし……ね?」



    雪ノ下を宥めるように、肩に手を置く由比ヶ浜。



    由比ヶ浜「……あたしね、この間ヒッキーが頼むって言ってくれた時、嬉しかったんだ」

    八幡「……」

    由比ヶ浜「ヒッキーいつも勝手やっちゃうしさ。あたしたち、ううん、あたしって頼られてないんだって、そう思ってた」



    ぽつりぽつりと言葉を零す由比ヶ浜
    小さく笑ってはいるが、その言葉と表情には、悲しみの色が伺える。

    663 = 1 :



    けれどそれも一瞬で、俺に向き直った由比ヶ浜は、いつもの屈託のない笑顔を浮かべていた。



    由比ヶ浜「だから嬉しかったんだ。私も、奉仕部の一員なんだって思えて」



    純粋なその笑顔を向けられ、思わず目を反らしてしまう。
    ……別にそこまで考えて言ったわけじゃねーよ。



    由比ヶ浜「ね、ゆきのんもそうでしょ?」

    雪ノ下「わ、私は……」



    由比ヶ浜に急に振られ、雪ノ下は少しだけ驚き、そして少しだけ言い淀んだ。



    雪ノ下「……私は、さっき言った事が本音だし、撤回する気も無いわ。けれど…」



    今度は、雪ノ下が俺を真っ直ぐに見つめる。
    その、嘘の無い瞳で。



    雪ノ下「これは神谷さんから奉仕部への依頼。その上で、確かにあなたがプロデューサーだという事が知られれば依頼へ支障をきたすのも事実。……だから、今回は手伝ってあげるわ」

    664 = 1 :



    最後の方だけ若干恥ずかしそうに言い、そしてすぐに目を逸らしてしまう。

    僅かに頬を、紅潮させて。



    雪ノ下「べ、別にあなたから頼まれてから引き受けたわけではないわ。あくまで依頼だからよ」

    由比ヶ浜「……」

    八幡「……」



    何となく、由比ヶ浜と目が合ってしまう。
    そして、思わずお互いに吹き出してしまった。



    雪ノ下「……あなた達、その反応は馬鹿にしていると取っていいのかしら?」



    見るとジト目でこちらを睨んでいる雪ノ下。
    いやだってなぁ?

    もう、ツンデレ乙としか言いようが無い。

    665 = 1 :



    由比ヶ浜「ゆきのんは可愛いな~♪」

    雪ノ下「ちょ、由比ヶ浜さん? 頭を撫でるのはやめてちょうだい……!」



    楽しそうにじゃれ合う二人を見て、思わず頬が緩む自分がいる。
    この光景も、また懐かしいと思う時が来るのだろうか。



    大切なものほど側に置いてはいけないと、どこかで聞いた事がある。

    遠距離恋愛の方が実は長続きするとか、無くして初めて大事だったことに気付くとか、確かそんな風な話だった気がする。

    離れているからこそ、その尊さを、儚さを実感出来る。


    もしも俺が、プロデューサーをやっていなくて、未だこの奉仕部に残っていたら、どうなっていただろうか。
    ……いや、それは考えるだけ無駄だろう。


    俺は、もう選択したのだから。
    人生にセーブポイントなんて無いし、戻る事だって出来やしない。

    666 = 1 :



    雪ノ下「比企谷くん、ニヤニヤしてないで、交渉内容について話し合いあいましょう。気持ち悪い」

    八幡「ちょっと? そんな物のついでみたいに罵倒を付け足すのやめて貰える?」

    由比ヶ浜「ほらほらいーから、早く考えよ!」



    もしも、あの時別の選択をした俺がいたのなら、それはその時の俺に任せよう。

    俺は俺で、この選択を選び抜こう。



    いつか、間違いでなかったと言えるように。






    668 = 1 :

    今回はここまでになります!

    俺ガイル勢だけは何気に初かな? まぁ8巻発売記念という事で!
    一応ネタバレはしない方向で行こうと思いますのであしからず。

    やっぱ俺ガイル面白い(8巻読んで)。

    669 :

    紅茶の香りとかネタの入れ方が上手いな 乙乙

    671 :

    上げてんじゃねぇよと思ったら本人だった!乙!
    さがみんは声だけは可愛いから(震え声)

    672 :


    続きも楽しみにしてるよ

    673 :

    待ってたぜ! 乙乙

    675 :

    待ってた!乙!

    そうだね、大事なものを近くに置くとあんな風に…(7,8巻を見ながら)

    676 :

    でも8巻読んだんだなーって思える文章にやってる気がした、乙!

    677 :

    乙!
    本当に大切な物は遠ざける物だってCCが言ってた

    678 :

    あーあまた上がってるよと思ったら更新だった!

    乙乙!

    679 :

    乙!気づいたら更新してた
    よく考えたら6巻で八幡があんな解決のしかたをやらないといけなかったのは雪ノ下のせいだし7巻では由比ヶ浜のせいだったんだよな…

    680 :

    八凛いいゾ?コレ。
    もっと蘭子も出してくれやオルルァ!

    681 :

    モバマスのキャラは変に捻くれてないから安心して見れるな

    そんなわけで、ままゆ登場からの修羅場はよ

    683 = 678 :

    原作のこのへんの時期を想定~ってどっかで言ってなかったかな

    どのへんの時期かもどこで言及したかも忘れてしまったので教えられないんだが

    685 :



    ここの八幡は独自の成長をしてるから
    同じような事態にはならないかも

    686 :

    それでも八幡はやらかしてくれると信じてる。
    つーかやらかさないと修羅場れなくね?

    687 :

    相模の件で悪評が広まってることをネタにアイドルの悪い噂流されたり
    一部のDQN達に妨害される展開とか来たらどうしよう…

    688 = 685 :

    >>686
    修羅場を望んでる訳ではないぞww

    689 :

    つーか八幡は修羅場しか芸がないみたいな言い方はやめてくんない?
    おまえらわたりんに調教されすぎだろどんだけだよwwww

    モバマスのほうは2周年アイプロがニュージェネか…>>1が熱くなるな…(凛ちゃん的な意味で)

    690 :

    やらかさないと修羅場れなくね?は
    陵辱がないでしょッッッみたいなニュアンスだと思ってる

    691 :

    他のSSとか読んでるとなんかやらかすのが当たり前みたいになっちゃって…
    やらかさないとイチャコラ系かとか思う程度になってしまってる。

    692 :

    ありとあらゆる事を考えて最善か最小の被害に抑える選択するだけだから
    プロデューサーという立場的にまずやらない・・・筈

    693 :

    一々雑談すんなよ気持ち悪い

    694 :

    agaってるから>1が来たのかと思ったら雑談じゃねぇか!
    せめてsageろよ…期待しちゃっただろうが……

    695 :

    今度からsageもできないやつはスレ出禁な!

    696 :

    >>695
    ひょっとしてギャグで言ってるのか?

    697 :

    しばらく目を離してたらいつの間にか伸びてるから来てみれば
    300ぐらい雑談で番外編投下が40ってどうなってんのこれ

    698 :

    めっちゃ期待して見に来たらこれかよ...

    >>695テメーだよ

    699 = 693 :

    >>695
    つまらないからさっさとおっ[ピーーー]ボケが

    700 :

    筆が遅いからこうなる
    まぁ仕方ないけど


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